JP2007031466A - スチレン系樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境適合性に優れた発泡剤を用いつつ、良好な断熱性と難燃性を有するスチレン系樹脂発泡体を提供することである。
【解決手段】発泡剤として炭素数3〜5の飽和炭化水素を含む押出してなるスチレン系樹脂発泡体であって、該スチレン系樹脂発泡体が、スチレン系樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部のハロゲン系難燃剤、更には1〜10重量部の硫酸バリウムと0.01〜2重量部のタルクを含み、かつ、硫酸バリウムの添加重量がタルクの添加重量以上であり、発泡体密度が25〜50kg/m3のカーボンブラックを含有しないスチレン系樹脂発泡体。
【選択図】なし

Description

本発明は、環境適合性に優れた発泡剤を用いつつ、断熱性および難燃性に優れるスチレン系樹脂発泡体に関する。
スチレン系樹脂を押出機等にて加熱溶融し、次いで脂肪族炭化水素、塩素化された炭化水素、フッ素化された炭化水素、塩素フッ素化された炭化水素などの熱伝導率の低い発泡剤を添加し、冷却させ、これを低圧域に押出すことによりスチレン系樹脂発泡体を連続的に製造する方法は、既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようにして得られたスチレン系樹脂発泡体は、良好な断熱性を有していることから、各種断熱材として用いられているが、環境負荷の低減の観点から更なる断熱性の向上(熱伝導率の低減)についても求められている。
一般に気泡径が1mm以下の樹脂発泡体の熱伝導率は、樹脂の熱伝導率(以下λs)、気泡中に含まれるガス(発泡剤など)の熱伝導率(以下λg)、輻射による熱伝導率(以下λr)の和となるが、スチレン系樹脂発泡体においてスチレン系樹脂を用いる限り、λsはほぼ固定されてしまい、異なる樹脂を用いない限り大幅にλsを下げることは困難である。
また、λgを下げる目的で発泡剤としてフロン類が用いられてきたが、環境適合性に問題があることから脱フロン化の動きが進み、飽和炭化水素や二酸化炭素などの発泡剤に置換されつつある。しかし、飽和炭化水素や二酸化炭素は従来のフロン類よりもλgが大きく、フロン類と比較した場合は熱伝導率が高くなってしまう。
このように、λsやλgを低下させて樹脂発泡体としての熱伝導率を下げる(断熱性を向上させる)ことは容易ではないことから、残るλrを下げることにより断熱性を向上させる検討が行われている。
例えば、λrは発泡体の気泡径(セル径)により変化することから、タルクや硫酸バリウムなどを気泡調整剤として単独、あるいは併用して添加し、良好な断熱性が得られるよう発泡体の気泡径を小さくする方向へ調整することが既に知られている(例えば、特許文献2および3参照)。特にタルクは安価なこともあり、非常によく用いられている。
しかし、単に気泡径を小さくするだけでは発泡体密度が高くなり、かえって断熱性が低下するなど、気泡径を調整するだけでは限界がある。
この問題を解決する技術の一つとして、合成樹脂発泡体の気泡構造を大小2種類の気泡構造とすることが知られており(例えば、特許文献4)、この方法により適度な発泡体密度を保持しつつ断熱性も確保できるが、更なる断熱性の向上も要求されている。
一方、添加剤そのものによる輻射熱の吸収や反射によりλrを低減させる目的で、カーボンブラックや酸化チタンを添加することも知られている(例えば、特許文献5および6参照)。
しかし、カーボンブラックを添加すると調色が困難となるとともに添加量如何によっては難燃性が低下することがある。
特公昭31−5393号公報 特開平8−104768号公報 特開2000−334896号公報 特公平5−49701号公報 特開2002−194129号公報 特表平4−502173号公報
このような状況の下、本発明が解決しようとする課題は、環境適合性に優れた発泡剤を用いつつ、良好な断熱性と難燃性を有するスチレン系樹脂発泡体を提供することである。
本発明者らは、前記課題の解決のため鋭意研究を行った結果、環境適合性に優れた発泡剤を用い、更に特定量の難燃剤、硫酸バリウムとタルクを用いて押出発泡してなるスチレン系樹脂発泡体が、良好な断熱性を有するとともに、高度の難燃性を有することを見出し、本発明に至った。
更に、硫酸バリウムとタルクを併用添加した大小2種類の気泡構造を有するスチレン系樹脂発泡体においては、環境適合性に優れた発泡剤を用いつつもより高度の断熱性と難燃性をあわせ持つことも見出した。
このような硫酸バリウムとタルクを併用する場合に、スチレン系樹脂発泡体密度や断熱性などの観点から最適な添加量があることは知られておらず、また、スチレン系樹脂発泡体の断熱性を向上させる添加剤としても硫酸バリウムは知られていない。
すなわち、本発明は、発泡剤として炭素数3〜5の飽和炭化水素を含む押出してなるスチレン系樹脂発泡体であって、該スチレン系樹脂発泡体が、スチレン系樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部の難燃剤、更には1〜10重量部の硫酸バリウムと0.01〜2重量部のタルクを含み、かつ、硫酸バリウムの添加重量がタルクの添加重量以上であり、発泡体密度が25〜50kg/m3のカーボンブラックを含有しないスチレン系樹脂発泡体に関する。
前記スチレン系樹脂発泡体が、発泡剤として0.1〜8重量%の炭素数3〜5の飽和炭化水素と、0〜4重量%の水、および0〜4重量%のエーテルを含むスチレン系樹脂発泡体であることが好ましい。
前記スチレン系樹脂発泡体の断面一方向の平均径が、0.05〜0.4mmであることが好ましい。
前記スチレン系樹脂発泡体を形成する気泡が、主として気泡径0.20mm以下の気泡と気泡径0.25〜0.70mmの気泡より構成され、気泡径0.20mm以下の気泡が発泡体断面積あたり5〜95%の占有面積率を有するスチレン系樹脂発泡体であることが好ましい。
前記硫酸バリウムが、硫化バリウムと硫酸の反応により合成された沈降性硫酸バリウムであるスチレン系樹脂発泡体であることが好ましい。
前記硫酸バリウムが、硫化バリウムと硫酸ナトリウムの反応により合成された沈降性硫酸バリウムであるスチレン系樹脂発泡体であることが好ましい。
前記硫酸バリウムのJIS K5101 26常温法または煮沸法で測定したpHが9以下であり、かつ、平均粒子径が0.5〜15μmであるスチレン系樹脂発泡体であることが好ましい。
前記硫酸バリウムがSiおよび/またはAl系化合物で表面処理された硫酸バリウムであるスチレン系樹脂発泡体であることが好ましい。
前記難燃剤が、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートのいずれかを含むスチレン系樹脂発泡体であることが好ましい。
前記スチレン系樹脂発泡体の熱伝導率をJIS A9511規程の方法で測定した値が、0.028W/mK以下であるスチレン系樹脂発泡体であることが好ましい。
また、上記記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
本発明によれば、環境適合性に優れた発泡剤を用いつつ、良好な断熱性を有するとともに、高度の難燃性を有するスチレン系樹脂発泡体が提供される。本発明のスチレン系樹脂発泡体は、その優れた断熱性、難燃性の点から、種々の用途、特に建築用断熱材の用途に有用である。
本発明で用いられる炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、具体的にはプロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタンなどが挙げられる。炭素数3〜5の飽和炭化水素では、発泡性の点からプロパン、n−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が好ましい。また、発泡体の断熱性能の点からn−ブタン、i−ブタン、シクロペンタンあるいはこれらの混合物が好ましく、特に好ましくはi−ブタン、シクロペンタンである。
スチレン系樹脂発泡体における炭素数3〜5の飽和炭化水素含有量は0.1〜8重量%が好ましい。0.1重量%未満では高い断熱性が得られず、8重量%を超えると難燃性が低下する場合がある。高い断熱性と難燃性を併せもつ点からは、より好ましくは1〜6重量%であり、最も好ましく2〜4重量%である。
本発明のスチレン系樹脂発泡体において、発泡剤として水を0〜4重量%含有することが発泡成形性、断熱性の観点から好ましい。4重量%を超えるとスチレン系樹脂発泡体の表面性が悪くなる傾向がある。高い断熱性と発泡成形性を併せもつ点からは、より好ましくは0.1〜2.5重量%であり、最も好ましくは0.3〜2重量%である。なお、水は本発明のスチレン系樹脂発泡体の気泡構造を決定する上で重要な発泡剤であり、この点については後述する。
本発明のスチレン系樹脂発泡体において、発泡剤としてエーテルを0〜4重量%含有することが発泡成形性の観点から好ましい。4重量%を超えるとスチレン系樹脂発泡体の表面性が悪くなる傾向がある。高い断熱性と難燃性、更には発泡成形性を併せもつ点からは、好ましくは0.1〜2.5重量%であり、最も好ましくは0.1〜2重量%である。
本発明のスチレン系樹脂発泡体で用いられるエーテルとしては、具体的にはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどが挙げられる。これらの中でも発泡性の点からジメチルエーテル、ジエチルエーテルが好ましい。
本発明においては、断熱性、発泡成形性を向上させることから、炭素数3〜5の飽和炭化水素および水およびエーテルを全て併用することが最も好ましい。
本発明において、他の発泡剤を更に用いても構わない。他の発泡剤としては、具体的には、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル類、塩化メチル、塩化エチルなどのハロゲン化アルキルなどの有機発泡剤、窒素、二酸化炭素などの無機発泡剤、アゾ化合物、テトラゾールなどの化学発泡剤などが挙げられる。
これらの他の発泡剤の中でも、断熱性、発泡成形性の観点からは、二酸化炭素が好ましい。
スチレン系樹脂発泡体における他の発泡剤の添加量としては、断熱性や発泡成形性、発泡体密度を考慮して適宜決めればよいが、0〜4重量%がより好ましく、最も好ましくは0〜3重量%である。
本発明に用いられるスチレン系樹脂発泡体を構成するスチレン系樹脂としては、特に限定はなく、例えば、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体およびスチレンと共重合可能な単量体またはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンなどが具体例としてあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を混合して使用してもよい。
スチレンと共重合可能な単量体としては、例えば、(特許文献7)に記載のあるものが具体的に挙げられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を混合して使用してもよい。
特開2004−331964号公報 スチレン系樹脂のうちでは、加工性の面からスチレンホモポリマー、スチレン−アクリロニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸共重合ポリスチレン、無水マレイン酸変性ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレンなどが好ましい。最も好ましくは、スチレンホモポリマーである。本発明は、ハロゲン系難燃剤を含有したスチレン系樹脂発泡体である。このようなハロゲン系難燃剤に特に制限は無く、一般的に知られているハロゲン系難燃剤を適宜選択して用いればよい。
このようなハロゲン難燃剤としては、具体的には、例えば、(a)テトラブロモエタン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ジブロモジメチルヘキサン、2−(ブロモメチル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルアルコール、ペンタエリスリチルテトラブロミド、モノブロモジペンタエリスリトール、ジブロモジペンタエリスリトール、トリブロモジペンタエリスリトール、テトラブロモジペンタエリスリトール、ペンタブロモジペンタエリスリトール、ヘキサブロモジペンタエリスリトール、ヘキサブロモトリペンタエリスリトール、ポリブロム化ポリペンタエリスリトール、などの臭素化脂肪族化合物あるいはその誘導体、あるいは臭素化脂環式化合物あるいはその誘導体、(b)ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ビス(2,4,6ートリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ無水フタル酸、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルアリルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの臭素化芳香族化合物あるいはその誘導体、(c)テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジメタリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルのトリブロモフェノール付加物、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールSビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS、などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導体、(d)テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフェノール付加物エポキシオリゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマー、(e)ペンタブロモベンジルアクリレートポリマーなどの臭素化アクリル樹脂、(f)エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどの臭素および窒素原子含有化合物、(g)トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(ブロモフェニル)ホスフェートなどの臭素および燐原子含有化合物、(h)塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカン、塩素化芳香族化合物、塩素化脂環式化合物、などの塩素含有化合物、(i)臭化アンモニウムなどの臭素化無機化合物、などが挙げられる。これらの化合物は単独または2種以上を混合して使用できる。さらには、本発明におけるスチレン系樹脂の1種である臭素化ポリスチレン樹脂も、難燃剤として用いることができる。
これらの中でも、難燃性の観点から、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートのいずれかを含むことがより好ましい。
本発明においてハロゲン系難燃剤のスチレン系樹脂発泡体中における含有量は、スチレン系樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部のハロゲン系難燃剤を含んで構成される。但し、JIS A9511測定方法Aに規定される難燃性が得られるように、発泡剤添加量、発泡体密度、難燃相乗効果を有する添加剤などの種類あるいは添加量などにあわせて適宜調整されるものであり、スチレン系樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、より好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは2〜8重量部である。
ハロゲン系難燃剤の量が0.1重量部未満では、発泡体として、本発明の目的とする難燃性などの良好な諸特性が得られがたい傾向があり、一方、20重量部を超えると、得られる発泡体の耐熱性や表面性、発泡体製造時の安定性などをかえって損う場合がある。
本発明において、スチレン系樹脂発泡体の難燃性を向上させる目的で、上述したハロゲン難燃剤と相乗効果を示す難燃助剤を添加しても良い。このようなハロゲン難燃剤と相乗効果を示す難燃助剤としては、含鉄化合物、含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物、含硫黄化合物などが挙げられ、具体的には、酸化鉄やその他、(特許文献8)に記載されている含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物、含硫黄化合物(芳香族スルホン酸系化合物)などを用いれば良い。これらの中でも難燃性の観点から、含鉄化合物として酸化鉄、含燐化合物としてトリフェニルホスフェートやトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、含窒素化合物としてシアヌル酸やイソシアヌル酸およびこれらの誘導体、含ホウ素化合物として酸化ホウ素、含硫黄化合物としてスルファニル酸およびこの誘導体が最も好ましい。なお、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体としては、(特許文献9)記載のものを用いればよい。
特開2003−327738号公報 特開2002−30174号公報 このようなハロゲン難燃剤と相乗効果を示す難燃助剤のスチレン系樹脂発泡体中における含有量は、ハロゲン難燃剤と相乗効果を示す難燃助剤の種類にもよるが、スチレン系樹脂100重量部に対し、0.0001〜10重量部が好ましい。
本発明で用いられる硫酸バリウムに特に制限はなく、沈降性硫酸バリウム、ひ性硫酸バリウムのいずれでも用いることができる。
本発明のスチレン系樹脂発泡体の機械的強度の安定性や断熱性の観点からは、硫化バリウムと硫酸の反応により合成された沈降性硫酸バリウム、あるいは、硫化バリウムと硫酸ナトリウムの反応により合成された沈降性硫酸バリウムが好ましい。ひ性硫酸バリウムの場合、粒度分布が広く、粒子径の大きなものも含まれることから、圧縮強度などの機械的強度が安定しないことがある。また、粒子径が大きい場合、スチレン系樹脂発泡体の独立気泡率を低下させ、その結果断熱性の向上を阻害する場合がある。
また、硫酸バリウムがJIS K5101 26常温法または煮沸法で測定したpHが9以下であり、かつ、平均粒子径が0.5〜15μmの硫酸バリウムであることも好ましい。pHが9を超えると押出時の圧力変動が大きくなる場合がある。また、平均粒子径が0.5μm未満であれば熱伝導率を低減する効果が小さくなる傾向にあり、15μmを超えるとスチレン系樹脂発泡体の表面性が悪くなる傾向にある。
更に、硫酸バリウムを表面処理して用いることも好ましい。表面処理剤の種類に特に制限はないが、スチレン系樹脂との親和性、押出時の安定性の点からは、Siおよび/またはAl系化合物で硫酸バリウムを処理することが好ましい。
本発明で用いるタルクに特に制限はないが、硫酸バリウムとの併用による熱伝導率低減効果の観点からは、硫酸バリウムとほぼ同等の平均粒子径のタルクを用いることが好ましく、スチレン系樹脂発泡体の表面性の観点も考えると、平均粒子径が0.1〜20μmのタルクが好ましい。
本発明において硫酸バリウムとタルクの添加量は、スチレン系樹脂100重量部に対し、硫酸バリウムは1〜10重量部、タルクは0.01〜2重量部、かつ、硫酸バリウムの添加重量がタルクの添加重量以上である。
硫酸バリウムの添加量が1重量部未満では熱伝導率を低減する効果が小さくなる傾向にあり、10重量部を超えるとスチレン系樹脂発泡体の表面性が悪くなる傾向にある。
タルクの添加量が0.01重量部未満では、硫酸バリウムとの併用による熱伝導率低減効果がなく、2重量部を超えるとかえって熱伝導率は高くなる。
また、硫酸バリウムの添加量は、熱伝導率を低減する効果を高めるために、硫酸バリウムの添加重量≧タルクの添加重量でなければならない。この範囲において、良好な断熱性を得るための硫酸バリウムとタルクの添加量調整が容易となり生産性が向上するとともに、良好な断熱性を有するスチレン系樹脂発泡体が得られる。
本発明のスチレン系樹脂発泡体の密度は25〜50kg/m3である。密度が25kg/m3未満の場合は、得られる発泡体の強度が低下する場合があり、50kg/m3を越えると断熱性が低下する傾向がある。
本発明で用いられるスチレン系樹脂発泡体における平均気泡径は、断熱性の観点から0.05〜0.4mmが好ましく、さらに好ましくは0.06〜0.35mm、とくに好ましくは0.07〜0.3mmである。
また、発泡剤として水を用いる場合、発泡体中には、主として気泡径が0.20mm以下の比較的小さい気泡(小気泡)および、気泡径が0.25〜0.70mm程度の比較的大きな気泡(大気泡)が海島状に混在する特徴的な大小2種類の気泡構造を有するスチレン系樹脂発泡体が得られる。このようにして得られるスチレン系樹脂発泡体は、断熱性能が向上されており、より好ましい形態となる。更に、発泡剤として水を用いる場合は、大気泡の生成により得られる発泡体が低密度で容易に厚さを出すことが可能となり、スチレン系樹脂発泡体の成形性も良好となることからも、発泡剤として水を用いることが好ましい。
上記小気泡および大気泡の気泡径は、断熱性能および成形性の観点から、より好ましくは、主として小気泡が0.01〜0.15mmおよび大気泡が0.25〜0.60mmであり、最も好ましくは、主として小気泡が0.02〜0.12mmおよび大気泡が0.30〜0.55mmである。
更に、気泡径0.20mm以下の小気泡および気泡径0.25〜0.70mmの大気泡が混在してなる特定の気泡構造を有するスチレン系樹脂発泡体においては、発泡体断面積あたりに占める小気泡の面積の割合(以下、小気泡面積率という)は、5〜95%が好ましく、さらに好ましくは10〜90%、とくに好ましくは20〜80%、最も好ましくは25〜70%である。小気泡面積率が5%未満であると、断熱性が向上しにくい傾向となり、95%を超えると、スチレン系樹脂発泡体の厚さが出にくいなど成形性が低下する場合がある。
なお、本発明の小気泡と大気泡が海島状に混在する高い断熱性を有するスチレン系樹脂発泡体において、0.20mmを超え0.25mm未満の気泡径を有する気泡が全く存在しない訳ではないが、該気泡径の気泡が目立って増加すると、小気泡と大気泡との区別がつきにくくなり、すなわち、異なる気泡径が連続的に存在することになり、海島状に存在する特徴的な気泡構造ではなくなるため、断熱性能および成形性のバランスが崩れる傾向となる。このような点から、発泡体断面積あたりに占める0.20mmを超え0.25mm未満の気泡径を有する気泡の面積の割合は、40%以下が好ましく、20%以下が特に好ましい。
他方、通常の均一な径の気泡のみからなる発泡体(小気泡と大気泡が海島状に混在しない発泡体)では、気泡径を小さくすることにより、断熱性能をある程度向上させることは可能である。しかし、気泡径が小さくなると、発泡体の所定の厚さを出すためには、より多くの樹脂が必要となり、結果的に密度が高くなり、押出時の圧力が高くなる、吐出量が少なくなるなど、成形性が低下してしまうという傾向がある。
このように本発明においてスチレン系樹脂発泡体の発泡剤として水を用いることにより、断熱性の向上した特徴的な気泡構造を有するスチレン系樹脂発泡体が得られるが、発泡剤として水を用いる場合、水を吸収できる吸水性物質を同時に併用することが好ましい。
吸水性物質の具体例としては、ベントナイト、ヘクトライト、シリカなどが挙げられるが、その他(特許文献9)記載のものが挙げられ、その添加量についても該公報記載の通りにすれば良い。
特開2004−331964号公報 本発明においては、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で種々のシリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、前記以外の難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を含有させることができる。
本発明で用いられるスチレン系樹脂発泡体は、スチレン系樹脂、ハロゲン系難燃剤、硫酸バリウム、タルクなどの添加剤を押出機などの加熱溶融手段に供給し、任意の段階の高圧条件下で、発泡剤を押出機などの内圧力よりも高い圧力でスチレン系樹脂に添加し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧領域に押出発泡させて、発泡体を形成することにより製造される。
スチレン系樹脂と発泡剤などの添加剤を加熱溶融混練する際の加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段についてはとくに制限はない。
加熱温度は、使用するスチレン系樹脂が溶融する温度以上であればよいが、難燃剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制される温度、たとえば150〜260℃程度が好ましい。
溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練手段などによって異なるので一概に決定することはできないが、スチレン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。
また、溶融混練手段としては、たとえばスクリュー型の押出機などがあげられるが、通常の押出発泡に用いられているものであればとくに限定はない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるため、スクリュー形状については、低剪断タイプのスクリューを用いる方が好ましい。
発泡成形方法にも特に制限はなく、スリットダイより圧力開放して得られた発泡体をスリットダイと密着または接して設置した成形金型および成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する一般的な方法を用いることができる。
本発明で用いられるスチレン系樹脂発泡体の厚さには特に制限はなく、用途に応じて適宜選択される。たとえば、建材などの用途に使用される断熱材の場合、好ましい断熱性、曲げ強度および圧縮強度を付与せしめるためには、シートのような薄いものよりも、通常の板状物のように厚さのあるものが好ましく、通常10〜150mm、好ましくは20〜100mmである。
次に、本発明の複合発泡体を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。実施例および比較例では、下記の化合物を用いた。
A:スチレン系樹脂
A−1:ポリスチレン(PSジャパン(株)製G9401)
B:硫酸バリウム
B−1:BMH(堺化学(株)製、硫化バリウムと硫酸ナトリウムの反応生成物、粒子径2.5μm、pH6.5)
B−2:BMH−60(堺化学(株)製、硫化バリウムと硫酸ナトリウムの反応生成物、粒子径6μm、pH6.5)
B−3:B−34(堺化学(株)製、硫化バリウムと硫酸の反応生成物、粒子径0.3μm、pH8.0)
b:カーボンブラック
b−1:カーボンブラック(三菱化学(株)製、#45)
C:タルク
C−1:タルク(林化成(株)製、タルカンパウダーPK−Z、平均粒子径9.7μm)
D:ハロゲン系難燃剤
D−1:ヘキサブロモシクロドデカン(ALBEMARLE CORPORATION製、SAYTEX HP−900)
D−2:テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(帝人化成(株)製、ファイヤガード3100)
D−3:トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成(株)製、TAIC−6B)
E:難燃助剤
E−1:酸化ホウ素(和光純薬(株)製、試薬)
E−2:トリフェニルホスフェート(大八化学工業(株)製、TPP)
E−3:酸化鉄Fe23(和光純薬(株)製、試薬)
F:その他の添加剤
F−1:ステアリン酸バリウム(堺化学工業(株)製、ステアリン酸バリウム)
F−2:ベントナイト((株)ホージュン製、ベンゲルブライト11)
F−3:AEROSIL(日本アエロジル(株)製、AEROSIL)
F−4:安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、IRGANOX B911(ヒンダードフェノール系抗酸化剤IRGANOX1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとリン系安定剤IRGAFOS168:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトの1:1の混合物)
G:発泡剤
G−1:プロパン(イワタニ(株)製、無臭プロパン)
G−2:イソブタン(三井化学(株)製、イソブタン)
G−3:ジメチルエーテル(三井化学(株)製、ジメチルエーテル)
G−4:シクロペンタン(大洋液化ガス(株)製、シクロペンタン)
G−5:水(摂津市水道水)
G−6:二酸化炭素(大平産業(株)製、炭酸ガス)
(1)発泡体密度
押出発泡体を約200mm×100mm×25mmの直方体に切り出した後、この重量を測るとともに、ノギスで縦、横および高さの寸法を測定し、発泡体密度を、式:
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)÷発泡体体積(cm3
に基づいて求め、単位を(kg/m3)に換算して示した。
(2)スチレン系樹脂発泡体の気泡径
ソニック製デジタルマイクロスコープBS−D8000を用いて、スチレン系樹脂発泡体の厚さ方向断面の200倍に拡大した画像をパソコンに取り込んだ。この画像をA3用紙にプリントアウトし、任意の2箇所に厚さ方向に実寸法で1mm相当の直線を引き、それぞれこの直線を横切る気泡の数を数え、それぞれの箇所での厚さ方向の気泡径を次の式に従って算出した。
気泡径=直線の長さ1mm÷直線を横切る気泡の数
次いで、2箇所の気泡径の値を相加平均して、平均気泡径とした。
但し、小気泡と大気泡が混在した発泡体については、以下のように、小気泡径と大気泡径を別々に測定した。
小気泡径:押出発泡体の厚さ方向断面を200倍に拡大した写真において、海島構造での海部分の任意の2箇所に厚さ方向に実寸法で1mm相当の直線を引き、それぞれこの直線を横切る気泡の数を数え、それぞれの箇所での厚さ方向の気泡径を次の式に従って算出した。
小気泡径=直線の長さ1mm÷直線を横切る気泡の数
次いで、2箇所の小気泡径の値を相加平均して、平均小気泡径とした。
大気泡径:押出発泡体の厚さ方向断面を50倍に拡大した写真において、海島構造中に点在する島部分の厚さ方向の長さを10点無作為に選び、それぞれの島について厚さ方向の最大長さを測定し、相加平均することにより平均大気泡径を求めた。
(3)スチレン系樹脂発泡体の小気泡面積率
小気泡と大気泡が混在した発泡体について、厚さ方向断面での気泡径0.20mm以下の小気泡の発泡体断面積あたりの占有面積比を、以下のようにして求めた。ここで、気泡径0.20mm以下の小気泡とは、円相当直径が0.20mm以下の気泡とする。
(a)発泡体の厚さ方向断面を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、S−450)を用いて30倍に拡大して写真撮影する(写真の大きさは100mm×90mm)。
(b)撮影した写真の上にOHPシートを置き、その上に厚さ方向の径が6mmよりも大きい気泡(実寸法が0.2mmより大きい気泡に相当する)に対応する部分を黒インキで塗りつぶして写しとる(一次処理)。
(c)画像処理装置((株)ピアス製、PIAS−II)に一次処理画像を取り込み、濃色部分と淡色部分を、即ち黒インキで塗られた部分か否かを識別する。
(d)濃色部分のうち、直径6mm以下の円の面積に相当する部分、すなわち、厚さ方向の径は長いが、面積的には直径6mm以下の円の面積にしかならない部分を淡色化して、濃色部分の補正を行なう。
(e)画像解析計算機能中の「FRACTAREA(面積率)」を用い、画像全体に占める気泡径6mm以下(濃淡で分割した淡色部分)の面積比を次式により求める。
小気泡占有面積率(%)=(1−濃色部分の面積÷画像全体の面積)×100
(4)熱伝導率
発泡体の熱伝導率をJIS A9511に準じて測定した。測定は製造後、表面から10mmの部分を削除したのち、7日経過した発泡体について行なった。
(5)燃焼性
発泡体の燃焼性をJIS A9511測定方法Aに準じて、厚さ10mm、長さ200mmおよび幅25mmの試験片を用い、以下の基準で評価した。測定は製造後、前記寸法に切削した後、7日経過した発泡体について行った。
(a)燃焼時間
◎:消炎時間が5本すべて3秒以内となる。
○:消炎時間が5本のうち、少なくとも1本は3秒を超えるが、残りの3本以上は3秒以内となる。
△:消炎時間が5本のうち、少なくとも3本は3秒を超えるが、残りの1本以上は3秒以内となる。
×:消炎時間が5本すべて3秒を超える。
(b)燃焼距離
◎:5本全てで限界線以内で停止する。
○:5本のうち、少なくとも1本は燃焼が限界線をこえるが、残りの3本以上は限界線以内で燃焼が停止する。
△:5本のうち、少なくとも3本は燃焼が限界線を越えるが、残りの1本以上は限界線以内で燃焼が停止する。
×:5本全てで燃焼が限界線をこえる。
(c)燃焼状況
◎:発泡剤の燃焼が全く見られない。
○:発泡剤の燃焼が若干見られる。
△:発泡剤の燃焼が見られるが、全焼には至らない。
×:発泡剤の燃焼が見られ、全焼する。
(実施例1)
ポリスチレン(A−1)100重量部に対して、硫酸バリウムBMH(B−1)6重量部、タルク(C−1)0.2重量部、ハロゲン系難燃剤(D)としてヘキサブロモシクロドデカン(D−1)3重量部、ステアリン酸バリウム(F−1)0.25重量部、安定剤(F−4)0.3重量部とからなる混合物をドライブレンドし、得られた混合物を口径65mmと口径90mmのものを縦に連結した押出機へ約70kg/hrの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給した混合物を、200℃に加熱して混練しつつ、発泡剤(G)として、プロパン(G−1)とジメチルエーテル(G−3)を、押出されるスチレン系樹脂発泡体100重量%において4wt%のプロパン(G−1)と4wt%のジメチルエーテル(G−3)となるように、前記口径65mmの押出機の押出方向の先端付近から前記樹脂中に圧入した。次いで口径65mmの押出機に連結された口径90mmの押出機で冷却し、さらに口径90mmの押出機に連結された冷却機にて樹脂温度を120℃に冷却し、該冷却機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、おおむね厚み50mm、幅150mm、のスチレン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は均一なセル構造をしており、平均気泡径は0.36mm、密度は28kg/m3であった。
また、このようにして得た発泡体の熱伝導率と燃焼性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2007031466
(実施例2〜6)
ハロゲン系難燃剤(D)、難燃助剤(E)の種類および添加量を表1に示す値とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡体を得た。得られたスチレン系樹脂発泡体発泡体の特性を表1に示す。
(比較例1〜4)
硫酸バリウム(B)、難燃助剤(E)の添加量を表1に示す値とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡体を得た。得られたスチレン系樹脂発泡体の特性を表1に示す。
本発明の実施例である実施例1〜6と比較例1〜4を比較して明らかなように、本発明によれば、熱伝導率が低く断熱性に優れるとともに、難燃性にも優れたスチレン系樹脂発泡体が得られることがわかる。
(実施例7)
ポリスチレン(A−1)100重量部に対して、硫酸バリウムBMH(B−1)6重量部、タルク(C−1)0.2重量部、ハロゲン系難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン(D−1)3重量部、難燃助剤としてトリフェニルホスフェート(E−2)1重量部、さらにステアリン酸バリウム(F−1)0.25重量部、ベントナイト(F−2)1重量部、AEROSIL(F−3)0.1重量部、安定剤(F−4)0.3重量部とからなる混合物をドライブレンドし、得られた混合物を口径65mmと口径90mmのものを縦に連結した押出機へ約70kg/hrの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給した混合物を、200℃に加熱して混練しつつ、発泡剤(G)として、イソブタン(G−2)とジメチルエーテル(G−3)と水(G−5)を、押出されるスチレン系樹脂発泡体100重量%において4wt%のイソブタン(G−2)と2wt%のジメチルエーテル(G−3)と1wt%の水(G−5)となるように、前記口径65mmの押出機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接続される側の端部)から前記樹脂中に圧入した。次いでこれに連結された口径90mmの押出機で冷却し、さらにこれに連結された冷却機で樹脂温度を120℃に冷却し、この冷却機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、おおむね厚み50mm、幅150mm、のスチレン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は小気泡と大気泡の混在してなるセル構造をしており、小気泡の平均気泡径は0.07mm、大気泡の平均気泡径は0.32mm、小気泡面積率は45%、密度は31kg/m3であった。
また、このようにして得た発泡体の熱伝導率と燃焼性を評価した結果を表2に示す。
Figure 2007031466
(実施例8〜15)
硫酸バリウム(B)、タルク(C)、ハロゲン系難燃剤(D)、難燃助剤(E)、発泡剤(G)の種類および添加量を表2に示す値とした以外は実施例7と同様にしてスチレン系樹脂発泡体を得た。得られたスチレン系樹脂発泡体発泡体の特性を表2に示す。
(比較例5〜7)
硫酸バリウム(B)、カーボンブラック(b−1)の添加量を表2に示す値とした以外は実施例7と同様にしてスチレン系樹脂発泡体を得た。得られたスチレン系樹脂発泡体の特性を表2に示す。
本発明の実施例である実施例7〜15と比較例6〜8を比較して明らかなように、本発明によれば、熱伝導率が低く断熱性に優れるとともに、難燃性にも優れたスチレン系樹脂発泡体が得られることがわかる。

Claims (11)

  1. 発泡剤として炭素数3〜5の飽和炭化水素を含む押出してなるスチレン系樹脂発泡体であって、該スチレン系樹脂発泡体が、スチレン系樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部のハロゲン系難燃剤、更には1〜10重量部の硫酸バリウムと0.01〜2重量部のタルクを含み、かつ、硫酸バリウムの添加重量がタルクの添加重量以上であり、発泡体密度が25〜50kg/m3のカーボンブラックを含有しないスチレン系樹脂発泡体。
  2. 前記スチレン系樹脂発泡体が、発泡剤として0.1〜8重量%の炭素数3〜5の飽和炭化水素と、0〜4重量%の水、および0〜4重量%のエーテルを含む請求項1記載のスチレン系樹脂発泡体。
  3. 前記スチレン系樹脂発泡体の断面一方向の平均径が、0.05〜0.4mmである請求項1あるいは請求項2のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
  4. 前記スチレン系樹脂発泡体を形成する気泡が、主として気泡径0.20mm以下の気泡と気泡径0.25〜0.70mmの気泡より構成され、気泡径0.20mm以下の気泡が発泡体断面積あたり5〜95%の占有面積率を有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
  5. 前記硫酸バリウムが、硫化バリウムと硫酸の反応により合成された沈降性硫酸バリウムである請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
  6. 前記硫酸バリウムが、硫化バリウムと硫酸ナトリウムの反応により合成された沈降性硫酸バリウムである請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
  7. 前記硫酸バリウムのJIS K5101 26常温法または煮沸法で測定したpHが9以下であり、かつ、平均粒子径が0.5〜15μmである請求項1〜請求項6のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
  8. 前記硫酸バリウムがSiおよび/またはAl系化合物で表面処理された硫酸バリウムである請求項1〜請求項7のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
  9. 前記ハロゲン系難燃剤が、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートのいずれかを含む請求項1〜請求項8のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
  10. 前記スチレン系樹脂発泡体の熱伝導率をJIS A9511規程の方法で測定した値が、0.028W/mK以下である請求項1〜請求項9のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
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