JP2002314089A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2002314089A
JP2002314089A JP2001116865A JP2001116865A JP2002314089A JP 2002314089 A JP2002314089 A JP 2002314089A JP 2001116865 A JP2001116865 A JP 2001116865A JP 2001116865 A JP2001116865 A JP 2001116865A JP 2002314089 A JP2002314089 A JP 2002314089A
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layer
semiconductor device
channel
gate electrode
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Application number
JP2001116865A
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English (en)
Inventor
Takahiro Kawashima
孝啓 川島
Akira Inoue
彰 井上
Yoshihiro Hara
義博 原
Yoshihiko Kanzawa
好彦 神澤
Takeshi Takagi
剛 高木
Minoru Kubo
実 久保
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 しきい値電圧が小さく、かつ、短チャネル効
果抑制機能が確保された電界効果トランジスタを備えた
半導体装置を提供する。 【解決手段】 SiGe−nHMOSは、Si基板10
と、埋め込み酸化膜11と、半導体層30とを有してい
る。半導体層30は、上部Si膜12と、各々エピタキ
シャル成長されたSiバッファ層13,SiGe膜1
4,Siキャップ層15とから構成されている。また、
第1,第2Siボディ領域22,23と、高濃度のp型
不純物を含むSiGeボディ領域24と、低濃度のp型
不純物を含むSiチャネル層25とが設けられている。
チャネル領域の下方に、チャネル領域よりもバンドギャ
ップが小さい領域を含み、かつ、チャネル領域よりも不
純物濃度が高いボディ領域を導入することにより、しき
い値電圧を小さく維持しつつ、動作範囲を拡大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界効果型トラン
ジスタである半導体装置に係り、特に、低いしきい値電
圧を維持しつつ、高い電流を得るための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電界効果型トランジスタの1
つであるMISFETのゲート電極を構成する材料とし
て、ポリシリコンが広く使用されている。その場合、p
チャネル型MISトランジスタではp型のポリシリコン
からなるゲート電極を、nチャネル型MISトランジス
タでn型のポリシリコンからなるゲート電極をそれぞれ
設ける必要がある。その場合、製造工程において、ポリ
シリコン膜中にpチャネル型トランジスタのゲート電極
となるp型領域と、nチャネル型トランジスタのゲート
電極となるn型領域とを形成する必要があるので、製造
工程が煩雑になるという不具合がある。そこで、ゲート
電極として、ミッドバンドギャップであるタングステン
からなるメタルゲートを用い、上述のような製造工程上
の不具合を回避しようとるする試みがなされている。さ
らに、メタルゲートを用いることにより、ポリシリコン
ゲートにおいてしばしば問題となるゲート電極の空乏化
の抑制やゲート電極の抵抗値の低減を図ることもでき
る。
【0003】一方、近年、電池駆動による電子機器例え
ば携帯情報端末装置(いわゆる携帯電話)の需要が急速
に増大しつつある。このような電子機器においては、電
池寿命を延ばすために、高速動作を犠牲にすることなく
電源電圧の低いトランジスタが要望されている。電界効
果型トランジスタにおいて、低電源電圧下で高速動作を
実現するためには、トランジスタのしきい値電圧を低下
させることが有効である。しかし、しきい値電圧が小さ
い電界効果型トランジスタにおいては、ゲートバイアス
オフ時のリーク電流が大きくなるため、電池寿命の延長
という目的に反する結果を招くおそれもある。
【0004】そこで、斯かる不具合を解消する1つの手
段として、DTMOS(Dynamic Threshold Voltage MO
SFET) (F. Assaderaghi et. al., “A Dynamic Thresho
ld Voltage MOSFET (DTMOS) for Ultra-Low Voltage Op
eration,” IEDM94 Ext. Abst. p.809)と呼ばれるデバ
イスが提案されている。つまり、DTMOSとは、“Dy
namic Threshold Voltage MOSFET”の略語であるが、本
明細書においては、ゲート絶縁膜がシリコン酸窒化膜,
シリコン窒化膜などの酸化膜以外の場合である“Dynami
c Threshold Voltage MISFET”をも、便宜上“DTMO
S”というものとする。
【0005】図1は、従来のSOI基板を利用したDT
MOSの構造を模式的に示す断面図である。また、図2
は従来のSOI基板を利用したDTMOSの構造を模式
的に示す平面図である。図1に示すように、従来のDT
MOSは、p型シリコン基板(p-Si Sub)101上に埋
め込み酸化膜層(Buried Oxide)102と基板活性領域
となる半導体層103とを有するSOI基板を用いて形
成されている。SOI基板のSi層103が図示しない
素子分離用絶縁膜によって、多数の素子領域に区画され
ており、各素子領域に電界効果型トランジスタ構造を有
するDTMOSが設けられている。
【0006】従来のDTMOS(nチャネル型)は、基
板活性領域の上に設けられたゲート絶縁膜(SiO2
104と、n型不純物を含むゲート電極(poly−Si)1
05と、基板活性領域のうちゲートの両側方に位置する
領域に設けられたソース・ドレイン領域(n+ 層)10
6とを備えている。基板活性領域のうちソース・ドレイ
ン領域106を除く領域は、基板領域(p層)であり、
基板領域のうちソース・ドレイン領域106間に位置す
る部分の表面部が低濃度のp型不純物を含むチャネル領
域107となっている。また、基板領域のうちチャネル
領域107の下方や側方に位置するボディ領域108に
は、比較的高濃度のp型不純物が含まれている。
【0007】DTMOSの特徴は、図2に示すように、
ゲート電極105とボディ領域108とが、導体部材で
あるコンタクト110により電気的に短絡するように接
続されている点である。このように、ゲート電極105
とボディ領域108とが短絡された状態で、ゲート電極
105にバイアス電圧が印加されると、ボディ領域10
8を介してチャネル領域107にゲートバイアス電圧と
同じ大きさの順方向バイアス電圧が印加されることにな
る。これにより、ゲートバイアスオフ時には通常のMO
Sトランジスタと同じ状態となり、また、ゲートバイア
スオン時には、ゲートバイアス電圧の増大に連動してボ
ディ領域108が順方向にバイアスされていくため(図
1に示すnチャネル型MOSトランジスタでは、チャネ
ル領域の伝導帯端のエネルギーレベルが低下する)、し
きい値電圧が低下していく。
【0008】このようなDTMOSは、SOI基板に形
成された通常のMOSトランジスタ(ゲートとボディー
とが短絡されていないトランジスタ)と比較すると、ゲ
ートバイアスオフ時には、そのリーク電流が通常のトラ
ンジスタのリーク電流と同等となる。一方、ゲートバイ
アスオン時には、前述したようにしきい値が減少するの
で、ゲートオーバードライブ効果が増大し、駆動力が著
しく増大する。また、DTMOSでは、ゲート電極10
5とチャネル領域107との電位差がほとんどないた
め、基板表面での縦方向電界が通常のトランジスタに比
べて著しく小さくなる。その結果、縦方向電界の増大に
ともなうキャリアの移動度の劣化が抑制されるので、駆
動力が著しく増大する。
【0009】このように、nチャネル型のDTMOS
は、n型のゲート電極−p型のボディ(ベース)−n型
のソース領域(エミッタ)・ドレイン領域(コレクタ)
間に発生する横方向の寄生バイポーラトランジスタがオ
ンしてボディ電流が実用上問題となる程度に大きくなる
までの動作電圧範囲(例えば0.6V程度以下の範囲)
においては、低しきい値電圧つまり低電源電圧で高速動
作が可能なトランジスタとして機能することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電界効果型MISトランジスタにおいては、以下の
ような不具合があった。
【0011】上述のメタルゲート構造のゲート電極を有
するMISFETにおいては、ポリシリコンを用いたゲ
ート電極を有するMISFETに比べて、しきい値電圧
が高くなるという不具合が指摘されている。しきい値電
圧は、チャネル下方のボディ領域の濃度に強く依存する
ので、しきい値電圧を低減するためにはボディ領域の不
純物濃度(nMISFETにおいてはp型不純物)を低
くすることが有効である。しかし、ボディ領域の不純物
濃度を低くすると、パンチスルーが生じやすくなるな
ど、短チャネル効果の抑制が困難になるので、トランジ
スタの微細化が妨げられる。したがって、ボディ領域の
濃度を低くすることなくしきい値電圧を低減することが
必要である。
【0012】一方、従来のDTMOSの場合、スタンバ
イ電流を抑制するためには、ゲートに印加する電圧は、
横方向の寄生バイポーラトランジスタがオンする電圧の
0.6V程度以下に制限する必要がある。これは、横方
向寄生バイポーラトランジスタのベース電流(DTMO
Sにおけるゲート−ボディ間に流れるゲート電流または
ボディ電流)がシリコンのビルトインポテンシャルによ
りほぼ決まるため、ゲートバイアス電圧Vg(ベース電
圧)が0.6V程度となるとゲート電流又はボディ電流
(ベース電流)が非常に大きくなるためである。
【0013】すなわち、従来のDTMOSにおいては動
作電圧範囲が小さいという問題点があった。
【0014】また、従来のDTMOSにおいては、しき
い値電圧を低くする必要上、ボディの不純物濃度を高く
することができない。実際に、上記文献においては、ボ
ディのp型不純物の濃度が1.5〜3×1017cm-3
度と記載されている。その結果、ボディの抵抗が非常に
高くなり、CR遅延がダイナミックな動作に支障を与
え、高速動作の妨げとなるという不具合があった。
【0015】この背景には、しきい値電圧Vtと基板バ
イアス係数(ボディ効果係数)γの間にあるトレードオ
フの関係が重要になってくる。基板バイアス係数γは、
下記式(1) γ=|ΔVt|/|ΔVbs| (1) のように定義されている。ここで、ΔVtはしきい値電
圧のシフト量、ΔVbsはボディ−ソース間電圧のシフト
量である。
【0016】DTMOSにおいては、ボディ領域とゲー
ト電極とが互いに電気的に接続されているために、ゲー
ト電圧を高くしていくと、ボディ領域の電圧もそれに伴
って上昇する。ゲート電圧が電源電圧Vddのとき、式
(1)から下記式(2) ΔVth=γ・Vdd (2) が導かれる。
【0017】従来のMISFETのゲートオーバードラ
イブ量は、(Vg−Vt)によって表される。ところ
が、DTMOSのゲートオーバードライブ量は、(Vg
−Vt−ΔVth=Vg−Vt−γVdd)になり、γVdd
だけゲートオーバードライブ量が大きくなる、言い換え
ると、DTMOSの電流駆動力は、基板バイアス係数γ
が大きいほど大きくなる。
【0018】つまり、基板バイアス係数γが高くなると
ゲートオーバードライブ効果が大きくなるため、基板バ
イアス係数γの大きなデバイスを設計することが必要に
なる。しかしながら、ボディ濃度を大きくすると、基板
バイアス係数γの値は大きなるが、しきい値電圧も高く
なる。このトレードオフの関係があるために、DTMO
Sのボディ領域の不純物濃度を高くすることに制限があ
る。
【0019】その結果、DTMOSの性能は、上述のよ
うな不具合を生じる。まず、ボディ領域の不純物濃度が
低いと、ボディ領域の電気抵抗が非常に高くなり、この
ボディ領域の電気抵抗による電圧降下のため、チャネル
領域にボディ領域の電位が十分伝えられず、CR遅延が
ダイナミックな動作に支障を与え、高速動作の妨げとな
るのである。
【0020】また、DTMOSにおいても、上記従来の
MISFETと同様に、ボディ領域の不純物濃度が低い
と、トランジスタの微細化による短チャネル効果の抑制
機能が劣化する不具合がある。
【0021】以上のように、従来のMISFETやDT
MOSでは、素子性能の向上や、集積度の向上に有効な
トランジスタの微細化(ゲート長の微細化)に限界があ
った。
【0022】本発明の目的は、しきい値電圧を低く維持
しながらボディ領域の不純物濃度を高くする手段を講ず
ることにより、高い駆動力を有し、低電圧動作が可能
で、かつ微細化に適した半導体装置を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
半導体基板上に電界効果型トランジスタを設けてなる半
導体装置であって、上記電界効果型トランジスタは、半
導体基板と、上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁
膜及びゲート電極と、上記半導体基板内の上記ゲート電
極の両側方に位置する領域に設けられ第1導電型不純物
を含むソース・ドレイン領域と、上記半導体基板内の上
記ソース・ドレイン領域間に位置する領域に設けられた
チャネル領域と、上記半導体基板内の上記チャネル領域
の下方に位置する領域に設けられ、第2導電型不純物を
含むボディ領域とを備えており、上記ボディ領域の上記
チャネル領域に接する一部の領域のバンドギャップが上
記チャネル領域のバンドギャップより小さい構造となっ
ている。
【0024】これにより、チャネル領域に接するボディ
領域中の一部の領域のバンドギャップがチャネル領域の
バンドギャップよりも小さいことから、半導体基板内の
ゲート電極の下方に位置する領域に広がる空乏層のキャ
リア走行に対するポテンシャルが低下し、半導体装置の
しきい値電圧が低下する。一方、ボディ領域の不純物濃
度が比較的高いことから、パンチスルーなどの短チャネ
ル効果を抑制する機能も高く維持される。よって、高い
駆動力を有し、低電圧動作が可能で、かつ微細化に適し
た半導体装置が得られる。
【0025】上記ボディ領域の一部の領域と上記チャネ
ル領域との間に形成されるヘテロ接合において、上記チ
ャネル領域のキャリアが走行するバンドのバンドオフセ
ット量よりも、その逆極性のバンドにおけるバンドオフ
セット量の方が大きいことにより、半導体装置の動作時
に、ボディ領域の一部の領域がチャネルとして機能する
のを抑制することができる。
【0026】上記半導体基板内の上記ゲート電極の下方
に位置する領域に生じる空乏層が、上記チャネル領域か
ら上記バンドギャップの小さい領域まで延びていること
が好ましい。
【0027】また、上記空乏層が、上記ボディ領域のう
ち上記一部の領域よりも下方の領域まで延びていないこ
とが好ましい。
【0028】ゲート電極は、ポリシリコンゲート構造又
はメタルゲート構造を有することにより、他の特性を犠
牲にすることなく、駆動力を高めることができる。
【0029】上記半導体基板は、SOI基板であること
により、寄生容量が小さく,特に高速動作に適した半導
体装置が得られる。
【0030】上記ボディ領域のうち上記バンドギャップ
の小さい領域を除く領域がシリコン層からなり、上記バ
ンドギャップの小さい領域がSiおよびGeを含む半導
体層により構成されている場合、以下の具体的な構成と
効果とが得られる。
【0031】上記チャネル領域がシリコンにより構成さ
れていることにより、ボディ領域とのバンドオフセット
量を適正な値に調整することが容易になり、特に、上記
電界効果型トランジスタをnチャネル電界効果型トラン
ジスタとして動作させるのに適した構造となる。
【0032】このnチャネル電界効果型トランジスタに
加えて、上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及
びゲート電極と、上記半導体基板内の上記ゲート電極の
両側方に位置する領域に設けられ第2導電型不純物を含
むソース・ドレイン領域と、上記半導体基板内の上記ソ
ース・ドレイン領域間に位置する領域に設けられたSi
キャップ層と、上記半導体基板内の上記Siキャップ層
の下方に位置する領域に設けられ、SiおよびGeを含
み上記Siキャップ層よりもバンドギャップの小さい半
導体層により構成されるチャネル領域と、第1導電型不
純物を含むSiボディ領域とを有するpチャネル電界効
果型トランジスタをさらに備えることにより、相補型電
界効果トランジスタとして機能する半導体装置が得られ
る。
【0033】一方、上記ボディ領域のうち上記バンドギ
ャップの小さい領域を除く領域は、シリコン層からな
り、上記バンドギャップの小さい領域が、SiおよびC
を含む半導体層により構成されている場合には、次のよ
うな具体的な構成と効果とが得られる。
【0034】上記チャネル領域がシリコンにより構成さ
れていることにより、ボディ領域とのバンドオフセット
量を適正な値に調整することが容易になり、特に、上記
電界効果型トランジスタをpチャネル電界効果型トラン
ジスタとして動作させるのに適した構造となる。
【0035】このpチャネル電界効果型トランジスタに
加えて、上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及
びゲート電極と、上記半導体基板内の上記ゲート電極の
両側方に位置する領域に設けられ第1導電型不純物を含
むソース・ドレイン領域と、上記半導体基板内の上記ソ
ース・ドレイン領域間に位置する領域に設けられたSi
キャップ層と、上記半導体基板内の上記Siキャップ層
の下方に位置する領域に設けられ、SiおよびCを含み
上記Siキャップ層よりもバンドギャップの小さい半導
体層により構成されるチャネル領域と、第2導電型不純
物を含むSiボディ領域とを有するnチャネル電界効果
型トランジスタをさらに備えることにより、相補型電界
効果トランジスタとして機能する半導体装置が得られ
る。
【0036】上記ボディ領域のうち上記バンドギャップ
の小さい領域を除く領域は、シリコン層からなり、上記
バンドギャップの小さい領域が、Si,GeおよびCを
含む半導体層により構成されている場合、さらに、上記
チャネル領域がシリコンにより構成されている場合に
は、上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲ
ート電極と、上記半導体基板内の上記ゲート電極の両側
方に位置する領域に設けられ第2導電型不純物を含むソ
ース・ドレイン領域と、上記半導体基板内の上記ソース
・ドレイン領域間に位置する領域に設けられたSiチャ
ネル領域と、上記半導体基板内の上記Siチャネル領域
の下方に位置する領域に設けられ、Si,Ge及びCを
含み上記Siキャップ層よりもバンドギャップの小さい
半導体層により構成されるチャネル領域と、第1導電型
不純物を含むSiボディ領域とを有する電界効果型トラ
ンジスタをさらに備えることにより、相補型電界効果ト
ランジスタとして機能する半導体装置が得られる。
【0037】上記ゲート電極と上記ボディ領域とが電気
的に接続されていることにより、DTMOSとして機能
する電界効果型トランジスタを備えた半導体装置が得ら
れる。
【0038】本発明の半導体装置は、半導体基板と、上
記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電
極と、上記半導体基板内における上記ゲート電極の両側
方に位置する領域に設けられ第1導電型不純物を含むソ
ース・ドレイン領域と、上記半導体基板内における上記
ソース・ドレイン領域間に位置する領域に設けられたチ
ャネル領域と、上記半導体基板内における上記チャネル
領域の下方に位置する領域に設けられ、上記チャネル領
域よりもバンドギャップの小さい領域を含むボディ領域
とを備え、上記半導体基板のうち上記ゲート電極の下方
に位置する領域に生じる空乏層が上記バンドギャップの
小さい領域まで延びている。
【0039】これにより、チャネル領域の下方にバンド
ギャップがチャネル領域のバンドギャップよりも小さ
く、この領域まで空乏層が広がっていることから、チャ
ネル領域のキャリア走行に対するポテンシャルが低下す
る。したがって、ボディ領域の不純物濃度に影響を与え
ることなく、半導体装置のしきい値電圧を低下させるこ
とができ、パンチスルーなどの短チャネル効果を抑制す
る機能を維持することが可能である。よって、高い駆動
力を有し、低電圧動作が可能で、かつ微細化に適した半
導体装置が得られる。
【0040】上記ゲート電極と上記ボディ領域とが電気
的に接続されていることにより、DTMOSとして機能
する電界効果型トランジスタを備えた半導体装置が得ら
れる。
【0041】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本実施形態に
おいては、Siチャネル層を用いるとともに、Siチャ
ネル層の下方にSiチャネル層よりもバンドギャップの
小さい半導体層としてSiGeボディ層を設けたnチャ
ネル型ヘテロMOSFET(以下、SiGe−nHMO
Sという)について説明する。
【0042】図3は、本実施形態のSiGe−nHMO
Sの構造を示す断面図である。図3に示すように、本実
施形態のSiGe−nHMOSは、p型のSi基板10
と、Si基板に酸素イオンを注入するなどの方法により
形成された厚み約100nmの埋め込み酸化膜11と、
埋め込み酸化膜11の上に設けられた厚み約100nm
の半導体層30とを有している。半導体層30は、SO
I基板の上部を構成する上部Si膜12と、上部Si膜
12の上にUHV−CVD法によりエピタキシャル成長
された厚み約10nmのSiバッファ層13と、Siバ
ッファ層13の上にUHV−CVD法によりエピタキシ
ャル成長された厚み約15nmのSiGe膜14と、S
iGe膜14の上にUHV−CVD法によりエピタキシ
ャル成長された厚み約20nmのSiキャップ層15と
から構成されている。上部Si膜12には、Siバッフ
ァ層13やSiGe膜14のエピタキシャル成長前に、
予めイオン注入により濃度が1×1018cm-3程度の高
濃度のp型不純物(Bなど)がドープされている。Si
バッファ層13及びSiGe膜14には、in-situドー
ピングにより濃度1×1018cm-3程度の高濃度のp型
不純物(Bなど)がドープされている。Siキャップ層
15には、低濃度のp型不純物が含まれている。Siキ
ャップ層15はアンドープ層であるが、ボディ領域など
からの不純物の拡散によってある程度の不純物を含むこ
とになる。ただし、キャリア移動度の向上のためには、
Siキャップ層15にはできるだけ不純物が含まれてい
ないことが好ましい。SiGe膜14のGe含有率は3
0%であり、このとき、SiGeのバンドギャップは、
Siに比べて、225meV程度小さくなる。ただし、
このバンドギャップ差は、ほとんど価電子帯端における
バンドオフセット量となって現れ、伝導帯端においては
バンドオフセット量は小さい。
【0043】さらに、SiGe−nHMOSは、Siキ
ャップ層15を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜か
らなるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上に設
けられたn+ ポリシリコンからなるゲート電極17とを
備えている。そして、半導体層30,つまり上部Si膜
12,Siバッファ層13,SiGe膜14及びSiキ
ャップ層15のうちゲート電極17の両側方に位置する
領域には高濃度のn型不純物を含むソース領域20a及
びドレイン領域20bが設けられている。また、上部S
i膜12のうちソース領域20aとドレイン領域20b
との間の領域は第1Siボディ領域22となっており、
Siバッファ層13のうち第1Siボディ領域22の直
上に位置する領域は、第2Siボディ領域23となって
いる。そして、SiGe膜14のうちソース領域20a
とドレイン領域20bとの間の領域は、SiGeボディ
領域24となっており、Siキャップ層15のうちゲー
ト絶縁膜16の直下に位置する領域は低濃度のp型不純
物を含むSiチャネル領域25となっている。なお、ゲ
ート電極17の側面上には、シリコン酸化膜からなるサ
イドウォール27が設けられている。
【0044】図4は、本実施形態のSiGe−nHMO
S(Ge含有率は15%及び30%)と、SiGe−n
HMOSにおけるSiGeボディ領域24を同じ濃度の
p型不純物を含むSi層で置き換えたSiホモ構造のM
ISFET(以下、Si−nMOSという)とのVg−
Id特性図である。Siチャネル領域25の下方にSi
チャネル領域25よりバンドギャップの小さな材料であ
るSiGeからなるSiGeボディ領域24を設けるこ
とにより、同じゲート電圧Vgに対するドレイン電流I
dが増大していることから、しきい値電圧が低下してい
ることがわかる。しきい値電圧は、Ge含有率の増大に
伴い低下し、Ge含有率が30%のSiGe−nHMO
Sのしきい値電圧は、Si−nMOSに比べ0.2V程
度低くなっている。
【0045】すなわち、本実施形態のSiGe−nHM
OSは、Si−nMOSとボディ領域のp型不純物の濃
度を等しくした場合に、Si−nMOSよりもしきい値
電圧を低くすることができる。したがって、ボディ領域
(SiGeボディ領域24及び第1,第2Siボディ領
域22,23)の不純物濃度を高くして短チャネル効果
(パンチスルーなど)の抑制機能を維持しつつ、しきい
値電圧を低くすることができる。言い換えると、高速動
作が可能で、駆動力の高い、かつ、微細化に適したMI
SFETを得ることができる。
【0046】図5は、SiGe−nHMOSのSiチャ
ネル領域25及びボディ領域(SiGeボディ領域2
4,第2Siボディ領域23及び第1Siボディ領域2
2)を通過する断面におけるバンド構造のGe含有率依
存性を示すエネルギーバンド図である。同図において
は、ゲート絶縁膜16及びゲート電極17のバンド構造
は、一般的なMISFET中のそれらのバンド構造と同
じであるので、図示されていない。また、図5におい
て、点線で示されているバンドは、SiGe−nHMO
SにおけるSiGeボディ領域24を同じ濃度のp型不
純物を含むSi層で置き換えたSi−nMOSのゼロバ
イアス時の伝導帯端及び価電子帯端である。
【0047】ここで、特徴的なのは、Siチャネル領域
25からSiGeボディ領域24まで空乏層が延びてい
ることである。それに対し、従来のSi−nMOSにお
いては、空乏層がSiGeボディ領域に相当するSiボ
ディ領域にまで延びているものの、空乏層における伝導
帯端のポテンシャルが比較的大きい。以下、空乏層が延
びる範囲(言い換えると、空乏化領域の端部)及び伝導
帯端のポテンシャルと、トランジスタのしきい値電圧と
の関係について考察する。ただし、図5における縦軸の
ポテンシャルは、ゲート電極における電子親和力を基準
として、電子親和力が小さいほどポテンシャルが大きい
として表している。このポテンシャルの方向は、伝導帯
端における電子の走行に対するポテンシャルの方向に一
致するが、価電子帯端におけるホールの走行に対するポ
テンシャルの方向とは逆向きである。つまり、価電子帯
端におけるホール走行に対するポテンシャルは、図5の
縦軸のポテンシャル値が大きいほど小さいことになる。
【0048】図6は、SiGe層の上に、高濃度の不純
物を含むp+ Si層と、低濃度のp型不純物を含むp-
Si層とを積層したSiGe−nHMOSのビルトイン
ポテンシャルを示すエネルギーバンド図である。図6に
示すバンド構造を有するSiGe−nHMOSの場合に
は、空乏層の端部がSiGe層に到達しておらず、p -
Si層中の一部位から空乏化されている。また、図5に
おける点線で示されるバンド構造を有するSi−nMO
Sの場合には、空乏層の端部がSiGe層に相当するS
iボディ領域に達しているが、空乏層の端部における伝
導帯端のポテンシャルが本実施形態のSiGe−nHM
OSよりも高い。これらのことから、本実施形態のSi
Ge−nHMOSでは、空乏層の端部がSiGe層まで
達しており、空乏層の端部が伝導帯端のポテンシャルが
ヘテロ接合によって低くなっているSiGeボディ領域
一部である結果、Si−nMOSの場合に比べしきい値
電圧が低下すると理解できる。
【0049】図7は、本実施形態と同様に、Siチャネ
ル領域25及びボディ領域(SiGeボディ領域24,
第2Siボディ領域23及び第1Siボディ領域22)
を有するが、各部の厚みを変えて空乏層が第2Siボデ
ィ領域23まで到達するようにしたときのエネルギーバ
ンド図である。図7において、点線で示されているバン
ドは、SiGe−nHMOSにおけるSiGeボディ領
域24を同じ濃度のp型不純物を含むSi層で置き換え
たSi−nMOSのゼロバイアス時の伝導帯端及び価電
子帯端である。
【0050】図7に示す構造の場合には、空乏化が第2
Siボディ領域23中の一部位から始まり、この部位に
おける伝導帯端のポテンシャルはSi−nMOSにおけ
る同じ深さの部位における伝導帯端のポテンシャルと変
わらない。したがって、図7に示すSiGe−nHMO
Sのしきい値電圧は、従来のSinMOSとほとんど変
わらないことになる。この場合、SiGeボディ領域2
4とSiチャネル領域25とのバンドギャップ差がほと
んど価電子帯側のみに分配されて、伝導帯側にはわずか
にバンドオフセットが現れる。
【0051】図6及び図7からわかるように、空乏層の
端部がSiGeボディ領域24に存在することにより、
ヘテロ接合によってSiGeボディ領域24の伝導帯端
のポテンシャルが第2Siボディ領域23やSiチャネ
ル領域25の伝導帯端のポテンシャルよりも低くなって
いることを利用して、しきい値電圧を低下させることが
できる。
【0052】以上のように、空乏層幅は、Siチャネル
領域25の厚み及び不純物濃度や、SiGeボディ領域
24の厚み及び不純物濃度に強く依存する。この詳細
は、後述する。
【0053】次に、図5に示されるように、Ge含有率
の増大に伴いしきい値電圧が低下している。このしきい
値電圧の低下は、SiGeボディ領域24おけるSi層
とのヘテロ接合によるポテンシャルの低下により起こ
る。そして、SiGeボディ領域24のGe含有率が増
大するとSiGeボディ領域24の伝導帯端のポテンシ
ャルの低下の度合いが大きくなるために、しきい値電圧
もより大きく低下するものと考えられる。つまり、Si
Geボディ領域24によるバンド構造の変化により、し
きい値電圧が低下し、動作電圧範囲が拡大していると説
明できる。
【0054】次に、Siチャネル領域25の厚み及び不
純物濃度と、SiGeボディ領域24の不純物濃度との
変化に対するしきい値電圧の変化について説明する。
【0055】図8は、SiGe−nHMOSにおけるS
iチャネル領域25の厚みの変化に対するしきい値電圧
の変化を示すVg−Id特性図である。同図に示すよう
に、Siチャネル領域25の厚みが大きくなるほど、同
じゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idが増大して
いることから、しきい値電圧が低くなることがわかる。
これは、低濃度の不純物を含むSiチャネル領域25の
厚みが厚くなるほど、空乏層幅も大きくなるので、Si
Geボディ領域24の空乏層の端部における伝導帯端の
ポテンシャルが同じとすると、空乏層の広がる分だけS
iチャネル領域25のゲート絶縁膜との界面におけるポ
テンシャルが低くなるためと考えられる。ただし、低濃
度の不純物を含むSiチャネル領域25の厚みが大きく
なるほど、短チャネル効果を抑制する機能が低下すると
いう不具合が生じる。本実施形態においては、Siチャ
ネル領域25の厚み(Siキャップ層15の厚みでもあ
る)が20nmを越えると、低下していたしきい値電圧
の飽和が始まることから、Siチャネル領域25の厚み
が20nmのときに、短チャネル効果の抑制機能を維持
しつつしきい値電圧の低減をもっとも効果的に図ること
ができる。
【0056】図9は、SiGe−nHMOSにおけるS
iチャネル領域25の不純物濃度の変化に対するしきい
値電圧の変化を示すVg−Id特性図である。同図に示
すように、Siチャネル領域25の不純物濃度が低いほ
どしきい値電圧が低くなっている。図10は、SiGe
−nHMOSにおけるSiチャネル領域25の不純物濃
度の変化に対するバンド構造の変化を示す図である。図
10に示すように、Siチャネル領域25の不純物濃度
が高い場合、空乏層幅が短くなって空乏層の端部がSi
Geボディ領域24に到達しない。それに対し、Siチ
ャネル領域25の不純物濃度が十分低いと、空乏層の端
部がSiGeボディ領域24に到達して、伝導帯端のポ
テンシャルの低い部位から空乏化するために、しきい値
電圧を低下させることができる。したがって、しきい値
電圧を効果的に低下させるためには、Siチャネル領域
25の不純物濃度を低く抑制する必要がある。また、S
iチャネル領域25の不純物濃度が低いことにより、S
iチャネル領域25をキャリアが走行する際に、キャリ
アの不純物による散乱が抑制されるので、キャリア移動
度の低下を抑制することができ、好ましい。
【0057】図11は、SiGe−nHMOSにおける
ボディ領域(SiGeボディ領域24及び第1,第2の
Siボディ領域22,23)の不純物濃度の変化に対す
るしきい値電圧の変化を示すVg−Id特性図である。
同図に示すように、ボディ領域の不純物濃度が低い方が
しきい値電圧の低下には比較的有利であることがわか
る。しかし、ボディ領域の不純物濃度を低くすること
は、しきい値電圧の低下にそれほど貢献しない。また、
トランジスタの微細化が進む中で、ボディ領域の不純物
濃度を低くすると、短チャネル効果を抑制する機能を低
下させるので、ボディ領域の不純物濃度の低減は、しき
い値電圧を低下させるためにはあまり好ましくない。
【0058】以上により、Siチャネル領域25の不純
物濃度と厚みが、SiGe−nHMOSのしきい値電圧
の低下に重要なパラメータであるといえる。
【0059】なお、本実施形態においては、SOI基板
上に形成したSiGe−nHMOSについて説明した
が、本発明のSiGe−nHMOSは、半導体基板とし
てバルクシリコン基板などのバルク基板を用いた場合に
も、本実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0060】なお、本実施形態の図3に示す積層構造を
利用して、Siキャップ層及びSiGe層を低濃度ドー
プ層(アンドープ層)に、Siボディ層を高濃度n型層
にして、ソース・ドレイン領域をp型半導体層とするこ
とにより、SiGe層をチャネル領域とする公知のSi
Ge−pHMOSを構成することができる。したがっ
て、このSiGe−pHMOSと本実施形態のSiGe
−nHMOSとを共通の基板に設けることにより、Si
Ge−cHMOSを構成することができる。
【0061】(第2の実施形態)本実施形態において
は、チャネル領域下方にチャネル領域よりもバンドギャ
ップの小さいSiGe層を設け、かつ、ゲート電極とボ
ディ領域とを短絡させたnチャネル型DTMOSFET
(以下、SiGe−nHDTMOSという)について説
明する。
【0062】図12(a),(b),(c)は、それぞ
れ順に、本実施形態のHDTMOSの構造を示す平面
図、図12(a)のXIIb−XIIb線における断面図、図1
2(a)のXIIc−XIIc線における断面図である。また、
図13は、本実施形態のHDTMOSの構造をさらに詳
細に示す断面図である。
【0063】図12(a)〜(c)及び図13に示すよ
うに、本実施形態のSiGe−nHDTMOSは、p型
のSi基板10と、Si基板に酸素イオンを注入するな
どの方法により形成された厚み約100nmの埋め込み
酸化膜11と、埋め込み酸化膜11の上に設けられた厚
み約100nmの半導体層30とを有している。半導体
層30は、SOI基板の上部を構成する上部Si膜12
と、上部Si膜12の上にUHV−CVD法によりエピ
タキシャル成長された厚み約10nmのSiバッファ層
13と、Siバッファ層13の上にUHV−CVD法に
よりエピタキシャル成長された厚み約15nmのSiG
e膜14と、SiGe膜14の上にUHV−CVD法に
よりエピタキシャル成長された厚み約20nmのSiキ
ャップ層15とから構成されている。上部Si膜12に
は、Siバッファ層13やSiGe膜14のエピタキシ
ャル成長前に、予めイオン注入により濃度が1×1018
cm-3程度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープさ
れている。Siバッファ層13及びSiGe膜14に
は、in-situ ドーピングにより濃度1×1018cm-3
度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープされてい
る。Siキャップ層15には、低濃度のp型不純物が含
まれている。Siキャップ層15はアンドープ層である
が、ボディ領域などからの不純物の拡散によってある程
度の不純物を含むことになる。ただし、キャリア移動度
の向上のためには、Siキャップ層15にはできるだけ
不純物が含まれていないことが好ましい。SiGe膜1
4のGe含有率は30%であり、このとき、SiGeの
バンドギャップは、Siに比べて、225meV程度小
さくなる。
【0064】さらに、SiGe−nHDTMOSは、S
iキャップ層15を熱酸化して形成されたシリコン酸化
膜からなるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上
に設けられたn+ ポリシリコンからなるゲート電極17
とを備えている。そして、半導体層30,つまり上部S
i膜12,Siバッファ層13,SiGe膜14及びS
iキャップ層15のうちゲート電極17の両側方に位置
する領域には高濃度のn型不純物を含むソース領域20
a及びドレイン領域20bが設けられている。また、上
部Si膜12のうちソース領域20aとドレイン領域2
0bとの間の領域は第1Siボディ領域22となってお
り、Siバッファ層13のうち第1Siボディ領域22
の直上に位置する領域は、第2Siボディ領域23とな
っている。そして、SiGe膜14のうちソース領域2
0aとドレイン領域20bとの間の領域は、SiGeボ
ディ領域24となっており、Siキャップ層15のうち
ゲート絶縁膜16の直下に位置する領域は低濃度のp型
不純物を含むSiチャネル領域25となっている。な
お、ゲート電極17の側面上には、シリコン酸化膜から
なるサイドウォール27が設けられている。
【0065】ここで、第2の実施形態においては、第1
の実施形態とは異なり、ゲート電極25とボディ領域
(SiGeボディ領域25,第1,第2Siボディ領域
22,23))がゲートコンタクト26により接続さ
れ、いわゆるDTMOS構造となっている。
【0066】図14は、本実施形態のSiGe−nHD
TMOS(Ge組成は15%及び30%)と、本実施形
態のSiGe−nHDTMOSにおけるSiGeボディ
領域24を、同じ濃度のp型不純物を含むSi層で置き
換えたSiホモ構造のDTMISFET(以下、Si−
nDTMOSという)とのVg−Id及びVg−Ib特
性図である。Siチャネル領域25の下方にSiチャネ
ル領域25よりバンドギャップの小さな材料であるSi
GeからなるSiGeボディ領域24を設けることによ
り、同じゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idが増
大していることから、しきい値電圧が低下していること
がわかる。しきい値電圧は、Ge含有率の増大に伴い低
下し、Ge含有率が30%のSiGe−nHDTMOS
のしきい値電圧は、Si−nDTMOSに比べ0.15
V程度低くなっている。一方、ボディ電流Ib(ゲート
電流)はあまり大きく変化しない。よって、トランジス
タの動作電圧範囲が拡大されていることがわかる。
【0067】すなわち、本実施形態のSiGe−nHD
TMOSは、Si−nDTMOSとボディ領域のp型不
純物の濃度を等しくした場合に、Si−nDTMOSよ
りもしきい値電圧を低くすることができる。したがっ
て、ボディ領域(SiGeボディ領域24,第1,第2
Siボディ領域23,24)の不純物濃度を高くして短
チャネル効果(パンチスルーなど)の抑制機能を維持し
つつ、しきい値電圧を低くすることができる。言い換え
ると、高速動作が可能で、駆動力の高い、かつ、微細化
に適したDTMISFETを得ることができる。
【0068】図15は、SiGe−nHDTMOSにお
けるSiチャネル領域25の厚みの変化に対するしきい
値電圧の変化を示すVg−Id及びVg−Ib特性図で
ある。同図に示すように、Siチャネル領域25の厚み
が大きくなるほど、ボディ電流Ibは変化しないもの
の、同じゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idが増
大していることから、しきい値電圧が低くなることがわ
かる。これは、低濃度の不純物を含むSiチャネル領域
25の厚みが厚くなるほど、空乏層幅も大きくなるの
で、SiGeボディ領域24の空乏層の端部における伝
導帯端のポテンシャルが同じとすると、空乏層の広がる
分だけSiチャネル領域25のゲート絶縁膜との界面に
おけるポテンシャルが低くなるためと考えられる。
【0069】ただし、低濃度の不純物を含むSiチャネ
ル領域25の厚みが大きくなるほど、短チャネル効果を
抑制する機能が低下するという不具合が生じるので、短
チャネル効果抑制機能との関係で、Siチャネル領域2
5の厚み(Siキャップ層15の厚みでもある)を適宜
設定することが好ましい。
【0070】図16は、SiGe−nHDTMOSにお
けるSiチャネル領域25の不純物濃度の変化に対する
しきい値電圧の変化を示すVg−Id及びVg−Ib特
性図である。同図に示すように、Siチャネル領域の不
純物濃度が低いほどしきい値電圧が低くなっている。こ
れは、第1の実施形態と同様の理由によるものと考えら
れる。しかも、Siチャネル領域25の不純物濃度が低
くなるにつれて、ボディ電流Ibの立ち上がりが高ゲー
ト電圧側にシフトしている。すなわち、Siチャネル領
域25の不純物濃度が低いほど、トランジスタの動作電
圧範囲が拡大することになる。
【0071】なお、Siチャネル領域25の不純物濃度
が低いことにより、Siチャネル領域25をキャリアが
走行する際に、キャリアの不純物による散乱が抑制され
るので、キャリア移動度の低下を抑制することができ、
好ましい。
【0072】図17は、SiGe−nHDTMOSとS
i−nDTMOSとのしきい値電圧を等しくするため
に、ボディ領域(SiGeボディ領域24及び第1,第
2のSiボディ領域22,23)の不純物濃度を調整し
たときのVg−Id及びVg−Ib特性図である。この
とき、SiGe−nHDTMOSのボディ領域の不純物
濃度は1×1018cm-3で、Si−nDTMOSのボデ
ィ領域の不純物濃度は3×1017cm-3である。
【0073】本実施形態のSiGe−nHDTMOSに
おいては、Siチャネル領域25の下方にバンドギャッ
プの小さいSiGeボディ領域24を設けることによ
り、ボディ領域の不純物濃度を高くしてもしきい値電圧
をSi−nDTMOSと同等に保つことができる。した
がって、短チャネル効果の抑制機能を高く維持すること
ができる。さらに、ゲート電圧Vgが0.6 V〜0.
8Vの領域においては、Si−nDTMOSに比べ、S
iGe−nHDTMOSの方が、ゲートオーバードライ
ブ効果が大きくなっている。これは、SiGe−nHD
TMOSの方がSi−nDTMOSよりも基板バイアス
係数γが大きいためであり、同じ電源電圧で高駆動力を
もつことを示している。すなわち、ボディ領域の不純物
濃度が低いと、ボディ領域の電気抵抗が非常に高くな
り、このボディ領域の電気抵抗による電圧降下のため、
CR遅延がダイナミックな動作に支障を与えるが、本実
施形態においては、SiGeボディ領域における不純物
濃度を十分高く維持することができるため、高速動作を
実現することができるのである。
【0074】以上の結果より、本実施形態のSiGe−
nHDTMOSは、他の特性を犠牲にすることなく、し
きい値電圧の低下と、駆動力の向上とを図りつつ、微細
化に適した構造を有するといえる。
【0075】なお、本実施形態においては、SOI基板
上に形成したSiGe−nHDTMOSについて説明し
たが、本発明のSiGe−nHDTMOSは、半導体基
板としてバルクシリコン基板などのバルク半導体基板を
用いた場合にも、本実施形態と同様の効果を発揮するこ
とができる。
【0076】なお、本実施形態の図12に示す積層構造
を利用して、Siキャップ層及びSiGe層を低濃度ド
ープ層(アンドープ層)に、Siボディ層を高濃度n型
層にして、ソース・ドレイン領域をp型半導体層とする
ことにより、SiGe層をチャネル領域とするSiGe
−pHDTMOSを構成することができる。したがっ
て、このSiGe−pHDTMOSと本実施形態のSi
Ge−nHDTMOSとを共通の基板に設けることによ
り、SiGe−cHDTMOSを構成することができ
る。
【0077】(第3の実施形態)本実施形態において
は、Siチャネル層を用いるとともに、Siチャネル層
の下方にSiチャネル層よりもバンドギャップの小さい
半導体層としてSiCボディ層を設けたpチャネル型ヘ
テロMOSFET(以下、SiC−pHMOSという)
について説明する。
【0078】図18は、本実施形態のSiC−pHMO
Sの構造を示す断面図である。図19は、本実施形態の
SiC−pHDTMOSの構造を示す断面図である。図
18及び図19に示すように、本実施形態のSiC−p
HMOS又はSiC−nHDTMOSは、p型のSi基
板50と、Si基板に酸素イオンを注入するなどの方法
により形成された厚み約100nmの埋め込み酸化膜5
1と、埋め込み酸化膜51の上に設けられた厚み約10
0nmの半導体層80とを有している。半導体層80
は、SOI基板の上部を構成する上部Si膜52と、上
部Si膜52の上にUHV−CVD法によりエピタキシ
ャル成長された厚み約10nmのSiバッファ層53
と、Siバッファ層53の上にUHV−CVD法により
エピタキシャル成長された厚み約15nmのSiC膜5
4と、SiC膜54の上にUHV−CVD法によりエピ
タキシャル成長された厚み約20〜30nmのSiキャ
ップ層55とから構成されている。上部Si膜52に
は、Siバッファ層53やSiC膜54のエピタキシャ
ル成長前に、予めイオン注入により濃度が5×1018
-3程度の高濃度のn型不純物(P,Asなど)がドー
プされている。Siバッファ層53及びSiC膜54に
は、in-situ ドーピングにより濃度5×1018cm -3
度の高濃度のn型不純物(P,Asなど)がドープされ
ている。Siキャップ層55には、低濃度のn型不純物
が含まれている。Siキャップ層55はアンドープ層で
あるが、ボディ領域などからの不純物の拡散によってあ
る程度の不純物を含むことになる。ただし、キャリア移
動度の向上のためには、Siキャップ層55にはできる
だけ不純物が含まれていないことが好ましい。SiC膜
54のC含有率は3%である。
【0079】さらに、SiC−pHMOSは、Siキャ
ップ層55を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜から
なるゲート絶縁膜56と、ゲート絶縁膜56の上に設け
られたp+ ポリシリコンからなるゲート電極57とを備
えている。そして、半導体層30,つまり上部Si膜5
2,Siバッファ層53,SiC膜54及びSiキャッ
プ層55のうちゲート電極57の両側方に位置する領域
には高濃度のp型不純物を含むソース領域60a及びド
レイン領域60bが設けられている。また、上部Si膜
52のうちソース領域60aとドレイン領域60bとの
間の領域は第1Siボディ領域62となっており、Si
バッファ層53のうち第1Siボディ領域62の直上に
位置する領域は、第2Siボディ領域63となってい
る。そして、SiC膜54のうちソース領域60aとド
レイン領域60bとの間の領域は、SiCボディ領域6
4となっており、Siキャップ層55のうちゲート絶縁
膜56の直下に位置する領域は低濃度のn型不純物を含
むSiチャネル領域65となっている。なお、ゲート電
極57の側面上には、シリコン酸化膜からなるサイドウ
ォール67が設けられている。
【0080】そして、図20に示すSiC−nHDTM
OSにおいては、ゲート電極57とボディ領域(SiC
ボディ領域64及び第1,第2Siボディ領域62,6
3)とを互いに接続するゲートコンタクト(図示せず)
が設けられている。このゲートコンタクトの構造は、図
12(c)に示すゲートコンタクト26と同じである。
【0081】図20は、SiC−pHMOS又はSiC
−pHDTMOSのSiチャネル領域65及びボディ領
域(SiCボディ領域64,第2Siボディ領域63及
び第1Siボディ領域62)を通過する断面におけるバ
ンド構造を示すエネルギーバンド図である。同図におい
ては、ゲート絶縁膜56及びゲート電極57のバンド構
造は、一般的なMISFET中のそれらのバンド構造と
同じであるので、図示されていない。また、図20にお
いて、点線で示されているバンドは、SiC−pHMO
S又はSiC−pHDTMOSにおけるSiCボディ領
域64を同じ濃度のn型不純物を含むSi層で置き換え
たSi−pMOS又はSi−pDTMOSのゼロバイア
ス時の伝導帯端及び価電子帯端である。
【0082】同図に示すように、本実施形態において特
徴的なのは、Siチャネル領域65からSiCボディ領
域64まで空乏層が延びていることである。それに対
し、従来のSi−pMOSにおいては、空乏層がSiC
ボディ領域64に相当するSiボディ領域にまで延びて
いるものの、空乏層における価電子帯端の縦軸に示すポ
テンシャルが比較的低い、つまりキャリアであるホール
の走行に対するポテンシャルが比較的高い。すなわち、
第1の実施形態と同様に、本実施形態のSiC−pHM
OS又はSiC−pHDTMOSでは、空乏層の端部が
SiC層まで達しており、空乏層の端部が価電子帯端の
ホールの走行に対するポテンシャルがヘテロ接合によっ
て低くなっているSiCボディ領域の一部である結果、
Si−pMOS又はSiC−pDTMOSの場合に比
べ、しきい値電圧を低下させることができる。
【0083】図21は、本実施形態のSiC−pHMO
S(C含有率は3%)と、SiC−pHMOSにおける
SiCボディ領域64を同じ濃度のn型不純物を含むS
i層で置き換えたSi−pMOSとのVg−Id特性図
である。ここでは、Siキャップ層(Siチャネル領域
65)の厚みを30nmとしている。Siチャネル領域
65の下方にSiよりバンドギャップの小さい材料から
なるSiCボディ領域64を設けることにより、同じゲ
ート電圧Vgに対するドレイン電流Idが増大している
ことから、しきい値電圧が低下していることがわかる。
SiC−pHMOSのしきい値電圧は、Si−pMOS
に比べ0.12V程度低くなっている。
【0084】すなわち、本実施形態のSiC−pHMO
Sは、Si−pMOSとボディ領域のn型不純物の濃度
を等しくした場合に、Si−pMOSよりもしきい値電
圧を低くすることができる。したがって、ボディ領域
(SiCボディ領域64及び第1,第2Siボディ領域
62,63)の不純物濃度を高くして短チャネル効果
(パンチスルーなど)の抑制機能を維持しつつ、しきい
値電圧を低くすることができる。言い換えると、高速動
作が可能で、駆動力の高い、かつ、微細化に適したMI
SFETを得ることができる。
【0085】また、ボディ領域の不純物濃度が低いと、
ボディ領域の電気抵抗が非常に高くなり、このボディ領
域の電気抵抗による電圧降下のため、CR遅延がダイナ
ミックな動作に支障を与えるが、本実施形態において
は、SiCボディ領域における不純物濃度を十分高く維
持することができるため、高速動作を実現することがで
きるのである。
【0086】図22は、SiC−pHDTMOSとSi
−pDTMOSとのVg−Id及びVg−Ib特性図で
ある。このとき、ボディ領域(SiCボディ領域64及
び第1,第2Siボディ領域62,63)の不純物濃度
は5×1018cm-3、Siチャネル領域65の厚みは3
0nmである。同図に示されるように、本実施形態のS
iC−pHDTMOSは、従来のSi−pDTMOSに
比べ、ボディ電流Ibは変わらないが、しきい値電圧が
0.1V程度低下していることから、Si−pDTMO
Sよりも動作電圧範囲が拡大したといえる。
【0087】図23は、SiC−pHMOSにおけるS
iチャネル領域65の厚みの変化に対するしきい値電圧
の変化を示すVg−Id特性図である。同図に示すよう
に、Siチャネル領域65の厚みが大きくなるほど、同
じゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idが増大して
いることから、しきい値電圧が低くなることがわかる。
これは、低濃度の不純物を含むSiチャネル領域65の
厚みが厚くなるほど、空乏層幅も大きくなるので、Si
Cボディ領域64の空乏層の端部における価電子帯端の
ポテンシャルが同じとすると、空乏層の広がる分だけS
iチャネル領域65のゲート絶縁膜との界面におけるホ
ールの走行に対するポテンシャルが低下するためと考え
られる。ただし、低濃度の不純物を含むSiチャネル領
域65の厚みが大きくなるほど、短チャネル効果を抑制
する機能が低下するという不具合が生じるので、短チャ
ネル効果の抑制機能としきい値電圧とがいずれも適正に
なるように、Siチャネル領域65の厚みを20〜30
nmの間で調整することが好ましい。
【0088】図24は、SiC−pHMOSにおけるS
iチャネル領域65の不純物濃度の変化に対するしきい
値電圧の変化を示すVg−Id特性図である。同図に示
すように、Siチャネル領域65の不純物濃度が低いほ
どしきい値電圧が低くなっている。これは、第1の実施
形態と同様の理由によるものと考えられる。すなわち、
Siチャネル領域65の不純物濃度が高い場合(■のデ
ータ)、空乏層幅が短くなって空乏層の端部がSiCボ
ディ領域64に到達しない。それに対し、Siチャネル
領域65の不純物濃度が十分低いと、空乏層の端部がS
iCボディ領域64に到達して、価電子帯端のホール走
行に対するポテンシャルの低い部位から空乏化するため
に、しきい値電圧を低下させることができる。したがっ
て、しきい値電圧を効果的に低下させるためには、Si
チャネル領域65の不純物濃度を低く抑制する必要があ
ることがわかる。また、Siチャネル領域65の不純物
濃度が低いことにより、Siチャネル領域65をキャリ
アが走行する際に、キャリアの不純物による散乱が抑制
されるので、キャリア移動度の低下を抑制することがで
き、より好ましい。
【0089】図25は、SiC−pHDTMOSとSi
−pDTMOSとのしきい値電圧を等しくするために、
ボディ領域(SiCボディ領域64及び第1,第2のS
iボディ領域62,63並びに上部Si膜52)の不純
物濃度を調整したときのVg−Id及びVg−Ib特性
図である。このとき、SiC−pHDTMOSのボディ
領域の不純物濃度は、1×1018cm-3で、Si−pD
TMOSのボディ領域の不純物濃度は5×1017cm-3
である。
【0090】本実施形態のSiC−pHDTMOSにお
いては、Siチャネル領域65の下方にバンドギャップ
の小さいSiCボディ領域64を設けることにより、ボ
ディ領域の不純物濃度を高くしてもしきい値電圧をSi
−pDTMOSと同等に保つことができる。したがっ
て、短チャネル効果の抑制機能を高く維持することがで
きる。さらに、ゲート電圧Vgが−0.6 V〜−0.
7Vの領域においては、Si−pDTMOSに比べ、S
iC−pHDTMOSの方が、ゲートオーバードライブ
効果が大きくなっている。これは、SiC−pHDTM
OSの方がSi−pDTMOSよりも基板バイアス係数
γが大きいためであり、同じ電源電圧で高駆動力をもつ
ことを示している。
【0091】以上の結果より、本実施形態のSiC−p
HDTMOSは、他の特性を犠牲にすることなく、しき
い値電圧の低下と、駆動力の向上とを図りつつ、微細化
に適した構造を有するといえる。
【0092】なお、本実施形態においては、SOI基板
上に形成したSiC−pHDTMOSについて説明した
が、本発明のSiC−pHDTMOSは、半導体基板と
してバルクシリコン基板などのバルク基板を用いた場合
にも、本実施形態と同様の効果を発揮することができ
る。
【0093】なお、本実施形態の図18又は図19に示
す積層構造を利用して、Siキャップ層及びSiC層を
低濃度ドープ層(アンドープ層)に、Siボディ層を高
濃度p型層にして、ソース・ドレイン領域をn型半導体
層とすることにより、SiC層をチャネル領域とするS
iC−nHMOS又はSiC−nHDTMOSを構成す
ることができる。したがって、このSiC−nHMOS
又はSiC−nHDTMOSと本実施形態のSiC−p
HMOS又はSiC−pHDTMOSとを共通の基板に
設けることにより、SiC−cHMOS又はSiC−c
HDTMOSを構成することができる。
【0094】(第4の実施形態)本実施形態において
は、Siチャネル層の下方にSiチャネル層よりもバン
ドギャップの小さい半導体層としてSiGeボディ層を
設けるとともに、ゲート電極をミッドバンドギャップ材
料であるタングステンにより構成したnチャネル型ヘテ
ロMOSFET(以下、W−SiGe−nHMOSとい
う)について説明する。
【0095】図26は、本実施形態のW−SiGe−n
HMOSの構造を示す断面図である。図26に示すよう
に、本実施形態のW−SiGe−nHMOSは、p型の
Si基板10と、Si基板に酸素イオンを注入するなど
の方法により形成された厚み約100nmの埋め込み酸
化膜11と、埋め込み酸化膜11の上に設けられた厚み
約100nmの半導体層30とを有している。半導体層
30は、SOI基板の上部を構成する上部Si膜12
と、上部Si膜12の上にUHV−CVD法によりエピ
タキシャル成長された厚み約10nmのSiバッファ層
13と、Siバッファ層13の上にUHV−CVD法に
よりエピタキシャル成長された厚み約15nmのSiG
e膜14と、SiGe膜14の上にUHV−CVD法に
よりエピタキシャル成長された厚み約20nmのSiキ
ャップ層15とから構成されている。上部Si膜12に
は、Siバッファ層13やSiGe膜14のエピタキシ
ャル成長前に、予めイオン注入により濃度が1×1018
cm-3程度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープさ
れている。Siバッファ層13及びSiGe膜14に
は、in-situ ドーピングにより濃度1×1018cm-3
度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープされてい
る。Siキャップ層15には、低濃度のp型不純物が含
まれている。Siキャップ層15はアンドープ層である
が、ボディ領域などからの不純物の拡散によってある程
度の不純物を含むことになる。ただし、キャリア移動度
の向上のためには、Siキャップ層15にはできるだけ
不純物が含まれていないことが好ましい。SiGe膜1
4のGe含有率は30%であり、このとき、SiGeの
バンドギャップは、Siに比べて、225meV程度小
さくなる。
【0096】さらに、SiGe−nHMOSは、Siキ
ャップ層15を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜か
らなるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上に設
けられたタングステンからなるゲート電極77とを備え
ている。そして、半導体層30,つまり上部Si膜1
2,Siバッファ層13,SiGe膜14及びSiキャ
ップ層15のうちゲート電極17の両側方に位置する領
域には高濃度のn型不純物を含むソース領域20a及び
ドレイン領域20bが設けられている。また、上部Si
膜12のうちソース領域20aとドレイン領域20bと
の間の領域は第1Siボディ領域22となっており、S
iバッファ層13のうち第1Siボディ領域22の直上
に位置する領域は、第2Siボディ領域23となってい
る。そして、SiGe膜14のうちソース領域20aと
ドレイン領域20bとの間の領域は、SiGeボディ領
域24となっており、Siキャップ層15のうちゲート
絶縁膜16の直下に位置する領域は低濃度のp型不純物
を含むSiチャネル領域25となっている。なお、ゲー
ト電極17の側面上には、シリコン酸化膜からなるサイ
ドウォール27が設けられている。
【0097】図27は、本実施形態のW−SiGe−n
HMOSと、SiGe−nHMOSにおけるSiGeボ
ディ領域24を同じ濃度のp型不純物を含むSi層で置
き換えるとともに、タングステンゲートを有するMIS
FET(以下、W−Si−nMOSという)とのVg−
Id特性図である。ここでは、Siキャップ層(Siチ
ャネル領域25)の厚みを30nmとしている。Siチ
ャネル領域25の下方にSiよりバンドギャップの小さ
い材料からなるSiGeボディ領域24を設けることに
より、同じゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idが
増大していることから、しきい値電圧が低下しているこ
とがわかる。W−SiGe−nHMOSのしきい値電圧
は、W−Si−nMOSに比べ0.2V程度低くなって
いる。
【0098】すなわち、本実施形態のW−SiGe−n
HMOSは、Si−nMOSとボディ領域のp型不純物
の濃度を等しくした場合に、Si−nMOSよりもしき
い値電圧を低くすることができる。したがって、ボディ
領域(SiCボディ領域24及び第1,第2Siボディ
領域22,23)の不純物濃度を高くして短チャネル効
果(パンチスルーなど)の抑制機能を維持しつつ、しき
い値電圧を低くすることができる。言い換えると、高速
動作が可能で、駆動力の高い、かつ、微細化に適したM
ISFETを得ることができる。
【0099】以上の結果により、本実施形態のW−Si
Ge−nHMOSによると、ゲート電極にミッドバンド
ギャップの材料系を用いても、他の特性を犠牲にするこ
となくしきい値電圧を低減できる。これより、ゲート電
極にポリシリコンを用いた時問題であるゲート電極の空
乏化やボディ領域の電気抵抗のような問題やプロセスの
問題を克服しつつ、しきい値電圧の上昇を抑制すること
が可能になる。
【0100】なお、本実施形態においては、SOI基板
上に形成したW−SiGe−nHMOSについて説明し
たが、本発明のW−SiGe−nHMOSは、半導体基
板としてバルクシリコン基板などのバルク基板を用いた
場合にも、本実施形態と同様の効果を発揮することがで
きる。
【0101】なお、本実施形態の図26に示す積層構造
を利用して、Siキャップ層及びSiGe層を低濃度ド
ープ層(アンドープ層)に、Siボディ層を高濃度n型
層にして、ソース・ドレイン領域をp型半導体層とする
ことにより、SiGe層をチャネル領域とするW−Si
Ge−pHMOSを構成することができる。したがっ
て、このW−SiGe−pHMOSと本実施形態のW−
SiGe−nHMOSとを共通の基板に設けることによ
り、W−SiGe−cHMOSを構成することができ
る。
【0102】また、本実施形態のSiGe層に代えてS
iC層を設けることにより、W−SiC−pHMOSを
形成することができる。その場合には、さらに、Siキ
ャップ層及びSiC層を低濃度ドープ層(アンドープ
層)に、Siボディ層を高濃度p型層にして、ソース・
ドレイン領域をn型半導体層とすることにより、SiC
層をチャネル領域とするW−SiC−nHMOSを構成
することができる。したがって、このW−SiC−nH
MOSとW−SiC−pHMOSとを共通の基板に設け
ることにより、W−SiC−cHMOSを構成すること
ができる。
【0103】(第5の実施形態)本実施形態において
は、Siチャネル層の下方にSiチャネル層よりもバン
ドギャップの小さい半導体層としてSiGeCボディ層
を設けた相補型ヘテロMOSFET(以下、SiGeC
−cHMOSという)について説明する。
【0104】図28は、Si/SiGeC/Siヘテロ
構造におけるバンドアライメントを示すエネルギーバン
ド図である。図5に示すようなSi/SiGe/Siヘ
テロ構造では、価電子帯にバンドオフセットが現れ、図
20に示すようなSi/SiC/Siヘテロ構造では、
伝導帯にバンドオフセットが現れる。これに対し、Si
/SiGeC/Siヘテロ構造では、GeとCとの含有
率を調整することにより伝導帯及び価電子帯の両方にバ
ンドオフセットが形成される。このバンドオフセットの
エネルギー差を小さくしておくことにより、SiGeC
層をチャネル領域とすることなく、その上のSiチャネ
ル領域をチャネルとして利用しつつ、空乏層の端部のポ
テンシャルを、しきい値が低下するように調整すること
が可能になる。とくに、SiGeC層の組成の調整によ
って比較的小さいバンドオフセットを設けた場合、Si
GeC層をチャネルとすることなく、Siキャップ層の
ゲート絶縁膜に隣接する領域をチャネルとして動作する
トランジスタが得られる。そのとき、空乏層の端部がS
i層とのヘテロ接合によってキャリアに対するポテンシ
ャルが低下したSiGeC層の一部にあることで、しき
い値が低下することになる。この作用は、SiGeC−
cHMOS及びSiGeC−cHDTMOSのいずれに
ついても得られる。したがって、共通の組成のSiGe
C層を用いて、しきい値電圧の小さい,駆動力の高い相
補型MOSを作製することができる。
【0105】図29は、本実施形態のSiGeC−cH
MOS又はSiGeC−cHDTMOSの構造を示す断
面図である。同図に示すように、本実施形態のSiGe
C−cHMOS又はSiGeC−cHDTMOSは、p
型のSi基板110と、Si基板に酸素イオンを注入す
るなどの方法により形成された厚み約100nmの埋め
込み酸化膜111と、埋め込み酸化膜111の上に設け
られたnチャネル型HMOS又はHDTMOS(n−H
MOS又はn−HDTMOS)用の半導体層130と、
埋め込み酸化膜111の上に設けられたpチャネル型H
MOS又はHDTMOS(p−HMOS又はp−HDT
MOS)用の半導体層180とを有している。半導体層
130,180は、それぞれ同時に形成された共通の膜
によって構成されている。
【0106】半導体層130,180は、SOI基板の
上部を構成する厚み約100nmの上部Si膜112
と、上部Si膜112の上にUHV−CVD法によりエ
ピタキシャル成長された厚み約10nmのSiバッファ
層113と、Siバッファ層113の上にUHV−CV
D法によりエピタキシャル成長された厚み約15nmの
SiGeC膜114と、SiGeC膜114の上にUH
V−CVD法によりエピタキシャル成長された厚み約2
0〜30nmのSiキャップ層115とから構成されて
いる。
【0107】さらに、n−HMOS又はn−HDTMO
Sは、Siキャップ層115の上に設けられたシリコン
酸化膜からなるゲート絶縁膜116と、ゲート絶縁膜1
16の上に設けられたゲート電極117とを備えてい
る。そして、半導体層130のうちゲート電極117の
両側方に位置する領域には高濃度のn型不純物を含むソ
ース領域120a及びドレイン領域120bが設けられ
ている。また、上部Si膜112のうちソース領域12
0aとドレイン領域120bとの間の領域は、高濃度
(約1×1018atoms ・cm-3)のp型不純物を含む第
1Siボディ領域122となっており、Siバッファ層
113のうち第1Siボディ領域122の直上に位置す
る領域は、高濃度(約1×1018atoms ・cm-3)のp
型不純物を含む第2Siボディ領域123となってい
る。そして、SiGeC膜114のうちソース領域12
0aとドレイン領域120bとの間の領域は、高濃度
(約1×1018atoms ・cm-3)のn型不純物を含むS
iGeCボディ領域124となっており、Siキャップ
層115のうちゲート絶縁膜216の直下に位置する領
域は低濃度のn型不純物を含むSiチャネル領域125
となっている。なお、ゲート電極117の側面上にはシ
リコン酸化膜からなるサイドウォール127が設けられ
ている。
【0108】そして、SiGeC−nHDTMOSの場
合には、ゲート電極117と第1Siボディ領域122
とを電気的に接続する導体部材であるゲートコンタクト
(図示せず)とが設けられている。
【0109】また、n−HMOS又はn−DTMOS
は、Siキャップ層115の上に設けられたシリコン酸
化膜からなるゲート絶縁膜156と、ゲート絶縁膜15
6の上に設けられたゲート電極157とを備えている。
そして、半導体層180のうちゲート電極157の両側
方に位置する領域には高濃度のp型不純物を含むソース
領域160a及びドレイン領域160bが設けられてい
る。また、上部Si膜112のうちソース領域160a
とドレイン領域160bとの間の領域は、高濃度(約1
×1019atoms ・cm-3)のn型不純物を含む第1Si
ボディ領域162となっており、Siバッファ層113
のうち第1Siボディ領域162の直上に位置する領域
は、高濃度(約1×1019atoms ・cm-3)のn型不純
物を含む第2Siボディ領域126となっている。そし
て、SiGeC膜114のうちソース領域160aとド
レイン領域160bとの間の領域は、比較的低濃度(約
1×1019atoms ・cm-3)のn型不純物を含むSiG
eCボディ領域164となっており、Siキャップ層1
15のうちゲート絶縁膜156の直下に位置する領域は
低濃度のn型不純物を含むSiチャネル領域165とな
っている。
【0110】なお、ゲート電極157の側面上にはシリ
コン酸化膜からなるサイドウォール167が設けられて
いる。
【0111】そして、SiGeC−pHDTMOSの場
合には、ゲート電極157と第1Siボディ領域162
とを電気的に接続する導体部材であるゲートコンタクト
(図示せず)とが設けられている。
【0112】さらに、基板上には、層間絶縁膜190
と、層間絶縁膜190を貫通してソース・ドレイン領域
120a,120b,160a,160bに接触するコ
ンタクト191と、コンタクト191に接続されて層間
絶縁膜190の上に延びるソース・ドレイン電極192
とが設けられている。
【0113】本実施形態の相補型HDTMOSの製造工
程においては、SOI基板の一部である上部Si膜は、
結晶成長前にあらかじめイオン注入により濃度が約1×
10 19atoms ・cm-3の不純物がドープされたn+ Si
層とp+ Si層とになっている。また、UHV−CVD
法によりエピタキシャル成長されたSiバッファ層、S
iGeC膜及びSiキャップ層は、いずれもas−gr
ownの状態では、不純物がドープされていないアンド
ープ層となっている。Si膜及びSiGeC膜の結晶成
長が終了した後に、nHMOS又はnHDTMOS領域
のボディ領域付近には、濃度が約1×1018atoms ・c
-3のp型不純物がイオン注入によりドープされる。ま
た、pHMOS又はpHDTMOS領域のボディ領域の
付近には、濃度が約1×1018atoms ・cm-3のn型不
純物がイオン注入によりドープされる。その後、Siキ
ャップ層がエピタキシャル成長される。
【0114】そして、最上層のSi膜を熱酸化すること
により得られるシリコン酸化膜をゲート絶縁膜とし、そ
の上には高濃度のn型不純物がドープされたポリシリコ
ンからなるn+ 型ゲート電極と、高濃度のp型不純物が
ドープされたポリシリコンからなるp+ 型ゲート電極と
が形成される。その後、各ゲート電極の両側には、高濃
度のn型不純物がイオン注入されたn+ 型ソース・ドレ
イン領域と、高濃度のp型不純物がドープされたp+
ソース・ドレイン領域とが形成され、その上方にソース
電極・ドレイン電極がそれぞれ形成される。
【0115】また、SiGeC−cHDTMOSの場
合、ゲート電極とSiGeCボディ領域とがコンタクト
によって接続される。
【0116】本実施形態によると、チャネル層をSiに
より構成し、チャネル層の下方にSiよりもバンドギャ
ップが小さく、かつ、伝導帯と価電子帯との双方にバン
ドオフセットを生じるSiGeC(Si1-x-y Gex
y )によって構成することにより、単一のSiGeCボ
ディ層を利用して、電子がSi層を走行するnチャネル
と、ホールがSi層を走行するpチャネルとを形成する
ことが可能となる。そして、nチャネルを利用するSi
GeC−nHMOS又はSiGeC−nHDTMOSに
おいては、図5に示す形状に近い伝導帯端の形状を有す
るトランジスタを得ることができる。また、pチャネル
を利用するSiGeC−pHMOS又はSiGeC−p
HDTMOSにおいては、図20に示す形状に近い価電
子帯端の形状を有するトランジスタを得ることができ
る。よって、ボディ領域の不純物濃度を高くして、短チ
ャネル効果の抑制機能を維持しつつ、駆動力の大きいト
ランジスタを得ることができるのである。
【0117】(その他の実施形態)上記第1の実施形態
において説明したSi/SiGeヘテロ接合を有するn
HMOS又は上記第1の実施形態において説明したSi
/SiGeヘテロ接合を有するnHDTMOSと、上記
第3の実施形態で説明したSi/SiCヘテロ接合を有
するpHMOS又はpHDTMOSを利用して、相補型
HMOS又は相補型HDTMOSを構成することができ
る。
【0118】上記各実施形態では、SiGeボディ領
域,SiCボディ領域,SiGeCボディ領域の不純物
濃度をチャネル領域の不純物濃度よりも高くしたが、本
発明は、斯かる実施形態に限定されるものではない。
【0119】すなわち、空乏層がSiGeボディ領域,
SiCボディ領域,SiGeCボディ領域まで延びてさ
えいれば、キャリアの走行に対するポテンシャルが低下
することから、ボディ領域の不純物濃度に影響を与える
ことなく、しきい値電圧が低下するからである。そし
て、上記各実施形態におけるSiボディ領域の不純物濃
度を十分高くするなど、他の手段によってパンチスルー
などの短チャネル効果を抑制する機能を高く維持するこ
とは可能である。すなわち、この場合にも、高い駆動力
を有し、低電圧動作が可能で、かつ微細化に適した半導
体装置が得られる。
【0120】
【発明の効果】本発明の半導体装置によれば、チャネル
領域の下方に、チャネル領域よりもバンドギャップが小
さい領域を有する,不純物濃度が比較的高いボディ領域
を設けたので、しきい値電圧の低下と短チャネル効果の
抑制機能の維持とを併せて得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のDTMOSの構造を模式的に示す断面図
である。
【図2】従来のDTMOSの構造を模式的に示す平面図
である。
【図3】第1の実施形態のSiGe−nHMOSの構造
を示す断面図である。
【図4】第1の実施形態のSiGe−nHMOSと、S
iGeボディ領域Si層で置き換えたSiホモ構造のS
i−nMOSとのVg−Id特性図である。
【図5】SiGe−nHMOSの縦断面におけるバンド
構造のGe含有率依存性を示すエネルギーバンド図であ
る。
【図6】SiGe層の上に、p+ Si層とp- Si層と
を積層したSiGe−nHMOSのビルトインポテンシ
ャルを示すエネルギーバンド図である。
【図7】第1の実施形態における各部の厚みを変えて空
乏層がボディ領域まで到達するようにしたときのエネル
ギーバンド図である。
【図8】SiGe−nHMOSにおけるSiチャネル領
域の厚みの変化に対するしきい値電圧の変化を示すVg
−Id特性図である。
【図9】SiGe−nHMOSにおけるSiチャネル領
域の不純物濃度の変化に対するしきい値電圧の変化を示
すVg−Id特性図である。
【図10】SiGe−nHMOSにおけるSiチャネル
領域の不純物濃度の変化に対するバンド構造の変化を示
す図である。
【図11】SiGe−nHMOSにおけるボディ領域の
不純物濃度の変化に対するしきい値電圧の変化を示すV
g−Id特性図である。
【図12】(a),(b),(c)は、それぞれ順に、
第2の実施形態のHDTMOSの構造を示す平面図、図
12(a)のXIIb−XIIb線における断面図、図12
(a)のXIIc−XIIc線における断面図である。
【図13】第2の実施形態のHDTMOSの構造をさら
に詳細に示す断面図である。
【図14】第2の実施形態のSiGe−nHDTMOS
と、SiGeボディ領域をSi層で置き換えたSiホモ
構造のDTMISFETとのVg−Id及びVg−Ib
特性図である。
【図15】SiGe−nHDTMOSにおけるSiチャ
ネル領域の厚みの変化に対するしきい値電圧の変化を示
すVg−Id及びVg−Ib特性図である。
【図16】SiGe−nHDTMOSにおけるSiチャ
ネル領域の不純物濃度の変化に対するしきい値電圧の変
化を示すVg−Id及びVg−Ib特性図である。
【図17】SiGe−nHDTMOSとSi−nDTM
OSとのしきい値電圧を等しくするために、ボディ領域
の不純物濃度を調整したときのVg−Id及びVg−I
b特性図である。
【図18】第3の実施形態のSiC−pHMOSの構造
を示す断面図である。
【図19】第3の実施形態のSiC−pHDTMOSの
構造を示す断面図である。
【図20】SiC−pHMOS又はSiC−pHDTM
OSのSiチャネル領域及びボディ領域を通過する断面
におけるバンド構造を示すエネルギーバンド図である。
【図21】第3の実施形態のSiC−pHMOSと、S
iCボディ領域を同じ濃度のn型不純物を含むSi層で
置き換えたSi−pMOSとのVg−Id特性図であ
る。
【図22】SiC−pHDTMOSとSi−pDTMO
SとのVg−Id及びVg−Ib特性図である。
【図23】SiC−pHMOSにおけるSiチャネル領
域の厚みの変化に対するしきい値電圧の変化を示すVg
−Id特性図である。
【図24】SiC−pHMOSにおけるSiチャネル領
域の不純物濃度の変化に対するしきい値電圧の変化を示
すVg−Id特性図である。
【図25】SiC−pHDTMOSとSi−pDTMO
Sとのしきい値電圧を等しくするために、ボディ領域の
不純物濃度を調整したときのVg−Id及びVg−Ib
特性図である。
【図26】第4の実施形態のW−SiGe−nHMOS
の構造を示す断面図である。
【図27】第4の実施形態のW−SiGe−nHMOS
と、SiGeボディ領域をSi層で置き換えるととも
に、タングステンゲートを有するW−Si−nMOSと
のVg−Id特性図である。
【図28】第5の実施形態のSi/SiGeC/Siヘ
テロ構造におけるバンドアライメントを示すエネルギー
バンド図である。
【図29】第5の実施形態のSiGeC−cHMOS又
はSiGeC−cHDTMOSの構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 Si基板 11 埋め込み酸化膜 12 上部Si膜 13 Siバッファ層 14 SiGe膜 15 Siキャップ層 16 ゲート絶縁膜 17 ゲート電極 20a ソース領域 20b ドレイン領域 22 第1Siボディ領域 23 第2Siボディ領域 24 SiGeボディ領域 25 Siチャネル領域 S ソース G ゲート D ドレイン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/08 321C 321D 29/78 618B (72)発明者 原 義博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 神澤 好彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 高木 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 久保 実 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F048 AA08 AB03 BA09 BA14 BA16 BB05 BB14 BC06 BD09 BG07 5F110 AA05 AA08 BB04 CC02 DD05 DD13 DD24 EE04 EE09 FF02 FF23 GG01 GG02 GG04 GG12 GG19 GG20 GG25 GG32 GG34 GG42 GG47 GG52 GG60 5F140 AA04 AA05 AA24 AA39 AB03 AC10 AC36 BA01 BA05 BA17 BB13 BB18 BC06 BE07 BF01 BF04 BG08 BG12 BH39 BH43 BH49

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に電界効果型トランジスタ
    を設けてなる半導体装置であって、 上記電界効果型トランジスタは、 上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲート
    電極と、 上記半導体基板内の上記ゲート電極の両側方に位置する
    領域に設けられ第1導電型不純物を含むソース・ドレイ
    ン領域と、 上記半導体基板内の上記ソース・ドレイン領域間に位置
    する領域に設けられたチャネル領域と、 上記半導体基板内の上記チャネル領域の下方に位置する
    領域に設けられ、第2導電型不純物を含むボディ領域と
    を備え、 上記ボディ領域の上記チャネル領域に接する一部の領域
    のバンドギャップが上記チャネル領域のバンドギャップ
    より小さいことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記ボディ領域の一部の領域と上記チャネル領域との間
    に形成されるヘテロ接合において、上記チャネル領域の
    キャリアが走行するバンドのバンドオフセット量より
    も、その逆極性のバンドにおけるバンドオフセット量の
    方が大きいことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の半導体装置にお
    いて、 上記半導体基板内の上記ゲート電極の下方に位置する領
    域に生じる空乏層が、上記チャネル領域から上記バンド
    ギャップの小さい領域まで延びていることを特徴とする
    半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体装置において、 上記空乏層が、上記ボディ領域のうち上記一部の領域よ
    りも下方の領域まで延びていないことを特徴とする半導
    体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置において、 ゲート電極は、ポリシリコンゲート構造又はメタルゲー
    ト構造を有することを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置において、 上記半導体基板は、SOI基板であることを特徴とする
    半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置において、 上記ボディ領域のうち上記バンドギャップの小さい領域
    を除く領域がシリコン層からなり、 上記バンドギャップの小さい領域がSiおよびGeを含
    む半導体層により構成されていることを特徴とする半導
    体装置
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の半導体装置において、 上記チャネル領域がシリコンにより構成されていること
    を特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の半導体装置において、 上記電界効果型トランジスタは、nチャネル電界効果型
    トランジスタとして動作することを特徴とする半導体装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の半導体装置におい
    て、 上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲート
    電極と、 上記半導体基板内の上記ゲート電極の両側方に位置する
    領域に設けられ第2導電型不純物を含むソース・ドレイ
    ン領域と、 上記半導体基板内の上記ソース・ドレイン領域間に位置
    する領域に設けられたSiキャップ層と、 上記半導体基板内の上記Siキャップ層の下方に位置す
    る領域に設けられ、SiおよびGeを含み上記Siキャ
    ップ層よりもバンドギャップの小さい半導体層により構
    成されるチャネル領域と、 第1導電型不純物を含むSiボディ領域とを有するpチ
    ャネル電界効果型トランジスタをさらに備え、 相補型電界効果トランジスタとして機能することを特徴
    とする半導体装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6のうちいずれか1つに記
    載の半導体装置において、 上記ボディ領域のうち上記バンドギャップの小さい領域
    を除く領域がシリコン層からなり、 上記バンドギャップの小さい領域がSiおよびCを含む
    半導体層により構成されていることを特徴とする半導体
    装置
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の半導体装置におい
    て、 上記チャネル領域は、シリコンにより構成されているこ
    とを特徴とする半導体装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の半導体装置におい
    て、 pチャネル電界効果型トランジスタとして動作すること
    を特徴とする半導体装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の半導体装置におい
    て、 上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲート
    電極と、 上記半導体基板内の上記ゲート電極の両側方に位置する
    領域に設けられ第1導電型不純物を含むソース・ドレイ
    ン領域と、 上記半導体基板内の上記ソース・ドレイン領域間に位置
    する領域に設けられたSiキャップ層と、 上記半導体基板内の上記Siキャップ層の下方に位置す
    る領域に設けられ、SiおよびCを含み上記Siキャッ
    プ層よりもバンドギャップの小さい半導体層により構成
    されるチャネル領域と、 第2導電型不純物を含むSiボディ領域とを有するnチ
    ャネル電界効果型トランジスタをさらに備え、 相補型電界効果トランジスタとして機能することを特徴
    とする半導体装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜6のうちいずれか1つに記
    載の半導体装置において、 上記ボディ領域のうち上記バンドギャップの小さい領域
    を除く領域がシリコン層からなり、 上記バンドギャップの小さい領域がSi,GeおよびC
    を含む半導体層により構成されていることを特徴とする
    半導体装置
  16. 【請求項16】 請求項15記載の半導体装置におい
    て、 上記チャネル領域は、シリコンにより構成されているこ
    とを特徴とする半導体装置。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の半導体装置におい
    て、 上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲート
    電極と、 上記半導体基板内の上記ゲート電極の両側方に位置する
    領域に設けられ第2導電型不純物を含むソース・ドレイ
    ン領域と、 上記半導体基板内の上記ソース・ドレイン領域間に位置
    する領域に設けられたSiチャネル領域と、 上記半導体基板内の上記Siチャネル領域の下方に位置
    する領域に設けられ、Si,Ge及びCを含み上記Si
    キャップ層よりもバンドギャップの小さい半導体層によ
    り構成されるチャネル領域と、 第1導電型不純物を含むSiボディ領域とを有する電界
    効果型トランジスタをさらに備え、 相補型電界効果トランジスタとして機能することを特徴
    とする半導体装置。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のうちいずれか1つに
    記載の半導体装置において、 上記ゲート電極と上記ボディ領域とが電気的に接続され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  19. 【請求項19】 半導体基板と、 上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲート
    電極と、 上記半導体基板内における上記ゲート電極の両側方に位
    置する領域に設けられ第1導電型不純物を含むソース・
    ドレイン領域と、 上記半導体基板内における上記ソース・ドレイン領域間
    に位置する領域に設けられたチャネル領域と、 上記半導体基板内における上記チャネル領域の下方に位
    置する領域に設けられ、上記チャネル領域よりもバンド
    ギャップの小さい領域を含むボディ領域とを備え、 上記半導体基板のうち上記ゲート電極の下方に位置する
    領域に生じる空乏層が上記バンドギャップの小さい領域
    まで延びている構造を有する半導体装置。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の半導体装置におい
    て、 上記ゲート電極と上記ボディ領域とが電気的に接続され
    ていることを特徴とする半導体装置。
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