JP2004043681A - ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法及びポリスチレン系樹脂押出発泡板 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法及びポリスチレン系樹脂押出発泡板 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性に優れ、熱伝導率も小さく、寸法安定性に優れるポリスチレン系樹脂押出断熱発泡板を提供する。
【解決手段】押出機中にてポリスチレン系樹脂を加熱し、発泡剤、難燃剤及び気泡調整剤と共に混練して得られる発泡性溶融樹脂混合物を、押出機先端に取付けたダイを通して低圧領域に押出発泡する際に、該発泡剤が、発泡剤全量に対して、(a)20〜70重量%のイソブタンと、(b)10〜65重量%の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールと、(c)5〜50重量%の二酸化炭素と、(d)0〜25重量%のその他の物理発泡剤からなり、且つ発泡剤全量に対する該脂肪族アルコールの重量比率:X(重量%)と発泡剤全量に対する二酸化炭素の重量比率:Y(重量%)が式(1)を満足させる。式(1):7≧X/Y≧0.5
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建築物の壁、床、屋根等の断熱材や畳芯材等に使用されるポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法、及びポリスチレン系樹脂押出発泡板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリスチレン系樹脂発泡体は優れた断熱性及び好適な機械的強度を有することから、一定幅の板状に成形されたものが断熱材として広く使用されてきた。かかる発泡板の製造方法として、ポリスチレン系の樹脂材料に気泡調整剤を加え、加熱溶融混練後、物理発泡剤を添加し、これらの混合物を高圧域から低圧域に押し出す製造方法が知られている。
【0003】
上記発泡板の製造に使用する発泡剤として、従来はジクロロジフルオロメタン等の塩化フッ化炭化水素(以下、CFCという。)が広く使用されてきた。しかし、CFCはオゾン層を破壊する虞が大きいことから、近年、オゾン破壊係数が小さい水素原子含有塩化フッ化炭化水素(以下、HCFCという。)が、CFCに替わって用いられてきた。
【0004】
しかし、HCFCもオゾン破壊係数が0ではないことから、オゾン層を破壊する虞が全くないわけではない。そこで、オゾン破壊係数が0であり、分子中に塩素原子を持たないフッ化炭化水素(以下、HFCという。)を発泡剤として使用することが、検討されてきた。
【0005】
ところが、このHFCは地球温暖化係数が比較的大きいため、地球環境の保護という点では改善の余地がある。
従って、オゾン破壊係数が0であると共に、地球温暖化係数も小さい環境に優しい発泡剤を使用して、ポリスチレン系樹脂押出発泡断熱板を製造することが望まれている。
【0006】
一方、イソブタンは、オゾン破壊係数が0であり、地球温暖化係数も小さく、地球環境に優しいという観点からは、優れた発泡剤である。また、ポリスチレンに対する透過速度が空気より極めて遅いことから、イソブタンを使用した発泡断熱板は長期にわたって製造時の断熱性を維持することが可能である。しかしながら、イソブタンは気体状態における熱伝導率が空気に比べ低いものの、これまで用いられてきたCFC、HCFC、HFCと比べると、気体状態における熱伝導率が大きく、HFC等と同等の断熱性を得ることが困難である。更に、それ自身が可燃性ガスのため、得られた発泡体に難燃性を付与することも極めて困難である。
【0007】
また、近年、地球温暖化係数が小さく、オゾン層を破壊しない発泡剤として、二酸化炭素、アルコール、及びこれらの混合物を用いることが試みられている。しかしながら、二酸化炭素単体を発泡剤として使用した場合は、低密度で独立気泡率が高い発泡体を得ることは困難である。また、アルコール単体を発泡剤として使用した場合は、アルコールは沸点が高いので、低密度の発泡体を得ることが難しい上に、寸法安定性に優れる発泡体を得ることに課題が残る。
【0008】
二酸化炭素とアルコールを併用すれば、アルコールが炭酸ガスを樹脂中に分散させる効果があるためか、低密度で外観良好な発泡体を容易に得ることはできる。しかしながら、二酸化炭素やアルコールは、ポリスチレン系樹脂からなる発泡体中に残存する期間が短いために、長期にわたって高い断熱性を保つことが難しい。
【0009】
HFCと二酸化炭素とアルコールの併用も試みられている。しかしながら、高い断熱性を有するポリスチレン系樹脂発泡体を得るためには、相当量のHFCを使用しなければならないので、発泡剤の地球温暖化係数が高くなるという環境面の課題を解決することが難しくなる。
【0010】
また、炭化水素と二酸化炭素とアルコールの併用も試みられている。しかしながら、難燃性を確保するためには少量の炭化水素しか用いることができないので、高い断熱性を有するポリスチレン系樹脂発泡体を得ることが難しく、また寸法安定性に優れたものを得ることが難しいという課題を有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のポリスチレン系樹脂押出断熱発泡板の欠点に鑑み、オゾン破壊係数が0で、地球温暖化係数も小さいイソブタンを発泡剤として用いて製造した発泡板であって、難燃性に優れ、熱伝導率も小さく、寸法安定性に優れるポリスチレン系樹脂押出断熱発泡板を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以下に示すポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法及びポリスチレン系樹脂押出発泡板が提供される。
[1]押出機中にてポリスチレン系樹脂を加熱し、発泡剤、難燃剤及び気泡調整剤と共に混練して得られる発泡性溶融樹脂混合物を、押出機先端に取付けたダイを通して低圧領域に押出発泡してなるポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法において、該発泡剤が、(a)発泡剤全量に対して20〜70重量%のイソブタンと、(b)発泡剤全量に対して10〜65重量%の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールと、(c)発泡剤全量に対して5〜50重量%の二酸化炭素と、(d)発泡剤全量に対して0〜25重量%のその他の物理発泡剤からなり(但し、(a)、(b)、(c)及び(d)の発泡剤量の総和が100重量%)、且つ、発泡剤全量に対する該脂肪族アルコールの重量比率:X(重量%)と発泡剤全量に対する二酸化炭素の重量比率:Y(重量%)が下記(1)式を満足することを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
【数1】
7≧X/Y≧0.5        (1)
[2]前記発泡剤が、(a’)発泡剤全量に対して40〜70重量%のイソブタンと、(b’)発泡剤全量に対して10〜50重量%の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールと、(c’)発泡剤全量に対して5〜40重量%の二酸化炭素と、(d)発泡剤全量に対して0〜25重量%のその他の物理発泡剤からなり(但し、(a’)、(b’)、(c’)及び(d)の発泡剤量の総和が100重量%)、且つ、発泡剤全量に対する該脂肪族アルコールの重量比率:X(重量%)と発泡剤全量に対する二酸化炭素の重量比率:Y(重量%)が下記(2)式を満足することを特徴とする前記[1]に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
【数4】
5≧X/Y≧0.5        (2)
[3]前記脂肪族アルコールがエタノールであることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法により製造される、厚みが10〜150mm、厚み方向の平均気泡径が50〜250μm、見掛け密度が22〜60kg/mであることを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡板。
[5]発泡板中のイソブタン含有量が、発泡板1kg当たり0.4〜0.9モルであることを特徴とする前記[4]に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板。
[6]難燃剤として臭素化イソシアヌレートを含むことを特徴とする前記[4]又は[5]に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明を次に添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図中、図1は本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法に使用される通路、成形装置の一例を示す図面である。
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板(以下、押出発泡板という。)の製造方法は、(a)発泡剤全量に対して20〜70重量%のイソブタンと、(b)発泡剤全量に対して10〜65重量%の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールと、(c)発泡剤全量に対して5〜50重量%の二酸化炭素と、(d)発泡剤全量に対して0〜25重量%のその他の物理発泡剤とからなる混合発泡剤と、ポリスチレン系樹脂と、難燃剤と、気泡調整剤とを含む、発泡性溶融樹脂混合物を高圧域から低圧域に押出すことを包含する。即ち、本発明の押出発泡板の製造方法は、押出機にポリスチレン系樹脂と難燃剤や気泡調整剤等の添加剤を供給し、加熱し溶融し混練して溶融樹脂混合物とし、高圧下において上記組成の混合発泡剤を圧入し、混練して発泡性溶融樹脂混合物となし、次に発泡性溶融樹脂混合物を発泡適性温度に調整してから、高圧域から低圧域に押出機先端のダイを通して押出発泡することを包含する。そして更に、発泡剤全量に対する該脂肪族アルコールの重量比率と発泡剤全量に対する二酸化炭素の重量比率との関係が前記関係式を満足するものであり、このような方法により得られる押出発泡板は、高厚み、低い見掛け密度で、難燃性、断熱性、寸法安定性に優れ、地球環境保護に対して優れたものである。
【0014】
本発明において使用されるポリスチレン系樹脂としては、例えばスチレン単独重合体やスチレンを主成分とするスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレン等が挙げられる。上記スチレン系共重合体におけるスチレン成分単位含有量は50モル%以上が好ましく、特に好ましくは80モル%以上である。
【0015】
本発明において用いるポリスチレン系樹脂は、メルトフローレイト(MFR)が0.5〜30g/10分(但し、JIS K7210−1976のA法の試験条件8により測定されるMFR)の範囲のものを用いることが好ましく、更に1〜10g/10分のものを用いると、押出発泡板を製造する際の押出成形性に優れると共に、得られる押出発泡板が機械的強度に優れるものとなるのでより好ましい。
【0016】
また、本発明において用いるポリスチレン系樹脂は、1〜4個の分岐点を有するモノマー単位を含有する非線状ポリスチレン系樹脂を使用することが好ましい。該非線状ポリスチレン系樹脂を使用することにより、二酸化炭素を含む混合発泡剤と混練性を向上させることができ、押出発泡時のダイ内部の圧力を低くすることができ、外観、機械的強度に優れ、低い見掛け密度のものとなる。
【0017】
本発明の押出発泡板は、特定の混合発泡剤を用いて製造される。該混合発泡剤は、主として、イソブタン、脂肪族アルコール、二酸化炭素からなるものであり、クロロフルオロカーボンやフルオロカーボンは含まない。従って、本発明の押出発泡板中に含まれる発泡剤は、オゾン破壊係数が0であると共に、地球温暖化係数も小さく、地球環境に優しいものである。
【0018】
本発明において発泡剤として断熱性維持の点からイソブタンを使用する。
【0019】
本発明にて発泡剤として使用する脂肪族アルコールは、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールである。具体的には、メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパルギルアルコールの中から選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールである。これらの中でも、本発明においてはポリスチレン系樹脂への溶解性やポリスチレン系樹脂への二酸化炭素溶解性を向上させる効果の点から、エタノール単独にて構成される脂肪族アルコールを用いることが好ましい。
【0020】
また、イソブタン、脂肪族アルコール、二酸化炭素に加え必要に応じ、その他の発泡剤成分を用いることができる。このようなその他の発泡剤成分としては、例えば、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソペンタン、シクロペンタン、ノルマルペンタン等のイソブタン以外の炭素数1〜6の飽和炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の炭素数1〜3の塩化アルキル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルビニルエーテル等の炭素数2〜6のエーテル、水、窒素等の無機ガス、ケトン、等が挙げられる。このようなその他の発泡剤の配合は、例えば塩化アルキルを配合し脂肪族アルコールの配合量を減じることにより発泡板製造時の着火事故の危険性を低減できる効果、塩化アルキルを配合しイソブタンの配合量を減じることにより発泡板の難燃性を高める効果等が期待できるが、本発明の所期の目的を達成する上では、その他の発泡剤の配合量は0重量%であってもよい。
【0021】
本発明においては、上記混合発泡剤を特定の比率で使用する。即ち、本発明においては、(a)発泡剤全量に対して20〜70重量%のイソブタンと、(b)発泡剤全量に対して10〜65重量%の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコール(尚、発泡剤全量に対して10〜65重量%とは、発泡剤として使用される1種又は2種以上の前記脂肪族アルコールの合計重量%である。)と、(c)発泡剤全量に対して5〜50重量%の二酸化炭素と、(d)発泡剤全量に対して0〜25重量%のその他の物理発泡剤からなる混合発泡剤を使用する。
【0022】
該イソブタンが20重量%未満の場合は、得られる押出発泡体の断熱性が不十分なものとなってしまい、70重量%を越える場合には十分な難燃性を安定して確保することが難しくなり、特殊な大小の気泡構造と特殊な難燃剤を使用する等の特別な手段を採用しなければならなくなる。
【0023】
また、前記脂肪族アルコールが10重量%未満の場合、低い見掛け密度の押出発泡体を得ることが難しくなり、軽量性、断熱性が不十分なものとなる。一方、65重量%を越える場合は押出発泡体の寸法安定性が不十分なものとなり、難燃性も悪化する虞がある。
【0024】
また、該二酸化炭素が5重量%未満の場合は、得られる押出発泡体の平均気泡径を小さくすることが難しく断熱性が不十分となる虞があり、更に、押出発泡体の難燃性向上効果も期待できない。一方、50重量%を越える場合は、低い見掛け密度の押出発泡体を得ることが難しくなる。
【0025】
また、本発明においては、イソブタン、前記脂肪族アルコール、及び二酸化炭素以外のその他の発泡剤が混合発泡剤全量に対して0〜25重量%、好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは0〜5重量%の割合で含まれていてもよい。
【0026】
尚、本発明で用いる混合発泡剤は、所期の目的を達成する上で、発泡剤全量に対して40〜70重量%のイソブタンと、発泡剤全量に対して10〜50重量%の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコール(尚、発泡剤全量に対して10〜50重量%とは、発泡剤として使用される1種又は2種以上の前記脂肪族アルコールの合計重量%である。)と、発泡剤全量に対して5〜40重量%の二酸化炭素と、発泡剤全量に対して0〜25重量%のその他の物理発泡剤からなることが好ましい。更に、発泡剤全量に対して55〜70重量%のイソブタンと、発泡剤全量に対して15〜40重量%の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールと、発泡剤全量に対して10〜30重量%の二酸化炭素と、発泡剤全量に対して0〜25重量%のその他の物理発泡剤からなることがより好ましい。
【0027】
本発明においては、発泡剤全量に対する炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールの重量比率:X(重量%)(尚、Xは、脂肪族アルコール発泡剤として使用される1種又は2種以上の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールの合計重量%である。)と、発泡剤全量に対する二酸化炭素の重量比率:Y(重量%)が下記(1)式を満足することを要する。
【数5】
7≧X/Y≧0.5        (1)
【0028】
(1)式によって定まるX/Yが7を超える場合は、本発明にて使用される発泡剤の内、イソブタンと比べて早期に押出発泡体から大気中へ透過する前記脂肪族アルコールと二酸化炭素において、二酸化炭素よりもポリスチレン系樹脂に対するガス透過速度が遅い脂肪族アルコールの量が多いため、押出発泡体の寸法安定性が不十分なものとなり、難燃性も悪化する虞がある。その理由としては、二酸化炭素は押出発泡直後に押出発泡体から大気中へ透過するが、該脂肪族アルコールは押出発泡後徐々に数日かけて押出発泡体から大気中へ透過する為と考えられる。また、得られる押出発泡体の外観も悪いものとなってしまう。一方、該X/Yが0.5未満の場合は、低い見かけ密度の押出発泡体を得ることが難しくなる。
【0029】
発明においては所期の目的を達成する上で、発泡剤全量に対する炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールの重量比率:X(重量%)(尚、Xは、脂肪族アルコール発泡剤として使用される1種又は2種以上の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールの合計重量%である。)と発泡剤全量に対する二酸化炭素の重量比率:Y(重量%)が下記(2)式を満足することが好ましい。
【数6】
5≧X/Y≧0.5        (2)
【0030】
本発明においてポリスチレン系樹脂と共に押出機にて混練される難燃剤及び気泡調整剤としては以下のものが使用できる。
該難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化イソシアヌレート、臭素化ビスフェノール、ジブロモネオペンチルグリコール、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモフタル酸ジオール、テトラブロモフェノール、ポリペンタブロモベンジルアクリレート等の臭素系難燃剤、塩素化パラフィン、無水ヘット酸、クロルエンド酸、デクロランプラス等の塩素系難燃剤、トリアリルフォスフェート、アルキルアリルフォスフェート、アルキルフォスフェート等のフォスフェートエステル、フォスフォネート、フォスフォリネン、臭素化フォスフェートエステル、塩素化フォスフェートエステル等のハロゲン化フォスフェートエステル、リン酸グアニール尿素、ポリフォスファゼン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、赤リン等のリン系難燃剤、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛等のホウ酸金属塩等のホウ素化合物、メラミンリン酸塩、リン酸グアニジン、メレム、メラミン、メラミンシアヌレート、イソシアヌル酸、シアヌル酸等の窒素系難燃剤、その他、テトラゾール類、酸化スズ、水酸化スズ、酸化アンチモン、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、ドーソナイト、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム等の難燃剤が挙げられる。
【0031】
上記難燃剤の中でも、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化イソシアヌレート、臭素化ビスフェノールから選択される少なくとも1種以上を全難燃剤量の50〜100重量%、更に70〜100重量%となるように使用することが好ましい。臭素系難燃剤、特にヘキサブロモシクロドデカンはポリスチレン系樹脂押出発泡板の難燃剤として極めて優れた難燃効果を発揮する。尚、本発明の押出発泡体を製造する際の押出機中における難燃剤の熱分解を抑制する観点から臭素化イソシアヌレートを使用することが好ましい。よって、本発明において、難燃剤として臭素化イソシアヌレートを含む押出発泡体が好ましい。
上記臭素化イソシアヌレートの具体例としては、モノ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、ジ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、モノ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、ジ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、トリス(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート等が挙げられる。また、上記の臭素化イソシアヌレートの中で特に、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートは、ポリスチレン系樹脂との相溶性が良好であり、分解開始温度が250〜265℃、融点が100〜110℃であるために発泡板製造時における取扱いが容易で、ポリスチレン系樹脂との混練時において分解する可能性も小さく、極めて高い難燃効果が容易に発現されるため好ましい。尚、本発明における臭素化イソシアヌレートとしては、1種又は2種以上のものをポリスチレン系樹脂に添加することができる。また、臭素化イソシアヌレートと三酸化アンチモン等の他の難燃剤とを併用してポリスチレン系樹脂に添加することもできる。
また、臭素化ビスフェノールの具体例としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)オリゴマー、テトラブロモビスフェノールAビス(1−ブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ハイドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルのトリブロモフェノール付加物、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAオリゴマーのエポキシ基付加物等が挙げられる。また、上記の臭素化ビスフェノ−ルの中で特に、テトラブロモビスフェノ−ルAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)オリゴマーが、ポリスチレン系樹脂との相溶性が良く、分解開始温度が275〜310℃、融点が105〜130℃であって発泡板製造時における取扱いが容易で、ポリスチレン系樹脂との混練時において分解する可能性も小さく、難燃効果も高く発現し易いため好ましい。尚、本発明における臭素化ビスフェノールとして1種又は2種以上のものをポリスチレン系樹脂に添加することができる。更に、その他の難燃剤を併用することもでき、特に臭素化イソシアヌレートと臭素化ビスフェノールとを併用することにより特に優れた難燃性を有する押出発泡板が得られる。
【0032】
本発明において用いられる難燃剤の添加量は、難燃剤の種類、発泡剤の種類と組成、発泡板の見掛け密度等により適宜決定されるため、一義的に定めることはできないが、おおむねポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは2〜10重量部が添加される。
【0033】
押出発泡板の平均気泡径を調整するための添加剤である該気泡調整剤としては、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物粉末が例示され、本発明において気泡調整剤は2種以上組合せて用いることもできる。前記各種の気泡調整剤の中では、気泡径の調整が容易であると共に難燃性を阻害することがなく、気泡径を小さくしやすい等の理由でタルクが好適に用いられ、特に、数平均メジアン粒子径が0.1〜10μm、更に0.5〜5μmのタルクが好ましい。
【0034】
気泡調整剤としてタルクを使用する場合、その添加量は発泡板重量に対して、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは1.5〜8重量%、特に好ましくは2〜7重量%である。特にタルクを上記の範囲内でポリスチレン系樹脂に添加することにより、気泡径を小さくする効果のほかに、難燃性を向上させるという優れた効果を得られる。
【0035】
本発明においては、添加剤として前記気泡調整剤、難燃剤以外にも、目的を妨げない範囲において、着色剤、熱安定剤、充填剤等の各種添加剤を適宜添加することができる。
【0036】
本発明によって得られる押出発泡板は、厚みが10〜150mmである。該厚みが10mm未満の場合は、断熱材に要求される断熱性が不十分になる虞があり、150mmを超える場合は、断熱材として使用するには厚すぎて取扱いにくいものとなる虞がある。
【0037】
本発明によって得られる押出発泡板は、見掛け密度が22〜60kg/mである。該見掛け密度が22kg/m未満の場合は、そのような見掛け密度の押出発泡体を製造すること自体がかなり困難なものである上に、得られる押出発泡板の機械的物性においても従来の発泡断熱板と比較して不充分なものとなるので、使用できる用途が限定される。また、押出発泡板の見掛け密度が低下すると難燃処方を十分に行なわなければ難燃性を悪化させる虞がある。従って、本発明の押出発泡板は見掛け密度が32kg/m以上であることが好ましい。一方、該見掛け密度が60kg/mを超える場合は、厚みを必要以上に厚くしない限り、充分な断熱性を発揮させることが難しく、また、軽量性の点において不充分なものとなる虞がある。特に、本発明においては押出発泡板の見掛け密度が32〜60kg/mのものが高い断熱性能を付与し易い観点から好ましい。
【0038】
本発明の押出発泡板は、熱伝導率が0.034W/m・K以下であることが好ましい。かかる熱伝導率は、JIS A9511−1995記載の押出ポリスチレンフォーム保温板2種についての熱伝導率の規格を満足するものであり、極めて高い断熱性を要求されない用途の押出発泡板においては、好ましいものである。
【0039】
本発明の押出発泡板は、熱伝導率が0.028W/m・K以下であることがより好ましい。かかる熱伝導率は、JIS A9511−1995記載の押出ポリスチレンフォーム保温板3種についての熱伝導率の規格を満足するものであり、そのような押出発泡板は建材用の断熱板として好適なものである。尚、これらの熱伝導率は、JIS A 1412−1994記載の平板熱流計法(熱流計2枚方式、平均温度20℃)にて測定される値である。
【0040】
本発明の押出発泡板における、厚み方向の平均気泡径(A)は50〜250μmである。該平均気泡径(A)が50μm未満の場合は、製造時にダイリップを通して押出されて発泡した溶融樹脂混合物を、ダイの下流側に取り付けられる成形装置で板状に成形することができなくなる虞がある。一方、該平均気泡径(A)が250μmを超える場合は、目的とする断熱性を得ることができない虞がある。そのような観点から、本発明の押出発泡板の厚み方向の平均気泡径は、60〜200μmであることが好ましく、60〜150μmであることがより好ましい。
【0041】
本発明の押出発泡板においては、気泡形状が下記条件式(3)及び(4)を満足することが好ましい(但し、条件式中Aは押出発泡板の厚み方向の平均気泡径、Bは押出発泡板の幅方向の平均気泡径、Cは押出発泡板の長手方向の平均気泡径である)。
【0042】
【数7】
0.7≦A/B≦1.3    (3)
【数8】
0.7≦A/C≦1.3    (4)
【0043】
本発明において、A/Bを0.7〜1.3、A/Cを0.7〜1.3とすることにより、十分な断熱性を有するものとなる。
【0044】
尚、A/B及び/又はA/Cのより好ましい範囲は下記条件式(5)及び(6)の通りである。
【数9】
0.8≦A/B≦1.2    (5)
【数10】
0.8≦A/C≦1.2    (6)
【0045】
A/B及び/又はA/Cが0.7未満の場合は、気泡が偏平なので厚み方向への圧縮強度が低下する虞があり、偏平な気泡は円形に戻ろうとする傾向が強いので、押出発泡板の寸法安定性も低下する虞がある。A/B及び/又はA/Cが1.3を超えると、厚み方向における気泡壁の数が少なくなり、目的とする高い断熱性が得られない虞がある。
【0046】
本明細書における平均気泡径の測定方法は次の通りである。前記平均気泡径(A)及び(B)は、押出発泡板の幅方向垂直断面(押出発泡板の押出方向と直交する垂直断面)を、前記平均気泡径(C)は、押出発泡板の長手方向垂直断面(押出発泡板を幅方向に二等分し、且つ、押出発泡板の幅方向と直交する垂直断面)を、顕微鏡等を用いてスクリーンまたはモニタ等に拡大投影し、投影画像上において測定しようとする方向に直線を引き、その直線と交差する気泡の数をカウントし、直線の長さ(但し、この長さは拡大投影した投影画像上の直線の長さではなく、投影画像の拡大率を考慮した真の直線の長さを指す。)をカウントされた気泡の数で割ることによって、各々の方向における平均気泡径を求める。
【0047】
但し、厚み方向の平均気泡径(A)について測定する場合は、幅方向垂直断面の中央部及び両端部の計3箇所に厚み方向に全厚みに亘る直線を引き各々の直線の長さと該直線と交差する気泡の数から各直線上に存在する気泡の平均径(直線の長さ/該直線と交差する気泡の数)を求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を厚み方向の平均気泡径(A)とする。
【0048】
幅方向の平均気泡径(B)について測定する場合は、幅方向垂直断面の中央部及び両端部の計3箇所の押出発泡板を厚み方向に二等分する位置に、長さ3000μmの直線を幅方向に引き、長さ3000μmの直線と(該直線と交差する気泡の数−1)から各直線上に存在する気泡の平均径(3000μm/(該直線と交差する気泡の数−1))を求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を幅方向の平均気泡径(B)とする。
【0049】
長手方向の平均気泡径(C)について測定する場合は、長手方向垂直断面の中央部及び両端部の計3箇所の押出発泡板を厚み方向に二等分する位置に、長さ3000μmの直線を長手方向に引き、長さ3000μmの直線と(該直線と交差する気泡の数−1)から各直線上に存在する気泡の平均径(3000μm/(該直線と交差する気泡の数−1))を求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を長手方向の平均気泡径(C)とする。
【0050】
本発明の押出発泡板は、全体が実質的に均一な大きさの気泡構造のものであることが好ましい。特公平5−49701号に記載されるように大気泡と小気泡を混在させるようにすることも可能ではあるが、全体が実質的に均一な大きさの気泡構造のものの方が機械的物性の均一性に優れるので好ましい。
【0051】
本発明の押出発泡板の独立気泡率は90%以上であることが好ましく、93%以上であることがより好ましい。独立気泡率が高いほど断熱性能を高く維持できる。このことは、本発明のように従来使用されていた発泡剤と比較して熱伝導率の大きな発泡剤を使用する場合には重要性が高くなる。
【0052】
押出発泡板の独立気泡率は、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用して測定(押出発泡板から25mm×25mm×20mmのサイズに切断された成形表皮を持たないカットサンプルをサンプルカップ内に収容して測定する。ただし、厚みが薄く厚み方向に20mmのカットサンプルが切り出せない場合には、例えば、25mm×25mm×10mmのサイズのカットサンプルを2枚同時にサンプルカップ内に収容して測定すればよい。)された押出発泡板(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、(7)式により独立気泡率S(%)を計算する。尚、一つの押出発泡板に対して3箇所の異なる部分からカットサンプルを切り出して各々のカットサンプルについて上記測定を行ない得られた値の平均値を独立気泡率とする。
【0053】
【数11】
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ)  (7)
【0054】
Vx:上記方法で測定されたカットサンプルの真の体積(cm)であり、カットサンプルを構成する樹脂の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。
Va:測定に使用されたカットサンプルの外寸から計算されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm)。
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)。
ρ:押出発泡板を構成する樹脂の密度(g/cm)。
【0055】
本発明の押出発泡板は、JIS A9511−1995記載の押出ポリスチレンフォーム保温板を対象とする燃焼性規格を満足するものであることが好ましい。即ち、JIS A9511−1995に記載されている4.13.1「測定方法A」の燃焼性の測定を行なった場合、炎が3秒以内に消え、残じんがなく、燃焼限界支持線を越えて燃焼することがないものであることが好ましい。そのような押出発泡板は、着火した場合であっても、火が燃え広がる可能性が小さいので、建材用の押出ポリスチレンフォーム保温板として要求される安全性を備えるものである。
【0056】
本発明の押出発泡板においては、断熱性に優れると共に、目的とする難燃性を得るために(即ち、上記燃焼性規格を満足するために)、発泡板中のイソブタン含有量が、押出発泡板1kg当たり0.4〜0.9モルであることが好ましく、0.45〜0.75モルであることがより好ましい。イソブタンの残存量が上記範囲内にあることにより、極めて高い断熱性を示す断熱材となる。一方、イソブタンの残存量が0.9モルを超える場合は、建築材料として十分な難燃性を得ることができない虞がある。また、極めて高い断熱性を要求されない用途の押出発泡板においては、押出発泡板中のイソブタンの残存量は、押出発泡板1kg当り0.45モル未満であることが難燃性の観点から好ましい。
【0057】
本明細書における発泡剤の残存量は、ガスクロマトグラフを用いて測定する。具体的には、押出発泡板の中央部から切り出したサンプルをトルエンの入った蓋付きの試料ビンの中に入れ、蓋を閉めた後、十分に攪拌し該押出発泡板中の発泡剤をトルエンに溶解させたものを測定試料とし、該試料についてガスクロマトグラフィー分析を行なうことより押出発泡板に含有されるイソブタン等の残存量を求める。
【0058】
ガスクロマトグラフ分析の測定条件は以下の通りとした。
カラム:
製造者:信和化工株式会社
担体:Chromosorb W、メッシュ60〜80、AW−DMCS処理品
液相:Silicone DC550(液相量20%)
カラム寸法:カラム長さ4.1m、カラム内径3.2mm
カラム素材:ガラス
充填カラム空焼条件:220℃、40時間
カラム温度:40℃
注入口温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
キャリヤーガス速度:3.5ml/min
検出器:FID
検出器温度:200℃
定量:内部標準法
【0059】
また、本発明の押出発泡板においては、目的とする燃焼性を得るために(即ち、燃焼性規格を満足するために)、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化イソシアヌレート、臭素化ビスフェノールから選択される難燃剤を少なくとも1種以上含むことが好ましく、また、前述した通り臭素化イソシアヌレートを含む難燃剤を選択することが好ましい。
【0060】
押出発泡板の難燃剤の含量は、難燃剤の種類、発泡剤の種類、発泡剤の残存量、発泡板の見かけ密度等に応じて変更しなければならないため一概に決めることは難しいが、本発明において押出発泡板中の好ましい難燃剤の含量としては、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部、更に2〜10重量部である。特に、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して、ヘキサブロモシクロドデカンの場合には0.5〜8重量部、臭素化イソシアヌレートの場合には1〜10重量部、臭素化ビスフェノールの場合には1〜10重量部、上記の難燃剤を2種以上併用する場合には、0.5〜10重量部とすることが好ましい。
【0061】
次に、本発明の押出発泡板の製造例について説明する。
上述した通りの、ポリスチレン系樹脂、気泡調整剤と難燃剤(必要に応じてその他の添加剤)とを押出機に投入し加熱し溶融し混練した後、前記混合発泡剤を圧入し、更に加熱混練して発泡性溶融樹脂混合物とする。
【0062】
次いで、前記発泡性溶融樹脂混合物を冷却し発泡適性温度に調整した後、ダイリップを通して連続的に高圧域から低圧域に押出して発泡性溶融樹脂混合物を発泡させつつ板状に賦形する。具体的には、ダイリップを通して押出された発泡性溶融樹脂混合物を発泡させながら、成形装置を通過させて板状に賦形する。
【0063】
尚、本発明の押出発泡板は、従来のものと比べて気泡構造においては、厚み方向の平均気泡径が小さいものであることが好ましく、このような気泡構造を有するものは、上記押出発泡方法において、混合発泡剤の一成分として特定量の二酸化炭素を使用すること、且つ気泡調整剤を基材樹脂に添加することにより得ることができる。また、特に本発明の押出発泡板において前述の通り平均気泡径A、B及びCの関係が条件式(3)及び(4)、または、条件式(5)及び(6)の条件を満足するものは、後述する特定構造の通路を有する成形装置の通路を発泡性溶融樹脂混合物を発泡させながら、通過させることにより比較的容易に得ることができる。
【0064】
上記発泡適性温度とは、発泡性溶融樹脂混合物が発泡に適した粘度を示す範囲の温度をいい、使用するポリスチレン系樹脂の種類、流動性向上剤の添加の有無(添加する場合、その種類や量)、更には混合発泡剤の添加量や混合発泡剤の成分等によっても異なるが、通常のスチレン単独重合体の場合、一般には110〜130℃である。
【0065】
本発明において平均気泡径A、B及びCの関係が条件式(3)及び(4)、または、条件式(5)及び(6)の条件を満足する押出発泡板を製造するために好ましく用いられる前記特定構造の通路を有する成形装置の一例を図1に示す。
図1は、押出機の先端に取付けられたダイ、特定構造の通路を有する成形装置の縦断面図である。図1において、1はダイを、2はダイリップを、3は特定構造の通路を、4は上面の壁を、5は下面の壁を、6は上面の壁4の支持板を、7は下面の壁5の支持板を、8は通路の入口を、9は通路の出口を、10は成形部を、11は成形部の上側の平行板を、12は成形部の下側の平行板を、13は上側の平行板11の支持板を、14は下側の平行板12の支持板をそれぞれ示す。
【0066】
前記特定構造の通路3は、ダイ1に密着する上下左右の4面の壁で囲まれると共に、少なくとも上下面の間隔が入口から出口に向かって一旦拡大してから縮小する図1に示すタイプ(以下、C型と言う。)或いはダイリップ2近傍で垂直断面形状が半円状に拡大した後、出口に向かって平行となるタイプ(図示せず)に構成されている。
【0067】
従来使用されていたダイリップ近傍から出口に向かって直線的に拡大するタイプ(以下、通常タイプという。)の成形装置においては、押出発泡時の吐出量、気泡調整剤の量を調整することにより、前述した平均気泡径A、B及びCの関係を示す条件式(3)及び(4)、または、条件式(5)及び(6)を満足する気泡構造を有する押出発泡板を製造することができる。
【0068】
上面の壁4と下面の壁5等の通路の壁は、発泡性溶融樹脂混合物との滑りが良好な材質のもの、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂等のフッ素樹脂からなるものが好ましい。
【0069】
本発明方法においては、発泡性溶融樹脂混合物を前記通路3を通過させた後、続いて未だ発泡途上の発泡性溶融樹脂混合物を成形部10を通過させて板状の押出発泡板に形成する。即ち、通路3の出口9から引張り出した発泡途上にある発泡性溶融樹脂混合物を、二枚の平行板11、12からなる成形部10の内部で引続き発泡させることにより、平行板11と平行板12の間に充満させて板状の押出発泡板に形成する。
【0070】
成形装置において押出発泡板を形成する際は、引取速度を適宜調節して、発泡途上の発泡性溶融樹脂混合物を成形装置を通過させながら少なくとも、厚み方向及び幅方向に膨張させることにより、少なくとも上下二枚の平行板11、12の間に充満させるように調整して、少なくとも厚み方向を規制しつつ板状の押出発泡板に賦形する。少なくとも、厚み方向及び幅方向に膨張させるとは、発泡性溶融樹脂混合物の吐出量と引取速度とのバランス次第では、更に押出方向にも膨張させることができることを意味する。又、少なくとも厚み方向を規制しつつとは、発泡途上の発泡性溶融樹脂混合物が両側面に設けられた平行板の間にも充満した場合には、幅方向にも規制されてもよいことを意味する。
【0071】
本発明において使用する成形装置の成形部10は、通常は両側面が大気に開放された少なくとも上下二枚の平行板11、12から構成される。少なくとも上下二枚の平行板とは、上下二枚の平行板にのみに限定するものではなく、両側面にも平行板を設けてもよいことを意味する。平行板の材質に特に制限はないが、発泡性溶融樹脂混合物との摩擦抵抗を小さくすることにより得られる押出発泡板の表面を平滑にするために、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等のフッ素樹脂からなる板を用いることが好ましい。
【0072】
次に、具体的な実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【0073】
実施例1〜5、比較例1〜10
原料は、ポリスチレン(東洋スチレン社製G330C)100重量部に対して、気泡調整剤としてタルクマスターバッチ(上記ポリスチレン69重量%と、タルク(松村産業株式会社製ハイフィラー#12)30重量%と、ステアリン酸亜鉛1重量%とからなるマスターバッチ)を表1〜3に示すタルク添加量となるように使用し、難燃剤としてキサブロモシクロドデカン(HBCD)又はトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(TDBPI)を表1〜3に示す難燃剤添加量となるように用いた。
混合発泡剤は、イソブタンとエタノールと二酸化炭素を表1〜3に示す割合で混合したものを、表1〜3に示す注入量で用いた。
尚、表1〜3に示す単位において、重量部は、特にことわりがきのない限りポリスチレン100重量部に対する重量部である。
【0074】
押出機は、口径65mmの押出機(以下、「第一押出機」という。)と口径90mmの押出機(以下、「第二押出機」という。)と口径150mm押出機(以下、「第三押出機」という。)とを直列に連結したものを使用し、上記混合発泡剤は第一押出機の先端付近において溶融樹脂中に圧入混練した。
【0075】
ダイリップは、先端に幅115mm、間隙1.5mm(長方形横断面)の樹脂排出口を備えたものを使用し、ダイリップの先端には上下左右の4面のポリテトラフルオロエチレン樹脂製の壁で囲まれると共に、上下面の間隔が入口から出口に向かって一旦拡大してから縮小する図1に示す形状のC型通路をダイに取付けた。
【0076】
成形部10は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製の上下二枚の平行板で構成し、図1に示すように通路に取付けた。
【0077】
上記装置を用いて、ポリスチレン系樹脂等の原料を第一押出機に供給し、220℃まで加熱し、溶融混練し、第一押出機の先端付近で混合発泡剤を圧入して発泡性溶融樹脂混合物とし、続いて発泡性溶融樹脂混合物を第三押出機とダイとの連結部で測定される発泡性溶融樹脂混合物の温度が表1〜3に示す発泡温度となるように第二押出機及び第三押出機で徐々に冷却した。続いてダイ設定温度を120℃としダイリップの設定温度を110℃とし発泡性溶融樹脂混合物を表1〜3に示す吐出量でダイリップから押出した。この際のダイ内の圧力は40kgf/cmを示した。
【0078】
ダイリップから押出された発泡性溶融樹脂混合物を、発泡させながら前記通路を通過させることにより、発泡させながら圧縮し、次に成形装置に充満させながら板状に形成し、押出発泡板を製造した。その際の引取速度は表1〜3に示す通りであった。
【0079】
得られた押出発泡板の見掛け密度、厚み、独立気泡率、厚み方向平均気泡径、気泡変形率、熱伝導率、燃焼性、イソブタン発泡剤残存量を表1〜3に示す。
尚、上記実施例及び比較例(比較例1、3、6及び10は除く。)において得られた押出発泡板は、厚み26mm、幅240mmであった。
【0080】
実施例6
原料は、ポリスチレン(東洋スチレン社製G330C)100重量部に対して、気泡調整剤としてタルクマスターバッチ(上記ポリスチレン69重量%と、タルク(松村産業株式会社製ハイフィラー#12)30重量%と、ステアリン酸亜鉛1重量%とからなるマスターバッチ)を表1に示すタルク添加量となるように使用し、難燃剤としてキサブロモシクロドデカン(HBCD)を表1に示す難燃剤添加量となるように用いた。
混合発泡剤は、イソブタンとエタノールと二酸化炭素を表1に示す割合で混合したものを、表1に示す注入量で用いた。
押出機は、口径90mmの押出機(以下、「第一押出機」という。)と口径120mmの押出機(以下、「第二押出機」という。)と口径180mm押出機(以下、「第三押出機」という。)とを直列に連結したものを使用し、上記混合発泡剤は第一押出機の先端付近において溶融樹脂中に圧入混練した。
ダイリップは、先端に幅250mm、間隙1.5mm(長方形横断面)の樹脂排出口を備えたものを使用し、ダイリップの先端には上下左右の4面のポリテトラフルオロエチレン樹脂製の壁で囲まれると共に、上下面の間隔が入口から出口に向かって直線的に徐々に広がる通常タイプの通路をダイに取付けた。
上記装置を用いて、ポリスチレン系樹脂等の原料を第一押出機に供給し、220℃まで加熱し、溶融混練し、第一押出機の先端付近で混合発泡剤を圧入して発泡性溶融樹脂混合物とし、続いて発泡性溶融樹脂混合物を第三押出機とダイとの連結部で測定される発泡性溶融樹脂混合物の温度が表1に示す発泡温度となるように第二押出機及び第三押出機で徐々に冷却した。続いてダイ設定温度を120℃としダイリップの設定温度を110℃とし発泡性溶融樹脂混合物を表1に示す吐出量でダイリップから押出した。この際のダイ内の圧力は40kgf/cmを示した。
ダイリップから押出された発泡性溶融樹脂混合物を、発泡させながら前記通路を通過させ、次に成形装置に充満させながら板状に形成し、押出発泡板を製造した。その際の引取速度は表1に示す通りであった。
得られた押出発泡板の見掛け密度、厚み、独立気泡率、厚み方向平均気泡径、気泡変形率、熱伝導率、燃焼性、イソブタン発泡剤残存量を表1に示す。
尚、上記実施例6において得られた押出発泡板は、厚み26mm、幅540mmであった。
【0081】
実施例7
実施例1で使用された上下面の間隔が入口から出口に向かって一旦拡大してから縮小する通路を、上下面の間隔が入口から出口に向かって直線的に徐々に広がる通常タイプの通路に変更した以外は、実施例1と同様にして押出発泡板を製造した。得られた押出発泡板の見掛け密度、厚み、独立気泡率、厚方向平均気泡径、気泡変形率、熱伝導率、燃焼性、イソブタン発泡剤残存量を表1に示す。
尚、上記実施例において得られた押出発泡板は、厚み26mm、幅240mmであった。
【0082】
比較例1、3、6及び10においては、押出発泡時にダイ内で発泡(所謂、内部発泡。)が起きたため良好な押出発泡板を得ることができなかった。
比較例9においては、押出発泡体の外観において発泡体表面に筋状の亀裂が見られた。また、比較例9で得られた押出発泡板を5℃の温度条件下で15日放置した結果、押出方向、幅方向および厚み方向に3%以上の収縮が確認され寸法安定性において改善すべき課題を有するものであった(尚、他の実施例においては十分な寸法安定性を示した)。比較例2、4,5,7及び9においては、難燃性に劣るものであった。特に比較例10においては、実施例1と同モル数の混合発泡剤を添加したにもかかわらず、見掛け密度の増加が見られた。
【0083】
【表1】
Figure 2004043681
【0084】
【表2】
Figure 2004043681
【0085】
【表3】
Figure 2004043681
【0086】
表1、2、3における見掛け密度は、JIS K7222−1985に基づいて測定された値である。
【0087】
表1、2、3における厚みは、幅方向を4等分する位置の3箇所で測定し、それらを相加平均した値である。
【0088】
表1、2、3における厚方向平均気泡径及び気泡変形率は、前記の方法で測定された値である。
【0089】
表1、2、3における独立気泡率は、押出発泡板から25mm×25mm×20mmのサイズに切断された成形表皮を持たないカットサンプルを使用して前記の方法で測定された値である。
【0090】
表1、2、3における熱伝導率は、製造後4週間経過した押出発泡板から切り出した縦20cm、横20cm、押出発泡板厚みの試験片について、JIS A9511−1995の4.7の記載により、英弘精機株式会社製の熱伝導率測定装置「オートΛ HC−73型」を使用して、JIS A 1412−1994記載の平板熱流計法(熱流計2枚方式、平均温度20℃)に基づいて測定した。
【0091】
表1、2、3における燃焼性は、製造後5日間経過後および製造後2週間経過後の押出発泡板から切り出した試験片を、JIS A9511−1995の4.13.1「測定方法A」に基づいて測定した。尚、該測定は一つの押出発泡板に対して試験片を10個切り出して下記の評価基準にて評価した。
◎:全ての試験片において3秒以内で消え、且つ、10個の試験片の平均燃焼時間が2秒以内である
〇:全ての試験片において3秒以内で消え、且つ、10個の試験片の平均燃焼時間が2秒を越え3秒以内である
△:10個の試験片の平均燃焼時間が3秒以内であるが、1個以上の試験片において3秒以内で消えないものがある
×:10個の試験片の平均燃焼時間が3秒を越える
【0092】
表1、2、3におけるイソブタン発泡剤残存量の測定は、株式会社島津製作所製、島津ガスクロマトグラフGC−14Bを使用し、シクロペンタンを内部標準物質として、前記方法に基づいて測定した。
表1、2、3における押出発泡板の外観は、下記の評価基準にて評価した。
〇:断面に巨大気泡がなく気泡が均一であり、且つ、表面に皺や凹凸が見られない。
△:断面において部分的に巨大気泡が見られる、及び/又は、表面において部分的に皺や凹凸が見られる。
×:断面において全面に巨大気泡が見られる、及び/又は、表面において全面に皺や凹凸が見られる。
【0093】
【発明の効果】
本発明方法は複数種類の特定の発泡剤を主成分とする混合発泡剤を使用し、且つ混合発泡剤の組成比を特定することを特徴とするものであり、特に、混合発泡剤がオゾン破壊係数が0で地球温暖化係数も小さい特定量のイソブタンを含む発泡剤であることにより、得られる発泡体の断熱性を高める一方で、発泡板に残存するイソブタン量を難燃性が確保できる範囲内となるように調整し、かつ、混合発泡剤として特定の脂肪族アルコールを特定量使用することにより、イソブタンを多量に使用しなくても低い見掛け密度の発泡板を得ることができる。特定量の二酸化炭素発泡剤を、脂肪族アルコールと二酸化炭素が特定の関係を満たすように使用することにより、得られる押出発泡板は、寸法安定性に優れ且つ低い見かけ密度を有し、気泡径を小さく調整することができるため、得られる押出発泡板中のイソブタン残存量を難燃性が確保できる範囲内としても十分な断熱性が確保された外観良好なポリスチレン系樹脂押出発泡板を提供することができる。
【0094】
また、本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板は、上記方法により得られた厚みが10〜150mm、厚み方向の平均気泡径が50〜250μm、見掛け密度が22〜60kg/mの難燃性、断熱性、軽量性、寸法安定性に優れたものである。
【0095】
また、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン、臭素化イソシアヌレート、臭素化ビスフェノールから選択される難燃剤を少なくとも1種以上含むものを使用することにより可燃性瓦斯であるイソブタン等の発泡剤が残存するポリスチレン系樹脂押出発泡板の燃焼性を抑え特に優れた難燃性を有する発泡板を提供することができる。
また、難燃剤として臭素化イソシアヌレートを含むものを使用することにより、押出発泡時の難燃剤の熱分解を抑制することができ、押出発泡板製造時の溶融樹脂混練時の温度を高く設定することも可能なため樹脂の吐出量を増大させることができ、また、難燃剤が押出発泡板製造時に一部分解してしまうことが原因と考えられる不具合も解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法に使用される通路、成形装置の一例を示す図面である。
【符号の説明】
1  ダイ
2  ダイリップ
3  通路
4  通路の上面の壁
5  通路の下面の壁
8  通路の入口
9  通路の出口
10  成形部

Claims (6)

  1. 押出機中にてポリスチレン系樹脂を加熱し、発泡剤、難燃剤及び気泡調整剤と共に混練して得られる発泡性溶融樹脂混合物を、押出機先端に取付けたダイを通して低圧領域に押出発泡してなるポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法において、該発泡剤が、(a)発泡剤全量に対して20〜70重量%のイソブタンと、(b)発泡剤全量に対して10〜65重量%の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールと、(c)発泡剤全量に対して5〜50重量%の二酸化炭素と、(d)発泡剤全量に対して0〜25重量%のその他の物理発泡剤からなり(但し、(a)、(b)、(c)及び(d)の発泡剤量の総和が100重量%)、且つ、発泡剤全量に対する該脂肪族アルコールの重量比率:X(重量%)と発泡剤全量に対する二酸化炭素の重量比率:Y(重量%)が下記(1)式を満足することを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
    Figure 2004043681
  2. 該発泡剤が、(a’)発泡剤全量に対して40〜70重量%のイソブタンと、(b’)発泡剤全量に対して10〜50重量%の、炭素数1〜4の脂肪族アルコールから選ばれた1種又は2種以上の脂肪族アルコールと、(c’)発泡剤全量に対して5〜40重量%の二酸化炭素と、(d)発泡剤全量に対して0〜25重量%のその他の物理発泡剤からなり(但し、(a’)、(b’)、(c’)及び(d)の発泡剤量の総和が100重量%)、且つ、発泡剤全量に対する該脂肪族アルコールの重量比率:X(重量%)と発泡剤全量に対する二酸化炭素の重量比率:Y(重量%)が下記(2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
    Figure 2004043681
  3. 該脂肪族アルコールがエタノールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により製造される、厚みが10〜150mm、厚み方向の平均気泡径が50〜250μm、見掛け密度が22〜60kg/mであることを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡板。
  5. 発泡板中のイソブタン含有量が、発泡板1kg当たり0.4〜0.9モルであることを特徴とする請求項4に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板。
  6. 難燃剤として臭素化イソシアヌレートを含むことを特徴とする請求項4又は5に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板。
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