JP2001291864A - 電界効果トランジスタ及びこれを用いた集積化論理回路 - Google Patents

電界効果トランジスタ及びこれを用いた集積化論理回路

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JP2001291864A JP2000106856A JP2000106856A JP2001291864A JP 2001291864 A JP2001291864 A JP 2001291864A JP 2000106856 A JP2000106856 A JP 2000106856A JP 2000106856 A JP2000106856 A JP 2000106856A JP 2001291864 A JP2001291864 A JP 2001291864A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】pMOSFETにおける正孔移動度を歪Si-MOSFETよ
りも大きくし、CMOS論理回路の設計を容易にし、かつ動
作速度を向上させる。 【解決手段】チャネルに引張り歪SiGeを有するMOSFET

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】電界効果トランジスタおよび
これを用いた集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の半導体素子の中核的存在であるSi
-MOSFET(金属−酸化物−半導体電界効果トランジス
タ)は、素子寸法の微細化、特にゲート長の縮小によっ
て高密度集積化と駆動力の増大を同時に達成してきた。
しかしながら近い将来、従来のトレンドに従った素子の
微細化は物理的、経済的な壁にぶつかることが指摘され
ている。そこで今後は微細化以外の手法による高速化、
低消費電力化の技術を確立する必要がある。そのような
技術として有力視されているものの一つに引張り歪Siを
チャネルとしたMOSFETがある。図9(a)はこのような
引張り歪Si-MOSFETの断面図である。この引張り歪Si-MO
SFETは、Si基板1と、この上に形成されたSiGeからなる
バッファ層2と、この上に形成された格子緩和したSiGe
層3と、この上に形成された引張り歪Si層15と、この
上にゲート絶縁膜5を介して形成されたゲート電極6
と、ソース7、ドレイン8とから形成されている。SiGe
層3は格子緩和するように十分厚く形成されているの
で、その上にエピタキシャル成長したSi層15の膜厚を
20nm程度と非常に薄くすると、Si層15の結晶格子
は緩和せずに基板面内方向に引張り歪みを有する。この
ためSi層15はSi基板1の面内方向の格子定数が、Si基
板1の垂直方向の格子定数に比べて大きい状態となって
いる。この結晶格子の非対称性のために、無歪の状態で
6重に縮退していた伝導帯の谷、および2重に縮退して
いた価電子帯のΓ点(電子の波数が0の状態)近傍の縮
退が解ける。
【0003】その結果、伝導帯は2重縮退した状態と4
重縮退した状態に、価電子帯は重い正孔帯、軽い正孔帯
にそれぞれ分離する。そのため引張り歪Siでは電子およ
び正孔のいずれにおいてもフォノンによる散乱確率が減
少し、室温付近で移動度が増大する。この引張り歪Siの
移動度が増大する特性を利用して、引張り歪SiをMOSFET
のチャネル層に利用することによって、MOSFETの高速化
を図っている(J. Welseret al., IEDM Tech. Di
g., p. 1000, (1992), p. 373 (1994), p.517
(1995), K. Chinmay et al., Solid-State Elect
ron. p1863 41(1997))。この引張り歪Siをチャネル
に有する引張り歪Si-MOSFETは、nチャネルにおいて
は、理論的予想と同等な、Si-MOSFETの1.7倍程度の移
動度増大が観測されている。一方、pチャネルにおいて
は、理論的には2.5倍程度の増大が予想されているの
に対し、実際には高々1.4倍程度の増大しか観測され
ていない。
【0004】また、nチャネルおよびpチャネルMOSFET
からなるCMOS回路の動作速度を主に制限するのは移動度
あるいは単位ゲート幅当りの駆動力の小さいpチャネル
の素子である。Si-MOSFETにおいては、pチャネルの移
動度はnチャネルの約1/3程度しかない。その結果生
じる駆動力差を補うため、p-MOSFETのゲート幅をn-MOSF
ETよりも広く取る必要があった。しかしながら、こうす
るとpチャネルのゲート面積がnチャネルより大きくな
り、ゲートの充放電の時定数を増大させることになって
しまう。したがってpチャネルおよびnチャネルの移動
度の違いがCMOS回路の設計を複雑なものとしていた。ま
た、CMOS論理回路に上記の引張り歪Si-MOSFETを用いる
と、Si-MOSFETよりもnチャネルおよびpチャネルとも
駆動力が増大するので当然動作速度の向上が期待でき
る。しかし、引張り歪Si-MOSFETにおいては、p型とn
型の移動度の差は通常のSi-MOSFETの場合よりむしろ拡
大してしまっているため、CMOS論理回路の最適設計がよ
り複雑になるばかりか、引張り歪Si-MOSFETの移動度向
上の効果を十分生かすことが出来ない。
【0005】仮に理論値どおりの正孔移動度が得られた
としても、電子移動度も同時に増大するため、なお2倍
程度の移動度差が残存するという問題がある。また、微
細化以外の手法による高速化、低消費電力化の別の技術
として圧縮歪を有するSiGeをチャネルとして用いる技術
がある。図9(b)はこの圧縮歪SiGeをpチャネルに有
するMOSFETの断面図である。この圧縮歪SiGe-MOSFET
は、Si基板1上に形成されたpチャネル圧縮歪SiGe層1
7と、この上に形成されたSiキャップ層18と、この上
にゲート絶縁膜5を介して形成されたゲート電極6と、
ソース7、ドレイン8から形成されている。このpチャ
ネル圧縮歪SiGe-MOSFETは、V. P. Kesan et al.,
IEDM Tech. Dig., p25 (1991), R. J. P. Land
er et al., Semicond. Sci. Technol. p. 1064
12 (1997)に記載されている。この中で、圧縮歪のSi
Geは、価電子帯の縮退が解ける効果や有効質量が小さく
なる効果で移動度が無歪のpチャネルSi-MOSFETよりも
増大することが報告されている。しかしながら圧縮歪の
SiGeは、nチャネルの場合、圧縮歪により基底状態の面
内方向の有効質量が無歪のnチャネルSi-MOSFETの場合
に比べて重くなってしまう。また、4重縮退した状態が
基底状態となるので、フォノン散乱確率はあまり減少し
ない。更に合金散乱の効果が加わるため、移動度は逆に
低下してしまう(T. Manku and A. Nathan, IEEE
Trans. Electron Devices, p. 2082 39 (199
2))。
【0006】したがって圧縮歪SiGeをnチャネルおよび
pチャネルに用いてCMOS論理回路を構成しても従来の歪
のないSi-MOSFETを用いてCMOS論理回路を構成する構造
に対するメリットはあまり無い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように引張り
歪Si-MOSFETは電子の移動度増大率に比べ正孔の移動度
増大率が小さい。したがって、これらをnチャネルおよ
びpチャネルに用いてCMOS回路に応用する場合、駆動力
やゲート容量のアンバランスにより最適設計が複雑にな
るばかりか、引張り歪Siの移動度向上の効果を十分生か
すことが出来ない問題がある。また、圧縮歪SiGe-MOSFE
Tは電子の移動度が、歪のないSi-MOSFETよりも低下して
しまう。したがって、これらをnチャネルおよびpチャ
ネルに用いてCMOS回路に応用する場合、歪のないSi-MOS
FETを用いてCMOS回路を構成する構造に対するメリット
がないという問題がある。本発明は、上記問題点を解決
するためになされたもので、nチャネルおよびpチャネ
ルの移動度を従来の歪のないSiよりも大きくし、かつそ
れらの移動度のバランスをよくすることによって、最適
設計をより簡便にし、さらにCMOS回路としての動作速度
を更に向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、引張り歪を有するSiGeチャネル層と、こ
のSiGeチャネル層上にゲート絶縁膜を介して形成された
ゲート電極と、前記SiGeチャネル層を挟むように形成さ
れたソース領域およびドレイン領域とを具備することを
特徴とする電界効果トランジスタを提供する。また、本
発明は、半導体基板と、この半導体基板上に形成された
第1のSi1-yGey層と、この第1のSi1-yGe層上に形成
された第2のSi1-xGex層(x<y)と、この第2のSi
1-xGex層上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶
縁膜上に形成されたゲート電極とを具備し、前記第2の
Si1-xGex層は電子或いは正孔が主に走行するチャネル層
を有し、かつ結晶格子が前記半導体基板面内方向に引張
り歪を有していることを特徴とする電界効果トランジス
タを提供する。また、本発明は、前記半導体基板或いは
前記第1のSi1-yGey層中に絶縁膜が埋め込まれている
ことを特徴とする電界効果トランジスタを提供する。ま
た、本発明は、前記半導体基板と前記第1のSi1-yGey
の間に絶縁層を設け、前記第2のSi1-xGex層は、前記
ゲート絶縁膜に近い領域が遠い領域よりGe組成が低くな
っていることを特徴とする電界効果トランジスタを提供
する。
【0009】また、本発明は、格子緩和した第1のSiGe
層と、この第1のSiGe層上に形成された引張り歪を有す
る第2のSiGe層と、この第2のSiGe上に形成されたゲー
ト絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電
極とを具備することを特徴とする電界効果トランジスタ
を提供する。また、本発明は、前記第2のSiGe層は、前
記ゲート絶縁膜に近い領域が遠い領域よりもGe組成が低
くなっていることを特徴とする電界効果トランジスタを
提供する。また、本発明は、前記ゲート絶縁膜と前記第
2のSiGe界面領域のGe組成が1%以下であることを特徴
とする電界効果トランジスタを提供する。また、本発明
は、前記第2のSiGe層の前記ゲート絶縁膜界面から10
nm以内の領域にGe組成が10 %以上の領域が存在す
ることを特徴とする電界効果トランジスタを提供する。
また、本発明は、pチャネルとnチャネルの電界効果ト
ランジスタを組み合わせて構成される集積化論理回路に
おいて、pチャネルおよびnチャネルまたはpチャネル
の電界効果トランジスタが上記電界効果トランジスタで
あることを特徴とする集積化論理回路を提供する。
【0010】本発明は、電子又は正孔が主に走行する領
域(チャネル領域)に、引張り歪みSiGe層を用いること
を特徴とする。この引張り歪みSiGeチャネル層は、より
Ge組成の大きいSiGeバッファ層上に、臨界膜厚以下の厚
さにエピタキシャル成長させることにより得られる。あ
るいは、バッファ層からチャネル領域にかけて連続的ま
たは段階的にGe組成が減少する様にエピタキシャル成長
された構造によっても得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の好
適な実施形態を説明する。引張り歪が導入されたSiGe
は、価電子帯のΓ点における縮退が解け軽い正孔帯と重
い正孔帯に分離する。その結果、フォノンによる帯間の
散乱確率が減少する。この効果は、導入される引張り歪
が大きいほど大きくなるが、ある程度以上では飽和する
傾向がある。これは、軽い正孔帯と重い正孔帯の分離の
エネルギーが、光学フォノン(LO-フォノン)のエネル
ギーよりも十分大きくなると、帯間の散乱確率が無視で
きるような状況となるためである。一方、チャネル領域
にGeが混入すると、各価電子帯の正孔の、波数に対する
エネルギーの変化率が大きくなる。これは、正孔の有効
質量が減少したことと等価である。移動度は有効質量に
反比例するので、有効質量の減少により更に移動度が向
上する。図7は、引張り歪Siチャネルを用いたp-MOSFET
(実線)と、本発明の引張り歪Si0.9Ge0.1チャネルを用
いたp-MOSFET(破線)の移動度増大率の関係の計算値
を、バッファ層のGe組成に対して示したものである。
【0012】図7から分かるように、十分バッファ層の
Ge組成の大きい領域(例えばGeが0.3以上)すなわち
十分にチャネルに引張り歪が入っている領域では、本発
明による引張り歪Si0.9Ge0.1 をチャネル層とするp-MO
SFETの移動度が引張り歪Siをチャネル層とするp-MOSFET
の移動度を上回る。本発明の引張り歪SiGeをチャネルと
するp-MOSFETでは、SiGeが基板面内に引張り歪みを有
し、MOS反転層中は2次元正孔ガスとなっている。次
に、図1に本発明の電界効果トランジスタの断面図を示
す。この電界効果トランジスタは、n型Si基板1と、こ
のn型Si基板上に形成され表面に向かってGeが徐々に増
加する傾斜組成n型SiGe層2と、この傾斜組成n型SiGe層
2上に形成された第1のSiGe層であるn型Si0.6Ge0.4
ッファ層3と、このn型Si0.6Ge0.4バッファ層3上に形
成された第2のSiGe層であるn型Si0.9Ge0.1チャネル層
4と、この上にゲート酸化膜5を介して形成された(p
)ポリSiゲート電極6と、チャネル層4の両側に形成
されたソース7とドレイン8とから形成されている。ま
たソース7とドレイン8上には電極10が形成されゲー
ト電極上には絶縁膜9が形成されている。この半導体の
チャネル層4には、下地のバッファ層3よりもGe組成の
低いSiGeが用いられているため、引張り歪が導入されて
おり移動度が向上している。
【0013】次に、この半導体素子の形成方法を述べ
る。先ず、n型Si基板1上にCVDによりGe組成が表面に向
けて徐々に増加するように傾斜組成n型SiGe層2を厚さ
3μm形成する。続けてこの上にCVDによりn型Si0.6Ge
0.4バッファ層3を厚さ1μm形成する。次に、バッフ
ァ層3上にCVDによりn型Si0.9Ge0.1チャネル層4を厚さ
15nm形成する。チャネル層4はバッファ層3よりも
十分に薄く形成しているので引張り歪が導入されてい
る。次に、熱酸化によりゲート酸化膜5を厚さ5nm形
成する。次に、CVDによってp型にヘビードープされ
た(p)ポリSiゲート電極6を形成する。次に、エッ
チングによって所望の形状にポリSiゲート電極6及びゲ
ート酸化膜5を整形し、ゲートの両脇にはBまたはBF2
イオン注入し、熱処理することによりソース7、ドレイ
ン8を形成する。次に、CVDによりゲート電極6を取り
巻くようにCVD酸化膜9を堆積したのちソース7、ドレ
イン8の上部にコンタクトホールを形成する。このコン
タクトホール上にAl電極10を形成する。
【0014】この半導体素子では、バッファ層3は完全
に格子緩和しているのに対し、チャネル層4は基板面内
方向に引張り歪みを受けている。ゲートに負のバイアス
が加えられると、ゲート直下に正孔の反転層チャネルが
形成される。この反転層の厚さは高々10nm程度であ
るので、反転層の存在する領域すなわち引張り歪SiGeチ
ャネル層の絶縁膜5との界面からの距離が10nm以内
に、十分なGe組成としてGe組成10%以上を有する領域
が存在することが望ましい。このMOSFETの移動度を評価
すると、図7のA点に示す様に、従来の歪Siを用いた場
合よりも30 %ほど大きな値となった。図2に本発明の
別の実施例にかかる電界効果トランジスタの断面図を示
す。図2中ソース、ドレイン領域は省略している。Si基
板1上に表面に行くにしたがってGe組成の大きくなる傾
斜組成SiGe層12と、この上に埋め込み酸化膜11(厚
さ100nm)が形成されている。この上には第1のSi
Ge層であるアンドープSi0.6Ge0.4バッファ層3(厚さ8
nm)が形成されている。この上に引張り歪が導入され
た第2のSiGe層であるアンドープSi 0.9Ge0.1チャネル層
4(厚さ7nm)、ゲート酸化膜5(厚さ3nm)、
(p)ポリSiゲート電極6が順次積層されている。
【0015】埋め込み酸化膜は、SiGeバッファ層3中、
またはSi基板中に酸素イオンを注入し、1200℃から1360
℃の高温で数時間アニールすることにより得られる。ま
たは熱酸化膜を形成したSi基板を逆さにして別のSi基
板、またはSiGeバッファ層を形成した基板上に張り付
け、熱処理後、研磨やエッチングにより薄膜化すること
によっても得られる。こうしてSOI(Semiconductor on
Insulator )構造を成している。この構造において
は、ゲート絶縁膜5と埋め込み酸化膜11に挟まれたSi
Geバッファ層3とSiGeチャネル層4の領域の厚さが非常
に薄いので、オフ状態でもチャネル空乏層が埋め込み酸
化膜11界面まで延びるため微細化に適した構造であ
る。こうすることで構造では、ゲート長を50 nm程
度まで微細化することが可能である。図3に本発明の別
の実施例にかかる電界効果トランジスタの断面図を示
す。Si基板1上に埋め込み酸化膜11(厚さ100n
m)が形成されている。この上には薄いアンドープSi層
13を介して、第1のSiGe層であるアンドープSi0.6Ge
0.4バッファ層3(厚さ8nm)が形成され、この上
に、引張り歪が導入された第2のSiGe層であるアンドー
プSi0.9Ge0.1チャネル層4(厚さ5nm)、ゲート酸化
膜5(厚さ3nm)、(p)ポリSiゲート電極6が順
次積層されている。
【0016】埋め込み酸化膜は、SiGeバッファ層3中、
またはSi基板中に酸素イオンを注入し、1200℃から1360
℃の高温で数時間アニールすることにより得られる。ま
たは熱酸化膜を形成したSi基板を逆さにして別のSi基
板、またはSiGeバッファ層を形成した基板上に張り付
け、熱処理後、研磨やエッチングにより薄膜化すること
によっても得られる。こうしてSOI(Semiconductor on
Insulator )構造を成している。この構造において
もゲート絶縁膜5と埋め込み酸化膜11に挟まれたSi層
13、SiGeバッファ層3およびSiGeチャネル層4の領域
の厚さが非常に薄いので、オフ状態でもチャネル空乏層
が埋め込み酸化膜11界面まで延びるため、微細化に適
した構造である。この構造でもゲート長を50nm 程
度まで微細化することが可能である。本実施例では、シ
リコン基板1中に埋め込み酸化膜11を形成したので、
表面に薄いSi層13が残った。図4に本発明の別の実施
例にかかる電界効果トランジスタの断面図を示す。図4
において左側のものは埋め込み酸化膜のないもの、右側
のものは埋め込み酸化膜11のあるものである。
【0017】Si基板1上にGe組成が表面に向けて大きく
なる傾斜組成バッファ層2、12が形成され、この上に
第1のSiGe層であるSiGeバッファ層3が形成されてい
る。右側のものはSiGeバッファ層3中に埋め込み酸化膜
11が形成されている。また、n型Si0.6Ge0.4バッファ
層3上に、ゲート酸化膜5に向けて連続的、あるいは段
階的にGe組成が減少するように第2のSiGe層であるSiGe
チャネル層14(厚さ15nm)が形成されている。Si
Geチャネル層14上には、ゲート絶縁膜5、ゲート電極
6が形成されている。本実施例では、第2のSiGe層であ
るSiGeチャネル層14がゲート絶縁膜5に近い領域が遠
い領域よりもGe組成が低くなっている。このSiGeチャネ
ル層14のGe組成の傾斜により、図8に示す様に、反転
層領域の実効電界が減少し、界面ラフネス散乱が減少す
る。その結果、さらに移動度増大の効果が得られる。図
5に本発明の別の実施例にかかる電界効果トランジスタ
の断面図を示す。本実施例はSOI構造を成している。
【0018】Si基板1上にGe組成が表面に向けて大きく
なる傾斜組成第1のSiGe層であるSiGeバッファ層が形成
され酸化されて埋め込み絶縁膜11となっている。この
上に第2のSiGe層であるアンドープSiGeチャネル層14
が直接形成されている。SiGeチャネル層14の埋め込み
酸化膜11側の領域は圧縮歪、ゲート酸化膜5側は引張
り歪みを受けている。上記2つの実施例においては、ゲ
ート酸化膜との界面近傍のGe組成は実質的に0となって
いる。これは、この界面にGeが存在することによる界面
準位密度の増大を避けるためである。この効果を得るた
めにはゲート絶縁膜5と第2のSiGeであるSiGeチャネル
層14の界面領域のGe組成は1%以下であることが望ま
しい。以上、pチャネルMOSFETに対する実施例を示した
が、これらの構造をそのままnチャネルMOSFETに用いる
ことも出来る。その場合、各層の導電型を反転すればよ
い。こうしてpチャネルおよびnチャネルを基板上に造
り込むことにより、CMOS論理回路を構成することが出来
る。
【0019】図6に本発明の別の実施例にかかるCMOSイ
ンバーターの断面図を示す。ただし、配線は模式的に描
いた。また、p,-MOSFETおよびn-MOSFETの基本構造は図
5に示すSOI構造としたが、他の実施例に示した構造を
用いてもよい。なおそれぞれの素子間はメサエッチング
により素子分離されている。pチャネルのゲート電極6
はpポリSi、nチャネルのゲート電極6'はnポリS
iで形成されている。また、pチャネルのソース、ドレ
イン領域7、8はp 型、nチャネルのソース、ドレイ
ン領域7'、8'はn型にそれぞれドーピングされてい
る。入力信号は両MOSFETのゲート電極6、6'に、出力
信号はそれぞれのオーミック電極の一方づつ8、8'に
接続されている。p-MOSFETの残りの一方のオーミック電
極7には正の電源電圧Vdd(1〜3 V)に、n-MOSFETの残
りの一方のオーミック電極7'はアースにそれぞれ接続
されている。基板には両MOSFETのしきい値を調整するた
めのバックゲート電極が形成されている。このようにし
て形成されたCMOSインバーターはpチャネルとnチャネ
ルの移動度のバランスがよく、設計が容易になり、また
素子の高速化を図ることが可能となる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、nチャネルおよびpチ
ャネルの移動度を大きくし、かつそれらの移動度のバラ
ンスをよくすることによって、最適設計をより簡便に
し、さらにCMOS回路としての動作速度を更に向上させる
ことができる。その結果、p、n両チャネルの駆動力バ
ランスが向上し、最適設計がより簡便になり、さらにCM
OS回路としての動作速度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかるMOSFETの断面図
【図2】 本発明の別の実施例にかかるMOSFETの断面図
【図3】 本発明の別の実施例にかかるMOSFETの断面図
【図4】 本発明の別の実施例にかかるMOSFETの断面図
【図5】 本発明の別の実施例にかかるMOSFETの断面図
【図6】 本発明の実施例にかかるCMOSインバーター回
路の断面図
【図7】 引張り歪SiGeと引張り歪Siの正孔移動度の増
大率の計算図
【図8】 本発明の実施例にかかるMOSFETの価電子帯の
ポテンシャルを示す図
【図9】 従来例のMOSFETの断面図
【符号の説明】
1・・・Si基板 2・・・傾斜組成SiGeバッファ層 3・・・緩和SiGeバッファ層 4・・・引張り歪みSiGeチャネル層 5・・・ゲート酸化膜 6・・・pポリSiゲート電極 6'・・・nポリSiゲート電極 7・・・p型拡散層 7'・・・n型拡散層 8・・・p型拡散層 8'・・・n型拡散層 9・・・CVD絶縁膜 10・・・ソース・ドレイン電極 11・・・埋め込み酸化膜 12・・・傾斜組成SiGe層 13・・・Siバッファ層 14・・・傾斜組成SiGeチャネル層 15・・・引張り歪みSiチャネル層 16・・・バックゲート電極 17・・・圧縮歪SiGeチャネル層 18・・・Siキャップ層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 H01L 29/78 613A 618B 618E (72)発明者 高木 信一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 杉山 直治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 臼田 宏治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 畠山 哲夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4M104 AA01 BB01 BB02 BB40 CC05 DD06 DD16 DD43 FF31 GG09 GG10 GG14 HH20 5F040 DA01 DB03 DC01 EC07 EE05 EH02 EL02 FC11 5F048 AA00 AA01 AB04 AC01 AC03 BA04 BA14 BA16 BB06 BB07 BD00 BD01 BD05 5F110 AA01 BB04 CC02 DD01 DD05 DD13 FF01 FF23 GG01 GG07 GG19 GG25 GG28 HJ01 HJ13 HL03 NN02 NN23 NN35 QQ17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】引張り歪を有するSiGeチャネル層と、 このSiGeチャネル層上にゲート絶縁膜を介して形成され
    たゲート電極と、 前記SiGeチャネル層を挟むように形成されたソース領域
    およびドレイン領域とを具備することを特徴とする電界
    効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】半導体基板と、 この半導体基板上に形成された第1のSi1-yGey層と、 この 第1のSi1-yGe層上に形成された第2のSi1-xGex
    層(x<y)と、 この第2のSi1-xGex層上に形成されたゲート絶縁膜と、 このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを具備
    し、 前記第2のSi1-xGex層は電子或いは正孔が主に走行する
    チャネル層を有し、かつ結晶格子が前記半導体基板面内
    方向に引張り歪を有していることを特徴とする電界効果
    トランジスタ。
  3. 【請求項3】前記半導体基板或いは前記第1のSi1-yGe
    y層中に絶縁膜が埋め込まれていることを特徴とする請
    求項2記載の電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】前記半導体基板と前記第1のSi1-yGey層の
    間に絶縁層を設け、前記第2のSi1- Gex層は、前記ゲ
    ート絶縁膜に近い領域が遠い領域よりGe組成が低くなっ
    ていることを特徴とする請求項1記載の電界効果トラン
    ジスタ。
  5. 【請求項5】格子緩和した第1のSiGe層と、 この第1のSiGe層上に形成された引張り歪を有する第2
    のSiGe層と、 この第2のSiGe上に形成されたゲート絶縁膜と、 このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを具備す
    ることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  6. 【請求項6】前記第2のSiGe層は、前記ゲート絶縁膜に
    近い領域が遠い領域よりもGe組成が低くなっていること
    を特徴とする請求項5記載の電界効果トランジスタ。
  7. 【請求項7】前記ゲート絶縁膜と前記第2のSiGe界面領
    域のGe組成が1%以下であることを特徴とする請求項
    2、3、4、5或いは6記載の電界効果トランジスタ。
  8. 【請求項8】前記第2のSiGe層の前記ゲート絶縁膜界面
    から10nm以内の領域にGe組成が10 %以上の領域
    が存在することを特徴とする請求項2、3、4、5、6
    或いは7記載の電界効果トランジスタ。
  9. 【請求項9】pチャネルとnチャネルの電界効果トラン
    ジスタを組み合わせて構成される集積化論理回路におい
    て、pチャネルおよびnチャネルまたはpチャネルの電
    界効果トランジスタが請求項1、2、3、4、5、6或
    いは8記載の電界効果トランジスタであることを特徴と
    する集積化論理回路。
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