JP4012714B2 - 耐食性部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にフッ素系腐食性ガスおよびフッ素系プラズマに対して高い耐食性を有する、プラズマ処理装置や半導体製造用又は液晶用プラズマプロセス装置の内の内壁材や治具等として使用される耐食性部材に関するものである。
【0002】
【従来技術】
半導体製造のドライプロセスやプラズマコーティングなど、プラズマの利用は近年急速に進んでいる。半導体におけるプラズマプロセスとしては、フッ素系等のハロゲン系腐食ガスがその反応性の高さから、気相成長、エッチングやクリーニングに利用されている。
【0003】
これら腐食性ガスに接触する部材には高い耐食性が要求され、従来より被処理物以外のこれらプラズマに接触する部材は、一般にガラスや石英などのSiO2を主成分とする材料やステンレス、モネル等の耐食性金属が多用されている。
【0004】
また、半導体製造時において、ウェハを支持固定するサセプタ材としてアルミナ焼結体、サファイア、AlNの焼結体、又はこれらをCVD法等により表面被覆したものが耐食性に優れるとして使用されている。また、グラファイト、窒化硼素をコーティングしたヒータ等も使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来から用いられているガラスや石英ではプラズマ中の耐食性が不充分で消耗が激しく、特にフッ素プラズマに接すると接触面がエッチングされ、表面性状が変化したり、光透過性が必要とされる部材では、表面が次第に白く曇って透光性が低下する等の問題が生じていた。
【0006】
また、ステンレスなどの金属を使用した部材でも耐食性が不充分なため、腐食によって、特に半導体製造においては不良品発生の原因となっていた。
【0007】
アルミナ、AlNの焼結体は、上記の材料に比較してフッ素系ガスに対して耐食性に優れるものの、高温でプラズマと接すると腐食が徐々に進行して焼結体の表面から結晶粒子の脱粒が生じ、パーティクル発生の原因になるという問題が起きている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、フッ素系腐食ガス及びプラズマに対する耐食性を高めるための方法について検討を重ねた結果、まず、フッ素系腐食ガス又はプラズマとの反応が進行すると高融点のフッ化物が生成されること、特に周期律表第3a族元素とSiとの複合酸化物は、安価に入手できるとともに、そのフッ化物が表面に安定なフッ化物層を形成し部材の腐食性が抑制され、従来のアルミナやガラス、AlN、Si3N4などよりも優れた耐食性を実現できることを知見したものである。
【0009】
即ち、本発明の耐食性部材は、上記の知見に基づき完成されたものであり、フッ素系腐食ガス或いはそのプラズマに曝される耐食性部材における少なくとも前記腐食ガスやプラズマに直接接触する部位が、周期律表第3a族元素とSiとを含む複合酸化物(但しAlを含まず)によって構成することにより、高温、高密度のフッ素系腐食雰囲気において長時間の耐性を有する比較的安価な部材を提供できるものである。
【0010】
本発明によれば、フッ素系ガス及びプラズマに曝される部材として周期律表第3a族元素とSiとを含む複合酸化物材料(但しAlを含まず)を使用することにより、材料表面がフッ素との反応によって安定なフッ化物層を生成し、幅広い温度範囲で過酷なフッ素系腐食雰囲気への耐性向上が達成される。
【0011】
さらに、フッ素と反応して容易に揮発してしまうようなSi、Ge、Mo、W等の元素化合物の粒界への析出を抑え、その遍在を防ぐことにより、局部的な耐食性の低下とそれを原因とした脱粒パーティクル発生を防止し、更なる耐食性の向上を図ることが可能となる。これらの元素は腐食の初期段階で揮発していくが、材料表面には周期律表第3a族元素を含むフッ化物が残留して、次第に周期律表第3a族元素に富むフッ化物層が形成される結果、腐食の進行を抑制することができる。
【0012】
しかも、周期律表第3a族元素とSiとを含む複合酸化物は、周期律表第3a族元素酸化物に比較して、PVD法、CVD法などの薄膜技術によって形成するのに止まらず、緻密な焼結体として作製することができるために、あらゆる形状品に適合することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の耐食性部材は、フッ素系の腐食ガスまたはフッ素系プラズマに曝される部材であり、フッ素系ガスとしては、SF6、CF4、CHF3、ClF3、HF等が挙げられ、これらのガスが導入された雰囲気にマイクロ波や高周波等を導入するとこれらのガスがプラズマ化される。
【0014】
本発明によれば、このようなフッ素系ガスあるいはそのプラズマに曝される部位を、少なくとも周期律表第3a族元素とSiとを含む複合酸化物から構成するものである。但しAlを含まない。ここで、複合酸化物を構成する周期律表第3a族元素としては、Sc、Y、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどいずれでの使用されるが、特にY、La、Ce、Nd、Dyがコストの点で望ましい。
【0015】
この複合酸化物の耐食性は周期律表第3a族元素量に大きく影響され、周期律表第3a族元素は、複合酸化物中の全金属元素中、30原子%以上、特に40原子%以上存在することが望ましい。これは、周期律表第3a族元素量が30原子%より少ないと、ハロゲン化ガスやそのプラズマ中での初期の腐食が激しく次第に表面に保護層が形成されるものの、長時間を要するために実用的ではない。
【0016】
また、複合酸化物としては、上記の少なくとも2種の金属元素を含むガラス、セラミック焼結体の他、単結晶であってもよいが、セラミック焼結体の場合には、粒界に析出した粒界相の耐食性が主結晶粒子より著しく劣る場合、粒界相が選択的に腐食され、脱粒、パ―ティクル発生の原因となる。そのため、フッ素に腐食されやすいSi、Ge、Mo、Wの粒界中の含有量は全量中1重量%以下に抑えることが好ましい。これらのフッ素に腐食されやすい元素が主結晶粒子内に固溶して粒界に存在しない場合はこの限りでない。
【0017】
複合酸化物は、結晶質を主体とし、特にガーネット型結晶、単斜晶型結晶、ペロブスカイト型結晶、モノシリケート(Y2O3・SiO2)、ダイシリケート(Y2O3・2SiO2)などのシリケート化合物を主体とするものが優れた耐食性を有する点で望ましい。これらの中でもガーネット型結晶、ダイシリケート型結晶が焼結性と製造コストが安価である点で最も望ましい。
【0018】
また、上記複合酸化物の焼結体は、例えば、周期律表第3a族元素酸化物とSiO2粉末との混合物を1100〜1900℃の酸化性雰囲気中又は真空雰囲気中で焼成することにより作製することができる。焼成方法としては、常圧焼成の他、ホットプレス法などが採用される。
【0019】
また、本発明の耐食性部材としては、かかる焼結体にとどまらず、PVD法、CVD法などの周知の薄膜形成法によって、所定の基体表面に薄膜として形成したものであってもよい。また、周知のゾルゲル法により液相を塗布し焼成した薄膜でもよい。これらの中では、粉末を成形し焼成した焼結体であることが、あらゆる部材への適用性に優れることから最も望ましい。なお、この複合酸化物は、ハロゲン系腐食ガスまたはそのプラズマに曝される部位に形成されるものであるが、かかる金属酸化物は、少なくともその厚みが10μm以上であることが、優れた耐食性を付与する上で望ましい。つまり、その厚みが10μmより薄いと優れた耐食効果が期待できないためである。
【0020】
【実施例】
各種酸化物粉末を用いて、表1に記載の各種の材料を作製した。表1中、試料No.1〜3は、表1の希土類酸化物とSiO2との混合物を2000℃で溶融した後、急冷してガラス化したものである。試料No.4、5はY2O3とSiO2を所定の割合で混合した成形体を1300〜1600℃で焼成したものである。
【0021】
そして、表1の種々の材料をRIEプラズマエッチング装置内に設置し、CF4とO2の混合ガス(CF4:O2=9:1)、ArとSF6の混合ガス(Ar:SF6=2:3)のいずれかを導入するとともに、マイクロ波を導入してプラズマを発生させた。このプラズマ中で最高3時間保持して、処理前後の材料の重量減少を測定し、その値から1分あたりのエッチングされる厚み(エッチングレート)を算出した。また、試験後の試料の表面状態を観察しその結果を表1に示した。
【0022】
なお、比較例として、従来のBN焼結体、石英ガラス、Si3N4焼結体、Al2O3焼結体、AlN焼結体についても同様に試験を行った。
【0023】
【表1】
【0024】
表1に示すように、比較例の従来の各種材料(試料No.6〜13)は、いずれもエッチング速度が70Å/min以上であり、しかも表面状態も荒れがひどく、Si3N4焼結体では、表面にパーティクルの発生が確認された。Al2O3やAlNの焼結体もエッチングによる窪みが多数観察された。
【0025】
これらの比較例に対して試料No.1〜5の本発明の試料は、いずれもフッ素系プラズマに対して高い耐食性を示した。特に、試料形態がガラスからなるものは、その表面に窪みの形成が確認されたが、焼結体からなるものは、いずれも表面状態も優れたものであった。また、本発明のいずれの試料にも試験後において周期律表第3a族元素に富むフッ化物層が表面に形成されていることを確認した。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、フッ素系腐食ガス或いはそのプラズマに曝される部位として周期律表第3a族元素とSiとの複合酸化物(但しAlを含まず)により構成することで、少なくとも材料表面が安定なフッ化物層を生成し、過酷なフッ素系腐食雰囲気で高い耐食性が達成される。
Claims (1)
- フッ素系腐食ガス或いはそのプラズマに曝される部位が、周期律表第3a族元素とSiとを含む複合酸化物(但しAlを含まず)からなることを特徴とする耐食性部材。
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- 2001-10-25 JP JP2001327655A patent/JP4012714B2/ja not_active Expired - Fee Related
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