JP5105700B2 - スチレン系樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)ハロゲン系難燃剤とFe化合物とを含むスチレン系樹脂組成物を発泡剤と共に押出発泡してなるスチレン系樹脂発泡体であって、スチレン系樹脂発泡体中に、30〜2000ppmのFe元素を含有することを特徴とするスチレン系樹脂発泡体。
(2)前記スチレン系樹脂発泡体中に、30〜1000ppmのFe元素を含有することを特徴とする(1)記載のスチレン系樹脂発泡体。
(3)前記Fe元素が、酸化鉄に由来することを特徴とする(1)または(2)記載のスチレン系樹脂発泡体。
(4)前記スチレン系樹脂100重量部に対して、ハロゲン系難燃剤を0.1〜20重量部含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
(5)前記ハロゲン系難燃剤が、該ハロゲン系難燃剤とFe化合物とを混合して測定した窒素下5%重量減少温度(昇温速度10℃/分)が、該ハロゲン系難燃剤のみで同条件で測定した窒素下5%重量減少温度(昇温速度10℃/分)よりも低下するハロゲン系難燃剤であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
(6)前記ハロゲン系難燃剤が、該ハロゲン系難燃剤のみで測定した窒素下5%重量減少温度(昇温速度10℃/分)が250℃以上のハロゲン化脂肪族基含有化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
(7)前記ハロゲン系難燃剤が、ヘキサブロモシクロドデカンおよび/またはテトラブロモシクロオクタンであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
(8)前記ハロゲン系難燃剤が、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートおよび/またはテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
(9)発泡体を形成する気泡が、主として気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1mmの気泡より構成されることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
(10)発泡体を形成する気泡の内、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積あたり5〜95%の占有面積率を有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
(11)発泡剤が、炭素数が3〜5である飽和炭化水素およびハイドロフルオロカーボンからなる群より選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のスチレン系樹脂発泡体。
(12)ハロゲン系難燃剤とFe化合物とを含むスチレン系樹脂組成物を発泡剤とともに加熱溶融させ、低圧域に押出発泡するスチレン系樹脂発泡体の製造方法であって、スチレン系樹脂発泡体中に、30〜2000ppmのFe元素を含有させて、押出発泡することを特徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
また、ハロゲン化炭化水素であってオゾン破壊係数が0の発泡剤も使用でき、オゾン破壊係数が0のハイドロフルオロカーボンが挙げられ、具体的にはトリフルオロメタン(HFC−23:CHF3)、ジフルオロメタン(HFC−32:CH2F2)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−125:CHF2CF3)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a:CH2FCF3)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a:CH3CF3)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a:CH3CHF2)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea:CF3CHFCF3)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa:CF3CH2CF3)、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245ca:CH2FCF2CHF2)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb:CF3CF2CH3)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa:CF3CH2CHF2)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc:CF3CH2CF2CH3)などが挙げられる。発泡成形性の観点から、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a:CH2FCF3)がより好ましい。なお、オゾン破壊係数とは、トリクロロモノフルオロメタン(CFC−11:CCl3F)の単位重量当たりのオゾン破壊量を1とした場合の相対値を意味し、オゾン破壊係数が0とは、実質的にオゾン破壊作用がないか、あるいは、オゾン破壊作用があったとしてもオゾン破壊係数は0.01以下であることを意味する。
本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造時に、スチレン系樹脂中に添加または注入される発泡剤の量としては、発泡倍率の設定値などに応じて適宜かわるものではあるが、通常、発泡剤の合計量をスチレン系樹脂100重量部に対して1〜20重量部とするのが好ましい。発泡剤の添加量が1重量部未満では、発泡倍率が低く、スチレン系樹脂発泡体としての軽量、断熱などの特性が発揮されにくい場合があり、一方、20重量部を超えると、過剰な発泡剤量のためスチレン系樹脂発泡体中にボイドなどの不良を生じたり、発泡剤の種類によっては難燃性が低下する場合がある。
(1)混合機能のある装置を用いて化合物と表面処理剤をミキシングする。混合機能のある装置とは一般的なヘンシェルミキサー、リボンブレンダーなどで充分であるが、粉体コーティング用の混合機、例えば、(株)セイシン企業製ニューグラマシン、(株)奈良機械製作所製混合造粒機NMGなどを例示することができる。
(2)表面処理剤を適当な有機溶剤に溶解させ、これに化合物を添加、浸漬した後、乾燥させる。
(3)液状表面処理剤あるいは固体状表面処理剤を有機溶剤に溶解し、気流中で分散している化合物に噴霧した後、乾燥させる。気流分散中に散布する装置としては、例えば、不二パウダル(株)製グローマックスなどを例示することができる。
(4)機械的衝撃により化合物の表面に表面処理剤を被覆させる。機械的衝撃を与えることのできる装置としては、例えば、(株)奈良機械製作所製NHS(ハイブリダイゼーションシステム)などを例示することができる。これは、表面処理剤が固体の場合に有効である。
X0.2〜0.6Y2〜3Z4O10(OH)2・nH2O (1)
(式中、Xは、K、Na、1/2Caおよび1/2Mgよりなる群から選ばれる1種以上であり、Yは、Mg、Fe、Mn、Ni、Zn、Li、AlおよびCrよりなる群から選ばれる1種以上であり、Zは、SiおよびAlよりなる群から選ばれる1種以上である。なお、H2Oは層間イオンと結合している水分子を表わし、n=0.5〜10程度であるが、nは層間イオンおよび相対湿度に応じて著しく変動するためこれらに限定されるわけではない)で表わされる、天然または合成されたものである。
X0.5〜1.0Y2〜3(Z4O10)(F、OH)2 (2)
(式中、Xは、Li、Na、K、Rb、Ca、BaおよびSrよりなる群から選ばれる1種以上であり、Yは、Mg、Fe、Ni、Mn、AlおよびLiよりなる群から選ばれる1種以上であり、Zは、Si、Ge、Al、FeおよびBよりなる群から選ばれる1種以上である)で表わされる、天然または合成されたものである。
(Mg,Fe,Al)2〜3(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+,M2+ 1/2)x・nH2O (3)
(式中、MはNaおよびMgなどのアルカリまたはアルカリ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=3.5〜5である)で表わされるものがあげられる。
(い)スチレン系樹脂にハロゲン系難燃剤およびFe元素含有化合物、必要に応じて含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物、含硫黄化合物または他の添加剤を混合した後に、加熱溶融する、
(ろ)スチレン系樹脂とハロゲン系難燃剤およびFe元素含有化合物、必要に応じて含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物、含硫黄化合物および他の添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を混合した後、加熱溶融し、これに残りの添加剤をそのままあるいは必要により液体化あるいは溶融させて添加し加熱混合する、
(は)予めスチレン系樹脂にハロゲン系難燃剤およびFe元素含有化合物、必要に応じて含燐化合物、含窒素化合物または含ホウ素化合物および他の添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を混合した後、加熱溶融した組成物を準備し、次いで、該組成物と残りの添加剤、必要に応じてスチレン系樹脂を改めて混合し、押出機に供給して加熱溶融する
などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
A:スチレン系樹脂
A−1:ポリスチレン(PSジャパン(株)製G9401)
B:ハロゲン系難燃剤
B−1:テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(帝人化成(株)製ファイヤガード3100)
B−2:デカブロモジフェニルオキサイド(東ソー(株)製フレームカット110R)
B−3:トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成(株)製TAIC−6B)
B−4:ヘキサブロモシクロドデカン(ALBEMARLE CORPORATION製SAYTEX HP−900)
C:Fe化合物
C−1:酸化鉄(Fe2O3、和光純薬工業(株)製試薬)
D:含燐化合物
D−1:トリフェニルホスフェート(大八化学工業(株)製TPP)
E:含窒素化合物
E−1:イソシアヌル酸(四国化成(株)製ICA−P)
F:発泡剤;炭化水素およびハロゲン化炭化水素の群から選ばれる化合物であって、かつ、オゾン破壊係数が0の1種以上の化合物
F−1:プロパン(イワタニ(株)製無臭プロパン)
F−2:イソブタン(三井化学(株)製イソブタン)
F−3:HFC−134a(ダイキン工業(株)製HFC−134a)
G:その他の発泡剤
G−1:ジメチルエーテル(三井化学(株)製ジメチルエーテル)
G−2:水(摂津市水道水)
H:その他の添加剤
H−1:タルク(林化成(株)製タルカンパウダー)
H−2:ステアリン酸バリウム(堺化学工業(株)製ステアリン酸バリウム)
H−3:ベントナイト((株)ホージュン製ベンゲルブライト11、約1%のFe2O3を含有)
H−4:AEROSIL(日本アエロジル(株)製、AEROSIL)
H−5:安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGANOX B911(ヒンダードフェノール系抗酸化剤IRGANOX1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとリン系安定剤IRGAFOS168:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトの1:1の混合物)
異なる時間にサンプルングしたスチレン系樹脂押出発泡体の3つのサンプルについて、幅方向の中央の厚さ(単位mm)を測定し、平均値を算出した。
スチレン系樹脂押出発泡体を約200mm×100mm×25mmの直方体に切り出した後、この重量を測ると共に、ノギスで縦、横および高さの寸法を測定し、発泡体密度を、式:
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3)
に基づいて求め、単位を(kg/m3)に換算して示した。
スチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率をJIS A9511に準じて測定した。測定には、英弘精機製HC−074を用い、押出発泡体から約300mm×100mm×25mmの直方体試験片を3個切り出し、これを並べて300mm×300mm×25mmの形としてHC−074にセットし測定した。なお、試験片切り出し後、30日経過した発泡体について行なった。
ソニック製デジタルマイクロスコープBS−D8000を用いて、スチレン系樹脂押出発泡体の厚さ方向断面の200倍に拡大した画像をパソコンに取り込んだ。この画像をA3用紙にプリントアウトし、任意の2箇所に厚さ方向に実寸法で1mm相当の直線を引き、それぞれこの直線を横切る気泡の数を数え、それぞれの箇所での厚さ方向の気泡径を次の式に従って算出した。
気泡径=直線の長さ1mm/直線を横切る気泡の数
次いで、2箇所の気泡径の値を相加平均して、厚さ方向の気泡径とした。
同様に、スチレン系樹脂発泡体の幅方向、長さ方向についてそれぞれ気泡径を求め、3方向の相加平均を気泡径とした。
小気泡径:スチレン系樹脂押出発泡体の厚さ方向断面を200倍に拡大した写真において、海島構造での海部分の任意の2箇所に厚さ方向に実寸法で1mm相当の直線を引き、それぞれこの直線を横切る気泡の数を数え、それぞれの箇所での厚さ方向の気泡径を次の式に従って算出した。
小気泡径=直線の長さ1mm/直線を横切る気泡の数
次いで、2箇所の小気泡径の値を相加平均して、厚さ方向の小気泡径とした。
同様に、スチレン系樹脂発泡体の幅方向、長さ方向についてそれぞれ気泡径を求め、3方向の相加平均を小気泡径とした。
大気泡径:スチレン系樹脂押出発泡体の厚さ方向断面を50倍に拡大した写真において、海島構造中に点在する島部分の厚さ方向の長さを10点無作為に選び、それぞれの島について厚さ方向の最大長さを測定し、相加平均することにより厚さ方向の大気泡径を求めた。同様に、スチレン系樹脂発泡体の幅方向、長さ方向についてそれぞれ気泡径を求め、3方向の相加平均を大気泡径とした。
小気泡と大気泡が混在したスチレン系樹脂発泡体について、厚さ方向断面での気泡径0.25mm以下の小気泡の発泡体断面積あたりの占有面積比を、以下のようにして求めた。ここで、気泡径0.25mm以下の小気泡とは、円相当直径が0.25mm以下の気泡とする。
(a)発泡体の厚さ方向断面を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、S−450)を用いて30倍に拡大して写真撮影する(写真の大きさは100mm×90mm)。
(b)撮影した写真の上にOHPシートを置き、その上に厚さ方向の径が7.5mmよりも大きい気泡(実寸法が0.25mmより大きい気泡に相当する)に対応する部分を黒インキで塗りつぶして写しとる(一次処理)。
(c)画像処理装置((株)ピアス製、PIAS−II)に一次処理画像を取り込み、濃色部分と淡色部分を、即ち黒インキで塗られた部分か否かを識別する。
(d)濃色部分のうち、直径7.5mm以下の円の面積に相当する部分、すなわち、厚さ方向の径は長いが、面積的には直径7.5mm以下の円の面積にしかならない部分を淡色化して、濃色部分の補正を行なう。
(e)画像解析計算機能中の「FRACTAREA(面積率)」を用い、画像全体に占める気泡径7.5mm以下(濃淡で分割した淡色部分)の面積比を次式により求める。
小気泡占有面積率(%)=(1−濃色部分の面積/画像全体の面積)×100
(6)燃焼性
スチレン系樹脂発泡体の燃焼性をJIS A9511測定方法Aに準じて、厚さ10mm、長さ200mmおよび幅25mmの試験片を用い、以下の基準で評価した。測定は製造後、前記寸法に切削した後、7日経過した発泡体について行った。
(a)燃焼時間
◎:消炎時間が5本すべて3秒以内となる。
○:消炎時間が5本のうち、少なくとも1本は3秒を超えるが、残りの3本以上は3秒以内となる。
△:消炎時間が5本のうち、少なくとも3本は3秒を超えるが、残りの1本以上は3秒以内となる。
×:消炎時間が5本すべて3秒を超える。
(b)燃焼距離
◎:5本全てで限界線以内で停止する。
○:5本のうち、少なくとも1本は燃焼が限界線をこえるが、残りの3本以上は限界線以内で燃焼が停止する。
△:5本のうち、少なくとも3本は燃焼が限界線を越えるが、残りの1本以上は限界線以内で燃焼が停止する。
×:5本全てで燃焼が限界線をこえる。
(c)燃焼状況
◎:発泡剤の燃焼が全く見られない。
○:発泡剤の燃焼が若干見られる。
△:発泡剤の燃焼が見られるが、全焼には至らない。
×:発泡剤の燃焼が見られ、全焼する。
100mm×100mm×25mmの直方体状に切り出したスチレン系樹脂発泡体を恒温恒湿室(気温25℃および湿度50%)にて2週間養生した後、80℃のオーブンで24時間加熱し、その前後の体積変化を次のように求め、判定した。なお、体積は、直方体サンプルの縦、横および高さの寸法をノギスで測定して算出した。
耐熱性は以下の式を用い基準で評価した。
体積変化率=[(オーブン加熱後のサンプル体積÷オーブン加熱前のサンプル体積)−1]×100 (%)
○:体積変化率が30%未満である。
×:体積変化率が30%以上である。
得られたスチレン系樹脂押出発泡体の観察および押出時の臭いから、以下の基準で評価した。
○:きれいな押出発泡体が得られ、押出時に不快な臭いもなかった。
×:押出発泡体に茶色あるいは黒色に焼けたような部分があり、押出時に分解発生物によると思われる不快な臭気があった。
スチレン系樹脂発泡体試料約0.1gをPTFE製加圧容器に精秤し、硫酸1.5mlを加え、マイルストーンゼネラル社製マイクロウェーブ分解装置MLS−1200MEGAを用いて予備分解を行い、いったん冷却後、硝酸3mlを追加し、さらに分解した。この分解液を50mlに定容し、横河アナリティカルシステムズ製HP−4500を用いて、分解液をICP−MS法で定量分析した。なお、クールプラズマ条件下、Coを内部標準物質に用いて絶対検量線法で測定した。
(株)島津製作所製、DTG−50を用い、昇温速度10℃/分で窒素下の5%重量減少温度を測定した。なお、試料は約3.5mg、窒素気流50ml/分、対照はAl2O3とした。
表1に、5%熱重量減少温度を測定した結果を示す。表1には、ハロゲン系難燃剤単独の5%重量減少温度を示すと共に、以下の内容に従って○×を記載した。
○:ハロゲン系難燃剤/酸化鉄を330/1の重量比で混合した混合物の5%重量減少温度の、同条件で測定したハロゲン系難燃剤単独の5%重量減少温度に対する低下温度幅が10℃以上であった場合
×:ハロゲン系難燃剤/酸化鉄を330/1の重量比で混合した混合物の5%重量減少温度の、同条件で測定したハロゲン系難燃剤単独の5%重量減少温度に対する低下温度幅が10℃未満であった場合
スチレン系樹脂(A−1)100部に対して、ハロゲン系難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(B−1)5部、さらにタルク(H−1)0.5部、ステアリン酸バリウム(H−2)0.25部、安定剤(H−5)0.3部とからなる混合物をドライブレンドし、得られた混合物を口径65mmと口径90mmのものを縦に連結した押出機へ約70kg/hrの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給した混合物を、200℃に加熱して混練し、口径65mmの押出機に連結された口径90mmの押出機で冷却し、さらに口径90mmの押出機に連結された冷却機にて樹脂温度を120℃に冷却し、該冷却機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、直方体状の押出発泡体を得た。得られた発泡体の密度は28kg/m3であった。
ハロゲン系難燃剤(B)、Fe化合物として酸化鉄(C)、発泡剤(F)、その他の発泡剤(G)、その他添加剤(H)の種類および添加量を表2に示す値とした以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。なお、Fe化合物として酸化鉄(C)を用いる場合は、ドライブレンドする際にハロゲン系難燃剤(B)、その他添加剤(H)と共に添加した。
ハロゲン系難燃剤(B)、Fe化合物として酸化鉄(C)、発泡剤(F)、その他の発泡剤(G)、その他添加剤(H)の種類および添加量を表2に示す値とした(Fe含有量を増加させた)以外は、実施例2と同様にして発泡体を得た。
スチレン系樹脂(A−1)100部に対して、ハロゲン系難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(B−1)6部、含燐化合物としてトリフェニルホスフェート(D−1)1部、さらにタルク(H−1)0.5部、ステアリン酸バリウム(H−2)0.25部および安定剤(H−5)0.3部とからなる混合物をドライブレンドし、得られた混合物を口径65mmの押出機と口径90mmの押出機を縦に連結した押出機へ約70kg/hrの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給した混合物を、200℃に加熱して混練し、口径65mmの押出機に連結された口径90mmの押出機で冷却し、さらに口径90mmの押出機に連結された冷却機で樹脂温度を120℃に冷却し、該冷却機の先端に設けた厚さ方向2mmおよび幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、直方体状の押出発泡体を得た。得られた発泡体の密度は30kg/m3であった。
ハロゲン系難燃剤(B)、Fe化合物として酸化鉄(C)、含燐化合物(D)、発泡剤(F)、その他の発泡剤(G)、その他添加剤(H)の種類および添加量を表3に示す値とした以外は、実施例12と同様にして発泡体を得た。なお、Fe化合物として酸化鉄(C)を用いる場合は、ドライブレンドする際にハロゲン系難燃剤(B)、含燐化合物(D)、その他添加剤(H)とともに添加した。
ハロゲン系難燃剤(B)、Fe化合物として酸化鉄(C)、含燐化合物(D)、発泡剤(F)、その他の発泡剤(G)、その他添加剤(H)の種類および添加量を表3に示す値とした(Fe含有量を増加させた)以外は、実施例13と同様にして発泡体を得た。
スチレン系樹脂(A−1)100部に対して、ハロゲン系難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(B−1)6部、含燐化合物としてトリフェニルホスフェート(D−1)1部、さらにタルク(H−1)0.2部、ステアリン酸バリウム(H−2)0.25部、ベントナイト(H−3)0.2部、AEROSIL(H−4)0.2部、安定剤(H−5)0.3部とからなる混合物をドライブレンドし、得られた混合物を口径65mmと口径90mmのものを縦に連結した押出機へ約70kg/hrの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給した混合物を、200℃に加熱して混練し、これに連結された口径90mmの押出機で冷却し、さらにこれに連結された冷却機で樹脂温度を120℃に冷却し、この冷却機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、直方体状の押出発泡体を得た。得られた発泡体の密度は32kg/m3であった。
ハロゲン系難燃剤(B)、Fe化合物として酸化鉄(C)、含燐化合物(D)、含窒素化合物(E)、発泡剤(F)、その他の発泡剤(G)、その他添加剤(H)の種類および添加量を表4に示す値とした以外は、実施例22と同様にして発泡体を得た。なお、Fe化合物として酸化鉄(C)、含窒素化合物(E)を用いる場合は、ドライブレンドする際にハロゲン系難燃剤(B)、含燐化合物(D)、その他添加剤(H)と共に添加した。
ハロゲン系難燃剤(B)、Fe化合物として酸化鉄(C)、含燐化合物(D)、含窒素化合物(E)、発泡剤(F)、その他の発泡剤(G)、その他添加剤(H)の種類および添加量を表4に示す値とした(Fe含有量を増加させた)以外は実施例23と同様にして発泡体を得た。
Claims (12)
- ハロゲン系難燃剤とFe化合物とを含むスチレン系樹脂組成物を発泡剤と共に押出発泡してなるスチレン系樹脂発泡体であって、スチレン系樹脂発泡体中に、30〜2000ppmのFe元素を含有することを特徴とするスチレン系樹脂発泡体。
- 前記スチレン系樹脂発泡体中に、30〜1000ppmのFe元素を含有することを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂発泡体。
- 前記Fe元素が、酸化鉄に由来することを特徴とする請求項1または2記載のスチレン系樹脂発泡体。
- 前記スチレン系樹脂100重量部に対して、ハロゲン系難燃剤を0.1〜20重量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
- 前記ハロゲン系難燃剤が、該ハロゲン系難燃剤とFe化合物とを混合して測定した窒素下5%重量減少温度(昇温速度10℃/分)が、該ハロゲン系難燃剤のみで同条件で測定した窒素下5%重量減少温度(昇温速度10℃/分)よりも低下するハロゲン系難燃剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
- 前記ハロゲン系難燃剤が、該ハロゲン系難燃剤のみで測定した窒素下5%重量減少温度(昇温速度10℃/分)が250℃以上のハロゲン化脂肪族基含有化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
- 前記ハロゲン系難燃剤が、ヘキサブロモシクロドデカンおよび/またはテトラブロモシクロオクタンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
- 前記ハロゲン系難燃剤が、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートおよび/またはテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
- 発泡体を形成する気泡が、主として気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1mmの気泡より構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
- 発泡体を形成する気泡の内、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積あたり5〜95%の占有面積率を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
- 発泡剤が、炭素数が3〜5である飽和炭化水素およびハイドロフルオロカーボンからなる群より選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
- ハロゲン系難燃剤とFe化合物とを含むスチレン系樹脂組成物を発泡剤と共に加熱溶融させ、低圧域に押出発泡するスチレン系樹脂発泡体の製造方法であって、スチレン系樹脂発泡体中に、30〜2000ppmのFe元素を含有させて、押出発泡することを特徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
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