JP4990563B2 - スチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スチレン系樹脂押出発泡体に関し、特に良好な断熱性を有し、環境適合性に優れたスチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法に関する。
スチレン系樹脂組成物を押出機において加熱溶融し、次いで塩素化された炭化水素、フッ素化された炭化水素、塩素フッ素化された炭化水素などの熱伝導率の低い発泡剤を添加して所定の樹脂温度に冷却し、これを低圧領域に押し出すことによりスチレン系樹脂押出発泡体を連続的に製造する方法が公知である。スチレン系樹脂押出発泡体は、良好な施工性や断熱特性から、例えば構造物の断熱材として用いられている。
スチレン系樹脂押出発泡体に使用される発泡剤として、塩素原子を含有するクロロフルオロカーボン(以下、「CFC」と称される。)がある。CFCは、気孔やボイドなどが生じず気泡径が制御しやすい良好な押出発泡体が形成されるとともに、押出発泡体内に残留しやすく、且つ熱伝導率が低いことから、優れた断熱性に寄与する。
ところで、地球環境において、オゾン層の破壊や化学物質による大気又は水質への影響などが問題視されている。前述されたCFCなどのフロン類はオゾン層を破壊する原因物質とされている。また、塩化メチルや塩化エチルは、化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)における第1種指定物質として使用に際して届出が義務づけられ、排出量が管理されている。したがって、スチレン系樹脂押出発泡体の製造に用いられる発泡剤においても、地球環境に悪影響を与えないものを採用することが望まれる。
CFCに代替する発泡剤として、CFCの塩素原子の一部を水素原子で置換したハイドロクロロフルオロカーボン(以下、「HCFC」と称される。)や塩素原子を有しないハイドロフルオロカーボン(以下、「HFC」と称される。)が提案されている。しかし、HCFCやHFCはオゾン層への影響がCFCより少ないものの、地球温暖化への影響が懸念されるため、使用量の削減が望まれている。このような状況から、発泡剤としてプロパンや、ブタン、ペンタンなどのオゾン破壊係数が低く、地球温暖化への影響が少ないものが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、例えばブタンの熱伝導率はCFC、HCFC、HFCなどと比べ高いので、押出発泡に使用される発泡剤をブタンに変更すれば、得られたスチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率が従来より高くなり、断熱材などの用途において性能が劣るという問題が生じる。
これに対し、例えば、スチレン系樹脂押出発泡体の気泡構造を小気泡と大気泡とから構成させることにより、断熱性能を向上させることが知られている(例えば、特許文献2から特許文献4)。また、押出発泡体を、押出後に再加熱して延伸することにより、押出方向の平均気泡径に対する厚み方向の平均気泡径を1以下として、つまり押出方向に横長の扁平気泡として断熱性を向上させることが知られている(例えば、特許文献5)。同様に、断熱性能を向上させるために押出発泡体の気泡を異方向に配向させることが知られている(例えば、特許文献6及び特許文献7)。また、押出発泡体の表面層における平均気泡径を0.05〜0.20mmとすると共に、中心層における気泡の厚み方向の平均気泡径を表面層における気泡の厚み方向の平均気泡径に対して1.45〜2.50倍とすることが知られている(例えば、特許文献8)。
特開平1−174540号公報 特開2001−200087号公報 特開2004−175862号公報 特表2005−514506号公報 国際公開第1999/33625号パンフレット 特表2005−528494号公報 特開2001−316508号公報 特開2004−277673号公報
上記特許文献8によれば、押出発泡体の中心層における気泡の厚み方向の平均気泡径が、表面層における気泡の厚み方向の平均気泡径に対して1.45倍未満となれば、中心層における気泡と表面層における気泡との厚み方向の平均気泡径の差が小さくなって、押出発泡体全体における気泡の厚み方向の平均気泡径が小さくなり、厚みのある押出発泡体を得ようとすれば、押出発泡体における気泡が厚み方向に長い紡錘形状になるとされている。その結果、厚みのある押出発泡体では、気泡壁による熱の遮断回数が少なくなって断熱性が低下したり、押出方向に収縮したりするという問題が生ずることが指摘されている。
また、上記特許文献8によるスチレン系樹脂押出発泡体のように、押出発泡体の中心層における気泡の厚み方向の平均気泡径を、表面層における気泡の厚み方向の平均気泡径に対して1.45〜2.50倍としても、発泡剤として用いる炭化水素の種類や組成、使用量、更には押出発泡体の気泡構造の調節状態によって、発泡剤としてHFCなどを用いた従来のスチレン系樹脂押出発泡体と比べて必ずしも低い熱伝導率の押出発泡体が得られるとはいえず、押出発泡体の厚みによっては高い熱伝導率となることがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、環境適合性及び断熱性に優れるスチレン系樹脂押出発泡体を得る手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述された課題を解決するために鋭意研究した結果、スチレン系樹脂押出発泡体の特定範囲における気泡の厚み方向の平均気泡径及び気泡の異方化率を制御することにより、環境適合性及び断熱性に優れたスチレン系樹脂押出発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 本発明は、発泡剤を含有するスチレン系樹脂組成物を押出発泡して得られるスチレン系樹脂押出発泡体であって、以下の条件(a)、条件(b)、条件(c)をすべて満たし、且つ、押出方向に沿った断面及び幅方向に沿った断面の所定範囲をサンプリングし、得られたサンプル断面における各気泡の気泡径及び面積を求め、横軸を0mmから最大気泡径まで0.02mm毎の区間に区分された気泡径とし、縦軸を下記式(1)で求められる区間毎の面積比とした気泡径分布図において、以下の条件(e)、条件(f)、条件(g)を全て満たすものである。
条件(a):上記スチレン系樹脂押出発泡体の厚み方向に直交する表面から厚み方向に4mmまでの第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径が0.05〜0.25mmである。
条件(b):上記スチレン系樹脂押出発泡体の上記第1表層部分を除く厚み方向の中心部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径が、上記第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径の0.7倍以上1.45倍未満である。
条件(c):上記スチレン系樹脂押出発泡体の厚み方向に直交する表面から厚み方向に2mmまでの第2表層部分に存在する気泡における押出方向の平均気泡径に対する厚み方向の平均気泡径の比が1.2〜10である。
条件(e):面積比を有する気泡径の区間の最大値が0.26mm以上である。
条件(f):気泡径の全区間における面積比が複数のピークをなす。
条件(g):上記複数のピークのうち少なくともの1つのピークが、気泡径が0.26mm未満の区間に存在する。
(2) 上記スチレン系樹脂押出発泡体は、更に、以下の条件(d)を満たすものであってもよい。
条件(d):上記中心部分に存在する気泡における押出方向の平均気泡径に対する厚み方向の平均気泡径の比が0.5〜3である。
(3) 上記スチレン系樹脂押出発泡体は、上記表面に表皮を有するものが好ましい。
(4) 上記スチレン系樹脂押出発泡体は、更に、以下の条件(h)を満たすものであってもよい。
条件(h):気泡径が0.26mm未満の区間に存在するピークのうち、その他のいずれのピークより気泡径が小さい区間に存在する第1ピークと、第1ピークより気泡径の大きい区間に存在し、且つ第1ピークと最も近接する第2ピークとの間に存在する最も低い面積比を有する第1区間から、気泡径が0mm以上0.02mm未満の第2区間までに含まれる面積比の総和が0.1〜0.9である。
(5) 上記スチレン系樹脂組成物は、発泡剤として、(イ)炭素数が3〜5である1種以上の飽和炭化水素と、必要に応じて、(ロ)ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、塩化アルキルから選ばれる化合物及び(ハ)その他の非ハロゲン系発泡剤とを含有してなるものが考えられる。
(6) 炭素数が3〜5である1種以上の上記飽和炭化水素として、プロパン、n−ブタン、i−ブタンよりなる群から選ばれるものが挙げられる。
(7) 上記その他の非ハロゲン系発泡剤として、水、二酸化炭素、アルコールよりなる群から選ばれるものが挙げられる。
(8) 上記発泡剤が、上記その他の非ハロゲン系発泡剤として水を含み、上記スチレン系樹脂組成物が、層状珪酸塩、酸化ケイ素、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ゼオライトから選ばれる1種又は2種以上の吸水性物質を0.01〜10重量%含有するものが考えられる。
(9) 上記スチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率は、0.0260W/mK以下であることが好ましい。
(10) 上記スチレン系樹脂押出発泡体の平面圧縮強度は、15N/m以上であることが好ましい。
(11) 上記スチレン系樹脂押出発泡体の発泡体密度は、30〜60kg/mであることが好ましい。
(12) 上記スチレン系樹脂押出発泡体の厚みは、10〜150mmであることが好ましい。
このように本発明によれば、スチレン系樹脂押出発泡体が前述された条件(a)、条件(b)、条件(c)を満たすことにより、断熱性及び環境適合性に優れたものとなる。このようなスチレン系樹脂押出発泡体は、建築材料、保冷庫用や保冷車用の断熱材として特に有用である。
本発明で用いられるスチレン系樹脂は、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体又はその誘導体とから得られるランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体、臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレン、分岐構造を有するスチレン系樹脂などを用いることができる。
スチレンと共重合可能な単量体としては、例えばメチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物、ブダジエンなどのジエン系化合物又はその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
本発明で用いられるスチレン系樹脂は、メルトフローレイト(以下、「MFR」という。)が0.1〜50g/10分の範囲のものを用いることが好ましい。MFRが上記範囲のスチレン系樹脂が用いられることにより、押出発泡体を成形加工する際のスチレン系樹脂組成物の吐出量の調整や、得られたスチレン系樹脂押出発泡体の厚み、幅、密度、独立気泡率、又は表面性の調整がしやすいという利点がある。つまり、押出発泡体の成形性に優れるという利点がある。また、MFRが上記範囲のスチレン系樹脂が用いられることにより、スチレン系樹脂押出発泡体の外観が優れ、圧縮強度、曲げ強度、曲げたわみ量で表される機械的強度や靱性などの特性のバランスが良好となる。更に、スチレン系樹脂のMFRは、成形性、押出発泡体の機械的強度、靱性などのバランスの点から、0.3〜30g/10分が更に好ましく、0.5〜20g/10分が特に好ましい。なお、MFRは、JIS K7210(1999年)のA法にて測定され、スチレン系樹脂の組成に応じて試験条件が設定される。例えば、ポリスチレンでは、試験条件Hにより測定される。
前述されたスチレン系樹脂のうち、経済性、成形性の観点からはスチレンホモポリマー(ポリスチレン)を用いることが好ましい。また、押出発泡体により高い耐熱性が要求される場合には、スチレン−アクリロニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸共重合ポリスチレン、無水マレイン酸変性ポリスチレンを用いることが好ましい。また、押出発泡体により高い耐衝撃性が求められる場合には、ゴム強化ポリスチレンを用いることが好ましい。これらスチレン系樹脂は単独で使用してもよく、分子量、MFR、組成、分岐度などの異なる2種以上のスチレン系樹脂を混合して使用してもよい。
本発明では発泡剤として、(イ)炭素数が3〜5である1種以上の飽和炭化水素と、必要に応じて、(ロ)ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、塩化アルキルから選ばれる化合物及び(ハ)その他の非ハロゲン系発泡剤とを含有してなるものが使用される。
発泡剤として、炭素数3〜5の飽和炭化水素に、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、塩化アルキルから選ばれる化合物が組み合わせて用いられることにより、得られたスチレン系樹脂押出発泡体の厚み、幅、密度、又は独立気泡率、熱伝導率、気泡径、表面性を所望の値に調整しやすくなる。つまり、押出発泡体の成形性に優れる。また、外観の良好なスチレン系樹脂発泡体が得られる。なお、環境適合性の観点からは、塩化メチルなどの塩化アルキルより上記エーテル類を用いることが好ましい。
さらに、これらにその他の非ハロゲン系発泡剤が組み合わされてもよい。これにより、炭素数3〜5の飽和炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、塩化アルキルから選ばれる化合物などの可燃性の発泡剤の使用量が減じられ、得られたスチレン系樹脂発泡体の燃焼性が向上される。
炭素数が3〜5である1種以上の飽和炭化水素として、プロパン、n(ノルマル)−ブタン、i(イソ)−ブタンよりなる群から選ばれるものが挙げられる。また、その他の非ハロゲン系発泡剤として、水、二酸化炭素、アルコールよりなる群から選ばれるものが挙げられる。
発泡剤の全使用量は、スチレン系樹脂発泡体の発泡倍率の設定値などに応じて適宜調整されるものではあるが、通常、発泡剤の合計量をスチレン系樹脂100重量部に対して1〜20重量部とすることにより、押出発泡体の成形性が優れるので好ましく、さらに好ましくは2〜15重量部であり、特に好ましくは2〜10重量部である。
発泡剤として用いられる炭素数3〜5の飽和炭化水素の使用量は、スチレン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが、押出発泡体の成形性、燃焼性、熱伝導率のバランスの点から好ましく、さらに好ましくは0.5〜8重量部であり、特に好ましくは1〜5重量部である。
発泡剤として用いられるジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、塩化アルキルから選ばれる化合物の使用量は、スチレン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが、押出発泡体の成形性の点から好ましく、さらに好ましくは0.2〜7重量部であり、特に好ましくは0.5〜5重量部である。
発泡剤として用いられるその他の非ハロゲン系発泡剤の使用量は、たとえば水であればスチレン系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部とすることが、押出発泡体の成形性から好ましく、また、押出発泡体に気孔やボイドといった欠陥が生じず、良好な発泡体が得られる点から好ましく、さらに好ましくは0.1〜4重量部であり、特に好ましくは0.15〜3重量部である。
スチレン系樹脂組成物に添加された発泡剤は、スチレン系樹脂押出発泡体中に残存して熱伝導率の低減などに寄与するが、残存する発泡剤の量は、各発泡剤のスチレン系樹脂に対する透過性によって異なる。スチレン系樹脂に対する透過性が低い発泡剤は、スチレン系樹脂押出発泡体中に比較的長く残存され、熱伝導率の低減及びその維持に寄与する。スチレン系樹脂に対して透過性が高い発泡剤は、押出発泡体の成形性を向上させ、また、その外観が良好となる。ただし、このような発泡剤は、押出発泡体の製造直後から外部へ放散され、発泡剤の種類によっては、押出発泡体中に殆ど残存しない。このような発泡剤は、スチレン系樹脂との相溶性又はスチレン系樹脂中への溶解性が高い化合物である。
スチレン系樹脂に対する透過性が低い発泡剤は、前述された炭素数3〜5の飽和炭化水素である。これらのうち、押出発泡体の成形性と熱伝導率を低減する効果のバランスから、n−ブタン、i−ブタンを用いることが好ましい。また、熱伝導率を低減する効果と燃焼性の向上とのバランスから、飽和炭化水素の含有量は、スチレン系樹脂押出発泡体100重量%に対して1〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは1.5〜4.5重量%である。スチレン系樹脂に対して透過性が高い発泡剤は、前述されたジメチルエーテルなどの化合物、二酸化炭素などである。
スチレン系樹脂押出発泡体に含まれる発泡剤の含有量は、得られた押出発泡体から、すべての表面を2mm以上切除した試験片を密閉容器中で加熱して抽出される気体、又は、スチレン系樹脂の種類によっては溶剤に溶解して抽出される気体を試料として、ガスクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
その他の非ハロゲン系発泡剤として水が用いられる場合には、安定して押出発泡成形を行うために、吸水性物質が添加されることが好ましい。吸水性物質とは、それ自体が水を吸水するもの、吸収するもの、吸着するもの、水によって膨潤するもの、又は水と反応して水和物を形成する化合物をいう。吸水性物質は、スチレン系樹脂に対して相溶性の低い水を吸収して、吸着して、又は反応してゲルを形成し、ゲルの状態でスチレン系樹脂中に均一に分散するので、押出発泡体に気孔やボイドが生ずることなく、安定した押出発泡成形が実現されると考えられる。
本発明においては、更に他の発泡剤が用いられてもよい。更に他の発泡剤としては、具体的には、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル類、塩化メチル、塩化エチルなどのハロゲン化アルキルなどの有機発泡剤、窒素などの無機発泡剤、アゾ化合物、テトラゾールなどの化学発泡剤などが挙げられる。
本発明に用いられる吸水性物質は、酸化ケイ素、層状珪酸塩、多孔性物質、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、その他の金属塩、ホウ素化合物、吸水性高分子から選ばれる1種又は2種以上のものである。具体的には、表面にシラノール基を有する無水シリカ(酸化ケイ素)などのように、表面に水酸基を有する粒子径1000nm以下の微粉末が挙げられる。このような無水シリカは、例えば日本アエロジル株式会社:AEROSIL(商品名)、DSL.ジャパン株式会社:カープレックス(商品名)などが市販されている。層状珪酸塩としては、スメクタイト、膨潤性フッ素雲母など又はこれらの有機化処理品が挙げられる。多孔性物質としては、ゼオライト、活性炭、アルミナ、シリカゲル、多孔質ガラス、活性白土、けい藻土などが挙げられる。硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウムなどが挙げられる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウムなどが挙げられる。その他の金属塩としては、クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、乳酸カルシウム、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸カリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化バリウムなどが挙げられる。ホウ素化合物としては、酸化ホウ素、ホウ酸ナトリウムなどが挙げられる。吸水性高分子としては、ポリアクリル酸塩系重合体、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ビニルアルコール−アクリル酸塩系共重合体、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリアクリロニトリル−メタクリル酸メチル−ブタジエン系共重合体、ポリエチレンオキサイド系共重合体及びこれらの誘導体などが挙げられる。これらの吸水性物質は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
前述された吸水性物質のうち、無水シリカ、ポリアクリル酸塩系重合体、スメクタイト、膨潤性フッ素雲母などの吸水性又は水による膨潤性のある層状珪酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩などの金属塩、ゼオライトなどの多孔性物質が、押出発泡成形が安定され、気孔やボイドなどの発生が抑制され、後述される特徴的な気泡径分布を有する気泡構造が形成されて、所望の断熱性能の押出発泡体が実現されるので好ましい。
本発明で用いられる吸水性物質の量は、発泡剤としての水の添加量に応じて適宜調整されるものであるが、スチレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜8重量部、特に好ましくは0.2〜7重量部である。吸水性物質の量が上記範囲にされることにより、押出機内における水の分散が良好となり、押出発泡成形が安定され、気孔やボイドなどの発生が抑制されるという利点がある。また、後述される特徴的な気泡径分布を有する気泡構造が形成され、所望の断熱性能が発現され、その品質が安定するという利点がある。
上記層状珪酸塩とは、主として酸化ケイ素の四面体シート及び主として金属水酸化物の八面体シートからなる。四面体シートと八面体シートとは単位層を形成し、単位層単独、又は単位層間に陽イオンなどを介して複数層に積層されて一次粒子を形成し、又は、一次粒子の凝集体である粒子(二次粒子)を形成して存在するものである。層状珪酸塩の例としては、例えばスメクタイト族粘土及び膨潤性雲母などが挙げられる。スメクタイト族粘土は、化学式(1):X0.2〜0.62〜3410(OH)2・nH2O(式中、Xは、K、Na、1/2Ca及び1/2Mgよりなる群から選ばれる1種以上であり、Yは、Mg、Fe、Mn、Ni、Zn、Li、Al及びCrよりなる群から選ばれる1種以上であり、Zは、Si及びAlよりなる群から選ばれる1種以上である。なお、H2Oは層間イオンと結合している水分子を表わし、n=0.5〜10程度であるが、nは層間イオン及び相対湿度に応じて著しく変動するため、この範囲に限定されない。)で表される天然又は合成されたものである。スメクタイト族粘土の具体例としては、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト及びベントナイト、及びこれらの置換体、誘導体、又はこれらの混合物が挙げられる。
上記膨潤性雲母は、化学式(2):X0.5〜1.02〜3(Z410)(F、OH)2(式中、Xは、Li、Na、K、Rb、Ca、Ba及びSrよりなる群から選ばれる1種以上であり、Yは、Mg、Fe、Ni、Mn、Al及びLiよりなる群から選ばれる1種以上であり、Zは、Si、Ge、Al、Fe及びBよりなる群から選ばれる1種以上である。)で表わされる天然又は合成されたものである。これらは、水、水と任意の割合で相溶する極性のある有機化合物、及び水と該極性のある有機化合物の混合溶媒中で膨潤する性質を有する。膨潤性雲母の具体例として、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、ナトリウム型四ケイ素雲母、及びこれらの置換体、誘導体、又はこれらの混合物が挙げられる。
上記膨潤性雲母の中にはバーミキュライト類と似通った構造を有するものもあり、このようなバーミキュライト類相当品なども使用し得る。バーミキュライト類相当品には3八面体型と2八面体型とがあり、化学式(3):(Mg、Fe、Al)2〜3(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+、M2+ 1/2)x・nH2O(式中、MはNa及びMgなどのアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=3.5〜5である。)で表されるものが挙げられる。
層状珪酸塩では、得られる押出発泡体中における分散性、発泡剤として水を用いた場合における押出発泡成形の安定性の点などから、スメクタイト族粘土、膨潤性雲母が好ましく、更に好ましくは、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、合成スメクタイトなどのスメクタイト族粘土、膨潤性フッ素雲母などの層間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母である。
ベントナイトの代表例としては、天然ベントナイト、精製ベントナイトなどが挙げられる。また、有機化ベントナイトも使用できる。ヘクトライトの代表例としては、合成ヘクトライトが挙げられる。スメクタイトには、アニオン系ポリマー変性モンモリロナイト、シラン処理モンモリロナイト、高極性有機溶剤複合モンモリロナイトなどのモンモリロナイト変性処理生成物も含まれる。これら層状珪酸塩は単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
層状珪酸塩の含有量は、発泡剤としての水の添加量によって適宜調整されるものであるが、スチレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜7重量部である。水と層状珪酸塩との混合比率(重量比)は、好ましくは0.02〜20、更に好ましくは0.1〜10、特に好ましくは0.15〜5、最も好ましくは0.25〜2の範囲である。層状珪酸塩の量が上記範囲にされることにより、水の添加量に対して層状珪酸塩の水の吸収量又は吸着量が十分に上回って水の分散性が良好となるので、押出発泡成形が安定され、気孔やボイドなどの発生が抑制されるという利点がある。また、過剰の層状珪酸塩による気泡むらが生じず、独立気泡が良好に形成されるという利点がある。また、後述される特徴的な気泡径分布を有する気泡構造が形成され、所望の断熱性能が発現されるという利点がある。
本発明において、例えば建築用断熱材のようなスチレン系樹脂押出発泡体の用途における要求に応えるために、スチレン系樹脂に難燃剤が添加されていてもよい。難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤が挙げられる。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールAビス(2、3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールSビス(2、3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAビス(2、3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−メチルアリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(3−メチルアリルエーテル)、トリス(2、3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどが挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上を混合して使用できる。
本発明では、スチレン系樹脂押出発泡体の難燃性を更に向上させる目的で難燃助剤が添加されてもよい。難燃助剤として、例えばホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスファイト、リン酸、ホスホン酸、ホスファイン酸又はこれらの誘導体、金属塩、メラミン塩、アンモニウム塩、ホスファゼン又はその誘導体、ホスホニトリル又はその誘導体などの含燐化合物が挙げられる。また、例えば、トリアジン骨格含有化合物、シアヌル酸、イソイアヌル酸又はこれらの誘導体、グアニジン化合物、アゾ化合物、テトラゾール化合物などの含窒素化合物が挙げられる。また、例えば、ホウ酸、硼砂、ホウ酸金属塩、酸化ホウ素、リン酸ホウ素、ボロシリケート類などの含ホウ素化合物が挙げられる。また、例えば、硫酸塩、スルホン酸塩、スルファニル酸などの含硫黄化合物、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどが挙げられる。
本発明では、スチレン系樹脂押出発泡体の成形性をより良好とするためにリン酸エステルが添加されてもよい。リン酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの脂肪族炭化水素モノリン酸エステルが挙げられる。更に、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートなどの芳香族炭化水素モノリン酸エステルが挙げられる。更に、レゾルシノール・ジフェニルホスフェート、レゾルシノール・ジキシレニルホスフェート、レゾルシノール・ジクレジルホスフェート、ビスフェノールA・ジフェニルホスフェート、ビスフェノールA・ジキシレニルホスフェート、ビスフェノールA・ジクレジルホスフェート、ハイドロキノン・ジフェニルホスフェート、ハイドロキノン・ジキシレニルホスフェート、ハイドロキノン・ジクレジルホスフェート、レゾルシノール・ポリフェニルホスフェート、レゾルシノール・ポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェートビスフェノールA・ポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートなどの縮合リン酸エステルが挙げられる。更に、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(ブロモフェニル)ホスフェートなどのハロゲン化リン酸エステル系化合物などが挙げられる。
さらに、本発明では、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で種々の化合物を添加することができる。具体的には、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスフェート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトなどのヒンダードフェノール系抗酸化剤、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビスステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイトなどのリン系安定剤、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン系安定剤、3,3−チオビスプロピオン酸ジオデシルエステル、3,3’−チオビスプロピオン酸ジオクタデシルエステルなどのイオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料などの着色剤などの添加剤を押出発泡体に含有させることができる。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、以下の条件(a)、条件(b)、条件(c)をすべて満たすものである。
条件(a):上記スチレン系樹脂押出発泡体の厚み方向に直交する表面から厚み方向に4mmまでの第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径が0.05〜0.25mmである。
条件(b):上記スチレン系樹脂押出発泡体の上記第1表層部分を除く厚み方向の中心部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径が、上記第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径の0.7倍以上1.45倍未満である(以下、この倍率が「中心部分における気泡径倍率」と称される。)。
条件(c):上記スチレン系樹脂押出発泡体の厚み方向に直交する表面から厚み方向に2mmまでの第2表層部分に存在する気泡における押出方向の平均気泡径に対する厚み方向の平均気泡径の比が1.2〜10である(以下、この比が「第2表層部分における気泡扁平比」と称される。)。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(a)を満たすことにより、発泡剤にブタンなどの炭化水素を含む場合でも、熱伝導率が低く且つ低密度の押出発泡体とすることができる。また、押出発泡体の厚みや密度の調整の容易や、熱伝導率の安定性を考慮すると、第1表層部分における厚み方向の平均気泡径は、0.06〜0.20mmであることが更に好ましい。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(b)を満たすことにより、発泡剤にブタンなどの炭化水素を含む場合でも、熱伝導率が低く且つ低密度の押出発泡体とすることができる。また、押出発泡体の厚みや密度の調整の容易や、熱伝導率の安定性を考慮すると、中心部分における気泡径倍率は、0.8倍以上1.4倍以下であることが更に好ましい。また、より低い熱伝導率の押出発泡体を得るためには、中心部分における気泡の平均気泡径は0.02〜0.5mmが好ましく、更に好ましくは0.04〜0.3mmであり、特に好ましくは0.06〜0.2mmである。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(c)を満たすことにより、発泡剤にブタンなどの炭化水素を含む場合でも、熱伝導率が低く且つ低密度の押出発泡体とすることができる。なお、第1表層部分、中心部、第2表層部分における気泡の平均気泡径は後述される方法に基づいて求められる。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、更に、以下の条件(d)を満たすものであってもよい。
条件(d):上記中心部分に存在する気泡における押出方向の平均気泡径に対する厚み方向の平均気泡径の比が0.5〜3である(以下、この比が「中心部分における気泡扁平比」と称される。)。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(d)を満たすことにより、熱伝導率の低い押出発泡体が安定して得られる。また、熱伝導率と押出発泡体の強度とのバランスの観点から、中心部分における気泡扁平比が0.7〜2が更に好ましく、特に好ましくは0.8〜1.5である。
本発明において、平均気泡径は以下の方法により求められる。スチレン系樹脂押出発泡体の厚み方向に沿った断面及び押出方向に沿った断面の所定範囲をサンプリングする。厚み方向に沿った断面とは、押出発泡体の押出方向と直交する方向(幅方向)であって、厚み方向に拡がる断面である。押出方向に沿った断面とは、押出発泡体の押出方向であって厚み方向に拡がる断面である。この断面の所定範囲をそれぞれサンプリングする。サンプリングする所定範囲は、前述された第1表層部分、第2表層部分、及び中央部分である。また、1つのサンプルで後述される所定個数の気泡が得られない場合には、複数箇所をサンプリングしてもよい。
サンプリングされた各試料を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影し、SEM画像を得る。SEM画像の撮影倍率は、40倍程度に設定する。撮影範囲は、例えば縦×横が数mm〜数cm程度である。各SEM画像を、厚み方向を縦方向、押出方向を横方向として、画像処理装置(例えば、株式会社ピアス製、商品名:PIAS−II型)を用いて処理し、SEM画像中の個々の気泡の面積(以下、「気泡面積」と称される。)(a)を求める。また、各気泡の縦方向(厚み方向:Zf)及び横方向(押出方向:Xf)の最大径(Feret径)を求める。なお、気泡面積及び最大径の測定は、SEM画像中に気泡の全景が映し出された気泡のみを対象とし、SEM画像の端部で気泡の一部が欠落しているものや、SEM画像の端部ではなくとも気泡壁の一部が欠落したり、隣の気泡等と一体化している気泡は除かれる。この除外した気泡は、測定全面積からも除外される。
SEM画像中の各気泡を楕円形と仮定し、次の式(2)及び式(3)に従って、各気泡の厚み方向の気泡径Z、押出方向又は幅方向の気泡径Xを求める。
式(2):X=[{(4×a)/(π×xf×zf)}1/2]×xf
式(3):Z=[{(4×a)/(π×xf×zf)}1/2]×zf
求められた各気泡の厚み方向の気泡径Z、押出方向又は幅方向の気泡径Xを式(4)に従って相乗平均することにより、各気泡の代表気泡径Dを求める。
式(4):D=(X×Z)1/2
本発明において、第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径とは、第1表層部分において求められた厚み方向の各気泡径Zを数平均したものである。第2表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径とは、第2表層部分において求められた厚み方向の各気泡径Zを数平均したものであり、第2表層部分に存在する気泡における押出方向の平均気泡径とは、第2表層部分において求められた押出方向の各気泡径Xを数平均したものである。中心部分に存在する気泡における厚み方向の気泡径とは、中心部分において求められた厚み方向の各気泡径Zを数平均したものであり、中心部分における押出方向の平均気泡径とは、中心部分において求められた押出方向の各気泡径Xを数平均したものをいう。また、中心部分における厚み方向の気泡径、幅方向の気泡径、押出方向の気泡径から求められる平均気泡径は、中心部分の各断面において求められた代表気泡径Dを数平均したものをいう。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、気泡径が小さい小気泡と気泡径が大きい大気泡とが海島状に混在する複合セル(気泡)構造を有するものが好ましい。これにより、押出発泡体に優れた断熱性と機械特性とを付与することができる。詳細には、仮に、押出発泡体が、径がほぼ均一な気泡からなる単一セル(気泡)構造を有するとすれば、気泡径を小さくすることにより押出発泡体の断熱性能が向上されるが、気泡径を小さくして厚みのある押出発泡体を得るには多くの樹脂が必要になる。その結果、押出の際の圧力が高くなり成形性が悪くなる。これに対し、上記複合セル構造では、小気泡の存在により断熱性が向上され、大気泡の存在により低い樹脂密度で容易に厚みのある押出発泡体を成形することができる。
上記複合セル構造は、次に示される気泡径分布図により特定される構造を有することが好ましい。気泡径分布図は、スチレン系樹脂押出発泡体の押出方向に沿った断面の所定範囲をサンプリングし、得られたサンプル断面における各気泡の気泡径及び面積を求め、横軸を0mmから最大気泡径まで0.02mm毎の区間に区分された気泡径とし、縦軸を下記式(1)で求められる区間毎の面積比としたものである。
式(1):区間毎の面積比=区間に属する気泡径を有する気泡の面積の和/全気泡の面積の和
ゼロから最大気泡径を含む区間までの範囲において、横軸に0.02mm毎に区間分けした代表気泡径D、縦軸に上記式(1)で表される区間毎の面積比として作成した図を作成し、本発明における気泡径分布図とする。気泡径分布図における代表気泡径Dの区分けは、例えば、最も小さい区間は、代表気泡径Dがゼロ以上、0.02mm未満となる。なお、本明細書において、単に「気泡径」と記載している場合は、特に断りがない限り上記代表気泡径Dを示すものとする。また、気泡径分布図の横軸、つまり代表気泡径Dの個々の区間の範囲は、その区間の最小の代表気泡径Dを含み、最小の代表気泡径Dから0.02mm大きい気泡径は含まないものとする。すなわち、区間に属する気泡径は、区間の最小気泡径以上、区間の最小気泡径+0.02mm未満である。
上記気泡径分布図において、気泡径がゼロから0.02mm未満の区間から、その区間における面積比を隣接する区間の面積比と比較していき、ある区間における面積比が、前後に隣接する2つの区間(気泡径が0.02mm小さい区間及び0.02mm大きい区間)における面積比より大きい値を持つ場合に本発明においてピークが認定され、その区間の面積比がピーク面積比、その区間がピーク区間と称される。前後に隣接する2つの区間のいずれか一方又は両方における面積比が等しい場合には、等しい側の区間の更に隣の区間の面積比を比較し、該区間の面積比より大きい場合には、この複数の区間を合わせてピーク区間とされる。隣接するいずれか一方又は両方の区間における面積比の方が大きい場合はピークと判断されない。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、この気泡径分布図において、以下の条件(e)、条件(f)、条件(g)を全て満たすものが好ましい。
条件(e):面積比を有する気泡径の区間の最大値が0.26mm以上である。
条件(f):気泡径の全区間における面積比が複数のピークをなす。
条件(g):上記複数のピークのうち少なくともの1つのピークが、気泡径が0.26mm未満の区間に存在する。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(e)を満たすことにより、つまり、気泡径分布図において、最大気泡径が0.26mm以上であることにより、低い発泡体密度で所定の厚みのスチレン系樹脂押出発泡体を得ることができ、また、スチレン系樹脂押出発泡体の断熱性が優れる。更に好ましくは、最大気泡径が0.26〜0.60mmであり、特に好ましくは0.28〜0.50mmである。なお、本発明において最大気泡径とは、前述された式(4)で求められる代表気泡径Dの最大値をいう。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(f)を満たすことにより、つまり、気泡径の全区間における面積比が複数のピークをなすことによりスチレン系樹脂押出発泡体の断熱性能が向上されるとともに、低い発泡体密度で厚みのある押出成形体とすることが可能となり、また、押出発泡の成形性が良好となる。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(g)を満たすことにより、つまり、上記複数のピークのうち少なくとも一つのピークが、気泡径が0.26mm未満の区間に存在することにより、スチレン系樹脂押出発泡体の断熱性能が向上される。気泡径が0.26mm未満の区間にピークが存在することにより、スチレン系樹脂押出発泡体に比較的小さな気泡径の気泡が一群となって存在し、輻射による熱伝導を抑制する気泡の壁が増えるので、断熱性が向上される。また、0.04〜0.26mmの間の区間に上記ピークが存在することが更に好ましく、特に好ましくは0.06〜0.20mmの区間に存在することである。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、更に、以下の条件(h)を満たすものが好ましい。
条件(h):気泡径が0.26mm未満の区間に存在するピークのうち、その他のいずれのピークより気泡径が小さい区間に存在する第1ピークと、第1ピークより気泡径の大きい区間に存在し、且つ第1ピークと最も近接する第2ピークとの間に存在する最も低い面積比を有する第1区間から、気泡径が0mm以上0.02mm未満の第2区間までに含まれる面積比の総和が0.1〜0.9である。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(h)を満たすことにより、発泡体密度と断熱性とのバランスが良好となる。更に好ましくは、最小気泡径を構成する面積比が0.15〜0.8である。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、更に、以下の条件(i)を満たすもの出会ってもよい。
条件(i):気泡径が0.26mm未満の区間に存在するピークのうち、その他のいずれのピークより気泡径が大きい区間に存在する第3ピークと、気泡径が0.26mm以上の区間に存在するピークのうち、その他のいずれのピークより気泡径が小さい第4ピークとの間に存在する最も低い面積比を有する第3区間から、又は気泡径が0.26mm以上の区間にピークが存在しない場合には、気泡径が0.26mm以上の区間に存在する面積比がゼロとなる最も気泡径の小さい第4区間から、気泡径がゼロから0.02mmの第2区間までに含まれる面積比の総和が、0.1以上である。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(i)を満たすことにより、発泡体密度と断熱性とのバランスが良好となる。更に好ましくは、上記面積比の総和が0.2以上であり、特に好ましくは0.3以上である。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、更に、以下の条件(j)を満たすものであってもよい。
条件(j):上記複数のピークのうち少なくとも一つのピーク(第5ピーク)が、気泡径が0.10mm以上の区間に存在し、且つ該ピーク(第5ピーク)より大きい気泡径の区間に、該ピーク(第5ピーク)と異なる別のピーク(第6ピーク)が存在する。
スチレン系樹脂押出発泡体が条件(j)を満たすことにより、発泡体密度と断熱性とのバランスが良好となる。更に好ましくは、第5ピークが気泡径が0.20mm未満の区間に存在し、第6ピークが気泡径が0.15mm以上の区間に存在することである。
本スチレン系樹脂押出発泡体は、スチレン系樹脂を溶融混練手段に供給するとともに、核剤を含む添加剤及び発泡剤を該溶融混練手段に供給してスチレン系樹脂と混練することによりスチレン系樹脂組成物とし、該スチレン系樹脂組成物を高圧領域からダイリップを通して低圧領域に押出発泡することにより得られる。
スチレン系樹脂押出発泡体の気泡径分布を調整する方法としては、発泡剤に水を用い、他の発泡剤の種類及び使用量、吸水性物質の種類及び使用量、押出発泡の成形条件などにより調整できる。このような成形条件としては、例えば、溶融されたスチレン系樹脂組成物を大気中へ吐出する際の厚みの拡大率の調整、つまり、ダイリップのスリットの厚みと矩形にするための成形金型の高さの調整が挙げられる。また、成形抵抗を調整する方法が挙げられる。
スチレン系樹脂に各種添加剤を添加する手順として、例えば、スチレン系樹脂に対して各種添加剤を添加して混合した後、押出機に供給して加熱溶融し、更に発泡剤を添加して混合する手順が挙げられるが、各種添加剤をスチレン系樹脂に添加するタイミングや混練時間は特に限定されない。
スチレン系樹脂の加熱温度は、使用されるスチレン系樹脂が溶融する温度以上であればよいが、添加剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制される温度、例えば150〜260℃程度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間当たりのスチレン系樹脂の押出量や溶融混練手段として用いる押出機の種類により異なるので一義的に規定することはできず、スチレン系樹脂と発泡剤や添加剤とが均一に分散混合されるに要する時間として適宜設定される。
溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機などが挙げられるが、通常の押出発泡に用いられるものであれば特に制限されない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるためには、押出機のスクリュー形状を低剪断タイプのものとすることが好ましい。
発泡成形方法は、例えば、押出成形用に使用される開口部が直線のスリット形状を有するスリットダイを通じて、高圧領域から低圧領域へ圧力開放して得られた押出発泡体を、スリットダイと密着又は接して設置された成形金型、及び該成形金型の下流側に隣接して設置された成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する方法が用いられる。成形金型の流動面形状調整及び金型温度調整によって、所望の発泡体の断面形状、発泡体表面性、発泡体品質が得られる。
押出発泡体の平均気泡径を制御する方法として、例えば、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物に代表される造核剤や前述された層状珪酸塩をスチレン系樹脂組成物に添加し、これらの添加量を調整する方法が挙げられる。また、発泡剤の種類、組成及び添加量によっても平均気泡径が調整される。また、溶融混練手段である押出機のスクリュー形状や、加熱温度、圧力、溶融混練されたスチレン系樹脂組成物をダイリップから吐出する量、ダイス形状、吐出の際の樹脂温度などによっても平均気泡径が調整される。
第2表層部分における気泡扁平比を制御する方法として、例えば押出発泡体を加熱しながら延伸する方法が挙げられる。詳細には、押出発泡体を加熱空気で加温しながらロールにより延伸処理を行う加熱延伸装置を用いて、得られた押出発泡体を加熱しながら、引き取り機の回転速度より速くロールを回転させて延伸処理を施す。ロールの回転速度は、引き取り機によるダイリップからの引き取り速度に対して1.01〜1.50倍の速度とすることが好ましい。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、表面に表皮を有するものが好ましい。本発明において押出発泡体の表面とは、スチレン系樹脂押出発泡体の厚み方向に直交する表面のことをいう。押出発泡体の厚み方向は、断熱材として使用される際に熱が流れる方向である。つまり、本発明において表面とは熱が流れる方向に対して垂直な面である。押出発泡体の表面に表皮を有することにより、熱伝導が一層抑制されるとともに、ブタンなどの発泡剤が押出発泡体から放散されること、及び押出発泡体中へ空気が侵入することが抑制され、経時的な押出発泡体の熱伝導率の変化が抑制され、経時変化のない安定した断熱性が発揮される。なお、表皮は、押出発泡体の一方の表面にのみ形成されていてもよいが、上下面となる両方の表面ともに表皮を有することが好ましい。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、例えば建築用断熱材や保冷庫用又は保冷車用の断熱材として機能することを考慮すると、製造後30日目の熱伝導率が0.0260W/mK以下であることが好ましい。この熱伝導率は、JIS A9511に準じて測定される。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、例えば建築用断熱材や保冷庫用又は保冷車用の断熱材として機能することを考慮すると、平面圧縮強度が15N/m以上であることが好ましい。この平面圧縮強度は、JIS A9511に準じて測定される。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体は、例えば建築用断熱材や保冷庫用又は保冷車用の断熱材として機能することを考慮した断熱性及び強度、軽量性の観点から、発泡体密度が30〜60kg/mであることが好ましく、より好ましくは35〜50kg/mである。また、第2表層部分の発泡体密度は前述された全体の発泡体密度より高く且つ45〜105kg/mであることが、押出発泡体の熱伝導率を低くて断熱性を向上させる観点から好ましい。押出発泡体の発泡体密度は、JIS K7222−1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に記載された方法に準じて測定される。
本発明に係るスチレン系樹脂押出発泡体における厚みは、例えば建築用断熱材や保冷庫用又は保冷車用の断熱材として機能することを考慮した断熱性、曲げ強度及び圧縮強度の観点から、10〜150mmであることが好ましく、より好ましくは15〜120mmであり、特に好ましくは20〜100mmである。
このように本発明によれば、スチレン系樹脂押出発泡体が前述された条件(a)、条件(b)、条件(c)を満たすことにより、断熱性及び環境適合性に優れた押出発泡体が得られる。このようなスチレン系樹脂押出発泡体は、建築材料、保冷庫用や保冷車用の断熱材として特に有用である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明が以下の実施例に限定されないことは勿論である。また、以下の実施例においては、特に断られない限り、「%」は「重量%」を表すものとする。
実施例1から実施例4、比較例1、比較例2について、以下の手法に従って気泡構造、発泡体密度、熱伝導率、平面圧縮強度、気泡径分布を評価した。
(1)押出発泡体寸法(mm)
厚さ:異なる時間にサンプリングした3つの押出発泡体について、幅方向(押出方向と直交する水平方向)における中央の厚さを測定して、平均値を算出した。
幅:異なる時間にサンプリングした3つの押出発泡体について、押出方向における中央の幅を測定して、平均値を算出した。
(2)発泡体密度(kg/m
スチレン系樹脂押出発泡体全体の発泡体密度:
スチレン系樹脂押出発泡体を、押出方向に直交する水平方向(幅方向)における全幅及び全厚みで、試験片の体積が50cm以上となるように直方体形状に切り出して試験片とした。この試験片について、JIS K7222−1999「発泡プラスチック及びゴム−見かけ密度の測定」に記載された方法に準じて発泡体密度を測定した。
第1表層部分の発泡体密度:
スチレン系樹脂押出発泡体を、表面から2mmの厚み、及び押出方向に直交する水平方向(幅方向)における全幅で、試験片の体積が50cm以上となるように薄板形状に切り出して試験片とした。この試験片について、JIS K7222−1999「発泡プラスチック及びゴム−見かけ密度の測定」に記載された方法に準じて発泡体密度を測定した。
(3)残存発泡剤量(重量部)
製造後30日経過したスチレン系樹脂押出発泡体から、全ての表面を2mm以上切除した試験片約1gを精秤し、密閉容器中に入れて、200℃で15分間加熱した。容器中の気体を採取してガスクロマトグラフィー(島津製作所株式会社、商品名:GC−14A)を用いて発泡剤の含有量を測定した。
(4)熱伝導率(単位:W/mK)
製造後30日経過したスチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率をJIS A9511(1995)に準じて測定した。
(5)平面圧縮強度(N/cm
製造後7日経過したスチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率をJIS A9511に準じて測定した。
(6)気泡構造
条件(a)に相当する第1表層部分における平均気泡径、条件(b)に相当する中心部分における気泡径倍率、条件(c)に相当する第2表層部分における気泡扁平比、条件(d)に相当する中心部分における気泡扁平比を前述された方法に基づいて求めた。
また、スチレン系樹脂押出発泡体について気泡径分布図を前述された手法に従って作成し、条件(e)に相当する気泡径の最大値、条件(f)に相当する全区間におけるピーク数、条件(g)に相当する気泡径が0.26mm未満の区間に存在するピーク、条件(h)に相当する第1区間から第2区間までに含まれる面積比の総和(以下、「小気泡面積比」と称される。)、条件(i)に相当する第3区間から又は第4区間から第2区間までに含まれる面積比の総和(以下、「最小気泡面積比」と称される。)、条件(j)に相当する第5ピーク及び第6ピークの位置を求めた。
(実施例1)
ポリスチレン(PSジャパン株式会社、商品名:G9401、MFR=2.5g/10分)100重量部に対して、吸水性物質として酸化ケイ素(日本エアロジル株式会社、商品名AEROSIL)0.1重量部、ベントナイト(株式会社ホージュン、商品名:ベンゲルブライト11)1.0重量部、難燃剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成株式会社、商品名:TAIC−6B)4重量部、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(大八木化学株式会社、商品名:CR−900)1重量部、タルク(林化成株式会社、商品名:タルカンパウダーPK−Z)0.2重量部、ステアリン酸バリウム(堺化学株式会社、商品名:SB)0.2重量部、安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社、商品名:IRGANOX B911(ヒンダードフェノール系抗酸化剤IRGANOX1076:オクタデシル−3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとリン系安定剤IRGAFOS168:トリス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトの1:1の混合物))0.2重量部、流動パラフィン(和光純薬株式会社)0.2重量部からなる混合物をドライブレンドしてスチレン系樹脂組成物とし、該スチレン系樹脂組成物を口径65mmの第1押出機と口径90mmの第2押出機とを直列に連結した二段式押出機へ60kg/時間で供給した。第1押出機に供給したスチレン系樹脂組成物を、200℃に加熱して混練し、第1押出機の先端付近(第2押出機に接続される側)において、発泡剤として、ポリスチレン100重量部に対して、i−ブタン(三井化学株式会社)3.5重量部、ジメチルエーテル(三井化学株式会社)2.0重量部、水(水道水)0.8重量部を溶融されたスチレン系樹脂組成物に圧入した。第1押出機に連結された第2押出機において、樹脂温度を125℃に冷却し、第2押出機の先端に設けられたダイリップより、スチレン系樹脂組成物を大気中へ押し出した。ダイリップは、85℃に温度設定し、厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の空隙とした。押し出された押出発泡体に対して、引き取り速度の1.08倍の速度で引っ張ることにより延伸させ、厚み30mm、幅200mmの直方体形状のスチレン系押出発泡体を得た。得られた押出発泡体は、上下面を表皮付きとし、両側面から幅方向に20mmまでの部分を切除して幅160mmとして評価を行った。
得られた押出発泡体の評価結果を表1に示す。また、押出発泡体の押出方向に沿った断面のSEM画像を図1に示す。更に、押出発泡体の気泡径分布図を図2に示す。
表1に示されるように、第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径が0.1mmなので条件(a)を満たす。中心部分における気泡径倍率が0.95なので条件(b)を満たす。第2表層部分における気泡扁平比が2なので条件(c)を満たす。中心部分における気泡扁平比が0.9なので条件(d)を満たす。
また、表1に示すように、気泡径分布図において、最大気泡径が0.42mmなので条件(e)を満たす。全区間において5つのピークが確認されるので条件(f)を満たす。この5つのピークのうち2つが気泡径が0.26mm未満の区間に存在するので条件(g)を満たす。最小気泡面積比総和が0.40なので条件(h)を満たす。小気泡面積比総和が0.45なので条件(i)を満たす。上記5つのピークのうち、4つのピークが気泡径が0.10mm以上の区間に存在し、4つのピークのうち最も気泡径が小さいピークより気泡径が大きい区間に3つのピークが存在するので条件(j)を満たす。
なお、実施例1において、気泡径が0.08mm以上0.10mm未満の区間に存在するピークが本発明における第1ピークであり、気泡径が0.18mm以上0.20mm未満の区間に存在するピークが本発明における第2ピークである。そして、気泡径が0.16mm以上0.18mm未満の区間が本発明における第1区間であり、気泡径が0mm以上0.02mm未満の区間が本発明における第2区間である。また、気泡径が0.18mm以上0.20mm未満の区間に存在するピークが本発明における第3ピークであり、気泡径が0.26mm以上0.28mm未満の区間に存在するピークが本発明における第4ピークである。そして、気泡径が0.20mm以上0.22mm未満の区間が本発明における第3区間であり、第4区間は相当しない。
また、表1に示されるように、得られた押出発泡体全体の発泡体密度は38kg/mであり、第2表層部分における発泡体密度は55kg/mであった。また、熱伝導率が0.0256W/mKであり、平面圧縮強度が20N/mであった。また、押出発泡体に残存する発泡剤量は、イソブタンが3.2重量%であった。
(実施例2)
ポリスチレン100重量部に対して、吸水性物質として酸化ケイ素0.2重量部、合成ヘクトライト(Rockwood Additives、商品名:LAPONITE XLG)0.3重量部、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン(アルベマールコーポレーション、商品名:SAYTEX HP−900)5重量部、タルク1.0重量部、ステアリン酸バリウム0.2重量部、安定剤0.2重量部、流動パラフィン0.2重量部からなる混合物をドライブレンドしてスチレン系樹脂組成物とし、二段式押出機へ60kg/時間で供給した。第1押出機に供給したスチレン系樹脂組成物を、200℃に加熱して混練し、第1押出機の先端付近(第2押出機に接続される側)において、発泡剤として、ポリスチレン100重量部に対して、i−ブタン4.0重量部、ジメチルエーテル1.5重量部、水0.4重量部を溶融されたスチレン系樹脂組成物に圧入した。第1押出機に連結された第2押出機において、樹脂温度を125℃に冷却し、第2押出機の先端に設けられたダイリップより、スチレン系樹脂組成物を大気中へ押し出した。ダイリップは、90℃に温度設定し、厚さ方向1.5mm、幅方向50mmの長方形断面の空隙とした。押し出された押出発泡体に対して、引き取り速度の1.15倍の速度で引っ張ることにより延伸させ、厚み25mm、幅200mmの直方体形状のスチレン系押出発泡体を得た。得られた押出発泡体は、上下面を表皮付きとし、両側面から幅方向に20mmまでの部分を切除して幅160mmとして評価を行った。
得られた押出発泡体の評価結果を表1に示す。また、押出発泡体の気泡径分布図を図3に示す。
表1に示されるように、第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径が0.08mmなので条件(a)を満たす。中心部分における気泡径倍率が1.21なので条件(b)を満たす。第2表層部分における気泡扁平比が5なので条件(c)を満たす。中心部分における気泡扁平比が1.1なので条件(d)を満たす。
また、表1に示すように、気泡径分布図において、最大気泡径が0.28mmなので条件(e)を満たす。全区間において3つのピークが確認されるので条件(f)を満たす。この3つのピークのすべてが気泡径が0.26mm未満の区間に存在するので条件(g)を満たす。最小気泡面積比総和が0.41なので条件(h)を満たす。小気泡面積比総和が1.00なので条件(i)を満たす。上記3つのピークのうち、2つのピークが気泡径が0.10mm以上の区間に存在し、2つのピークのうち最も気泡径が小さいピークより気泡径が大きい区間に1つのピークが存在するので条件(j)を満たす。
なお、実施例2において、気泡径が0.08mm以上0.10mm未満の区間に存在するピークが本発明における第1ピークであり、気泡径が0.18mm以上0.20mm未満の区間に存在するピークが本発明における第2ピークである。そして、気泡径が0.14mm以上0.16mm未満の区間が本発明における第1区間であり、気泡径が0mm以上0.02mm未満の区間が本発明における第2区間である。また、気泡径が0.30mm以上0.32mm未満の区間が本発明における第4区間であり、第3区間は相当しない。
また、表1に示されるように、得られた押出発泡体全体の発泡体密度は35kg/mであり、第2表層部分における発泡体密度は51kg/mであった。また、熱伝導率が0.0255W/mKであり、平面圧縮強度が18N/mであった。また、押出発泡体に残存する発泡剤量は、イソブタンが3.5重量%であった。
(実施例3)
ポリスチレン100重量部に対して、吸水性物質として酸化ケイ素0.1重量部、ベントナイト1.0重量部、難燃剤としてテトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(アルベマールコーポレーション、商品名:SAYTEX HP−800)5重量部、タルク0.1重量部、ステアリン酸バリウム0.2重量部、安定剤0.2重量部、流動パラフィン0.2重量部からなる混合物をドライブレンドしてスチレン系樹脂組成物とし、二段式押出機へ60kg/時間で供給した。第1押出機に供給したスチレン系樹脂組成物を、200℃に加熱して混練し、第1押出機の先端付近(第2押出機に接続される側)において、発泡剤として、ポリスチレン100重量部に対して、i−ブタン3.5重量部、ジメチルエーテル3.5重量部、二酸化炭素0.5重量部、水0.8重量部を溶融されたスチレン系樹脂組成物に圧入した。第1押出機に連結された第2押出機において、樹脂温度を125℃に冷却し、第2押出機の先端に設けられたダイリップより、スチレン系樹脂組成物を大気中へ押し出した。ダイリップは、85℃に温度設定し、厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の空隙とした。押し出された押出発泡体に対して、引き取り速度の1.06倍の速度で引っ張ることにより延伸させ、厚み50mm、幅200mmの直方体形状のスチレン系押出発泡体を得た。得られた押出発泡体は、上下面を表皮付きとし、両側面から幅方向に20mmまでの部分を切除して幅160mmとして評価を行った。
得られた押出発泡体の評価結果を表1に示す。また、押出発泡体の気泡径分布図を図4に示す。
表1に示されるように、第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径が0.11mmなので条件(a)を満たす。中心部分における気泡径倍率が1.36なので条件(b)を満たす。第2表層部分における気泡扁平比が2.5なので条件(c)を満たす。中心部分における気泡扁平比が0.83なので条件(d)を満たす。
また、表1に示すように、気泡径分布図において、最大気泡径が0.36mmなので条件(e)を満たす。全区間において5つのピークが確認されるので条件(f)を満たす。この5つのピークの4つが気泡径が0.26mm未満の区間に存在するので条件(g)を満たす。最小気泡面積比総和が0.18なので条件(h)を満たす。小気泡面積比総和が0.78なので条件(i)を満たす。上記5つのピークのうち、4つのピークが気泡径が0.10mm以上の区間に存在し、4つのピークのうち最も気泡径が小さいピークより気泡径が大きい区間に3つのピークが存在するので条件(j)を満たす。
(比較例1)
ポリスチレン(東洋スチレン株式会社、商品名:HRM−18)100重量部に対して、吸水性物質として合成雲母(コープケミカル株式会社、商品名:ME100)1.5重量部、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン3重量部、タルク1.0重量部からなる混合物をドライブレンドしてスチレン系樹脂組成物とし、二段式押出機へ35kg/時間で供給した。第1押出機に供給したスチレン系樹脂組成物を、200℃に加熱して混練し、第1押出機の先端付近(第2押出機に接続される側)において、発泡剤として、ポリスチレン100重量部に対して、ブタン(岩谷産業株式会社、イソブタン60重量%とノルマルブタン40重量%の混合物)3重量部、水1重量部を溶融されたスチレン系樹脂組成物に圧入した。第1押出機に連結された第2押出機において、樹脂温度を120℃に冷却し、第2押出機の先端に設けられたダイリップより、スチレン系樹脂組成物を大気中へ押し出した。ダイリップは、85℃に温度設定し、厚さ方向1.2mm、幅方向50mmの長方形断面の空隙とした。これにより、厚み30mm、幅200mmの直方体形状のスチレン系押出発泡体を得た。得られた押出発泡体は、上下面を表皮付きとし、両側面から幅方向に20mmまでの部分を切除して幅160mmとして評価を行った。
得られた押出発泡体の評価結果を表1に示す。表1に示されるように、中心部分における気泡径倍率が2なので条件(b)を満たさない。また、得られた押出発泡体の熱伝導率が0.0277W/mKであった。
なお、吸水性物質を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、押出発泡成形を行ったが、押出発泡体にボイドや気孔が発生し、良好な押出発泡体が得られなかった。
スチレン系樹脂押出発泡体が、例えば建築材料や保冷庫用又は保冷車用の断熱材として用いられる場合には、熱伝導率が0.0260W/mK以下であり、且つ平面圧縮強度が15N/m以上であることが好ましい。実施例1から実施例3では、このような断熱性能及び平面圧縮強度を満たし、比較例1では満たさないことが確認された。
図1は、実施例1における押出方向に沿った断面のSEM画像を示す図である。 図2は、実施例1における気泡径分布図である。 図3は、実施例2における気泡径分布図である。 図4は、実施例3における気泡径分布図である。

Claims (12)

  1. 発泡剤を含有するスチレン系樹脂組成物を押出発泡して得られるスチレン系樹脂押出発泡体であって、以下の条件(a)、条件(b)、条件(c)をすべて満たし、且つ、上記スチレン系樹脂押出発泡体の押出方向に沿った断面及び幅方向に沿った断面の所定範囲をサンプリングし、得られたサンプル断面における各気泡の気泡径及び面積を求め、横軸を0mmから最大気泡径まで0.02mm毎の区間に区分された気泡径とし、縦軸を下記式(1)で求められる区間毎の面積比とした気泡径分布図において、以下の条件(e)、条件(f)、条件(g)を全て満たすスチレン系樹脂押出発泡体。
    条件(a):上記スチレン系樹脂押出発泡体の厚み方向に直交する表面から厚み方向に4mmまでの第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径が0.05〜0.25mmである。
    条件(b):上記スチレン系樹脂押出発泡体の上記第1表層部分を除く厚み方向の中心部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径が、上記第1表層部分に存在する気泡における厚み方向の平均気泡径の0.7倍以上1.45倍未満である。
    条件(c):上記スチレン系樹脂押出発泡体の厚み方向に直交する表面から厚み方向に2mmまでの第2表層部分に存在する気泡における押出方向の平均気泡径に対する厚み方向の平均気泡径の比が1.2〜10である。
    条件(e):面積比を有する気泡径の区間の最大値が0.26mm以上である。
    条件(f):気泡径の全区間における面積比が複数のピークをなす。
    条件(g):上記複数のピークのうち少なくともの1つのピークが、気泡径が0.26mm未満の区間に存在する。
  2. 更に、以下の条件(d)を満たすものである請求項1に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
    条件(d):上記中心部分に存在する気泡における押出方向の平均気泡径に対する厚み方向の平均気泡径の比が0.5〜3である。
  3. 上記スチレン系樹脂押出発泡体は、上記表面に表皮を有するものである請求項1又は2に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  4. 更に、以下の条件(h)を満たすものである請求項1から3のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
    条件(h):気泡径が0.26mm未満の区間に存在するピークのうち、その他のいずれのピークより気泡径が小さい区間に存在する第1ピークと、第1ピークより気泡径の大きい区間に存在し、且つ第1ピークと最も近接する第2ピークとの間に存在する最も低い面積比を有する第1区間から、気泡径が0mm以上0.02mm未満の第2区間までに含まれる面積比の総和が0.1〜0.9である。
  5. 上記スチレン系樹脂組成物は、発泡剤として、(イ)炭素数が3〜5である1種以上の飽和炭化水素と、必要に応じて、(ロ)ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、塩化アルキルから選ばれる化合物及び(ハ)その他の非ハロゲン系発泡剤とを含有してなるものである請求項1からのいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  6. 炭素数が3〜5である1種以上の上記飽和炭化水素が、プロパン、n−ブタン、i−ブタンよりなる群から選ばれるものである請求項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  7. 上記その他の非ハロゲン系発泡剤が、水、二酸化炭素、アルコールよりなる群から選ばれるものである請求項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  8. 上記発泡剤が、上記その他の非ハロゲン系発泡剤として水を含み、
    上記スチレン系樹脂組成物が、層状珪酸塩、酸化ケイ素、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ゼオライトから選ばれる1種又は2種以上の吸水性物質を0.01〜10重量%含有するものである請求項からのいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  9. 上記スチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率が0.0260W/mK以下である請求項1からのいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  10. 上記スチレン系樹脂押出発泡体の平面圧縮強度が15N/m以上である請求項1からのいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  11. 上記スチレン系樹脂押出発泡体の発泡体密度が30〜60kg/mである請求項1から10のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  12. 上記スチレン系樹脂押出発泡体の厚みが10〜150mmである請求項1から11のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
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