JP2007043487A - 圧電振動子の振動周波数調整用の蓋材および圧電振動子収容構造 - Google Patents

圧電振動子の振動周波数調整用の蓋材および圧電振動子収容構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 気密封止後にレーザービームを用いた周波数調整が必要な圧電振動素子に用いられる透光性蓋材において、小径ビームによる圧電振動子の周波数調整が可能であり、また蓋材の破損や亀裂生成を防止できるような蓋材を提供することである。
【解決手段】 蓋材1を有する容器12内へと圧電振動子2を収容し、蓋材1を通して圧電振動子2へとレーザービームA、Bを照射することによって、振動子2の振動周波数の調整を行うための蓋材1を提供する。蓋材1は多結晶セラミックスからなる。この多結晶セラミックスの平均結晶子径および最大気孔径がそれぞれレーザービームのビーム径の1/4以下であり、蓋材の表面気孔率が0.5%以下であり、蓋材のレーザービームの波長における直線透過率が40%以上であり、蓋材の厚さがレーザービームのビーム径の10倍以下、0.05mm以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空封止後にレーザービームを用いた周波数調整が必要な圧電振動素子に用いられる透光性蓋材に関するものである。
圧電振動素子は、圧電振動子の安定した振動挙動を利用して特定の周波数で発振させることにより、振動子、発振器、共振器、フィルター、振動型ジャイロスコープ等に利用される。
特許文献1においては、Nd3+を活性中心としたYAG(Y3Al512)レーザー(波長1,064nm)を用いて、音叉型圧電振動子の周波数調整を行う例が開示してある。これは音叉の主面枝部先端部に周波数調整用パターンが形成されており、この部分にレーザービームを照射し、周波数調整パターンの部材を昇華させ、この時の質量負荷の減少により周波数が高くなることを利用して周波数調整が行われる。
特許出願公告番号 特公平7-120914号
また、特許文献2によれば、これらの圧電振動素子は、気密に収容可能な容器内に固定されて使われる。特に素子の小型化が要求されたり、高い精度が要求される場合には、真空に気密封止することが求められる。更に高精度な性能が要求される場合には、圧電振動子用容器の蓋材にガラス等の透光性材料を使用し、気密封止後に蓋材を通してレーザービームによる振動数調整が行われている。こうすることにより実際の使用状態に近い条件での周波数調整が可能になるため、より高精度の圧電振動素子が製造可能となる。その場合の蓋材としては、使用するレーザービームの直線透過率が90%以上のガラスやサファイヤ(単結晶アルミナ)からなる透光性材料からなる平板が使用される。
特許第3523502号
しかしながら、ガラスは透明体であるものの脆い材料で強度も弱く、少しの傷でもあると、それが原因となって容易に破壊し易い。サファイヤはアルミナ(酸化アルミニウム)の単結晶であり、強度は高いものの、単結晶材に特有の脆さを有する。また2000℃以上のアルミナの溶融した液体状態から育成されるために製造コストが高く、非常に硬い難加工性の材料であるため単結晶素材から薄板状の蓋材に加工する際のコストも高価である。
高精度のレーザービーム周波数調整を行うためには、レーザーのビーム径を細くし、付加重量の除去量を小さくする必要がある。このため、特許文献3によれば、粗調整工程ではレーザーのスポット径は60ミクロンメーター、微調整工程では20ミクロンメーターに絞り込むことが開示されている。
特開平11−195952
さらに圧電振動子用容器に気密封止後に透光性の蓋材越しに、このような細いレーザービームによる付加重量の除去量を精度良く制御するためには、レーザービームが蓋材を通過した後も、振動子表面へのレーザービームのエネルギー分布が大きく変化せずに安定した状態であることが、必要である。このような状態を満足するためには、透光性の蓋材が一般的にはガラス材料やサファイヤ等の単結晶素材からなる、透明材料であることが必要と考えられてきた。
このため、本発明者は、このような振動子周波数調整用の蓋材を多結晶セラミックスから形成することを検討してみた。 多結晶セラミックスは、一般的に微細な粉末を成形し、焼結によって焼き固めて製造されるため、成形体の形状を最終製品に近い形に成形すれば、加工コストを安くすることが可能となる。また非常に細かい多数の単結晶の集合体で微細粒子がランダムに並んでおり、その境界には粒界が存在するため、亀裂が発生してもこの粒界によって亀裂の成長が妨げられ、容易に破壊せず機械的な信頼性は高い。
しかしながら、多結晶体に特有のランダムに並んだ粒子の境界である粒界や、更に気孔と呼ばれる結晶粒子が存在しない部分では光の屈折率が異なり、光の散乱が起こるため一般的には光は透過しない。このため多結晶セラミックスが強度的には優れるものの、真空封止後にレーザービームを用いた周波数調整が必要な圧電振動素子に用いられる透光性蓋材には利用できないと考えられてきた。
このため、本発明者は、照明用の発光管として利用されている透光性アルミナについて検討した。この材料は、焼結助剤に微量のMgO等を添加することにより焼結中の異常粒成長を抑制しながら、残留する気孔を除去し更にアルミナを平均結晶子径20〜30ミクロンメーターまで成長させて、光の散乱原因である気孔と粒界の数を少なくし、透光性を発現させるものである。
多結晶材料でも粒子径を光の波長以下にすることにより、粒界での光の散乱を抑制し実質的に透明な材料とすることが試みられてきた。具体的には、可視光域の光の波長が780ナノメーター以下であることから、粒子径を1ミクロンメーター(1,000ナノメーター)以下にした多結晶材料が開発されてきた。しかしながらこのような微細な結晶子からなる焼結体では、結晶粒成長が起こらないような低温度で焼結させる必要があるため、焼結が充分に促進されず気孔が残留し、その気孔が原因となって光が散乱するため透光性を発現することができない。このような焼結体の結晶粒子を成長させること無く、気孔を除いて緻密に焼結するために、いわゆるHIP(Hot Isostatic
Pressing)と呼ばれる、焼結体を熱間クリープ変形するような温度にキープした状態で、外部から高圧のガス圧を印加して気孔を除くような特殊な焼結方法が適用される。このような製造法は特許文献4に開示されている。この方法では、焼結の際に1,000気圧程度の高圧のガス圧を印加する必要があるため、焼結のコストが高額となり、低コストで焼結体を得ることは困難である。
特開2001-322866号
本発明の課題は、気密封止後にレーザービームを用いた周波数調整が必要な圧電振動素子に用いられる透光性蓋材において、小径ビームによる圧電振動子の周波数調整が可能であり、また蓋材の破損や亀裂生成を防止できるような蓋材を提供することである。
本発明は、蓋材を有する容器内へ圧電振動子を収容し、蓋材を通して前記圧電振動子へレーザービームを照射することによって、前記振動子の振動周波数の調整を行うための蓋材であって、
多結晶セラミックスからなり、多結晶セラミックスの平均結晶子径および最大気孔径がそれぞれ前記レーザービームのビーム径の1/4以下であり、蓋材の表面気孔率が0.5%以下であり、蓋材のレーザービームの波長における直線透過率が40%以上であり、蓋材の厚さがレーザービームのビーム径の10倍以下、0.05mm以上であることを特徴とする。
また、本発明は、圧電振動子、この圧電振動子を収容する容器本体、およびこの容器本体に組み合わされる前記の蓋材を備えている振動子収容構造に係るものである。
水晶振動子等の圧電振動素子では、振動子表面に形成した周波数調整用付加重量である金属皮膜にレーザービームを照射し、レーザービームスポット径相当の部分で局所的な発熱が起こり、その部分の付加重量が蒸発除去されることにより、発振周波数が高くなることを利用して周波数調整される。
本発明者は、透光性の多結晶セラミックスであっても、セラミックスの平均結晶子径(平均粒径)と含まれる気孔の最大径が振動周波数調整用レーザービーム径の1/4以下で、表面気孔率が0.5%以下であり、線透過率が40%以上であり、蓋材の厚さがレーザービームのビーム径の10倍以下である場合には、前述のようなレーザービームによる調整が可能であることを見いだし、本発明に到達した。
以下、更に詳細に本発明を説明する。
多結晶セラミックスであっても、レーザーの波長より小さな粒径であれば、散乱現象そのものが起こらないため、レーザービームのエネルギー分布は蓋を透過しても、基本的には相似形となるため振動周波数調整作用に影響はない。このような振動周波数調整に用いられるレーザービームの波長は、YAGレーザー(1,064nm)やYAGレーザーの2倍波、(532nm)波長が150〜300nmである紫外領域のエキシマレーザー等が利用されているため、粒径が1ミクロンメーター以下の微細な結晶子からなる、焼結体を使用する必要がある。しかし、このような微細な結晶子からなる焼結体は焼結温度を高温にできないため、気孔を低減することが困難で透光性を発現できない。このため、特許文献4に記載のように、焼結中に焼結体の外部から高圧の雰囲気ガスで加圧して気孔を除く必要があるので、コストが非常に高くなる。
本発明者は、このような微細な結晶子でなくても、レーザービーム径に対するセラミックスの結晶子径の相対的な大きさが充分に小さければ、実用上レーザービームのエネルギー分布に大きな影響が出ずに周波数調整が可能なことを見出したものである。
具体的には、セラミックスの平均結晶子径が、振動周波数調整用レーザービーム径の1/4以下であれば、多結晶の蓋材越しであっても、振動子表面の所定の個所の付加重量の除去を行うことができる。
レーザービーム径は、例えば微調整の場合には20ミクロンメーターの大きさであるため、5ミクロンメーター以下の平均結晶粒子径であれば、振動周波数の調整が可能である。そのときレーザービームの透過挙動に影響する気孔の最大径もレーザービーム径の1/4以下の5ミクロンメーター以下で有り、その量も表面気孔率で0.5%以下である必要がある。これは蓋材を透過した後のレーザービームのエネルギー分布が影響されず、減衰の大きさも充分小さく振動子表面に到達するためである。
また、これと合わせて、蓋材の直線透過率についても新たな発見を行った。
本発明によれば、振動周波数調整用レーザービーム波長に於ける直線透過率が40%以上であれば、蓋材越しにレーザービームのエネルギーが著しく減衰することなしに、振動子表面にレーザービームのエネルギーが到達し、周波数調整が可能となることが分かった。
この理由を更に述べる。従来は、直接透過率90%以上の素材、例えばガラスやサファイアでないと、有効な周波数調整処理はできないと考えられていた。これは、上述したように、振動子周波数調整用のレーザービーム径は著しく小さいために、直線透過率が著しく大きくないと、即ち透明な材料でないと、振動子質量調整に必要なエネルギーを所定箇所に正確に届け、加工することができないためである。蓋材が透明でないと、光ビームのエネルギーの透過量が低く、またまたエネルギー分布の拡散やぼやけが生ずるために、周波数調整をもたらすような微細加工が難しいと考えられていた。
ところが、本発明者は、そのような当業者の常識に反し、振動周波数調整用レーザービーム波長に於ける直線透過率が40%以上であれば、蓋材越しにレーザービームのエネルギーが著しく減衰することなしに、振動子表面にレーザービームのエネルギーが到達し、周波数調整が可能となることを発見した。この観点からは、振動周波数調整用レーザービーム波長に於ける直線透過率が50%以上であることが更に好ましい。
一方、振動周波数調整用レーザービーム波長に於ける直線透過率の上限は特に限定されない。しかし、多結晶セラミックスの直線透過率をある程度以上高くすることは難しく、またHIP法などの非常にコストの高い製造方法を採用せざるを得ない。このため、直線透過率が非常に高い多結晶セラミックスからなる蓋材はコストが高くなる。この観点からは、振動周波数調整用レーザービーム波長に於ける直線透過率は、75%以下とすることが好ましい。従来は、90%以上の直線透過率を有する透明材料でなければ周波数調整は困難と考えられてきた。
更に、本発明においては、蓋材を構成するセラミックスの平均結晶子径および最大気孔径をレーザービームのビーム径の1/4以下とする。これらが光ビームの1/4より大きくなると、光ビームの散乱によって、必要な光ビームがピンポイントで振動子上の加工箇所に集中しにくく、周波数調整が困難になるものと思われる。
この観点からは、蓋材を構成するセラミックスの平均結晶子径および/または最大気孔径をレーザービームのビーム径の1/5以下とすることが更に好ましい。
また、本発明においては、蓋材の表面気孔率を0.5%以下とする。これが0.5%を超えると、光ビームの散乱によって、必要な光ビームがピンポイントで振動子上の加工箇所に集中しにくく、周波数調整が困難になるものと思われる。
また、本発明においては、蓋材の厚さをレーザービームのビーム径の10倍以下、0.05mm以上とする。蓋材の厚さがレーザービーム径の10倍を超えると、蓋材を透過した後のレーザービームのエネルギー分布が大きく変化し、減衰も大きくなって、有効な付加重量の除去が困難となり、振動子の振動数調整が出来なくなることが判明した。
ただし、蓋材の厚さが小さすぎると、蓋材の強度が低下し、取り扱い時に蓋材の破損やクラックが生じ易い。このため、蓋材の厚さは50μm以上とする。
好適な実施形態においては、多結晶セラミックスのJIS4点曲げ測定法による曲げ強度が500MPa以上である。
また、蓋材の直線透過率に大きな影響を与える因子としては表面粗さがある。透明なガラスであっても、磨りガラスのように表面に凹凸があると透明でなくなるが、これは表面における散乱により光の直進が妨げられるためである。本発明においては、蓋材の中心線平均表面粗さRaが、振動周波数調整に用いるレーザービーム波長の1/10以下であることが好ましい。
更に最大表面粗さRtが、振動周波数調整に用いるレーザービーム波長以下であることが好ましい。
本発明の蓋材を構成するセラミックスの種類は限定されないが、アルミナ、イットリア、YAG(イットリウム・アルミニウムガーネット)、石英が好ましく、透光性アルミナが特に好ましい。例えば純度99.9%以上(好ましくは99.95%以上)の高純度アルミナ粉末に対して、150〜1000ppmの助剤を添加した原料が好ましい。
このような高純度アルミナ粉末としては、純度99.99%以上、BET表面積9〜15m2/gの焼結性の良いものが選定される。
前述した助剤としては、酸化マグネシウムが好ましいが、ZrO2, Y2O3,La2O3,
Sc2O3も例示できる。
本発明が適用される振動子収容用の容器や蓋材の形態や寸法は特に限定されず、振動子の種類も特に限定されない。図1は、本発明の一実施形態に係る収容構造を模式的に示す断面図である。
図1の例においては、圧電振動子片2を気密に収容する容器12の本体7上には、本発明の蓋材1が接着剤6を通して接着されている。容器本体7には、容器内空間3を真空に排気するための貫通孔8が形成されている。容器本体7の載置面7a上に圧電振動子2を設置する。具体的には、圧電振動子2の所定箇所を配線導体10および導電性接着剤11によって固定する。次いで、本体7に形成された貫通孔8を介して容器内空間3を真空に排気し、しかる後、この貫通孔8内に、例えば鉛−錫合金のろう材からなる封止部材9を充填し、貫通孔8を封止する。
容器本体7は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム質・炭化珪素・窒化珪素・ムライト・ガラスセラミックス等の電気絶縁材料からなる。
配線導体10は、タングステンやモリブデン・銀・銅等の金属粉末を用いたメタライズ導体層からなる。導電性接着剤11は、例えば、銀−ポリイミド樹脂や銀−エポキシ樹脂・銀−シリコーン樹脂等からなる。配線導体10および導電性接着剤11を介して、振動子上の電極が、外部回路基板等の配線導体に接続される。
この状態で、例えば矢印Aのように振動子2上へと向かってレーザービームを照射し、振動子2の上面側にある質量調整膜4の質量を減らし、振動子2の振動周波数を若干上昇させる。
質量調整膜の材質としては以下を例示できる。
金、アルミニウムなどの蒸着膜やスパッター膜及び 金、ニッケルなどのメッキ膜。
また、質量調整膜をトリミングするレーザービームとしては以下を例示できる。
YAGレーザー(1,064nm)、YAGレーザーの2倍波(532nm)、波長が150〜300nmである紫外領域のエキシマレーザー、YVO4レーザー、炭酸ガスレーザーなどである。
振動子は圧電材料から構成されており、好ましくは圧電性単結晶によって形成されている。圧電性単結晶は、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、ほう酸リチウム、ランガサイトを例示できる。
以上の発明の内容を更に実施例で詳細に説明する。
(蓋材1の製造)
純度99.99%以上、BET表面積9〜15m/gの高純度アルミナ粉末に、500ppmの酸化マグネシウム粉末を添加した。この粉末をゲルキャスト法によって成形した。成形体の厚さは70ミクロンメーターから500ミクロンメーターの間とし、50mmx50mmのシート状に成形した。また強度測定用の試料として、50mmx50mmx4mmの板状の成形体も合わせて準備した。
具体的には、この粉末100重量部、分散媒(グルタル酸ジメチル:トリアセチン=90:10重量比)を40重量部、ゲル化剤(4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアナート変成物)を4〜5重量部、分散剤(ポリマレイン酸共重合体)を3重量部、反応触媒(トリエチルアミン)を0.1〜0.3重量部混合した。具体的には、20℃で、分散媒に前記原料粉末を添加して分散し、次いでゲル化剤を添加して分散し、最後に反応触媒を添加することによりスラリーを作製した。このスラリーの粘度は300cpsである。
このスラリーをシート状または板状型内に注入し、2時間放置してゲル化させた。ゲル化した成形体を型から取り出し、60〜100℃で乾燥した。
これらの成形体を1,100℃x2時間で大気中で脱脂し、その後水素雰囲気中で焼成した。焼成温度は、1,400℃から1,700℃とし、保持時間を1時間から3時間に調整して、種々の平均粒子径の焼結体を得た。
得られたアルミナシート状焼結体はその表面を研磨し、このシートから5mmx5mmで厚さの異なる、透光性の蓋材1を作成した。これら透光性蓋材は、日立製U−3400で直線透過率を測定した。測定波長は532nmとした。
また得られたアルミナ板状焼結体は、3mmx4mmx40mmの角棒状の強度試験片に加工して、JIS4点曲げによる強度測定を行った。
(振動子の気密封止)
また別途、5mmx5mmで厚さが2mm、片側に4mmx4mmで深さ1mmの窪みを設けた普通焼結アルミナからなる圧電振動子用の気密封止容器本体7を準備し、窪み3の内部に水晶の薄板を加工した振動子2を固定し、真空中で蓋材1を低融点ガラスにより容器本体7上に固定し、音叉形状の水晶振動子2を気密封止した。
(振動周波数の調整)
真空気密封止後、蓋材1を通してレーザービームAを外側から照射し、水晶振動子表面に形成した周波数調整パターン4(金膜)を昇華除去し、重量を減じることにより、周波数調整を行った。ただし、粗調整、微調整とは次のものである。
(粗調整)
例えば、ビーム径が60μm程度のレーザービームで周波数調整用付加重量の金属皮膜を比較的大面積で除去することにより、狙いの周波数に対して100〜1,000ppm程度の大きさまでに、周波数の偏差値を調整する工程である。(微調整)
例えば、ビーム径が20μm程度のレーザービームで周波数調整用付加重量の金属皮膜を比較的小面積で除去することにより、狙いの周波数に対して100ppm以下の程度までに、周波数の偏差値を調整する工程である。 この調整の可否について表1、表2に示す。
Figure 2007043487
Figure 2007043487
表1に示すように、本発明の条件を満足する蓋材を使用した場合には、ビーム径を種々変更した場合にも、振動子の振動周波数の調整が可能であった。
表2に示すように、比較例1、2では、蓋材を構成する多結晶セラミックスの平均粒径がレーザービーム径よりも大きいが、振動周波数の調整はできなかった。比較例3では、蓋材の表面気孔率が10%であるが、やはり振動周波数の調整はできなかった。比較例4では、蓋材の厚さが40μmと小さいが、取り扱い時に蓋材にクラックが発生した。比較例5では、蓋材の直線透過率が30%であるが、やはり振動周波数の調整はできなかった。比較例6では、蓋材の平均粒径がレーザービーム径の1/4を超えているが、やはり調整不能であった。
本発明を適用可能な振動子収容構造を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 蓋材 2 振動子 3 容器内空間 4 質量調整膜 7 容器本体 12 容器 A レーザービーム

Claims (6)

  1. 蓋材を有する容器内へと圧電振動子を収容し、蓋材を通して前記圧電振動子へとレーザービームを照射することによって、前記圧電振動子の振動周波数の調整を行うための蓋材であって、
    多結晶セラミックスからなり、前記多結晶セラミックスの平均結晶子径および最大気孔径がそれぞれ前記レーザービームのビーム径の1/4以下であり、前記蓋材の表面気孔率が0.5%以下であり、前記蓋材の前記レーザービームの波長における直線透過率が40%以上であり、前記蓋材の厚さが前記レーザービームのビーム径の10倍以下、0.05mm以上であることを特徴とする、圧電振動子の振動周波数調整用の蓋材。
  2. 前記多結晶セラミックスのJIS4点曲げ測定法による曲げ強度が500MPa以上であることを特徴とする、請求項1記載の蓋材。
  3. 前記蓋材の中心線平均表面粗さRaが前記レーザービームの波長の1/10以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の蓋材。
  4. 前記蓋材の最大表面粗さRtが前記レーザービームの波長以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の蓋材。
  5. 前記蓋材の前記レーザービームの波長における直線透過率が75%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の蓋材。
  6. 圧電振動子、この圧電振動子を収容する容器本体、およびこの容器本体に組み合わされる蓋材を備えている振動子収容構造であって、
    前記蓋材が、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の蓋材であることを特徴とする、圧電振動子収容構造。
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