JP2008163185A - スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、特に無機化合物を多量に添加したスチレン系樹脂発泡体において、高い断熱性と燃焼性を有し、外観が優れたスチレン系樹脂発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を添加し、これを押出発泡してなるスチレン系樹脂発泡体の製造方法であって、無機化合物および臭素系有機化合物を含有し、且つ特定量のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法により、上記特性を有するスチレン系樹脂発泡体を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
スチレン系樹脂発泡体は、その施工性、断熱特性の好適性から主に建屋の断熱材として汎用されて来た。
一般的なスチレン系樹脂発泡体において優れた断熱特性を得るためには、発泡剤種に影響を受ける伝熱抑制による熱伝導率の低減と、気泡形状に影響を受ける輻射抑制による熱伝導率の低減が必須の技術となる。
発泡剤種による熱伝導率低減に関連して、従来、発泡剤としては、フロン142b、フロン134a等に代表されるフロン類や、塩化アルキル等のハロゲン含有化合物が使用されていた。しかし、近年、オゾン層問題、地球温暖化問題、大気汚染等の環境問題が注目されており、フロン類や塩化アルキル類の発泡剤は、代替していくことが望まれている。これらの背景のもと、フロン類や塩化アルキル等のハロゲン含有化合物から、環境適合性の高い、飽和炭化水素化合物等の、非ハロゲン系化合物への発泡剤の代替が進められてきている。
しかし、非ハロゲン系化合物は、その殆どが可燃性を有しており、例えばJIS A9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板3種のような、高度な断熱性を有する発泡体を得るためには、飽和炭化水素化合物をより多く使用することが好ましいが、飽和炭化水素類のような燃焼性の比較的高い化合物を多く残存させた場合、JIS A9511に規定する難燃性を満足しない場合が生じる。
これに対して、難燃性を向上させるためには添加する難燃剤の増量が考えられるが、単に添加量を増すだけでは、安定した難燃性は得難い。さらには、該難燃剤添加量の増量は、発泡体成形性の悪化を招き易く、満足な品質の成形品が得にくくなる傾向があり、これらに対する燃焼性改善のため、臭素系難燃剤に難燃助剤として燐酸エステル系難燃剤や窒素含有化合物、ハロゲン含有燐酸エステル等を併用することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
一方、気泡形状による熱伝導率の低減に関しては、気泡径の制御および気泡形状の制御のため、タルクなどに代表される気泡調整剤を使用し制御を行う方法が一般的である。また、気泡形状の制御については、スチレン系樹脂中に水を均一に分散させ、発泡体の気泡構造を主として気泡径が0.15mm以下の気泡と、気泡径が0.3〜1mmの気泡になるよう改良し、断熱性能を向上しようとする方法が提示されている(例えば、特許文献4〜6参照)。この場合、水を均一分散させるために、例えば、ベントナイトのような吸水性を有する無機化合物を使用することがある。
しかし、これらの無機化合物は、特に臭素系難燃剤に対して多量に配合した場合、臭素系難燃剤の分解を促進して難燃性能を悪化させることがあり、その使用が制限されることがあった。また、水を吸収させるために使用する無機系化合物を使用した際、まれに吸水した無機化合物が凝集し、3mm以上の気泡(気孔)の発生や気泡径のムラなどを引き起こし、外観不良及び熱伝導率悪化等を引き起こすことがあった。
無機化合物の凝集に関しては、分散剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することが知られている(例えば、特許文献7〜9参照)が、特にハロゲン系難燃剤および無機化合物との組合せにおける知見は知られていない。
特開2002−03174号公報 特開2003−206370号公報 特開2003−342408号公報 特開平3−109445号公報 特開平4−80240号公報 特開2001−200087号公報 特開2001−96602号公報 特開2002−220549号公報 特開2002−38026号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、特に高い断熱性と燃焼性を有し、外観が優れたスチレン系樹脂発泡体を製造することを目的とする。
本発明者は、前記課題の解決のため鋭意研究の結果、無機化合物と臭素系難燃剤を併用したスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法において、ポリグリセリン脂肪酸エステルを併用することにより、気孔の生成または気泡径のムラを大幅に減少することができ、さらに燃焼性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1]スチレン系樹脂100重量部に対して、無機化合物を0.2〜4.0重量部および臭素系難燃剤を1〜10部含有するスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、無機化合物100重量部に対してポリグリセリン脂肪酸エステルを5〜100重量部含有することを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
より詳しくは、
[2]無機化合物が、ケイ酸塩鉱物の少なくとも1種であることを特徴とする、[1]記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法、
[3]得られる発泡体の発泡体密度が20〜50kg/m、発泡体厚みが10〜150mmであることを特徴とする、[1]または[2]に記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法、
[4]押出発泡時に使用される発泡剤が、炭素数が3〜5である飽和炭化水素を含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法、
[5]押出発泡時に使用される発泡剤が、炭素数が3〜5である飽和炭化水素および他の非ハロゲン系発泡剤を含有することを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法、および
[6]他の非ハロゲン系発泡剤が、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、炭素数が1〜4であるアルコール類、水、二酸化炭素よりなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[4]または[5]に記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法
に関する。
本発明の製造方法により、特に高い断熱性と燃焼性を有し、外観が優れたスチレン系樹脂発泡体を製造することができる。
本発明の製造方法により得られるスチレン系樹脂発泡体は、近年、地球温暖化、オゾン層破壊などの環境問題により、フロンガスの代替物質として使用されることが多い飽和炭化水素などの可燃性ガスを使用している場合でも、特に燃焼性の高い炭化水素類化合物を多量に使用している場合でも、外観に優れ、非常に高い難燃効果を得ることができる。
本発明のスチレン系樹脂発泡体は、スチレン系樹脂に無機化合物および臭素系難燃剤およびポリグリセリン脂肪酸エステルを、さらに必要に応じて、他の添加剤を含有するスチレン系樹脂組成物を、押出機等の加熱溶融手段に供給し、任意の段階の高圧条件下で、発泡剤を溶融状態のスチレン系樹脂組成物に添加し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、ダイを通して該流動ゲルを低圧領域に押出発泡して、発泡体を形成することにより製造される。
本発明で用いられるスチレン系樹脂は、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー;スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体;後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンなどが挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
スチレンと共重合可能な単量体としては、例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体;ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物;ブダジエンなどのジエン系化合物あるいはその誘導体;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
本発明におけるスチレン系樹脂として、加工性の面から、スチレンホモポリマーが好ましい。
本発明で用いられる無機化合物は、例えば、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、スメクタイト、膨潤性フッ素雲母、ゼオライト等などのケイ酸塩鉱物;酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物;ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム及びその水和物、燐酸ナトリウム及びその水和物等の金属塩及びその水和物などが挙げられる。
特に、本発明においては、少なくとも1種のケイ酸塩鉱物を、気泡調整剤および/または、非ハロゲン系発泡剤として水を使用した際の吸水剤として使用する。
本発明において、無機化合物の使用する量は特に限定されないが、スチレン系樹脂100重量部に対し0.2重量部以上4.0重量部以下となるように添加する事が望ましい。無機化合物が前記未満の場合は所望の気泡径が得られにくい、所望の吸水性能が得られにくくなるなどの現象が見られやすくなる。一方、前記範囲を超えても、得られる効果は頭打ちになり、また、大きな凝集となりやすくなるため、4.0重量部以下の添加量が望ましい。
本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルは下記一般式で示される。
Figure 2008163185
[式中、nは1〜20の整数、Rは水素原子若しくは炭素数8〜20の脂肪酸残基のいずれかから選ばれる]
本発明においては、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することにより、無機化合物の分散性が格段に向上することにより、気孔の発生が抑制され、発泡体の外観が良好となり、更には気泡のムラが少なくなり、さらに、無機化合物と臭素系難燃剤を併用する際に問題となっていた押出時での無機化合物による臭素系難燃剤の分解に起因する燃焼性低下、樹脂劣化等の現象を抑制し、燃焼性を向上させることができる。
本発明で用いるポリグリセリン脂肪酸エステルは特に限定されるものではないが、押出発泡時の滑り等による押出安定性の悪化を防止するために、融点が100℃以上であるものが好ましい。
本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、上記無機化合物添加量を100重量部とした場合に対して、5〜100重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量が5重量部未満では、上記無機化合物の不分散が見られやすくなり、難燃性向上効果も見られなくなる傾向がある。一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が100重量部を超えても、添加量に見合った効果が見られず、コスト対効果のバランスが悪くなる傾向がある。
本発明で使用される臭素系難燃剤としては、例えば、テトラブロモエタン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ジブロモジメチルヘキサン、2−(ブロモメチル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルアルコール、ペンタエリスリチルテトラブロミド、モノブロモジペンタエリスリトール、ジブロモジペンタエリスリトール、トリブロモジペンタエリスリトール、テトラブロモジペンタエリスリトール、ペンタブロモジペンタエリスリトール、ヘキサブロモジペンタエリスリトール、ヘキサブロモトリペンタエリスリトール、ポリブロム化ポリペンタエリスリトール、などの臭素化脂肪族化合物あるいはその誘導体、あるいは臭素化脂環式化合物あるいはその誘導体;ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ビス(2,4,6ートリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ無水フタル酸、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルアリルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの臭素化芳香族化合物あるいはその誘導体;テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジメタリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルのトリブロモフェノール付加物、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールSビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS、などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導体;テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフェノール付加物エポキシオリゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマー、臭素化アクリル樹脂、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどの臭素および窒素原子含有化合物、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(ブロモフェニル)ホスフェートなどの臭素およびリン原子含有化合物、臭化アンモニウムなどの臭素化無機化合物、などが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
さらには、本発明のスチレン系樹脂の1種である臭素化ポリスチレン樹脂も難燃剤として用いることができる。
前記臭素系難燃剤では、特にスチレン系樹脂との相溶性などの点から、ヘキサブロモシクロドデカンが好ましい。
本発明における臭素系難燃剤の含有量は、例えば、JIS A9511に規定される難燃性を得られるように、発泡剤添加量などにあわせて適宜調整されるものであるが、スチレン系樹脂100重量部に対して、1〜10重量部が好ましく、1〜9重量部がより好ましく、2〜7重量部がさらに好ましく、3〜6重量部が特に好ましい。臭素系難燃剤の含有量が1重量部未満では、本発明の目的とする難燃性が得られにくい傾向があり、一方、10重量部を超えると、発泡体製造の際の成形性などを損なう場合がある。
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法においては、発泡剤として、炭素数3〜5の飽和炭化水素の1種以上を使用することが好ましく、また、必要に応じて、他の非ハロゲン系発泡剤を併用することがより好ましい。
本発明で用いられる炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタンなどが挙げられる。炭素数3〜5の飽和炭化水素では、発泡性と発泡体の断熱性能の点から、n−ブタン、i−ブタン、シクロペンタン、n−ブタンとi−ブタンとの混合物が好ましく、取扱い、コストの点から、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンの混合物が特に好ましい。
また、本発明で用いられる他の非ハロゲン系発泡剤としては、例えば、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトンなどのケトン類、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル類などの有機発泡剤、例えば水、二酸化炭素などの無機発泡剤、例えばアゾ化合物などの化学発泡剤などを用いることができる。これら他の発泡剤は単独または2種以上混合して使用することができる。
他の非ハロゲン系発泡剤の中では、発泡性、発泡体成形性などの点から、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、炭素数が1〜4であるアルコール類、水、二酸化炭素がより好ましく、安全性、燃焼性、コストの点から、ジメチルエーテル、水、二酸化炭素が特に好ましい。
本発明においては、他の非ハロゲン系発泡剤を用いることにより、良好な可塑化効果や発泡助剤効果が得られ、押出圧力を低減し、安定的に発泡体の製造が可能となる。
本発明により得られたスチレン系樹脂発泡体中における、炭素数3〜5の飽和炭化水素の残存含有量は、飽和炭化水素化合物の種類、発泡体の密度などによっても異なるが、一般に発泡体100重量部に対して、3.0〜6.0重量部であることが断熱性能と難燃性の点から好ましい。
本発明においては、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、含燐化合物、含窒素化合物、ジフェニルアルカン、金属塩水和物などの難燃助剤、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ラクトン系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、前記以外の難燃剤、帯電防止剤、顔料、エポキシ化合物などの添加剤を含有させることができる。
スチレン系樹脂に各種添加剤を添加する手順として、例えば、スチレン系樹脂に対して各種添加剤を添加して混合した後、押出機に供給して加熱溶融し、更に発泡剤を添加して混合する手順が挙げられるが、各種添加剤をスチレン系樹脂に添加するタイミングや混練時間は特に限定されない。
スチレン系樹脂の加熱温度は、使用されるスチレン系樹脂が溶融する温度以上であればよいが、添加剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制され、且つ各種添加物が十分に混練できる温度、例えば150〜260℃程度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間当たりのスチレン系樹脂の押出量や溶融混練手段として用いる押出機の種類により異なるので一義的に規定することはできず、スチレン系樹脂と発泡剤や添加剤とが均一に分散混合されるに要する時間として適宜設定される。
溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機などが挙げられるが、通常の押出発泡に用いられるものであれば特に制限されない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるためには、押出機のスクリュー形状を低せん断タイプのものとすることが好ましい。
発泡成形方法は、例えば、押出成形用に使用される開口部が直線のスリット形状を有するスリットダイを通じて、高圧領域から低圧領域へ開放して得られた押出発泡体を、スリットダイと密着または接して設置された成形金型、及び該成形金型の下流側に隣接して設置された成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する方法が用いられる。成形金型の流動面形状調整および金型温度調整によって、所望の発泡体の断面形状、発泡体の表面性、発泡体品質が得られる。
本発明により得られるスチレン系樹脂押出発泡体の厚さは、例えば建材などの用途に使用される断熱材の場合、好ましい断熱性、曲げ強度および圧縮強度を付与せしめるためには、シートのような薄いものよりも、通常の板状物のように厚さのあるものが好ましく、通常10〜150mm、好ましくは20〜100mmである。
本発明により得られるスチレン系樹脂押出発泡体の密度は、軽量でかつ優れた断熱性および曲げ強度、圧縮強度を付与せしめるためには15〜60kg/mであることが好ましく、20〜50kg/mであることがさらに好ましい。
本発明の製造方法により得られるスチレン系樹脂押出発泡体は、JIS A 9511に規定する燃焼性の測定において、3秒以内に炎が消えて、残じんが無く、燃焼限界指示線を越えて燃焼しない条件を満たすことができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。
以下に示す実施例、比較例の特性として、発泡体の密度、発泡体厚み、外観、発泡体中の発泡剤残存量、燃焼性(表面溶融距離、燃焼時間)、熱伝導率を下記の方法に従って測定・評価した。
(1)発泡体密度(kg/m
得られた押出発泡体を約200mm×100mm×25mmの直方体に切り出した後、この重量を測ると共に、ノギスで縦、横および高さの寸法を測定し、発泡体密度を、
式: 発泡体密度(kg/m)=10×発泡体重量(g)/発泡体体積(mm)に基づいて求めた。
(2)発泡体厚み(mm)
押出直後の発泡体厚みを、ノギスを用いて測定した。
(3)外観(気孔、気泡径ムラ)
得られた押出発泡体を約200mm×100mm×25mmの直方体に切り出し、直方体表面における直径3mm以上の気孔の有無を観察し、1サンプルあたりの直径3mm以上の気孔の数が3個以上で×、1〜2個で△、0個で○とした。また、直方体表面の気泡径ムラを目視観察し、気泡径ムラの有無により、○×判定した。
(4)熱伝導率
押出発泡体の熱伝導率を、JIS A 9511に準じて測定した。測定には、英弘精機製HC−074を用い、押出発泡体から約300mm×100mm×25mmの直方体試験片を3個切り出し、これらを並べて300mm×300mm×25mmの形として、HC−074にセットして測定した。測定は、作成後、表面から10mmの部分を削除した後、14日経過した発泡体について行った。
(5)燃焼性
押出発泡体の燃焼性をJIS A 9511に準じて、厚さ10mm、長さ200mm、幅25mmの試験片を用い、以下の基準で評価した。測定は作成後、前記寸法に切削した後、4日経過した発泡体について行った。
(a)燃焼時間
○:5本すべてにおいて、消炎時間が3秒以内となる
△:5本のうち、少なくとも1本は、消炎時間が3秒以内となる。
×:5本すべてにおいて、消炎時間が3秒を超える
(b)燃焼距離
○:5本全てにおいて、限界線以内で停止する
△:5本のうち少なくとも1本は、限界線以内で燃焼が停止する
×:5本全てにおいて、燃焼が限界線を越える
(実施例1)
ポリスチレン樹脂[PSジャパン(株)製、商品名:G9401]100重量部に対して、臭素系難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン[アルベマール日本(株)製、商品名:HP900G]3.0重量部、難燃助剤としてトリフェニルホスフェート[味の素ファインテクノ(株)、商品名:レオフィスTPP]1.0重量部、気泡調整剤としてタルク[林化成(株)製、商品名:TALCAN POWDER PK−Z]0.2重量部、吸水剤としてベントナイト[(株)ホージュン製、商品名:ベンゲルブライト11]1.0重量部、分散剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル[味の素ファインテクノ(株)製、商品名:MK−400、融点160℃]を0.1部、その他の添加剤として、二酸化ケイ素(塩野義製薬(株)製、商品名:カープレックス)0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.4重量部をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65mmの単軸押出機(一段目押出機)と口径90mmの単軸押出機(二段目押出機)を直列に連結した二段押出機へ、約50kg/hrの割合で供給した。
一段目押出機に供給した樹脂混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練し、これに連結された二段目押出機内にて樹脂温度を120℃に冷却した後、二段目押出機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、厚さ約40mm、幅約150mmの直方体状の押出発泡体を得た。
この際、発泡剤として、ポリスチレン樹脂100部に対してイソブタン3.5重量部およびジメチルエーテル3.0重量部を、それぞれ別のラインから、一段目押出機の先端付近[二段目押出機の口金と反対側の端部側に、接続される側の端部]から、前記溶融混練樹脂中に圧入した。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。 下記の比較例1〜4と比較し、外観、熱伝導率、JIS A 9511に規定される燃焼特性を満足する発泡体が得られた。
(実施例2)
発泡剤として、イソブタン1.2重量部、ノルマルブタン2.8重量部、ジメチルエーテル3.0重量部および水1.0重量部を、臭素系難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン5.0重量部を、気泡調整剤としてタルク0.2重量部、吸水剤としてベントナイト[(株)ホージュン製、商品名:ベンゲルブライト11]1.0重量部、分散剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル[味の素ファインテクノ(株)製、商品名:MK−600、融点50℃]を0.1部、その他の添加剤として、二酸化ケイ素0.2重量部、ステアリン酸カルシウム0.4重量部を使用した以外は、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。下記の比較例4と比較し、外観、JIS A9511に規定される燃焼特性を満足する発泡体が得られた。
(実施例3)
発泡剤として、イソブタン0.9重量部、ノルマルブタン2.1重量部、二酸化炭素1.0重量部およびジメチルエーテル3.0重量部を、臭素系難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン3.0重量部を、気泡調整剤としてタルク0.2重量部を、吸水剤としてベントナイト1.0重量部を、分散剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル[味の素ファインテクノ(株)製、商品名:MK−400、融点160℃]0.1部を、その他添加剤として、二酸化ケイ素0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.4重量部を使用した以外は、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。下記の比較例1〜4と比較し、外観、JIS A9511に規定される燃焼特性を満足する発泡体が得られた。
(実施例4)
吸水剤としてゼオライト[日東粉化工業(株)製、商品名:飯坂ゼオライト]0.5重量部を使用した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。下記の比較例1〜3と比較し、外観、JIS A9511に規定される燃焼特性を満足する発泡体が得られた。
(比較例1)
分散剤であるポリグリセリン脂肪酸エステル[味の素ファインテクノ(株)製、商品名:MK−400、融点160℃]を使用しないこと以外は、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。実施例と比較し、本発泡体製造に適した分散剤を使用していないことから、気孔の発生を完全に抑制することはできず、更には燃焼性の悪化が認められる。
(比較例2)
MK−400を0.05部とする以外は、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。実施例と比較し、分散剤量が不足していることから、気孔の発生を完全に抑制することはできず、更には燃焼性の悪化が認められる。
(比較例3)
分散剤であるポリグリセリン脂肪酸エステル[味の素ファインテクノ(株)製、商品名:MK−400、融点160℃]を使用しないこと以外は、実施例2と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。実施例と比較し、本発泡体製造に適した分散剤を使用していないことから、気孔の発生を完全に抑制することはできず、更には燃焼性の悪化が認められる。
Figure 2008163185

Claims (6)

  1. スチレン系樹脂100重量部に対して、無機化合物を0.2〜4.0重量部および臭素系難燃剤を1〜10部含有するスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、無機化合物100重量部に対してポリグリセリン脂肪酸エステルを5〜100重量部含有することを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  2. 無機化合物が、ケイ酸塩鉱物の少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  3. スチレン系樹脂押出発泡体の発泡体密度が20〜50kg/m、発泡体厚みが10〜150mmであることを特徴とする、請求項1または2に記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  4. 押出発泡時に使用される発泡剤が、炭素数が3〜5である飽和炭化水素を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  5. 押出発泡時に使用される発泡剤が、炭素数が3〜5である飽和炭化水素および他の非ハロゲン系発泡剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  6. その他の非ハロゲン系発泡剤が、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、炭素数が1〜4であるアルコール類、水および二酸化炭素よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項4または5に記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
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WO2014125933A1 (ja) 2013-02-14 2014-08-21 株式会社カネカ スチレン系樹脂押出発泡体及びそのリサイクル方法
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