JP2003053602A - 光学レンズ及び(又は)その金型の切削加工方法 - Google Patents
光学レンズ及び(又は)その金型の切削加工方法Info
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Abstract
精度で切削加工することができる光学レンズ及び(又
は)その金型の切削加工方法を得る。 【構成】 光軸を中心に光学レンズ1及び(又は)その
金型を回転駆動させた状態で、該光軸Cに直交する方向
に切削刃2を移動させて光学レンズ1及び(又は)その
金型を切削加工する方法であって、上記切削刃2の光軸
Cと直交する方向の送りピッチを、光学レンズ1及び
(又は)その金型の径方向位置に応じて変化させる光学
レンズ及び(又は)その金型の切削加工方法。
Description
その金型の切削加工方法に関する。
ンズ用金型を切削加工するとき、従来では、光学レンズ
または光学レンズ用金型を光軸を中心に回転駆動させた
状態で、該光軸と直交する方向に切削刃を一定の送りピ
ッチで移動させることにより、切削加工している。この
切削加工が施された加工面は、その中心部の表面粗さが
外周部の表面粗さに比べて粗くなる傾向がある。このよ
うに中央部の表面粗さが外周部よりも粗くなると、切削
加工の後に行なう研磨加工への負担が大きくなり、外周
部は十分研磨されているのに中心部には研磨残りが出る
などの問題が生じる。仮に、加工面全域を均一に研磨で
きたとしても、研磨完了までに長時間を要するため、量
産性が悪くなり、好ましくない。一方、切削刃の送りピ
ッチを小さく設定すると、加工面精度は高まるが、その
反面、加工時間がかかりすぎて量産性が悪くなってしま
う。
をほぼ均一な面精度で切削加工することができる光学レ
ンズ及び(又は)その金型の切削加工方法を得ることを
目的とする。
(又は)その金型を回転駆動させた状態で、該光軸に直
交する方向に切削刃を移動させて光学レンズ及び(又
は)その金型を切削加工する方法において、上記切削刃
の光軸と直交する方向の送りピッチを、光学レンズ及び
(又は)その金型の径方向位置に応じて変化させること
を特徴としている。
(又は)その金型の外周部から中心部に近づくにつれて
小さくすることが好ましい。この構成によれば、中心部
の表面精度が劣化することなく、加工面全域をほぼ均一
な面精度で切削することができる。また、外周部での送
りピッチは、加工時間が無駄に長くならないようにする
ため、中心部での送りピッチに比して少なくとも5倍以
上大きくすることが好ましい。
(又は)その金型の加工面形状が、球面、回転対称非球
面、トーリック面、非回転対称非球面、または累進面で
ある場合に最適である。
光学レンズ及び(又は)その金型は、眼鏡用の光学レン
ズ及び(又は)その金型とすることができる。
の切削加工方法を、眼鏡用のプラスチックレンズ1の加
工に適用した模式図である。プラスチックレンズ1は、
不図示の切削盤に取付けられ、その光軸と一致する回転
軸Cを中心に回転駆動された状態で、切削刃2によって
切削される。切削刃2には、回転軸Cに平行なZ方向
(図の左右方向)の移動と、回転軸Cと直交するX方向
への送りの合成運動が与えられる。プラスチックレンズ
1の加工面を球面または回転対称非球面に切削加工する
場合には、切削刃2にX方向とZ方向の所定の送りを与
え、トーリック面、非回転対称非球面、または累進面に
切削加工する場合には、切削刃2のZ方向への進退駆動
をプラスチックレンズ1の回転位相に同期させて行な
う。
の送りピッチ(プラスチックレンズ1が1回転する間に
切削刃2をX方向へ移動させる距離[mm/回])を、
プラスチックレンズ1の径方向位置に応じて変化させる
点にある。すなわち、周速が十分である外周部では、切
削刃2の送りピッチを大きくして加工時間の短縮化を図
り、周速が不足しがちな中心部では、切削刃2の送りピ
ッチを小さくすることで切削抵抗を小さくして表面精度
の劣化を防止する。
回]とプラスチックレンズ1の径方向位置[mm]との
関係を示している。本実施形態では、切削刃2の送りピ
ッチをプラスチックレンズ1の外周部から中心部に近づ
くにつれて直線的に小さくさせている。このように切削
刃2の送りピッチとプラスチックレンズ1の径方向位置
とが比例関係にあると、プラスチックレンズ1の加工面
全域をほぼ均一な面精度で切削することができ、良好な
表面を得ることができる。また本実施形態では、加工時
間が無駄に長くならないようにするため、外周部での送
りピッチを、中心部での送りピッチに比して略5倍以上
大きく設定している。
m、プラスチックレンズ1の回転数を600回/分と
し、外周部での送りピッチを0.07mm/回、中心部
での送りピッチを0.01mm/回とし、その間の送り
ピッチを図2のように連続的に変化させた。加工時間
は、平均の送りピッチを0.04mm/回として計算す
ると、(40/0.04)×(1/600)=1.67
分となる。また、プラスチックレンズ1の表面粗さは、
外周部から中心部までほぼ均一であり、平均して約0.
5μm程度となった。図3及び図4は、形状測定器を用
いてプラスチックレンズ1の断面形状誤差(表面粗さ)
を測定した結果であって、図3は中心部を測定した場
合、図4は外周部(半径30mm位置)を測定した場合
をそれぞれ示している。この図3及び図4を見ると、中
心部での最大形状誤差が1.3559μm、外周部での
最大形状誤差が1.8283μmであり、中心部におい
てより良好な表面を得られたことが分かる。
と同じとし、送りピッチを0.07mm/回(一定)と
した。加工時間は、(40/0.07)×(1/60
0)=0.95分となり、プラスチックレンズ1の表面
粗さは、中心部で2μm、外周部で0.5μm程度とな
った。この場合は、本実施例よりも加工時間は短くなる
が、プラスチックレンズ1の中心部表面が粗くなってし
まう。
と同じとし、送りピッチを0.01mm/回(一定)と
した。加工時間は、(40/0.01)×(1/60
0)=6.67分となり、プラスチックレンズ1の表面
粗さは、外周部から中心部までほぼ均一で、約0.5μ
m程度となった。この場合は、中心部の表面精度の劣化
は防げるが、加工時間が長くなりすぎてしまう。
よれば、加工時間が無駄に長くなることもなく、プラス
チックレンズ1の加工面全域をほぼ均一な面精度で切削
することができる。
り、中心部及び外周部での送りピッチの大きさがこれに
限定されないことは勿論である。また、以上の説明で
は、送りピッチを[mm/1回転]としたが、回転速度
一定という条件下では[mm/時間]としてもよい。
を切削加工する実施形態について説明したが、プラスチ
ックレンズ1の代わりに、プラスチックレンズ1を成形
するための金型を切削加工する場合にも適用可能であ
る。また、本実施形態は、眼鏡用の光学レンズに限ら
ず、種々の光学レンズに適用可能である。
面全域をほぼ均一な面精度で切削加工することができる
光学レンズ及び(又は)その金型の切削加工方法を得る
ことができる。
する模式図である。
方向位置との関係を示す図である。
面形状誤差を測定した結果である。
径30mm位置)の断面形状誤差を測定した結果であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 光軸を中心に光学レンズ及び(又は)そ
の金型を回転駆動させた状態で、該光軸に直交する方向
に切削刃を移動させて光学レンズ及び(又は)その金型
を切削加工する方法において、 上記切削刃の光軸と直交する方向の送りピッチを、光学
レンズ及び(又は)その金型の径方向位置に応じて変化
させることを特徴とする光学レンズ及び(又は)その金
型の切削加工方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の光学レンズ及び(又は)
その金型の切削加工方法において、切削刃の送りピッチ
を、光学レンズ及び(又は)その金型の外周部から中心
部に近づくにつれて小さくする光学レンズ及び(又は)
その金型の切削加工方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の光学レンズ及び(又は)
その金型の切削加工方法において、外周部での送りピッ
チを、中心部での送りピッチに比して少なくとも5倍以
上大きくした光学レンズ及び(又は)その金型の切削加
工方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一項記載の
光学レンズ及び(又は)その金型の切削加工方法におい
て、光学レンズ及び(又は)その金型の加工面形状が、
球面または回転対称非球面である光学レンズ及び(又
は)その金型の切削加工方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか一項記載の
光学レンズ及び(又は)その金型の切削加工方法におい
て、光学レンズ及び(又は)その金型の加工面形状が、
トーリック面、非回転対称非球面、または累進面である
光学レンズ及び(又は)その金型の切削加工方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一項記載の
光学レンズ及び(又は)その金型の切削加工方法におい
て、光学レンズ及び(又は)その金型は眼鏡用である光
学レンズ及び(又は)その金型の切削加工方法。
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