JP2001312049A - 直描型水なし平版印刷版の製造方法 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版の製造方法

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JP2001312049A JP2000129939A JP2000129939A JP2001312049A JP 2001312049 A JP2001312049 A JP 2001312049A JP 2000129939 A JP2000129939 A JP 2000129939A JP 2000129939 A JP2000129939 A JP 2000129939A JP 2001312049 A JP2001312049 A JP 2001312049A
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Shigehiko Ichikawa
成彦 市川
Mitsuru Suezawa
満 末沢
Koichi Nagase
公一 長瀬
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

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  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、高感度で、画像再現性が良好
であり、現像後も感熱層が残存する直描型水なし平版印
刷版を得ることにある。 【解決手段】本発明の目的は基板上に少なくとも感熱
層、インキ反発層を順次有する直描型水なし平版印刷版
の製造方法であって、原版にレーザーで像様照射する第
1の工程、レーザー照射後の原版を処理液で処理する第
2の工程、レーザー照射部のインキ反発層を除去する第
3の工程をこの順に含み、前記処理液が(a)水および
(b)親水性の化合物を含有する直描型水なし平版印刷
版の製造方法によって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光で直接
製版する直描型平版印刷版の製版方法に関するものであ
り、特に湿し水を用いずに印刷が可能な直描型水なし平
版印刷版の製版方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する製版方法、いわゆる
直描型製版(ダイレクト製版ともいう)は、熟練度を必
要としない簡易性、短時間で印刷版が得られる迅速性、
多様なシステムから品質とコストに応じて選択可能であ
る合理性などの特徴を生かして、軽印刷業界のみでな
く、一般オフセット印刷、グラビア印刷の分野にも進出
し始めている。特に最近では、プリプレスシステムやイ
メージセッター、レーザープリンターなどの出力システ
ムの急激な進歩によって、ダイレクト製版用の新しいタ
イプの各種平版印刷版が開発されている。
【0003】これらの平版印刷版を、製版方法から分類
すると、レーザーを照射する方法、サーマルヘッドで書
き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する方法、
インクジェットでインキ反発層またはインキ着肉層を形
成する方法などが挙げられる。なかでも、レーザーを用
いる方法は解像度、および製版速度の面で他の方式より
も優れており、その種類も多い。
【0004】このレーザーを用いる平版印刷版には、光
反応によるフォトンモードタイプのものと、光熱変換を
行って熱反応を起こさせるヒートモードタイプの2つが
ある。ヒートモードタイプのものは、明室で取り扱える
利点があり、また光源となる半導体レーザーの出力の急
激な進歩によって、最近その有用性が見直されてきてい
る。
【0005】ヒートモードにおける平版印刷版、とりわ
け印刷時に湿し水を必要としない水なし平版印刷版を製
造する方法としては、これまで以下のような提案がなさ
れているが、種々の問題を有していた。
【0006】例えば、米国特許第5339737号明細
書、米国特許第5353705号明細書、欧州特許第0
580393号明細書などは、感熱層のアブレーション
に基づく印刷版の形成方法に関する提案である。これら
は、現像が簡易であるというメリットを有しているが、
感熱層をアブレーションさせる為、高いレーザー出力が
必要であること、および、アブレーションによりガスな
どの副生成物が生じ光学系に悪影響を及ぼす可能性があ
ること、さらには、アブレーションの残さ除去の必要が
あること、微小な網点の再現が困難であることなどの問
題を有していた。
【0007】また、現像液を用いて、印刷版を製造する
方法としては、以下のような提案がなされている。
【0008】米国特許第5378580号明細書(特開
平6−55723号公報)では、レーザー照射後、イン
キ反発層を膨潤させない溶媒(IPA)を使用して版面
を擦り、現像を行うという提案がなされているが、IP
Aを用いるのは環境衛生的に好ましくない。
【0009】米国特許第5849464号明細書は、レ
ーザー照射後、表面張力が25〜50dyn/cm
2(2.5〜5.0Pa)の液体を付与して擦る、とい
う提案であるが、インキ反発層を膨潤させた状態で擦る
ため、インキ反発層に傷が入りやすいという問題があっ
た。
【0010】特開平11−198335号公報などは、
レーザー照射後、水や界面活性剤を含む水などの存在
下、レーザー照射部のインキ反発層を除去する事に関す
る提案である。しかしながら、これらの方法ではある程
度の網点を再現することはできるが、微小な網点の再現
性が不安定であり、また網点のインキ着肉性が悪いとい
う問題を有していた。
【0011】上記のような従来の水なし平版印刷版の問
題として、微少な網点の再現が困難であることに加え、
画線部セルが深いことが挙げられる。
【0012】画線部セルが深くなると、インキが厚盛り
になり印刷物にザラツキ感がでる。さらに、オフセット
輪転印刷ではインキ溶剤を揮発させるためにオーブン長
を長くするか、印刷速度を落とす必要がある。このよう
に画線部セルが深いと、印刷工程で多くの不利を被る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】画線部セルは、印刷版
の感熱層が溶融除去あるいは破壊されると深くなる。感
熱層の溶融性や燃焼性を低くすることによって、感熱層
の残存をはかることも可能であるが、この場合、感熱層
の熱による小さな機械的強度の低下によりシリコーンゴ
ム層を剥離させるため、原版の段階からシリコーンゴム
層と感熱層との間の接着力(以後これを、S/K接着力
と呼ぶ)を弱くする必要がある。そうすると非画線部の
シリコーンゴム層まで剥がれやすくなり、画像を再現さ
せるラチチュードがせまくなり、また耐刷性の面で大き
な不利を被る。そこで、S/K接着力が強い版材に対し
て、レーザー照射部とレーザー未照射部とで感熱層の溶
解性が大きく異なり、かつレーザー照射部の感熱層の少
なくとも一部が残存する水なし平版印刷版の製造が望ま
れていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の課題はかかる従
来技術の欠点を改良し、感熱層が残存し、高感度で、か
つ画像再現性の良好な直描型平版印刷版の製造方法を提
供するものである。本発明は下記構成からなる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、直描型とは、露
光時にネガあるいはポジのフィルムを用いずに、印刷版
上に直接記録ヘッドから、画像形成を行うことをいう。
また製版とは、平版印刷版原版をレーザーで像様照射す
る露光工程から、露光済みの平版印刷版を現像し印刷版
のパターン形成を行う現像工程までを含めた工程のこと
をいう。
【0016】次に、本発明で使用する直描型水なし平版
印刷版の原版について説明する。本発明で使用する直描
型水なし平版印刷版原版は、基板上に少なくとも感熱
層、インキ反発層を順次有する。インキ反発層がシリコ
ーンゴムを主成分とする直描型水なし平版印刷版原版が
好ましい。 <感熱層>本発明に特に好ましく使用し得る直描型平版
印刷版原版の感熱層は、(A)レーザー光を吸収し熱を
発生する化合物および(B)熱により反応し溶解性また
は膨潤率が向上する化合物からなる。
【0017】(A)と(B)からなる感熱層を有する直
描型水なし平版印刷版原版では、レーザー照射部におい
て、感熱層表面の有機溶媒に対する溶解性が向上し、イ
ンキ反発層の現像が可能となる。 <(A)レーザー光を吸収し熱を発生する化合物、いわ
ゆる光熱変換物質>カーボンブラック、チタンブラッ
ク、アニリンブラック、シアニンブラックなどの黒色顔
料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、
カーボングラファイト、ジアミン系金属錯体、ジチオー
ル系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、メルカ
プトフェノール系金属錯体、結晶水含有無機化合物、硫
酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物や、酸化チタン、酸化
バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸
化タングステンなどの金属酸化物、これらの金属の水酸
化物、硫酸塩などを挙げることができる。
【0018】また、赤外線または近赤外線を吸収する色
素、特に染料が好ましく使用される。特に好ましい色素
としては、シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシ
アニン系、ジチオール金属錯体系、アズレニウム系、ス
クアリリウム系、クロコニウム系、アゾ系分散色素、ビ
スアゾ系、ビスアゾスチルベン系、ナフトキノン系、ア
ントラキノン系、ペリレン系、ポリメチン系、インドア
ニリン金属錯体染料、分子間型CT系、ベンゾチオピラ
ン系、スピロピラン系、ニグロシン系、チオインジゴ
系、ニトロソ系、キノリン系、フルギド系の色素、特に
染料などが挙げられる。
【0019】これらの染料、顔料の中でも、モル吸光度
係数(ε)の大きなものが好ましい。εが1×104
上のものが好ましく、εが1×105 以上のものがさら
に好ましい。εが1×104 以上であると感度の向上効
果が発現しやすいためである。また、吸光度の高い染料
を用いると、感熱層の入射側で効率よくレーザー光が吸
収され、感熱層の下部にまではレーザー光が行き届きに
くいので、感熱層上部のみが熱による変性を受け、結果
として感熱層が残存しやすい。
【0020】これらの中では、レーザーの吸収率などの
点から、シアニン系、ポリメチン系、ナフタロシアニン
系の染料が特に好ましい。
【0021】本発明においては光熱変換物質は単独でも
感度の向上効果はあるが、2種以上を併用して用いるこ
とによって、さらに感度を向上させることも可能であ
る。これらの光熱変換物質の含有量は、全感熱層組成物
に対して2〜70重量%が好ましく、より好ましくは3
〜60重量%である。2重量%よりも少ない場合には感
度の向上効果が小さく、70重量%よりも多い場合には
印刷版の耐刷性が低下しやすい。
【0022】<(B)熱により反応し溶解性または膨潤
率が向上する化合物>レーザー照射で生じた熱による感
熱層表層(感熱層のインキ反発層側の界面)の反応とし
ては、感熱層表層の化合物の低分子量化、分解、架橋構
造の切断、化学構造変化、水素結合破壊、熱溶融、酸発
生、アミン発生、低分子量成分の発生、ガス発生、構造
変化などを挙げることができる。ただし、ニトロ化合物
のような化合物は熱によって自己酸化的に破壊され、感
熱層全体に反応がおよぶので用いない。
【0023】上記のような反応により、有機溶媒に対す
る感熱層表層の溶解性が向上したり、膨潤率が高くな
り、レーザー照射部のインキ反発層が現像により除去可
能となる。
【0024】このような反応を行う化合物として、
(A)レーザー光を吸収し熱を発生する化合物にこのよ
うな特性を持たせてもよいし、別の化合物を添加しても
よい。別の化合物としては、フェノール、クレゾール、
キシレノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドの
縮合反応により得られるノボラック樹脂やレゾール樹
脂、フェノール・フルフラール樹脂、フラン樹脂など
と、多官能ブロックドイソシアネート、多官能エポキシ
化合物、多官能アクリレート化合物、金属キレート化合
物、多官能アルデヒド、多官能メルカプト化合物、多官
能アルコキシシリル化合物、多官能アミン化合物、多官
能カルボン酸、多官能ビニル化合物、多官能ジアゾニウ
ム塩、多官能アジド化合物、ヒドラジンなどの組み合わ
せが挙げられる。
【0025】なかでも最も好ましい態様としては、(B
1)金属含有有機化合物および(B2)活性水素含有化
合物の組み合わせが挙げられる。金属含有有機化合物と
活性水素含有化合物とは、その種類によっても異なる
が、低温の加熱によって架橋反応を起こし、その架橋構
造はレーザーによる高温の熱によって容易に切断され
る。従って感熱層塗工時に80℃〜200℃の低温度で
キュアし、両者を予め架橋させておくと、それらはレー
ザーの熱によって切れやすい結合を有する化合物とな
る。
【0026】上記でいう(B1)金属含有有機化合物
は、中心金属と有機置換基からなり、金属に対して有機
置換基が配位結合している錯体化合物、あるいは有機置
換基と共有結合している金属キレート化合物や有機金属
化合物などのことをいう。金属酸化物のような無機化合
物はその範疇ではない。これらの物質は、活性水素含有
化合物と架橋構造を形成することが特徴である。中心金
属としては周期表の第2周期から第6周期の金属および
半導体原子が挙げられ、なかでも第3周期から第5周期
の金属および半導体原子が好ましく、第3周期金属のA
l、Si、第4周期金属のTi、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Zn、Ge、第5周期金属のIn、Sn、Z
r、第6周期のHfが特に好ましいが、本発明はこれら
に限定されない。
【0027】上記でいう金属含有有機化合物としては以
下に示すものが挙げられる。 (B1−1)金属ジケテネート ジケトンのエノール水酸基の水酸基が金属原子と置換し
たもので、中心金属は酸素原子を介して結合している。
ジケトンのエノールでない方のカルボニル酸素原子がさ
らに金属に対して配位結合するため、比較的安定な化合
物である。具体的には、有機置換基が、2,4−ペンタ
ンジオン(慣用名アセチルアセトン)、フルオロ−2,
4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−
3,5−ヘプタンジオン、ベンゾイルアセトン、テノイ
ルトリフルオロアセトンや1,3−ジフェニル−1,3
−プロパンジオンなどである金属ペンタンジオネート
(金属アセトネート)類や、メチルアセトアセテート、
エチルアセトアセテート、メタクリルオキシエチルアセ
トアセテートやアリルアセトアセテートなどである金属
アセトアセテート類が挙げられる。 (B1−2)金属アルコキシド 中心金属に対して、酸素原子を介してアルキル基(ある
いはアリール基)が結合している化合物である。有機置
換基が、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基、フェノキシ基、アリルオキシ基、メトキシエト
キシ基、アミノエトキシ基などである金属アルコキサイ
ドが挙げられる。 (B1−3)アルキル金属 中心金属がそのままアルキル基を有するものであり、こ
の場合金属は炭素原子と結合している。 (B1−4)金属カルボン酸塩類 酢酸金属塩、乳酸金属塩、アクリル酸金属塩、メタクリ
ル酸金属塩、ステアリン酸金属塩などが挙げられる。 (B1−5)その他 チタンオキサイドモノ(2,4−ペンタンジオネート)
のような酸化金属キレート化合物、チタノセンフェノキ
サイドのような金属錯体や、2種以上の金属原子を1分
子中に有するヘテロ金属キレート化合物が挙げられる。
【0028】これらの中でも、(B1−1)の金属ジケ
テネートが最も好ましい。
【0029】以上有機置換基別の分類を記したが、例え
ば、チタン(IV)ジブトキシドビス(2,4−ペンタン
ジオネート)の様に、2種類以上の有機置換基を有する
化合物であってもよく、溶解性や反応性の調節のため
に、むしろ異種の有機置換基を有していた方がよい場合
がある。
【0030】以上のような金属含有有機化合物のうち、
特に好ましく用いられる金属含有有機化合物としては、
中心金属がアルミニウム、鉄(III)、またはチタン
で、有機置換基がアセチルアセトネート(2,4−ペン
タンジオネート)、3,5−ヘプタンジオネート、2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネー
ト、エチルアセトアセテート、ベンゾイルアセトネー
ト、イソプロポキシド、n−ブトキシドからなる化合物
などが挙げられる。一つの金属に対して、有機置換基が
1種単独であってもよいし、異種のものが2種以上配位
あるいは結合していてもよい。
【0031】これら(B1)金属含有有機化合物は単独
でも使用できるし、2種以上を混合して使用することも
でき、その含有量は、感熱層の架橋度や版材の感度の面
から、下記に述べる(B2)活性水素含有化合物100
重量部に対して1〜200重量部が好ましく、5〜15
0重量部がさらに好ましい。
【0032】(B2)活性水素含有化合物としては、水
酸基含有化合物、カルボキシル基含有化合物およびその
無水物、1級および2級アミンなどが挙げられる。これ
らの活性水素含有化合物は、金属含有有機化合物との架
橋結合の数により、感熱層の耐溶剤性や、版材の感度に
影響を与えるので2官能以上のものが好ましい。
【0033】(B2−1)水酸基含有化合物 フェノール性水酸基含有化合物、アルコール性水酸基含
有化合物の何れも本発明に用いることができる。フェノ
ール性水酸基含有化合物として、ヒドロキノン、カテコ
ール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログリシノ
ール、グアヤコール、クレゾール、キシレノール、ナフ
トール、ジヒドロキシアントラキノン、ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラ
ヒドロキシベンゾフェノン、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールS、レゾール樹脂、フェノールホルムアルデヒ
ドノボラック樹脂、レゾルシンベンズアルデヒド樹脂、
ピロガロールアセトン樹脂、ヒドロキシスチレンの重合
体およびその共重合体、ロジン変性フェノール樹脂、ア
ニリン変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹
脂、リグニン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノ
ール樹脂などが挙げられる。アルコール性水酸基含有化
合物として、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘ
キサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、
デカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、5−
ヘキセン−1,2−ジオール、7−オクテン−1,2−
ジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオー
ル、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパ
ン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビ
タン、ポリビニルアルコール、セルロースおよびその誘
導体、エポキシ(メタ)アクリレートおよびその重合体
(あるいは共重合体)、エポキシ樹脂の反応物、ロジン
変性マレイン酸樹脂と多官能水酸基化合物とのエステル
化物、ポリ(メタ)アクリル酸と多官能水酸基含有化合
物とのエステル化物などが挙げられる。
【0034】(B2−2)カルボキシル基含有化合物 アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ケイ皮酸、ク
ロトン酸、イソクロトン酸、アンジェリカ酸、チグリン
酸、エライジン酸、アトロパ酸等のエチレン性不飽和モ
ノカルボン酸の重合体(あるいは共重合体)、タルトロ
ン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、酒
石酸、リンゴ酸、ガラクタル酸、ピメリン酸、ピン酸、
ホモピン酸、シクロヘキサン二酢酸、アントラキノンジ
カルボン酸、クエン酸、フタル酸などの飽和ジカルボン
酸およびその無水物、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、ムコン酸、1,4−(2−ノルボルネン)ジカルボ
ン酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸およびその無
水物およびその重合体(あるいは共重合体)、ロジン変
性マレイン酸樹脂などが挙げられる。これらの多官能カ
ルボン酸はポリオールと反応させてポリエステルとして
もよい。1官能のものでも水酸基やアミンを有していれ
は用いることができる。このような化合物として、トロ
パ酸、グリコール酸、グリセリン酸、乳酸、サリチル
酸、バニリン酸、マンデル酸、プロトカテク酸、没食子
酸、ベンジル酸などの様なヒドロキシカルボン酸、アン
トラニル酸、アミノ安息香酸、アミノ酪酸、アミノカプ
ロン酸、アミノカプリル酸やなどのようなアミノカルボ
ン酸が挙げられる。これらヒドロキシカルボン酸および
アミノカルボン酸は脱水縮合させて、ポリマー化したも
のを用いてもよい。
【0035】これら(B2)活性水素含有化合物は、単
独でも用いることができるし、同種あるいは異種の化合
物を複数併用して用いてもよい。その含有量は全感熱層
組成物に対して5〜80重量%が好ましく、より好まし
くは20〜60重量%である。含有量が5重量%よりも
少ないと印刷版の感度が低下し、80重量%よりも多い
と印刷版の耐溶剤性が低下しやすい。
【0036】(B)熱により反応し溶解性または膨潤性
が向上する化合物としては、金属含有有機化合物とフェ
ノール樹脂の組み合わせが、最も好ましく用いられる。
【0037】<(C)熱硬化性の化合物>感熱層には上
述の(A)レーザー光を吸収し熱を発生する化合物およ
び(B)熱により溶解性また膨潤率が向上する化合物に
加えて、(C)熱硬化性の化合物を加えても良い。本発
明でいう熱硬化性の化合物とは、印刷版原版の感熱層中
にあって、レーザー照射の作用で直接的あるいは間接的
に熱硬化しうる性能を有している化合物のことをいう。
本発明の感熱層に、熱硬化性の化合物を加えると、レー
ザー光の照射時にバルク部の感熱層が、レーザー照射で
発生した熱により硬化し、感熱層が残存しやすくなるの
で好ましい。
【0038】このような熱硬化性の化合物としては、フ
ェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール
類とホルムアルデヒドの縮合反応により得られるノボラ
ック樹脂やレゾール樹脂、フェノール・フルフラール樹
脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、エポキシ
樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリウレタン樹
脂、ポリイミド前駆体などを挙げることができる。
【0039】また、上記のごとく樹脂自体が反応するも
のの他に、反応性の官能基を有する化合物に熱反応性の
架橋剤を添加した組成物も、(C)熱硬化性の化合物と
して本発明に使用することができる。架橋剤としては架
橋性を有する多官能性化合物が挙げられ、多官能ブロッ
クドイソシアネート、多官能エポキシ化合物、多官能ア
クリレート化合物、多官能アルデヒド、多官能メルカプ
ト化合物、多官能アルコキシシリル化合物、多官能アミ
ン化合物、多官能カルボン酸、多官能ビニル化合物、多
官能ジアゾニウム塩、多官能アジド化合物、ヒドラジン
などが挙げられる。
【0040】さらには、熱の作用で酸やアミンを発生す
る化合物と、発生した酸あるいはアミンの作用で硬化す
る化合物も本発明に使用することができる。
【0041】このような(C)熱硬化性の化合物を含有
させる場合、感熱層中に占める割合としては、全感熱層
組成分に対して10〜95重量%、さらには30〜70
重量%であることが好ましい。(C)熱硬化性の化合物
の量が10重量%以上であれば、感熱層の熱硬化による
画線部感熱層の耐溶剤性の向上効果が十分に得られる。
一方、95重量%以下であれば、相対的に熱分解性化合
物や光熱変換物質が少なくなることがなくレーザー照射
による画像形成性に問題を生じない。
【0042】上記(B)で例示した(B1)金属含有有
機化合物と(B2)活性水素含有化合物の組み合わせの
一部分は、(C)熱硬化性の化合物としても作用する。
(B1)の中でも、配位子が同種異種に関わらず2個以
上のドナー原子を有し、金属原子を含む環を形成するよ
うな金属キレート化合物、例えば(B1−1)の金属ジ
ケテネート類が、好ましく用いられる。これらの化合物
はそのもの自体の安定性や感熱層溶液の安定性に優れ、
それゆえに版作成時のキュアでは金属ジケテネートの
2,4−ペンタンジオンが外れにくい。したがって、印
刷版原版の感熱層中にあって、金属ジケテネートと(B
2)活性水素含有化合物とが未反応のままであり、レー
ザー照射の作用で直接あるいは間接的に熱硬化し得る性
能を依然として有している状態にある。それとは反対
に、(B1−2)金属アルコキシドは反応性が高く、
(B2)活性水素含有化合物と容易に架橋構造を形成
し、印刷版原版の感熱層中にあって、レーザー照射の作
用で熱硬化し得る性能をすでに失っていることが多く、
通常(C)の成分には該当しない。金属ジケテネートア
ルコキシドの場合は両方の性能を有しており、反応が2
段階に起こる。つまり低温キュアにおける架橋剤反応、
およびレーザー光照射時の熱硬化反応である。
【0043】(B1)および(C)の項で述べたように
金属含有有機化合物は、分解性化合物としても、架橋剤
としても機能するし、あるいは熱硬化反応の触媒として
作用することもある。金属含有有機化合物が分解性化合
物的な機能、架橋剤的な機能を果たす場合においても、
感熱層中に他の前述のような分解性化合物、あるいは他
の前述のような架橋剤をさらに有していてもよい。
【0044】<その他の成分>本発明の直描型水なし平
版印刷版原版においては、感熱層中に(D)シリル基含
有化合物を含有させる事が好ましい。感熱層中にシリル
基含有化合物を含有させることによって、感熱層と下層
の基板や断熱層との接着性が高められるだけでなく、上
層のシリコーンゴム層との接着性が安定して発現し、高
い耐刷性が得られる。本発明で言うシリル基含有化合物
は一般式(I)で表される構造を有する化合物である。
【0045】−SiRn(3-n) ・・・(I) (式中、nは0〜3の整数であり、Rはアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされ
た基を示し、それらはハロゲン原子、イソシアネート
基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカ
プト基等の官能基を置換基として有していてもよい。X
は水素原子、水酸基 アルコキシ基、アシルオキシ基、
ケトオキシム基、アミド基、アミノオキシ基、アミノ
基、アルケニルオキシ基などの官能基を示している。) 上記式(I)で示される構造の具体例としては、アルコ
キシシリル基、アセトキシシリル基、オキシムシリル
基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ト
リフェニルシロキシ基等がある。これらの中ではアルコ
キシシリル基、アセトキシシリル基、オキシムシリル基
が好ましい。
【0046】本発明に用いられる(D)シリル基含有化
合物は、さらに、水酸基、アミノ基、不飽和基、メルカ
プト基、エポキシ基などの官能基を有することが好まし
く、特に水酸基、不飽和基を有することが好ましい。こ
のような官能基は、シリコーンゴム層と感熱層との接着
性発現、感熱層と基板あるいは断熱層との接着性発現、
感熱層中での架橋構造の形成などに利用することができ
るためである。シリコーンゴム層と感熱層との接着性発
現に利用できる反応の具体例としては、例えば、感熱層
中の水酸基と縮合型シリコーンゴム架橋剤の反応、感熱
層中の不飽和基と付加型シリコーンゴムのSiH基の反
応、感熱層中の水酸基と付加型シリコーンゴムのSiH
基の反応などが挙げられる。感熱層中での架橋構造の形
成に利用できる反応の具体例としては、例えば、感熱層
中の水酸基とポリイソシアネート、エポキシ樹脂、ポリ
アミンおよびアミン誘導体、ポリカルボン酸およびカル
ボン酸クロライドなどのカルボン酸誘導体、金属含有有
機化合物との反応、不飽和基とポリチオール化合物によ
るエン・チオール付加、不飽和基の熱または光ラジカル
重合などが挙げられる。
【0047】これら(D)シリル基含有化合物は単独あ
るいは数種混合で用いられ、これらの含有量は全感熱層
組成物に対して1〜30重量%が好ましく、より好まし
くは2〜25重量%である。含有量が1%以上だと耐刷
性向上の効果が大きく、30%以下だと版材の感度が低
下することもない。
【0048】発明の直描型水なし平版印刷版原版におい
ては、耐刷性や耐溶剤性を向上させるために、バインダ
ーポリマーを含有することが推奨される。バインダーポ
リマーとしては、有機溶剤に可溶でかつフィルム形成能
のあるものであれば特に限定されないが、印刷版の耐刷
性の観点から感熱層の柔軟性付与のため、該ポリマーの
ガラス転移温度(Tg)が20℃以下のポリマー、コポ
リマー、さらにはガラス転移温度が0℃以下のポリマ
ー、コポリマーを用いることが好ましい。バインダーポ
リマーの具体例としては、ビニルポリマー類、未加硫ゴ
ム、ポリオキシド類(ポリエーテル類)、ポリエステル
類、ポリウレタン類、ポリアミド類などが挙げられる。
【0049】これらのバインダーは単独あるいは数種混
合で用いられ、これらの含有量は、全感熱層組成物に対
して5〜70重量%が好ましく、より好ましくは10〜
50重量%である。含有量が5%以上だと耐刷性や塗液
の塗工性に問題が生じることがなく、70重量%以下だ
と画像再現性に悪影響を与えることもない。
【0050】以上の組成物に加えて、感熱層には必要に
応じ、染料、酸、レベリング剤、界面活性剤、発色剤、
可塑剤等を任意に添加してもよい。
【0051】上記の感熱層を形成するための組成物は、
ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、ジオキサン、トルエン、キシレン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミ
ル、プロピオン酸メチル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、アセトン、メタノール、エタノ
ール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ジア
セトンアルコール、ベンジルアルコール、酪酸ブチル、
乳酸エチルなどの適当な有機溶剤に溶解させることによ
って組成物溶液として調製される。かかる組成物溶液を
基板上に均一に塗布し必要な温度で必要な時間熱硬化す
ることにより、感熱層が形成される。
【0052】これら感熱層の膜厚は0.1g/m2から
10g/m2が好ましく、より好ましくは0.2g/m2
から5g/m2である。膜厚が0.1g/m2以上であれ
ば耐刷性が十分得られ、また10g/m2以下であれ
ば、経済的見地から有利であるため、上記の範囲が特に
好ましい。
【0053】また、本発明における感熱層の、照射レー
ザー光と同波長の光に対する透過率は20%未満である
こと、さらには10%未満であることが好ましい。感熱
層の透過率を20%未満にすることによって、感熱層全
体を透過する光を少なくすることができ、感熱層表層で
の効果的な反応を行うことができる。さらに、感熱層全
体を透過する光を少なくすることができるので、感熱層
の下方からのエネルギーの反射による感熱層の余分な反
応を抑制することができる。
【0054】<インキ反発層>本発明に用いる直描型水
なし平版印刷版原版はインキ反発層として、シリコーン
ゴム層を有することが好ましい。シリコーンゴム層とし
ては、付加重合型のもの、縮合重合型のものいずれでも
用いられる。このようなシリコーンゴム層は線状オルガ
ノポリシロキサン(好ましくはジメチルポリシロキサ
ン)をまばらに架橋することにより得られるものであ
り、代表的なシリコーンゴム層は、次式(II)に示され
るような繰り返し単位を有するものである。 (−SiR2−O)n− ・・・(II) (ここでnは2以上の整数である。Rは炭素数1以上の
置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。全体
のRの40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化ビニ
ル、ハロゲン化フェニルであり、Rの60%以上がメチ
ル基であるものが好ましい。また鎖末端もしくは側鎖の
形で分子鎖中に少なくとも一つ以上の水酸基を有す
る。)。
【0055】本発明の印刷版に適用するシリコーンゴム
層の場合には次に示すような縮合型の架橋を行うシリコ
ーンゴム(RTV、LTVシリコーンゴム)を用いるこ
とができる。このようなシリコーンゴムとしてはオルガ
ノポリシロキサン鎖のRの一部がHに置換されたものが
使用できるが、水酸基含有オルガノポリシロキサンおよ
び(III)で表される架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム
型、脱アルコール型、脱アミン型、脱アセトン型、脱ア
ミド型、脱アミノキシ型など)の縮合によって架橋され
る。これにさらに過剰の架橋剤を存在させる場合もあ
る。
【0056】R4-nSiYn (III) (上記式(III)において、Rは式(II)と同様のもの
を示し、Yはハロゲン原子、アシルオキシ基、ケトキシ
イミノ基、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基、
アルケニルオキシ基から選ばれる加水分解性の官能基を
示す。nは2〜4の整数を示す。) 水酸基含有ポリジメチルシロキサンの水酸基は分子末端
および/もしくは主鎖中に位置することができるが、好
ましく用いられるものは分子量末端に水酸基を有するも
のである。分子量としては数千〜数十万のものが使用で
きるが、その取り扱い性や得られた印刷版のインキ反発
性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1万〜20
万、さらには3万〜15万のものを用いることが好まし
い。
【0057】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、一般式(III)で表される、アセト
キシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシイミノシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることができ
る。上記式において、加水分解性の官能基Yの数nは3
または4であることが好ましい。
【0058】具体的な好ましい化合物としては、メチル
トリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(メチルエ
チルケトキシミン)シラン、テトラキス(メチルエチル
ケトキシイミノ)シランなどが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0059】一般式(III)で表される架橋剤の添加量
としては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20重
量%であることが好ましく、3〜10重量%がさらに好
ましい。ポリジメチルシロキサンとの量比ということで
言えば、官能基Y/ポリジメチルシロキサンの水酸基の
モル比が1.5〜10.0であることが好ましい。この
モル比が1.5以上である場合には、シリコーンゴム層
溶液のゲル化の心配もなく、逆に10.0以下の場合に
はゴムの物性の脆化、印刷版の耐傷性などへの悪影響も
生じない。
【0060】このような縮合型の架橋を行うシリコーン
ゴムを使用する際には、酸類、アルカリ、アミン、およ
び金属アルコキシド、金属ジケテネート、金属の有機酸
塩などを挙げることができる。これらの中では、金属の
有機酸塩を添加することが好ましく、特に錫、鉛、亜
鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マンガンから選ばれる
金属の有機酸塩であることが好ましい。このような化合
物の具体例としては、ジブチルスズジラウリレート、ス
ズ(II)オクトエート、ジブチルスズアセテート、ナフ
テン酸塩、塩化白金酸などを挙げることができる。
【0061】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%であることが好ましい。添加する
触媒量が0.01重量%以上とすればシリコーンゴム層
の硬化が不十分となることはなく、さらに感熱層との接
着性に問題を生じることもない。他方、20重量%以下
とすればシリコーンゴム層溶液のポットライフに悪影響
をもたらすこともない。 シリコーンゴム層には、これ
らの組成物の他に、ゴム強度を向上させる目的で、シリ
カなどの充填剤を添加することも任意である。
【0062】さらに、本発明においては、上述の縮合型
シリコーンゴムの他に、付加型のシリコーンゴムを用い
ることも可能である。付加型のシリコーンゴムとして
は、下記に示すようにSi−H結合を有するハイドロジ
ェンポリシロキサンとCH=CH結合を有するビニルポ
リシロキサンを白金系の触媒で架橋硬化させたものが好
ましく用いられる。 (1)1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル
基(好ましくはビニル基)を少なくとも2個有するオル
ガノポリシロキサン:100重量部 (2)1分子中に少なくともSiH基を2個有するオル
ガノハイドロジェンポリシロキサン:0.5〜1000
重量部 (3)付加触媒:0.001〜15重量部。
【0063】成分(1)のアルケニル基は分子鎖末端、
中間のいずれにあっても良く、アルケニル基以外の有機
基としては置換もしくは非置換のアルキル基、アリール
基である。成分(1)は水酸基(SiH基)を微量有し
ていてもよい。分子量としては数千〜数十万のものが使
用できるが、その取り扱い性や得られた印刷版のインキ
反発性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1万〜2
0万、さらには3万〜15万のものを用いることが好ま
しい。成分(2)は成分(1)と反応してシリコーンゴ
ム層を形成するが、感熱層に対する接着性の付与の役割
も果たす。成分(2)の水素基は分子鎖末端、中間のい
ずれにあってもよく、水素以外の有機基としては成分
(1)と同様のものから選ばれる。成分(1)と成分
(2)の有機基はインキ反発性の向上の点で総じて基数
の60%以上がメチル基であることが好ましい。成分
(1)および(2)の分子構造は直鎖状、環状、分枝状
のいずれでもよく、どちらか少なくとも一方の分子量が
1000を超えることがゴム物性の面で好ましく、さら
に成分(2)の分子量が1000を超えることが好まし
い。また、成分(2)のハイドロジェンシロキサンは成
分(1)のアルケニル基との架橋によってシリコーンゴ
ムを硬化させるだけでなく、感熱層中のビニル基や水酸
基と反応してシリコーンゴム層と感熱層とを接着させ
る。そのため、成分(1)のアルケニル基の1等量に対
して、成分(2)のSi−H基は過剰に含んでいること
が好ましく、具体的には1.5〜30等量含有すること
が好ましく、10〜20当量がさらに好ましい。このア
ルケニル基に対するSi−H基の官能基比が1.5以上
であれば、シリコーンゴム層の硬化が不足することもな
く、30以下であればゴムの物性がもろくなり、印刷版
の耐傷性などに悪影響を与えることがない。
【0064】成分(1)としては、α,ω−ジビニルポ
リジメチルシロキサン、両末端メチル基の(メチルビニ
ルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体などが
例示され、成分(2)としては、両末端水素基のポリジ
メチルシロキサン、α,ω−ジメチルポリメチルハイド
ロジェンシロキサン、両末端メチル基の(メチルハイド
ロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合
体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサンなどが例
示される。成分(3)の付加触媒は、一般的に使用され
るもののなかから任意に選ばれるが、特に白金系の化合
物が好ましく、具体的には白金単体、塩化白金、塩化白
金酸、オレフィン配位白金、白金のアルコール変性錯
体、白金のメチルビニルポリシロキサン錯体などを好ま
しい例として挙げることができる。
【0065】これら(1)〜(3)の成分からなる組成
物は、3成分を混合した時点において付加反応が起き、
硬化が始まるが、硬化速度は反応温度が高くなるに従い
急激に大きくなる特徴を有する。故に、組成物の硬化条
件は、基板、感熱層の特性が変わらない範囲の温度条件
で、かつ完全に硬化するまで高温に保持しておくこと
が、感熱層との接着力の安定性の面で好ましい。
【0066】シリコーンゴム層には、これらの組成物の
ポットライフを長くしたり、硬化速度を制御する目的
で、反応抑制剤を添加することが好ましい。反応抑制剤
としては、オキシムやアミンなどの含窒素化合物、リン
系化合物、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサンな
どのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、アセチレ
ン基含有のアルコール、アセトン、メチルエチルケト
ン、メタノール、エタノール、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルなどが挙げられ、なかでもアセチレン
基含有のアルコールが好ましく用いられる。
【0067】さらに、感熱層との接着性を向上させる目
的で前述のシランカップリング剤を添加することも有効
である。これ以外にも、縮合型シリコーンゴム層の組成
物である水酸基含有オルガノポリシロキサン、加水分解
性官能基含有シラン(もしくはシロキサン)を添加する
ことも任意であり、またゴム強度を向上させる目的で、
シリカなどの充填剤を添加させることも任意である。
【0068】シリコーンゴム層の膜厚は0.5〜50g
/m2が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10g/
2である。膜厚が0.5g/m2以上であれば、印刷版
のインキ反発性が十分に得られ、50g/m2以下であ
れば、経済的見地から有利である。
【0069】<基板>本発明で使用する印刷版の基板と
しては、寸法的に安定な板状物が用いられる。かかる基
板としては、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレンなど)、亜鉛、銅、アル
ミニウムなどのような金属板、例えばセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、セルロースアセテート、ポリ
エチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセテートなどのようなプラスチックフィルム、
金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラス
チックフィルムなどが含まれる。
【0070】これらの基板のうち、アルミニウム板は寸
法安定性に優れており、しかも安価であるので特に好ま
しい。また、軽印刷用の基板として用いられている、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムも好ましく使用され
る。
【0071】<断熱層>本発明で使用する直描型水なし
平版印刷版は、照射されたレーザーによる熱を基板に逃
すことを防ぐため、基板と感熱層の間に断熱層を設けて
もよい。基板と感熱層との接着を強固にするために従来
用いられてきたプライマー層をそのまま断熱層として用
いても良い。本発明で使用する直描型水なし平版印刷版
原版の断熱層は、次の条件を満たすことが重要である。
すなわち、基板と感熱層とを良く接着し、経時において
安定であること、さらに現像液の溶剤に対する耐性がよ
いことである。
【0072】このような条件を満たすものとして、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂。フェノール樹脂、アクリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、カゼイ
ン、ゼラチンなどが挙げられる。これらの中では、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、尿素樹脂を単独で、あるいは複数混合して用
いることが好ましい。
【0073】<カバーフィルム>以上説明されたように
構成された水なし平版印刷版原版の表面のシリコーンゴ
ム層を保護するなどの目的で、シリコーンゴム層の表面
にプレーンなまたは凹凸処理した薄い保護フィルムをラ
ミネートしたり、特開平5−323588号公報に記載
の現像溶媒に溶解するポリマー塗膜を形成することも可
能である。保護フィルムとしては、ポリエステルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールフ
ィルム、エチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物フィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが挙げられる。
【0074】<直描型水なし平版印刷版原版の製造方法
>基板上にリバースロールコーター、エアーナイフコー
ター、メーヤバーコーターなどの通常コーターあるいは
ホエラーのような回転塗布装置を用い、各層を形成する
組成物を塗布する。必要に応じて断熱層組成物を塗布し
て100〜300℃で数分間熱硬化した後、感熱層組成
物塗液を塗布し、50〜180℃で数分間熱硬化する。
その上にシリコーンゴム層組成物塗液を塗布し、50〜
200℃の温度で数分間処理してゴム硬化させる。その
後、必要に応じて保護フィルムをラミネートするか、あ
るいは保護層を形成する。法に関するものである。
【0075】<水なし平版印刷版の製造方法>上記のよ
うにして得られた直描型水なし平版印刷版原版を、水な
し印刷機で印刷可能な水なし平版印刷版にする製造方法
は、本発明では下記3つの構成から成る。すなわち、画
像状に露光をする第1の工程(レーザーによるイメージ
照射)、有機溶媒で版を処理する第2の工程(前処理工
程)、およびインキ反発層をこすり取る第3の工程(現
像工程)である。
【0076】<レーザーによるイメージ照射(第1の工
程)>直描型水なし平版印刷版原版から、保護フィルム
を剥離してから、または保護フィルム上からレーザーで
像様に照射する。この時の光源としては発信波長が30
0nm〜1500nmの範囲にあるArイオンレーザ
ー、Krイオンレーザー、He−Neレーザー、He−
Cdレーザー、ルビーレーザー、ガラスレーザー、半導
体レーザー、YAGレーザー、チタンサファイアレーザ
ー、色素レーザー、窒素レーザー、金属蒸気レーザーな
どの種々のレーザーが使用できる。なかでも半導体レー
ザーは、近年の技術的進歩により、小型化し、経済的に
も他のレーザー光源よりも有利であるので好ましい。
【0077】<前処理工程(第2の工程)>前処理工程
は、所定温度に保持した処理液中に、一定時間だけ印刷
版を浸漬させる工程である。
【0078】レーザーを感熱層に照射すると、感熱層の
その部位においてなんらかの変性(感熱層の分解物が生
じたり、感熱層の耐溶剤性が変化するなど)を起こす。
レーザーの照射エネルギーを大きくすれば、変性の度合
いが大きくなるので、前処理工程を経ずに、そのまま現
像工程に進んでも、レーザー照射部のシリコーンゴム層
を剥離させることが可能である。しかし、この場合印刷
版のパターン形成に必要なエネルギーは大きなものとな
り、版の感度は低くなってしまう。また、あまり大きな
エネルギーのレーザーを照射すると、感熱層は破壊さ
れ、現像後に感熱層が残存しにくくなり、先に述べた印
刷時の不利を被ることになる。一方、照射エネルギーが
小さい場合には、感熱層の変性が小さいため、現像工程
のみでレーザー照射のON/OFFを感知することは難
しく、現像不能となりやすい。そこで、レーザー照射の
ON/OFFの差を増幅し、低エネルギーの照射部の現
像を行うために、処理液で印刷版を処理する工程が必要
となる。
【0079】処理液中に印刷版を浸漬させると、処理液
はシリコーンゴム層中に浸透し、やがて感熱層表面にま
で到達する。照射部の感熱層はその上部において、熱分
解物が生じていたり、あるいは処理液に対する溶解性が
向上していたりするので、感熱層表面は処理液によって
膨潤するかあるいは一部溶解する。この状態で印刷版面
を軽く擦ると、照射部のシリコーンゴム層は感熱層の表
面ごと剥離し、下層の感熱層は露出してインキ着肉層と
なる。一方、未照射部の感熱層は処理液に対して不溶あ
るいは難溶なため、感熱層と強力に接着しているシリコ
ーンゴム層は、強く擦っても剥がれない。このようにし
て、未照射部のシリコーンゴム層は現像されることな
く、この部分がインキ反撥層となり、水なし平版印刷版
の画像形成がなされる。
【0080】このような機構によって印刷版の高感度化
が行われるため、処理液の選択は重要である。感熱層の
溶解能が低い処理液を用いると、照射部のシリコーンゴ
ム層さえも現像する事ができず、印刷版の高感度化は果
たされない。一方、感熱層の溶解能が高い処理液を用い
ると、未照射部のシリコーンゴム層までが剥離し、その
度合いによっては感熱層までもが除去されてしまう。し
かしこの場合は、感熱層の溶解能がないかあるいは低い
化合物と適当量混合して用いることにより、調整するこ
とができる。
【0081】レーザー出力で現像が可能となる、高性能
な処理液の検討を進めた結果、(a)水および(b)親
水性の化合物のそれぞれ単体では感熱層の溶解能はあま
り高くないが、両者を混合することによって、感熱層の
溶解能が著しく向上する化合物群を見いだした。本発明
はこの化合物群を開示するものである。
【0082】(a)水は、単体では感熱層の溶解能をほ
とんど示さない。(b)親水性の化合物は単体でもある
程度の感熱層の溶解能を示す化合物から選ばれる。具体
的には、(b−1)グリコール化合物および(b−2)
グリコールモノアルキルエーテル化合物が挙げられる。
【0083】一般に(a)水は、(b−1)グリコール
化合物および(b−2)グリコールモノアルキルエーテ
ルに比べて揮発しやすい。例えば水の20℃における蒸
気圧が22.8hPa(17.5mmHg)であるのに
対し、ジエチレングリコールのそれは0.013hPa
(0.01mmHg)以下、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテルは0.23hPa(0.18mmHg)
である。そのためロングランの使用によって水のみが揮
発しまう可能性があるが、(b−1)および(b−2)
はいずれも親水性、場合によっては吸湿性であるため
に、ある程度密閉した系内で取り扱うことによって、安
定した組成を保つことができる。
【0084】概して、(b−1)グリコール化合物と
(b−2)グリコールモノアルキルエーテルとを比べる
と、(b−2)グリコールモノアルキルエーテル化合物
の方が感熱層に対する溶解能は高い。グリコールモノア
ルキルエーテル化合物のなかでも、末端の3アルキル基
がメチル基やエチル基のような小さい官能基を有するも
のは感熱層の溶解能が高く、逆に2−エチルヘキシル基
のように大きな官能基を有するものは、グリコール化合
物に比べても感熱層の溶解能が低くなる傾向がある。
【0085】水添加による感熱層の溶解能の向上効果
は、(b−1)グリコール化合物よりも(b−2)グリ
コールモノアルキルエーテル化合物の方が際だって大き
い。従って、(b−1)と(b−2)を適当な比率で混
合することによって、感熱層の溶解能を調整できる。
【0086】(b−1)グリコール化合物 エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール(1,2−ブタンジオール)、2,3−ブタ
ンジオール、n=2〜12のポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらの
グリコール化合物は単独あるいは2種以上混合して用い
ることができる。これらのなかでも、繰り返し単位の平
均が4以上のポリエチレングリコールが好ましい。具体
的にいえば、テトラエチレングリコール、ペンタエチレ
ングリコール、ヘキサエチレングリコールなどの単体グ
リコール、およびポリエチレングリコール200(平均
分子量190〜210)、ポリエチレングリコール30
0(平均分子量285〜315)、ポリエチレングリコ
ール400(平均分子量380〜420)、ポリエチレ
ングリコール600(平均分子量570〜630)など
の混合液体グリコールである。これらの低分子量でない
グリコールは、不揮発性でかつ、皮膚刺激性も低いため
に好ましい。
【0087】(b−2)グリコールモノアルキルエーテ
ル化合物 上記グリコール化合物のモノアルキルエーテルが挙げら
れる。末端アルキル基として、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、iso-ブチル基、
tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デ
カニル基、ウンデカニル基、ドデカニル基が挙げられ
る。好ましく用いられるグリコールエーテル化合物とし
ては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチ
ルカルビトール)、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル(エチルカルビトール)、ジエチレングリコール
モノプロピルエーテル(プロピルカルビトール)、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビト
ール)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、
ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ2−エ
チルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノ
メチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチル
エーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエー
テル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、
テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テト
ラエチレングリコール2−エチルヘキシルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノ2−エチルヘ
キシルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチル
エーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、
トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプ
ロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピ
レングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、テト
ラプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピ
レングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレング
リコールモノヘキシルエーテル、テトラプロピレングリ
コールモノ2−エチルヘキシルエーテルが挙げられる。
これらのなかでも、不揮発性や皮膚刺激性を考慮して、
(b−2a)繰り返し単位の平均が4以上のポリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、および(b−2b)
繰り返し単位の平均が3以上のポリエチレングリコール
モノエチルエーテルが好ましい。具体的にいえば、(b
−2a)として、テトラエチレングリコールモノメチル
エーテル、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ヘキサエチレングリコールなどの単体あるいは混合
物が、(b−2b)としてトリエチレングリコールモノ
エチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチル
エーテル、ペンタエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ヘキサエチレングリコールモノエチルエーテルなど
の単体あるいは混合物が好ましい。(b−2a)および
(b−2b)を混合したものを用いても良い。
【0088】処理液中の(a)水の含有量は1〜25重
量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。1重
量%以上であると、水分率の管理が困難となることもな
く、かつ感熱層の溶解能すなわち感度の向上効果が十分
得られる。25重量%以下であると感熱層の溶解能の低
下による現像性が低下も発生しない。
【0089】処理液中の(b)親水性の化合物の含有量
は50〜99重量%が好ましく、75〜95重量%がよ
り好ましい。50重量%より少ないと、高感度領域での
現像が困難になる。
【0090】(b)親水性の化合物であるグリコール化
合物やグリコールモノアルキルエーテル化合物に比べる
と、(a)水は揮発しやすい。親水性が高い(b−1)
グリコール化合物は、添加した水を処理液中に保持する
という役割を果たす。一方、グリコールモノアルキルエ
ーテル化合物も親水性ではあるが、その水保持能力はグ
リコール系化合物に比べると低い。反対に、現像性能の
観点からは、(a)グリコール化合物と(b)グリコー
ルモノアルキルエーテル化合物とを比べると、後者の方
が性能が高い。従って、(b)親水性の化合物として
(b−1)グリコール化合物あるいは(b−2)グリコ
ールモノアルキルエーテル化合物を単独で用いるのでは
なく、両者を混合したものを用いるのが好ましい。
【0091】(b−1)としては、繰り返し単位の平均
が4以上のポリエチレングリコールが好ましく、その含
有量は5〜94重量%が好ましく、15〜70重量%が
より好ましい。5重量%以上であると、処理液の水保持
能力が低下することがないため、94重量%以下である
と水添加の効果が得られるため好ましい。
【0092】(b−2)としては、(b−2a)繰り返
し単位の平均が4以上のポリエチレングリコールモノメ
チルエーテルおよび(b−2b)繰り返し単位数の平均
が3以上のポリエチレングリコールモノエチルエーテル
が好ましく、その単独あるいは両者を混合して用いられ
る場合の含有量は、5〜94重量%が好ましく、15〜
70重量%がより好ましい。5重量%以上であると水添
加の効果が得られるため、94重量部以下であると処理
液の水保持能力が低下がなく好ましい。
【0093】また処理液中には、必要に応じて、アルコ
ール類、カルボン酸類、エステル類、脂肪族炭化水素類
(ヘキサン、へプタンなど)、芳香族炭化水素類(トル
エン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(トリク
レンなど)を添加してもよい。また、現像時に版面を擦
るときに、傷が入るのを防止するために、処理液中に硫
酸塩、燐酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などの界面
活性剤を加えてもよい。
【0094】このような処理液により、レーザー照射部
の感熱層表層を溶解あるいは膨潤させるが、安定して溶
解あるいは膨潤させるために、処理液の温度を一定に保
つことが好ましい。適当な処理液温度は、処理の時間に
も依存するが、30℃〜60℃が好ましく、35℃〜5
0℃が最も好ましい。処理液温度が30℃以上の場合、
感熱層の膨潤あるいは溶解が十分であり、レーザー照射
部におけるシリコーンゴム層と感熱層間の接着力を十分
に低下させることができる。処理液の温度が60℃以下
であると、処理液の効果が高くなりすぎて、感熱層が基
板から剥離するなどの問題が生じる恐れがない。また、
処理液中の水の揮発がさほどではないため、組成の安定
性を保つ観点からも好ましい。
【0095】処理液中の浸漬時間によって、感熱層に対
する溶解度やシリコーンゴム層に対する膨潤度が変化す
るため、浸漬時間も一定に保持した方が安定して現像が
行える。処理液中の浸漬時間は10〜100秒が好まし
く、15〜60秒がより好ましい。浸漬時間が10秒以
上の場合、浸漬時間の管理が容易であり、安定した現像
が行える。浸漬時間が100秒以下とすれば、作業性の
面からも好ましい。特に前処理工程、現像工程および後
処理工程を一体的連続的に行う自動現像機を用いる場
合、前処理工程における浸漬時間を長くすることは、自
動的に現像工程および後処理工程に要する時間も長くな
ってしまう。
【0096】<現像工程(第3の工程)>前処理によ
り、レーザー照射部では、感熱層表面が膨潤あるいは一
部溶解しているため、選択的にシリコーンゴム層が剥が
れやすくなっている。本発明では、水の存在下、版表面
をブラシや木綿パッドで擦ることによりレーザー照射部
のインキ反発層を除去して、現像を行う。水による現像
は排液の点からも最も好ましい。温水や水蒸気を版面に
噴射することによっても現像を行ってもよい。現像性を
上げるために、水に上記の処理液を少量加えたものを現
像液として用いてもよい。現像液の温度は任意でよい
が、10℃〜50℃が好ましい。
【0097】<後処理工程>現像により画線部が形成さ
れ、現像の確認を容易にするために染色液で染色する後
処理工程を設けてもよい。本発明の染色液に用いられる
染料としては、塩基性染料、酸性染料、直接染料、分散
染料、および反応性染料などの中から単独で、あるいは
2種以上のものを混合して用いることができる。なかで
も、水溶性の塩基性染料および酸性染料が好ましく用い
られる。
【0098】塩基性染料としては、”クリスタルバイオ
レット”、”エチルバイオレット”、”ビクトリアピュ
アブルー”、”ビクトリアブルー”、”メチルバイオレ
ット”、”DIABACIS MAGENTA”(三菱化学(株)
製)、”AIZEN BASIC CYANINE 6GH”(保土ヶ谷化学工
業(株)製)、”PRIMOCYANINE BX CONC.”(住友化学
(株)製)、”ASTRAZON BLUE G”(FARBENFARRIKEN BA
YER 製)、”DIACRYL SUPRABRILLIANT 2B”(三菱化学
(株)製)、”AIZEN CATHILON TURQUOISE BLUE LH”
(保土ヶ谷化学工業(株)製)、”AIZEN DIAMOND GREE
N GH”(保土ヶ谷化学工業(株)製)、”AIZEN MALACH
ITE GREEN”(保土ヶ谷化学工業(株)製)などが用い
られる。
【0099】酸性染料としては、”ACID VIORET 5B”
(保土ヶ谷化学工業(株)製)、”KITON BLUE A”(CI
BA 製)、”PATENT BLUE AF”(BASF 製)、”RAKUTO B
RILLIANT BLUE FCF”(洛東化学工業(株)製)、”BRI
LLIANT ACID BLUE R”(GEIGY製)、”KAYANOL CYANINE
6B”(日本化薬(株)製)、”SUPRANOL CYANINE G”
(FARBENFARRIKEN BAYER 製)、”ORIENT SOLUBLE BLUE
OBB”(オリエント化学工業(株)製)、”ACID BRILL
IANT BLUE 5G”(中外化成(株)製)、”ACID BRILLIA
NT BLUE FFR”(中外化成(株)製)、”ACID GREEN GB
H”(高岡化学工業(株)製)、”ACID BRILLIANT MILL
ING GREEN B”(保土ヶ谷化学工業(株)製)などが用
いられる。
【0100】これら染料の染色液中の含有量は、0.0
1重量%〜10重量%が好ましく、0.1重量%〜5重
量%がより好ましい。
【0101】本発明に用いられる染色液の溶媒として
は、水、アルコール類、グリコール類、グリコールモノ
アルキルエーテル類、グリコールジアルキルエーテル類
が用いられ、これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合
して用いられる。グリコール類、グリコールモノアルキ
ルエーテル類、グリコールジアルキルエーテル類は処理
液としての効果を有するので、仮に現像工程でレーザー
照射部のシリコーンゴム層が現像できず付着していて
も、後処理工程で現像させることもできる。
【0102】その他、染色助剤、有機酸、無機酸、消泡
剤、可塑剤、界面活性剤を任意に添加してもよい。
【0103】染色液の温度は任意でよいが、10℃〜5
0℃が好ましい。また、現像液中に上記染料を添加して
おいて、現像と同時に画像部の染色化を行うこともでき
る。
【0104】<水洗工程>版面に処理液や染色液が浸透
したままになっていると、経時により非画線部のシリコ
ーンゴム層が剥離しやすくなる場合があるため、処理液
や染色液を版面から完全に洗い落とす水洗工程を設けて
もよい。水洗水の温度は任意でよいが、10℃〜50℃
が好ましい。
【0105】<現像方法>これまで述べてきた前処理工
程および現像工程、必要に応じて後処理工程および水洗
工程は、手作業で行ってもよいが、東レ(株)製“TW
L−1160”や“TWL−650”、“TWL−86
0”あるいは特許公報2864907号公報などで開示
されているような水なし平版印刷版用の自動現像機を用
いることが好ましい。
【0106】現像工程で用いられるブラシとしては、直
径20〜500μmのブラシ素材を金属あるいはプラス
チックなどの溝型材に列状に植え込んだものを芯に取り
付けたものが一般的であるが、上記ブラシ素材を金属あ
るいはプラスチックなどの芯に放射状に植え込んだもの
でもよく、上記ブラシ素材をプラスチックシートあるい
は布などの基材に植え込んだものを芯に巻いたものでも
よい。
【0107】ブラシ材質としては、ポリ塩化ビニル、ポ
リアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートおよびポリプロピレンの群から選ばれる
少なくとも1種とすることにより、ブラシによる印刷版
のインキ反発層を傷つけることなく、またブラシの力不
足によるレーザー照射部のインキ反発層の除去不良を防
止できる。
【0108】さらにブラシローラの回転数は10〜10
00rpm、好ましくは200〜600rpmである。
また、ブラシローラを回転すると共に、軸方向へ往復運
動させることにより、レーザー照射部のインキ反発層除
去効果が向上する。ブラシローラの回転方向としては、
印刷版の搬送方向と同方向のもの、および逆方向のもの
の両方を有することが、レーザー照射部のインキ反発層
除去の観点から重要である。
【0109】手作業で現像を行う場合は、これらの処理
液および現像液を順次不織布、脱脂綿、布、スポンジな
どに含浸させて版面を拭き取ることによって行うことが
できる。
【0110】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0111】<直描型水なし平版印刷版原版の作成>厚
さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に下記の感熱層の
組成物をスリットダイコーターにより塗布し、130℃
で60秒間乾燥し、膜厚1.0g/m2の感熱層を設け
た。感熱層の組成物: (1)“KAYASORB”IR−820B(ポリメチ
ン系色素、日本化薬(株)製):11重量部、(2)
“ナーセムチタン”(チタンジ−n−ブトキシドビス
(2,4−ペンタンジオネート)のn−ブタノール溶
液、日本化学産業(株)製):9重量部(固形分濃度4
0wt%とし、固形分として9重量部含有するように添
加。つまり“ナーセムチタン”自体は溶媒込みで22.
5重量部)、(3)“スミライトレジン”PR5062
2(フェノールノボラック樹脂、住友デュレズ(株)
製):60重量部、(4)“サンプレン”LQ−T13
31D(ポリウレタンの20%希釈溶液、三洋化成工業
(株)製):10重量部(固形分として10重量部含有
するように添加。つまり、“サンプレン”自体は希釈溶
媒込みで50重量部)および(5)m−キシリレンジア
ミン/グリシジルメタクリレート/3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン=1/3/1モル比付加物:
10重量部からなる固形分を、(1)テトラヒドロフラ
ン:89重量部および(2)ジメチルホルムアミド:1
1重量部からなる混合溶媒で固形分濃度10.0重量%
に希釈した組成物。
【0112】次いで、この上に下記シリコーンゴム層の
組成物をスリットダイコーターにより塗布し、125℃
で60秒間乾燥し、膜厚2.0g/m2のシリコーンゴ
ム層を設けた。シリコーンゴム層の組成物: (1)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子
量約60,000):100重量部、(2)HMS−5
01(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサ
ン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基数/分
子量=0.69mol/g、チッソ(株)製):7重量
部、(3)ビニルトリス(メチルエチルケトキシイミ
ノ)シラン:3重量部および(4)“SRX−212”
(白金触媒、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)
製、):5重量部からなる固形分を“アイソパーE”
(イソパラフィン系炭化水素、エクソン化学(株)製)
単独溶媒で固形分濃度10.3重量%に希釈した組成
物。
【0113】上記のようにして得られた積層板に、厚さ
8μmのポリプロピレンフィルム“トレファン”BO
(東レ(株)製)をカレンダーローラーを用いてラミネ
ートし、直描型平版印刷版原版を得た。
【0114】実施例1 直描型水なし平版印刷版原版を、カバーフィルムを剥離
した後に、“GX−3600”(製版機、東レ(株))
に装着し、半導体レーザー(波長830nm)を用いて
レーザー照射を行った(照射エネルギー175mJ/c
2、2400dpi(dots per inch)、175lpi
(lines per inch))。“GX−3600”は4本のレ
ーザーヘッド(No.1〜4)を備えており、それぞれ
のヘッドのレーザ出力を変えて同時に照射を行うことが
できる。それぞれのヘッドの出力を100mJ/c
2、125mJ/cm2、150mJ/cm2、175
mJ/cm2に設定した。
【0115】その後、水なし平版印刷版用自動現像機
“TWL−860KII”(東レ(株)製)を用いて、直
描型平版印刷版の現像を行った。“TWL−860KI
I”の第1槽には下記の<処理液1>を、第2槽および
第3槽には水を入れた。 <処理液1>の組成 (1)“PEG#200”(ポリエチレングリコール、
平均分子量190〜210、日本油脂(株)製):50
重量部 (2)“MPG”(ポリエチレングリコールモノメチル
エーテル、繰り返し単位4以上、日本乳化剤(株)
製):43重量部 (3)水:7重量部 第1槽においては、印刷版面上に処理液がかけられ、こ
れにより感熱層表層が溶解または膨潤する。処理液の温
度は40℃、浸漬時間は30秒とした。
【0116】印刷版が第1槽から第2槽に自動搬送され
る過程で、印刷版面上の処理液はロールにより除去され
る。第2槽、第3槽においては、印刷版は、版面に水が
かけられた状態で、印刷版の搬送方向と同回転方向に回
転しているブラシ(第2槽)、および逆方向に回転して
いるブラシ(第3槽)で擦られる。ブラシ擦り工程に用
いた水の温度は25℃であった。
【0117】この結果、レーザー光が照射された部分の
シリコーンゴム層が除去された直描型平版印刷版が得ら
れた。
【0118】こうして得られた印刷版を枚葉オフセット
印刷機「スプリント25」(小森コーポレーション
(株)製)に取り付け、水なし平版用インキ“ドライオ
カラーNSI”、藍(大日本インキ化学工業(株)製)
を使用して上質紙(62.5kg/菊)に印刷し、印刷
物としての画像再現性を評価したところ、表1に示すよ
うに良好な網点再現性を示した。
【0119】比較例1 実施例1において“TWL−860KII”の第1槽に、
<処理液1>の代わりに下記<処理液2>を用いた以外
は全て同様にして、画像再現性の評価を行った。 <処理液2>の組成 (1)“PEG#200”(ポリエチレングリコール、
平均分子量190〜210、日本油脂(株)製):50
重量部 (2)“MPG”(ポリエチレングリコールモノメチル
エーテル、繰り返し単位数4以上、日本乳化剤(株)
製):40重量部 <処理液2>は実施例1に用いた<処理液1>から水を
省いただけの組成であるが、表1にあるように現像性能
がかなり劣ることが分かる。
【0120】比較例2〜4 実施例1において、“TWL−850KII”の第1槽内
の液体をそれぞれ下記の<処理液3>、<処理液4>、
および水に入れ替えた。 <処理液3>の組成 (1)“PEG#200”(ポリエチレングリコール、
平均分子量190〜210、日本油脂(株)製):単独 <処理液4>の組成 (1)“MPG”(ポリエチレングリコールモノメチル
エーテル、繰り返し単位4以上、日本乳化剤(株)
製):単独 親水性の化合物である“PEG#200”単体、“MP
G”単体で処理を行っても、ある程度の画像は得られた
が、実施例1にくらべると、特にレーザーの出力が小さ
い場合において、画像再現性が低かった。さらに水単体
で処理を行った比較例4では全く現像ができず、画像が
再現されなかった。
【0121】実施例2 実施例1において、“TWL−860KII”の第1槽内
の液体を下記の<処理液5>に入れ替えた。 <処理液5>の組成 (1)“PEG#200”(ポリエチレングリコール、
平均分子量190〜210、日本油脂(株)製):50
重量部 (2)トリエチレングリコールモノエチルエーテル:4
0重量部 (3)水:10重量部 実施例1と同様に画像再現性を評価したところ、表1に
示すように良好な画像再現性を示した。
【0122】実施例3 実施例1において、“TWL−860KII”の第1槽内
の液体を下記の<処理液6>に入れ替えた。 <処理液6>の組成 (1)トリエチレングリコールモノエチルエーテル:8
7重量部 (2)水:13重量部 実施例1と同様に画像再現性を評価したところ、表1に
示すように良好な画像再現性を示した。
【0123】
【表1】
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、画像再現性の良好なネ
ガ型の直描型平版印刷版が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA04 AB04 AC08 AD01 CC20 FA03 FA12 FA17 2H084 AA14 AA25 AA40 AE05 BB02 BB04 BB13 CC06 2H096 AA13 BA16 EA04 FA05 GA08 JA03 2H114 AA05 AA22 AA24 BA01 BA06 BA10 DA25 EA01 EA02 EA04 FA11 GA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも感熱層、インキ反発層
    を順次有する直描型水なし平版印刷版の製造方法であっ
    て、原版にレーザーで像様照射する第1の工程、レーザ
    ー照射後の原版を処理液で処理する第2の工程、レーザ
    ー照射部のインキ反発層を除去する第3の工程をこの順
    に有し、前記処理液が少なくとも(a)水、および
    (b)親水性の化合物を含有することを特徴とする直描
    型水なし平版印刷版の製造方法。
  2. 【請求項2】処理液の(a)水の含有量が1〜25重量
    %、および(b)親水性の化合物の含有量が50〜99
    重量%であることを特徴とする請求項1記載の直描型水
    なし平版印刷版の製造方法。
  3. 【請求項3】(b)親水性の化合物が少なくとも(b−
    1)繰り返し単位の平均が4以上のポリエチレングリコ
    ールおよび(b−2)繰り返し単位の平均が4以上のポ
    リエチレングリコールモノメチルエーテルおよび/ある
    いは繰り返し単位の平均が3以上のポリエチレングリコ
    ールモノエチルエーテルであることを特徴とする請求項
    1記載の直描型水なし平版印刷版の製造方法。
  4. 【請求項4】第3の工程の後も、感熱層の少なくとも一
    部が残存することを特徴とする請求項1〜3いずれかに
    記載の直描型水なし平版印刷版の製造方法。
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