JP2023145143A - プラズマ処理装置用部材 - Google Patents

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卓哉 中川
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【課題】セラミックス焼結体からなる基材上に、前記基材の平坦性を維持するようにガラス質材料層が形成され、さらにガラス質材料層の上に、Y2O3などの耐プラズマ性材料が形成されたプラズマ処理装置用の部材を提供する。【解決手段】セラミックス焼結体からなる基材表面にガラス質材料層が形成され、さらにその上面に耐プラズマ材料層が形成されたプラズマ処理装置用部材であって、前記基材表面には、開口部における最大内接円の直径が1μm~15μmである凹部を50μm×50μmの単位面積当たり15個~35個有し、前記凹部は、前記ガラス質材料層のガラス質材料で充填され、前記耐プラズマ材料層には空孔が存在せず、その表面の最大高さRzが1μm以下であることを特徴とするプラズマ処理装置用部材。【選択図】なし

Description

本発明は、耐プラズマ性を有するプラズマ処理装置用焼結部材に関する。
半導体製造のプラズマエッチング工程においては、高周波を照射して炉内でプラズマを発生させる。そのため、プラズマに曝される炉材は耐プラズマ性を備える必要がある。耐プラズマ性の高い材料には、イットリア(Y23)またはイットリウムの酸フッ化物があるが、例えば、イットリアの焼結体は強度が小さいため大型品を作製することが難しく、アルミナ等の基材に溶射によりコーティングする手法が用いられる。現在、イットリアで被覆したアルミナ基材が多く利用されている。
しかしながら、溶射膜は膜中に空孔を有しており、プラズマによって侵食されると、パーティクルが発生する。また、溶射膜の表面には局所的な突起や孔があり、これらもプラズマに侵食される起点となり、パーティクルの発生原因になると考えられる。そのため、パーティクルの発生を抑制するには、溶射膜を緻密にし、かつ、表面を平坦にする必要がある。
緻密かつ平坦な膜を形成するための手法として、物理蒸着(PVD)または化学蒸着(CVD)などの気相成長法による膜形成がある。気相成長法による膜形成の場合、緻密かつ平坦な膜を形成するためには、基材の平坦性が重要である。しかしながら、アルミナなどの焼結体は結晶粒界に溝や孔が形成されやすく、表面平坦性が十分でない。このため、基材の平坦性を実現する何らかの手段が必要である。
特開2016-76711号公報(特許文献1)には、基板と、前記基板の少なくとも一部の上に配置される耐プラズマコーティングとを含み、前記耐プラズマコーティングが、前記基板に固有でないセラミックスを含み、1%未満の空孔率および1μm未満の算術平均粗さRaを有するプラズマ処理チャンバ部品が開示されている。特許文献1において、前記基板は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金、石英、セラミックス、または複合材料等であり、前記耐プラズマコーティングは、SiO2の中間層(5μm、10μm)とその上にY23ベースの層(20μm)を形成するY23-SiO2ハイブリッドコーティングである。
基板として、アルミニウム、アルミニウム合金または石英のような、表面を機械加工により平坦化できる緻密質材料を用いる場合には、従来から知られる種々の方法で、基板全面にSiO2中間層およびその上のY23ベース層を平坦に形成することができる。
特開2016-76711号公報
しかしながら、基板がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合、導電性を有するため、高周波エネルギーを吸収してしまい、透過しない。基板が石英ガラスである場合、光学的に透明であることから、紫外線の透過による他の部材への損傷が懸念される。一方、基板がセラミックスなどの多孔質材料である場合、SiO2中間層はCVD法またはゾルゲル法により形成されるが、これらの方法では、該多孔質材料の表面の凹凸に倣った形状を有するSiO2中間層が形成され、SiO2中間層およびその上のY23ベース層を平坦に形成することが困難である。
本発明は、セラミックス焼結体からなる基材上に、前記基材の平坦性を維持するように高い密着度でガラス質材料層が形成され、さらにガラス質材料層の上面に、イットリア(Y23)などの耐プラズマ性材料が形成されたプラズマ処理装置用の部材を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ処理装置用部材は、セラミックス焼結体からなる基材表面にガラス質材料層が形成され、さらにその上面に耐プラズマ材料層が形成されたプラズマ処理装置用部材であって、前記基材表面には開口部における最大内接円の直径が1μm~15μmである凹部を50μm×50μmの単位面積当たり15個~35個有し、前記凹部は、前記ガラス質材料層のガラス質材料で充填され、前記耐プラズマ材料層には空孔が存在せず、その表面の最大高さRzが1μm以下であることを特徴とする。
前記基材表面の前記凹部の深さは1μm~15μmであることが好ましい。
前記基材はアルミナ焼結体からなり、前記耐プラズマ材料層はイットリアからなり、前記ガラス質材料層はアルミナおよびイットリアの熱膨張係数(40℃~400℃)の±0.3×10-6/℃の熱膨張係数を有するガラス質材料からなることが好ましい。
前記ガラス質材料層は、SiO2 40wt%~60wt%およびB23 1wt%~10wt%を少なくとも有するガラス質材料からなることが好ましい。
前記ガラス質材料層の厚さは5μm~50μmであり、前記耐プラズマ材料層の厚さは2μm~20μmであることが好ましい。
本発明によれば、セラミックス焼結体からなる基材、ガラス質材料層、および耐プラズマ材料層からなるプラズマ処理装置用部材において、前記基材上に特有の大きさの凹部を特定密度で形成し、当該凹部にガラス質材料を充填することで、密着度及び平坦性の高いガラス質材料層を形成することができ、更にその上に緻密かつ特定粗さの表面状態の耐プラズマ材料層を形成することで、プラズマを照射を受けた時、ガラス質材料層が剥離または破損することがなく、また、パーティクルの発生が抑制された耐プラズマ性に優れたプラズマ処理装置用部材を提供することができる。
図1は、アルミナ焼結体試料の研削面を垂直上方から撮った光学顕微鏡写真である。 図2は、レーザー顕微鏡で観察したガラス質材料層表面の形態である。 図3は、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)で観察した実施例1のY23膜表面の形態である。 図4は、FE-SEMで観察した比較例1のY23膜表面の形態である。 図5は、実施例1のプラズマ処理装置用部材の成膜方向に水平断面をFE-SEMで観察した基材表面の形態である。
本発明のプラズマ処理装置用部材について、詳細に説明する。
本発明のプラズマ処理装置用部材は、セラミックス焼結体からなる基材表面にガラス質材料層が形成され、さらにその上面に耐プラズマ材料層が形成された構造を有する。
前記基材はセラミックス焼結体である。セラミックス焼結体は、非導電性であり高周波エネルギーの吸収、透過がし難く、また、紫外線光透過性が低く紫外線による他部材損傷をきたす恐れが低い。前記セラミックス焼結体のうち、軽量で剛性の高いアルミナ質焼結体が好適である。アルミナ質焼結体は、低誘電損失特性を有し、例えば、耐食性を有するなど、高温多湿環境下でも安定である。前記基材としてアルミナ焼結体を用いることで、プラズマ処理装置用部材が高周波透過特性と高い剛性とを有する。
前記アルミナ質焼結体中のアルミニウム(Al)量は、Al23換算した含有量で99.8wt%以上である。AlをAl23換算した含有量が99.8wt%未満になると、腐食性の高いハロゲン系ガスやそれらのプラズマに対して、高い耐食性が得られ難くなる。なお、アルミナ質焼結体には、Al23以外に、所定量の焼結助剤が含まれていても良く、また、アルミナ製造工程において不可避的に混入するSi、Mg、NaおよびCaなどの成分が含まれていても良い。
本発明のプラズマ処理装置用部材は、セラミックス焼結体からなる基材表面にガラス質材料層が形成され、さらにその上面に耐プラズマ材料層が形成されたものである。前記基材表面には、開口部における最大内接円の直径が1μm~15μmである凹部を50μm×50μmの単位面積当たり15個~35個有する。これによって、基材とガラス質材料の密着力を高めることができるとともに、より平坦性の高いガラス質材料層を形成することができる。凹部の開口部最大内接円の直径を1μm~15μmとするのは、1μm未満であると、凹部をガラス質材料で充填しても、基材とガラス質材料層との十分な密着力に寄与することができないためである。一方、15μmを超えると、凹部をガラス質材料で埋めても、ガラス質材料表面に局所的な凹凸部が形成されるなどの不具合が生じる。
また、前記凹部の数が50μm×50μmの単位面積当たり15個未満では、前記基材と前記ガラス質材料層との十分な密着力が得られず、35個超では、ガラス表面に局所的凹凸部が形成されるといった不具合が生じ、十分な密着力が得られにくい。
なお、前記開口部の最大内接円の直径が1μm未満の凹部は、前記単位面積当たり、何個か含まれていてもよく、15μmを超える凹部は含まれないことがより好ましい。
基材とガラス質材料層との十分な密着力をより高めるためには、前記凹部の深さは1μm~15μmであることが好ましい。
なお、基材表面の凹部の個数は、耐プラズマ材料層を機械研削により除去し、ガラス質材料層をフッ化水素酸(HF)溶液によりエッチング除去した後の基材表面を光学顕微鏡で垂直上方から観察することにより計測する。凹部開口部の最大内接円の直径は、図1の光学顕微鏡写真に図示したように各凹部開口部に内接する最大円を定め、この直径を測定したものである。
前記基材表面は、気孔率3%~6%の緻密質セラミックス焼結体の表面を平面研削盤等で研削、または更に研磨(平滑化処理)し、算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001およびJIS B 0633:2001に準拠)を0.5μm以下に調節することで形成することができる。
前記基材の厚さは、好ましくは25mm~35mmである。
本発明のプラズマ処理装置用部材は、基材と耐プラズマ材料層との間にガラス質材料層が隙間なく介在されていることがより好ましい。これにより、耐プラズマ材料層の形成時、およびプラズマ処理装置用部材にプラズマを照射する時、ガラス質材料層が剥離または破損するのを防止することができる。また、基材表面にできた凹部がガラス質材料層で隙間なく充填されることにより、耐プラズマ材料層表面に局所的な凹凸が発生するのを防止することができる。
前記ガラス質材料は、少なくとも、SiO2を40wt%~60wt%およびB23を1wt%~10wt%含有することが好ましい。ガラス質材料には、SiO2およびB23以外にAl23およびCaO等の成分が少量含まれる。SiO2およびB23の前記パーセンテージは、これらの合計を100wt%としたときの含有量を表す。
SiO2はガラス化に必須の元素である。SiO2濃度が40wt%~60wt%であるとき、比較的低温でガラス化が可能である。SiO2濃度が40wt%未満であると、ガラス化は難しく結晶が発生する。一方、SiO2濃度が60wt%を超えると、ガラス質材料の融点が高くなり、粘性も上がり、基板表面の空隙を埋めるのが困難となる。また、高い温度から下げていく途中で基板との熱膨張差により、基板が破損するおそれもある。
23はガラス質材料の粘性を低下させる。B23濃度が1wt%~10wt%であるとき、基材表面の凹部にガラス質材料が十分に流入し、アルミナ焼結体基材およびイットリア耐プラズマ材料層との接合性をより高めることができる。B23濃度が1wt%以上であると、ガラス質材料の融点が低下し、結晶化することなくガラス化することができる。しかしながら、B23濃度が10wt%を超えると、ガラスの分相が起こり、ガラス質材料層の表面に意図せず凹凸が発生することがある。
前記基材にガラス質材料を形成する方法は、ガラス質材料をエタノールなどの溶媒に溶解し、基材上にスクリーン印刷して、熱処理して基材に定着させることにより形成する。前記ガラス質材料層のガラス質材料は、前記基材表面にある開口凹部に入り込み、前記開口凹部を充填する。
前記ガラス質材料層の厚さは、5μm~50μmが好ましく、15μm~40μmがより好ましい。ガラス質材料層の厚さを前記範囲とすることで、後述する耐プラズマ材料層に十分な平坦性を付与することができる。また、前記ガラス質材料層により、プラズマ処理装置用部材の厚さを調節することができる。
前記ガラス質材料層の熱膨張係数は、基材がアルミナ焼結体で形成され、後述する耐プラズマ材料層がイットリアで形成された場合、アルミナおよびイットリアの熱膨張係数(40℃~400℃)の±0.3×10-6/℃であることが好ましい。前記ガラス質材料と、アルミナおよびイットリアの熱膨張係数との差が、±0.3×10-6/℃であるとき、プラズマ処理装置用部材の使用時、装置内の昇降温により、ガラス質材料または耐プラズマ材料層が破損するのを防止することができる。なお、アルミナおよびイットリアの熱膨張係数(40℃~400℃)は、いずれも7.2×10-6/℃である。
前記プラズマ処理装置用部材は、ガラス質材料層の上に、空孔が存在せず、その表面の最大高さRzが1μm以下である耐プラズマ材料層を備えている。これにより、プラズマ環境下で使用された際のパーティクルの発生をより確実に抑制することができる。耐プラズマ材料層表面の最大高さRzは0.1以下であることがより好ましく、これにより耐プラズマ材料層表面におけるプラズマによる局部的エッチング進行を抑制しパーティクル発生を防止することができる。
耐プラズマ材料には、イットリア、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG;Y3Al512)、酸化エルビウム(III)(Er23)、その他の希土類酸化物または希土類酸化物を含む複合酸化物などがある。これらのうち、高い耐プラズマ性を有するイットリアを用いることが好ましい。つまり、耐プラズマ材料層は、ガラス質材料層の表面に形成されたイットリア(Y23)多結晶体を含む層状構造物であることが好ましい。
耐プラズマ材料層の厚さは2μm~20μmが好ましく、5μm~15μmがより好ましい。耐プラズマ材料層の厚さを前記範囲とすることで、プラズマ処理装置用部材が十分な耐プラズマ性を備えることができる。
前記耐プラズマ材料層は、500℃以下の温度による気相成長法により形成される。気相成長法には、イオンプレーティングなどのPVD法や、原子層堆積(ALD)などのCVD法がある。これらのうち、イオンプレーティング法が好ましい。500℃以下の温度による気相成長法を用いて耐プラズマ材料層を形成することで、ガラス質材料層との熱膨張差による応力発生が少ないため、耐プラズマ材料層が膜剥がれ難くなる。
前記耐プラズマ材料層は、粉末材料の噴射加工技術の一つであるエアロゾルデポジション法(AD法)により、形成することもできる。AD法は溶射法に近い手法であるものの、パーティクルの発生を抑えながら、緻密な膜を形成することができる手法である。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明は下記に示す実施例により制限されるものではない。
〔プラズマ処理装置用部材の評価方法〕
[表面粗さ測定]
フォームタリサーフ(アメテック株式会社製 PGI830)を使用し、JIS B 0601:2001およびJIS B 0633:2001に準拠して、算術平均粗さRaおよび最大高さRzを計測した。
[プラズマ曝露試験]
プラズマ処理装置用部材の試験片を平行平板型RIE装置に取り付け、周波数13.56MHz、高周波ソース500W、高周波バイアス40W、ガス(CF4)流量100cc/min、ガス圧0.5332Pa(4mTorr)、プラズマ密度1.7×1011atoms/cm3、およびイオン衝撃エネルギー88eVという過酷な条件で、プラズマ曝露試験を行った。
[プラズマ処理装置用部材の製造および評価結果]
[実施例1]
純度99.5%で平均粒子径1μm~2μmのAl23粉末に対して、SiO2を200ppm~400ppm添加して、原料粉を調製した。原料粉100wt%に対して、バインダーとしてポリビニルアルコールを2質量%添加して造粒粉を調製した。造粒粉を10μm~120μmの篩にかけた。
篩分された造粒粉を成形型内に充填し、冷間静水圧プレス(CIP)成形により、100MPaの圧力で成形体を作製した。
その後、1100℃で2時間の脱脂処理を行った後、水素雰囲気下、1800℃で焼成し、アルミナ焼結体を得た。前記アルミナ焼結体を25mm×25mm×厚さ3.5mmの大きさに切り出し、アルミナ焼結体とした。
算術平均粗さRaが0.2μm~1μmになるまでアルミナ焼結体を平面研削盤を用いて研削した後、硫酸/過酸化水素水溶液で浸漬洗浄し、洗浄水でリンスし、乾燥した。
図1は、アルミナ焼結体の研削面の垂直上方から撮った光学顕微鏡写真である。全体として平坦な表面に、口部開口部における最大内接円の直径が1μm~15μmである凹部が多数存在し、前記凹部は観察部位の異なるいずれの写真においても、またいずれの領域においても、前記凹部は、50μm×50μmの単位面積当たり15個~35個確認された。
SiO2 50wt%およびB23 5wt%を含むガラスペーストをエタノールで希釈し、アルミナ焼結体(25mm×25mm×厚さ3.5mm)の研削面に対して、厚さ50μmのスクリーン印刷を行った。500℃で仮焼し、その後、1250℃で焼成し、アルミナ焼結体試料の研削面に厚さ20μmのガラス質材料層を形成した。
前記ガラス質材料層の表面をレーザー顕微鏡で観察したところ、粒界や結晶は観察されなかった(図2)。同表面の算術平均粗さRaは0.002μmであり、最大高さRzは0.01μmであった。
その後、耐プラズマ材料として、Y23を用いて、300℃でのイオンプレーティング法により、前記ガラス質材料層の上面に厚さ5μmのY23膜を形成し、プラズマ処理装置用部材の試験片を作製した。
前記Y23膜の表面を電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)で観察したところ、図3に示すとおり、均質で平坦な面であった。前記Y23膜表面の算術平均粗さRaは0.005μmであり、最大高さRzは0.04μmであった。
成膜方向に水平な断面をFE-SEMにて観察したところ、図5に示すとおり、基材表面に開口部における最大内接円の直径が1μm~15μmで深さ1μm~10μmである凹部が形成されていることが確認された。前記凹部にはガラス質材料が充填され、空孔および界面の空隙のいずれも認められなかった。また、ガラス質材料の破損も認められなかった。
熱膨張係数の測定のため、前記ガラス質材料層の形成に用いたガラスペーストを用いて、所定厚さの成形体を作製し、同条件で仮焼および焼成した。焼成体の熱膨張係数(40℃~400℃)は7.1×10-6/℃であり、アルミナ焼結体及び耐プラズマ材料層のY23の熱膨張係数の±0.3×10-6/℃の範囲内であることが確認された。
プラズマ曝露試験の結果、実施例1の試験片では、長径0.1μmを超えるパーティクルは確認されなかった。
[比較例1]
実施例1において、ガラス質材料層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、プラズマ処理装置用部材の試験片を作製した。すなわち、アルミナ焼結体試料の研削面に、Y23膜(耐プラズマ材料層)を直に形成した。
実施例1と同様に、Y23膜表面をFE-SEMで観察したところ、図4に示すように、最長5μm程度の溝が確認された。Y23膜表面の算術平均粗さRaは0.13μmであり、最大高さRzは1.89μmであった。
[比較例2]
実施例1において、イオンプレーティング法に代えて、溶射法により、Y23膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、プラズマ処理装置用部材の試験片を作製した。
23膜表面をFE-SEMで観察したところ、35個を超える多数の凹部が確認された。Y23膜表面の算術平均粗さRaは0.17μmであり、最大高さRzは2.91μmであった。
プラズマ曝露試験の結果、比較例1ではパーティクルの発生が確認された。比較例2では比較例1を超えるパーティクルが確認された。

Claims (5)

  1. セラミックス焼結体からなる基材表面にガラス質材料層が形成され、さらにその上面に耐プラズマ材料層が形成されたプラズマ処理装置用部材であって、
    前記基材表面には、開口部における最大内接円の直径が1μm~15μmである凹部を50μm×50μmの単位面積当たり15個~35個有し、
    前記凹部は、前記ガラス質材料層のガラス質材料で充填され、
    前記耐プラズマ材料層には空孔が存在せず、その表面の最大高さRzが1μm以下であることを特徴とするプラズマ処理装置用部材。
  2. 前記基材表面にある凹部の深さが1μm~15μmである
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置用部材。
  3. 前記基材がアルミナ焼結体からなり、
    前記耐プラズマ材料層がイットリアからなり、かつ、
    前記ガラス質材料層が、アルミナおよびイットリアの熱膨張係数(40℃~400℃)の±0.3×10-6/℃の熱膨張係数を有するガラス質材料からなることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置用部材。
  4. 前記ガラス質材料層が、SiO2 40wt%~60wt%およびB23 1wt%~10wt%を少なくとも有するガラス質材料からなることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置用部材。
  5. 前記ガラス質材料層の厚さが5μm~50μmであり、
    前記耐プラズマ材料層の厚さが2μm~20μmである
    ことを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置用部材。
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