JP5171325B2 - スチレン系樹脂押出発泡板 - Google Patents

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Description

本発明は、熱伝導率が小さく長期間に亘る断熱性に優れ、高度な難燃性を有し、機械的強度にも優れるスチレン系樹脂押出発泡板に関し、建築物の壁、床、屋根等の断熱材等に有用なスチレン系樹脂押出発泡板を提供する。
スチレン系樹脂発泡板は、優れた断熱性及び好適な機械的強度を有することから、板状に成形された発泡板が断熱材等として広く利用されている。このような発泡板は、一般に、押出機中でスチレン系樹脂材料と物理発泡剤とを溶融混練してなる発泡性溶融混練物を、押出機先端に付設されたスリット形状等のダイから低圧域に押出発泡し、さらに所望に応じてダイ出口に賦形具等を連結して成形することにより製造されている。
上記のごときスチレン系樹脂押出発泡板の製造に使用される発泡剤は、従来は、ジクロロジフルオロメタン等の塩化フッ化炭化水素(以下、CFCという)が広く使用されてきたが、CFCはオゾン層を破壊する危険性が大きいことから、近年、オゾン破壊係数の小さい水素原子含有塩化フッ化炭化水素(以下、HCFCという)がCFCに替わって用いられてきた。しかしながら、HCFCもオゾン破壊係数が0(ゼロ)ではないのでオゾン層を破壊する危険性が全くないわけではない。そこで、オゾン層破壊係数が0(ゼロ)であり、分子中に塩素原子を持たないフッ化炭化水素(以下、HFCという)を発泡剤として使用することが検討されてきた。
HFCはオゾン破壊係数の面からは好ましいものではあるが、HFCは地球温暖化係数が大きいため、地球環境保護の観点からは未だ改善の余地があった。このためオゾン破壊係数が0(ゼロ)であるとともに、地球温暖化係数も小さい環境にやさしい発泡剤を使用するスチレン系樹脂発泡板が検討されている。
ポリスチレン系樹脂発泡板に使用される発泡剤として、イソブタンやイソペンタンは、オゾン破壊係数が0(ゼロ)であり、地球温暖化係数も小さく、地球環境の観点からは好ましい発泡剤である。しかしながら、イソブタンやイソペンタンは気体状態における熱伝導率が空気に比べて低いものの、これまでのCFC、HCFC、HFC等のフロン類に比べると気体状態における熱伝導率が大きく、発泡板中の含有量を同モル量とした場合には、フロン類と同等の断熱性を得ることはできない。発泡板中のイソブタンやイソペンタンの含有量を増やすことにより断熱性を向上させることは可能であるが、イソブタンやイソペンタンはそれ自体燃焼性が高く得られた発泡板に十分な難燃性を付与することは極めて困難であった。また、イソブタンやイソペンタンは、スチレン系樹脂に対する透過速度が空気よりも極めて遅いがCFCと比べると透過速度が速いことから、発泡板から徐々に逸散する。そのため、発泡板の熱伝導率も徐々に上昇する。したがって、イソブタンやイソペンタンを発泡剤として使用して長期断熱性と難燃性とを両立する発泡板を得ることは困難であった。
オゾン破壊係数が0(ゼロ)であるとともに、炭化水素よりも地球温暖化係数が小さい二酸化炭素や水を発泡剤の主成分として用いることも検討されてきているが、二酸化炭素や水は発泡体から早期に逃散してしまうので、得られる発泡板は高い断熱性を達成できない。
環境適合性に優れ、高い断熱性能を有するスチレン系樹脂押出発泡板の製造法として種々のものが提案されている。
例えば、特許文献1には、スチレン系樹脂に発泡剤を圧入して押出発泡による発泡板の製造において、環境にできるだけ安全な発泡剤として、主として発泡剤全量に対して40重量%未満5重量%以上のエーテルと、発泡剤全量に対して60重量%を超え95重量%以下の、炭素数3〜5の飽和炭化水素、あるいは飽和炭化水素の一部をフッ素化炭化水素に置き換えた発泡剤を使用して断熱性と圧縮強度に優れた発泡体を製造することが開示されている。
また特許文献2には、発泡剤として40重量%以上85重量%以下の、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルエチルエーテル及びジエチルエーテルから選ばれる1種のエーテルと、発泡剤全量に対して15重量%以上60重量%以下の、炭素数3〜5の飽和炭化水素より選ばれた1種とからなる発泡剤を用いて、さらに気泡形状を特定し、大小気泡が混在する気泡構造からなる発泡板を製造することが開示されている。
また特許文献3には、発泡剤として少なくとも炭素数3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種を含有し、かつハロゲン系難燃剤、テトラゾール化合物、特定の窒素含有化合物、ホウ酸金属塩、酸化ホウ素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有し、発泡板を構成する気泡構造が特定の式で表されるセル異方化率を満足する発泡板及びその製造法が開示されている。
しかしながら、上記の製造方法で製造された発泡板は、製造直後には高い断熱性を示すが、炭化水素が発泡体中から徐々に逸散するために徐々に断熱性能が低下していき、長期間にわたる高断熱性能の維持という点では課題の残るものであった。
さらに、特許文献4、および特許文献5に、スチレン系樹脂にガスバリアー性樹脂を添加する方法が提案されている。特許文献4では、ガスバリアー性樹脂としてニトリル系樹脂を添加する方法が報告されており、特許文献5では、ガスバリアー性樹脂としてビニルアルコール系樹脂を用い、分子量1000以下の分子中に1以上の水酸基を有する化合物の存在下に押出発泡する方法が報告されている。
ガスバリアー性樹脂は、イソブタン等の熱伝導率の低い発泡剤の発泡板中からの逸散を抑制し、発泡板のセル内への空気の流入を遅延させることにより押出直後の断熱性を向上させる効果はある。しかしながら、ガスバリアー性樹脂はスチレン系樹脂との相溶性が低いため、発泡を阻害し、大断面積、かつ高発泡倍率の発泡板を製造することが困難であり、さらに得られた発泡板は機械的強度が低下するといった欠点もある。また、イソブタン等の発泡板中からの逸散が遅く、かつセル内への空気の流入速度が遅くても、長期間経過後にはセル内へ空気が流入してしまうので、長期断熱性の維持に関して課題がある。
WO99/33625号公報 WO99/54390号公報 WO02/051918A1公報 特開2006−131719号公報 特開2006−131757号公報
本発明者らは、上記の従来技術における課題について、オゾン破壊係数が0(ゼロ)であり、地球温暖化係数も小さい発泡剤を用いて、難燃性に優れ、且つ熱伝導率が小さく長期間に亘って高い断熱性を有し、機械的強度にも優れるスチレン系樹脂押出発泡板について種々の検討を重ねた結果、スチレン系樹脂押出発泡板を構成する基材樹脂として、スチレン系樹脂とスチレン−メタクリル酸メチル共重合体との混合物、またはスチレン系樹脂とスチレン−メタクリル酸メチル共重合体とポリメタクリル酸メチルとの混合物からなるスチレン系樹脂混合物を用い、該スチレン系樹脂混合物中にメタクリル酸メチル成分を特定量含有させ、さらにこれらの重合体がスチレン系樹脂の連続相中で特定の分散状態を示すスチレン系樹脂押出発泡板が、熱伝導率が小さく長期間に亘り優れた断熱性能を示し、機械的物性にも優れることを見出した。
本発明は、オゾン破壊係数0(ゼロ)であり、地球温暖化係数も小さな発泡剤を使用した場合でも、熱伝導率が小さく長期間に亘り優れた断熱性能を有し、高度な難燃性を有し、機械的物性にも優れるスチレン系樹脂押出発泡板を提供することを目的とする。
本発明によれば、例えば、長期にわたりJIS A9511:2006RのA種押出法ポリスチレンフォーム保温材の3種で規定される熱伝導率の規格(0.028W(m・K)以下)を満足するような高度な断熱性を有するスチレン系樹脂押出発泡板が提供される。
すなわち、本発明は、
[1]見掛け密度が20〜50kg/m、厚みが10〜150mmのスチレン系樹脂押出発泡板において、該スチレン系樹脂押出発泡板を構成する基材樹脂が、スチレン系樹脂(A)と、下記(1)及び(2)から選択される樹脂(B)との混合物であるスチレン系樹脂混合物からなり、該スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量が10〜30重量%であり、
(1)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体
(2)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びポリメタクリル酸メチル
前記スチレン系樹脂押出発泡板の気泡膜部断面において、スチレン系樹脂(A)が海成分をなし樹脂(B)が島成分をなして海島構造を形成し、樹脂(B)がスチレン系樹脂(A)中に層状に分散しており、
前記気泡膜部断面において、気泡膜部厚み方向の長さが0.01〜0.3μmである樹脂(B)の気泡膜部厚み方向の平均層数が3層以上であることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡板。
[2]見掛け密度が20〜50kg/m 、厚みが10〜150mmのスチレン系樹脂押出発泡板において、該スチレン系樹脂押出発泡板を構成する基材樹脂が、スチレン系樹脂(A)と、下記(1)及び(2)から選択される樹脂(B)との混合物であるスチレン系樹脂混合物からなり、該スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量が10〜30重量%であり、
(1)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体
(2)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びポリメタクリル酸メチル
前記スチレン系樹脂押出発泡板の気泡膜部断面において、スチレン系樹脂(A)が海成分をなし樹脂(B)が島成分をなして海島構造を形成し、樹脂(B)がスチレン系樹脂(A)中に層状に分散しており、
前記気泡膜部断面において、気泡膜部厚み方向の長さが0.01〜0.3μm以下である樹脂(B)の個数基準の存在率が90%以上であることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡板。
[3]見掛け密度が20〜50kg/m 、厚みが10〜150mmのスチレン系樹脂押出発泡板において、
該スチレン系樹脂押出発泡板を構成する基材樹脂が、スチレン系樹脂(A)と、下記(1)及び(2)から選択される樹脂(B)との混合物であるスチレン系樹脂混合物からなり、該スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量が10〜30重量%であり、
(1)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体
(2)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びポリメタクリル酸メチル
前記スチレン系樹脂押出発泡板の気泡膜部断面において、スチレン系樹脂(A)が海成分をなし樹脂(B)が島成分をなして海島構造を形成し、樹脂(B)がスチレン系樹脂(A)中に層状に分散しており、
前記樹脂(B)が、メタクリル酸メチル成分含有量が40重量%以上のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体及び/又はポリメタクリル酸メチルである樹脂(B1)と、メタクリル酸メチル成分含有量が10重量%以上40重量%未満のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体である樹脂(B2)とからなることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡板
[4]前記樹脂(B1)と前記樹脂(B2)との重量比が50:50〜90:10であり、かつ前記スチレン系樹脂混合物中の樹脂(B2)の含有量が5〜20重量%であることを特徴とする上記[3]に記載のスチレン系樹脂押出発泡板。
を要旨とする。
本発明のスチレン系樹脂押出発泡板は、オゾン破壊係数0(ゼロ)であり、地球温暖化係数も小さな発泡剤を使用した場合であっても、スチレン系樹脂押出発泡板を構成する基材樹脂が、スチレン系樹脂(A)と、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、及びスチレン−メタクリル酸メチル共重合体とポリメタクリル酸メチルとの混合物から選択される樹脂(B)とのスチレン系樹脂混合物であり、該混合物中のメタクリル酸メチル成分が10〜30重量%であり、かつ気泡膜部断面において、スチレン系樹脂(A)が海成分(連続相)をなし樹脂(B)が島成分(不連続相)をなして海島構造を形成し、樹脂(B)がスチレン系樹脂(A)中に層状に分散していることにより、熱伝導率が小さく抑えられ長期にわたりJIS A9511:2006RのA種押出法ポリスチレンフォーム保温材の3種で規定される熱伝導率を維持することができるような高度な断熱性能を有し、かつ高度な難燃性を有し、機械的強度にも優れた発泡板である。
本発明の熱伝導率が小さく抑えられ、断熱保持性能に優れ、難燃性を有し、機械的強度にも優れるスチレン系樹脂押出発泡板は、該スチレン系樹脂押出発泡板を構成するスチレン系樹脂が、スチレン系樹脂(A)と、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、及びスチレン−メタクリル酸メチル共重合体とポリメタクリル酸メチルとの混合物から選択される樹脂(B)との混合物からなり、メタクリル酸メチル成分を10〜30重量%含有するスチレン系樹脂混合物に、難燃剤を添加し、発泡剤としてオゾン破壊係数0(ゼロ)であり、地球温暖化係数も小さな飽和炭化水素などの物理発泡剤を使用して、気泡膜部断面においてスチレン系樹脂(A)の連続相中に樹脂(B)が層状に分散するように押出発泡することによって製造される、見かけ密度が20〜50kg/m、厚みが10〜150mmで、断面積が好ましくは100cm以上の押出発泡板である。
なお、本明細書において、スチレン系樹脂押出発泡板を単に「押出発泡板」あるいは「発泡板」と記すことがある。
本発明における前記スチレン系樹脂(A)は、スチレン単独重合体、又は前記樹脂(B)以外の、スチレンと、スチレンと共重合可能な単量体との共重合体である。
このような共重合体としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレンアクリレート共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メチルスチレン共重合体、スチレン−ジメチルスチレン共重合体、スチレン−エチルスチレン共重合体、スチレン−ジエチルスチレン共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等が例示される。これらのスチレン系共重合体におけるスチレン成分の含有量は好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。これらのスチレン系樹脂は1種又は2種以上を混合して使用することができる。
前記スチレン系樹脂(A)の中でも、発泡性、発泡板の機械的強度の観点から、スチレン単独重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルスチレン共重合体が好ましく、これらのなかでも、スチレン単独重合体、スチレン−アクリル酸共重合体が好適であり、スチレン単独重合体が特に好適である。
なお、スチレン系樹脂(A)と樹脂(B)との相溶性をより向上させるために、前記スチレン系樹脂(A)には、本発明の技術的意義を逸脱しない範囲において、少量の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等を共重合させることもできる。
本発明における樹脂(B)は、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、又はスチレン−メタクリル酸メチル共重合体とポリメタクリル酸メチルとからなる。本発明におけるスチレン−メタクリル酸メチル共重合体は、該共重合体中にメタクリル酸メチル成分を10〜95重量%含むものが使用される。一方、ポリメタクリル酸メチルには、加工性改良などのために、メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体が含まれていてもよい。
本発明においては、前記スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量は10〜30重量%の範囲であり、好ましくは12〜25重量%である。スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量が少なすぎると、後述する輻射伝熱低減効果が十分に得られず発泡板の熱伝導率を低下させる効果が小さくなり、高度な断熱性、例えば、長期にわたりJIS A9511:2006RのA種押出法ポリスチレンフォーム保温材の3種で規定される熱伝導率を維持するような高度な断熱性を達成することできなくなる。
一方、メタクリル酸メチル成分の含有量が多すぎる場合には、発泡板の熱伝導率の面からは充分であるが、製造に使用される難燃剤の種類や量にもよるが難燃性が悪化し、建築材料として要求される難燃性規格、例えばJIS A9511:2006Rの5・13・1測定方法Aの難燃性規格を満足するような高度な難燃性を達成することができなくなる。また、樹脂(B)はその分子構造上、本発明の押出発泡板の押出温度では押出発泡中に気泡膜に延伸がかかり難くなるため、発泡板の機械的強度が低下し、要求される強度を満足することができなくなる。したがって、本発明のスチレン系樹脂発泡板は、該発泡板を構成する前記スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量を上記範囲とすることが必要である。
本発明におけるスチレン系樹脂押出発泡板には、基材樹脂としてスチレン系樹脂(A)と前記樹脂(B)との混合物からなるスチレン系樹脂混合物を使用し、メタクリル酸メチル成分を、前記した所定量含有させたスチレン系樹脂混合物を用いることにより、熱伝導率が低く長期間断熱性が維持される優れた断熱性能が発現されるものである。スチレン系樹脂(A)として、ポリスチレン(スチレン単独重合体)を例に、ポリスチレンと樹脂(B)の熱伝導率、屈折率、ポリスチレンと樹脂(B)との相溶性等について検討を行った。
一般に、ポリスチレンと、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体およびポリメタクリル酸メチルである樹脂(B)との熱伝導率を非発泡状態、すなわち樹脂同士で比較すると、ポリスチレンに比べ樹脂(B)の方が熱伝導率は高いことから、ポリスチレンに樹脂(B)を混合した場合には、その混合物の熱伝導率はポリスチレン単独の熱伝導率よりも高くなる。
それに対して、発泡板においては、ポリスチレン単独発泡板と、ポリスチレンに樹脂(B)を混合したスチレン系樹脂発泡板とを比較すると、樹脂(B)を混合したスチレン系樹脂発泡板の方がポリスチレン単独発泡板に比べ熱伝導率が低くなり、さらに、スチレン系樹脂発泡板中のメタクリル酸メチル成分の含有量が増すにしたがって熱伝導率が低下し、特定の含有量で熱伝導率が最小値を示すことが見出された。
この理由は定かではないがおそらく、ポリスチレンの赤外領域の吸収帯にさらにメタクリル酸メチル成分の吸収帯が付加され、すなわち赤外領域の吸収帯が増し、混合樹脂が赤外線を吸収するためと推測される。一般的に固体状態の非発泡の樹脂では、熱は主に熱伝導の形で固体中を伝わる。そのため、非発泡の樹脂の熱伝導率は樹脂自体の熱伝導率により決定される。それに対して、発泡板では樹脂自体の熱伝導のほかに、発泡板の気泡中の気体(残存発泡剤及び大気成分)による熱伝導及びその対流によっても熱が伝わり、さらに、発泡板において気泡は多層に形成されていることから気泡膜間の赤外線の輻射によっても熱が伝わる。ポリスチレンに樹脂(B)を混合したスチレン系樹脂発泡板では、メタクリル酸メチル成分の赤外線の吸収により、この輻射による伝熱を低減する効果が向上し輻射伝熱を小さくすることで断熱性を向上させるものと推測される。
また、ポリスチレンに樹脂(B)を混合した場合、ポリスチレンと樹脂(B)との屈折率が異なり(下記表(1)参照)、また混合物は完全な相溶系を呈しないために白濁を生じる。この白濁化は赤外領域まで影響し、赤外線を乱反射し、輻射による伝熱低減効果が向上して輻射伝熱を小さくすることで熱伝導率を低下させることにより、発泡板としたときにのみ断熱性を向上させているものとも推測される。

(表1)
(PS:ポリスチレン、MS:スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、PMMA:ポリメタクリル酸メチル、M成分:メタクリル酸メチル成分を示す。)
ポリメタクリル酸メチル、あるいはメタクリル酸メチル成分の含有量が多いスチレン−メタクリル酸メチル共重合体は、メタクリル酸メチル成分の含有量の少ないスチレン−メタクリル酸メチル共重合体に比べポリスチレンとの屈折率の差が大きいため、ポリスチレンとの混合物はさらに白濁し易くなる。その結果、上記輻射伝熱の低減効果がさらに向上して、発泡板の熱伝導率がさらに低下するものと推察される。かかる観点から、樹脂(B)がスチレン−メタクリル酸メチル共重合体である場合には、該共重合体のメタクリル酸メチル成分含有量は40重量%以上であることが好ましい。
尚、本発明におけるスチレン−メタクリル酸メチル共重合体中のメタクリル酸メチル成分の含有量、及び、スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量は、熱分解ガスクロマトグラフ分析等の公知の分析法により求めることができる。
上記のように、スチレン系樹脂(A)と樹脂(B)との混合物から構成されるスチレン系樹脂押出発泡板は、赤外線を乱反射又は吸収させ、輻射による伝熱を低減し、低い熱伝導率を示すが、特に、本発明のスチレン系樹脂押出発泡板は、その気泡膜部断面においてスチレン系樹脂(A)と樹脂(B)とが海島構造を形成し、スチレン系樹脂(A)中に樹脂(B)が層状に分散していることにより、さらに、赤外線を乱反射等させる能力が高くなり、輻射伝熱の低減効果がさらに向上する。ここで、樹脂(B)の分散が層状でない場合(粒状に点在して分散している場合)には、赤外線を乱反射等させる効果が小さくなる。また、樹脂(B)中にスチレン系樹脂(A)が分散している場合も赤外線を乱反射等させる効果が小さくなる。
なお、本発明において「気泡膜部」とは、発泡体断面において気泡膜(セル膜)が3個以上会合する会合部以外の部分である。気泡膜の延伸状態にもよるが、通常、この会合部以外の部分は、一つの気泡膜における膜厚みの最も薄い部分からその1.3倍の膜厚みまでの部分を指す。輻射伝熱は主にこの気泡膜部間で行われるため、輻射伝熱を効果的に低減させるためには、この気泡膜部における樹脂(B)の分散状態が重要となる。
なお、本発明において「層状」とは、気泡膜部断面において、図1のように、スチレン系樹脂(A)(図中符号2で示す)中に分散している樹脂(B)(図中符号3で示す)の大部分が、微細に、かつ気泡膜厚み方向に対し直交する方向(以下、「気泡膜に沿った方向」という。)に延伸された状態で、気泡膜厚み方向に層をなすように複数層が重なり合うように存在している状態のことをいう。
樹脂(B)の層の数が多いほど発泡板の熱伝導率を低下させる効果が大きく、かかる観点から、具体的には、樹脂(B)の平均層数が気泡膜厚み方向に対して3層以上であることが好ましく、より好ましくは5層以上であり、さらに好ましくは7層以上であり、特に好ましくは10層以上であり、最も好ましくは20層以上である。なお、樹脂(B)の層が多数に存在し、層数を正確に数えることができない場合にも、20層以上存在すると認識することが妥当と判断される場合は20層以上とする。
ここで、気泡膜部厚み方向の樹脂(B)の数を増やすには、海島構造が逆転しない範囲で、単に樹脂(B)の配合量を増やすことによっても為し得るが、熱伝導率が極めて低く、機械的強度にも優れる発泡板とするためには、樹脂(B)は層状に分散している必要がある。すなわち、気泡膜部断面において樹脂(B)の断面が粒状に近い状態で分散していると、熱伝導率が極めて低く、かつ機械的強度にも優れた発泡板とはならない。
さらに、樹脂(B)成分の気泡膜部厚み方向の長さ(a)に対する気泡膜に沿った方向の長さ(b)の比(b/a)は、すなわちアスペクト比は大きいほど発泡板の熱伝導率を低下させる効果が大きく、具体的には、上記のアスペクト比の平均は2以上であることが好ましく、より好ましくは3以上であり、さらに5以上であることが特に好ましい。アスペクト比は大きいほど熱伝導率低減効果が高くなり、かかる観点からはアスペクト比の上限はないが、発泡時の気泡膜の延伸によって達成し得るアスペクト比の上限は概ね100程度である。
さらに、効果的に発泡板の熱伝導率を低減させるためには、樹脂(B)は微細に分散している必要があり、具体的には、樹脂(B)の気泡膜部厚み方向の厚みは0.3μm以下であることが好ましい。しかしながら、樹脂(B)があまりにも細かく分散していると、上記のような赤外線を反射又は吸収する効果が小さくなるため、効果的に発泡板の熱伝導率を低減させるためには、樹脂(B)の前記長さ(a)は少なくとも0.01μm以上であることが必要である。
さらに、発泡板の気泡膜部断面における樹脂(B)成分が、発泡板の気泡膜部断面に存在する樹脂(B)成分の大部分を占めることが好ましく、具体的には、層状を呈してかつある範囲で微細に分散している樹脂(B)の個数基準の存在率が90%以上であることにより、発泡板の熱伝導率を低下させる効果がさらに大きくなるとともに、発泡板が機械的強度に優れたものとなる。
本発明における発泡板の気泡膜部の断面の海島構造は以下のような染色処理を施し、透過型電子顕微鏡を用いて観察を行う。
まず、適当な大きさに切り出したスチレン系樹脂押出発泡板をエポキシ樹脂中に入れ包埋する。包埋後、ガラスナイフ等で厚み方向に垂直な面を切り出し、ダイヤモンドナイフ等で断面から厚さ約0.1μmの超薄型切片を切り出す。切り出した切片(サンプル)をCuメッシュに載せた状態で2%OsO水溶液数mlと共にシャーレ内に入れ室温で密封し、OsO蒸気に暴露させ、染色を30分間行う。次にサンプルをNaClO水溶液数mlと小スパチュラ1杯分のRuCl結晶を使用直前に混合した液とともにシャーレ内に入れ室温で密封し、発生するRuO蒸気に暴露させて30分間染色する。染色された超薄型切片の気泡膜を透過型電子顕微鏡を用いて撮影する。撮影した電子顕微鏡写真においてメタクリル酸メチル成分を含む樹脂(B)の部分が白く、スチレン系樹脂(A)の部分が黒く観察される。なお、透過型電子顕微鏡としては、例えば日本電子株式会社製透過電子顕微鏡「JEM−1010」などを使用することができる。
本発明における発泡板の気泡膜部断面における樹脂(B)の分散状態を示す電子顕微鏡写真を図1〜図3に示す。各図において、1は気泡膜、2はスチレン系樹脂(A)、3は樹脂(B)をそれぞれ表す。写真において白く微細な層状を為す部分がメタクリル酸メチル成分を含む樹脂(B)3の部分であり、その周りに黒色に見える部分がスチレン系樹脂(A)2の部分である。
図1、図2は、樹脂(B)がスチレン系樹脂(A)の連続相中に層状に分散している気泡膜断面の一例を示す。図1は実施例1の発泡板気泡膜断面の電子顕微鏡写真(倍率40,000倍)であり、樹脂(B)の延伸された極微細な層が多数存在していることを示す。図2は実施例4の発泡板気泡膜断面の電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)であり、図1に比べればb/a比が小さいが同様に樹脂(B)の微細な層が多数存在していることを示す。図3は、樹脂(B)が層状でなくスチレン系樹脂層内に大きな粒状で分散(点在)している状態を示す電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)である。
(樹脂(B)の平均層数)
上記方法により観察された画像上の気泡膜部に、気泡膜部と直交する線分を任意に20本引き、各線分と交わる島成分(樹脂(B))のうち、気泡膜部厚み方向の長さが0.01〜0.3μmであり、かつ上記アスペクト比が2以上である樹脂(B)(島成分)の数を計測し、これらの値を算術平均することにより、気泡膜部断面1箇所あたりに存在する前記樹脂(B)の平均層数を求める。この平均層数の測定を別視野の気泡膜部断面10箇所に対して行い、各気泡膜部において求められた平均層数を算術平均した値を、気泡膜部厚み方向の長さが0.01〜0.3μmである樹脂(B)の気泡膜部厚み方向の平均層数とする。
(樹脂(B)の個数基準の存在率)
上記方法と同様にして、気泡膜部断面部に存在する、気泡膜部厚み方向の長さが0.01μm以上の樹脂(B)(島成分)の平均個数を求める。上記樹脂(B)の平均層数をこの樹脂(B)の平均個数で除した値の百分率を、気泡膜部厚み方向の長さが0.01〜0.3μmである樹脂(B)の個数基準の存在率とする。
本発明の発泡板を構成するスチレン系樹脂(A)と樹脂(B)とからなるスチレン系樹脂混合物は厳密に言えば非相溶系である。非相溶性の樹脂同士の混合物の機械的強度は、その混合状態によっては、混合されるそれぞれの樹脂単体の機械的強度よりも大きく低下する。これを改善するためには、両者を微細に分散させる必要がある。しかしながら、本発明のごとき発泡板においては、スチレン系樹脂混合物中に樹脂(B)を単に微細に分散させただけでは発泡板の機械的強度が十分に改善されない場合もある。スチレン系樹脂発泡板では、発泡板の気泡膜が発泡時に延伸されることにより発泡板が機械的強度に優れたものとなる。
したがって、たとえスチレン系樹脂(A)中に樹脂(B)が微細に分散していたとしても、発泡板の気泡膜において樹脂(B)が層状に分散していなければ、すなわち、樹脂(B)自体も延伸されていなければ、発泡板は機械的強度に劣るものとなる。したがって、機械的強度の観点からも、樹脂(B)が層状でかつ微細に分散していることが重要である。
上記のように、メタクリル酸メチル成分の含有量が多い樹脂(B)をスチレン系樹脂(A)に混合することにより、発泡板の熱伝導率を効果的に低下させることができる。スチレン系樹脂(A)の連続相中に樹脂(B)を層状に分散させるためには、押出発泡中に延伸される気泡膜に沿って樹脂(B)が配向する必要があるが、スチレン系樹脂(A)とメタクリル酸メチル成分の含有量が多い樹脂(B)とを単に混合しただけでは、樹脂(B)を層状に分散させることは困難である。
スチレン系樹脂(A)中にメタクリル酸メチル成分含有量の多い樹脂(B)を層状に分散させるためには、スチレン系樹脂(A)と樹脂(B)との相溶性、体積比、粘度バランス等を調整して両者を混合する必要がある。
例えば、スチレン系樹脂(A)とメタクリル酸メチル成分含有量の多い樹脂(B)(以下、樹脂(B1)と言う。)との相溶性を改善し、樹脂(B1)をスチレン系樹脂(A)の連続相中に均一に層状に分散させるための方法として、両者の相溶化剤的に作用する樹脂を添加する方法や、スチレン系樹脂(A)自体の樹脂(B1)との相溶性を向上させる方法などが挙げられる。具体的には、前者の場合、樹脂(B1)と、メタクリル酸メチル成分が少ない樹脂(B)(以下、樹脂(B2)と言う。)とを併用する方法が例示できる。後者の場合には、カルボニル基等のメタクリル酸メチル成分に近い分子構造を有する単量体をスチレンに共重合させたスチレン系樹脂をスチレン系樹脂(A)として使用する方法が例示できる。
上記のように、樹脂(B)が、樹脂(B1)と樹脂(B2)とからなる場合には、断熱性付与の観点からは、上記したようにスチレン系樹脂(A)と樹脂(B)との屈折率の差を考慮すると、樹脂(B)中のメタクリル酸メチル成分含有量は多ければ多いほど好ましい。かかる観点から、樹脂(B1)としては、メタクリル酸メチル成分含有量が40重量%以上のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体又はポリメタクリル酸メチルが好ましく、より好ましくは前記含有量が50重量%以上のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体又はポリメタクリル酸メチルである。一方、あまりにもメタクリル酸メチル成分の含有量比率の高いスチレン−メタクリル酸メチル共重合体、又はポリメタクリル酸メチルの場合には、スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分含有量を同量に調整しようとすると、スチレン系樹脂(A)中に分散している樹脂(B)の島成分の絶対量が低下するので、若干ながら輻射伝熱低減効果が小さくなる傾向にある。したがって、かかる観点から、樹脂(B1)はメタクリル酸メチル成分含有量が40〜80重量%であるスチレン−メタクリル酸メチル共重合体であることがさらに好ましく、特に好ましくは前記含有量が50〜70重量%であるスチレン−メタクリル酸メチル共重合体である。
一方、スチレン系樹脂(A)中に樹脂(B1)を層状に分散させるためには、樹脂(B2)のメタクリル酸メチル成分含有量は、40重量%未満であることが好ましく、より好ましくは30重量%以下であり、さらに好ましくは15〜25重量%である。
さらに、スチレン系樹脂(A)中に樹脂(B)をより層状に分散させるためには、樹脂(B1)と樹脂(B2)との重量比は50:50〜90:10であることが好ましく、より好ましくは50:50〜80:20である。さらに、樹脂(B1)と樹脂(B2)との重量比が上記範囲であるとともに、スチレン系樹脂混合物中の樹脂(B2)の含有量が5〜20重量%であることがさらに好ましく、特に好ましくは8〜15重量%である。
また、樹脂(B)をより層状に分散させるためには、樹脂(B)の溶融粘度はスチレン系樹脂(A)の溶融粘度に近いほど好ましく、さらに、スチレン系樹脂(A)と樹脂(B)との体積比(重量比)は近いほど好ましい。
本発明のスチレン系樹脂押出発泡板を構成する基材樹脂である前記スチレン系樹脂混合物は、スチレン系樹脂(A)と樹脂(B)との重量比が50:50〜80:20の範囲で、メタクリル酸メチル成分が上記含有量(10〜30重量%)となるようにスチレン系樹脂(A)と樹脂(B)とが配合されることが好ましい。上記観点から、スチレン系樹脂(A)と樹脂(B)との重量比は、より好ましくは50:50〜75:25であり、さらに好ましくは50:50〜70:30である。
本発明の方法によるスチレン系樹脂発泡板が優れた断熱性を示すのは、スチレン系樹脂混合物中の樹脂(B)が若干ながらもガスバリアー性を有していることも寄与していると考えられる。発泡板製造直後においては、そのガスバリアー性によって発泡板中に含まれる残存発泡剤の大気中への逸散及び大気中から発泡板の気泡内への大気成分の流入を幾らか遅延させることができるので、上記した輻射伝熱低減効果との相乗効果により、発泡板の熱伝導率をさらに低下させる効果があると推察される。
一方、発泡板製造後長期間経過した場合には、大気成分は発泡板の樹脂成分に対するガス透過速度が速いので発泡板の気泡内への大気成分の流入は完了し気泡内の大気成分の分圧は、樹脂(B)の使用の有無にかかわらず同じ値になってしまうが、発泡板中からの発泡剤の逸散をある程度抑制することができるので、気泡中の残存発泡剤の濃度を高くすることができ、上記した輻射伝熱低減効果との相乗効果により、低い熱伝導率を達成できるものと推察される。
本発明において前記スチレン系樹脂混合物には、本発明の目的、作用効果を損なわない範囲において、その他の重合体を混合することができる。その他の重合体としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、及びその水添物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、及びその水添物、スチレン−エチレン共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸アルキル−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらのその他の重合体の配合量は、スチレン系樹脂混合物100重量部に対して30重量部以下が好ましく、10重量部以下がさらに好ましく、5重量部以下が特に好ましい。
本発明のスチレン系樹脂押出発泡板の製造には、通常、従来公知のオゾン破壊係数がゼロ(0)である発泡剤が使用される。発泡剤としては、長期にわたる高い断熱性の維持を考慮すると、以下に示すような本発明のスチレン系樹脂混合物に対するガス透過性が比較的遅いものが好ましい。ガス透過性が比較的遅い発泡剤としては、炭素数3〜5の脂肪族炭化水素、具体的には、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等が挙げられ、炭素数3〜6の脂環式炭化水素、具体的には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの中でも、ガス透過性が遅く発泡性に優れるために、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタンがより好ましく、ガス透過性、発泡性に加えて取り扱い性に優れることからノルマルブタン、イソブタンが好ましく、特にイソブタンが好ましい。これらの発泡剤は、単独または2種以上を併用して使用することができる。
さらに、得られる発泡板の難燃性を考慮すると、上記のような炭化水素の添加量は限られるため、低い見かけ密度の発泡板を製造する場合には、該炭化水素と、本発明のスチレン系樹脂混合物に対するガス透過性が上記炭化水素よりも速い発泡剤とを併用する混合発泡剤を使用することが好ましい。混合発泡剤を使用することにより、炭化水素の添加量を削減でき、発泡性を高めることができる。ガス透過性が速い発泡剤は発泡後速やかに発泡板中からそのほとんどが逸散してしまうので、発泡板中には所望の量の炭化水素を残存させることができる。
ガス透過性が速い発泡剤として、例えば、塩化アルキル、アルコール類、エーテル類、ケトン類、二酸化炭素、水等が挙げられる。これらの発泡剤の中でも炭素数1〜3の塩化アルキル、炭素数1〜4の脂肪族アルコール、アルキル鎖の炭素数が1〜3のエーテル類、二酸化炭素、水等が好ましい。具体的には、炭素数1〜3の塩化アルキルとしては、例えば塩化メチル、塩化エチル等が挙げられる。炭素数1〜4の脂肪族アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、アリールアルコール、クロチルアルコール、プロパギルアルコール等が挙げられる。アルキル鎖の炭素数が1〜3のエーテル類としては、例えばジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチレンジメチルエーテル等が挙げられる。特に、ガス透過性が速く、その取り扱い性に優れることから、上記発泡剤の中でも、塩化メチル、ジメチルエーテル、二酸化炭素、水が特に好ましい。これらの発泡剤は単独または2種以上を併用して用いることができる。
さらに、本発明の所期の目的を損なわない範囲内で、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン等のHFCを発泡剤に添加することもできる。
これら発泡剤の使用量は所望する発泡倍率との関連で適宜選択され、見かけ密度が20〜50kg/cmの発泡体を得るには、通常スチレン系樹脂混合物1kg当たり、混合発泡剤として0.5〜3モル添加され、好ましくは0.6〜2.5モルが添加される。
本発明のスチレン系樹脂押出発泡板は、建築用断熱板として使用される場合には、JIS A9511:2006Rの5・13・1に規定される、「測定方法A」に記載の押出ポリスチレンフォーム保温板を対象とする燃焼性規格を満足する高度な難燃性が要求される。さらに、JIS A9511:2006Rの4.2で規定される熱伝導率の規格を満足することが要求される。したがって、上記難燃性と熱伝導率の規格を両立するような量の発泡剤を、発泡板中に残存させる必要がある。発泡剤として前記炭化水素を使用する場合には、熱伝導率の観点からは、発泡板中の炭化水素含有量は多ければ多いほど好ましく、その含有量の下限は、発泡板1kg当たり0.4モル以上であることが好ましく、0.45モル以上であることがより好ましく、0.5モル以上であることが更に好ましい。一方、難燃性の観点からは、発泡板中の炭化水素含有量は少なければ少ないほど好ましく、含有量の上限は発泡板1kg当たり0.9モル以下であることが好ましく、0.8モル以下であることがより好ましく、0.7モル以下であることが更に好ましい。
前記JIS A9511:2006Rの5・13・1に規定される、「測定方法A」に記載の押出ポリスチレンフォーム保温板を対象とする燃焼性規格を満足する高度な断熱性能が要求されるスチレン系樹脂発泡板は、前記炭化水素の含有量の調整に加えて、難燃剤を添加することにより達成される。ここに使用される難燃剤は、スチレン系樹脂発泡板の製造において従来使用されている難燃剤が使用できる。
難燃剤としては、臭素系難燃剤が好ましく使用される。臭素系難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(アリルエーテル)、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、デカブロモジフェニルオキサイド、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、臭素化ビスフェノールエーテル誘導体などが挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上を混合して使用できる。上記の臭素系難燃剤の中でも、その熱安定性が高く、高い難燃効果が得られることから、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートが特に好ましい。
本発明の押出発泡板中における難燃剤の含有量は、難燃性を向上させるとともに、発泡性の低下および機械的物性の低下を最小限にするうえで、スチレン系樹脂混合物100重量部当たり1〜10重量部が好ましく、1.5〜7重量部がより好ましく、2〜6重量部が更に好ましい。
さらに、本発明おいては、押出発泡板の難燃性をさらに向上させることを目的として、難燃助剤を上記臭素系難燃剤と併用して少量使用することができる。難燃助剤としては、例えば2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−エチル−1−ペンテン等のジフェニルアルカンやジフェニルアルケン、トリフェニルホスフェート、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート、三酸化アンチモン、五酸化二アンチモン、硫酸アンモニウム、すず酸亜鉛、シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリアリルイソシアヌレート、メラミンシアヌレート、メラミン、メラム、メレム等の窒素含有環状化合物、シリコーン系化合物、酸化ホウ素、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛などの無機化合物、赤リン系、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン等のリン系化合物等が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上を混合して使用できる。
上記難燃剤および難燃助剤をスチレン系樹脂混合物へ配合する方法としては、所定割合の難燃剤および難燃助剤をスチレン系樹脂混合物と共に押出機の上流部に設けられている原料供給部に供給し、押出機中にてスチレン系樹脂混合物と共に混練する方法を採用することができる。その他、押出機中に設けられた難燃剤供給部より溶融スチレン系樹脂混合物中に難燃剤および難燃助剤を供給することもできる。
なお、難燃剤および難燃助剤を押出機に供給する場合、難燃剤および難燃助剤とスチレン系樹脂混合物とをドライブレンドしたものを押出機に供給する方法、難燃剤及び難燃助剤とスチレン系樹脂とをニーダー等により混練した溶融混練物を押出機に供給する方法、予め加熱溶融させた液状の難燃剤を押出機内に供給する方法や難燃剤および難燃助剤を含むマスターバッチを作製して押出機に供給する方法を採用することができる。特に、分散性の点から難燃剤および難燃助剤を含むマスターバッチを作製して押出機に供給する方法を採用することが好ましい。
本発明における熱伝導率はISO 115161に準拠し、以下のように促進試験を行うことにより測定される値である。この方法によれば、例えば、厚さ50mmの発泡板を厚さ10mmにスライスすることにより、製造後10日後に測定された値は、50mm厚みの発泡板の250日経過後の値に相当し、製造後100日後の測定値が2500日経過後の値に相当する。製造直後の発泡板サンプルを両面のスキン層から均等に削り、中心部10mm部分を残したサンプルを作成する。これを温度23℃、湿度50%の恒温恒湿環境下で保管し、JIS A1412−2:1999記載の熱流計法(試験体1枚・対称構成方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に基づいて熱伝導率を測定する。
本発明の押出発泡板の厚み方向の平均気泡径は、好ましくは0.05〜2mmであり、より好ましくは0.06〜1mmであり、さらに好ましくは0.07〜0.8mmである。厚み方向平均気泡径がこの範囲内にあることにより、機械的強度に優れ、より高い断熱性を有する。
平均気泡径の測定方法は次の通りである。押出発泡板厚み方向の平均気泡径(D:mm)及び押出発泡板幅方向の平均気泡径(D:mm)は押出発泡板の幅方向垂直断面(押出発泡板の押出方向と直交する垂直断面)を、押出発泡板長手方向の平均気泡径(D:mm)は押出発泡板の長手方向垂直断面(押出発泡板の押出方向に平行に、幅方向の中央部で二等分した垂直断面)を、顕微鏡等を用いてスクリーンまたはモニタ等に拡大投影し、投影画像上において測定しようとする方向に線分を引き、その直線と交差する気泡の数を計数し、線分の長さ(但し、この長さは拡大投影した投影画像上の線分の長さではなく、投影画像の拡大率を考慮した真の線分の長さを指す。)を計数された気泡の数で割ることによって、各々の方向における平均気泡径を求める。
平均気泡径の測定方法について詳述すると、厚み方向の平均気泡径(D:mm)の測定は幅方向垂直断面の中央部及び両端部の計3箇所に厚み方向に全厚みに亘る線分を引き各々の線分の長さと該線分と交差する気泡の数から各線分上に存在する気泡の平均径(線分の長さ/該線分と交差する気泡の数)を求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を厚み方向の平均気泡径(D:mm)とする。
幅方向の平均気泡径(D:mm)は幅方向垂直断面の、中央部及び両端部の計3箇所の押出発泡板を厚み方向に二等分する位置に、長さ3mmの線分を幅方向に引き,長さ3mmの線分と(該線分と交差する気泡の数−1)から各直線上に存在する気泡の平均径(3mm/(該線分と交差する気泡の数−1))を求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を幅方向の平均気泡径(D:mm)とする。
長手方向の平均気泡径(D:mm)は、試験片を切断して得られた長手方向垂直断面の、中央部及び両端部の計3箇所において、押出発泡板を厚み方向に二等分する位置に、長さ3mmの線分を長手方向に引き、長さ3mmの線分と(該線分と交差する気泡の数−1)から各線分上に存在する気泡の平均径(3mm/(該線分と交差する気泡の数−1))を求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を長手方向の平均気泡径(D:mm)とする。また、押出発泡板の水平方向の平均気泡径(D:mm)は、DとDの相加平均値とする。
更に本発明により得られる押出発泡板は、気泡変形率が0.7〜2.0であることが好ましい。気泡変形率とは、上記測定方法により求められたDをDで除すことにより算出された値(D/D)をいい、該気泡変形率が1よりも小さいほど気泡は扁平であり、1よりも大きいほど縦長である。気泡変形率が上記範囲内にあることにより、圧縮強度等の機械的強度及び寸法安定性に優れ、かつ高い断熱性を有する押出発泡板を得ることができる。そのような観点から、上記気泡変形率は、0.8〜1.5であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましい。
本発明による押出発泡板の独立気泡率は90%以上であることが好ましく、93%以上であることがより好ましい。独立気泡率が高い程、高い断熱性能を維持することができる。独立気泡率は、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、押出発泡板の真の体積Vxを用い、下記式(1)により独立気泡率S(%)を算出する。
試料は、押出発泡板における3箇所の異なる部分からカットサンプルを切り出して各々のカットサンプルについて測定した。カットサンプルは押出発泡板から25mm×25mm×20mmの大きさに切断された、成形表皮を有しないサンプルである。厚みが薄く厚み方向に20mmのサンプルが切り出せない場合には、例えば25mm×25mm×10mmの大きさに切断された試料(カットサンプル)を2枚重ねて測定する。測定装置としては、例えば東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型などが使用できる。
(数1)
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(VA−W/ρ) (1)
ただし、Vx:上記測定に使用されるカットサンプルの真の体積(cm)(押出発泡板のカットサンプルを構成する樹脂の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。)
VA:測定に使用されたカットサンプルの外寸法から算出されたカットサンプルの見かけ上の体積(cm
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)
ρ:押出発泡板を構成する樹脂の密度(g/cm
上記押出発泡板の平均気泡径は気泡調整剤を用いることにより調整することができる。気泡調整剤として、例えば、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、クレー、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物粉末、アゾジカルボジアミド等の従来公知の化学発泡剤などを用いることができる。なかでも気泡径の調整が容易であるとともに、難燃性を阻害することがなく気泡径を調整することが容易であるタルクが好適である。特に光透過遠心沈降法による50%の粒径が0.1〜20μmの大きさの細かいタルクが好ましく、0.5〜15μmの大きさのものが好ましい。気泡調整剤の添加量は、調整剤の種類、目的とする気泡径等によって異なるが、タルクを使用する場合はスチレン系樹脂混合物100重量部に対して、8重量部以下(ただし0を含む。)が好ましく、7重量部以下(ただし0を含む。)がより好ましく、5重量部以下(ただし0を含む。)がさらに好ましく、0.01〜4重量%が特に好ましい。
気泡調整剤もスチレン系樹脂のマスターバッチを調製して使用することが分散性の点から好ましい。気泡調整剤のマスターバッチの調製は、例えば、気泡調整剤としてタルクを使用した場合、スチレン系樹脂に対してタルクの含有量が20〜80重量%となるように調製されることが好ましく、30〜70重量%となるように調製されることがより好ましい。
また、本発明におけるスチレン系樹脂押出発泡板には、さらに必要に応じて、顔料、染料等の着色剤、熱安定剤、その他充填剤等の各種の添加剤を適宜添加することができる。
本発明においては、発泡板の熱伝導率をさらに低下させるために、発泡板中にグラファイトやカーボンブラックなどの赤外線を吸収するような添加剤を含んでもよい。これらの添加剤の含有量は、発泡性を阻害せず、発泡板の機械的強度を悪化させない範囲とする必要があり、スチレン系樹脂混合物100重量部に対して概ね0.3〜5重量部程度である。
本発明のスチレン系樹脂押出発泡板は、押出機中でスチレン系樹脂混合物と難燃剤、その他添加物とを溶融、混練した溶融物に所要量の発泡剤を押出機の所定の位置から圧入し、さらに混練して発泡剤、難燃剤等を含有するスチレン系樹脂発泡性溶融組成物を押出機の先端のダイリップから大気圧下に押出した後、賦形装置(ガイダー)により所定の形状(板状)に成形することにより製造される。前記賦形装置は、例えば上下一対のポリテトラフルオロエチレン製の板で構成される賦形具が使用される。
本発明において各物性の測定、評価は以下により行った。
(発泡剤残量)
発泡板中の発泡剤の残存量はガスクロマトグラフを用いて測定した。具体的には、発泡板製造直後の押出発泡板から切り出した200mm×200mm×10mmの成形表皮が存在しない試験片を、23℃、湿度50%の雰囲気下に保存した。製造後10日後(50mm厚みの発泡板の250日後に相当)に該試験片から幅を2.5cmとし、長さはサンプルの重量が1gとなるような長さに切り出しサンプルとした。このサンプルをトルエンの入った蓋付き試料ビン中に入れ蓋を閉めた後、充分に撹拌し発泡板中の発泡剤をトルエン中に溶解した溶液を測定用試料としてガスクロマトグラフ分析を行って残存量を求めた。
ガスクロマトグラフ分析の測定条件
カラム:信和加工株式会社製
担体:chromosorb W、60〜80メッシュ、AW−DMCS処理品
液相:Silicone DC550(液相量20%)
カラム寸法:カラム長さ4.1m、カラム内径3.2mm
カラム素材:ガラス
カラム温度:40℃
注入口温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
キャリヤーガス速度:50ml/min.
検出器:FID
検出器温度:200℃
定量:内部標準法
(溶融粘度の測定方法)
溶融粘度は、株式会社東洋精機製作所のキャピログラフ 型式1Dを使用して、測定された値である。測定の詳細としては、内径9.55mm(有効長さ250mm)のシリンダーの先端に穴径1.0mm、長さ10mmのキャピラリーを取付け、シリンダーおよびキャピラリーを200℃に昇温し、シリンダー内に測定試料(樹脂ペレット)を充填した。充填後、シリンダー内にピストンを充填し、4分間の予備加熱にて溶融させた。なお、予備加熱中にピストンを一時的に押し下げ溶融状態の測定試料から気泡を十分に除去した。また、測定試料の充填量は、気泡除去後に測定試料が15cc以上確保できる十分な量とした。予備加熱終了後、ピストンにてキャピラリー部のせん断速度が100s−1となる様にシリンダー内の測定試料を押出し、そのときの溶融粘度を計測した。なお、溶融粘度の測定は押出荷重が安定した後に行った。なお、押出機の溶融混練部の温度及びせん断速度は各部位によって様々な値となるが、その温度は概ね180〜230℃であり、せん断速度は概ね50〜200s−1であることから、便宜的に200℃、100sec−1の条件を採用した。
(層状分散の評価)
前記の方法により透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製透過電子顕微鏡「JEM−1010」、加速電圧100kV)を用いて発泡板の気泡膜部断面の倍率10,000倍の顕微鏡写真を撮影し、目視にて以下の基準により層状分散の評価を行った。
なお、層状態が微細で倍率10,000倍では判別出来難い場合、倍率40,000倍とした。
○:大部分の樹脂(B)が層状に分散している。
×:粒状に分散する樹脂(B)が多数観察される。
(樹脂(B)の平均層数及び存在率)
前記の方法により透過型電子顕微鏡を用いて発泡板の気泡膜部断面の倍率10,000倍、又は40,000倍の顕微鏡写真を撮影した。この顕微鏡写真を使用し、写真上の気泡膜部断面に、気泡膜部に直交する線分を気泡膜部の全体にわたって、かつ線分が略等間隔となるように20本引き、これらの線分と交差する樹脂(B)(島成分)の数から、上記の方法に基づき、平均層数及び存在率を求めた。
(発泡成形性の評価)
表における発泡成形性の評価は、下記評価基準により評価した。
○:発泡状態が良好であり、表面に波うちなどがない良好な板状押出発泡板が安定して得られる。
×:発泡状態が悪く、表面状態が良好な板状押出発泡板が得られない。
(熱伝導率の測定)
本発明において熱伝導率は、製造直後の押出発泡板の中央部から200mm×200mm×10mmの成形表皮が存在しない試験片を切り出し、該試験片を23℃、湿度50%の雰囲気下に保存した。製造後10日後、100日後に該試験片を用いてJIS A1412−2:1999記載の熱流計法(試験体1枚・対称構成方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に基づいて熱伝導率を測定した。尚、前記ISO 115161に準拠し、促進試験を行うことにより測定した値である。
(難燃性評価)
表における難燃性評価は、製造後5日間経過後の板状押出発泡板から切り出した試験片を、前記JIS A9511:2006Rの5・13・1の測定方法Aに記載の押出ポリスチレンフォーム保温板を対象とする燃焼性規格に準拠して評価した。
測定は一つの押出発泡板に対して試験片を5個切り出し、下記評価基準により評価した。すなわち、5・13・1の測定方法Aの燃焼性の測定を行ったとき、
◎:全ての試験片において3秒以内で炎が消え、残塵がなく、かつ燃焼限界線を超えて燃焼しない。
×:5個の試験片の平均燃焼時間が3秒を超える。
(曲げ物性)
表における押出発泡板の曲げ物性は、JIS K7221−2:1999に準拠して測定した。製造後5日間経過後の板状押出発泡板から、試験片の寸法が長さ200mm、幅50mm、厚さ25mmとなるように成形表皮の存在しない試験片を、長さ方向が押出発泡板の幅方向に沿うようにして、かつ幅方向の中点を試験片の長さの中心となるように切り出した。この試験片を用いて、加圧くさび及び支持台先端部の半径10mm、支点間距離150mm、試験速度10mm/minで試験を行い、曲げ強さ、曲げ破壊たわみ、見掛け曲げ弾性率を求めた。なお、曲げ破壊たわみとは、試験片が破壊したときの曲げたわみを意味する。
(圧縮物性)
圧縮強さは以下の方法により測定された値である。押出発泡板の幅方向の中央部より、押出方向に50mm、幅方向に50mm、厚みはスキン層を除かずに押出発泡板の厚みそのままで直方体状となるように切り出した。この際、押出発泡板の幅方向中央部と試験片の幅方向中央部が一致するようにした。次にこの試験片に対し、圧縮速度を10%×Tmm/分(但し、Tは試験片の初期厚みである。)とし、JIS K7220:1999に基づいて10%圧縮時の荷重を求め、これを試験片の受圧面積で除して算出することにより圧縮強さを求めた。
以下に、本発明を実施例により比較例とともに具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲であればよい。
[原料]
実施例、比較例に使用した原料のスチレン系樹脂(A)を下記表2に、樹脂(B)を下記表3に示す。
(表2)
(溶融粘度;200℃、せん断速度100/sでの測定)

(表3)
(溶融粘度;200℃、せん断速度100/sでの測定値)
(「M成分」とはメタクリル酸メチル成分の略)
難燃剤A;ヘキサブロモシクロドデカン93重量%を含有する難燃剤マスターバッチを用いた。
難燃剤B;2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン93重量%を含有する難燃剤マスターバッチを用いた。
実施例1〜9及び比較例1〜5
内径150mmの第1押出機と内径200mmの第2押出機が直列に連結されており、発泡剤注入口が第1押出機の終端付近に設けられており、間隙2mm×幅440mmの横断面が長方形の樹脂排出口(ダイリップ)を備えたフラットダイが第2押出機の出口に連結された製造装置を用いた。
第2押出機の樹脂出口にはこれと平行するように設置された上下一対のポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる板により構成された賦形装置(ガイダー)が付設されている。
表に示す配合量となるように樹脂、難燃剤及び気泡調整剤を、前記第1押出機に供給し、220℃まで加熱し、これらを溶融、混練し、第1押出機の先端付近に設けられた発泡剤注入口から表に示す配合組成の発泡剤の所要量を溶融物に供給し溶融混練した発泡性溶融樹脂組成物を、続く第2押出機に供給して樹脂温度を表に示すような発泡適性温度(表では発泡温度と表記した。この発泡温度は押出機とダイとの接合部の位置で測定された発泡性溶融樹脂組成物の温度である。)に調整した後、吐出量500kg/hrでダイリップからガイダー内に押出し、発泡させながら押出発泡体の厚み方向に50mmの間隙で平行に配置されたガイダー内を通過させることにより板状に成形(賦形)し板状スチレン系樹脂押出発泡板を製造した。
なお、タルク及びグラファイトは、表中の添加量となるように、タルクマスターバッチ、グラファイトマスターバッチとして添加した。
表4〜6中のスチレン系樹脂(A)及び樹脂(B)の配合比率は、スチレン系樹脂混合物100重量%に対する割合であり、例えば、表4中の実施例1のPS1/PS2が26/50、樹脂c/樹脂dが18/6は、スチレン系樹脂(A)としてPS1を26重量%とPS2を50重量%、樹脂(B)として樹脂cを18重量%と樹脂dを6重量%の割合で配合することを意味する。
また、表4〜6中のM成分とはメタクリル酸メチル成分を意味するものである。
また、表4〜6中の発泡剤種類のMeClは塩化メチルを、i−Bはイソブタンを意味する。なお、発泡剤添加量の比率はモル比であり、添加量はスチレン系樹脂混合物1kgに対するモル数である。例えば、表4中の実施例1のMeCl/i−B、0.6/0.6(モル/kg)は、スチレン系樹脂混合物1kgあたりに塩化メチル0.6モルとイソブタン0.6モルとを添加することを意味する。
実施例1〜9の結果は、本発明の方法に基づいてポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造すると、長期断熱性、機械的物性に優れ、難燃性にも優れたスチレン系樹脂押出発泡板が容易に製造できることを示している。スチレン系樹脂(A)と樹脂(B)との混合物を基材樹脂とし、該混合物中の樹脂(B)に由来するメタクリル酸メチル成分を特定の比率とした上で、メタクリル酸メチル成分を含む樹脂(B)を層状分散させることにより、発泡板中の輻射伝熱の低減効果が顕著になり、熱伝導率が特に低く、長期にわたりJIS A9511:2006RのA種押出法ポリスチレンフォーム保温材の3種で規定される熱伝導率(0.028W/(m・K)以下)を維持することができる優れた断熱性を有し、かつ機械的物性、難燃性にも優れるスチレン系樹脂押出発泡板であった。
比較例1は、スチレン系樹脂(A)に樹脂(B)を混合しない例を示す。比較例1では、樹脂(B)を添加していないため、樹脂(B)を添加している場合に比べて、熱伝導率が高くなっており、長時間経過後には、熱伝導率の規格を満足しないものであった。
比較例2は、スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量を少なくした例を示す。比較例2では、該成分の含有量が少なすぎるため、製造250日後の発泡板の熱伝導率が0.029W/(m・K)となってしまった。
比較例3は、スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量を多くした例を示す。比較例3では、該成分の含有量が多すぎるため、発泡板の熱伝導率は十分に低い値となったが、難燃剤の添加量を増量してもJIS A9511:2006Rの測定方法Aの難燃性を満足しなかった。また、メタクリル酸メチル成分の含有量が多すぎるため、樹脂(B)が層状に微細分散していても、前記実施例1〜7の発泡板と比較して機械物性が劣った。
比較例4、5は、実施例1及び4と比較されるものであって、メタクリル酸メチル成分を有する樹脂(B)がスチレン系樹脂(A)中に層状に分散していない例を示す。比較例4、5では、前記実施例1及び4の発泡板と比較して、機械物性が大幅に劣った。また、特に層状に微細分散している実施例1と比較して、同量のメタクリル酸メチル成分を含有しているにもかかわらず、層状に微細分散していないために熱伝導率を低下させる効果が小さかった。
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板における樹脂(B)の分散状態を示す気泡膜断面(部分図)の透過型電子顕微鏡写真(倍率40,000倍)。 本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板における樹脂(B)の分散状態を示す他の例の気泡膜断面(部分図)の透過型電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)。 ポリスチレン系樹脂押出発泡板における樹脂(B)の分散状態を示す他の例(比較例)の気泡膜断面(部分図)の透過型電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)。
符号の説明
1 気泡膜
2 樹脂(B)
3 スチレン系樹脂(A)

Claims (4)

  1. 見掛け密度が20〜50kg/m、厚みが10〜150mmのスチレン系樹脂押出発泡板において、
    該スチレン系樹脂押出発泡板を構成する基材樹脂が、スチレン系樹脂(A)と、下記(1)及び(2)から選択される樹脂(B)との混合物であるスチレン系樹脂混合物からなり、該スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量が10〜30重量%であり、
    (1)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体
    (2)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びポリメタクリル酸メチル
    前記スチレン系樹脂押出発泡板の気泡膜部断面において、スチレン系樹脂(A)が海成分をなし樹脂(B)が島成分をなして海島構造を形成し、樹脂(B)がスチレン系樹脂(A)中に層状に分散しており、
    前記気泡膜部断面において、気泡膜部厚み方向の長さが0.01〜0.3μmである樹脂(B)の気泡膜部厚み方向の平均層数が3層以上であることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡板。
  2. 見掛け密度が20〜50kg/m 、厚みが10〜150mmのスチレン系樹脂押出発泡板において、
    該スチレン系樹脂押出発泡板を構成する基材樹脂が、スチレン系樹脂(A)と、下記(1)及び(2)から選択される樹脂(B)との混合物であるスチレン系樹脂混合物からなり、該スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量が10〜30重量%であり、
    (1)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体
    (2)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びポリメタクリル酸メチル
    前記スチレン系樹脂押出発泡板の気泡膜部断面において、スチレン系樹脂(A)が海成分をなし樹脂(B)が島成分をなして海島構造を形成し、樹脂(B)がスチレン系樹脂(A)中に層状に分散しており、
    前記気泡膜部断面において、気泡膜部厚み方向の長さが0.01〜0.3μm以下である樹脂(B)の個数基準の存在率が90%以上であることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡板。
  3. 見掛け密度が20〜50kg/m 、厚みが10〜150mmのスチレン系樹脂押出発泡板において、
    該スチレン系樹脂押出発泡板を構成する基材樹脂が、スチレン系樹脂(A)と、下記(1)及び(2)から選択される樹脂(B)との混合物であるスチレン系樹脂混合物からなり、該スチレン系樹脂混合物中のメタクリル酸メチル成分の含有量が10〜30重量%であり、
    (1)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体
    (2)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びポリメタクリル酸メチル
    前記スチレン系樹脂押出発泡板の気泡膜部断面において、スチレン系樹脂(A)が海成分をなし樹脂(B)が島成分をなして海島構造を形成し、樹脂(B)がスチレン系樹脂(A)中に層状に分散しており、
    前記樹脂(B)が、メタクリル酸メチル成分含有量が40重量%以上のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体及び/又はポリメタクリル酸メチルである樹脂(B1)と、メタクリル酸メチル成分含有量が10重量%以上40重量%未満のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体である樹脂(B2)とからなることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡板。
  4. 前記樹脂(B1)と前記樹脂(B2)との重量比が50:50〜90:10であり、かつ前記スチレン系樹脂混合物中の樹脂(B2)の含有量が5〜20重量%であることを特徴とする請求項3に記載のスチレン系樹脂押出発泡板。
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