JP2019173055A - Mo系ターゲットおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 酸化物を含有するMo系ターゲットにおいて、機械加工性の問題解決に加え、スパッタ時の異常放電の抑制も達成できる新規なMo系ターゲット、およびその製造方法を提供する。【解決手段】 Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなり、10000μm2あたりで、20μmを超える円相当径を有する金属酸化物相が1個未満であるMo系ターゲットであり、10000μm2あたりで、5μm以上の円相当径を有する空孔が1個未満であることが好ましい。【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、画像表示装置に組み込まれるブラックマトリックスといわれる遮光膜を形成するためのMo系ターゲット、およびその製造方法に関するものである。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置に組み込まれるカラーフィルタの下層に形成される遮光膜は、一般的にブラックマトリックスと呼ばれており、コントラストの向上や色材の混色防止を目的として、例えば、Ni−Fe系、Ni−Mo系、Ni−W系、MoTa系等からなる薄膜がガラス基板等の上面に形成される。
このブラックマトリックスは、スパッタリング法で形成されることが一般的である。そして、スパッタリング法で用いるターゲットとしては、例えば、特許文献1に開示があるように、純Taと純Moの各粉末を用いて、Taを1〜13質量%含有し残部がMoからなるように混合した混合粉末を粉末焼結法で作製した焼結体からなるMoTaターゲットの提案がなされている。
そして、特許文献1では、ブラックマトリックスの遮光性や反射率を変化させるために、上記のMoTaターゲットを用いてスパッタリングする際に、炭素、酸素、窒素含有ガスを混合してスパッタリングすることで、MoTa系の炭化物、酸化物、窒化物等を含有するブラックマトリックスを形成する方法の開示がある。
また、特許文献1には、MoTaターゲットの中にMoTa系の炭化物、酸化物、窒化物を含有させておいてスパッタリングして、MoTa系の炭化物、酸化物、窒化物等を含有するブラックマトリックスを形成する方法の開示もある。
また、特許文献1には、MoTaターゲットの中にMoTa系の炭化物、酸化物、窒化物を含有させておいてスパッタリングして、MoTa系の炭化物、酸化物、窒化物等を含有するブラックマトリックスを形成する方法の開示もある。
上述した特許文献1で開示される、純Taと純Moの各粉末に加え、MoTa系の炭化物、酸化物、窒化物等を含有させて、粉末焼結法で作製した焼結体からなるMoTaターゲットは、脆いMoTa系の炭化物、酸化物、窒化物等を含有するため、局所的な脆化相が形成される場合がある。このため、焼結体をMoTaターゲットに機械加工する際に、焼結体が圧縮やせん断等の高い負荷を受けることに加え、チャッキングやボンディング等のハンドリング時にMoTaターゲット自体が破損してしまうという、機械加工性の問題が生じる場合がある。
また、MoTaターゲット中に局所的な脆化相が存在してしまうと、この脆化相のみが残存したり、脱落したりすることにより、スパッタ時にスパッタ面の表面粗さが粗くなり、異常放電の起点となりやすくなるという問題もある。
本発明の目的は、酸化物を含有するMo系ターゲット(以下、単に「ターゲット」ともいう。)において、機械加工性の問題解決に加え、スパッタ時の異常放電の抑制も達成できる新規なMo系ターゲット、およびその製造方法を提供することである。
本発明のMo系ターゲットは、Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなり、10000μm2あたりで、20μmを超える円相当径を有する金属酸化物相が1個未満である。
また、本発明のMo系ターゲットは、10000μm2あたりで、5μm以上の円相当径を有する空孔が1個未満であることが好ましい。
また、本発明のMo系ターゲットは、10000μm2あたりで、5μm以上の円相当径を有する空孔が1個未満であることが好ましい。
本発明のターゲットは、平均粒径が2μm〜10μmのMo粉末と、篩にかけて20μmアンダーで平均粒径が0.1μm〜10μmのNb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物粉末を用意する造粒工程と、
Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなるように、前記Mo粉末と前記金属酸化物粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、
前記混合粉末を加圧容器に充填し、加圧焼結して焼結体を得る焼結工程を
有する製造方法で得ることができる。
Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなるように、前記Mo粉末と前記金属酸化物粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、
前記混合粉末を加圧容器に充填し、加圧焼結して焼結体を得る焼結工程を
有する製造方法で得ることができる。
本発明によれば、上記した機械加工性の問題解決とスパッタ時の異常放電の抑制を同時に達成できる。このため、本発明は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等に組み込まれる、高い遮光率を有するブラックマトリックスの形成が可能となり、画像表示装置の製造に有用な技術となる。
本発明のターゲットは、10000μm2という単位面積当たりで、20μmを超える円相当径を有する金属酸化物相が1個未満である。上述したように、ターゲットは、通常、焼結体を機械加工により所定の形状に加工されて使用される。ここで、機械加工は、ダイヤモンド砥石による研削加工が行なわれる。このとき、ターゲットは、研削加工による圧縮やせん断等の高い負荷を受ける。
また、ボンディング工程における運搬作業や反転作業等のハンドリング時では、ターゲットは一部の箇所のみが支えられ、それ以外の大部分の箇所は支え無しで作業されるため、曲げ等の高い負荷を受ける。
また、ボンディング工程における運搬作業や反転作業等のハンドリング時では、ターゲットは一部の箇所のみが支えられ、それ以外の大部分の箇所は支え無しで作業されるため、曲げ等の高い負荷を受ける。
本発明のターゲットは、10000μm2という単位面積当たりで、20μmを超える円相当径を有する金属酸化物相を1個未満にする、換言すれば、マトリックスとなるMoと、20μm以下の円相当径を有する金属酸化物相からなる。これにより、本発明のターゲットは、圧縮、せん断、曲げ等の高い負荷を受けても、ターゲットに存在する金属酸化物相間における割れの伝播が抑制され、ターゲット自体の割れを抑制できる。
また、本発明のターゲットは、割れ耐性を向上させる観点から、10000μm2あたりで、5μm以上の円相当径を有する空孔を1個未満にすることが好ましい。
また、本発明のターゲットは、割れ耐性を向上させる観点から、10000μm2あたりで、5μm以上の円相当径を有する空孔を1個未満にすることが好ましい。
また、本発明のターゲットは、20μmを超える円相当径を有する金属酸化物相が1個未満であるため、粗大な金属酸化物相がスパッタ面に残存したり、脱落したりすることが抑制される。このため、本発明のターゲットは、スパッタ時にスパッタ面の表面粗さが粗くなることを抑制でき、異常放電の抑制に寄与できる。
ここで、本発明でいう金属酸化物相および空孔の円相当径は、ターゲットのスパッタ面の任意の視野において、走査型電子顕微鏡により反射電子像の濃灰色で示される金属酸化物相と、黒色で示される空孔を撮影し、その画像を画像解析ソフト(例えば、OLYMPUS SOFT IMAGING SOLUTIONS GMBH社製の「Scandium」)を用いて測定することができる。
また、本発明でいう金属酸化物相および空孔の円相当径は、上述した機械加工性の問題解決やスパッタ時の異常放電を抑制する観点から、ターゲットの全面で観察される金属酸化物相および空孔の円相当径のことをいい、代表的にターゲットのスパッタ面で観察される金属酸化物相および空孔の円相当径で評価することができる。
また、本発明でいう金属酸化物相および空孔の円相当径は、上述した機械加工性の問題解決やスパッタ時の異常放電を抑制する観点から、ターゲットの全面で観察される金属酸化物相および空孔の円相当径のことをいい、代表的にターゲットのスパッタ面で観察される金属酸化物相および空孔の円相当径で評価することができる。
本発明のターゲットは、Nb、Ta、Wから選択される1種以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなる。上記の金属酸化物の含有量は、ブラックマトリックスとしての遮光性や反射性等の光学特性や、エッチング性や耐食性等の化学特性を得ることができる範囲として、1〜20質量%に規定する。また、上記と同様の理由から、金属酸化物の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
また、本発明でいうNb、Ta、Wから選択される1種以上の元素を含む金属酸化物は、例えば、Nb2O5、Ta2O5、WO3等が挙げられ、Nb、Ta、Wから選択される2種以上の元素を含有する複合酸化物も適用できる。そして、本発明のターゲットは、ターゲット組織中の脆化相を抑制する観点から、Moを含む金属酸化物を含有しないことが好ましい。
また、本発明のターゲットは、残部を占めるMo以外の不可避的不純物の含有量は少ないことが好ましく、本発明の作用を損なわない範囲で、窒素、炭素、Fe、Ti、Cu等の不可避的不純物を含んでもよい。例えば、窒素は100質量ppm以下、炭素は200質量ppm以下、Fe、Ti、Cuはそれぞれ80質量ppm以下であることが好ましい。
また、本発明でいうNb、Ta、Wから選択される1種以上の元素を含む金属酸化物は、例えば、Nb2O5、Ta2O5、WO3等が挙げられ、Nb、Ta、Wから選択される2種以上の元素を含有する複合酸化物も適用できる。そして、本発明のターゲットは、ターゲット組織中の脆化相を抑制する観点から、Moを含む金属酸化物を含有しないことが好ましい。
また、本発明のターゲットは、残部を占めるMo以外の不可避的不純物の含有量は少ないことが好ましく、本発明の作用を損なわない範囲で、窒素、炭素、Fe、Ti、Cu等の不可避的不純物を含んでもよい。例えば、窒素は100質量ppm以下、炭素は200質量ppm以下、Fe、Ti、Cuはそれぞれ80質量ppm以下であることが好ましい。
本発明のターゲットは、Mo粉末と、Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物粉末を用意する造粒工程と、Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなるように、Mo粉末と金属酸化物粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、混合粉末を加圧容器に充填し、加圧焼結して焼結体を得る焼結工程を経て得ることができる。
造粒工程において、Mo粉末は、平均粒径(累積粒度分布の50%粒径、以下「D50」という。)が2μm〜10μmの粉末を用いることにより、Moを含む酸化物の生成を抑制できる。
また、造粒工程において、Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物粉末は、篩にかけて20μmアンダーでD50が0.1μm〜10μmの範囲の金属酸化物粉末を用いることで、円相当径が20μmを超える粗大な金属酸化物相が1個未満である、均一で微細な組織を有する焼結体からなるターゲットを得ることができる。
ここで、本発明で用いる金属酸化物粉末は、例えば、Nbを含む金属酸化物を適用する場合はNb2O5粉末が好ましく、Taを含む金属酸化物を適用する場合はTa2O5粉末が好ましく、Wを含む金属酸化物を適用する場合はWO3粉末が好ましい。また、本発明では、Nb、Ta、Wから選択される2種以上の元素を含有する複合酸化物からなる金属酸化物粉末も適用できる。
そして、混合工程において、例えば、クロスロータリー混合機等を用いて、Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなるように、造粒工程で得たMo粉末と金属酸化物粉末を混合して、混合粉末を得る。
また、造粒工程において、Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物粉末は、篩にかけて20μmアンダーでD50が0.1μm〜10μmの範囲の金属酸化物粉末を用いることで、円相当径が20μmを超える粗大な金属酸化物相が1個未満である、均一で微細な組織を有する焼結体からなるターゲットを得ることができる。
ここで、本発明で用いる金属酸化物粉末は、例えば、Nbを含む金属酸化物を適用する場合はNb2O5粉末が好ましく、Taを含む金属酸化物を適用する場合はTa2O5粉末が好ましく、Wを含む金属酸化物を適用する場合はWO3粉末が好ましい。また、本発明では、Nb、Ta、Wから選択される2種以上の元素を含有する複合酸化物からなる金属酸化物粉末も適用できる。
そして、混合工程において、例えば、クロスロータリー混合機等を用いて、Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなるように、造粒工程で得たMo粉末と金属酸化物粉末を混合して、混合粉末を得る。
次に、焼結工程において、混合工程で得た混合粉末を加圧容器に充填し、加圧焼結して焼結体を得る。ここで、焼結工程における加圧焼結は、例えば、熱間静水圧プレスやホットプレスを適用することが可能であり、1000℃〜1500℃、80MPa〜160MPa、1時間〜15時間の条件で行なうことが好ましい。これらの条件は、得ようとするターゲットの成分、サイズ、加圧焼結装置等の仕様により設定できる。例えば、熱間静水圧プレスは、低温高圧の条件が適用しやすく、ホットプレスは、高温低圧の条件が適用しやすい。本発明では、長辺が2m以上の大型のターゲットを得ることが可能な熱間静水圧プレスを用いることが好ましい。
焼結温度は、1000℃以上にすることで、焼結が促進され、緻密な焼結体を得ることができる点で好ましい。また、焼結温度は、1500℃以下にすることで、汎用の加圧焼結設備が適用できる上、金属酸化物の成長を抑制し、均一で微細な組織を得ることができる点で好ましい。
加圧力は、80MPa以上にすることで、焼結を促進させ、空孔が抑制された緻密な焼結体を得ることができる点で好ましい。また、加圧力は、160MPa以下にすることで、汎用の加圧焼結設備を適用できる点で好ましい。
焼結時間は、1時間以上にすることで、焼結を促進させ、緻密な焼結体を得ることができる点で好ましい。また、焼結時間は、15時間以下にすることで、製造効率を阻害することなく、空孔が抑制された緻密な焼結体を得ることができる点で好ましい。
尚、本発明のターゲットを得る際に、熱間静水圧プレスを適用する場合は、上記の混合粉末を加圧焼結する前に、加圧容器を400℃〜500℃に加熱して真空脱気してから封止をすることにより、Moを含む酸化物の生成や金属酸化物の成長を抑制できる点で好ましい。
加圧力は、80MPa以上にすることで、焼結を促進させ、空孔が抑制された緻密な焼結体を得ることができる点で好ましい。また、加圧力は、160MPa以下にすることで、汎用の加圧焼結設備を適用できる点で好ましい。
焼結時間は、1時間以上にすることで、焼結を促進させ、緻密な焼結体を得ることができる点で好ましい。また、焼結時間は、15時間以下にすることで、製造効率を阻害することなく、空孔が抑制された緻密な焼結体を得ることができる点で好ましい。
尚、本発明のターゲットを得る際に、熱間静水圧プレスを適用する場合は、上記の混合粉末を加圧焼結する前に、加圧容器を400℃〜500℃に加熱して真空脱気してから封止をすることにより、Moを含む酸化物の生成や金属酸化物の成長を抑制できる点で好ましい。
D50が4μmのMo粉末と、篩にかけて20μmアンダーでD50が0.5μmとなるTa2O5粉末を用意し、Ta2O5を3質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物となるように、クロスロータリー混合機で混合して、混合粉末を得た。
次に、上記で得た混合粉末を、軟鋼製の加圧容器に充填して、脱気口を有する上蓋を溶接した。そして、この加圧容器を450℃で真空脱気をして封止をした後、1250℃、145MPa、10時間の条件で熱間静水圧プレス処理を行ない、本発明例のターゲットの素材となる焼結体を得た。
次に、上記で得た混合粉末を、軟鋼製の加圧容器に充填して、脱気口を有する上蓋を溶接した。そして、この加圧容器を450℃で真空脱気をして封止をした後、1250℃、145MPa、10時間の条件で熱間静水圧プレス処理を行ない、本発明例のターゲットの素材となる焼結体を得た。
D50が4μmのMo粉末と、篩にかけずにD50が0.5μmのTa2O5粉末を用意し、Ta2O5を3質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物となるように、クロスロータリー混合機で混合して、混合粉末を得た。
次に、上記で得た混合粉末を、軟鋼製の加圧容器に充填して、脱気口を有する上蓋を溶接した。そして、この加圧容器を450℃で真空脱気をして封止をした後、1250℃、145MPa、10時間の条件で熱間静水圧プレス処理を行ない、比較例のターゲットの素材となる焼結体を得た。
次に、上記で得た混合粉末を、軟鋼製の加圧容器に充填して、脱気口を有する上蓋を溶接した。そして、この加圧容器を450℃で真空脱気をして封止をした後、1250℃、145MPa、10時間の条件で熱間静水圧プレス処理を行ない、比較例のターゲットの素材となる焼結体を得た。
上記で得た各焼結体を、それぞれ、直径100mm×厚さ5mmとなるように機械加工してターゲットを作製した。尚、本発明例となるターゲットは、機械加工時に、チップの摩耗や破損がないことを確認した。また、切削機械へのチャッキング等のハンドリングで焼結体が破損することもなかった。また、機械加工において、金属酸化物の脱落もなかったことから、スパッタ時の異常放電の抑制も期待できる。
一方、比較例となるターゲットは、機械加工において、金属酸化物が脱落している箇所が確認された。
一方、比較例となるターゲットは、機械加工において、金属酸化物が脱落している箇所が確認された。
上記で得た各ターゲットのスパッタ面を走査型電子顕微鏡の反射電子像で、任意の縦:94.6μm×横:130.6μm(面積:12355μm2)の視野のうち、10000μm2となる視野を1視野観察し、視野内に存在する金属酸化物相および空孔の円相当径を測定し、20μmを超える金属酸化物相と、5μm以上の空孔の個数を計測した。
ここで、計測は、走査型電子顕微鏡によりMo相とTa2O5相と空孔とを高コントラストで撮影し、その画像について、OLYMPUS SOFT IMAGING SOLUTIONS GMBH社製の画像解析ソフト(Scandium)を用いて行なった。
また、各ターゲットのスパッタ面となる面を走査型電子顕微鏡で観察して得た金属組織の模式図を図1および図2に示す。
ここで、計測は、走査型電子顕微鏡によりMo相とTa2O5相と空孔とを高コントラストで撮影し、その画像について、OLYMPUS SOFT IMAGING SOLUTIONS GMBH社製の画像解析ソフト(Scandium)を用いて行なった。
また、各ターゲットのスパッタ面となる面を走査型電子顕微鏡で観察して得た金属組織の模式図を図1および図2に示す。
図1の結果から、本発明例となるターゲットは、任意の10000μm2という単位面積を観察すると、マトリックスとなるMo相1に、20μm以下のTa2O5相2が点在しており、20μmを超える円相当径を有する金属酸化物相は、ないことが確認できた。また、本発明例となるターゲットは、任意の10000μm2という単位面積を観察すると、円相当径が5μm未満の空孔3は確認されたが、円相当径が5μm以上の空孔は、ないことも確認できた。
一方、比較例のターゲットは、図2に示すように、任意の10000μm2という単位面積を観察すると、マトリックスとなるMo相1に、20μmを超える円相当径を有するTa2O5相2が1個確認された。また、比較例となるターゲットは、任意の10000μm2という単位面積を観察すると、円相当径が5μm以上の空孔3が2個存在していることが確認された。
1 Mo相
2 Ta2O5相
3 空孔
2 Ta2O5相
3 空孔
Claims (3)
- Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなり、10000μm2あたりで、20μmを超える円相当径を有する金属酸化物相が1個未満であるMo系ターゲット。
- 10000μm2あたりで、5μm以上の円相当径を有する空孔が1個未満である請求項1に記載のMo系ターゲット。
- 平均粒径が2μm〜10μmのMo粉末と、篩にかけて20μmアンダーで平均粒径が0.1μm〜10μmのNb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物粉末を用意する造粒工程と、
Nb、Ta、Wから選択される1種類以上の元素を含む金属酸化物を1〜20質量%含有し、残部がMoおよび不可避的不純物からなるように、前記Mo粉末と前記金属酸化物粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、
前記混合粉末を加圧容器に充填し、加圧焼結して焼結体を得る焼結工程、
を有するMo系ターゲットの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2018059767A JP2019173055A (ja) | 2018-03-27 | 2018-03-27 | Mo系ターゲットおよびその製造方法 |
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JP2018059767A JP2019173055A (ja) | 2018-03-27 | 2018-03-27 | Mo系ターゲットおよびその製造方法 |
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