JP2012177086A - 樹脂成形品の製造方法、及び、樹脂成形品 - Google Patents

樹脂成形品の製造方法、及び、樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂成形品の歩留り向上を図ることができる樹脂成形品の製造方法などを提供すること。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡させてなるポリスチレン系樹脂発泡シートを二次発泡させて熱成形する樹脂成形品の製造方法であって、前記押出発泡においてイソブタン、又は、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが発泡剤として用いられているポリスチレン系樹脂発泡シートを用い、且つ、少なくとも前記二次発泡前における前記イソブタンの含有量が1.5質量%以上2.5質量%以下で、前記ノルマルブタンの含有量が1.0質量%以下となるポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて前記熱成形を実施することを特徴とする樹脂成形品の製造方法などを提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂成形品の製造方法、及び、樹脂成形品に関し、より詳しくは、ポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡させてなるポリスチレン系樹脂発泡シートを二次発泡させて熱成形する樹脂成形品の製造方法、及び、このような製造方法によって製造される樹脂成形品に関する。
従来、ポリスチレン系樹脂をベース樹脂としたポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、単に「発泡シート」ともいう)は、ポリスチレン系樹脂組成物の連続的な押出発泡によって長尺な帯状となるように製造されており、熱成形によって樹脂成形品を連続的に形成させるための原材料として利用されている。
より具体的には、発泡シートは、製造時にロール状に巻き取られて“原反ロール”などと呼ばれる状態で使用されている。
そして、食品用トレーなどの樹脂成形品を製造するのに際しては、原反ロールから前記発泡シートを繰り出してシート幅方向両端部をクランプと呼ばれる部材で把持しつつ加熱ゾーンと成形ゾーンとを有する熱成形機中を通過させて製品形状を形成させた後で該製品形状形成部分の外周に沿って電熱線で切断(ニクロムカット)したり、製品形状形成部分をトムソン刃型で打ち抜いたりするような工程が実施されている。
なお、このような熱成形における前記加熱ゾーンでの発泡シートの加熱は、続く、成形ゾーンで製品形状の形成された成形型に沿わせて発泡シートを変形させ得るように前記発泡シートを軟化させるためだけではなく、発泡シートを二次発泡させてその厚みを増大させることをも目的としており、この二次発泡における発泡状態を制御容易なものとするために、下記特許文献1にも示されているように押出発泡において用いた発泡剤を発泡シートにある程度残存させることが求められている。
この特許文献1にも記載されているように、一般的には、発泡剤の残存量は発泡シートが作製された後の日数の経過とともに減少するのに対してこれまでは発泡シートの製造時において発泡シートにどのような種類の発泡剤をどの程度残存させるかといったような検討しかなされておらず、実際の熱成形において発泡シートがどのような状態になっていれば良好な成形が行われるのかといった検討が十分にはなされてはいない。
そのため、従来の樹脂成形品は、熱成形時における二次発泡の挙動が十分安定しない状態で製造されているために確実に良品を得ることが難しく、歩留りの向上を図ることが困難な状況となっている。
ところで、発泡シートは、押出発泡によって作製される際に、押出方向や、押出方向と直交するシート幅方向に向けて延伸されたりするためにポリマーにある程度の配向を生じさせてしまっている場合が多く、二次発泡において熱収縮を生じる場合がある。
従来、樹脂成形品の形成に利用される発泡シートは、坪量が200g/m2前後のものが主流であるが、近年、石油資源の消費量削減といった環境面や材料費の削減といった製造コスト面から坪量が100g/m2前後の軽量な発泡シートを樹脂成形品の形成に利用する場面が増えてきている。
このような軽量な発泡シートを熱成形する際には、二次発泡における発泡の挙動や熱収縮の挙動が樹脂成形品の出来栄えに特に影響を与えやすいため樹脂成形品の歩留りの向上を図ることが特に困難な状況になっている。
特開2007−217711号公報
本発明は、上記のような問題に鑑み、軽量なる発泡シートを利用しての樹脂成形品の製造における歩留り向上を図ることを課題としている。
上記のような課題を解決するための樹脂成形品の製造方法に係る本発明は、ポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡させてなるポリスチレン系樹脂発泡シートを二次発泡させて熱成形する樹脂成形品の製造方法であって、前記押出発泡においてイソブタン、又は、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが発泡剤として用いられており、厚みが0.9mm以上2.0mm以下で、坪量が70g/m2以上150g/m2以下であり、110℃に加熱した際の押出方向における最大収縮荷重が3.0N/5cm幅以下となるポリスチレン系樹脂発泡シートを用い、且つ、少なくとも前記二次発泡前における前記イソブタンの含有量が1.5質量%以上3.0質量%以下で、前記ノルマルブタンの含有量が1.0質量%以下となるポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて前記熱成形を実施することを特徴としている。
また、上記のような課題を解決するための樹脂成形品に係る本発明は、ポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡させてなるポリスチレン系樹脂発泡シートが二次発泡されて熱成形された樹脂成形品であって、前記押出発泡においてイソブタン、又は、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが発泡剤として用いられており、厚みが0.9mm以上2.0mm以下で、坪量が70g/m2以上150g/m2以下であり、110℃に加熱した際の押出方向における最大収縮荷重が3.0N/5cm幅以下となるポリスチレン系樹脂発泡シートが用いられ、且つ、少なくとも前記二次発泡前における前記イソブタンの含有量が1.5質量%以上3.0質量%以下で、前記ノルマルブタンの含有量が1.0質量%以下となるポリスチレン系樹脂発泡シートが用いられて前記熱成形が実施されたものであることを特徴としている。
本発明によれば熱成形時に所定の発泡剤が発泡シートに所定量含有されているために、良好なる樹脂成形品を得られやすく、樹脂成形品の歩留り向上を図ることができる。
製造例1において作製された納豆容器を示す概略平面図。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法においては、ポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡させてなる発泡シートが用いられ、特に、前記押出発泡においてイソブタン、又は、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが発泡剤として用いられている発泡シートが用いられることが重要である。
また、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法においては、前記発泡シートを二次発泡させて熱成形が実施され、特に、前記二次発泡前における前記イソブタンの含有量が1.5質量%以上3.0質量%以下で、前記ノルマルブタンの含有量が1.0質量%以下となる発泡シートを用いて前記熱成形が実施されることが重要である。
まず、本実施形態において用いられるポリスチレン系樹脂発泡シートについて説明する。
本実施形態においては、前記押出発泡によって長尺帯状に形成され、0.9mm以上2.0mm以下の厚みを有し、70g/m2以上150g/m2以下の坪量を有する発泡シートが用いられる。
なお、本実施形態において上記のような特性を有する発泡シートを用いるのは、厚みが厚い発泡シートを用いて樹脂成形品を製造する場合などには比較的安定した品質のものが得られやすいのに対して厚みが薄い発泡シートや、坪量が小さな発泡シートにおいては、残存している発泡剤の量による二次発泡の挙動が当該発泡シートを用いて製造する樹脂成形品の強度などの特性や外観に影響を与えやすいためである。
従って、本発明の効果をより顕著なものとし得る点においては、発泡シートの厚みは1mm以上1.5mm以下であることが好ましく、坪量は80g/m2以上120g/m2以下であることが好ましい。
また、押出発泡において加えられる延伸によって発泡シートに分子配向が生じていると、二次発泡のために加えられる熱によって発泡シートに熱収縮が生じやすくなり、樹脂成形品の強度や外観に悪影響を及ぼすおそれを有する。
通常、熱成形においては、発泡シートの押出方向と直交する方向に相当するシート幅方向の両端部がクランプによって把持されることになるため、この方向において発泡シートにある程度の分子配向が生じていたとしてもクランプによって熱収縮が規制されることになる。
一方で、押出方向には規制が加えられ難いため、特に、この方向に分子配向を生じさせていない発泡シートを用いることが好ましく、本実施形態においては、押出方向が長手方向となる幅5cmの短冊状試料を切り出して当該短冊状試料を110℃に加熱した際に、前記押出方向において生じる収縮力の最大値(最大収縮荷重)が3.0N以下となる発泡シートを用いる。なお、最大収縮荷重は、通常、0N/5cm以上の値となり、0.5N/5cm以上の値となる発泡シートが好適である。
このような発泡シートを形成させるための前記ポリスチレン系樹脂組成物としては、一般的な発泡シートを形成させる場合と同様のものを採用することができ、ベースポリマーとなるポリスチレン系樹脂、気泡調整剤、発泡剤などが含有されてなるものを採用することができる。
用いられる前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの複数を組み合わせた共重合体等が挙げられる。
また、前記ポリスチレン系樹脂は、上記スチレン系単量体とこのスチレン系単量体と共重合可能なビニル系単量体との共重合体であってもよく、該ビニル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性単量体などが挙げられる。
なお、ポリスチレン系樹脂組成物には、ポリスチレン系樹脂以外の樹脂成分を含有させても良く、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロルフェニレン−1,4−エーテル)等のポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させてもよい。
前記気泡調整剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物などの粒子が挙げられる。
前記気泡調整剤としては、上記の内の一種だけを単独で用いても良く、二種以上を所望の割合で混合して用いてもよい。
前記発泡剤としては、イソブタンか、または、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンかのいずれかを採用することが重要である。
前記混合ブタンを採用する場合には、イソブタンとノルマルブタンとの混合割合を、例えば、95:5〜50:50(イソブタン:ノルマルブタン)の範囲内のいずれかとすることが好ましい。
なお、プロパン、ノルマルペンタン、イソペンタンなどを本発明の効果が著しく損なわれない範囲において併用してもよく、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウムなどの熱分解型の発泡剤を前記ポリスチレン系樹脂組成物に含有させても良い。
本実施形態における前記発泡シートは、上記のようなポリスチレン系樹脂組成物を一般的な押出発泡によって得られるものを採用することができ、例えば、押出機のシリンダー内でポリスチレン系樹脂組成物を溶融混練し、該溶融混練物を押出機の先端に取り付けたフラットダイやサーキュラーダイから吐出させて得られるものを採用することができる。
なお、前記に示したように、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法においては、前記発泡シートにイソブタンが1.5質量%以上3.0質量%以下含有され、前記ノルマルブタンが1.0質量%以下の含有量となっている状態で発泡シートを熱成形するため、この押出発泡直後においては、上記の割合以上の発泡剤を発泡シートに含有させておく必要がある。
この発泡剤の残存量は、ポリスチレン系樹脂組成物に含有させる発泡剤の量のみならず、押出時の樹脂温度や、押出後の冷却条件によって調整することができる。
また、この押出発泡におけるポリスチレン系樹脂組成物の吐出量、引取速度、及び、冷却条件等を調整することで、前記最大収縮荷重についても調整が可能である。
前記発泡シートが所定の発泡剤残存量となって熱成形に適したコンディションとなっているかどうかについては、発泡シートから切り出したサンプルをガスクロマトグラフなどの分析機器にかけることで確認することができる。
具体的には、発泡シート中の発泡剤残存量は、以下のようにして測定することができる。
(発泡剤残存量の測定方法)
発泡シートから切り出した試料10〜20mgを20mLバイアル瓶に入れて精秤し、密閉してオートサンプラー付ガスクロマトグラフ(Perkin−Elmer社製 ガスクロマトグラフ 「Clarus500」、同社製HSオートサンプラー「TurboMatrix HS40)にセットし、160℃で20min加熱後、上部の空間の気体をとってMHE(Multiple Headspace Extraction)法にて定量分析を実施し発泡剤残存量を測定することができる。
なお、ここでいうMHE法とは、気固平衡にある気相ガスの放出を同じ試料瓶から2回測定して得られたピーク面積の減衰を利用する定量方法である。
また、具体的な測定条件は、下記のような条件とすることができる。
(測定条件)
カラム:J&W社製DB−1(1.0μm×0.25mmφ×60m)、カラム温度:初期温度50℃で6min保持後、40℃/minの速度で昇温、270℃で1min保持、入口温度:200℃、検出温度:250℃、レンジ:20、ベントガス:30mL/min(He)、追加ガス:5mL/min(He)、ガス圧力:初期圧力18psiで10min保持後、0.5psi/minで19.5psiまで昇圧。
オートサンプラー条件:加熱温度160℃、加熱時間20min、加圧ガス圧25psi、加圧時間1min、ニードル温度160℃、トランスファーライン温度180℃、試料導入時間0.08min。
なお、発泡剤残存量の定量のための検量線は、標準ガスとして、イソブタンとノルマルブタンとをそれぞれ約1%含有する混合ガスを使用し、該標準ガスを希釈して得られるピーク面積の衰退に基づいて作成する。
なお、本実施形態においては、二次発泡の直前において上記のような発泡剤含有量を示す発泡シートを用いることが重要なものではあるが、仮に、夏場の気温が高いような状況においても、発泡剤の含有量は数時間程度では無視できる程度にしか変化しないため、例えば、熱成形に適したコンディションかどうかは、実際に熱成形に取り掛かる12時間程度前に確認しても良い。
また、前記最大収縮荷重については、以下のような測定方法によって確認することができる。
幅50(mm)×長さ150(mm)の短冊状試料を、長手方向が押出方向となるように発泡シートから切り出し、(株)オリエンテック製の引張試験機(テンシロン万能試験機「UCT−10T」)に付帯の恒温槽をセットし、該恒温槽内で前記引張試験機の上下のチャックが上下方向に100mm離れた状態となるように配置して前記恒温槽内を110℃に加熱し、前記チャックに前記短冊状試料の長手方向両端部をすばやく挟み込んで引張試験機のロードセルが検知した最大の引張応力を最大収縮荷重として測定することができる。
このようにして所定状態になっていることが確認された発泡シートは、所定の温度で二次発泡させた後、プレス成形、真空成形、圧空成形、真空・圧空成形などの成形型を用いた一般的な熱成形によって製品形状を形成させた後で、製品形状形成部分の外周に沿って電熱線で切断(ニクロムカット)したり、製品形状形成部分をトムソン刃型で打ち抜いたりして樹脂成形品へと成型加工することができる。
なお、上記のような発泡剤の残存が良好な樹脂成形品を歩留り良く得る上で重要なのは、前記イソブタンの残存量が、前記範囲(1.5〜3.0質量%)を超える量となっている場合には、イソブタンの可塑効果が過度に作用することにより、発泡シートを熱成形して得られる成形品に表面荒れが発生するおそれを有するためである。
また、前記範囲に満たない量となっている場合には、熱成型時に必要な二次発泡性を確保することが難しくなるためである。
また、ノルマルブタンが1.0質量%以下であることが重要なのは、仮に、イソブタンの含有量が上記範囲内であっても、このノルマルブタンを1.0質量%を超える割合で残存させると、ノルマルブタンは、イソブタンに比べてポリスチレン系樹脂に対する透過速度が高いためにガス置換が急激に進み発泡シートの表裏において二次発泡性を大きく異ならせ熱成型性が不安定になるおそれを有するためである。
また、前記最大収縮荷重を発泡シートの押出方向において3.0N以下としているのは、これ以上の最大収縮荷重が観測される発泡シートを用いて熱成形を実施した場合には、成形時に大きな張力が発生して製品形状を形成させた発泡シートに大きな残留応力を発生させてしまい、その後、製品形状形成部分をニクロムカットしたり、打ち抜いたりした後に応力が開放されて樹脂成形品に歪みが生じるおそれを有するためである。
例えば、フードパックや納豆容器などのように容器本体部と蓋部とが連続している状態で作製された後に、蓋部で容器本体部の開口部を閉塞させるべく容器本体部との境界部分で蓋部を折り返して用いられる蓋付容器においては、通常は、蓋部を折り返した際に容器本体部と蓋部との外縁が揃った状態になるように前記容器本体部の輪郭形状と、前記蓋部の輪郭形状とが蓋部と容器本体部との境界線に対して略線対称となるように作製されるが、前記のような残留応力を生じさせると容器本体部と蓋部の外縁が揃わない状態になってしまい不良品となってしまう場合がある。
本実施形態の製造方法によれば、フードパックや納豆容器などの樹脂成形品について上記のような不良が発生することを抑制することができ、歩留り向上を図ることができる。
即ち、このようにして製造される樹脂成形品は、品質の整ったものが容易に得られるという効果を奏する。
なお、ここでは詳述しないが、用いるポリスチレン系樹脂発泡シートや樹脂成形品の製造方法に関して上記例示以外に従来公知な事柄は、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において採用が可能である。
以下、本発明を、実施例を挙げて説明する。
坪量約105g/m2、厚み約1.2mm、幅1040mmの発泡シートが巻回されてなる4種類の原反ロールを用いて納豆容器を作製した。
この4つの原反ロールを構成している発泡シートの諸特性を調べたところ下記表1に示す通りであった。
Figure 2012177086
これらの原反ロールを用いて作製した納豆容器は、寸法精度が高く、且つ、蓋部と容器本体部との位置ずれも少なく、高い歩留まりで製造可能なものであった。
このことからも本発明によれば、特に問題の生じやすい坪量の小さな発泡シートを用いた場合であっても、樹脂成形品の製造における歩留り向上を図り得ることがわかる。
(製造例1)
厚み1.13mmで坪量が115g/m2の原反ロールを用いて、図1(概略平面図)に示すような納豆容器を作製した。
具体的には、9.8cm×9.8cmの正方形の蓋部10と、8.2cm×8.2cmの開口を有する深さ2.5cmの収容凹部21が中央部に形成された平面視における外形が9.8cm×9.8cmの容器本体部20とが幅0.5cm(長さ9.8cm)の連設部30を介して連設されてなる納豆容器1を作製した。
なお、この製造例1の納豆容器1には、連設部30と容器本体部20との境界に沿って折り目31が形成されているとともに連設部30と蓋部10との境界に沿ってミシン目32が形成されており、該納豆容器1は、この折り目31やミシン目32において折り曲げを行って、前記蓋部10の外縁を前記容器本体部20の外縁に揃えるようにして当該蓋部10を容器本体部20に重ね合わせて前記収容凹部21に蓋をし得るように形成されている。
この納豆容器1の形成に利用した原反ロールについて測定した押出方向における最大収縮荷重(at 110℃)は、2.04N/5cmであった。
また、蓋部10と容器本体部20とを重ね合わせた際の位置ズレは、0.4mmであった。
また、用いた原反ロールと、納豆容器1の容器本体部20の底部22からそれぞれ採取した10〜30mgの試料について、イソブタンとノルマルブタンとの定量を行った。
具体的には、試料を20ml専用ガラスバイアルに精秤密封し、パーキンスエルマー社製ヘッドスペースサンプラー「TurboMatrixHS40」にセットし、160℃で20分間加熱後、パーキンスエルマー社製ガスクロマトグラフ「Clarus500GC」(検出器:FID)を用いてMHE法にて定量した。
ヘッドスペースサンプラーにおける測定条件は、ニードル温度160℃、試料導入時間0.08分、トランスファーライン温度180℃とした。ガスクロマトグラフにおける測定条件は、カラムをJ&W社製DB−1(0.25mmφ×60m、膜厚1μm、カラム温度:50℃で6分間、40℃/分で250℃まで昇温、250℃で1分30秒間)、キャリアガスをヘリウム(導入条件:18psiで10分間、0.5psi/分で24psiまで増量)、注入口温度を200℃、検出器温度を310℃、レンジ=20、Att=1とした。
(製造例2)
厚み1.23mmで坪量が105g/m2の原反ロールを用いて9.6cm×9.6cmの正方形の蓋部と、8.2cm×8.2cmの開口を有し、深さ2.8cmの収容凹部が中央部に形成された平面視における外形が9.6cm×9.6cmの容器本体部とが幅0.6cmの連設部を介して連設されてなる納豆容器を作製した。
製造例1と同様に評価を行ったところ、この製造例で用いた原反ロールについて測定した押出方向における最大収縮荷重(at 110℃)は、1.12N/5cmであった。
また、蓋部と容器本体部を重ね合わせた際の位置ズレは0.2mmであった。
(製造例3)
厚み1.13mmで坪量が105g/m2の原反ロールを用いて9.7cm×9.7cmの正方形の蓋部と、8.2cm×8.2cmの開口を有し深さ2.8cmの収容凹部が中央部に形成された平面視における外形が9.7cm×9.7cmの容器本体部とが幅0.6cmの連設部を介して連設されてなる納豆容器を作製した。
製造例1と同様に評価を行ったところ、この製造例で用いた原反ロールについて測定した押出方向における最大収縮荷重(at 110℃)は、2.19N/5cmであった。
また、蓋部と容器本体部を重ね合わせた際の位置ズレは0.6mmであった。
(製造例4)
厚み1.29mmで坪量が105g/m2の原反ロールを用いて9.7cm×9.7cmの正方形の蓋部と、8.2cm×8.2cmの開口を有し深さ2.7cmの収容凹部が中央部に形成された平面視における外形が9.7cm×9.7cmの容器本体部とが幅0.5cmの連設部を介して連設されてなる納豆容器を作製した。
製造例1と同様に評価を行ったところ、この製造例で用いた原反ロールについて測定した押出方向における最大収縮荷重(at 110℃)は、2.12N/5cmであった。
また、蓋部と容器本体部を重ね合わせた際の位置ズレは0.5mmであった。
各製造例の納豆容器の評価結果をブタン含有量とともに下記表2に示す。
Figure 2012177086
上記のように製造例の納豆容器は、蓋部と容器本体部との位置ずれも少なく、寸法精度が高く、高い歩留まりで製造可能なものであった。

Claims (2)

  1. ポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡させてなるポリスチレン系樹脂発泡シートを二次発泡させて熱成形する樹脂成形品の製造方法であって、
    前記押出発泡においてイソブタン、又は、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが発泡剤として用いられており、厚みが0.9mm以上2.0mm以下で、坪量が70g/m2以上150g/m2以下であり、110℃に加熱した際の押出方向における最大収縮荷重が3.0N/5cm幅以下となるポリスチレン系樹脂発泡シートを用い、且つ、少なくとも前記二次発泡前における前記イソブタンの含有量が1.5質量%以上3.0質量%以下で、前記ノルマルブタンの含有量が1.0質量%以下となるポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて前記熱成形を実施することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  2. ポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡させてなるポリスチレン系樹脂発泡シートが二次発泡されて熱成形された樹脂成形品であって、
    前記押出発泡においてイソブタン、又は、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが発泡剤として用いられており、厚みが0.9mm以上2.0mm以下で、坪量が70g/m2以上150g/m2以下であり、110℃に加熱した際の押出方向における最大収縮荷重が3.0N/5cm幅以下となるポリスチレン系樹脂発泡シートが用いられ、且つ、少なくとも前記二次発泡前における前記イソブタンの含有量が1.5質量%以上3.0質量%以下で、前記ノルマルブタンの含有量が1.0質量%以下となるポリスチレン系樹脂発泡シートが用いられて前記熱成形が実施されたものであることを特徴とする樹脂成形品。
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