JP2000103993A - ガスバリア性被膜形成用組成物およびフィルム - Google Patents

ガスバリア性被膜形成用組成物およびフィルム

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gas barrier
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Kinichi Toda
欽一 戸田
Akira Nomoto
晃 野本
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Tohcello Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れたガスバリア性と透明性を有し、なおかつ
摩擦や引っ張りによってもガスバリア性の低下が少な
い、食品、医薬品等の包装用として好適に使用できるガ
スバリア性フィルムを提供する。 【構成】分子内にアミノ基または水酸基を含む水溶性重
合体と水ガラス、さらにシランカップリング剤を含む水
性溶液からなることを特徴とするガスバリア性被膜形成
用組成物、および当該組成物を基材フィルムの少なくと
も片面に被覆した透明なガスバリア性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性被膜
形成用組成物および該組成物を被覆することにより優れ
たガスバリア性を有する、透明なガスバリア性フィルム
に関するものである。さらに詳しくは、透明性を有し、
食品、医薬品等の包装用フィルムとして必要なガスバリ
ア性を有したフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品、医薬品等の包装用として用
いられる包装用フィルムは、内容物の視認性や美観など
から高い透明性が必要とされると共に、内容物の酸化な
どを防止するため、ガスバリア性が必要とされる。
【0003】透明ガスバリア性フィルムとしては、二軸
延伸ポリエステルや二軸延伸ポリプロピレンのようなプ
ラスチックフィルムの表面に、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重
合体などのガスバリア性に優れた樹脂をコーティングあ
るいはラミネートしたフィルムが知られている。しか
し、このようなガスバリア性樹脂を積層したフィルム
は、水蒸気、酸素などに対するガスバリア性が未だ十分
ではなく、高温でのガスバリア性が著しく低下する。ま
たポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール
共重合体などは、低湿度でのガスバリア性は良好である
が、高湿度では十分ではない。
【0004】基材フィルムに無機質の薄膜を形成したフ
ィルムには、例えば酸化珪素(特開昭49−41469
号公報)あるいは酸化アルミニウム(特開昭62−10
1428号公報)を蒸着したものが知られている。しか
し、このような透明無機蒸着フィルムは、摩擦や折り曲
げにより容易に傷やピンホールが発生し、ガスバリア性
が低下する。
【0005】従来、水ガラスとして知られている水溶性
アルカリ珪酸塩は、乾燥すると造膜性に優れたガラス質
コーティング膜を形成することから安価な無機質塗料な
どに用いられてきた。しかしプラスチックフィルムへの
コーティング材料として用いる場合、硬いガラス質のた
め摩擦や引っ張りによるクラックが発生しバリア性が低
下する。また水溶性のガラス膜であるため、水や湿気に
対する抵抗性がないなどの問題があった。これらの問題
を解決するため、特開平8−238711号公報には水
ガラスにシランカップリング剤を加えるなどの検討がな
されている。しかしこれらの方法はクラッキングおよび
ガスバリア性という点から、まだ十分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、摩擦や引っ張りに対してもクラックの発生が少な
く、なおかつ優れたガスバリア性を有した包装用フィル
ムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、鋭意検討した結果、分子内にアミノ基
または水酸基を含む水溶性重合体と水ガラス、さらにシ
ランカップリング剤を含む水性溶液からなることを特徴
とするガスバリア性被膜形成用組成物を、基材フィルム
の少なくとも片面に被覆することにより、摩擦や引っ張
りによるガスバリア性低下が少なく、かつ透明なガスバ
リア性フィルムを得られることを見いだした。
【0008】本発明は、次の構成、すなわち、分子内に
アミノ基または水酸基を含む水溶性重合体(A)と水ガ
ラス(B)、さらにシランカップリング剤(C)を含む
水性溶液からなることを特徴とするガスバリア性被膜形
成用組成物、およびそれらガスバリア性被膜形成用組成
物を、基材フィルムの少なくとも片面に被覆したガスバ
リア性フィルムに関する。アミノ基を含む水溶性重合体
として、好ましくはポリアミン、水酸基を含む水溶性重
合体として、好ましくはポリビニルアルコール系重合体
を用い、水ガラスとして、珪酸リチウムを用いることが
好ましい。これらのガスバリア性被膜形成用組成物をフ
ィルム等に被覆することにより、摩擦や引っ張りでもガ
スバリア性の低下が少ない透明なガスバリア性フィルム
を得ることができた。
【0009】水溶性重合体は、分子内にアミノ基または
水酸基をもち、水に可溶の重合体であれば特に制限され
ず、例えばアミノ基を含有する重合体としては、ポリア
ミン(ポリエチレンイミンなど)、ポリアミド(ナイロ
ン−6、ナイロン−66など)、ポリウレタン、ペプチ
ド結合を有するもの(タンパク質等のアミノ酸重合体)
などが挙げられる。好ましくは、ポリアミン、ポリアミ
ド、ポリウレタンが挙げられるが、最も好ましくは、ポ
リアミンであり、その中でもポリエチレンイミンがより
好ましい。
【0010】水酸基を含有する重合体としては、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体などが
挙げられるが、好ましくはポリビニルアルコール、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体であり、中でもポリビ
ニルアルコールが最も好ましい。
【0011】上記の水溶性重合体は、単独で使用しても
よく或いは2種以上の水溶性重合体を併用することも可
能である。
【0012】水ガラスとしては、酸化珪素とアルカリ酸
化物とからなる種々のモル比の複合組成物を使用するこ
とができ、アルカリの種類としてはナトリウム、カリウ
ム、リチウム、アンモニウム等が挙げられる。水ガラス
の具体例としては、珪酸ソーダ、珪酸カリウム、珪酸リ
チウム、珪酸アンモニウム等が例示されるが、中でも珪
酸リチウムが好ましい。これらの珪酸アルカリは単独で
使用してもよく、或いは2種類以上を併用することも可
能である。また酸化珪素とアルカリ酸化物または水酸化
物の混合物でもよい。
【0013】本発明で用いられるシランカップリング剤
としては、アルコキシシラン類の使用が好ましく、例え
ばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β
−(アミノメチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ランなどが挙げられる。これらの中では、重合体成形品
との密着性と耐久性に優れた薄膜を形成するために、好
ましくは、エポキシ基またはアミノ基を有するシランカ
ップリング剤、より好ましくはγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランまたはγ−アミノプロピルトリエ
トキシシランである。
【0014】本発明のガスバリア性被膜形成用組成物
は、分子中にアミノ基または水酸基を含む前記水溶性重
合体(A)と水ガラス(B)およびシランカップリング
剤(C)を含む水性溶液からなるものであり、これらを
適当な比率で含有させることによって得ることができ
る。上記水溶性重合体(A)と水ガラス(B)の好まし
い配合率は、水溶性重合体(A)/水ガラス(SiO2
+M2O M:アルカリ金属)(B)の重量比(A)/
(B)が0.01〜10、より好ましくは0.01〜
4、最も好ましくは0.01〜2である。重量比が上記
範囲であると、可とう性とガスバリア性がよく、クラッ
クも発生しにくい。
【0015】水ガラスとシランカップリング剤の使用比
率は、水ガラス(B)/シランカップリング剤(C)の
重量比(B)/(C)が0.1〜500、より好ましく
は、0.5〜200、最も好ましくは0.5〜100で
ある。重量比が上記範囲であると、可とう性とガスバリ
ア性がよく、クラックも発生しにくい。
【0016】また前記水溶性重合体(A)と水ガラス
(B)さらにシランカップリング剤(C)を含む水性溶
液の好ましい濃度は0.01〜50重量%であり、より
好ましくは0.1〜30重量%である。水性溶液の濃度
が上記範囲であれば、厚みは十分なためガスバリア性が
よく、また被膜が厚すぎることによるクラックは発生し
にくい。
【0017】本発明のガスバリア性被膜形成用組成物の
中には、上記水溶性重合体(A)と水ガラス(B)およ
びシランカップリング剤(C)の他に本発明の特徴を阻
害しない範囲で濡れ性向上剤、帯電防止剤、その他各種
添加剤を加えることが可能である。
【0018】本発明においては、水以外の溶媒、例えば
メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
或いはその他ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等
を必要に応じて、1種または2種以上を組み合わせて加
えることも可能である。
【0019】かくして得られるガスバリア性被膜形成用
組成物は、フィルム状、シート状、ボトル状等の樹脂成
形体の片面もしくは両面に塗布することにより、ガスバ
リア性被膜を形成する。コーティング方法としては、特
に制限されず、グラビアコート法、リバースコート法、
ロールコート法、バーコート法、スプレーコート法、エ
アナイフコート法などの慣用の方法を採用でき、これら
を適当に組み合わせて実施することも可能である。
【0020】ガスバリア性被膜の厚みは、フィルムの特
性を損なわない範囲で適宜選択されるが、好ましくは
0.02μm〜10.0μm程度であり、より好ましく
は0.02μm〜5.0μmである。
【0021】被覆基材フィルムは格別の制限はなく、シ
ート状またはフィルム状の物であって、ポリオレフィン
(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド
(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、
セロファン、ポリビニルアルコール、あるいはこれらの
共重合体など、一般にフィルム成形が可能な高分子材料
の未延伸や延伸フィルムが使用できる。またこれらのフ
ィルムに合成樹脂、バリア性材料、蒸着膜、帯電防止剤
等を被覆した複合フィルムも使用できる。基材は用途に
応じて上記材料から適宜選択される。
【0022】基材フィルムは慣用のフィルム成形法、例
えばTダイ法やインフレーション法などの溶融成形法
や、溶液を用いたキャスティング法などで成形すること
ができる。基材フィルムは、未延伸でも良く、一軸およ
び二軸延伸したものでもかまわない。延伸法としては慣
用の延伸法、例えば、テンター延伸、チューブラー延
伸、ロール延伸、圧延延伸、ベルト延伸や、これらを組
み合わせた延伸などが適用できる。
【0023】基材フィルムの厚みは特に制限されず、包
装適性、機械的強度、可とう性などを考慮して適宜選択
されるが、通常3μm〜200μm、好ましくは5μm
〜100μm程度である。
【0024】この基材フィルムに用いられる樹脂材料
に、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑材、
着色剤など公知の添加剤を、必要に応じて適宜添加され
る。
【0025】さらに基材フィルムの少なくとも片面は表
面処理またはアンカーコートされていてもよい。表面処
理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放
電処理、逆スパッタ処理、火炎処理、クロム酸処理、溶
剤処理、粗面化処理などがある。アンカーコート剤は、
種々の樹脂、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光線
硬化性樹脂やカップリング剤で構成することができる。
これらの表面改質によって、ガスバリア性被膜の密着性
を向上させることが可能である。
【0026】本発明のガスバリア性フィルムの厚みは特
に制限されず、包装適性、機械的強度、可とう性などを
考慮して適宜選択されるが、通常3μm〜250μm、
好ましくは5μm〜150μm程度である。
【0027】本発明のガスバリア性フィルムの光線透過
率は、適当に選択することができるが、包装した内容物
の視認性や美観のため、白色光線での全光線透過率が、
通常40%以上、好ましくは50%以上、より好ましく
は60%以上である。
【0028】本発明のガスバリア性フィルムのガスバリ
ア性は、内容物の酸化などによる変質を防止するために
必要な程度であればよいが、酸素透過度では0.01〜
20.0cc/m2/day、好ましくは0.01〜1
5.0cc/m2/day、より好ましくは0.01〜
10.0cc/m2/dayである。
【0029】本発明のガスバリア性フィルムは、ガスバ
リア性被膜の保護や包装フィルムに必要な印刷適性、ラ
ミネート適性などを向上させるために、必要に応じてガ
スバリア性被膜上に、ポリエステル系、ポリウレタン
系、アクリル系、ポリ酢酸ビニル系、アイオノマーなど
種々のコーティング可能な樹脂を施してもよい。
【0030】またさらにガスバリア性を向上させるた
め、ガスバリア性被膜の表面にガスバリア性材料、例え
ばポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニ
トリルなどのバリア性樹脂、アルミニウム、酸化アルミ
ニウム、酸化珪素などの無機蒸着膜などを必要に応じて
被覆することができる。
【0031】本発明のガスバリア性フィルムは、包装用
途に応じてガスバリア性フィルムの片面もしくは両面に
種々のヒートシール層を設けてもよい。ヒートシール層
は、熱接着性ポリマーの種類に応じて慣用の方法、例え
ば、ドライラミネート法、押し出しラミネート法、塗布
法などにより形成できる。
【0032】また、本発明の積層フィルムには、フィル
ムの種類、用途に応じて種々のラミネート層などが、更
に形成されても良い。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
分子内にアミノ基または水酸基を含む水溶性重合体
(A)と水ガラス(B)およびシランカップリング剤
(C)を組み合わせることにより、摩擦や引っ張りに強
く、さらに高いガスバリア性を有した被膜を形成するこ
とが可能な液状組成物を提供することができ、またこの
組成物を基材フィルムに塗布することにより、透明なガ
スバリア性フィルムを得ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例によりさら
に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何
等限定されるものではない。
【0035】
【実施例】実施例1 珪酸リチウム(本庄ケミカル製 リチウムシリケート
1:4)5%水溶液45gにエポキシシランカップリン
グ剤(信越化学工業製 KBM403)0.4g加え3
0分撹拌した後、ポリエチレンイミン5%水溶液5gを
加え、さらに濡れ向上剤として、ポリビニルアルコール
88%ケン化物1%水溶液2.0g混合し、これをガス
バリア性被膜形成用組成物とした。この組成物を12μ
mのPETフィルムにバーコート法にて塗布し、80度
で15秒乾燥した。得られたフィルムは透明であった。
【0036】実施例2 珪酸リチウム(本庄ケミカル製 リチウムシリケート
1:4)5%水溶液45gにエポキシシランカップリン
グ剤(信越化学工業製 KBM403)0.4g加え3
0分撹拌した後、ポリビニルアルコール(クラレ製 P
VA105)5%水溶液5gを加え、さらに濡れ向上剤
として、ポリビニルアルコール88%ケン化物1%水溶
液2.0g混合し、これをガスバリア性被膜形成用組成
物とした。の組成物を12μmのPETフィルムにバー
コート法にて塗布し、80度で15秒乾燥した。得られ
たフィルムは透明であった。
【0037】実施例3 珪酸リチウム(本庄ケミカル製 リチウムシリケート
1:4)5%水溶液45gにエポキシシランカップリン
グ剤(信越化学工業製 KBM403)0.4g加え3
0分撹拌した後、ポリエチレンイミン5%水溶液5gを
加え、さらに濡れ性向上剤として、ポリビニルアルコー
ル88%ケン化物1%水溶液2.0g混合し、これをガ
スバリア性被膜形成用組成物とした。この組成物をウレ
タン系アンカー剤をコートした20μmのOPPフィル
ムにバーコート法にて塗布し、70度で20秒乾燥し
た。得られたフィルムは透明であった。
【0038】比較例1 珪酸リチウム(本庄ケミカル製 リチウムシリケート
1:4)5%水溶液に45gに、濡れ向上剤として、ポ
リビニルアルコール88%ケン化物1%水溶液2.0g
混合した後、12μmのPETフィルムにバーコート法
にて塗布し、80度で15秒乾燥した。得られたフィル
ムは透明であった。
【0039】比較例2 珪酸リチウム(本庄ケミカル製 リチウムシリケート
1:4)5%水溶液45gにエポキシシランカップリン
グ剤(信越化学工業製 KBM403)0.4g加え3
0分撹拌した後、濡れ向上剤として、ポリビニルアルコ
ール88%ケン化物1%水溶液2.0g混合した後、1
2μmのPETフィルムにバーコート法にて塗布し、8
0度で15秒乾燥した。得られたフィルムは透明であっ
た。
【0040】比較例3 ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA105)5%
水溶液5gと珪酸リチウム(本庄ケミカル製 リチウム
シリケート1:4)5%水溶液45gを混合し、濡れ向
上剤として、ポリビニルアルコール88%ケン化物1%
水溶液2.0g混合した後、この組成物を12μmのP
ETフィルムにバーコート法にて塗布し、80度で15
秒乾燥した。得られたフィルムは透明であった。
【0041】比較例4 珪酸リチウム(本庄ケミカル製 リチウムシリケート
1:4)5%水溶液45gにエポキシシランカップリン
グ剤(信越化学工業製 KBM403)0.4g加え3
0分撹拌した後、さらに濡れ向上剤として、ポリビニル
アルコール88%ケン化物1%水溶液2.0g混合し、
この組成物をウレタン系アンカー剤をコートした20μ
mのOPPフィルムにバーコート法にて塗布し、70度
で20秒乾燥した。得られたフィルムは透明であった。
【0042】比較例5 ポリエチレンイミン5%水溶液に濡れ向上剤として、ポ
リビニルアルコール88%ケン化物1%水溶液2.0g
混合した後、12μmのPETフィルムにバーコート法
にて塗布し、80度で15秒乾燥した。得られたフィル
ムは透明であった。
【0043】比較例6 ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA105)5
%水溶液に濡れ向上剤として、ポリビニルアルコール8
8%ケン化物1%水溶液2.0g混合した後、12μm
のPETフィルムにバーコート法にて塗布し、80度で
15秒乾燥した。得られたフィルムは透明であった。
【0044】実施例および比較例で得られた積層フィル
ムの酸素透過度、折り曲げ試験、ラミ剥離強度は次のよ
うに評価した。
【0045】酸素透過度:同圧法(測定機:MOCON社 O
XTRAN 2/20)により、20℃80%RHの条件で測定し
た。単位はcc/m2/dayである。
【0046】折り曲げ試験:作成したフィルムを50μ
mのLLDPEでドライラミネートし、そのフィルム9
0mm幅に2kgの荷重をかけ、約60度に折り曲げな
がらフィルム表面を擦った後、酸素透過度の測定を行っ
た。
【0047】ラミネート剥離強度:作成したフィルムの
コート面を内側にして、50μmのLLDPEフィルム
とドライラミネートした後、その剥離強度を90度剥離
で測定した。単位はg/15mmである。
【0048】結果を表1に示す。表から明らかなよう
に、実施例1は比較例1〜2に比べガスバリア性が高
く、折り曲げ試験後のガスバリア性の低下は少ない。実
施例2は比較例1〜3に比べ折り曲げ試験後のガスバリ
ア性の低下が少なく、またラミネート剥離強度は比較例
3に比べると向上している。
【0049】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 129/04 C09D 129/04 A 179/02 179/02 201/02 201/02 201/06 201/06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内にアミノ基または水酸基を含む水溶
    性重合体(A)と水ガラス(B)、さらにシランカップ
    リング剤(C)を含む水性溶液からなることを特徴とす
    るガスバリア性被膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】前記分子内にアミノ基または水酸基を含む
    水溶性重合体(A)がポリアミンであることを特徴とす
    る請求項1に記載のガスバリア性被膜形成用組成物。
  3. 【請求項3】前記分子内にアミノ基または水酸基を含む
    水溶性重合体(A)がポリビニルアルコール系重合体で
    あることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性被
    膜形成用組成物。
  4. 【請求項4】前記水ガラス(B)が珪酸リチウムである
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性被膜形
    成用組成物。
  5. 【請求項5】前記分子内にアミノ基または水酸基を含む
    水溶性重合体(A)と前記水ガラス(B)との重量比
    が、(A)/(B)=0.01〜10であることを特徴
    とする、請求項1に記載のガスバリア性被膜形成用組成
    物。
  6. 【請求項6】前記水ガラス(B)と前記シランカップリ
    ング剤(C)との重量比が(B)/(C)=0.1〜5
    00であることを特徴とする、請求項1に記載のガスバ
    リア性被膜形成用組成物。
  7. 【請求項7】基材フィルムの少なくとも片面に、請求項
    1〜6のいずれかに記載のガスバリア性被膜形成用組成
    物を被覆することを特徴とするガスバリア性フィルム。
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