JP2003327736A - スチレン系樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂発泡体およびその製造方法

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JP2003327736A JP2002134428A JP2002134428A JP2003327736A JP 2003327736 A JP2003327736 A JP 2003327736A JP 2002134428 A JP2002134428 A JP 2002134428A JP 2002134428 A JP2002134428 A JP 2002134428A JP 2003327736 A JP2003327736 A JP 2003327736A
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foam
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Masaoki Goto
正興 後藤
Yoichi Ohara
洋一 大原
Toru Yoshida
融 吉田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造時樹脂の熱安定性、ひいてはリサイクル性
に優れ、さらには環境課題が低い発泡剤を用いつつ、断
熱性と難燃性を両立した発泡体を得る。 【解決手段】スチレン系樹脂を押出発泡してなるスチレ
ン系樹脂発泡体であって、安定剤として、加硫促進剤あ
るいはその類縁体を含有することを特徴とするスチレン
系樹脂発泡体及びその製造方法。さらに、難燃剤として
ハロゲン系難燃剤、特にハロゲン化芳香族アリルエーテ
ル類を含有し、かつ、発泡剤の一部または全部として、
炭素数が3〜5である飽和炭化水素から選ばれる1種以
上の化合物を含有することを特徴とするスチレン系樹脂
発泡体およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造時樹脂の熱安
定性、ひいてはリサイクル性に優れ、さらには優れた環
境適合性、難燃性、断熱性をも付与可能なスチレン系樹
脂発泡体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂を押出機等にて加熱溶融
し、次いで発泡剤を添加し、冷却させ、これを低圧域に
押出すことにより発泡体を連続的に製造する方法は既に
知られている(例えば特公昭31−5393号公報、特
公昭42−19195号公報)。この際、スチレン系樹
脂が加熱溶融時に劣化し、特にリサイクル時に発泡体の
断熱性や機械特性の低下を招く一因となる傾向にある。
この傾向は難燃剤としてハロゲン系難燃剤を添加する場
合に強く、特に、高度な難燃性を付与可能なハロゲン化
芳香族アリルエーテル類を用いた場合には押出法による
発泡体作製そのものが困難となるほど顕著である。
【0003】また一方、発泡剤に不燃性ガスであるフロ
ン類を用いる方法が知られている(例えば特公昭41−
672号公報、特公昭57−7175号公報)が、フロ
ン類はオゾン層保護、地球温暖化などの観点から、可能
ならば代替していくことが望まれている。
【0004】不燃性ガスであるフロン類以外の発泡剤を
用いたスチレン系樹脂発泡体および製造方法として、発
泡剤に易燃性ガスであるプロパン、ブタンあるいはそれ
らの混合物を用いたスチレン系樹脂発泡体およびその製
造方法が、特開平7−53761号公報、特開平10−
237210号公報で開示されている。易燃性ガスを使
用するこうした例においては、不燃性ガスであるフロン
類を発泡剤とする場合に比べ難燃性を満たすのはより困
難であると考えられるが、特開平7−53761号公報
ではリン酸ハロゲン化アルキル−アリールやポリリン酸
アンモニウム、ヘキサブロモシクロドデカンまたは水酸
化マグネシウムが、特開平10−237210号公報で
はヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェ
ノールAが用いられるとしている。これらの内、ハロゲ
ン系難燃剤を用いる場合は前記のようなスチレン系樹脂
の劣化が問題になると思われるが、これらの特許には特
に安定剤を用いる例示はない。
【0005】さらに、本発明者らは、発泡剤にプロパ
ン、ブタンなどの飽和炭化水素を用いた発泡体におい
て、JIS A9511で規定する高度な難燃性と押出
法ポリスチレンフォーム保温板3種の如き高度な断熱性
を両立するためには、発泡体中に残存する飽和炭化水素
の燃焼を抑制する必要があり、前記発明では実現し難い
問題があることを見出し、鋭意検討した結果、飽和炭化
水素の燃焼を抑制し、JIS A9511で規定する押
出法ポリスチレンフォーム保温板の燃焼性と押出法ポリ
スチレンフォーム保温板3種の断熱性を両立できる技術
を提案した(例えば、特開2001−121596、特
開2001−131323、特開2001−13132
2など)。これらの特許においては安定剤として高分子
型ヒンダードフェノール系化合物等の抗酸化剤を使用し
ても良いとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、その後
さらに検討を進めていく中で、テトラブロモビスフェノ
ールAジアリルエーテルのようなハロゲン化芳香族アリ
ルエーテル類が、スチレン系樹脂発泡体に対し極めて優
れた難燃性を付与できることを確認した。しかしなが
ら、ハロゲン化芳香族アリルエーテル類配合スチレン系
樹脂は溶融混練時の樹脂劣化が大きく、押出法による発
泡体作製は困難であった。
【0007】これに対し、特開昭53−8663では、
2,2−ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフ
ェニル)プロパン(テトラブロモビスフェノールAジア
リルエーテル)にアルカリ性化合物を加えることで、ス
チレン系樹脂の劣化を抑制し、押出発泡成形性を向上さ
せることを提案している。この方法では確かにハロゲン
化芳香族アリルエーテル類配合スチレン系樹脂の熱安定
性は向上するが、同時にハロゲン化芳香族アリルエーテ
ル類の難燃性付与効果も抑制してしまうため、熱安定性
と難燃性の両立は困難であった。
【0008】一方、特開昭57−38831では、テト
ラブロモビスフェノールAジアリルエーテル及び/また
は2,4,6−トリブロモフェニルアリルエーテルに、
ヘキサブロモシクロドデカンを併用することを提案して
いるが、ヘキサブロモシクロドデカンのごときハロゲン
化環状脂肪族化合物は、それ自体の熱安定性が悪く、こ
の配合におけるスチレン系樹脂押出発泡時の熱安定性は
十分であるとは言い難い。さらに、特開平2−1130
37では、テトラブロモビスフェノールAジアリルエー
テル及び/または2,4,6−トリブロモフェニルアリ
ルエーテルと、テトラブロモシクロドデカンの併用系
に、安定剤としてトリフェニルフォスファイトを添加す
ることを提案しているが、スチレン系樹脂押出発泡時の
熱安定性は未だ十分であるとは言い難い。
【0009】このような状況の下、本発明が解決しよう
とする課題は、押出法によるスチレン系樹脂発泡体製造
時、特に、難燃剤としてハロゲン系難燃剤、なかでもハ
ロゲン化芳香族アリルエーテル類を配合した場合のスチ
レン系樹脂熱安定性・リサイクル性を改善したスチレン
系樹脂発泡体および製造方法を提供することであり、さ
らに、プロパンやブタンなどの易燃性の飽和炭化水素を
発泡剤として使用することで、良好な環境適合性を得つ
つ、スチレン系樹脂熱安定性、リサイクル性、難燃性、
表面性、倍率あるいは密度、断熱性といったJIS A
9511で規定する押出法ポリスチレンフォーム保温板
としてのその他の諸特性をも満たし得るスチレン系樹脂
発泡体および製造方法を提供することである。
【0010】
【発明が課題を解決するための手段】本発明者らは、前
記課題の解決のため、鋭意研究の結果、スチレン系樹脂
発泡体に、安定剤として、加硫促進剤あるいはその類縁
体を含有せしめることにより、押出法による発泡体成形
時、特に難燃剤としてハロゲン系難燃剤、なかでもハロ
ゲン化芳香族アリルエーテル類を用いた場合のスチレン
系樹脂の熱安定性・リサイクル性を改善し、さらに、プ
ロパンやブタンなどの易燃性の飽和炭化水素を発泡剤と
して使用することで、良好な環境適合性を得つつ、スチ
レン系樹脂熱安定性、リサイクル性、難燃性、表面性、
倍率あるいは密度、断熱性などの発泡体としての諸特性
をも満たし得ることを見出し本発明に至った。
【0011】すなわち本発明は、 (1)スチレン系樹脂を押出発泡してなるスチレン系樹
脂発泡体であって、安定剤として、加硫促進剤あるいは
その類縁体を含有することを特徴とするスチレン系樹脂
発泡体に関する。 (2)難燃剤としてハロゲン系難燃剤を含有することを
特徴とする(1)項記載のスチレン系樹脂発泡体に関す
る。
【0012】(3)前記ハロゲン系難燃剤がハロゲン化
芳香族アリルエーテル類であることを特徴とする(2)
項記載のスチレン系樹脂発泡体に関する。 (4)発泡剤の一部または全部として、炭素数が3〜5
である飽和炭化水素から選ばれる1種以上の化合物を含
有することを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1
項記載のスチレン系樹脂発泡体に関する。
【0013】(5)スチレン系樹脂発泡体中における発
泡剤として、発泡剤全量に対して、炭素数が3〜5であ
る飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種以上の化合
物を100〜1重量%、および、他の発泡剤を0〜99
重量%含有することを特徴とする(3)項記載のスチレ
ン系樹脂発泡体に関する。
【0014】(6)スチレン系樹脂発泡体中における発
泡剤として、発泡剤全量に対して、炭素数が3〜5であ
る飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種以上の化合
物を発泡体100重量部に対して、1〜10重量部含有
することを特徴とする(3)〜(4)項のいずれか1項
記載のスチレン系樹脂発泡体に関する。
【0015】(7)スチレン系樹脂100重量部に対し
て、安定剤として加硫促進剤あるいはその類縁体を0.
01〜10重量部含有することを特徴とする(1)〜
(6)項のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体に
関する。
【0016】(8)前記加硫促進剤あるいはその類縁体
が、アルデヒドアミン類、チオウレア類、グアニジン
類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、
ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、メルカ
プトベンゾイミダゾール類から選ばれる少なくとも1種
以上の化合物であることを特徴とする(1)〜(7)項
のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体に関する。
【0017】(9)さらには安定助剤として、金属塩
類、脂肪酸類、芳香族2級アミン類、キノリン類の群か
ら選ばれる1種または2種以上の化合物を含有すること
を特徴とする(1)〜(8)項のいずれか1項記載のス
チレン系樹脂発泡体に関する。
【0018】(10)スチレン系樹脂100重量部に対
して、ハロゲン系難燃剤を0.1〜10重量部含有する
ことを特徴とする(2)〜(9)項のいずれか1項記載
のスチレン系樹脂発泡体に関する。
【0019】(11)炭素数が3〜5である飽和炭化水
素から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が、プロパ
ン、n−ブタン、i−ブタンより選ばれる1種以上の飽
和炭化水素であることを特徴とする(4)〜(10)項
のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体に関する。
【0020】(12)他の発泡剤が、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、塩化メ
チル、塩化エチル、水、二酸化炭素から選ばれる1種以
上の化合物であることを特徴とする(4)〜(11)項
のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体に関する。
【0021】(13)さらには、含燐化合物、含窒素化
合物、含ホウ素化合物の群から選ばれる1種または2種
以上の化合物を含有することを特徴とする(2)〜(1
2)項のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体に関
する。
【0022】(14)発泡体を形成する気泡が、主とし
て気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1m
mの気泡より構成され、気泡径0.25mm以下の気泡
が発泡体断面積あたり2〜90%の占有面積率を有する
ことを特徴とする(1)〜(13)のいずれか1項記載
のスチレン系樹脂発泡体に関する。
【0023】(15)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、
発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、低圧域に押出発泡
するスチレン系樹脂発泡体の製造方法であって、スチレ
ン系樹脂に、加硫促進剤あるいはその類縁体を含有せし
め、さらに必要に応じて、炭素数が3〜5である飽和炭
化水素から選ばれる1種以上の化合物、他の発泡剤、ハ
ロゲン系難燃剤、および含燐化合物、含窒素化合物、含
ホウ素化合物の群から選ばれる1種または2種以上の化
合物を共存させて、押出発泡することを特徴とするスチ
レン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0024】
【発明の実施形態】本発明で用いられるスチレン系樹脂
は、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみ
から得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体と
スチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体から
得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合
体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなど
の変性ポリスチレンなどが挙げられる。これらは単独あ
るいは2種以上混合して使用することができる。
【0025】スチレンと共重合可能な単量体としては、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、
ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチ
レン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロ
スチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなど
のスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビ
ニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸エチル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリ
ル系化合物、ブダジエンなどのジエン系化合物あるいは
その誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不
飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。これらは単独
あるいは2種以上混合して使用することができる。
【0026】スチレン系樹脂では、押出発泡成形性など
の面からスチレンホモポリマー、スチレンアクリロニト
リル共重合体、(メタ)アクリル酸共重合ポリスチレ
ン、無水マレイン酸変性ポリスチレン、耐衝撃性ポリス
チレンなどが好ましい。
【0027】本発明は、安定剤として、加硫促進剤ある
いはその類縁体を使用することを特徴とする。
【0028】本発明で用いられる加硫促進剤あるいはそ
の類縁体としては、特に限定するものではないが、例え
ば、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第二
版」(1993年10月30日(株)ラバーダイジェス
ト社発行)や「プラスチック及びゴム用添加剤実用便
覧」(1972年10月1日(株)化学工業社発行)お
よび各社製品カタログに記載されている加硫促進剤及び
その類縁体などが挙げられる。
【0029】具体的には、ヘキサメチレンテトラミン、
アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアンモニア
類、n−ブチルアルデヒド−アニリン縮合品、ブチルア
ルデヒド−モノブチルアミン縮合品、同族のアクロレイ
ン−芳香族塩基縮合品等のアルデヒドアミン類、N,N
‘−ジフェニルチオウレア、エチレンチオウレア、N,
N‘−ジエチルチオウレア、 N,N‘−ジブチルチオ
ウレア、トリメチルチオウレア、トリブチルチオウレ
ア、ジラウリルチオウレア、1,3−ビス(ジメチルア
ミノプロピル)−2−チオウレア、混合アルキルチオウ
レア等のチオウレア類、1,3−ジフェニルグアニジ
ン、ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグア
ニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジ
ン塩等のグアニジン類、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、ジベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプト
ベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチア
ゾールのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾー
ルのシクロヘキシルアミン塩、2−メルカプトベンゾチ
アゾールのジシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−
ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2
−(モルフォリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−モル
フォリニル−2−ベンゾチアジルジスルフィド等のチア
ゾール類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルス
ルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジル
スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾ
チアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル
− 2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、 N,N−ジ
イソプロピル− 2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムジスル
フィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブ
チルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘ
キシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラム
モノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスル
フィド、N,N’−ジメチル−N,N‘−ジフェニルチ
ウラムジスルフィド、混合アルキルチウラムジスルフィ
ド等のチウラム類、ペンタメチレンジチオカルバミン酸
ピペリジン塩、メチルペンタメチレンジチオカルバミン
酸ピペコリン、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメ
チルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバ
ミン酸第二鉄、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチ
ルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカル
バミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス、ジ
メチルジチオカルバミン酸ジメチルアンモニウム、ジエ
チルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミ
ン酸カドミウム、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、
ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジエチルジチオカ
ルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ニ
ッケル、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジ
チオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミ
ン酸ニッケル、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジア
ミルジチオカルバミン酸鉛、N−エチル−N−フェニル
ジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカ
ルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム等のジチオカ
ルバミン酸塩類、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロ
ピルキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸塩類、2−
メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト(メチ
ルベンゾイミダゾール)、2−メルカプトベンゾイミダ
ゾールの亜鉛塩等のベンゾイミダゾール類等が挙げられ
る。
【0030】本発明では上記、アルデヒドアンモニア
類、アルデヒドアミン類、チオウレア類、グアニジン
類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、
ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、メルカ
プトベンゾイミダゾール類から選ばれる少なくとも1種
以上の化合物を単独、あるいは混合して用いることが好
ましい。
【0031】加硫促進剤あるいはその類縁体の含有量
は、 発泡体製造時の押出機中でスチレン系樹脂の熱安
定性を維持できるように、発泡剤添加量、発泡体密度、
場合によっては後述する安定助剤や難燃剤、その他添加
剤などの種類あるいは添加量などにあわせて適宜調整さ
れるものであるが、概ねスチレン系樹脂100重量部に
対して、0.01〜10重量部が好ましく、より好まし
くは、0.05〜8重量部、さらに好ましくは、0.1
〜5重量部である。加硫促進剤あるいはその類縁体の含
有量が前記未満では、発泡体製造時の押出機中における
スチレン系樹脂の熱安定性が維持できず、本発明の目的
とするリサイクル性や、断熱性などの発泡体としての良
好な諸特性が得られがたい傾向があり、一方前記範囲を
超えると、発泡体製造時の安定性、表面性などをかえっ
て損なう場合がある。
【0032】本発明では、必要に応じて、前記、加硫促
進剤あるいはその類縁体に更に、安定助剤として、金属
塩類、脂肪酸類、芳香族2級アミン類、キノリン類の群
から選ばれる1種または2種以上の化合物を併用するこ
とにより、 発泡体製造時押出機中でのスチレン系樹脂
熱安定性維持をより確実に達成することができる。これ
らの化合物は特に限定するものではないが、金属塩類と
は各種無機又は有機金属塩を指し、具体的には、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化バリウム、酸化ア
ルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の金属酸
化物、炭酸亜鉛、炭酸鉛、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム等の金属重炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物、燐酸
ナトリウム、燐酸鉛等の金属燐酸塩、亜燐酸ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム等の金属亜酸
塩、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、オクチル
酸、酪酸、プロピオン酸、酢酸等の脂肪酸の、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、
亜鉛、鉛等各種金属塩等が挙げられる。脂肪酸類として
は、具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン
酸、オクチル酸等が挙げられる。芳香族2級アミン類と
しては、具体的にはアルキル化ジフェニルアミン、オク
チル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジ
メチルベンジル)ジフェニルアミン、フェニル−1−ナ
フチルアミン、p−(p−トルエンスルフォニルアミ
ド)ジフェニルアミン、N,N‘−ジ−2−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、、N,N‘−ジフェニル−p
−フェニレンジアミン、N−フェニル−N‘−イソプロ
ピル−p−フェニレンジアミン、 N−フェニル−N
‘−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジア
ミン、 N−フェニル−N‘−(3−メタクリロイルオ
キシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジア
ミン等が挙げられる。
【0033】これら、金属塩類、脂肪酸類、芳香族2級
アミン類、キノリン類の群から選ばれる1種または2種
以上の化合物である安定助剤の添加量は、発泡体製造時
の押出機中でスチレン系樹脂の熱安定性をより確実に維
持できるように、加硫促進剤あるいはその類縁体添加量
や、発泡剤添加量、発泡体密度、場合によっては後述す
る難燃剤やその他添加剤などの種類あるいは添加量など
にあわせて適宜調整されるものであるが、概ねスチレン
系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が
好ましく、より好ましくは、0.05〜8重量部、さら
に好ましくは、0.1〜5重量部である。添加量が前記
未満では、発泡体製造時の押出機中におけるスチレン系
樹脂の熱安定性維持に対して、併用による相乗効果が得
られず、一方前記範囲を超えると、発泡体製造時の安定
性、表面性などをかえって損なう場合がある。
【0034】本発明では、難燃剤としてハロゲン系難燃
剤を含有せしめることで、発泡体製造時の押出機中にお
けるスチレン系樹脂の熱安定性維持しつつ、得られるス
チレン系樹脂発泡体に難燃性を付与することができる。
【0035】ハロゲン系難燃剤としては、熱可塑性樹脂
に通常使用される難燃剤を特別に限定することなく使用
することができる。例えば、テトラブロモエタン、ヘキ
サブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタ
ン、トリブロモネオペンチルアルコール、ジブロモネオ
ペンチルグリコールなどのハロゲン化脂肪族化合物はる
いはその誘導体、あるいはハロゲン化脂環族化合物ある
いはその誘導体、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモ
トルエン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカ
ブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエ
ーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニ
ルエーテル、ビス(2,4,6ートリブロモフェノキ
シ)エタン、テトラブロモ無水フタル酸、オクタブロモ
トリメチルフェニルインダン、ペンタブロモベンジルア
クリレート、トリブロモフェニルアリルエーテルなどの
ハロゲン化芳香族化合物あるいはその誘導体、テトラブ
ロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA
ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブ
ロモビスフェノールA(2−ブロモエチルエーテル)、
テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、テト
ラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テト
ラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリ
ブロモフェノール付加物、テトラブロモビスフェノール
S、テトラブロモビスフェノールSビス(2,3−ジブ
ロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール
S(2−ブロモエチルエーテル)などのハロゲン化ビス
フェノール類およびその誘導体、テトラブロモビスフェ
ノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビ
スフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフ
ェノール付加物エポキシオリゴマーなどのハロゲン化ビ
スフェノール類誘導体オリゴマー、ペンタブロモベンジ
ルアクリレートポリマーなどのハロゲン化アクリル樹
脂、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレン
ビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、2,
4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)
−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3―ジブロモ
プロピル)イソシアヌレートなどのハロゲンおよび窒素
原子含有化合物、トリス(トリブロモネオペンチル)ホ
スフェート、トリス(ブロモフェニル)ホスフェートな
どのハロゲンおよびリン原子含有化合物、塩素化パラフ
ィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカン、塩
素化芳香族化合物、塩素化脂環状化合物、臭化アンモニ
ウムなどの臭素化無機化合物などが挙げられる。これら
化合物は単独または2種以上を混合して使用できる。さ
らには、本発明のスチレン系樹脂の1種である臭素化ポ
リスチレン樹脂も難燃剤として用いることが出来る。
【0036】本発明では、このうち、ハロゲン化芳香族
アリルエーテル類を用いることにより、発泡体において
優れた難燃性を発現すると共に、発泡体製造時の押出機
中におけるスチレン系樹脂の熱安定性維持しつつ、得ら
れるスチレン系樹脂発泡体により高度な難燃性を付与す
ることができる。
【0037】本発明におけるハロゲン化芳香族アリルエ
ーテル類とは、特に限定するものではないが例えば、次
式に示されるような化合物である。
【0038】
【化1】
【0039】ここに示されるハロゲン基とは、フッ素、
塩素、臭素、沃素から選ばれる1種以上であり、難燃効
果に於いて好ましくは塩素、臭素、沃素から選ばれる1
種以上であり、難燃効果が高く、また環境への影響が比
較的少ないこと、入手のしやすさから特に好ましくは臭
素である。
【0040】ハロゲン基の位置は、特に指定するもので
はないが、優れた難燃効果を期待するためにはエーテル
に対し2,4,6位のいずれかに少なくとも1つのハロ
ゲン基を有することが好ましく、2,4,6位のいずれ
もがXまたはH以外のR2を有していることがさらに好
ましい。
【0041】具体的には2−ブロモフェニルアリルエー
テル、2,4−ジブロモフェニルアリルエーテル、2,
4−ジブロモ6−メチルフェニルアリルエーテル、2,
4−ジブロモ6−t−ブチルフェニルアリルエーテル、
2,4,6−トリブロモフェニルアリルエーテル等のフ
ェニルアリルエーテル類、2,2−ビス(4’−アリル
オキシ−3’,5’−ジブロモフェニル)プロパン(以
下テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル)、
ビス(4’−アリルオキシ−3’,5’−ジブロモフェ
ニル)メタン(以下テトラブロモビスフェノールFジア
リルエーテル)、ビス(4’−アリルオキシ−3’,
5’−ジブロモフェニル)スルフォン(以下テトラブロ
モビスフェノールSジアリルエーテル)等のビスフェノ
ール類のジアリルエーテル類、ノボラック型フェノール
樹脂のポリアリルエーテル類等が挙げられる。このう
ち、熱安定性、難燃効果、入手のしやすさ等から、テト
ラブロモビスフェノールAジアリルエーテルが好ましく
使用できる。
【0042】ハロゲン系難燃剤の含有量は、JIS A
9511に規定される燃焼性を得られるとともに、発泡
体製造時の押出機中でスチレン系樹脂の熱安定性を維持
できるように、ハロゲン系難燃剤種、加硫促進剤あるい
はその類縁体の種類及び添加量、発泡剤添加量、発泡体
密度、さらに場合によっては安定助剤や他添加剤の種類
あるいは添加量などにあわせて適宜調整されるものであ
るが、概ねスチレン系樹脂100重量部に対して、0.
1〜10重量部が好ましく、より好ましくは、0.3〜
9重量部、さらに好ましくは、0.5〜8重量部であ
る。ハロゲン系難燃剤の含有量が前記未満では、難燃性
などの発泡体としての良好な諸特性が得られがたい傾向
があり、一方前記範囲を超えると、発泡体製造時の安定
性、表面性などを損なう場合がある。
【0043】本発明で使用する発泡剤としては、特に限
定するものではないが、発泡剤として、炭素数3〜5の
飽和炭化水素の1種または2種以上、および、必要に応
じて他の発泡剤(ただし、フロン系発泡剤を除く)を使
用することで、優れた環境適合性を付与することができ
る。
【0044】本発明で用いられる炭素数3〜5の飽和炭
化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、
n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタンなどが挙げ
られる。
【0045】炭素数3〜5の飽和炭化水素では、発泡性
の点からプロパン、n−ブタン、i−ブタンあるいはこ
れらの混合物が好ましい。また、発泡体の断熱性能の点
からn−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が
好ましく、特に好ましくはi−ブタンである。
【0046】本発明では、前記炭素数3〜5の飽和炭化
水素とともに、これ以外の他の発泡剤(以下、単に、他
の発泡剤と称することがある)を用いることで、発泡体
製造時の可塑化効果や助発泡効果が得られ、押出圧力を
低減し、安定的に発泡体の製造が可能となる。ただし、
目的とする発泡倍率、難燃性等の発泡体の諸特性いかん
によっては、その使用量などが制限される場合があり、
押出発泡成形性などが充分でない場合がある。
【0047】他の発泡剤としては、特に限定されるもの
ではない。例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n
−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、
フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロピランなどのエーテル類、ジメチルケ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn
−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi
−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−
ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn
−ブチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノー
ル、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブ
チルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルア
ルコールなどのアルコール類、蟻酸メチルエステル、蟻
酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチル
エステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエ
ステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸
エステル類、塩化メチル、塩化エチルなどのハロゲン化
アルキルなどの有機発泡剤、例えば水、二酸化炭素など
の無機発泡剤、例えばアゾ化合物、テトラゾールなどの
化学発泡剤などを用いることができる。これら他の発泡
剤は単独または2種以上混合して使用することができ
る。
【0048】他の発泡剤の中では、発泡性、発泡体成形
性などの点から、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、塩化メチル、塩化エチルな
どが好ましく、発泡剤の燃焼性、発泡体の難燃性あるい
は後述する断熱性等の点から水、二酸化炭素が好まし
い。他の発泡剤では中でもジメチルエーテル、水が特に
好ましい。
【0049】特に、他の発泡剤として水や二酸化炭素を
用いた場合、発泡体中に、気泡径が概ね0.25mm以
下の比較的気泡径の小さい気泡(以下、小気泡という)
と、気泡径が概ね0.3mmから1mm程度の比較的気
泡径の大きな気泡(以下、大気泡という)が海島状に混
在してなる特徴的な気泡構造を有する発泡体が得られ、
得られる発泡体の断熱性能が向上する。他の発泡剤とし
て水を用いる場合、炭素数3〜5である飽和炭化水素の
みと組み合わせて用いても良いが、炭素数3〜5である
飽和炭化水素、水以外の他の発泡剤(たとえば、ジメチ
ルエーテルなど)と組み合わせて発泡剤とすることによ
り、押出発泡成形性および安定性、発泡体の表面性がよ
り一層向上するので好ましい。
【0050】本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造時
に、スチレン系樹脂中に添加または注入される発泡剤の
量としては、所望とする発泡倍率あるいは密度などに応
じて適宜設定されるものではあるが、通常、発泡剤の合
計量をスチレン系樹脂100重量部に対して1〜20重
量部とするのが好ましい。発泡剤の添加量が1重量部未
満では発泡倍率が低く、発泡体としての軽量、断熱など
の特性が発揮されにくい場合があり、一方、20重量部
を超えると過剰な発泡剤量のため発泡体中に気孔、ボイ
ドなどの不良を生じたり、難燃性が低下する場合があ
る。
【0051】添加される発泡剤において、炭素数3〜5
の飽和炭化水素の1種または2種以上の量は、発泡剤全
量100重量%に対して、10重量%以上、好ましくは
20重量%以上、他の発泡剤の量は、発泡剤全量100
重量%に対して、90重量%以下、好ましくは80重量
%以下である。炭素数3〜5の飽和炭化水素の量が前記
範囲より少ないと、得られる発泡体の断熱性が劣る場合
がある。他の発泡剤の量が前記範囲を超える場合、樹脂
との相溶性が高い場合は、可塑性が高すぎ、押出機内の
スチレン系樹脂と発泡剤との混練状態が不均一となり、
押出機の圧力制御が難しくなったり、樹脂との相溶性が
低い場合は、発泡体に気孔、ボイドなどが生じて良好な
発泡体が得られなかったり、押出機の圧力制御が難しく
なったりすると共に、易燃性の発泡剤によっては発泡体
の難燃性の低下を招くなどの場合がある。
【0052】安定的な発泡体の製造、外観など良好な品
質の発泡体を得る観点から、添加される発泡剤におい
て、炭素数3〜5の飽和炭化水素の1種または2種以上
の量は、発泡剤全量100重量%に対して、好ましくは
90重量%以下、より好ましくは80重量%以下であ
り、他の発泡剤の量は、発泡剤全量100重量%に対し
て、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重
量%以上である。
【0053】他の発泡剤として水を用いる場合には、加
工性や、前記小気泡、大気泡の生成の面から、発泡剤全
量100重量%に対して、好ましくは1〜80重量%、
より好ましくは2〜70重量%、特に好ましくは3〜6
0重量%である。他の発泡剤として水と、水以外の他の
発泡剤(ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメ
チルエチルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも
1種のエーテルなど)を併用する場合には、加工性や、
前記小気泡、大気泡の生成の面から、発泡剤全量100
重量%に対して、好ましくは水1〜75重量%および他
の発泡剤79〜5重量%、より好ましくは水2〜70重
量%および他の発泡剤78〜10重量%、特に好ましく
は水3〜65重量%および他の発泡剤77〜15重量%
である。
【0054】発泡剤を添加または注入する際の圧力は、
特に制限するものではなく、押出機などの内圧力よりも
高い圧力であればよい。
【0055】上記の方法により得られたスチレン系樹脂
発泡体には、発泡剤として、少なくとも、炭素数が3〜
5である飽和炭化水素の少なくとも1種が含有される。
ただし、得られたスチレン系樹脂発泡体中における、炭
素数3〜5の飽和炭化水素の残存含有量は、飽和炭化水
素化合物の種類および使用量、発泡剤の発泡体中におけ
る透過性、発泡体の倍率あるいは密度、要求される断熱
性能などによっても異なる。特に発泡剤の発泡体中にお
ける透過性によっては、経時的に残存量が減量し、発泡
体気泡中の気体は空気などに置換されていく。従って、
透過性が高い飽和炭化水素を用いて製造され、結果的に
発泡体中に残存含有する飽和炭化水素量が非常に少ない
発泡体も本発明の範疇である。
【0056】しかしながら、JIS A9511で規定
される押出法ポリスチレンフォーム保温板2種、更には
3種といった高度の断熱性能が要求される場合には、得
られたスチレン樹脂発泡体中における発泡剤の組成は、
残存する発泡剤全量に対して、炭素数が3〜5である飽
和炭化水素の少なくとも1種が好ましくは100〜1重
量%、より好ましくは100〜5重量%、さらに好まし
くは100〜10重量%、特に好ましくは100〜20
重量%、他の発泡剤が好ましくは0〜99重量%、より
好ましくは0〜95重量%、さらに好ましくは0〜90
重量%、特に好ましくは0〜80重量%である。発泡体
中に残存する発泡剤における炭素数が3〜5である飽和
炭化水素の量が前記範囲より少なくなるとJIS A9
511で規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板
2種、更には3種といった高度の断熱性能が得られにく
い傾向がある。
【0057】さらに、押出法ポリスチレンフォーム保温
板2種あるいは3種の如き、高度な断熱性能を要求する
場合には、発泡体中における、炭素数3〜5の飽和炭化
水素の残存含有量は、一般に発泡体100重量部に対し
て、1〜10重量部であることが好ましく、特に押出法
ポリスチレンフォーム保温板3種の如きより高い断熱性
能が要求される場合には、さらに好ましくは、プロパン
では、3〜9重量部、特に好ましくは4〜8重量部、n
−ブタン、i−ブタンでは、2.5〜9重量部、特に好
ましくは3〜8重量部、n−ペンタン、i−ペンタン、
ネオペンタンでは、3〜9重量部が好ましい。
【0058】炭素数3〜5の飽和炭化水素以外の発泡剤
の残存含有量は、発泡剤の種類、発泡体のガス透過性や
密度などによっても異なるが、発泡体の断熱性能を良好
なものにするために、0〜18重量部であることが好ま
しく、さらに好ましくは0〜10重量部である。特に発
泡剤の発泡体中における透過性によっては、炭素数3〜
5の飽和炭化水素と同様に、経時的に残存量が減量し、
発泡体気泡中の気体は空気などに置換されていく。
【0059】本発明では、必要に応じて、前記、ハロゲ
ン系難燃剤に更に、含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ
素化合物を併用することにより、押出法ポリスチレンフ
ォーム保温板3種に該当する高い断熱性能を発揮させる
ために燃焼性の高い炭化水素を発泡剤として比較的多く
含有している場合でも、ハロゲン系難燃剤を多量に添加
することなく、JIS A9511に規定される高度の
難燃性を達成することができる。
【0060】本発明で使用される含燐化合物とは、燐原
子を含有する化合物であって、ハロゲン系難燃剤と相乗
的効果を発揮できる化合物であれば特に制限はない。例
えばホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホ
スファイト、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸または
これの誘導体、金属塩、メラミン塩、アンモニウム塩、
および、ホスファゼンまたはその誘導体、ホスホニトリ
ルまたはその誘導体等が挙げられる。
【0061】前記、含燐化合物の具体例としては、トリ
メチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブ
チルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフ
ェート、トリブトキシエチルホスフェート、モノイソデ
シルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシ
ッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルア
シッドホスフェートなどの脂肪族炭化水素モノリン酸エ
ステル、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソ
プロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフ
ェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、ク
レジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニル
ホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホス
フェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフ
ェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホ
スフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエ
チルホスフェートなどの芳香族炭化水素モノリン酸エス
テル、レゾルシノール・ジフェニルホスフェート、レゾ
ルシノール・ジキシレニルホスフェート、レゾルシノー
ル・ジクレジルホスフェート、ビスフェノールA・ジフ
ェニルホスフェート、ビスフェノールA・ジキシレニル
ホスフェート、ビスフェノールA・ジクレジルホスフェ
ート、ハイドロキノン・ジフェニルホスフェート、ハイ
ドロキノン・ジキシレニルホスフェート、ハイドロキノ
ン・ジクレジルホスフェート、レゾルシノール・ポリフ
ェニルホスフェート、レゾルシノール・ポリ(ジ−2,
6−キシリル)ホスフェートビスフェノールA・ポリク
レジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キ
シリル)ホスフェートなどの縮合リン酸エステル、リン
酸メラミン、亜リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、
リン酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、リン酸
アンモニウムアミド、リン酸アミド、二亜リン酸ピペラ
ジン、亜リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、亜
リン酸グアナゾール、リン酸メレム、ホスファゼン、ポ
リリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン
酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アミド、ポリリン酸
メレム、ポリホスファゼン、ホスホニトリル等の含燐含
窒素系化合物等が挙げられる。更には、前述のハロゲン
系難燃剤でもあるトリス(トリブロモネオペンチル)ホ
スフェートや、トリス(ブロモフェニル)ホスフェート
などのハロゲン化ホスフェート系化合物を含燐化合物と
して使用しても良い。含燐化合物は単独または2種以上
を混合して使用できる。
【0062】含燐化合物の添加量は、ハロゲン系難燃
剤、加硫促進剤あるいはその類縁体、さらに場合によっ
ては安定助剤等、添加剤の種類や添加量、発泡剤種およ
びその含有量、得られる発泡体の密度等によって適宜調
整されるものであり、熱安定性を悪化させるおそれのあ
るもの等に関しては注意を要するが、概ね、スチレン系
樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部であ
り、好ましくは、0.3〜9重量部、さらに好ましく
は、0.5〜8重量部である。0.1重量部未満では、
難燃性の相乗効果が得られず、10重量部を越えると、
発泡体製造の際の成形性などを損なう場合がある。
【0063】本発明で使用される含窒素化合物とは、窒
素原子を含有する化合物であって、ハロゲン系難燃剤と
相乗的効果を発揮できる化合物であれば特に制限はな
い。例えば、トリアジン骨格含有化合物、シアヌル酸あ
るいはイソシアヌル酸およびその誘導体、グアニジン化
合物、更には、炭素数3〜5の飽和炭化水素以外の発泡
剤でも用いられるアゾ化合物、テトラゾール化合物等が
挙げられる。
【0064】前記、含窒素化合物の具体例としては、メ
ラミン、メラム、メレム、メロン、メチロールメラミン
などのトリアジン骨格含有化合物あるいはその誘導体、
シアヌル酸、メチルシアヌレート、ジエチルシアヌレー
ト、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレー
ト、イソシアヌル酸、メチルイソシアヌレート、N,N
‘−ジエチルイソシアヌレート、トリスメチルイソシア
ヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、ビス(2−
カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−ト
リス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリ
ス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートなど
のシアヌル酸、イソシアヌル酸あるいはその誘導体、メ
ラミンなどのトリアジン骨格含有化合物とシアヌル酸あ
るいはイソシアヌル酸およびその誘導体からなる塩、例
えばメラミンシアヌレート等が挙げられる。更には、前
述の炭素数3〜5の飽和炭化水素以外の発泡剤である、
ヒドラゾジカルボンアミド、アゾジカルボンアミド、ア
ゾイソブチロニトリルなどアゾ化合物、テトラゾールグ
アニジン塩、テトラゾールピペラジン塩、テトラゾール
アンモニウム塩等のテトラゾールアミン塩類、また、テ
トラゾールナトリウム塩、テトラゾールマンガン塩、例
えば5,5’−ビステトラゾール2グアニジン塩、5,
5’−ビステトラゾール2アンモニウム塩、5,5’−
ビステトラゾール2アミノグアニジン塩、5,5’−ビ
ステトラゾールピペラジン塩等のテトラゾール金属塩類
などのテトラゾール化合物などを含窒素化合物として使
用しても良い。更には、前述のハロゲン系難燃剤として
も挙げられる、トリス(2,3―ジブロモプロピル)イ
ソシアヌレートや、エチレンビステトラブロモフタルイ
ミド、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシ
イミド、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモ
フェノキシ)−1,3,5−トリアジンなどのハロゲン
および窒素原子含有化合物を含窒素化合物として使用し
ても良い。含窒素化合物は単独または2種以上を混合し
て使用できる。
【0065】含窒素化合物としてシアヌル酸、イソシア
ヌル酸あるいはその誘導体を用いる場合には、化合物自
体が難燃性であると共に、270℃〜400℃で分解あ
るいは溶融する化合物が好ましい。また、テトラゾール
化合物を用いる場合には、熱分解温度が250℃以上で
ある化合物が好ましい。
【0066】含窒素化合物の添加量は、ハロゲン系難燃
剤、加硫促進剤あるいはその類縁体、さらに場合によっ
ては安定助剤等、添加剤の種類や添加量、発泡剤種およ
びその含有量、得られる発泡体の密度等によって適宜調
整されるものであり、熱安定性を悪化させるおそれのあ
るもの等に関しては注意を要するが、概ね、スチレン系
樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部であ
り、好ましくは、0.3〜9重量部、さらに好ましく
は、0.5〜8重量部である。0.1重量部未満では、
難燃性の相乗効果が得られず、10重量部を越えると、
発泡体製造の際の成形性などを損なう場合がある。
【0067】本発明で使用される含ホウ素化合物とは、
ホウ素原子を含有する化合物であって、ハロゲン系難燃
剤と相乗的効果を発揮できる化合物であれば特に制限は
ない。例えば、ホウ酸、硼砂、ホウ酸金属塩、酸化ホウ
素、リン酸ホウ素、ボロシリケート類等が挙げられる。
【0068】前記、含ホウ素化合物の具体例としては、
ホウ酸、硼砂、ホウ酸亜鉛、ホウ酸バリウム、ホウ酸マ
グネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、
ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸ス
ズなどのホウ酸金属塩、およびこれらの化合物の水和物
など誘導体、二酸化二ホウ素、三酸化二ホウ素、三酸化
四ホウ素、五酸化四ホウ素等の酸化ホウ素が挙げられ
る。含ホウ素化合物は単独または2種以上を混合して使
用できる。
【0069】含ホウ素化合物の添加量は、ハロゲン系難
燃剤、加硫促進剤あるいはその類縁体、さらに場合によ
っては安定助剤等、添加剤の種類や添加量、発泡剤種お
よびその含有量、得られる発泡体の密度等によって適宜
調整されるものであり、熱安定性を悪化させるおそれの
あるもの等に関しては注意を要するが、概ね、スチレン
系樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部であ
り、好ましくは、0.3〜9重量部、さらに好ましく
は、0.5〜8重量部である。0.1重量部未満では、
難燃性の相乗効果が得られず、10重量部を越えると、
発泡体製造の際の成形性などを損なう場合がある。
【0070】含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合
物は、含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物の群
から選ばれる1種または2種以上を併用して用いられ
る。更に、含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物
は、後述する如き表面処理剤、例えば各種熱硬化性樹
脂、各種熱可塑性樹脂、シランカップリング剤、チタン
系化合物、無機化合物などから選ばれる1種または2種
以上の化合物で表面被覆処理をしても好適に使用し得
る。
【0071】含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合
物で好ましくは、トリフェニルホスフェート、レゾルシ
ノール・ジフェニルホスフェート、レゾルシノール・ジ
キシレニルホスフェート、レゾルシノール・ジクレジル
ホスフェート、ビスフェノールA・ジフェニルホスフェ
ート、ビスフェノールA・ジキシレニルホスフェート、
ビスフェノールA・ジクレジルホスフェート、ハイドロ
キノン・ジフェニルホスフェート、ハイドロキノン・ジ
キシレニルホスフェート、ハイドロキノン・ジクレジル
ホスフェート、レゾルシノール・ポリフェニルホスフェ
ート、レゾルシノール・ポリ(ジ−2,6−キシリル)
ホスフェートビスフェノールA・ポリクレジルホスフェ
ート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフ
ェートなどの芳香族リン酸エステルあるいは芳香族縮合
リン酸エステル、トリス(トリブロモネオペンチル)ホ
スフェートなどのハロゲン含有リン酸エステル、リン酸
メラミン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウ
ム、表面処理剤で処理されたポリリン酸メラミン、ポリ
ホスファゼンなどの燐および窒素原子含有化合物、メラ
ミンなどのトリアジン骨格含有化合物、シアヌル酸、イ
ソシアヌル酸、ビス(2−カルボキシエチル)イソシア
ヌレートなどのシアヌル酸、イソシアヌル酸あるいはそ
の誘導体、熱分解温度が250℃以上である5,5’−
ビステトラゾール2グアニジン塩、5,5’−ビステト
ラゾール2アンモニウム塩、5,5’−ビステトラゾー
ル2アミノグアニジン塩、5,5’−ビステトラゾール
ピペラジン塩テトラゾール化合物などのテトラゾール化
合物、ホウ酸亜鉛、酸化ホウ素、表面処理剤で処理され
たホウ酸亜鉛あるいは酸化ホウ素などが難燃性の相乗的
効果が発揮され、発泡剤の燃焼も抑制される点で好まし
い。
【0072】更に、加硫促進剤あるいはその類縁体、安
定助剤、ハロゲン系難燃剤、含燐化合物、含窒素化合
物、含ホウ素化合物では、高い断熱性などを得るため
に、他の発泡助剤として水を用いた場合、発泡体中に、
前記小気泡と大気泡の発生する効果を阻害しない化合物
が好ましく、例えば、室温付近の温度域(10〜30℃
前後)において水に難溶あるいは水への溶解度が10重
量%以下の化合物が好ましい。水への溶解度が高い場
合、前記の小気泡と大気泡とを発生させる効果を阻害す
る傾向にある。水への溶解度が高い場合であったり、小
気泡と大気泡とを発生させる効果を阻害する傾向にあっ
た場合には、前記のごとく表面被覆処理を施すことで改
善できる場合があり、表面被覆処理された化合物を用い
ることが好ましい。
【0073】表面処理剤としては、一般的に表面処理剤
として知られている物質に限らず、水の相互作用を絶縁
できる物質であれば構わない。例えば、メラミン樹脂、
グアナミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコン樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、フ
ラン樹脂、アクリル樹脂等が例示できる熱硬化性樹脂、
ビニルトリクロロシラン、γ−グリシジルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトピルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が例示
できるシランカップリング剤、イソプロピルトリイソス
テアロイルチタネート、テトラアルコキシチタン、チタ
ンアシレート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセト
ナト)チタン等が例示できるチタン系表面処理剤、(ア
ルキルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロピレー
ト、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等が
例示できるアルミニウム系表面処理剤、フッ素樹脂、ア
ミド樹脂、アリレート樹脂、イミド樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリメチルメタクリレート等が例示できる熱
可塑性樹脂、メラミン、脂肪族あるいは芳香族カルボン
酸あるいはそのエステル、金属塩などの誘導体、エポキ
シ化合物、アミド系化合物などの有機化合物あるいはそ
の誘導体等が挙げられる。また、これらの表面処理剤を
2種以上併用することも本発明の範疇である。さらに、
無機物−無機物の組み合わせでも表面処理が可能であ
り、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素等で表面に被膜を
形成することも可能である。このようなことからは、有
機物、無機物に関わらず表面処理することが可能であ
る。なお、これらの表面処理剤を2種以上併用すること
も本発明の範疇である。
【0074】表面処理する方法としては、次のような方
法が例示できるが、これらの方法に何ら制限されるもの
ではない。
【0075】(1)混合機能のある装置を用いて化合物
と表面処理剤をミキシングする。混合機能のある装置と
は一般的なヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等で
充分であるが、粉体コーティング用の混合機、例えば、
(株)セイシン企業製ニューグラマシン、(株)奈良機
械製作所製混合造粒機NMG等も例示できる。
【0076】(2)表面処理剤を適当な有機溶剤に溶解
させ、これに化合物を添加、浸漬した後、乾燥する。
【0077】(3)液状表面処理剤、あるいは固体状表
面処理剤を有機溶剤に溶解し、気流中で分散している化
合物に噴霧した後、乾燥する。気流分散中に散布する装
置としては、不二パウダル(株)製グローマックス等が
例示できる。
【0078】(4)機械的衝撃により化合物の表面に表
面処理剤を被覆させる。機械的衝撃を与えることのでき
る装置としては、(株)奈良機械製作所製NHS(ハイ
ブリダイゼーションシステム)等が例示できる。これ
は、表面処理剤が固体の場合に有効である。
【0079】なお、表面処理剤として熱硬化性樹脂を用
いる場合は、(1)〜(4)により化合物表面に熱硬化
前の樹脂の被膜を形成し、その後一般的な乾燥機や流動
層乾燥機等で加温して熱硬化すると良い。あるいは、熱
硬化後の粉末樹脂を(4)により表面処理することも可
能である。
【0080】なお、表面処理を一度実施した後、同じ表
面処理剤あるいは異なる表面処理剤を用いて再び表面処
理を実施するなど、複数回表面処理を施すことにより被
覆率を向上させることも本発明の範疇である。
【0081】押出法ポリスチレンフォーム保温板3種に
該当する高い断熱性能を発揮させるために燃焼性の高い
飽和炭化水素を発泡剤として比較的多く含有している場
合、ハロゲン系難燃剤だけを難燃剤として用いた場合、
少量添加では必ずしも安定的に難燃性が得られない傾向
がある。また、添加量を増量するとダイより押出された
直後に発泡体がむしれたり、あるいはちぎれたりして満
足に発泡体が得られない傾向がある。
【0082】また、特に発泡剤として飽和炭化水素を用
いた場合、発泡体の燃焼時に発泡体から残留発泡剤が大
気中に放出され、該発泡剤が燃焼することで、該発泡剤
の燃焼熱により発泡体の表面溶解が生じて延焼する傾向
があった。しかしながら、これらの傾向についても、ハ
ロゲン系難燃剤、含燐化合物、含窒素化合物あるいは含
ホウ素化合物を併用することにより、残留発泡剤の燃焼
を阻害することで、極めて軽減させ得るか、ないしは無
くすることができるといった優れた効果が得られ、適量
を使用することで優れた難燃性と成形加工の安定性を有
する発泡成形品が得られるようになる。
【0083】他の発泡剤として、水を用いる場合は、ス
メクタイト、膨潤性フッ素雲母などの吸水性あるいは水
膨潤性の層状珪酸塩類あるいはこれらの有機化処理品、
吸水性高分子、日本アエロジル(株)製AEROSIL
などのシラノール基を有する無水シリカなど(本発明に
おいては、これらの物質を吸水性物質と総称する)の1
種または2種以上を添加することで、発泡体中に、前記
小気泡、大気泡の発生する作用をさらに向上することが
でき、得られる発泡体の成形性、生産性および断熱性能
がさらに向上する。
【0084】ここで使用する吸水性物質は、スチレン系
樹脂に対して相溶性のない水を吸水してゲルを形成し、
ゲルの状態でスチレン系樹脂中に均一に分散させること
ができると考えられることから使用される。
【0085】本発明で用いられる吸水性物質の含有量
は、水の添加量などによって、適宜調整されるものであ
るが、スチレン系樹脂100重量部に対して、好ましく
は0.2〜10重量部、さらに好ましくは0.3〜8重
量部、特に好ましくは0.5〜7重量部である。吸水性
物質の含有量が前記範囲未満では吸水性物質による水の
吸着量が不足し、押出機内で水の分散不良による気孔が
発生し成形体不良になる場合があり、一方前記範囲を超
える場合には、押出機内で吸水性物質の分散不良が発生
し、気泡むらができ、発泡体の断熱性能の悪化とバラツ
キを生ずる場合がある。
【0086】本発明で用いられる層状珪酸塩とは、主と
して酸化ケイ素の四面体シートと、主として金属水酸化
物の八面体シートから成り、該四面体シートと八面体シ
ートが単位層を形成し、単位層単独、層間に陽イオンな
どを介して複数個層状に積層して一次粒子を形成、ある
いは、一次粒子の凝集体の粒子を形成(二次粒子)し存
在しうるものである。層状珪酸塩の例としては、例え
ば、スメクタイト族粘土および膨潤性雲母などが挙げら
れる。
【0087】前記のスメクタイト族粘土は下記一般式
(1) X0.20.623410(OH)2・nH2O・・・・・・・・・(1) (ただし、XはK、Na、1/2Ca、及び1/2Mg
から成る群より選ばれる1種以上であり、YはMg、F
e、Mn、Ni、Zn、Li、Al、及びCrから成る
群より選ばれる1種以上であり、ZはSi、及びAlか
ら成る群より選ばれる1種以上である。尚、H2Oは層
間イオンと結合している水分子を表すが、nは層間イオ
ンおよび相対湿度に応じて著しく変動する)で表され
る、天然または合成されたものである。該スメクタイト
族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナ
イト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト及
びベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。
【0088】また、前記の膨潤性雲母は下記一般式
(2) X0.51.023(Z410)(F、OH)2 ・・・・・・・(2) (ただし、XはLi、Na、K、Rb、Ca、Ba、及
びSrから成る群より選ばれる1種以上であり、YはM
g、Fe、Ni、Mn、Al、及びLiから成る群より
選ばれる1種以上であり、ZはSi、Ge、Al、F
e、及びBから成る群より選ばれる1種以上である。)
で表される、天然または合成されたものである。これら
は、水、水と任意の割合で相溶する極性のある有機化合
物、及び水と該極性のある有機化合物の混合溶媒中で膨
潤する性質を有する物であり、例えば、リチウム型テニ
オライト、ナトリウム型テニオライト、リチウム型四ケ
イ素雲母、及びナトリウム型四ケイ素雲母等、またはこ
れらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物が挙げ
られる。
【0089】上記の膨潤性雲母の中にはバーミキュライ
ト類と似通った構造を有するものもあり、この様なバー
ミキュライト類相当品等も使用し得る。該バーミキュラ
イト類相当品には3八面体型と2八面体型があり、下記
一般式(3) (Mg,Fe,Al)23(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+,M2+ 1/2)x・nH2O・・ ・・・・・・・(3) (ただし、MはNa及びMg等のアルカリまたはアルカ
リ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=
3.5〜5である)で表されるものが挙げられる。
【0090】膨潤性層状珪酸塩は単独で用いても良く、
2種以上組み合わせて使用しても良い。これらの内で
は、得られる発泡体中の分散性の点などからスメクタイ
ト族粘土、膨潤性雲母が好ましく。さらに好ましくは、
モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、合成
スメクタイトおよび膨潤性フッ素雲母などの層間にナト
リウムイオンを有する膨潤性雲母が好ましい。
【0091】ベントナイトの代表例としては、天然ベン
トナイト、精製ベントナイトなどが挙げられる。また、
有機化ベントナイトなども使用できる。本発明における
スメクタイトには、アニオン系ポリマー変性モンモリロ
ナイト、シラン処理モンモリロナイト、高極性有機溶剤
複合モンモリロナイトなどのモンモリロナイト変性処理
生成物もその範疇に含まれる。
【0092】ベントナイトなどのスメクタイトの含有量
は、水の添加量などによって、適宜調整されるものであ
るが、スチレン系樹脂100重量部に対して、好ましく
は0.2〜10重量部、さらに好ましくは0.3〜8重
量部、特に好ましくは、0.5〜7重量部、最も好まし
くは1〜5重量部である。スメクタイトの含有量が前記
範囲満では水の圧入量に対してスメクタイトによる水の
吸着量が不足し、押出機内で水の分散不良による気孔が
発生し成形体不良になる傾向がある。
【0093】一方、前記範囲を超える場合には、スチレ
ン系樹脂中に存在する無機物粉体の量が過剰になるた
め、スチレン系樹脂中への均一分散が困難になり、気泡
むらが発生する傾向にある。さらには、独立気泡を保持
することが困難となる傾向にある。したがって、発泡体
の断熱性能の悪化とバラツキを生じ易くなる。水/スメ
クタイト(ベントナイト)の混合比率は重量比で、好ま
しくは0.02〜20、さらに好ましくは0.1〜1
0、特に好ましくは0.15〜5、最も好ましくは0.
25〜2の範囲が理想的である。
【0094】本発明で得られるスチレン系樹脂発泡体に
おける気泡径の平均は、0.05〜1mmが好ましく、
さらに好ましくは0.06〜0.6mm、特に好ましく
は0.8〜0.4mmである。
【0095】また、気泡径0.25mm以下の小気泡お
よび気泡径0.3〜1mmの大気泡が混在してなる特定
の気泡構造の発泡体においては、発泡体断面積あたりに
占める小気泡の面積の割合(単位断面積あたりの占有面
積率)(以下、小気泡面積率という)は、5〜95%が
好ましく、さらに好ましくは10〜90%、特に好まし
くは20〜80%、最も好ましくは25〜70%であ
る。
【0096】また本発明においては、必要に応じて本発
明の効果を阻害しない範囲でシリカ、タルク、ケイ酸カ
ルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ
などの無機化合物、流動パラフィン、オレフィン系ワッ
クス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、フェ
ノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオ
ウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類などの耐光性安定
剤、前記以外の難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤
などの添加剤を含有させることができる。
【0097】特に、より安定的に押出発泡するために
は、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート}、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル
アニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリ
チル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシ
ル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−ベンジルホスフェート−ジエチルエステル、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレイトなどのヒンダードフェノー
ル系抗酸化剤、トリフェニルフォスファイト、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトールジフォスファイト、ビスステアリルペンタエリ
スリトールジフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4‘−ジイル
ビスホスホナイトなどのリン系安定剤、3,3‘−チオ
ビスプロピオン酸ジオデシルエステル、3,3‘−チオ
ビスプロピオン酸ジオクタデシルエステルなどのイオウ
系安定剤を添加しても良い。
【0098】本発明のスチレン系樹脂発泡体は、スチレ
ン系樹脂に加硫促進剤あるいはその類縁体、必要に応じ
て安定助剤、ハロゲン系難燃剤、含燐化合物、含窒素化
合物または含ホウ素化合物、他の添加剤を混合した後、
加熱溶融する、スチレン系樹脂を加熱溶融した後に加硫
促進剤あるいはその類縁体、必要に応じて安定助剤、ハ
ロゲン系難燃剤、含燐化合物、含窒素化合物または含ホ
ウ素化合物、他の添加剤を添加混合する、あらかじめス
チレン系樹脂に加硫促進剤あるいはその類縁体、必要に
応じて安定助剤、ハロゲン系難燃剤、含燐化合物、含窒
素化合物または含ホウ素化合物、他の添加剤を混合した
後、加熱溶融した組成物を準備し、あらためて押出機に
供給し加熱溶融するなど、スチレン系樹脂、加硫促進剤
あるいはその類縁体、および必要に応じて、安定助剤、
ハロゲン系難燃剤、含燐化合物、含窒素化合物または含
ホウ素化合物、他の添加剤を押出機等の加熱溶融手段に
供給し、任意の段階で高圧条件下で、発泡剤をスチレン
系樹脂に添加し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温
度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧領域に押出
発泡して、発泡体を形成することにより製造される。
【0099】スチレン系樹脂と発泡剤などの添加剤を加
熱溶融混練する際の加熱温度、溶融混練時間および溶融
混練手段については特に制限するものではない。加熱温
度は、使用するスチレン系樹脂が溶融する温度以上であ
ればよいが、難燃剤などの影響も含め、樹脂の分子劣化
ができる限り抑制される温度、たとえば150〜260
℃程度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間あたりの
押出量、溶融混練手段などによって異なるので一概には
決定することができないが、スチレン系樹脂と発泡剤が
均一に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。ま
た溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機
などが挙げられるが、通常の押出発泡に用いられている
ものであれば特に限定はない。ただし、樹脂の分子劣化
をできる限り抑えるため、スクリュー形状については、
低剪断タイプのスクリューを用いる方が好ましい。
【0100】また、発泡成形方法も特に制限されない
が、例えば、スリットダイより圧力開放して得られた発
泡体をスリットダイと密着または接して設置した成形金
型および成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状
発泡体を成形する一般的な方法を用いることができる。
【0101】本発明の発泡体の厚さは特に制限されず、
用途に応じて適宜選択される。例えば、建材などの用途
に使用される断熱材の場合、好ましい断熱性、曲げ強度
および圧縮強度を付与せしめるためには、シートのよう
な薄いものよりも、通常の板状物のように厚さのあるも
のが好ましく、通常10〜150mm、好ましくは20
〜100mmである。また、本発明の発泡体の密度につ
いては、軽量でかつ優れた断熱性および曲げ強度、圧縮
強度を付与せしめるためには15〜50kg/m3であ
ることが好ましく、25〜35kg/m3であるのがさ
らに好ましい。
【0102】
【実施例】次に本発明の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造
方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに制限されるものではない。な
お、特に断らない限り「部」は重量部を、「%」は重量
%を表す。 1)押出発泡成形時スチレン系樹脂熱安定性及びリサイ
クル性 押出発泡成形時のスチレン系樹脂熱安定性を以下のよう
なモデル実験で評価した。樹脂混合物を口径30mmの
同方向回転ニ軸押出機(L/D=30)へ約5kg/h
rの割合で供給し、200℃に加熱して溶融ないし可塑
化、混練した。押出機の先端口金よりストランド形状で
大気中へ押し出し、水槽で冷却後ストランドカッターに
てペレット化した。このときの状況により押出発泡成形
時のスチレン系樹脂熱安定性を下記基準で評価した。 ◎:ストランドが安定して押し出され、スムーズにペレ
ット化できる。 ○:ストランド中に気泡が見られたり、ストランドの太
さが一定せずやや不安定となるものの、概ねスムーズに
ペレット化できる。 △:ストランドが発泡したり、粘度低下が低下し垂れた
りすることによりストランドが不安定となり、ペレット
化が困難である。 ×:粘度低下により先端口金より押し出された直後に樹
脂垂れを起こし、ストランド形状を維持できず、ペレッ
ト化できない。
【0103】また、上記の実験でペレットが得られた場
合、これを乾燥し、得られたペレットを上記と同条件で
再度押出機にて混練、ペレット化を試みた。この操作を
さらにもう一回繰り返し、合計3回目の押出状況によ
り、スチレン系樹脂のリサイクル性を下記基準で評価し
た。 ◎:押出3回目でもストランドが安定しておりスムーズ
にペレット化できる。 ○:ストランド中に気泡が見られたり、ストランドの太
さが一定せずやや不安定となるものの、押出3回目でも
概ねスムーズにペレット化できる。 △:ストランドが発泡したり、粘度低下が低下し垂れた
りすることによりストランドが不安定となり、押出3回
目ではペレット化が困難である。 ×:押出3回目または2回目以前に、粘度低下により先
端口金より押し出された直後に樹脂垂れを起こし、スト
ランド形状を維持できず、ペレット化できない。
【0104】2)発泡体密度 発泡体密度は、次の式:発泡体密度(g/cm3)=発泡体
重量(g)/発泡体体積(cm3)に基づいて求め、単位を
(kg/m3)に換算して示した。
【0105】3)熱伝導率 JIS A 9511に準じて測定した。測定には製造
後、表面から10mmの部分を削除した後、90日経過
した発泡体について行った。
【0106】4)燃焼性 JIS A 9511に準じて厚さ10mm、長さ20
0mm、幅25mmの試験片を用い、以下の基準で評価
した。測定は製造後、前記寸法に切削した後、7日経過
した発泡体について行った。
【0107】燃焼時間 ◎:消炎時間が5本すべて3秒以内となる ○:消炎時間が5本の内、少なくとも1本が3秒を越え
るが、残りの3本以上は3秒以内となる △:消炎時間が5本の内、少なくとも3本が3秒を越え
るが、残りの1本以上は3秒以内となる ×:消炎時間が5本すべて3秒を超える
【0108】燃焼距離 ◎:5本全てで限界線以内で停止する ○:5本の内、少なくとも1本は減少が限界線を越える
が、残りの3本以上は限界線以内で燃焼が停止する △:5本の内、少なくとも3本は燃焼が限界線を越える
が、残りの1本以上は限界線以内で燃焼が停止する ×:5本全てで燃焼が限界線を越える
【0109】燃焼状況 ◎:発泡剤の燃焼が全く見られない ○:発泡剤の燃焼が若干見られる △:発泡剤の燃焼が見られるが、全焼には至らない ×:発泡剤の燃焼も見られ、全焼する
【0110】5)小気泡面積率 気泡径0.25mm以下の気泡の発泡体の断面積あたり
の占有面積比を以下のようにして求めた。ここで、気泡
径0.25mm以下の気泡とは、円相当直径が0.25
mm以下の気泡とする。 a)走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、品番:S
−450)にて30倍に拡大して発泡体の縦断面を写真
撮影する。 b)撮影した写真の上にOHPシートを置き、その上に
厚さ方向の径が7.5mmよりも大きい気泡(実寸法が
0.25mmより大きい気泡に相当する)に対応する部
分を黒インキで塗りつぶして写しとる(一次処理)。 c)画像処理装置((株)ピアス製、品番:PIAS−
II)に一次処理画像を取り込み、濃色部分と淡色部分
を、即ち黒インキで塗られた部分か否かを識別する。 d)濃色部分のうち、直径7.5mm以下の円の面積に
相当する部分、即ち、厚さ方向の径は長いが、面積的に
は直径7.5mm以下の円の面積にしかならない部分を
淡色化して、濃色部分の補正を行う。 e)画像解析計算機能中の「FRACTAREA(面積
率)」を用い、画像全体に占める気泡径7.5mm以下
(濃淡で分割した淡色部分)の面積比を次式により求め
る。 小気泡占有面積比(%)=(1−濃色部分の面積/画像
全体の面積)×100
【0111】実施例1 ポリスチレン樹脂(A&Mスチレン(株)製、G940
1)100部に対して、加硫促進剤あるいはその類縁体
として、2−メルカプトベンゾチアゾール0.5部、安
定助剤としてステアリン酸バリウム0.25部、難燃剤
としてテトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル
3.0部、さらにタルク0.5部とからなる樹脂混合物
をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65m
mと口径90mmのものを縦に連結した押出機へ約70
kg/hrの割合で供給した。
【0112】前記口径65mmの押出機に供給した樹脂
混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練
し、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度
を120℃に冷却し、口径90mmの押出機の先端に設け
た厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金
より大気中へ押し出し、直方体状の押出発泡体を得た。
【0113】このとき発泡剤として、プロパン100%
からなる発泡剤をポリスチレン樹脂100部に対して4
部となるように、前記口径65mmの押出機の先端付近
(口径90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接続
される側の端部)から前記樹脂中に圧入した。押出発泡
成形安定性、得られた発泡体の特性を表1に示す。
【0114】実施例2〜17 加硫促進剤あるいはその類縁体、発泡剤の、種類と添加
量、および、場合によって安定助剤、ハロゲン系難燃
剤、含燐化合物等のその他の難燃剤の、種類と添加量
を、表1に示す値とした以外は、実施例1と同様にして
発泡体を得た。なお、2種以上の発泡剤を添加する場合
には、所定の添加量になるよう調整し、それぞれ、別々
のラインから押出機に圧入した。押出発泡成形安定性、
リサイクル性、並びに得られた発泡体の特性を表1に示
す。
【0115】比較例1〜4 加硫促進剤あるいはその類縁体を添加せず、添加剤を含
有しないもの、ハロゲン系難燃剤と安定助剤のみ添加し
たもの、ハロゲン系難燃剤と安定剤として強アルカリで
ある消石灰を用いたものに関して、発泡剤及び各種配合
剤の種類と添加量を表1に示す値とした以外は実施例1
〜17と同様にして発泡体を得た。押出発泡成形安定
性、リサイクル性、並びに得られた発泡体の特性を表1
に示す。
【0116】
【表1】
【0117】本発明の実施例である実施例1〜17と比
較例1〜4を比較して明らかなように、安定剤としてと
して加硫促進剤あるいはその類縁体を用いることによ
り、押出時のスチレン系樹脂劣化を抑制し、かつリサイ
クル性を向上しうることが判る。また、この傾向はハロ
ゲン系難燃剤を添加したときも変わらず、かつ、ハロゲ
ン系難燃剤としてハロゲン化芳香族アリルエーテル類を
用いた際には特に優れた難燃性を有する発泡体が安定し
て得られることが判る。
【0118】実施例18 ポリスチレン樹脂(A&Mスチレン(株)製、G940
1)100部に対して、加硫促進剤あるいはその類縁体
として、2−メルカプトベンゾチアゾール0.5部、安
定助剤としてステアリン酸バリウム0.25部、難燃剤
としてテトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル
3.0部、さらにタルク0.5部とからなる樹脂混合物
をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65m
mと口径90mmのものを縦に連結した押出機へ約70
kg/hrの割合で供給した。
【0119】前記口径65mmの押出機に供給した樹脂
混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練
し、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度
を120℃に冷却し、口径90mmの押出機の先端に設け
た厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金
より大気中へ押し出し、直方体状の押出発泡体を得た。
【0120】このとき発泡剤として、イソブタン67
%、ジメチルエーテル33%、トータル添加量をポリス
チレン樹脂100部に対して6部となるように、それぞ
れ別々のラインから前記口径65mmの押出機の先端付
近(口径90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接
続される側の端部)にて前記樹脂中に圧入した。押出発
泡成形安定性、得られた発泡体の特性を表2に示す。
【0121】実施例19〜30および比較例5〜8 加硫促進剤あるいはその類縁体、安定助剤、ハロゲン系
難燃剤、含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物、
発泡剤、添加剤の種類および添加量を表2に示す値とし
た以外は実施例18と同様にして発泡体を得た。
【0122】
【表2】
【0123】本発明の実施例である実施例19〜30と
比較例5〜8を比較して明らかなように、安定剤として
加硫促進剤あるいはその類縁体を用いることにより、押
出時のスチレン系樹脂劣化を抑制し、かつリサイクル性
を向上しうることが判る。また、この傾向はハロゲン系
難燃剤を添加したときも変わらず、かつ、ハロゲン系難
燃剤としてハロゲン化芳香族アリルエーテル類を用いた
際には、難燃性及び断熱性に優れた発泡体が安定して得
られることが判る。さらに、実施例を比較して判るよう
に、ハロゲン系難燃剤、含燐化合物、含窒素化合物、含
ホウ素化合物を各種組み合わせて併用することにより、
易燃性のイソブタンを発泡剤として用いた場合でも特に
優れた難燃性が得られる。
【0124】実施例31 ポリスチレン樹脂(A&Mスチレン(株)製、G940
1)100部に対して、加硫促進剤あるいはその類縁体
として、2−メルカプトベンゾチアゾール0.5部、安
定助剤としてステアリン酸バリウム0.25部、難燃剤
としてテトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル
3.0部、さらにベントナイト1部、AEROSIL
0.1部、タルク0.5部とからなる樹脂混合物をドラ
イブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65mmと口
径90mmのものを縦に連結した押出機へ約70kg/
hrの割合で供給した。
【0125】前記口径65mmの押出機に供給した樹脂
混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練
し、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度
を120℃に冷却し、口径90mmの押出機の先端に設け
た厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金
より大気中へ押し出し、直方体状の押出発泡体を得た。
【0126】このとき発泡剤として、イソブタン57
%、ジメチルエーテル29%、水14%、トータル添加
量をポリスチレン樹脂100部に対して7部となるよう
に、それぞれ別々のラインから前記口径65mmの押出
機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と反対側の
端部側に接続される側の端部)にて前記樹脂中に圧入し
た。押出発泡成形安定性、得られた発泡体の特性を表3
に示す。
【0127】実施例32〜42、比較例9〜12 加硫促進剤あるいはその類縁体、安定助剤、ハロゲン系
難燃剤、含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ素化合物、
発泡剤、添加剤の種類および添加量を表3に示す値とし
た以外は実施例31と同様にして発泡体を得た。
【0128】
【表3】
【0129】本発明の実施例である実施例32〜42と
比較例9〜12を比較して明らかなように、安定剤とし
て加硫促進剤あるいはその類縁体を用いることにより、
押出時のスチレン系樹脂劣化を抑制し、かつリサイクル
性を向上しうることが判る。また、この傾向はハロゲン
系難燃剤を添加したときも変わらず、かつ、ハロゲン系
難燃剤としてハロゲン化芳香族アリルエーテル類を用い
た際には、難燃性及び断熱性に優れた発泡体が安定して
得られることが判る。さらに、実施例を比較して判るよ
うに、ハロゲン系難燃剤、含燐化合物、含窒素化合物、
含ホウ素化合物を各種組み合わせて併用することによ
り、易燃性のイソブタンを発泡剤として用いた場合でも
特に優れた難燃性が得られる。さらに、発泡剤として水
を用いることにより、小気泡と大気泡が混在した気泡構
造が形成され、断熱性の更なる向上が図れることも判
る。
【0130】なお、実施例および比較例では、下記の化
合物を用いた。 ・加硫促進剤あるいはその類縁体 2−メルカプトベンゾチアゾール:大内新興化学工業
(株)製、ノクセラーM 2−メルカプトベンゾイミダゾール:大内新興化学工業
(株)製、ノクラックMB テトラメチルチウラムジスルフィド:大内新興化学工業
(株)製、ノクセラーTT 1、3−ジフェニルグアニジン:大内新興化学工業
(株)製、ノクセラーD ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛:大内新興化学工業
(株)製、ノクセラーPZ
【0131】・安定助剤 酸化亜鉛:堺化学(株)製 ステアリン酸バリウム:堺化学(株)製 4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニ
ルアミン:大内新興化学工業(株)製、ノクラックCD ・ハロゲン化芳香族アリルエーテル類 テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル:帝人
化成(株)製、ファイヤガード−3200
【0132】・ハロゲン系難燃剤 2,2−ビス[4’−(2,3−ジブロモプロポキシ)
−3’,5’−ジブロモフェニル]プロパン:アルベマ
ールコーポレーション製、SAYTEX HP−800 ヘキサブロモシクロドデカン:アルベマールコーポレー
ション製、SAYTEXHP−900
【0133】・含燐化合物 トリフェニルホスフェート:大八化学工業(株)、TP
P ポリリン酸アンモニウム:チッソ(株)製、TERRA
JU C60 ・含窒素化合物 イソシアヌル酸:四国化成(株)製、ICA−P、それ
自体は燃えない、分解点330℃、25℃における水へ
の溶解度0.3g/100g ・含ホウ素化合物 酸化ホウ素:三酸化二ホウ素 ユー エス ボラックス
製 ボリックオキサイド
【0134】・発泡剤 プロパン:イワタニ(株)、無臭プロパン イソブタン:三井化学(株)、イソブタン ジメチルエーテル:三井化学(株)、ジメチルエーテル 水:水道水 ・その他添加剤 ベントナイト:豊順鉱業(株)製、ベンゲル23 AEROSIL:日本アエロジル(株)製、AEROS
IL 消石灰:米庄石灰(株)製
【0135】
【発明の効果】本発明によれば、製造時樹脂の熱安定
性、断熱性、及びリサイクル性の良好なスチレン系樹脂
発泡体が得られる。特に、フロン系発泡剤を除く発泡剤
を使用した場合には、優れた環境適合性を付与すること
ができ、更に、特定の難燃剤を使用すれば良好な難燃性
を付与しうる。こうした点から、建築用断熱材の用途に
特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA32 AA32B AA32D AA33 AC31 AC33 AD02 AD13 AD16 AG03 AG10 BA32 BA34 BA36 BA37 BA38 BA43 BA75 BA95 CA22 DA03 DA18

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂を押出発泡してなるスチ
    レン系樹脂発泡体であって、安定剤として、加硫促進剤
    あるいはその類縁体を含有することを特徴とするスチレ
    ン系樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 難燃剤としてハロゲン系難燃剤を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂発泡
    体。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン系難燃剤がハロゲン化芳香
    族アリルエーテル類であることを特徴とする請求項2記
    載のスチレン系樹脂発泡体。
  4. 【請求項4】 発泡剤の一部または全部として、炭素数
    が3〜5である飽和炭化水素から選ばれる1種以上の化
    合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
  5. 【請求項5】 スチレン系樹脂発泡体中における発泡剤
    として、発泡剤全量に対して、炭素数が3〜5である飽
    和炭化水素から選ばれる少なくとも1種以上の化合物を
    100〜1重量%、および、他の発泡剤を0〜99重量
    %含有することを特徴とする請求項3記載のスチレン系
    樹脂発泡体。
  6. 【請求項6】 スチレン系樹脂発泡体中における発泡剤
    として、発泡剤全量に対して、炭素数が3〜5である飽
    和炭化水素から選ばれる少なくとも1種以上の化合物を
    発泡体100重量部に対して、1〜10重量部含有する
    ことを特徴とする請求項3〜4のいずれか1項記載のス
    チレン系樹脂発泡体。
  7. 【請求項7】 スチレン系樹脂100重量部に対して、
    安定剤として加硫促進剤あるいはその類縁体を0.01
    〜10重量部含有することを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
  8. 【請求項8】 前記加硫促進剤あるいはその類縁体が、
    アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、チオウ
    レア類、グアニジン類、チアゾール類、スルフェンアミ
    ド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、キサント
    ゲン酸塩類、メルカプトベンゾイミダゾール類から選ば
    れる少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発
    泡体。
  9. 【請求項9】 さらには安定助剤として、金属塩類、脂
    肪酸類、芳香族2級アミン類、キノリン類の群から選ば
    れる1種または2種以上の化合物を含有することを特徴
    とする請求項1〜8のいずれか1項記載のスチレン系樹
    脂発泡体。
  10. 【請求項10】 スチレン系樹脂100重量部に対し
    て、ハロゲン系難燃剤を0.1〜10重量部含有するこ
    とを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項記載のスチ
    レン系樹脂発泡体。
  11. 【請求項11】 炭素数が3〜5である飽和炭化水素か
    ら選ばれる少なくとも1種以上の化合物が、プロパン、
    n−ブタン、i−ブタンより選ばれる1種以上の飽和炭
    化水素であることを特徴とする請求項4〜10のいずれ
    か1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
  12. 【請求項12】 他の発泡剤が、ジメチルエーテル、ジ
    エチルエーテル、メチルエチルエーテル、塩化メチル、
    塩化エチル、水、二酸化炭素から選ばれる1種以上の化
    合物であることを特徴とする請求項4〜11のいずれか
    1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
  13. 【請求項13】 さらには、含燐化合物、含窒素化合
    物、含ホウ素化合物の群から選ばれる1種または2種以
    上の化合物を含有することを特徴とする請求項2〜12
    のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体。
  14. 【請求項14】 発泡体を形成する気泡が、主として気
    泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1mmの
    気泡より構成され、気泡径0.25mm以下の気泡が発
    泡体断面積あたり2〜90%の占有面積率を有すること
    を特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載のスチ
    レン系樹脂発泡体。
  15. 【請求項15】 スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡
    剤を該スチレン系樹脂に添加し、低圧域に押出発泡する
    スチレン系樹脂発泡体の製造方法であって、スチレン系
    樹脂に、加硫促進剤あるいはその類縁体を含有せしめ、
    さらに必要に応じて、炭素数が3〜5である飽和炭化水
    素から選ばれる1種以上の化合物、他の発泡剤、ハロゲ
    ン系難燃剤、および含燐化合物、含窒素化合物、含ホウ
    素化合物の群から選ばれる1種または2種以上の化合物
    を共存させて、押出発泡することを特徴とするスチレン
    系樹脂発泡体の製造方法。
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