JP2002307599A - ガスバリアフィルム積層体 - Google Patents

ガスバリアフィルム積層体

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JP2002307599A
JP2002307599A JP2001116544A JP2001116544A JP2002307599A JP 2002307599 A JP2002307599 A JP 2002307599A JP 2001116544 A JP2001116544 A JP 2001116544A JP 2001116544 A JP2001116544 A JP 2001116544A JP 2002307599 A JP2002307599 A JP 2002307599A
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barrier film
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lithium
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Riri Kitahara
吏里 北原
Kenji Hayashi
建二 林
Noboru Sasaki
昇 佐々木
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、優れたガスバリア性を有し、包装材
料として使用しても内容物が透視可能で、かつ金属探知
器が使用でき、また温湿度依存性や環境負荷の少ない、
可撓性や加工適性にも優れた安価なガスバリアフィルム
積層体を提供することを目的とする。 【解決手段】プラスチック材料からなる基材の片面もし
くは両面に、M2O・nSiO2(但し、Mはリチウムま
たはリチウムを含む複数のアルカリ金属、nはモル比で
1〜20の範囲を満たす数値)であるアルカリ金属ポリ
シリケートを主成分とするガスバリア性被膜層の単位面
積あたりの蛍光X線(Kα線)強度がSi元素において
2kcps以上、10kcps以下であることを特徴と
するガスバリアフィルム積層体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、医薬品や電
子部材等の非食品等の包装分野に用いられるガスバリア
フィルム積層体に関し、特に高いガスバリア性を持つこ
とで、大気中の酸素や水蒸気を遮断し、内容物の劣化・
変質を抑制するガスバリアフィルム積層体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、食品や非食品等の包装に用いられ
る包装材料は、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性
質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸
気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止す
る必要があり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリ
ア性を備えることが求められている。
【0003】そのため、従来、ガスバリア層としては、
アルミ等の金属からなる金属箔やそれらの蒸着フィル
ム、ポリビニルアルコールとエチレンビニル共重合体、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フ
ィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングしたプラ
スチックフィルム、更に酸化珪素や酸化アルミニウム等
の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィルム等が主
に用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属箔
や金属蒸着フィルムは、ガスバリア性に優れるが包装材
料を透視して内容物が確認できないこと、検査の際に金
属探知器が使用できないこと、使用後の廃棄の際は不燃
物として処理しなければならないこと等の問題がある。
また、ガスバリア性樹脂フィルムやそれらをコーティン
グしたフィルムは、温湿度依存性が大きく、高度なガス
バリア性を維持できない。更に、塩化ビニリデンやポリ
アクリロニトリル等は廃棄・焼却の際に、有害物質の原
料となりうる可能性があるなどの問題がある。また、セ
ラミック蒸着フィルム等は、蒸着層がセラミックの故に
可撓性に欠け加工適性に十分注意しなければならないこ
とや加工機が高額なためコスト高になる等の問題があ
る。つまり、現在、主として用いられているガスバリア
材は、一長一短があり各種問題を抱えている。
【0005】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、優れたガスバリア性を有
し、包装材料として使用しても内容物が透視可能で、か
つ金属探知器が使用でき、また温湿度依存性や環境負荷
の少ない、可撓性や加工適性にも優れた安価なガスバリ
アフィルム積層体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに請求項1に係る発明は、プラスチック材料からなる
基材の片面もしくは両面に、M2O・nSiO2(但し、
Mはリチウムまたはリチウムを含む複数のアルカリ金
属、nはモル比で1〜20の範囲を満たす数値)である
アルカリ金属ポリシリケートを主成分とするガスバリア
性被膜層の単位面積あたりの蛍光X線(Kα線)強度が
Si元素において2kcps以上、10kcps以下で
あることを特徴とするガスバリアフィルム積層体であ
る。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1記載のガ
スバリアフィルム積層体において、前記ガスバリア性被
膜層内に、窒素化合物、水溶性高分子化合物、有機ケイ
素化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物が
導入されていることを特徴とする。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項2記載のガ
スバリアフィルム積層体において、前記窒素化合物がア
ミノ基含有シランカップリング剤を含むアミン類である
ことを特徴とする。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項2記載のガ
スバリアフィルム積層体において、前記水溶性高分子化
合物が、糖類、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイ
ミンまたはそれらの誘導体から選ばれる化合物であるこ
とを特徴とする。
【0010】〈作用〉プラスチック材料からなる基材の
片面もしくは両面に、M2O・nSiO2(Mはリチウム
またはリチウムを含む複数のアルカリ金属、nはモル比
で1〜20の範囲を満たす数値)であるアルカリ金属ポ
リシリケートを主成分とする被膜層を積層した積層体は
ガスバリア性フィルム積層体である。このガスバリア性
フィルム積層の単位面積当たりに含まれるSiOの含有
量によりそのガスバリア性能は大きく異なる。これは、
膜厚と可撓性に由来する。そこで、単位面積あたりのS
i含有量を簡単に、そして素早く測定する事の出来る蛍
光X線分析機を用いることにより、蛍光X線のSi元素
の強度が、2kcps以上であれば非常によいガスバリ
ア性を示す。また、Siスペクトルの強度が、10kc
ps以下であれば、可撓性に優れ、加工適性が向上す
る。さらに、窒素化合物、水溶性高分子化合物、有機ケ
イ素化合物から選ばれるいずれか少なくとも1種類以上
の化合物がガスバリア性被膜層内に導入されていれば被
膜形成性、濡れ性、吸湿防止性などを付与することがで
き、実用性の高い包装材を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について詳細に説明する。本発明のガスバリアフィルム
積層体は、プラスチック材料からなる基材の片面もしく
は両面に、M2O・nSiO2(但し、Mはリチウムまた
はリチウムを含む複数のアルカリ金属、nはモル比で1
〜20の範囲を満たす数値)であるアルカリ金属ポリシ
リケートを主成分とするガスバリア性被膜層の単位面積
あたりの蛍光X線(Kα線)強度がSi元素において2
kcps以上、10kcps以下であることを特徴とす
るものである。図1は、本発明のガスバリアフィルム積
層体の一例を示した断面図である。図1に示すように、
プラスチック材料からなる基材1の片面に、アンカーコ
ート層2、ガスバリア性被膜層3、オーバーコート層4
を順次積層したガスバリアフィルム積層体の例を示した
ものである。
【0012】まず、本発明で用いられる基材1は、プラ
スチック材料からなり、好ましくは透明であることであ
る。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステ
ルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオ
レフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、66−ナイ
ロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィル
ム等のエンプラフィルム等が用いられ、延伸、未延伸の
どちらでも良く、また機械強度や寸法安定性を有するも
のが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。
特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィル
ムが好ましく用いられ、更に包装材料に使用する場合、
価格面、防湿性、充填適正、風合、廃棄性を考慮すると
二軸延伸ポリプロピレンフィルムがより好ましい。
【0013】また、この基材の表面に、周知の種々の添
加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化
防止剤などが使用されていても良く、各種膜との密着性
を良くするために、前処理としてコロナ処理、プラズマ
処理、オゾン処理などを施しておいても良く、更に薬品
処理、溶剤処理を施しても良い。
【0014】基材の厚さは特に制限を受けるものでない
が、包装材料としての適性や、他の層を積層する場合も
あり、アンカーコート層2、ガスバリア性被膜層3およ
びオーバーコート層4を形成する場合の加工性を考慮す
ると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によっ
て6〜30μmとすることがより好ましい。
【0015】ガスバリア性被膜層をプラスチック基材の
上に形成するために、プラスチック基材の上にアンカー
コート層2を設けてもよい。アンカーコート層は、プラ
スチック基材の濡れ性を向上し、均一にガスバリア性被
膜層をコーティングすることができ、基材との密着性が
向上し、可撓性を保持する働きがある。ガスバリア性被
膜層がアルカリ金属ポリシリケートであるためアンカー
コート層は耐アルカリ性にも優れた、ウレタン結合、ウ
レア結合を含んでいるものが望ましい。イソシアネート
化合物やイソシアネート化合物とアクリル樹脂との混合
物などがこれらの性能を持つため、ガスバリア性被膜層
のガスバリア性能を充分に発現させることができる。
【0016】次いで、本発明のガスバリア性被膜層3に
ついて説明する。ガスバリア性被膜層は、高度なガスバ
リア性を付与し、温度依存性や湿度劣化を抑制すること
を目的とする。ガスバリア性被膜層としては、アルカリ
金属ポリシリケートを主成分としている必要があり、ア
ルカリ金属シリケートが、M2O・nSiO2(Mはリチ
ウムまたはリチウムを含む複数のアルカリ金属、nはモ
ル比で1〜20の範囲を満たす数値)である必要があ
る。
【0017】上記のガスバリア性を有するアルカリ金属
ポリシリケートの必須成分であるリチウムポリシリケー
トはLi2O・nSiO2(nはモル比)で表され、その
溶液は水を溶媒とした一般に水ガラスと呼ばれるアルカ
リシリケート水溶液である。リチウム以外で1A族に属
するアルカリ金属として、工業的には比較的安価なナト
リウムやカリウムなどが一般的に多く使用されるが、リ
チウムを含まない単独または複数のアルカリ金属で構成
されるアルカリシリケート水溶液の乾燥被膜では、高温
高湿下で安定した高度なガスバリア機能は得らず、例え
ば、ナトリウム系ではガスバリア発現せず、カリウム系
ではガスバリア発現するものの湿度依存性があるため高
湿下で低下してしまう。
【0018】リチウムポリシリケートがガスバリア性材
料、特に酸素バリア性を向上させる材料として有用であ
ることは以前より知られている。しかし、リチウムポリ
シリケート単体でプラスチックフィルム上に被膜を形成
すると、Li2O・nSiO2で表されるモル比がn≦5
の範囲内でないと被膜の形成ができず、またn≦5の範
囲で形成されたリチウムポリシリケート被膜も成膜時の
乾燥による急激な収縮と被膜自体が柔軟性に欠けるた
め、低温で長時間ゆっくりと乾燥させなければ柔軟なプ
ラスチック基材に追従できずに、クラック(ひび割れ)
などのダメージが生じて酸素バリア性が低下してしま
う。
【0019】この成膜性、柔軟性、濡れ性を付与するた
めにリチウムポリシリケートに窒素化合物および水溶性
高分子化合物、有機ケイ素化合物から選ばれる少なくと
も1種類以上の化合物が導入されていることが好まし
い。窒素化合物として、アンモニア、ハロゲン化アミ
ン、金属アミド、金属イミン、アンモニウム塩類、硝酸
塩などの無機塩類、シアン化合物等が挙げられるが、安
定性、安全性、環境性、価格、アルカリシリケート水溶
液との相溶性等を考えると水溶性の高いアミン類が好ま
しい。ポリアミン、ポリエチレンイミン、アミノエチル
化樹脂などのエチレンイミン系ポリマーやアミン含有シ
ランカップリング剤などである。特に、アミン含有シラ
ンカップリング剤はアミノ基の他にアルコキシシリル基
をもつため、アルカリシリケートともなじみが良く、吸
湿安定性などを考慮すると特に優れている。アミン化合
物はリチウムシリケートに添加することにより成膜性、
柔軟性の他に、分散性、液安定性、高温高湿化での吸湿
劣化での吸湿劣化を大胆に改善することが出来る。
【0020】水溶性高分子としては、分子量が1000
〜400000までの糖類、ポリビニルアルコールまた
はこれらの誘導体などを指す。上記ポリビニルアルコー
ルとは主原料である酢酸ビニルを重合、鹸化を行って得
られるものであり、本発明で用いるポリビニルアルコー
ルとしてはガスバリア性被膜の成膜性、柔軟性、相溶
性、耐湿性を考慮し、重合度300〜30000、ケン
化度95mol%以上のものがより好ましい。また、ポ
リビニルアルコール誘導体には、水酸基以外に共重合変
性することでアルコキシシリル基等を10mol%以下
で導入された変性ポリビニルアルコールなどが含まれる
が、リチウムポリシリケートの相溶性、吸湿劣化防止か
ら、アルコキシシリル基が導入されたものがより好まし
い。
【0021】アルカリ金属ポリシリケートと有機ケイ素
化合物および窒素化合物、水溶性高分子の重合方法につ
いては周知の方法が使用でき特に限定しない。また、配
合比はガスバリア性や被膜強度、耐水性などから、アル
カリ金属ポリシリケート中のSiO2(シリカ成分)重
量比率が固形分全体の40%以上であることが好まし
い。SiO2(シリカ成分)が40%未満であると、リ
チウムポリシリケートが本来持つガスバリア性が発現し
ない。
【0022】ここで、蛍光X線分析機とは、X線管から
出る一次X線を試料に照射し、この試料から出る2次X
線を分光することによってSi元素からの蛍光X線(K
α線)だけを取り出し定量分析することができる分析機
である。この蛍光X線の標準サンプル(PETにSiO
蒸着したもの)として、膜厚が25nm、45nm、1
65nmのシリカ蒸着フィルムを順に、1.3kcp
s、2.2kcps、7.2kcpsとして検量線に基
づいて、ガスバリア性被膜層の単位面積あたりの蛍光X
線(Kα線)強度を求めた。蛍光X線分析機による分析
は後加工を行う前の、最上層に該ガスバリア性被膜層が
コーティングしてある状態が望ましい。後加工により、
ラミネートを行ってしまうとシーラント層が厚いために
該ガスバリア性被膜層までX線が届かないため膜厚分析
は不可能である。
【0023】ガスバリア性被膜層は単位面積当たりのS
iO含有量によってそのガスバリア性能に大きな差が生
じる。ガスバリア性被膜は膜が均一に塗布され、乾燥時
にも負荷がかからず平坦で均一な形状であれば膜厚とバ
リア性能はほとんど比例しない。しかし、本願発明の実
用性の高いフィルム包材の形状を考えた場合、基材の凹
凸、乾燥条件から、膜の均一化は膜厚に由来することに
なる。すなわち、膜厚が厚いほどガスバリア性能は高く
なる。ガスバリア性被膜層の主成分はアルカリ金属ポリ
シリケートであり、またガスバリア性を発揮するのはS
iO含有量であるため、蛍光X線における単位面積当た
りのSi元素スペクトルの強度は膜厚およびバリア性能
と良く一致する。つまり、均一なガスバリア性被膜層を
形成する単位面積あたりの蛍光X線強度はSi元素にお
いて2kcps以上である必要がある。
【0024】また、ガスバリア性被膜層は膜厚が厚すぎ
ると可撓性がなくなり歪みやクラックが入りやすくな
る。このため、加工時における適性が著しく下がり実用
的ではない。そこで、ガスバリア性被膜の単位面積あた
りの蛍光X線強度がSi元素において10kcps以下
である必要もある。
【0025】ガスバリア性能を管理するには、前述のよ
うに膜厚を正確に管理する必要がある。しかし、透過型
顕微鏡によるフィルム断面の観察による膜厚の測定は時
間、手間、コストが大幅にかかるため実用的ではない。
蛍光X線のSiスペクトル強度測定ならば条件に左右さ
れることも少なく、簡便に素早く膜厚を測定することが
出来るので、膜厚の管理に非常に適している。
【0026】ガスバリア性被膜層の上にオーバーコート
層4を設けても良い。オーバーコート層を設けること
で、ラミネートや印刷の時に生じる熱やこすれ、引っ張
りによるダメージ(クラック)の発現を、オーバーコー
ト層がクッション代わりになることにより防ぎ、また耐
湿性を向上させる。ガスバリア性被膜層がアルカリ金属
ポリシリケートであるためオーバーコート層は耐アルカ
リ性にも優れた、ウレタン結合、ウレア結合を含んでい
るものが望ましい。イソシアネート化合物やイソシアネ
ート化合物とアクリル樹脂との混合物などがこれらに当
てはまる。
【0027】アンカーコート層およびオーバーコート層
の厚みは、厚さが0.001μm以下では密着性や被膜
形成性が得られず、1μm以上では不経済であるため好
ましくない。一般的には0.1μm〜1μmの範囲が実
用的で好ましい。
【0028】ガスバリア性被膜層は、アンカーコート層
およびオーバーコート層を設ける場合の被膜形成方法と
しては、通常のコーティング方法を用いることができ
る。例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコ
ート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコー
ト、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、
グラビアオフセット法等を用いることができる。これら
の塗工方式を用いて基材1の片面もしくは両面に塗布す
る。この場合、密着層2とガスバリア性被膜層3を別々
に設けても構わないし、多色のグラビア印刷機等を用い
て両層を同時に設けても構わない。コストの面を考慮す
ること、同時に形成した方がより好ましい。乾燥方法
は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射など、特に限
定しない。
【0029】プラスチック基材に順次積層されたガスバ
リア性フィルム積層体の積層面もしくはその反対面に包
装材料として実用的な積層構成を設けることが出来る。
例えば、印刷層や熱可塑性樹脂などのヒートシール層で
ある。
【0030】また、ヒートシール層は、袋状包装体など
を形成する際の接着部に利用されるものであり、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチ
レン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アク
リル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。厚さ
は目的に応じて決められるが、一般的には15〜200
μmの範囲である。
【0031】ヒートシール層の形成方法としては、上述
樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン系
接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、無溶
剤接着剤を用いて貼り合わせるノンソルベントドライラ
ミネート法、上述した樹脂を加熱溶融させカーテン状に
押し出し貼り合わせるエキストルージョンラミネート法
等いずれも公知の積層方法により形成することができ
る。
【0032】
【実施例】本発明のガスバリア性積層体を具体的な実施
例を挙げて更に説明する。本発明の実施例で用いるアン
カーコート液およびガスバリア性被膜液の調整方法を下
記に示した。
【0033】〈アンカーコート液の調整〉アクリルポリ
オール(分子量100,000、ガラス転移点100
℃)を酢酸エチルで希釈後、TDI(トリレンジイソシ
アネート)系のイソシアネート化合物(日本ポリウレタ
ン工業(株)製“コロネートL”)を固形分重量比で7
0/30部、全固形分が5w%になるように調整し、ア
ンカーコート液を得た。
【0034】〈ガスバリア性被膜液の調整〉リチウムシ
リケート水溶液( Li2O・nSiO2、モル比n=約
5)の固形分調整した水溶液に、窒素化合物としてシラ
ンカップリング剤(チッソ(株)製『サイラエースS3
20』、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピル
トリメトキシシラン)を溶解した水溶液をSiO2/有
機ケイ素化合物=4/1重量比になるように加えて攪
拌、水溶性高分子としてシラン変性ポリビニルアルコー
ル((株)クラレ製『R−2105』、ケン化度約9
8.5mol%)を溶解した水溶液を加えて攪拌し、ガ
スバリア性被膜液を得た。
【0035】〈実施例1〉基材として、厚さ20μmの
2軸延伸ポリプロピレンフィルム(サントックス(株)
製“PF20”)のコロナ放電処理面にグラビアコーテ
ィング機を用いて、ラインスピード100m/min
で、アンカーコート液を厚みが0.1μm、ガスバリア
性被膜液を厚みが約0.1μmになるように塗布し、本
発明のガスバリアフィルム積層体を得た。
【0036】〈実施例2〉実施例1においてガスバリア
性被膜液を厚みが約0.15μmになるように塗布した
以外は同様に本発明のガスバリアフィルム積層体を得
た。
【0037】〈実施例3〉実施例1においてガスバリア
性被膜液を厚みが約0.2μmになるように塗布した以
外は同様に本発明のガスバリアフィルム積層体を得た。
【0038】〈実施例4〉実施例1においてガスバリア
性被膜液を厚みが約0.25μmになるように塗布した
以外は同様に本発明のガスバリアフィルム積層体を得
た。
【0039】〈実施例5〉実施例1においてガスバリア
性被膜液を厚みが約0.3μmになるように塗布した以
外は同様に本発明のガスバリアフィルム積層体を得た。
【0040】〈比較例1〉実施例1においてガスバリア
性被膜液を厚みが約0.4μmになるように塗布した以
外は同様に本発明のガスバリアフィルム積層体を得た。
【0041】〈比較例2〉実施例1においてガスバリア
性被膜液を厚みが約0.03μmになるように塗布した
以外は同様にガスバリアフィルム積層体を得た。
【0042】〈比較例3〉実施例1においてガスバリア
性被膜液を厚みが約0.8μmになるように塗布した以
外は同様にガスバリアフィルム積層体を得た。
【0043】〈評価〉実施例および比較例で得られたガ
スバリアフィルム積層体について、(1)膜厚(μm)
を測定し、(2)蛍光X線によるSi強度(kcps)
を測定、(3)酸素透過率(cm3/m2・day・at
m)を測定した。
【0044】(1)膜厚測定 透過電子顕微鏡により断面の膜厚を測定した。
【0045】(2)蛍光X線によるSi強度(kcp
s)測定 蛍光X線分析装置((株)リガク製、3270)を用い
て、標準サンプルである膜厚が25nm、45nm、1
65nmのシリカ蒸着フィルムのSiの蛍光X線(Kα
線)スペクトル強度を測定し、これを1.3kcps、
2.2kcps、7.2kcpsとして検量線を引い
た。その検量線を元にサンプルのSi強度を測定後、評
価した。
【0046】(3)酸素透過度 酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 OXT
RAN−10/50A)を用いて、30℃相対湿度90
%中の雰囲気下で測定した。
【0047】上記の評価方法に基づいて評価した結果を
表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】図1は、表1に基づいて膜厚と蛍光X線の
Si強度の関係を示したグラフである。図1から、膜厚
と蛍光X線のSi強度が非常によい比例関係であること
がわかる。また、図2は、表1に基づいて酸素透過率と
蛍光X線のSi強度の関係を示したグラフである。酸素
透過率と蛍光X線のSi強度は2次関数に近いグラフを
形成し、実施例で得られたガスバリアフィルム積層体の
蛍光X線のSi強度が2〜10kcpsの範囲では低い
酸素透過率を示すのに対し、比較例で得られたガスバリ
アフィルム積層体の蛍光X線のSi強度が1.21kc
ps、23.46kcpsでは酸素透過率は高くバリア
性は悪い。
【0050】
【発明の効果】以上述べた様に本発明によれば、アルカ
リ金属ポリシリケートを主成分とするガスバリアフィル
ム積層体は単位面積あたりのSi含有量を簡単に、そし
て素早く測定する事の出来る、蛍光X線分析機による測
定で、Siスペクトルの強度が2kcps以上、10k
cps以下とすることで、可撓性や加工適性に優れた、
高いガスバリア性能をもつ温湿度依存性や環境負荷の少
ない、実用性の高い,安価なガスバリアフィルム積層体
が得られる。本発明のガスバリアフィルム積層体は、食
品や、医薬品や電子部材等の非食品等の包装材料として
好適に用いられ、内容物が透視可能で、かつ金属探知器
が使用でき、また大気中の酸素や水蒸気を遮断し、内容
物の劣化・変質を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリアフィルム積層体の一例を示
した断面図である。
【図2】本発明のガスバリアフィルム積層体の膜厚と蛍
光X線のSi強度の関係を示したグラフである。
【図3】本発明のガスバリアフィルム積層体の酸素透過
率と蛍光X線のSi強度の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1・・・基材 2・・・アンカーコート層 3・・・ガスバリア層 4・・・オーバーコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 179/02 C09D 179/02 201/02 201/02 201/10 201/10 // C08L 23:12 C08L 23:12 Fターム(参考) 4F006 AA12 AB03 AB20 AB32 AB67 AB76 4F100 AA03B AA33B AH02B AH06B AJ03B AK01A AK01B AK07A AK21B AK31B BA02 EJ55A EJ65A GB15 GB23 GB66 JB09B JD02 JD02B JK17 JL01 JN01 YY00B 4J038 AA011 AA012 BA011 BA012 CE021 CE022 DJ011 DJ012 DL081 DL082 HA451 HA452 NA08 NA12 PA14 PB04 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック材料からなる基材の片面もし
    くは両面に、M2O・nSiO2(但し、Mはリチウムま
    たはリチウムを含む複数のアルカリ金属、nはモル比で
    1〜20の範囲を満たす数値)であるアルカリ金属ポリ
    シリケートを主成分とするガスバリア性被膜層の単位面
    積あたりの蛍光X線(Kα線)強度がSi元素において
    2kcps以上、10kcps以下であることを特徴と
    するガスバリアフィルム積層体。
  2. 【請求項2】前記ガスバリア性被膜層内に、窒素化合
    物、水溶性高分子化合物、有機ケイ素化合物から選ばれ
    る少なくとも1種類以上の化合物が導入されていること
    を特徴とする請求項1記載のガスバリアフィルム積層
    体。
  3. 【請求項3】前記窒素化合物が、アミノ基含有シランカ
    ップリング剤を含むアミン類であることを特徴とする請
    求項2記載のガスバリアフィルム積層体。
  4. 【請求項4】前記水溶性高分子化合物が、糖類、ポリビ
    ニルアルコール、ポリエチレンイミンまたはそれらの誘
    導体から選ばれるいずれかの化合物であることを特徴と
    する請求項2記載のガスバリアフィルム積層体。
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