JP2001322032A - 歯車の仕上げ加工方法 - Google Patents

歯車の仕上げ加工方法

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JP2001322032A JP2000146156A JP2000146156A JP2001322032A JP 2001322032 A JP2001322032 A JP 2001322032A JP 2000146156 A JP2000146156 A JP 2000146156A JP 2000146156 A JP2000146156 A JP 2000146156A JP 2001322032 A JP2001322032 A JP 2001322032A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具コストの低減と、加工設備の小型化およ
び低廉化を図ることができる歯車の仕上げ加工方法を提
供する。 【解決手段】 仕上げ加工すべき製品歯車2に繊維強化
プラスチックからなる工具歯車1をかみ合わせ、工具歯
車1と製品歯車2を連れ回りさせることによって製品歯
車2に仕上げ加工を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車の歯面の仕上
げや、エッジ部のバリ、かえり、打痕等を除去する歯車
の表面仕上げ加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歯車の歯面は、在来砥石やCBN
砥石等を用いた研削加工、ホーニング加工、ラッピング
等によって仕上げている。なお、歯車のエッジ部のバ
リ、かえり、打痕等をバニシング加工やデリバリングマ
シン等を用いて除去することもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の仕上げ加工方法は、小さいモジュールの歯車を仕上
げ加工する場合に、加工用工具の制作が困難になる。ま
た、工具コストが高くつき、加工設備も大型かつ高価に
なるという問題がある。本発明の課題は、このような状
況に鑑み、工具コストの低減と、加工設備の小型化およ
び低廉化を図ることができる歯車の仕上げ加工方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、仕上げ加
工すべき製品歯車に繊維強化プラスチックからなる工具
歯車をかみ合わせる工程と、前記工具歯車と前記製品歯
車を連れ回りさせる工程と、を含んでいる。第2の発明
は、前記製品歯車および工具歯車が、軸心から歯面まで
の距離が一定である構造を有し、この製品歯車および工
具歯車のいずれかをその軸線に沿って往復動させるよう
にしている。第3の発明では、前記繊維強化プラスチッ
クの強化材としてガラス繊維を用いている。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。本発明に係る歯車の仕
上げ加工方法では、繊維強化プラスチックからなる工具
歯車が使用される。
【0006】図1は、上記工具歯車の一例を示したもの
である。この工具歯車1−1は、円筒外歯車形状を有
し、エポキシ樹脂からなるマトリックスにガラス繊維を
配合した繊維強化プラスチック(G−FRP)によって
形成されている。
【0007】図2に示すように、上記工具歯車1−1
は、仕上げ加工すべき製品歯車2−1(例えば、平歯
車)にかみ合わされ、かつ、この製品歯車2−1と連れ
回りするように回転駆動される。このように、工具歯車
1と製品歯車2を連れ回りさせれば、この製品歯車2の
歯面に対する工具歯車1の接触によって、該歯面をラッ
ピング(歯面研磨)することができる。
【0008】すなわち、生材の製品歯車2の歯面には、
切り屑等の歯面凝着物が存在しているが、上記工具歯車
1は、この歯面凝着物を除去する。また、製品歯車2の
歯面には、歯車研削、ホブ切り、シェービング等の切削
加工に伴って生じた凹凸(荒れ)や多角形誤差のうねり
が存在しているが、上記工具歯車1−1は、上記凹凸や
うねりを歯面研磨して上記歯面を円滑にする。一方、製
品歯車2の歯面エッジ部には、歯面側に入り込んだバ
リ、かえり、打痕等が存在するが、上記工具歯車1−1
はこれらも効果的に除去する。
【0009】上記工具歯車1−1は、上記円筒外歯車か
らなる製品歯車2−1とは異なる種類の製品歯車、例え
ば、図3に示すシャフト付きピニオン歯車2−2や、図
4に示す円筒内歯車2−3の仕上げ加工にも有効に適用
することができる。一方、図5に示す直交軸歯車(例え
ば、カサ歯車)からなる製品歯車2−4を仕上げ加工す
る場合には、この製品歯車2−4にかみ合いかつ該製品
歯車2−4の軸に平行する軸を中心として回転可能な工
具歯車1−2を用いる。
【0010】図6は、内歯車形状の工具歯車1−3を示
している。この工具歯車1−3を用いれば、図示してい
ない外歯車からなる製品歯車に仕上げ加工を施すことが
できる。図7は、食い違い軸歯車形状の工具歯車1−4
を示している。この工具歯車1−4を用いれば、食い違
い軸歯車(例えば、ネジ歯車)からなる製品歯車2−5
に仕上げ加工を施すことができる。
【0011】なお、上記に例示した工具歯車1−1〜1
−4を用いて製品歯車に仕上げ加工を施す場合には、こ
の工具歯車1−1〜1−4を一方向だけでなく、他方向
にも連れ回り動作させる。また、工具歯車1−1〜1−
4の形成材料である繊維強化プラスチックは、マトリッ
クスとしてエポキシ樹脂以外の樹脂(例えば、フェノー
ル樹脂、珪素樹脂等)を用いても良く、また、強化材と
してガラス繊維以外の繊維(例えば、カーボン、アラミ
ド、ボロン、アルミナ、炭化けい素、金属等の繊維)を
用いることができる。
【0012】上記工具歯車1−1〜1−4を繊維強化プ
ラスチックで形成する際には、繊維の配列方向を考慮す
ることが望ましい。すなわち、例えば、単繊維を用いる
場合には、この繊維を工具歯車の中心軸から歯先に向っ
て放射状に配することが望ましく、また、布状に編んだ
繊維を用いる場合には、その布状繊維を含む面が上記中
心軸に直交するように配することが望ましい。
【0013】ところで、上記実施形態では、工具歯車1
と製品歯車2とを連れ回り運動させているが、この連れ
回り運動に加えて両歯車1,2の一方をその軸線方向に
往復運動させれば、研磨の効率と一様性をより向上する
ことができる。ただし、上記往復運動は、工具歯車1お
よび製品歯車2が所定の構造を有している場合にのみ、
具体的にはその軸心から歯面までの距離が一定である構
造を有している場合のみ可能である。この構造を有した
歯車には、平歯車、ハスバ歯車、ネジ歯車、内歯車等が
ある。なお、上記往復運動のストローク長は、例えば、
4〜5mmに設定される。また、上記往復動運は、例え
ば、毎分300〜400回程度の比較的短い周期で繰り
返される。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、仕上げ加工すべき製品
歯車に繊維強化プラスチックからなる工具歯車をかみ合
わせ、該工具歯車と前記製品歯車を連れ回りさせること
によって該製品歯車に仕上げ加工を施すようにしてい
る。したがって、製品歯車の歯面に存在する切り屑等の
歯面凝着物を除去することができるとともに、歯車研
削、ホブ切り、シェービング等の切削加工に伴って生じ
た凹凸(荒れ)や多角形誤差のうねりをなくして、上記
歯面を円滑にすることができる。また、製品歯車の歯面
側に入り込んだバリ、かえり、打痕等も効果的に除去す
ることができる。加えて、小さいモジュールの歯車の仕
上げ加工に適用する場合でも、工具を容易に制作するこ
とができ、しかも、仕上げ設備が小型かつ低廉で済むと
いう利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯車の仕上げ加工方法に適用する
工具歯車の一例を示す側面図。
【図2】、円筒外歯車の仕上げ加工態様を示す断面図。
【図3】シャフト付きピニオン歯車の仕上げ加工態様を
示す断面図。
【図4】内歯車の仕上げ加工態様を示す断面図。
【図5】直行軸歯車の仕上げ加工態様を示す断面図。
【図6】内歯車形状の工具歯車を示す側面図。
【図7】食い違い歯車形状の工具歯車を示す側面図。
【符号の説明】
1−1〜1−4 工具歯車 2−1〜2−5 製品歯車

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕上げ加工すべき製品歯車に繊維強化プ
    ラスチックからなる工具歯車をかみ合わせる工程と、 前記工具歯車と前記製品歯車を連れ回りさせる工程と、 を含むことを特徴とする歯車の仕上げ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記製品歯車および工具歯車が、軸心か
    ら歯面までの距離が一定である構造を有し、この製品歯
    車および工具歯車のいずれかをその軸線に沿って往復動
    させることを特徴とする請求項1に記載の歯車の仕上げ
    加工方法。
  3. 【請求項3】 前記繊維強化プラスチックの強化材がガ
    ラス繊維であることを特徴とする請求項1に記載の歯車
    の仕上げ加工方法。
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