JP2001322866A - アルミナ焼結体及びその製造方法並びに焼結アルミナ部材及び発光管 - Google Patents

アルミナ焼結体及びその製造方法並びに焼結アルミナ部材及び発光管

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JP2001322866A
JP2001322866A JP2000134953A JP2000134953A JP2001322866A JP 2001322866 A JP2001322866 A JP 2001322866A JP 2000134953 A JP2000134953 A JP 2000134953A JP 2000134953 A JP2000134953 A JP 2000134953A JP 2001322866 A JP2001322866 A JP 2001322866A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度・硬度、耐摩耗性、透光性、透明性、高
温特性等に優れたアルミナ焼結体、その製造方法、焼結
アルミナ部材、発光管を提供する。 【解決手段】 本発明のアルミナ焼結体は、(1)アル
ミナ結晶粒の平均粒径1.0μm以下かつ平均アスペク
ト比1.0〜1.5、密度3.98g/cm3以上、
(2)厚さ1mmにおいて透過率60%以上、(3)ア
ルミナ結晶粒の平均ファセット長700nm以下、
(4)厚さ0.5mmにおいて全透過率50%以上かつ
直線/全透過率の比が0.3以上、(5)3A族及び/
又は4A族(Tiを除く)金属酸化物を0.02〜2.
0mol%含み、密度3.98g/cm3以上、アルミ
ナ結晶粒の平均粒径0.3〜1.0μm、室温にて曲げ
強度800MPa以上かつビッカース硬度1900以
上、1000℃にて曲げ強度550MPa以上かつビッ
カース硬度850以上、の少なくとも一つを満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極く微細な組織を
有し強度及び硬度が大きくさらに耐摩耗性および/また
は透光性等にも優れるアルミナ焼結体、直線透過率が高
く透光性および透明性のいずれにも優れたアルミナ焼結
体、室温強度および高温強度のいずれにも優れたアルミ
ナ焼結体、及びそれらのアルミナ焼結体の製造方法に関
する。また本発明は、このアルミナ焼結体からなり、研
磨時に粒子が脱落し難く、表面粗さの小さい平滑な表面
を有する焼結アルミナ部材に関する。本発明のアルミナ
焼結体及び焼結アルミナ部材のうち耐摩耗性に優れるも
のは、高強度、高硬度、及び優れた耐摩耗性、耐食性等
が必要とされる構造部材などとして有用であり、切削工
具として特に好適であり、そのほか軸受け、骨頭等とし
て使用される。また、本発明のアルミナ焼結体のうち透
光性に優れるものは、発光管として特に好適であり、そ
のほか光コネクタ、発光管、高温用窓材等として使用さ
れる。
【0002】
【従来の技術】アルミナは熱的に安定であり、強度、硬
度等が大きく、耐摩耗性、耐食性等に優れたセラミック
スであり、現在、広範な用途において使用されている素
材の一種である。しかし、アルミナ焼結体からなる部材
では、表面の粒子が脱落し易く、この粒子の脱落を抑え
て耐摩耗性を更に向上させた部材が求められている。ま
た、従来の焼結アルミナ部材では、ラッピング若しくは
ポリッシングにより鏡面仕上げをしようとする場合に、
粒子の脱落により精密な鏡面を得ることが困難であっ
た。更に、この部材を軸受け等、大きな接触応力が発生
する用途に使用する場合には、粒子が脱落した部位に応
力が集中し、破壊が生じる恐れがある。
【0003】この研磨時の粒子の脱落を抑えるために
は、組織を微細化する、粒界相を少なくして純度を高く
する、及び残留気孔を減少させて密度を高くする等が有
効である。このような高純度、高密度アルミナ焼結体に
ついては、これまでに数多くの報告がなされているが、
それらのほとんどは透光性を向上させるために純度及び
密度を高くしたものであって、耐摩耗性等の検討は不十
分である。
【0004】一方、透光性アルミナ焼結体は、一般的な
ガラス材料等に比べて熱的安定性や化学的安定性に優れ
ていることから、高圧ナトリウムランプやメタルハライ
ドランプ等のHIDランプ用発光管、高温用窓材等とし
て多く使用されている。しかし、透光性が高くかつ強
度、硬度等に優れた透光性アルミナ焼結体、あるいはさ
らに耐摩耗性にも優れた透光性アルミナ焼結体を得るこ
とは困難であった。例えば、特開平3−285865号
公報には、純度が高く、透光性に優れたアルミナセラミ
ックスが記載されている。しかし、このアルミナセラミ
ックスでは曲げ強度が500MPa程度と十分ではな
い。また、特許第2729204号公報および特許第2
663191号公報には、強度および硬度の高いアルミ
ナセラミックスが開示されている。しかし、これらのア
ルミナセラミックスでは透光性が不十分であり、例えば
特許第2663191号公報に記載された実施例では、
試料厚さ1mmにおける透過率が50%未満である。
【0005】さらに、発光管や高温窓用材料として使用
するには、室温のみならず高温(例えば1000〜12
00℃)における高強度、高硬度等も要求される。ま
た、高強度、高硬度が達成されれば部材を薄型化するこ
とができ、透光性の点からも好ましい。しかし、上記従
来のアルミナセラミックスは高温における強度、硬度等
の検討が不十分であった。また、アルミナの結晶構造は
六方晶であり光学的異方性を有しているため、多結晶体
では結晶界面における屈折率変化により屈折や反射が生
じて光が散乱される。このため、従来の透光性アルミナ
は、透光性(光が透過することをいう。例えば磨りガラ
スのような状態。)は有するものの、透明性(光が散乱
されずに透過することをいう。例えば透明ガラスのよう
な状態。)の点ではいずれも不十分なものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決するものであり、微細な組織を有し強度及び
硬度が大きくさらに耐摩耗性および/または透光性等に
優れたアルミナ焼結体、直線透過率が高く透光性および
透明性のいずれにも優れたアルミナ焼結体、室温強度お
よび高温強度のいずれにも優れたアルミナ焼結体、及び
それらのアルミナ焼結体の製造方法を提供することを目
的とする。また本発明は、このアルミナ焼結体からな
り、より優れた耐摩耗性を備えるとともに、研磨時にお
いて、表面の粒子が脱落し難く、表面粗さの小さい平滑
な表面が形成され、接触応力等による損傷を受け難い焼
結アルミナ部材を提供することを目的とする。さらに、
上記アルミナ焼結体からなる発光管を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明のアルミナ焼結
体は、平均粒径が1.0μm以下であり、平均アスペク
ト比が1.0〜1.5であるアルミナ結晶粒からなり、
密度が3.98g/cm3以上であることを特徴とす
る。
【0008】また、第2発明のアルミナ焼結体は、平均
粒径1.0μm以下のアルミナ結晶粒からなり、密度が
3.98g/cm3以上であって、厚さ1mmのときの
可視光の透過率が60%以上であることを特徴とする。
【0009】アルミナ焼結体を構成する上記「アルミナ
結晶粒」の平均粒径は「1.0μm以下」であり、0.
3〜1.0μmであることが好ましく、0.3〜0.7
μmであることが特に好ましい。アルミナ結晶粒の平均
粒径が1.0μmを超える場合は、焼結体の強度及び硬
度が小さくなり、耐摩耗性等も低下する。また、この焼
結体を用いて部材とした場合に、研磨にともなう粒子の
脱落を生じ、接触応力等による損傷を受け易くなる。
尚、アルミナ結晶粒の平均粒径が0.3μm未満(例え
ば0.05μm以上0.3μm未満)であっても、強
度、硬度及び耐摩耗性、透光性等の物性には特に問題は
ない。しかし、そのような微粒子は安価な原料粉末を用
いて生成させることが難しく、得られる焼結体がコスト
高になる。
【0010】また、上記「アルミナ焼結体」の密度は
「3.98g/cm3以上」であり、特に3.99g/
cm3以上(上限は得られるアルミナ焼結体の理論密度
である。)であることが好ましい。この密度が3.98
g/cm3未満である場合は、焼結体の緻密化が不十分
となり、強度、硬度が小さくなって、耐摩耗性、透光性
等も低下する。
【0011】第1発明または第2発明のアルミナ焼結体
は、このように平均粒径1.0μm以下という超微細組
織からなり、かつ密度が3.98g/cm3以上と十分
に緻密化されている。これにより、例えば第5発明のよ
うに、室温における曲げ強度が800MPa以上(より
好ましくは830MPa以上、上限は特に限定されない
が通常は1100MPa程度)であり、かつビッカース
硬度が1900以上(より好ましくは2000以上、さ
らに好ましくは2100以上、上限は特に限定されない
が通常は2200程度)のものとすることができ、広範
な用途において使用することができる優れた特性を備え
るものである。
【0012】そして、第1発明のアルミナ焼結体は、ア
ルミナ結晶粒の平均アスペクト比が「1.0〜1.5」
であることにより、高い強度および硬度に加えて耐摩耗
性等にも優れる。このアスペクト比は1.0〜1.35
であることが特に好ましい。平均アスペクト比が1.5
を超える場合は、焼結体の耐摩耗性等が低下する。更
に、この焼結体を用いて部材とした場合に、研磨にとも
ない表面からの粒子の脱落を生じ、接触応力等による損
傷を受け易くなる。
【0013】また、第2発明のアルミナ焼結体は、厚さ
1mmのときの可視光の透過率が60%以上(より好ま
しくは65%以上、さらに好ましくは70%以上)とい
う優れた透光性を有する。このアルミナ焼結体を構成す
るアルミナ結晶粒の平均アスペクト比は1.0〜1.5
(より好ましくは1.0〜1.35)であることが好ま
しい。この場合には、優れた透光性に加えて耐摩耗性に
も優れたアルミナ焼結体とすることができる。この透過
率は、例えば実施例1に記載の方法により測定すること
ができる。
【0014】なお、第1発明または第2発明のアルミナ
焼結体は、焼結助剤を使用することなく製造されたもの
であることが好ましい。このアルミナ焼結体に占めるア
ルミナの割合(すなわち、焼結体中におけるアルミナの
純度)は、99.9%以上であることが好ましく、9
9.95%以上であることがより好ましく、99.99
%以上であることがさらに好ましい。
【0015】第3発明のアルミナ焼結体は、焼結体を構
成するアルミナ結晶粒の平均ファセット長が700nm
以下であることを特徴とする。この平均ファセット長は
500nm以下であることが好ましく、400nm以下
であることがさらに好ましい。平均ファセット長は、透
明性の観点からは小さいほど好ましいが、製造コストを
考慮すると通常は100nm以上が好ましい。また、平
均ファセット長が100nm以下では粒界拡散による高
温クリープ変形が起こりやすくなるため、高温での使用
時の特性を重視する場合には100nm以上とすること
が好ましい。アルミナ結晶粒の平均ファセット長がこの
範囲である場合には、透明性(光が散乱されずに透過す
ることをいう。)に優れたアルミナ焼結体とすることが
できる。また、点光源ランプに応用する場合、透過光に
占める散乱光の割合が少ないこと(全透過率に対する直
線透過率の比が大きいこと)が好ましい。
【0016】平均ファセット長を上記範囲とすることに
より、例えば第4発明のように、厚さ0.5mmのと
き、可視光の全透過率が50%以上であり、かつ全透過
率に対する直線透過率の比が0.3以上であるという、
透光性および透明性のいずれにも優れたアルミナ焼結体
とすることができる。このアルミナ焼結体の全透過率
は、より好ましい条件では60%以上、さらに好ましい
条件では70%以上、特に好ましい条件では75%以上
とすることができる。また、直線透過率は15%以上と
することができ、より好ましい条件では20%以上、さ
らに好ましい条件では30%以上、特に好ましい条件で
は40%以上とすることができる。そして、全透過率に
対する直線透過率の比は、より好ましい条件では0.3
5以上、さらに好ましい条件では0.4以上、特に好ま
しい条件では0.5以上とすることができる。
【0017】ここで、アルミナ結晶粒の「ファセット
長」とは、図6(a)、(b)に示すように、焼結体中
において粒界で囲まれた多面体となっているアルミナ結
晶粒の、該多面体を構成する各面の有する各辺の長さを
いう。この辺の長さは例えばSEM写真から測定するこ
とができる。そして「平均ファセット長」とは、複数
(好ましくは100粒以上)のアルミナ結晶粒において
各辺の長さを測定し平均したものをいう。ただし、ここ
で「ファセット」とは、「多面体を構成する面」という
意味である。また、図7に示すように、「直線透過率」
とは散乱角δが0.5°以下(検出器開口角1°以下)
となる透過光をIとして算出した透過率を、「全透過
率」とは散乱角δがほぼ90°以内の透過光をIとして
算出した透過率をいう。
【0018】第3発明または第4発明のアルミナ焼結体
は、上記ファセット長または上記全透過率および直線透
過率/全透過率の比を満たす限りにおいて、その気孔
率、純度等は特に限定されず(屈折率変化を伴う粒界第
二層を生じない程度の気孔率および純度とすることが好
ましい)、例えばアルミナ以外にMgO、希土類(Y、
Yb等)酸化物、ZrO2、各種添加剤等を含有するこ
とができる。また、このアルミナ焼結体は、平均粒径
1.0μm以下(より好ましくは0.3〜1.0μm、
さらに好ましくは0.3〜0.7μm)かつ平均アスペ
クト比1.0〜1.5(より好ましくは1.0〜1.3
5)のアルミナ結晶粒から構成されることが好ましく、
その密度は3.98g/cm3以上(より好ましくは
3.99g/cm3以上)であることが好ましい。平均
粒径および密度が上記範囲であると、透光性および透明
性に優れるとともに、耐摩耗性にも優れたアルミナ焼結
体とすることができる。
【0019】第6発明のアルミナ焼結体は、3A族金属
酸化物および4A族金属(ただしTiを除く)酸化物か
ら選択される一種以上の金属酸化物をアルミナに対して
0.02〜2.0mol%含み、密度が3.98g/c
3以上、アルミナ結晶粒の平均粒径が0.3〜1.0
μm、室温における曲げ強度が800MPa以上(より
好ましくは820以上、上限は特に限定されないが通常
は1100MPa程度)、ビッカース硬度が1900以
上(より好ましくは2000以上、さらに好ましくは2
100以上、上限は特に限定されないが通常は2250
程度)であり、かつ1000℃における曲げ強度550
MPa以上(より好ましくは570MPa以上、上限は
特に限定されないが通常は800MPa程度)、ビッカ
ース硬度が850以上(より好ましくは900以上、上
限は特に限定されないが通常は1500程度)であるこ
とを特徴とする。このアルミナ焼結体は、さらに120
0℃における曲げ強度が500MPa以上(より好まし
くは520MPa以上、上限は特に限定されないが通常
は700MPa程度)であるものとすることができる。
【0020】上記3A族金属酸化物における「3A族金
属」としては、Sc、Yおよびランタノイドが好ましく
用いられ、このうちSc、Y、La、Dy、Yb、Lu
がより好ましく、YおよびYbが特に好ましい。また、
上記4A族金属(ただしTiを除く)酸化物における
「4A族金属」としては、ZrおよびHfが好ましく用
いられ、Zrが特に好ましい。この3A族金属酸化物お
よび/または4A族金属(ただしTiを除く)酸化物の
含有量は、アルミナに対して0.02〜2.0mol%
(好ましくは0.05〜0.2mol%)の範囲とす
る。この含有量が0.02mol%未満では1000℃
の高温における強度または硬度が不足し、含有量が2.
0mol%を超えるとこの酸化物自身、この酸化物とア
ルミナとの化合物、もしくはこれら両方が粒界に偏析し
て焼結体の強度および硬度が低下する。また、焼結体の
原材料費を抑えるためには含有量を0.2mol%以下
とすることが好ましい。
【0021】このアルミナ焼結体を構成するアルミナ結
晶粒の平均粒径は0.3〜1.0μmであり、0.3〜
0.7μmであることが特に好ましい。アルミナ結晶粒
の平均粒径が1.0μmを超える場合には、室温におけ
る焼結体の強度及び硬度が小さくなる。一方、アルミナ
結晶粒の平均粒径が0.3μm未満であると、3A族金
属酸化物および/または4A族金属(ただしTiを除
く)酸化物の添加効果が現れず、高温における焼結体の
強度および硬度が小さくなる。また、そのような微粒子
は安価な原料粉末を用いて生成させることが難しく、得
られる焼結体がコスト高になる。また、上記アルミナ焼
結体の密度は「3.98g/cm3以上」であり、特に
3.99g/cm3以上(上限は得られるアルミナ焼結
体の理論密度である。)であることが好ましい。
【0022】第6発明のアルミナ焼結体は、平均アスペ
クト比1.0〜1.5(より好ましくは1.0〜1.3
5)のアルミナ結晶粒からなるものとすることができ
る。この場合には、室温および高温における強度、硬度
に加えて、耐摩耗性にも優れた焼結体となるため好まし
い。また、この焼結体は平均ファセット長が700nm
以下(より好ましくは500nm以下、さらに好ましく
は400nm以下)のアルミナ結晶粒から構成されるも
のとすることができる。この場合には、室温および高温
における強度、硬度に加えて、透光性および透明性にも
優れた焼結体となるため好ましい。
【0023】第7発明は、第1〜第6発明のアルミナ焼
結体の製造方法であって、平均粒径が1.0μm以下で
あり純度が99.99%以上であるアルミナ粉末を所定
形状に成形した後、焼成して3.77〜3.91g/c
3の密度を有する一次焼結体とし、次いで、該一次焼
結体に熱間静水圧プレス(以下、「HIP」と略す。)
処理を施して3.98g/cm3以上の密度を有する二
次焼結体とすることを特徴とする。第8発明は、第1〜
第6発明のアルミナ焼結体の製造方法であって、平均粒
径が1.0μm以下であり純度が99.99%以上であ
るアルミナ粉末を所定形状に成形した後、焼成して理論
密度に対する相対密度が94.5〜98.0%である一
次焼結体とし、次いで、該一次焼結体に熱間静水圧プレ
ス処理を施して理論密度に対する相対密度が99.8%
以上の二次焼結体とすることを特徴とする。
【0024】また、第9発明は、第1〜第6発明のアル
ミナ焼結体の製造方法であって、平均粒径が1.0μm
以下であり純度が99.99%以上であるアルミナ粉末
を所定形状に成形した後、1225〜1275℃で焼成
して一次焼結体とし、次いで、該一次焼結体に温度11
00〜1250℃、圧力500〜2000kg/cm 2
のHIP処理を施して二次焼結体とすることを特徴とす
る。第10発明は、平均粒径が1.0μm以下であり純
度が99.99%以上であるアルミナ粉末および他の原
料粉末の混合物を所定形状に成形した後、1225〜1
360℃で焼成して一次焼結体とし、次いで、該一次焼
結体に温度1100〜1350℃、圧力500〜200
0kg/cm2の熱間静水圧プレス処理を施して二次焼
結体とすることを特徴とする。
【0025】第9発明の製造方法は、焼結助剤を使用す
ることなくアルミナ焼結体を製造する場合に適した方法
であって、第1〜第4発明のアルミナ焼結体の製造に特
に好ましく適用される。なお、第7発明、第8発明、お
よび第9発明の方法において、アルミナ粉末以外に他の
原料粉末をも使用する場合には、アルミナ粉末および他
の原料粉末の混合物を所定形状に成形すればよい。
【0026】一方、第10発明の製造方法は、MgO等
の焼結助剤を用いてアルミナ焼結体を製造する場合や、
3A族金属酸化物および/または4A族金属(ただしT
iを除く)酸化物を含有するアルミナ焼結体を製造する
場合に適した方法であって、第3〜第6発明のアルミナ
焼結体の製造に好ましく適用される。なお、第10発明
の方法によって第6発明のアルミナ焼結体を製造する場
合、アルミナ粉末とともに成形される「他の原料粉末」
としては、3A族金属酸化物および/または4A族金属
(ただしTiを除く)酸化物の粉末を用いてもよく、ま
た焼結後に3A族金属酸化物および/または4A族金属
(ただしTiを除く)酸化物となる化合物(例えば金属
アルコキシド等の有機金属化合物)の粉末でもよく、こ
れらを併用してもよい。
【0027】第7〜第10発明において、上記「アルミ
ナ粉末」の平均粒径は「1.0μm以下」であり、0.
2〜0.7μmであることが好ましい。この平均粒径が
1.0μmを超える場合は、得られる焼結体の強度及び
硬度が小さくなり、耐摩耗性等も低下する。尚、アルミ
ナ粉末の平均粒径が0.2μm未満であっても、所要物
性を備えるアルミナ焼結体とすることができるが、その
ような微粉末は高価であり、得られるアルミナ焼結体が
コスト高になる。
【0028】第7発明において、上記「一次焼結体」の
密度が3.77g/cm3未満であると、HIP処理を
施した後の上記「二次焼結体」の密度を3.98g/c
3以上とすることができず、十分に緻密化されたアル
ミナ焼結体とすることができない。一方、一次焼結体の
密度が3.91g/cm3を超える場合は、一次焼結に
おいて粒成長が生じ、アルミナ焼結体の強度等が低下す
る。この一次焼結体の密度が3.77〜3.91g/c
3、特に3.80〜3.88g/cm3の範囲にあれ
ば、この一次焼結体にHIP処理を施すことによって、
緻密度が高く、強度、硬度が大きく、所要特性を備える
二次焼結体(本発明のアルミナ焼結体)とすることがで
きる。
【0029】また、第8発明において、上記「一次焼結
体」の相対密度(理論密度に対する割合をいう。)が9
4.5%未満であると、HIP処理を施した後の上記
「二次焼結体」の相対密度を99.8%以上とすること
ができず、十分に緻密化されたアルミナ焼結体とするこ
とができない。一方、一次焼結体の相対密度が98.0
%を超える場合は、一次焼結において粒成長が生じ、ア
ルミナ焼結体の強度等が低下する。この一次焼結体の相
対密度が94.5〜98.0%(より好ましくは95.
5〜97.5、さらに好ましくは96.0〜97.0
%)の範囲にあれば、この一次焼結体にHIP処理を施
すことによって相対密度99.8%以上(より好ましく
は99.9%以上であり、100.0.%であることが
更に好ましい。)という、緻密度が高く、強度、硬度が
大きく、所要特性を備える二次焼結体(本発明のアルミ
ナ焼結体)とすることができる。
【0030】第9発明において、焼成温度は「1225
〜1275℃」であり、1240〜1260℃とするこ
とが好ましい。第10発明においては、焼成温度は「1
225〜1360℃」であり、1240〜1320℃と
することが好ましい。焼成温度が上記範囲未満である
と、一次焼結体の密度を十分に高くすることができず、
HIP処理を施しても十分に緻密化された二次焼結体と
することができない。一方、焼成温度が上記範囲を超え
る場合は、一次焼結時に粒成長、更には異常粒成長を生
じ、得られるアルミナ焼結体の強度、硬度等が低下す
る。焼成は大気雰囲気等、酸化雰囲気において行うこと
ができ、焼成温度における保持時間は0.5〜5時間、
特に1〜3時間程度とすることができる。
【0031】また、第9発明において、HIP処理の温
度は「1100〜1250℃」であり、1125〜12
25℃であることが好ましい。第10発明においては、
HIP処理の温度は「1100〜1350℃」であり、
1200〜1300℃であることが好ましい。第9およ
び第10発明において、HIP処理の圧力は「500〜
2000kg/cm2」であり、1000〜2000k
g/cm2であることが好ましい。HIP処理の温度及
び/又は圧力が上記範囲未満であると、十分に緻密化さ
れた二次焼結体とすることができず、アルミナ焼結体の
強度、硬度等が低下する。一方、この処理温度が上記範
囲を超える場合は、二次焼結体における粒成長、更には
異常粒成長を生じ、得られるアルミナ焼結体の強度等が
低下する。なお、HIP処理の圧力は、2000kg/
cm2を超える場合も所要物性を備えるアルミナ焼結体
を作製することができるが、得られる焼結体がコスト高
となる。このHIP処理は窒素、アルゴン等、不活性雰
囲気において行うことができ、処理温度及び圧力を保持
する時間は0.5〜3時間、特に1〜2時間程度とする
ことができる。
【0032】第11発明の焼結アルミナ部材は、第1〜
第6発明のアルミナ焼結体からなる焼結アルミナ部材で
あって、該焼結アルミナ部材を研磨した場合に、研磨面
においてアルミナ結晶粒の粒子脱落部分の面積割合が1
%以下であることを特徴とする。また、第12発明の焼
結アルミナ部材は、第1〜第6発明のアルミナ焼結体か
らなる焼結アルミナ部材であって、該焼結アルミナ部材
の研磨面における中心線平均粗さ(Ra)が0.002
〜0.020μmであり、最大高さ(Rmax)が0.
01〜0.30であることを特徴とする。
【0033】第11及び第12発明は、第1〜第6発明
のアルミナ焼結体からなる部材を研磨した際、その表面
においてアルミナ結晶粒の粒子脱落が起こり難く、表面
粗さが小さいことを表したものである。第11発明にお
いて、粒子脱落部分の面積割合が1%を超える場合は、
部材に加わる接触応力等によって損傷し易くなる。この
面積割合が0.7%以下、特に0.5%以下であれば、
平滑な表面を有し、大きな接触応力等を受けた場合にも
損傷することがない部材とすることができる。
【0034】第12発明において、Raが0.020μ
mを超え、及び/又はRmaxが0.30μmを超える
と、粗さの程度が激しい部位に応力が集中し、ここを起
点として破壊を生ずる。Raが0.002〜0.015
μm、特に0.002〜0.008μmであり、また、
Rmaxが0.01〜0.20μm、特に0.01〜
0.10μmであれば、応力の集中が抑えられ、より強
度の大きいアルミナ部材とすることができるので好まし
い。
【0035】第13発明の発光管は、第1〜第6発明の
アルミナ焼結体からなることを特徴とする。第1〜第6
発明のアルミナ焼結体は、透光性および透明性に優れる
ものとすることができるので、発光管としての用途に好
適である。また、室温および高温における強度、硬度の
高い焼結体とすることができることから、発光管の厚み
を小さくしても必要な強度および硬度を得ることがで
き、これにより発光管としての透光性および透明性がさ
らに向上する。
【0036】なお、第1〜第6発明のアルミナ焼結体
は、室温および高温における強度、硬度の高い焼結体と
することができ、さらに耐摩耗性に優れたものとするこ
とができるので、切削工具として好適である。
【0037】本発明のアルミナ焼結体の切削工具として
の使用につきさらに説明する。製造効率を向上させるた
めに切削速度を上げると、この高速切削化により刃先温
度が上昇する。このため、切削工具には優れた高温硬
度、強度および耐溶着性が要求される。また、焼き入れ
鋼等の高硬度材(難削材)の加工においても刃先温度が
上昇するため、同様に高温における硬度、強度および耐
溶着性が必要となる。したがって、本発明のアルミナ焼
結体を切削工具として用いる場合には、1000℃にお
けるビッカース硬度が850以上、1200℃における
曲げ強度が500MPa以上とすることがさらに好まし
い。また、希土類元素から選択される一種以上の金属酸
化物をアルミナに対して0.02〜2.0mol%含む
アルミナ焼結体、さらに、試料厚さ0.5mmのときの
可視光の全透過率が30%以上であるアルミナ焼結体
も、切削工具としての使用に適している。
【0038】例えば、本発明のアルミナ焼結体のうち、
3A族金属酸化物および4A族金属(ただしTiを除
く)酸化物から選択される一種以上の金属酸化物をアル
ミナに対して0.02〜2.0mol%含み、密度が
3.98g/cm3(理論密度に対する相対密度が9
9.9%)以上、アルミナ結晶粒の平均粒径が0.3〜
1.0μm、1000℃におけるビッカース硬度が85
0以上、かつ1200℃における3点曲げ強度が500
MPaであるアルミナ焼結体からなる切削工具は、高温
強度、高温硬度に優れるため、高速切削、難削材の加工
等に好適に用いることができる。さらに、室温における
曲げ強度およびビッカース硬度がそれぞれ750MPa
以上および1900以上であることが好ましい。
【0039】上記3A族金属酸化物における「3A族金
属」としては、Sc、Yおよびランタノイドが好ましく
用いられ、このうちSc、Y、La、Dy、Yb、Lu
がより好ましく、YおよびYbが特に好ましい。また、
上記4A族金属(ただしTiを除く)酸化物における
「4A族金属」としては、ZrおよびHfが好ましく用
いられ、Zrが特に好ましい。この3A族金属酸化物お
よび/または4A族金属(ただしTiを除く)酸化物の
含有量は、アルミナに対して0.02〜2.0mol%
(好ましくは0.05〜0.2mol%)の範囲とす
る。この含有量が0.02mol%未満ではこれら添加
剤(酸化物)の添加効果が現れず1000℃の高温にお
ける強度または硬度が不足する。一方、含有量が2.0
mol%を超えるとこの酸化物自身、この酸化物とアル
ミナとの化合物、もしくはこれら両方が粒界に偏析して
焼結体の室温や高温における強度および硬度が低下す
る。高温強度および高温硬度が低下すると、高硬度材切
削、高速切削による工具刃先温度の上昇にともない硬
度、強度の低下が著しくなり、硬度の低下は摩耗量の増
大を、高温強度の低下はフレーキング等を引き起し、工
具寿命が短くなるので好ましくない。
【0040】このアルミナ焼結体を構成するアルミナ結
晶粒の平均粒径は0.3〜1.0μmであり、0.3〜
0.7μmであることが特に好ましい。アルミナ結晶粒
の平均粒径が1.0μmを超える場合には、室温におけ
る焼結体の強度及び硬度が小さくなる。一方、アルミナ
結晶粒の平均粒径が0.3μm未満であると、安価な原
料粉末を用いて(例えば、焼成−HIP処理といった量
産手法により)生成させることが難しく、得られる焼結
体がコスト高になる。さらに、平均粒径が0.1μm未
満となると、粒界拡散によるクリープ変形が生じやすく
なるため、高温硬度、強度が低下することとなる。ま
た、残留気孔は破壊起点となり焼結体強度の劣化をもた
らすため、切削工具としてのアルミナ焼結体は緻密な焼
結体とする必要がある。このため、上記アルミナ焼結体
の密度は少なくとも「3.98g/cm3以上」であ
り、特に3.99g/cm3以上であることが好まし
い。焼結体密度の上限は、得られるアルミナ焼結体の理
論密度であるただし、焼結体の理論密度は添加剤の種類
および量により若干異なるため、相対密度として99.
9%以上であることが好ましい。
【0041】破壊起点および高温特性劣化の原因となる
ような気孔および粒界析出物の存在が非常に少なくなる
と、気孔や粒界介在物による可視孔の散乱、吸収が少な
くなるため、焼結体が透光性を示すようになる。すなわ
ち、焼結体があるレベル以上の透光性を有することによ
り、この焼結体中に気孔や介在物が少ないこと、したが
って気孔や介在物による特性への悪影響が少ないことが
保証される。この透光性のレベルとしては、試料厚み
0.5mmとし、試料をRa<0.02μmに鏡面研磨
したときの可視光における全透過率が30%以上となる
程度が好ましく、より好ましくは50%以上である。こ
のように透光性を有する切削工具とすることにより、製
造バラツキ等により生じる内部欠陥や夾雑物等を容易に
発見できるので、製品の信頼性が向上する。さらに、使
用開始後において切削工具に生じた異常等を発見しやす
いという利点もある。
【0042】(作用)本発明のアルミナ焼結体の製造方
法は、粒径が小さく、純度の高いアルミナ粉末を低温で
焼成して一次焼結体を得た後、この一次焼結体に対して
特定条件(特定の温度および圧力)でHIP処理を施す
ものである。特に、原料粉末としてアルミナ粉末を単独
で(すなわち、焼結助剤をほとんど、あるいは全く使用
せずに)用いて得られるアルミナ焼結体は、ほぼ理論密
度にまで繊密化され、かつ極く微細な組織を有し、強度
および硬度の高いものとなる。また、原料粉末として、
特定の金属酸化物または焼成後にこの特定の金属酸化物
となる化合物の粉末を、アルミナ粉末に対して所定の割
合で使用して得られるアルミナ焼結体は、室温のみなら
ず高温においても強度および硬度の高いものとなる。さ
らに、第1発明のようにアルミナ結晶粒の平均アスペク
ト比を所定範囲とすることにより、耐摩耗性にも優れた
アルミナ焼結体および焼結アルミナ部材とすることがで
きる。以下、この作用について更に説明する。
【0043】アルミナの結晶構造は六方晶であり、a軸
とc軸の熱膨張係数や弾性率等の各種特性が異なってい
る。アルミナ結晶粒のa軸とc軸の熱膨張係数が異なる
ことより、焼成後の冷却時において粒界に残留応力が生
じることとなる。この残留応力は、焼結体中のアルミナ
粒子の粒径、及びアスペクト比が大きくなるに従って増
大する。このため、粒径、アスペクト比が大きくなると
残留応力により、粒界が破壊され易くなり、粒子脱落す
るものと考えられる。また、アルミナ結晶粒はa軸とc
軸で弾性率が異なる。このため、アルミナ焼結体に外部
から応力が加わった場合、粒界部分への応力集中が生
じ、粒界近傍で破壊が生じ易くなると考えられる。本発
明では、焼結体中のアルミナ結晶粒子の平均粒径、平均
アスペクト比をともに特定値以下にすることにより、焼
結体中の残留応力及び応力集中が抑制され、強度、耐摩
耗性等に優れたアルミナ焼結体としている。
【0044】また、これまでの焼結アルミナ部材では、
ラッピング或いはポリッシングの際に粒子が脱落し易
く、十分に平滑な鏡面とすることが困難であった。しか
し、本発明の焼結アルミナ部材では、粒界における残留
応力が抑えられているため、ラッピング及びポリッシン
グ等の研磨の際、粒子の脱落を生じ難く、精密な鏡面仕
上げが可能である。更に、軸受け等、大きな接触応力が
生ずる用途においては、粒子が脱落した部位に応力集中
することにより破壊が生ずる場合がある。しかし、本発
明の焼結アルミナ部材では、粒子脱落等の欠陥が少ない
ため、大きな接触応力が発生するような軸受け等として
使用しても破壊が十分に抑えられ、信頼性の高い部材と
することができる。
【0045】一方、一次焼結体を得る際において低温
(例えば1225〜1275℃、好ましくは1240〜
1260℃)で焼成する等の方法で、粒成長を抑制し、
密度を低く(例えば3.77〜3.91g/cm3、好
ましくは3.80〜3.88g/cm3)抑えることに
より、あるいは理論密度に対する相対密度を低く(例え
ば94.5〜98.0%、好ましくは95.5〜97.
5%、さらに好ましくは96.0〜97.0%)抑える
ことにより、残留気孔が小さくしかも粒界にのみ分布し
た一次焼結体とすることができる。このような一次焼結
体を所定の条件でHIP処理すると、残留気孔が容易に
排出される(消失する)ので、透光性に優れた二次焼結
体を得ることができる。しかもこの方法によると、焼結
体を構成するアルミナ結晶粒の平均粒径を1μm以下に
抑えることができるので、高強度および高硬度をも兼ね
備えた透光性アルミナ焼結体が得られる。
【0046】さらに、第3発明のようにアルミナ結晶粒
の平均ファセット長を所定範囲とすることにより、第4
発明のように、可視光に対する透光性が高くかつ透明性
の高いアルミナ焼結体とすることができる。以下、この
作用について更に説明する。
【0047】従来の技術では、粒界偏析および気孔を除
去しさらに粒成長により粒界を少なくすることにより透
光性を向上させるものが多かった。しかし、αアルミナ
は六方晶系であるため、本質的にa軸とc軸の屈折率が
異なっており、粒界の数を減らした場合にもこの粒界に
おける散乱は避けられない。このため、従来の透光性ア
ルミナ(αアルミナ)は一般に、全透過率(拡散透過
率)が比較的高いものであっても、粒界もしくは表面部
分での散乱のため磨りガラス状に白濁しており、焦点を
結ばせるための点光源(プロジェクタ用ランプ等)や、
光学窓材等の用途には不適当なものであった。本発明者
は、アルミナ結晶粒のファセット長を可視光の波長(3
80nm〜780nm)と同等以下とすることにより、
全透過率が高くかつこの全透過率に対する直線透過率の
高いアルミナ焼結体、すなわち従来の磨りガラス状では
なくガラスのような透明性を示すアルミナ焼結体となる
ことを見出した。
【0048】本発明のアルミナ焼結体が透明性に優れる
理由は以下のように推察される。焼結体中のアルミナ結
晶粒は多面体形状をしており、その粒界は比較的平坦な
面(ファセット)となっている。隣り合うアルミナの結
晶方位は異なっているため、この粒界面は屈折率変化を
伴う。また、各粒界面によって結晶方位の関係は異なる
ため、屈折率変化の具合も異なることとなる。そこで本
発明者は、光の透過挙動においてこのファセットの大き
さが重要であると考え、ファセット長さと透過率との関
係について検討を行ったところ、ファセットの大きさを
可視光の波長と同程度あるいはそれ以下とすることによ
り全透過率に対する直線透過率の比が大幅に向上するこ
とを見出した。これは、図6(b)に示すように、光の
波としての性質から、ファセット長が波長と同程度以下
にまで短くなると光の顕著な散乱が抑制されるためと推
察される。従って、ファセット長は波長に対して短いほ
どよいと考えられるが、アルミナ結晶粒におけるa軸お
よびc軸の屈折率はそれぞれ1.760および1.76
8であり、その屈折率の差は0.008とそれほど大き
くはない。このため、通常はファセット長を700nm
以下とすれば実用上十分な透明性が得られる。
【0049】これに対して従来の透光性アルミナは、ア
ルミナ結晶粒の平均粒径が例えば数μm〜数十μmと非
常に大きいものが多く、このような平均粒径では平均フ
ァセット長は必然的に第3発明の範囲を逸脱するほど長
くなる。この場合には、光の波長に対してファセットが
十分に大きいため、図6(a)に示すように、ファセッ
トにおいて大きな散乱が起こり、第4発明を満たすアル
ミナ焼結体を得ることはできない。また、平均粒径が比
較的小さいものであっても、例えばアルミナ結晶粒のア
スペクト比が比較的大きい場合には、平均ファセット長
が第3発明の範囲よりも大きくなる可能性がある。この
ように、アルミナ結晶粒の平均粒径のみならず「平均フ
ァセット長」に着目し、この平均ファセット長を所定値
以下に制御することによりアルミナ焼結体の透明性が向
上して第4発明のように透光性および透明性に優れたア
ルミナ焼結体となることは、本発明者により初めて見出
されたものである。
【0050】第3発明または第4発明のアルミナ焼結体
は、直線透過光に対して散乱光が少ないため、光学系の
設計が容易になりシャープな焦点を結ぶことができ、ま
たガラスのような透明性を有する。これらの特長から、
データプロジェクターやプロジェクターTV等の光源
用、光学窓材等として好適である。
【0051】また、第6発明において、3A族金属酸化
物および/または4A族金属(ただしTiを除く)酸化
物を添加することにより高温における強度および硬度が
向上する理由は必ずしも明らかではないが、おそらくこ
れらの酸化物は粒界に偏析し、粒界の結合力を高めてい
るものと推察される。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を更
に詳しく説明する。 (実施例1)この実施例は、アルミナ結晶粒の平均粒径
及び平均アスペクト比ならびにアルミナ焼結体の密度
と、このアルミナ焼結体の強度、硬度および透過性との
相関を検討したものである。平均粒径0.22μm、純
度99.99%以上のアルミナ粉末を、高純度アルミナ
球石(純度99.5%以上)を使用し、水を媒体として
湿式で解砕した。得られたスラリーを噴霧乾燥した後、
所定形状に成形し、この成形体を表1に記載の温度で焼
成し、次いで、この一次焼結体に対して表1に記載の温
度及び圧力でHIP処理を施した。なお、球石としてア
ルミナ純度99.5%以上のものを用いたので、球石の
摩耗による不純物の混入を低減できる。
【0053】焼成は大気雰囲気において行い、焼成温度
での保持時間は2時間とした。また、HIP処理はアル
ゴン雰囲気において行い、HIP処理温度及び圧力での
保持時間は1時間とした。尚、実験例8では、アルミナ
粉末に、このアルミナ粉末100mol%に対して0.
1mol%のNb25と0.07mol%のSiO2
を配合し、同様の操作で焼成し、HIP処理を施した。
得られたアルミナ焼結体について、焼成後の一次焼結体
の密度(「一次密度」ともいう。)、HIP処理後の二
次焼結体の密度(「HIP処理後密度」ともいう。)、
アルミナ結晶粒の平均粒径及び平均アスペクト比、なら
びに室温におけるアルミナ焼結体の曲げ強度、ビッカー
ス硬度および透過率を下記の方法によって測定した。そ
の結果を表1、表2に示す。
【0054】(1)焼成後の一次密度及びHIP処理後
の密度;JIS R 1634に定められたアルキメデ
ス法により測定した(数値はJIS Z 8401に従
って小数点以下2けたに丸めた。)。 (2)アルミナ結晶粒の平均粒径及び平均アスペクト
比;焼結体を鏡面研磨し、サーマルエッチングした後、
走査型電子顕微鏡写真を撮り、この写真を用いて画像処
理解析装置により算出し、各粒子の最大長さ(長径)の
算術平均値を平均粒径とした。また、この最大長さ(長
径)の方向と平行であって粒子と接する2本の直線間の
最短距離を求め、これを短径とした。この長径を短径で
除した値をアスペクト比として算出し、測定した全粒子
のアスペクト比の算術平均を平均アスペクト比とした。
測定した粒子は500個以上である。なお、試料4の平
均粒径を走査型電子顕微鏡写真からインターセプト法に
より求めたところ0.52μmであった。
【0055】(3)アルミナ焼結体の曲げ強度;JIS
R 1601に定められた曲げ強さ試験方法により、
室温における3点曲げ強度を測定した。 (4)アルミナ焼結体の硬度;JIS R 1610に
定められたビッカース硬さ試験方法により、荷重1kg
f(9.807N)で測定した。 (5)アルミナ焼結体の透過率;図5に示すように、鏡
面研磨後の厚さが1mmとなるように作製した試料3
を、開口部10mm角のスリット2、4の間に挟み、こ
れを照度計5(株式会社カスタム製、商品名「LUXM
ETER LX1334」)の上に置き、ハロゲンラン
プ1(色温度5500K)を用いて光を照射した。照度
計に試料を置かないときの照度を100、光を完全に遮
ったときの照度を0として、試料を置いたときの照度と
の比率を透過率として求めた。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】表1、表2の結果によれば、第1発明およ
び第2発明に含まれる実験例2〜5では、アルミナ結晶
粒の平均粒径が0.52〜0.60μm、平均アスペク
ト比が1.30〜1.37であり、焼結体の密度が3.
99g/cm3であって、平均粒径及び平均アスペクト
比が非常に小さく、且つ均一であって、緻密度が高いア
ルミナ焼結体が得られていることが分かる。また、この
ような焼結体であるため、その曲げ強度が850〜87
0MPa、ビッカース硬度が2105〜2140であっ
て、強度、硬度ともに優れたアルミナ焼結体であること
が分かる。さらに、透過率においても60〜70%と高
い値が得られた。
【0059】(実施例2)この実施例は、焼結体の表面
を特定の条件によって研磨し、研磨後の焼結体の粒子の
脱落の程度及び表面粗さを評価したものである。表1、
表2の実験例4、5、7及び8のアルミナ焼結体からな
る6(幅)×20(長さ)×4(高さ)mmの焼結体の
表面を、以下の条件で研磨し、次いで、条件で研磨
した後、100倍で(見え難い場合は200〜400倍
で)被研磨面の光学顕微鏡写真を少なくとも3視野撮
り、この視野に占める粒子脱落部分の面積を測定し、研
磨面積に対する面積割合を算出した。尚、この面積の測
定には画像解析装置等を用いることができる。結果を表
3に示す。 水を用いた湿式研磨[研磨材:粒度;45μm、ダイ
ヤモンドホイール(SD D45 J 100 B)、
研磨時間;10分] オイルを用いた湿式研磨(研磨剤:粒度;3μm、ダ
イヤモンドペースト、パンクロス上、研磨時間;10
分)
【0060】また、本発明に含まれる実験例4の被研磨
面の光学顕微鏡写真(倍率100倍)を図1に示す。こ
の写真の黒色部分が粒子脱落部分で、この粒子脱落部分
を画像処理(コントラストの強調、2階調化等)により
強調した画像を図2に示す。更に、本発明の範囲外であ
る実験例7の被研磨面の光学顕微鏡写真(倍率100
倍)を図3に、この写真の粒子脱落部分を画像処理(コ
ントラストの強調、2階調化等)により強調した画像を
図4に示す。
【0061】研磨後の焼結体の表面粗さは、表面粗さ測
定装置(JIS B 0651に規定された触針式表面
粗さ測定機)によって測定し、JIS B 0601に
準じてRa及びRmaxを求めた。測定の際、触針の先
端曲率半径は5μmのものを用いた。結果を表3に併記
する。
【0062】
【表3】
【0063】表3の結果によれば、第1発明に含まれる
実験例4、5では、粒子脱落部分の面積割合は0.02
〜0.04%であり、粒子の脱落はほとんど生じていな
い。また、Raは0.004〜0.005μm、Rma
xは0.077〜0.079μmであり、非常に平滑な
表面を有していることが分かる。一方、第1発明の範囲
外である実験例7では、粒子脱落部分の面積割合が2
0.56%であって粒子の脱落が激しく、実験例8でも
4.27%と相当に脱落している。また、これらの実験
例7、8では、Raは0.021μm以上、Rmaxは
0.504μm以上であり、表面が粗れていることが分
かる。これら第1発明のアルミナ焼結体からなる焼結ア
ルミナ部材と、第1発明の範囲外のアルミナ焼結体から
なる焼結アルミナ部材との、粒子の脱落の程度及び表面
粗さにおける相違は、図1、2と図3、4とを比較する
ことによっても明らかである。
【0064】(実施例3)この実施例は、実施例2にお
いて粒子の脱落の程度と表面粗さを検討した焼結アルミ
ナ部材について、その耐摩耗性を評価したものである。
耐摩耗性は、それぞれの焼結アルミナ部材を粒度45μ
mのダイヤモンドホイール(SD D45 J 100
B)に面圧1kg/cm2で5分間押し付けた場合の
摩耗量(表3では「摩耗深さ」と表記する。)により評
価した。尚、摩耗試験は水を用いた湿式法により行っ
た。試験片寸法は6(幅)×20(長さ)×4(高さ)
mmとした。結果を表4に示す。
【0065】(実施例4)この実施例は、実施例2にお
いて粒子の脱落の程度と表面粗さを検討した焼結アルミ
ナ部材について、その接触応力に対する耐性を評価した
ものである。損傷発生荷重は、それぞれの焼結アルミナ
部材の被研磨面に直径3/8インチの鋼球を押し当て、
荷重を増加させた場合に、部材に割れ等の損傷が発生す
る最小荷重を求めて評価した。結果を表4に併記する。
尚、荷重は500kgfまで増加させ、この荷重におい
て損傷が発生しない場合は、表4において「>500」
と表記する。
【0066】
【表4】
【0067】表4の結果によれば、第1発明に含まれる
実験例4、5では、摩耗深さが15〜18μmであり、
優れた耐摩耗性を有していることが分かる。一方、第1
発明の範囲外である実験例7、8では、摩耗深さは、実
験例4、5の20倍程度となっており、耐摩耗性に劣る
ことが分かる。
【0068】また、損傷発生荷重も実験例4、5では、
>500kgfとなっており、接触応力に対する耐性が
非常に高いことが分かる。一方、実験例7では、荷重4
00kgfで損傷が発生し、特に、実験例8では、アス
ペクト比が大きく粒界に応力が集中するため20kgf
という非常に低い荷重で損傷が発生し、接触応力に対す
る耐性が非常に低いことが分かる。このように、粒子が
脱落し、表面が粗れている実験例7、8の部材では、接
触応力による損傷が発生し易い。一方、強度、硬度が大
きく、粒子が脱落し難く、表面粗さの小さい実験例4、
5の部材では、500kgfの荷重によっても損傷する
ことがない。これらの結果から、第1発明のアルミナ焼
結体は、大きな接触応力が加わる軸受け(ベアリングボ
ール等)或いは摺動部材などの焼結アルミナ部材として
有用である。
【0069】(実施例5)この実施例は、アルミナ結晶
粒の平均ファセット長と、このアルミナ焼結体の透過性
との相関を検討したものである。平均粒径0.22μ
m、純度99.99%以上のアルミナ粉末と、表5に示
す種類および量の原料粉末とを混合し、実施例1と同様
に作製した成形体を、表5に記載の温度で焼成し、次い
でこの一次焼結体に対し表5に記載の温度及び圧力でH
IP処理を施した。焼成時およびHIP処理時における
他の条件は実施例1と同様である。得られたアルミナ焼
結体について、一次密度およびHIP処理後密度を実施
例1と同様に測定し、さらにアルミナ結晶粒の平均ファ
セット長、アルミナ焼結体の全透過率、直線透過率およ
びこれらの比(直線透過率/全透過率)を下記の方法に
よって測定した。また、焼結体を鏡面研磨し、サーマル
エッチングした後に走査型電子顕微鏡写真を撮り、この
写真からインターセプト法によりアルミナ結晶粒の平均
粒径および平均アスペクト比を求めた。その結果を表
5、表6に示す。
【0070】(6)平均ファセット長;焼結体を鏡面研
磨し、サーマルエッチングした後、走査型電子顕微鏡写
真を撮り、この写真を用いてアルミナ結晶粒の各辺の長
さ(ファセット長)を測定し、平均値を算出した。測定
に用いたアルミナ結晶粒の数は100個以上である。
【0071】(7)全透過率、直線透過率およびこれら
の比;一般に透光性セラミックスの透光性は通常の分光
光度計を用いて測定される例が多いが、このとき測定器
の開口角が大きいと散乱光も含めた透過光量が測定され
る。測定器の種類によって検出器の開口角は異なるの
で、拡散透過性の材料に対する測定値の相互比較には注
意を要する。本実施例では、図7に示すように、スリッ
トの大きさ(円形スリットを使用、半径r)およびスリ
ットと焼結体試料との距離Lから検出器の開口角θを規
定し、下記条件で直線透過率および全透過率の測定を行
った。なお、試料の透過率は下記式(1)により示され
る。 透過率T=I/I0=(1−R)2exp(−μx) (1) (ただし、I0=入射光強さ、I=透過光強さ、R=反
射率、x=試料厚さ、μ=見かけの吸収係数。)
【0072】〔透過率測定条件〕 光源;赤外線カットフィルタ(800nm以上の波長を
カットする)を備えたハロゲンランプ(色温度3100
Kの白色光)。 直線透過率;L=500mm、r=3mm(θ=1°) 全透過率;L=1mm以下、r=10mm(θ=約90
°) 試料厚さ;0.5mm 試料の表面状態;表面の反射、散乱の影響を除去し、材
料自体の特性を判断するために、いずれの試料表面もR
a=0.02μm以下に鏡面研磨を行った。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】表5、6から判るように、平均ファセット
長が第3発明の範囲である実験例4、9、10〜12の
焼結体は、いずれも全透過率が50%以上と透光性が高
く、かつ全透過率に対する直線透過率の比が0.3以上
と透明性にも優れる。さらに、一方、平均ファセット長
が本発明範囲を超える実験例13の焼結体は、全透過率
は高いものの磨りガラス状であり、直線透過率が低く透
明性に欠けるものであった。
【0076】(実施例6)この実施例は、アルミナ焼結
体に含有される金属酸化物の種類および量と、このアル
ミナ焼結体の各温度における強度、硬度との相関を検討
したものである。平均粒径0.22μm、純度99.9
9%以上のアルミナ粉末と、表7に示す種類および量の
原料粉末とを混合し、実施例1と同様に作製した成形体
を、表7に記載の温度で焼成し、次いでこの一次焼結体
に対し表7に記載の温度及び圧力でHIP処理を施し
た。焼成時およびHIP処理時における他の条件は実施
例1と同様である。得られたアルミナ焼結体について、
一次密度、HIP処理後密度、および室温におけるアル
ミナ焼結体の曲げ強度およびビッカース硬度を実施例1
と同様に測定し、さらに高温における曲げ強度およびビ
ッカース硬度を下記の方法によって測定した。また、焼
結体を鏡面研磨し、サーマルエッチングした後に走査型
電子顕微鏡写真を撮り、この写真からインターセプト法
によりアルミナ結晶粒の平均粒径を求めた。その結果を
表7、表8に示す。
【0077】(8)高温曲げ強度;JIS R 160
4に定められた曲げ強さ試験方法により、1000℃お
よび1200℃における3点曲げ強度を測定した。 (9)高温硬度;JIS R 1623に定められたビ
ッカース硬さ試験方法により、1000℃におけるビッ
カース硬度を、荷重1kgf(9.807N)で、真空
中にて測定した。
【0078】
【表7】
【0079】
【表8】
【0080】表7、8から判るように、第6発明に相当
する組成、焼結体密度および平均粒径を有する実験例1
0〜12および14〜23のアルミナ焼結体は、室温お
よび1000℃のいずれにおいても強度および硬度が高
く、さらに1200℃における強度にも優れていた。一
方、第6発明の金属酸化物を含まないか、あるいはその
含有量の少ない実験例4、9、24、25のアルミナ焼
結体では、1000℃における硬度および1200℃に
おける強度が不足した。また、金属酸化物の含有量が多
すぎる実験例26のアルミナ焼結体では、室温および高
温における強度および硬度が低下した。
【0081】(実施例7)この実施例は、本発明のアル
ミナ焼結体を切削工具として検討した例である。平均粒
径0.22μm、純度99.99%以上のアルミナ粉末
と、表9に示す種類および量の金属酸化物とを、高純度
アルミナ球石(純度99.5%以上)、水および分散剤
を用いて湿式混合粉砕した。必要に応じてバインダーを
添加した後、得られたスラリーを噴霧乾燥して原料粉末
顆粒とする。この顆粒を所定形状に成形し、この成形体
を表8に記載の温度にて大気圧で2時間焼成して一次焼
結体を得た。次いでこの一次焼結体に対し、圧力媒体と
して所定のアルゴンを用い、表9に記載の温度及び圧力
でHIP処理を施した。
【0082】得られたアルミナ焼結体について、一次密
度、HIP処理後密度、室温および高温におけるアルミ
ナ焼結体の曲げ強度およびビッカース硬度、ならびに平
均粒径を実施例6と同様に測定した。また、焼結体を鏡
面研磨し、サーマルエッチングした後に走査型電子顕微
鏡写真を撮り、この写真からインターセプト法によりア
ルミナ結晶粒の平均粒径を求めた。
【0083】また、得られた焼結体をSNGN434−
TNF形状に加工して以下の切削試験に供した。なお、
この試験において切削可能な距離が850m以上であれ
ば実用上十分であり、1000m以上であることがより
好ましく、1200m以上であればさらに好ましい。 〔切削試験条件〕 非削材;鋳鉄 切削条件;ドライ、切削速度V=1000m/分、f=
0.30mm/rev(工具の送りが被削材1回転当た
り0.3mm)、切削深さd=2.0mm。 切削工具(チップ)形状;SNGN434−TNF ホルダ;C16L−44
【0084】さらに、得られた焼結体の透光性を以下の
方法により評価した。 〔透光性試験〕鏡面研磨(Ra<0.02μm)後の厚
みが0.5mmとなるように作製した試料を、開口部1
0mm角のスリット(厚み1mm以下)に挟み、照度計
(株式会社カスタム製、商品名「LUXMETER L
X1334」)の感光部分に密着させた。可視光の照射
には、色温度5500Kのハロゲンランプ1を用いた。
照度計に試料を置かないときの光の強さをI0、試料を
通過した光の強さをIとし、I0/I×100を全透過
率(%)とした。以上の結果を表9、表10に示す。
【0085】
【表9】
【0086】
【表10】
【0087】実験例11および実験例27の焼結体は、
常温および高温における強度、硬度が高く、このため切
削距離が850m以上と切削工具としての寿命が長く優
れたものであった。特に、実験例27と同じ組成である
がHIP処理温度を低くした実験例11では、実験例2
7に比べてアルミナ結晶粒の成長が抑えられており、強
度および硬度がさらに向上して工具寿命が延長された。
また、これらの実験例で得られた焼結体は全透過率も高
いものであった。一方、金属酸化物の添加量が多い実験
例28および29では、相対密度の値から判るように焼
結体を十分に緻密化することができず、このため常温お
よび高温における強度や硬度が低く寿命の短い切削工具
となった。また、これらの実験例では全透過率も低かっ
た。
【0088】
【発明の効果】第1発明のアルミナ焼結体は、緻密度が
高く、強度及び硬度が大きく、さらに耐摩耗性等にも優
れる。第2発明のアルミナ焼結体は、緻密度が高く、強
度及び硬度が大きく、さらに透光性等にも優れる。第3
発明および第4発明のアルミナ焼結体は、透光性および
透明性のいずれにも優れる。第1〜第4発明のアルミナ
焼結体は、第5発明の強度及び硬度を備えたものとする
ことができる。第6発明のアルミナ焼結体は、緻密度が
高く、室温における強度及び硬度が大きくさらに高温に
おいても高い強度及び硬度を示す。第7発明および第8
発明によると、特定範囲の密度を有する一次焼結体を作
製し、次いでこの一次焼結体にHIP処理を施すことに
より、第1〜第6発明の優れた特性を有するアルミナ焼
結体を容易に製造することができる。また、第9発明お
よび第10発明によれば、特定の温度範囲において焼成
し、且つ特定の条件でHIP処理を施すことにより、第
1〜第6発明の優れた特性を有するアルミナ焼結体を容
易に製造することができる。第11及び第12発明の焼
結アルミナ部材は、第1〜第6発明のアルミナ焼結体か
らなるので、優れた耐摩耗性を有し、研磨の際、表面か
ら粒子が脱落し難く、また表面粗さが小さいため、接触
応力に対する耐性等にも優れたものとすることができ
る。第13発明の発光管は、第1〜第6発明のアルミナ
焼結体からなるので、透光性および透明性に優れ、さら
に強度、硬度、耐摩耗性等にも優れたものとすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2において実験例4のアルミナセラミッ
クスからなる焼結体を研磨した後の被研磨面の光学顕微
鏡写真である。
【図2】図1の写真における粒子脱落部分を画像解析処
理装置を用いた画像処理(コントラストの強調、2階調
化等)により強調した画像による説明図である。
【図3】実施例2において実験例7のアルミナセラミッ
クスからなる焼結体を研磨した後の被研磨面の光学顕微
鏡写真である。
【図4】図3の写真における粒子脱落部分を画像解析処
理装置を用いた画像処理(コントラストの強調、2階調
化等)により強調した画像による説明図である。
【図5】実施例1における透過率の測定方法を示す模式
的断面図である。
【図6】(a)、(b)は、アルミナ結晶粒のファセッ
ト長およびアルミナ焼結体中における光の散乱状態の概
念を示す模式的断面図であって、(a)は平均ファセッ
ト長が光の波長よりも長い場合、(b)は平均ファセッ
ト長が光の波長と同等以下である場合を示す。
【図7】実施例5における透過率の測定方法を示す模式
的断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯尾 聡 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA11 AA15 BA15 BA20 CA04 CA07 GA11 GA19 GA27 GA29 5C043 AA20 CC01 CC11 DD03 EB16 EC01 EC03 EC20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径1.0μm以下かつ平均アスペ
    クト比1.0〜1.5のアルミナ結晶粒からなり、密度
    が3.98g/cm3以上であることを特徴とするアル
    ミナ焼結体。
  2. 【請求項2】 平均粒径1.0μm以下のアルミナ結晶
    粒からなり、密度が3.98g/cm3以上であって、
    厚さ1mmのときの可視光の透過率が60%以上である
    ことを特徴とするアルミナ焼結体。
  3. 【請求項3】 焼結体を構成するアルミナ結晶粒の平均
    ファセット長が700nm以下であることを特徴とする
    アルミナ焼結体。
  4. 【請求項4】 厚さ0.5mmのとき、可視光の全透過
    率が50%以上であり、かつ全透過率に対する直線透過
    率の比が0.3以上であることを特徴とするアルミナ焼
    結体。
  5. 【請求項5】 室温における曲げ強度が800MPa以
    上であり、ビッカース硬度が1900以上である請求項
    1から4のいずれか一項記載のアルミナ焼結体。
  6. 【請求項6】 3A族金属酸化物および4A族金属(た
    だしTiを除く)酸化物から選択される一種以上の金属
    酸化物をアルミナに対して0.02〜2.0mol%含
    み、密度が3.98g/cm3以上、アルミナ結晶粒の
    平均粒径が0.3〜1.0μm、室温における曲げ強度
    およびビッカース硬度がそれぞれ800MPa以上およ
    び1900以上であり、かつ1000℃における曲げ強
    度およびビッカース硬度がそれぞれ550MPa以上お
    よび850以上であることを特徴とするアルミナ焼結
    体。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか一項記載のア
    ルミナ焼結体を製造する方法であって、 平均粒径が1.0μm以下であり純度が99.99%以
    上であるアルミナ粉末を所定形状に成形した後、焼成し
    て3.77〜3.91g/cm3の密度を有する一次焼
    結体とし、次いで、該一次焼結体に熱間静水圧プレス処
    理を施して3.98g/cm3以上の密度を有する二次
    焼結体とすることを特徴とするアルミナ焼結体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1から6のいずれか一項記載のア
    ルミナ焼結体を製造する方法であって、 平均粒径が1.0μm以下であり純度が99.99%以
    上であるアルミナ粉末を所定形状に成形した後、焼成し
    て理論密度に対する相対密度が94.5〜98.0%で
    ある一次焼結体とし、次いで、該一次焼結体に熱間静水
    圧プレス処理を施して理論密度に対する相対密度が9
    9.8%以上の二次焼結体とすることを特徴とするアル
    ミナ焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から6のいずれか一項記載のア
    ルミナ焼結体を製造する方法であって、 平均粒径が1.0μm以下であり純度が99.99%以
    上であるアルミナ粉末を所定形状に成形した後、122
    5〜1275℃で焼成して一次焼結体とし、次いで、該
    一次焼結体に温度1100〜1250℃、圧力500〜
    2000kg/cm2の熱間静水圧プレス処理を施して
    二次焼結体とすることを特徴とするアルミナ焼結体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から6のいずれか一項記載の
    アルミナ焼結体を製造する方法であって、 平均粒径が1.0μm以下であり純度が99.99%以
    上であるアルミナ粉末および他の原料粉末の混合物を所
    定形状に成形した後、1225〜1360℃で焼成して
    一次焼結体とし、次いで、該一次焼結体に温度1100
    〜1350℃、圧力500〜2000kg/cm2の熱
    間静水圧プレス処理を施して二次焼結体とすることを特
    徴とするアルミナ焼結体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から6のいずれか一項記載の
    アルミナ焼結体からなる焼結アルミナ部材であって、 該焼結アルミナ部材の研磨部分において、アルミナ結晶
    粒の粒子脱落部分の占める面積割合が1%以下であるこ
    とを特徴とする焼結アルミナ部材。
  12. 【請求項12】 請求項1から6のいずれか一項記載の
    アルミナ焼結体からなる焼結アルミナ部材であって、 該焼結アルミナ部材の研磨面における中心線平均粗さ
    (Ra)が0.002〜0.020μmであり、最大高
    さ(Rmax)が0.01〜0.30μmであることを
    特徴とする焼結アルミナ部材。
  13. 【請求項13】 請求項1から6のいずれか一項記載の
    アルミナ焼結体からなることを特徴とする発光管。
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