JP2001301082A - バリア性積層フィルム - Google Patents

バリア性積層フィルム

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JP2001301082A
JP2001301082A JP2000117925A JP2000117925A JP2001301082A JP 2001301082 A JP2001301082 A JP 2001301082A JP 2000117925 A JP2000117925 A JP 2000117925A JP 2000117925 A JP2000117925 A JP 2000117925A JP 2001301082 A JP2001301082 A JP 2001301082A
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JP
Japan
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gas barrier
anchor coat
film
barrier
coating
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JP2000117925A
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English (en)
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Riri Kitahara
吏里 北原
Kenji Hayashi
建二 林
Tsunenori Komori
常範 小森
Ryukichi Matsuo
龍吉 松尾
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスバリア性に優れ、内容物が透視可能で金属
探知器が使用でき、温湿度依存性が抑制され、加工適性
に優れ、環境に優しく低コストなガスバリア性プラスチ
ックフィルムを提供すること。 【解決手段】プラスチック材料からなる基材3の片面若
しくは両面に、シリカゾルを主成分とするアンカーコー
ト層2と、M2 0・nSi02 で表されるアルカリ金属
ポリシリケートを主成分とするガスバイア性被膜層1を
順次積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品及び医薬品や
電子部材等の非食品等の包装分野に用いられる包装用フ
ィルムに関するもので、特に高いガスバリア性を持つこ
とで、大気中の酸素や水蒸気から内容物を遮断し劣化・
変質を抑制するバリア性積層フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、食品や非食品等の包装に用いられ
る包装材料は、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性
質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸
気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止す
る必要があり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリ
ア性を備えることが求められている。
【0003】そのため従来ガスバリア層としては、アル
ミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、
ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共
重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等
の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティング
したプラスチックフィルム、更には酸化珪素や酸化アル
ミニウム等の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィ
ルム等が主に用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属箔
や金属蒸着フィルムは、ガスバリア性に優れるが包装材
料を透視して内容物が確認できない、検査の際金属探知
器が使用できない、使用後の廃棄の際は不燃物として処
理しなければならない等の問題がある。またガスバリア
性樹脂フィルムやそれらをコーティングしたフィルム
は、温湿度依存性が大きく高度なガスバリア性を維持で
きない、更にポリ塩化ビニリデンやポリアクリロニトリ
ル等は廃棄・焼却の際に有害物質の原料となりうる可能
性があるなどの問題がある。また、セラミック蒸着フィ
ルム等は、蒸着層がセラミックの故に可撓性に欠け加工
適性に十分注意しなければならないことや加工機が高額
なためコストが高くなる等の問題がある。つまり現在主
として用いられているガスバリア材は、一長一短で各種
の問題を有するものと言える。
【0005】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、優れたガスバリア性を有
し、内容物が透視可能で且つ金属探知器が使用でき、ま
た温湿度依存性が抑制され、加工適性にも優れ、更に環
境にやさしくそれでいて低コストなガスバリア性プラス
チックフィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためのもので、請求項1の発明は、プラスチック材
料からなる基材の片面もしくは両面に、シリカゾルを主
成分とするアンカーコート層と、M2 O・nSiO2
表されるアルカリ金属ポリシリケートを主成分とするガ
スバリア性被膜層を順次積層することを特徴とするバリ
ア性積層フィルムである。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記シリカゾルが有機溶剤変性コロイダルシリカで
あることを特徴とするバリア性積層フィルムである。
【0008】また請求項3の発明は、請求項1の発明に
おいて、前記シリカゾルがシランカップリング剤および
その加水分解物であることを特徴とするバリア性積層フ
ィルムである。
【0009】また請求項4の発明は、請求項1〜3の発
明において、前記ガスバリア性被膜層が、水溶性高分子
または/および窒素化合物を含むことを特徴とするバリ
ア性積層フィルムである。
【0010】このように、本発明によれば、プラスチッ
ク基材上にアンカーコート層とガスバリア性被膜層を順
次積層した構成において、ガスバリア性被膜層としてM
2 O・nSiO2 で表されるアルカリ金属ポリシリケー
トを主成分として用いているため高いガスバリア性を発
現する。さらにその下にシリカゾルを主成分とするアン
カーコート層を設けることでプラスチック基材上に均一
にガスバリア性被膜層をコーティングすることができ、
基材との密着もよく可撓性も保持し、ガスバリア層の性
質を損なうことなく実用性の高い包装材料を提供するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を図面を用いて更に詳細に
説明する。図1は本発明のバリア性積層フィルムを説明
する断面図である。
【0012】まず図1の本発明のバリア性積層フィルム
を説明する。基材1はプラスチック材料からなるフィル
ムであり、その上にシリカゾルを主成分とする厚さが
0.1μm以下であるアンカーコート層2、更にM2
・nSiO2 で表されるアルカリ金属ポリシリケートを
主成分とするガスバリア性被膜層3が順次積層されてい
る。
【0013】上述した基材1はプラスチック材料からな
り、好ましくは透明であることである。例えばポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチ
レンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポ
リスチレンフィルム、66−ナイロン等のポリアミドフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニト
リルフィルム、ポリイミドフィルム等のエンプラフィル
ム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また
機械強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフ
ィルム状に加工して用いられる。特にこれらの中で二軸
方向に任意に延伸されたフィルムが好ましく用いられ、
更に包装材料に使用する場合、価格面、防湿性、充填適
正、風合、廃棄性を考慮すると二軸延伸ポリプロピレン
フィルムがより好ましい。
【0014】またこの基材1の表面に、周知の種々の添
加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化
防止剤などが使用されていても良く、各種膜との密着性
を良くするために、前処理としてコロナ処理、プラズマ
処理、オゾン処理などを施しておいても良く、更に薬品
処理、溶剤処理を施しても良い。
【0015】基材1の厚さは特に制限を受けるものでな
いが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合も
あること、アンカーコート層2及びガスバリア性被膜層
3を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3
〜200μmの範囲で、用途によって6〜30μmとす
ることがより好ましい。
【0016】本発明のアンカーコート層2は、プラスチ
ック材料からなる基材1上に設けられ、M2 O・nSi
2 で表されるアルカリ金属ポリシリケートからなるガ
スバリア性被膜層3の均一な被膜形成によるバリア性の
発現および基材1との間の密着性を高めることを目的に
設けられるもので、上記目的達成のためにアンカーコー
ト層2は、シリカゾルを主成分とする厚さが0.1μm
以下であるアンカーコート層とする必要がある。主成分
とは塗膜構成全成分に対してシリカゾルが重量比で50
%以上であることを示す。アンカーコート層の透明性を
損なわない範囲内であれば各種の添加剤が重量比で50
%以下含まれていても良い。
【0017】上記シリカゾルは有機溶剤変性コロイダル
シリカである必要がある。
【0018】上記有機溶剤変性コロイダルシリカとは、
ケイ酸ソーダやクロロシランから合成されるコロイダル
シリカの表面を有機溶剤でエステル化したものである。
有機溶剤は水と混合する溶剤ならばなんでもよく、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコールのアルコ
ール類、エチレングリコール等のグリコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、DME、THF等のエーテル類が挙げられ
る。溶媒や製法によって粒子径や含有水分が異なるが、
どの有機変性コロイダルシリカを用いてもよく、これら
について特に限定しない。
【0019】無変性のコロイダルシリカは水系のバリア
性複合被膜と層分離できず、バリア性複合被膜と混じり
合ってしまうため均一なバリア層を生成できず、バリア
性を発現しない。しかし有機溶剤変性コロイダルシリカ
は表面のエステル基である有機基のためにバリア性複合
被膜と層分離し、バリア性複合被膜を均一に塗布するこ
とができバリア性を発現する。しかも表面のエステル基
は水系のバリア性複合被膜と馴染みやすく高い濡れ性を
示す。またnmサイズの微粒子による投錨効果によっ
て、極性の低いプラスティック基材にもよく濡れ密着も
よく、またバリア性複合被膜とも密着がよいため、両方
の層間を強く密着させる。
【0020】また、シリカゾルがシランカップリング剤
およびその加水分解物でも上記記述の有機溶剤変性コロ
イダルシリカと同様の効果を発現する。シランカップリ
ング剤を加水分解して得られるシリカゾルは、有機溶剤
に馴染みやすい有機基をもちまた水系のガスバリア性被
膜層とも馴染みやすいシリカ部をもつ微粒子を形成す
る。
【0021】シランカップリング剤とはR1 n −Si
(OR2 4-n の式で表される一般的なケイ素カップリ
ング剤である。(ここでR1 は炭素数1から4のアルキ
ル基、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、メタクリロキ
シ基およびビニル基からなる群から選ばれる1以上の基
を有する有機基であり、R2 は炭素数1〜4のアルキル
基であり、nは0〜2の正数である。)
【0022】具体的には、例えばR1 がアルコキシル基
であるテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトライソプロポキシシラン、ビニル基であるビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アミノ
基である、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、エポキシ基である3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メタクリロキシ
基である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン等があげられる。加水分解後均一に基材に塗布できる
ものならばこれらのうちどれを用いてもよい。
【0023】シランカップリング剤の(部分)加水分解
物およびその(部分)縮合物は、シランカップリング剤
の一部または全部が加水分解された物であり、これらは
いわゆるゾルゲル反応させることにより得られる物であ
る。
【0024】また、アンカーコート層の厚さは0.1μ
m以下である必要がある。厚さが0.1μmより厚い
と、溶剤変性コロイダルシリカおよびシランカップリン
グ剤からなる微粒子が基材表面に分散されずに不均一に
堆積してしまい、基材表面が荒れてしまうため均一なガ
スバリア性被膜層が形成されず、高いガスバリアは発現
しない。シリカゾルの均一分散のためにもアンカーコー
ト層は厚さが0.1μm以下である必要がある。シリカ
ゾルをより均一に基材表面に分散させるためには厚さが
0.01μm以下であることがさらに好ましい。シリカ
ゾルが均一に分散され、塗布ムラにならず、バリア層が
均一に塗布されるならばこれより更に薄くてもよい。
【0025】有機変性コロイダルシリカと、シランカッ
プリング剤およびその加水分解物は両者とも有機溶剤に
分散するシリカゾルであるため、両者を混合してもかま
わない。また、シリカゾルにはアンカーコートとしての
性質をより向上させる目的で周知の添加剤を添加しても
一向にかまわない。酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑
剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、着色剤などである。とく
に、耐湿性を付与するためにイソシアネート化合物と混
合することは有効である。アンカーコート層の透明性を
損なわない範囲内であれば添加剤が重量比で50%以下
含まれていても良い。さらに該アンカーコート層の濡れ
性、密着の向上のため基材にコロナ処理、プラズマ処
理、オゾン処理などを施しておいても良い。
【0026】次いでガスバリア性被膜層3について説明
する。該層は、高度なガスバリア性を付与し、温度依存
性や湿度劣化を抑制することを目的とする。上記目的の
達成のためにガスバリア性被膜層としては、アルカリ金
属ポリシリケートを主成分としている必要があり、該ア
ルカリ金属シリケートが、M2 O・nSiO2 である必
要がある。
【0027】上記のガスバリア性を有するアルカリ金属
ポリシリケートの必須成分であるリチウムポリシリケー
トはLi2 O・nSiO2 (nはモル比)で表され、そ
の溶液は水を溶媒とした一般に水ガラスと呼ばれるアル
カリシリケート水溶液である。リチウム以外で1A族に
属するアルカリ金属として、工業的には比較的安価なナ
トリウムやカリウムなどが一般的に多く使用されるが、
リチウムを含まない単独または複数のアルカリ金属で構
成されるアルカリシリケート水溶液の乾燥被膜では、高
温高湿下で安定した高度なガスバリア機能は得らず、例
えば、ナトリウム系ではガスバリア発現せず、カリウム
系ではガスバリア発現するものの湿度依存性があるため
高湿下で低下してしまう。
【0028】リチウムポリシリケートがガスバリア性材
料、特に酸素バリア性を向上させる材料として有用であ
ることは以前より知られている。しかし、リチウムポリ
シリケート単体でプラスチックフィルム上に被膜を形成
すると、Li2 O・nSiO 2 で表されるモル比がn≦
5の範囲内でないと被膜の形成ができず、またn≦5の
範囲で形成されたリチウムポリシリケート被膜も成膜時
の乾燥による急激な収縮と被膜自体が柔軟性に欠けるた
め、低温で長時間ゆっくりと乾燥させなければ柔軟なプ
ラスチック基材に追従できずに、クラック(ひび割れ)
などのダメージが生じて酸素バリア性が低下してしま
う。
【0029】この成膜性、柔軟性を付与するためにリチ
ウムポリシリケートに水溶性高分子を混合することが好
ましい。水溶性高分子は成膜性・柔軟性を付与するた
め、温湿度依存性を抑制した非常に高い酸素バリア性を
持つようなる。水溶性高分子とはポリビニルアルコール
またはその誘導体や、ポリエチレンイミンまたはその誘
導体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、澱粉、セ
ルロース類の糖類、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸
またはそれらの共重合体等を示す。さらに、酸化ケイ素
被膜の緻密化を促進させるために窒素化合物、特にリチ
ウムポリシリケートとの相溶性、柔軟性を考慮してアミ
ノ基含有シランカップリング剤を含むアミン類と混合す
ることが好ましい。アミノ基含有シランカップリング剤
を含むアミン類と混合すると、非常に高い水蒸気バリア
性を発現するようになる。
【0030】アンカーコート層2及びガスバリア性被膜
層3の形成方法としては、通常のコーティング方法を用
いることができる。例えばディッピング法、ロールコー
ト、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコー
ト、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、ス
プレーコート、グラビアオフセット法等を用いることが
できる。これらの塗工方式を用いて基材1の片面もしく
は両面に塗布する。この場合、アンカーコート層2とガ
スバリア性被膜層3を別々に設けても構わないし、多色
のグラビア印刷機等を用いて両層を同時に設けても構わ
ない。コストの面を考慮すること、同時に形成した方が
より好ましい。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、
赤外線照射など、特に限定しない。
【0031】更にガスバリア性被膜層3上にその他の層
を積層することも可能である。例えば印刷層やヒートシ
ール層等である。印刷層は、包装袋などとして実用的に
用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アク
リル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から公知
に用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、耐
候顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添
加されてなるインキにより構成される層で、文字、絵柄
等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセ
ット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法
等の周知の印刷方式や、ロールコート、グラビアコート
等の周知の塗布方式を用いることができる。厚さは、
0.1〜2.0μmの範囲で適宜選択される。
【0032】また印刷層を積層する時に多色の印刷機を
用いる場合、先にアンカーコート層2及びガスバリア性
被膜層3を設けた後そのまま同じ印刷機を用いても印刷
層を設けても一向に構わない。
【0033】またヒートシール層は、袋状包装体などを
形成する際の接着部に利用されるものであり、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−
メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及び
それらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。厚さは目的
に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの
範囲である。
【0034】ヒートシール層の形成方法としては、上述
樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン系
接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、無溶
剤接着剤を用いて貼り合わせるノンソルベントドライラ
ミネート法、上述した樹脂を加熱溶融させカーテン状に
押し出し貼り合わせるエキストルージョンラミネート法
等いずれも公知の積層方法により形成することができ
る。
【0035】
【実施例】本発明のバリア性積層フィルムを具体的な実
施例を挙げて更に説明する。
【0036】〈アンカーコート液の調整〉 1)メチルエチルケトン変性コロイダルシリカ(日産化
学工業(株)製MEK−ST)を、固形分が1重量%に
なるように酢酸エチルで希釈しアンカーコート液1を得
た。
【0037】2)メチルエチルケトン変性コロイダルシ
リカ(日産化学工業(株)製MEK−ST)を、固形分
が0.1重量%になるように酢酸エチルで希釈しアンカ
ーコート液2を得た。
【0038】3)メチルエチルケトン変性コロイダルシ
リカ(日産化学工業(株)製MEK−ST)を、固形分
が0.05重量%になるように酢酸エチルで希釈しアン
カーコート液3を得た。
【0039】4)メチルエチルケトン変性コロイダルシ
リカ(日産化学工業(株)製MEK−ST)を、固形分
が10重量%になるように酢酸エチルで希釈しアンカー
コート液4を得た。
【0040】5)3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン(チッソ(株)製S510)を固形分が0.1
重量%になるようにメタノール/水=1/1で調整し加
水分解を行いアンカーコート液5を得た。
【0041】6)2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン(チッソ(株)製S53
0)を固形分が0.1重量%になるようにメタノール/
水=1/1で調整し加水分解を行いアンカーコート液6
を得た。
【0042】7)メチルエチルケトン変性コロイダルシ
リカ(日産化学工業(株)製MEK−ST)を、固形分
が0.1重量%になるようにメタノールで希釈した。こ
の溶液とアンカーコート液5を重量比1/1で混合し、
アンカーコート液7を得た。
【0043】8)メチルエチルケトン変性コロイダルシ
リカ(日産化学工業(株)製MEK−ST)を、固形分
が0.1w%になるようにメタノールで希釈した。この
溶液とアンカーコート液6を重量比1/1で混合し、ア
ンカーコート液8を得た。
【0044】9)ポリイシソシアネート化合物(TDI
系イソシアネート、日本ポリウレタン(株)製コロネー
トL)を固形分が0.1重量%になるように酢酸エチル
で希釈した。この溶液とアンカーコート液2を重量比1
/1で混合し、アンカーコート液9を得た。
【0045】〈ガスバリア性被膜液の調整〉 A)リチウムシリケート水溶液(Li2 O・nSi
2 、n=約5モル比)の固形分調整した水溶液に、窒
素化合物としてシランカップリング剤(チッソ(株)製
『サイラエースS320』、N−(2−アミノエチル)
3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を溶解した水
溶液と、水溶性高分子としてシラン変性ポリビニルアル
コール((株)クラレ製『R−2105』、ケン化度約
98.5mol%)を溶解した水溶液をSiO2 /シラ
ンカップリング剤加水分解物/水溶性高分子の重量換算
で85/10/5になるように加えて攪拌し、複合液A
を得た。
【0046】B)カリウムシリケート水溶液(K2 O・
nSiO2 、n=約4モル比)の固形分調整した水溶液
に、窒素化合物としてシランカップリング剤(チッソ
(株)製『サイラエースS320』、N−(2−アミノ
エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を溶
解した水溶液と、水溶性高分子としてシラン変性ポリビ
ニルアルコール((株)クラレ製『R−2105』、ケ
ン化度約98.5mol%)を溶解した水溶液をSiO
2 /シランカップリング剤加水分解物/水溶性高分子の
重量換算で85/10/5になるように加えて攪拌し、
複合液Bを得た。
【0047】〈実施例1〉基材1として、厚さ20μm
の2軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡(株)製
P2102)のコロナ放電処理面に、アンカーコート層
2としてアンカーコート液1をワイヤーバー#3で、固
形分が10重量%のサンプルは厚さが1μm、固形分が
1重量%のサンプルは厚さが0.1μmに、固形分が
0.1重量%のサンプルは厚さが0.01μmに、固形
分が0.05重量%のサンプルは厚さが0.005μm
に、なるように調節して塗布し、80°Cのオーブンに
20秒入れて乾燥させた。次いでガスバリア性被膜層3
としてA液をワイヤーバー#5で厚さが0.5μmにな
るように調整して塗布し、70°Cのオーブンに1分間
入れて、実施例1のバリア性積層フィルムを得た。
【0048】〈実施例2〉アンカーコート層2としてア
ンカーコート液2を用いた以外は実施例1と同様にして
バリア性積層フィルムを作製し、実施例2のバリア性積
層フィルムとした。
【0049】〈実施例3〉アンカーコート層2としてア
ンカーコート液3を用いた以外は実施例1と同様にして
バリア性積層フィルムを作製し、実施例3のバリア性積
層フィルムとした。
【0050】〈実施例4〉アンカーコート層2としてア
ンカーコート液5を用いた以外は実施例1と同様にして
バリア性積層フィルムを作製し、実施例4のバリア性積
層フィルムとした。
【0051】〈実施例5〉アンカーコート層2としてア
ンカーコート液6を用いた以外は実施例1と同様にして
バリア性積層フィルムを作製し、実施例5のバリア性積
層フィルムとした。
【0052】〈実施例6〉アンカーコート層2としてア
ンカーコート液7を用いた以外は実施例1と同様にして
バリア性積層フィルムを作製し、実施例6のバリア性積
層フィルムとした。
【0053】〈実施例7〉アンカーコート層2としてア
ンカーコート液8を用いた以外は実施例1と同様にして
バリア性積層フィルムを作製し、実施例7のバリア性積
層フィルムとした。
【0054】〈実施例8〉アンカーコート層2としてア
ンカーコート液9を用いた以外は実施例1と同様にして
バリア性積層フィルムを作製し、実施例8のバリア性積
層フィルムとした。
【0055】〈比較例1〉アンカーコート層を除いた以
外は実施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを作製
し、比較例1のバリア性積層フィルムとした。
【0056】〈比較例2〉アンカーコート層2としてア
ンカーコート液4を用いた以外は実施例1と同様にして
バリア性積層フィルムを作製し、比較例2のバリア性積
層フィルムとした。
【0057】〈比較例3〉ガスバリア性被膜層を形成さ
せるガスバリア性被膜液として複合液Bを用いた以外は
実施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを作製し、
比較例3のバリア性積層フィルムとした。
【0058】〈評価〉実施例8種類、比較例3種類、合
計11種類の各バリア性積層フィルムについて、(1)
ガスバリア性被膜形成状態、(2)ガスバリア性被膜外
観状態、(3)酸素透過率(cc/m2 ・day・at
m)、(4)テープ密着性の4点を下記する評価方法に
より評価した。その結果を表1に示す。
【0059】(1)ガスバリア性被膜形成状態 ガスバリア性被膜の塗布から乾燥ユニットに進入するま
での時間を5秒間とり、乾燥前の液状塗膜を観察した。 《評価結果》 1:全面に液状塗膜が動き、水玉状に凝集してはじく。 2:部分的に液状塗膜が動き、塗膜ムラやピンホールが
発生する。 3:完全に塗膜形成する。
【0060】(2)ガスバリア性被膜外観状態 ガスバリア性被膜乾燥後の被膜の状態を目視により観察
した。 《評価結果》 1:全面にクラックがはっきりと無数にはいっている。 2:部分的にクラックが薄く入っている。 3:目視ではクラックが観測できない。
【0061】(3)酸素透過度 酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 OXT
RAN−10/50A)を用いて、30°C、70%R
H中の雰囲気下で測定した。
【0062】(4)テープ密着性 各バリア性積層フィルムのコーティング面にセロテープ
(登録商標)を貼り、その後剥がし、各層が剥がれない
かどうか目視で観察した。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、M2
0・nSiO2 (Mはリチウムまたはリチウムを含む複
数のアルカリ金属、nはモル比で1〜20の範囲内)で
あるアルカリ金属シリケートを主成分とするガスバリア
性被膜をプラスチックフィルムに塗布するにあたり、シ
リカゾルを主成分とする厚さが0.1μm以下であるア
ンカーコート層を形成することで、包装材料として実用
性のあるガスバリア性フィルム積層体の作成が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリア性積層フィルムの一実施例を示
す断面説明図である。
【符号の説明】
1‥‥ガスバリア性被膜層 2‥‥アンカーコート層 3‥‥基材
フロントページの続き (72)発明者 松尾 龍吉 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 4F006 AA12 AA15 AA22 AA35 AA36 AA38 AA39 AB39 AB76 BA05 CA07 DA04 EA01 4F100 AA17C AA20B AA20C AA33C AK01A AK07 BA03 BA10A BA10C EH46 EJ65B EJ67B GB23 GB41 GB66 JB07B JB09C JD02C JD03 JK06 JL01 JM01B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック材料からなる基材の片面もし
    くは両面に、シリカゾルを主成分とするアンカーコート
    層と、M2 O・nSiO2 (Mはリチウムまたはリチウ
    ムを含む複数のアルカリ金属、nはモル比で1〜20の
    範囲内)で表されるアルカリ金属ポリシリケートを主成
    分とするガスバリア性被膜層を順次積層することを特徴
    とするバリア性積層フィルム。
  2. 【請求項2】前記シリカゾルが、有機溶剤変性コロイダ
    ルシリカであることを特徴とする請求項1記載のバリア
    性積層フィルム。
  3. 【請求項3】前記シリカゾルが、シランカップリング剤
    およびその加水分解物であることを特徴とする請求項1
    記載のバリア性積層フィルム。
  4. 【請求項4】前記ガスバリア性被膜層が、水溶性高分子
    または/および窒素化合物を含むことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のバリア性積層フィル
    ム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006315364A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Univ Nagoya 複合フィルムおよびその製造方法
JP2009526088A (ja) * 2005-10-28 2009-07-16 サン・ケミカル・コーポレーション 高い耐熱性を有するガスバリヤコーティング

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JP2006315364A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Univ Nagoya 複合フィルムおよびその製造方法
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