JP2003031813A - 半導体装置 - Google Patents
半導体装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 しきい値電圧が小さく、かつ、短チャネル効
果抑制機能が確保された電界効果トランジスタを備えた
半導体装置を提供する。 【解決手段】 SiGe−nHMOSは、Si基板10
と、埋め込み酸化膜11と、半導体層30とを有してい
る。半導体層30は、下地Si膜12と、各々エピタキ
シャル成長されたSiバッファ膜13,SiGe膜1
4,トップSi膜15とから構成されている。また、高
濃度のp型不純物を含む第1,第2Siボディ領域2
2,23と、低濃度のp型不純物を含むSiGe層24
と、低濃度のp型不純物を含むSiチャネル層25とが
設けられている。SiGe層24の下方に、SiGe層
24よりもバンドギャップが大きく、かつ、より不純物
濃度が高いボディ領域を導入することにより、しきい値
電圧を小さく維持しつつ、動作範囲を拡大する。
果抑制機能が確保された電界効果トランジスタを備えた
半導体装置を提供する。 【解決手段】 SiGe−nHMOSは、Si基板10
と、埋め込み酸化膜11と、半導体層30とを有してい
る。半導体層30は、下地Si膜12と、各々エピタキ
シャル成長されたSiバッファ膜13,SiGe膜1
4,トップSi膜15とから構成されている。また、高
濃度のp型不純物を含む第1,第2Siボディ領域2
2,23と、低濃度のp型不純物を含むSiGe層24
と、低濃度のp型不純物を含むSiチャネル層25とが
設けられている。SiGe層24の下方に、SiGe層
24よりもバンドギャップが大きく、かつ、より不純物
濃度が高いボディ領域を導入することにより、しきい値
電圧を小さく維持しつつ、動作範囲を拡大する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界効果型トラン
ジスタである半導体装置に係り、特に、低いしきい値電
圧を維持しつつ、高い電流を得るための対策に関する。
ジスタである半導体装置に係り、特に、低いしきい値電
圧を維持しつつ、高い電流を得るための対策に関する。
【0002】
【従来の技術分野】従来より、電界効果型トランジスタ
の1つであるMISFETのゲート電極を構成する材料
として、ポリシリコンが広く使用されている。その場
合、pチャネル型MISトランジスタではp型のポリシ
リコンからなるゲート電極を、nチャネル型MISトラ
ンジスタでn型のポリシリコンからなるゲート電極をそ
れぞれ設ける必要がある。その場合、製造工程におい
て、ポリシリコン膜中にpチャネル型トランジスタのゲ
ート電極となるp型領域と、nチャネル型トランジスタ
のゲート電極となるn型領域とを形成する必要があるの
で、製造工程が煩雑になるという不具合がある。そこ
で、ゲート電極として、ミッドバンドギャップであるタ
ングステンからなるメタルゲートを用い、上述のような
製造工程上の不具合を回避しようとるする試みがなされ
ている。さらに、メタルゲートを用いることにより、ポ
リシリコンゲートにおいてしばしば問題となるゲート電
極の空乏化の抑制やゲート電極の抵抗値の低減を図るこ
ともできる。
の1つであるMISFETのゲート電極を構成する材料
として、ポリシリコンが広く使用されている。その場
合、pチャネル型MISトランジスタではp型のポリシ
リコンからなるゲート電極を、nチャネル型MISトラ
ンジスタでn型のポリシリコンからなるゲート電極をそ
れぞれ設ける必要がある。その場合、製造工程におい
て、ポリシリコン膜中にpチャネル型トランジスタのゲ
ート電極となるp型領域と、nチャネル型トランジスタ
のゲート電極となるn型領域とを形成する必要があるの
で、製造工程が煩雑になるという不具合がある。そこ
で、ゲート電極として、ミッドバンドギャップであるタ
ングステンからなるメタルゲートを用い、上述のような
製造工程上の不具合を回避しようとるする試みがなされ
ている。さらに、メタルゲートを用いることにより、ポ
リシリコンゲートにおいてしばしば問題となるゲート電
極の空乏化の抑制やゲート電極の抵抗値の低減を図るこ
ともできる。
【0003】一方、近年、電池駆動による電子機器例え
ば携帯情報端末装置(いわゆる携帯電話)の需要が急速
に増大しつつある。このような電子機器においては、電
池寿命を延ばすために、高速動作を犠牲にすることなく
電源電圧の低いトランジスタが要望されている。電界効
果型トランジスタにおいて、低電源電圧下で高速動作を
実現するためには、トランジスタのしきい値電圧を低下
させることが有効である。しかし、しきい値電圧が小さ
い電界効果型トランジスタにおいては、ゲートバイアス
オフ時のリーク電流が大きくなるため、電池寿命の延長
という目的に反する結果を招くおそれもある。
ば携帯情報端末装置(いわゆる携帯電話)の需要が急速
に増大しつつある。このような電子機器においては、電
池寿命を延ばすために、高速動作を犠牲にすることなく
電源電圧の低いトランジスタが要望されている。電界効
果型トランジスタにおいて、低電源電圧下で高速動作を
実現するためには、トランジスタのしきい値電圧を低下
させることが有効である。しかし、しきい値電圧が小さ
い電界効果型トランジスタにおいては、ゲートバイアス
オフ時のリーク電流が大きくなるため、電池寿命の延長
という目的に反する結果を招くおそれもある。
【0004】そこで、斯かる不具合を解消する1つの手
段として、DTMOS(Dynamic Threshold Voltage MO
SFET) (F. Assaderaghi et. al., “A Dynamic Thresho
ld Voltage MOSFET (DTMOS) for Ultra-Low Voltage Op
eration,” IEDM94 Ext. Abst. p.809)と呼ばれるデバ
イスが提案されている。つまり、DTMOSとは、“Dy
namic Threshold Voltage MOSFET”の略語であるが、本
明細書においては、ゲート絶縁膜がシリコン酸窒化膜,
シリコン窒化膜などの酸化膜以外の場合である“Dynami
c Threshold Voltage MISFET”をも、便宜上“DTMO
S”というものとする。
段として、DTMOS(Dynamic Threshold Voltage MO
SFET) (F. Assaderaghi et. al., “A Dynamic Thresho
ld Voltage MOSFET (DTMOS) for Ultra-Low Voltage Op
eration,” IEDM94 Ext. Abst. p.809)と呼ばれるデバ
イスが提案されている。つまり、DTMOSとは、“Dy
namic Threshold Voltage MOSFET”の略語であるが、本
明細書においては、ゲート絶縁膜がシリコン酸窒化膜,
シリコン窒化膜などの酸化膜以外の場合である“Dynami
c Threshold Voltage MISFET”をも、便宜上“DTMO
S”というものとする。
【0005】図1は、従来のSOI基板を利用したDT
MOSの構造を模式的に示す断面図である。また、図2
は従来のSOI基板を利用したDTMOSの構造を模式
的に示す平面図である。図1に示すように、従来のDT
MOSは、p型シリコン基板(p-Si Sub)101上に埋
め込み酸化膜層(Buried Oxide)102と基板活性領域
となる半導体層103とを有するSOI基板を用いて形
成されている。SOI基板のSi層103が図示しない
素子分離用絶縁膜によって、多数の素子領域に区画され
ており、各素子領域に電界効果型トランジスタ構造を有
するDTMOSが設けられている。
MOSの構造を模式的に示す断面図である。また、図2
は従来のSOI基板を利用したDTMOSの構造を模式
的に示す平面図である。図1に示すように、従来のDT
MOSは、p型シリコン基板(p-Si Sub)101上に埋
め込み酸化膜層(Buried Oxide)102と基板活性領域
となる半導体層103とを有するSOI基板を用いて形
成されている。SOI基板のSi層103が図示しない
素子分離用絶縁膜によって、多数の素子領域に区画され
ており、各素子領域に電界効果型トランジスタ構造を有
するDTMOSが設けられている。
【0006】従来のDTMOS(nチャネル型)は、基
板活性領域の上に設けられたゲート絶縁膜(SiO2 )
104と、n型不純物を含むゲート電極(poly−Si)1
05と、基板活性領域のうちゲートの両側方に位置する
領域に設けられたソース・ドレイン領域(n+ 層)10
6とを備えている。基板活性領域のうちソース・ドレイ
ン領域106を除く領域は、基板領域(p層)であり、
基板領域のうちソース・ドレイン領域106間に位置す
る部分の表面部が低濃度のp型不純物を含むチャネル領
域107となっている。また、基板領域のうちチャネル
領域107の下方や側方に位置するボディ領域108に
は、比較的高濃度のp型不純物が含まれている。
板活性領域の上に設けられたゲート絶縁膜(SiO2 )
104と、n型不純物を含むゲート電極(poly−Si)1
05と、基板活性領域のうちゲートの両側方に位置する
領域に設けられたソース・ドレイン領域(n+ 層)10
6とを備えている。基板活性領域のうちソース・ドレイ
ン領域106を除く領域は、基板領域(p層)であり、
基板領域のうちソース・ドレイン領域106間に位置す
る部分の表面部が低濃度のp型不純物を含むチャネル領
域107となっている。また、基板領域のうちチャネル
領域107の下方や側方に位置するボディ領域108に
は、比較的高濃度のp型不純物が含まれている。
【0007】DTMOSの特徴は、図2に示すように、
ゲート電極105とボディ領域108とが、導体部材で
あるコンタクト110により電気的に短絡するように接
続されている点である。このように、ゲート電極105
とボディ領域108とが短絡された状態で、ゲート電極
105にバイアス電圧が印加されると、ボディ領域10
8を介してチャネル領域107にゲートバイアス電圧と
同じ大きさの順方向バイアス電圧が印加されることにな
る。これにより、ゲートバイアスオフ時には通常のMO
Sトランジスタと同じ状態となり、また、ゲートバイア
スオン時には、ゲートバイアス電圧の増大に連動してボ
ディ領域108が順方向にバイアスされていくため(図
1に示すnチャネル型MOSトランジスタでは、チャネ
ル領域の伝導帯端のエネルギーレベルが低下する)、し
きい値電圧が低下していく。
ゲート電極105とボディ領域108とが、導体部材で
あるコンタクト110により電気的に短絡するように接
続されている点である。このように、ゲート電極105
とボディ領域108とが短絡された状態で、ゲート電極
105にバイアス電圧が印加されると、ボディ領域10
8を介してチャネル領域107にゲートバイアス電圧と
同じ大きさの順方向バイアス電圧が印加されることにな
る。これにより、ゲートバイアスオフ時には通常のMO
Sトランジスタと同じ状態となり、また、ゲートバイア
スオン時には、ゲートバイアス電圧の増大に連動してボ
ディ領域108が順方向にバイアスされていくため(図
1に示すnチャネル型MOSトランジスタでは、チャネ
ル領域の伝導帯端のエネルギーレベルが低下する)、し
きい値電圧が低下していく。
【0008】このようなDTMOSは、SOI基板に形
成された通常のMOSトランジスタ(ゲートとボディー
とが短絡されていないトランジスタ)と比較すると、ゲ
ートバイアスオフ時には、そのリーク電流が通常のトラ
ンジスタのリーク電流と同等となる。一方、ゲートバイ
アスオン時には、前述したようにしきい値が減少するの
で、ゲートオーバードライブ効果が増大し、駆動力が著
しく増大する。また、DTMOSでは、ゲート電極10
5とチャネル領域107との電位差がほとんどないた
め、基板表面での縦方向電界が通常のトランジスタに比
べて著しく小さくなる。その結果、縦方向電界の増大に
ともなうキャリアの移動度の劣化が抑制されるので、駆
動力が著しく増大する。
成された通常のMOSトランジスタ(ゲートとボディー
とが短絡されていないトランジスタ)と比較すると、ゲ
ートバイアスオフ時には、そのリーク電流が通常のトラ
ンジスタのリーク電流と同等となる。一方、ゲートバイ
アスオン時には、前述したようにしきい値が減少するの
で、ゲートオーバードライブ効果が増大し、駆動力が著
しく増大する。また、DTMOSでは、ゲート電極10
5とチャネル領域107との電位差がほとんどないた
め、基板表面での縦方向電界が通常のトランジスタに比
べて著しく小さくなる。その結果、縦方向電界の増大に
ともなうキャリアの移動度の劣化が抑制されるので、駆
動力が著しく増大する。
【0009】このように、nチャネル型のDTMOS
は、n型のゲート電極−p型のボディ(ベース)−n型
のソース領域(エミッタ)・ドレイン領域(コレクタ)
間に発生する横方向の寄生バイポーラトランジスタがオ
ンしてボディ電流が実用上問題となる程度に大きくなる
までの動作電圧範囲(例えば0.6V程度以下の範囲)
においては、低しきい値電圧つまり低電源電圧で高速動
作が可能なトランジスタとして機能することになる。
は、n型のゲート電極−p型のボディ(ベース)−n型
のソース領域(エミッタ)・ドレイン領域(コレクタ)
間に発生する横方向の寄生バイポーラトランジスタがオ
ンしてボディ電流が実用上問題となる程度に大きくなる
までの動作電圧範囲(例えば0.6V程度以下の範囲)
においては、低しきい値電圧つまり低電源電圧で高速動
作が可能なトランジスタとして機能することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電界効果型MISトランジスタにおいては、以下の
ような不具合があった。
来の電界効果型MISトランジスタにおいては、以下の
ような不具合があった。
【0011】上述のメタルゲート構造のゲート電極を有
するMISFETにおいては、ポリシリコンを用いたゲ
ート電極を有するMISFETに比べて、しきい値電圧
が高くなるという不具合が指摘されている。しきい値電
圧は、チャネル下方のボディ領域の濃度に強く依存する
ので、しきい値電圧を低減するためにはボディ領域の不
純物濃度(nMISFETにおいてはp型不純物)を低
くすることが有効である。しかし、ボディ領域の不純物
濃度を低くすると、パンチスルーが生じやすくなるな
ど、短チャネル効果の抑制が困難になるので、トランジ
スタの微細化が妨げられる。したがって、ボディ領域の
濃度を低くすることなくしきい値電圧を低減することが
必要である。
するMISFETにおいては、ポリシリコンを用いたゲ
ート電極を有するMISFETに比べて、しきい値電圧
が高くなるという不具合が指摘されている。しきい値電
圧は、チャネル下方のボディ領域の濃度に強く依存する
ので、しきい値電圧を低減するためにはボディ領域の不
純物濃度(nMISFETにおいてはp型不純物)を低
くすることが有効である。しかし、ボディ領域の不純物
濃度を低くすると、パンチスルーが生じやすくなるな
ど、短チャネル効果の抑制が困難になるので、トランジ
スタの微細化が妨げられる。したがって、ボディ領域の
濃度を低くすることなくしきい値電圧を低減することが
必要である。
【0012】一方、従来のDTMOSの場合、スタンバ
イ電流を抑制するためには、ゲートに印加する電圧は、
横方向の寄生バイポーラトランジスタがオンする電圧の
0.6V程度以下に制限する必要がある。これは、横方
向寄生バイポーラトランジスタのベース電流(DTMO
Sにおけるゲート−ボディ間に流れるゲート電流または
ボディ電流)がシリコンのビルトインポテンシャルによ
りほぼ決まるため、ゲートバイアス電圧Vg(ベース電
圧)が0.6V程度となるとゲート電流又はボディ電流
(ベース電流)が非常に大きくなるためである。
イ電流を抑制するためには、ゲートに印加する電圧は、
横方向の寄生バイポーラトランジスタがオンする電圧の
0.6V程度以下に制限する必要がある。これは、横方
向寄生バイポーラトランジスタのベース電流(DTMO
Sにおけるゲート−ボディ間に流れるゲート電流または
ボディ電流)がシリコンのビルトインポテンシャルによ
りほぼ決まるため、ゲートバイアス電圧Vg(ベース電
圧)が0.6V程度となるとゲート電流又はボディ電流
(ベース電流)が非常に大きくなるためである。
【0013】すなわち、従来のDTMOSにおいては動
作電圧範囲が小さいという問題点があった。
作電圧範囲が小さいという問題点があった。
【0014】また、従来のDTMOSにおいては、しき
い値電圧を低くする必要上、ボディの不純物濃度を高く
することができない。実際に、上記文献においては、ボ
ディのp型不純物の濃度が1.5〜3×1017cm-3程
度と記載されている。その結果、ボディの抵抗が非常に
高くなり、CR遅延がダイナミックな動作に支障を与
え、高速動作の妨げとなるという不具合があった。
い値電圧を低くする必要上、ボディの不純物濃度を高く
することができない。実際に、上記文献においては、ボ
ディのp型不純物の濃度が1.5〜3×1017cm-3程
度と記載されている。その結果、ボディの抵抗が非常に
高くなり、CR遅延がダイナミックな動作に支障を与
え、高速動作の妨げとなるという不具合があった。
【0015】この背景には、しきい値電圧Vtと基板バ
イアス係数(ボディ効果係数)γの間にあるトレードオ
フの関係が重要になってくる。基板バイアス係数γは、
下記式(1) γ=|ΔVt|/|ΔVbs| (1) のように定義されている。ここで、ΔVtはしきい値電
圧のシフト量、ΔVbsはボディ−ソース間電圧のシフト
量である。
イアス係数(ボディ効果係数)γの間にあるトレードオ
フの関係が重要になってくる。基板バイアス係数γは、
下記式(1) γ=|ΔVt|/|ΔVbs| (1) のように定義されている。ここで、ΔVtはしきい値電
圧のシフト量、ΔVbsはボディ−ソース間電圧のシフト
量である。
【0016】DTMOSにおいては、ボディ領域とゲー
ト電極とが互いに電気的に接続されているために、ゲー
ト電圧を高くしていくと、ボディ領域の電圧もそれに伴
って上昇する。ゲート電圧が電源電圧Vddのとき、式
(1)から下記式(2) ΔVth=γ・Vdd (2) が導かれる。
ト電極とが互いに電気的に接続されているために、ゲー
ト電圧を高くしていくと、ボディ領域の電圧もそれに伴
って上昇する。ゲート電圧が電源電圧Vddのとき、式
(1)から下記式(2) ΔVth=γ・Vdd (2) が導かれる。
【0017】従来のMISFETのゲートオーバードラ
イブ量は、(Vg−Vt)によって表される。ところ
が、DTMOSのゲートオーバードライブ量は、(Vg
−Vt−ΔVth=Vg−Vt−γVdd)になり、γVdd
だけゲートオーバードライブ量が大きくなる、言い換え
ると、DTMOSの電流駆動力は、基板バイアス係数γ
が大きいほど大きくなる。
イブ量は、(Vg−Vt)によって表される。ところ
が、DTMOSのゲートオーバードライブ量は、(Vg
−Vt−ΔVth=Vg−Vt−γVdd)になり、γVdd
だけゲートオーバードライブ量が大きくなる、言い換え
ると、DTMOSの電流駆動力は、基板バイアス係数γ
が大きいほど大きくなる。
【0018】つまり、基板バイアス係数γが高くなると
ゲートオーバードライブ効果が大きくなるため、基板バ
イアス係数γの大きなデバイスを設計することが必要に
なる。しかしながら、ボディ濃度を大きくすると、基板
バイアス係数γの値は大きなるが、しきい値電圧も高く
なる。このトレードオフの関係があるために、DTMO
Sのボディ領域の不純物濃度を高くすることに制限があ
る。
ゲートオーバードライブ効果が大きくなるため、基板バ
イアス係数γの大きなデバイスを設計することが必要に
なる。しかしながら、ボディ濃度を大きくすると、基板
バイアス係数γの値は大きなるが、しきい値電圧も高く
なる。このトレードオフの関係があるために、DTMO
Sのボディ領域の不純物濃度を高くすることに制限があ
る。
【0019】その結果、DTMOSの性能は、上述のよ
うな不具合を生じる。まず、ボディ領域の不純物濃度が
低いと、ボディ領域の電気抵抗が非常に高くなり、この
ボディ領域の電気抵抗による電圧降下のため、チャネル
領域にボディ領域の電位が十分伝えられず、CR遅延が
ダイナミックな動作に支障を与え、高速動作の妨げとな
るのである。
うな不具合を生じる。まず、ボディ領域の不純物濃度が
低いと、ボディ領域の電気抵抗が非常に高くなり、この
ボディ領域の電気抵抗による電圧降下のため、チャネル
領域にボディ領域の電位が十分伝えられず、CR遅延が
ダイナミックな動作に支障を与え、高速動作の妨げとな
るのである。
【0020】また、DTMOSにおいても、上記従来の
MISFETと同様に、ボディ領域の不純物濃度が低い
と、トランジスタの微細化による短チャネル効果の抑制
機能が劣化する不具合がある。
MISFETと同様に、ボディ領域の不純物濃度が低い
と、トランジスタの微細化による短チャネル効果の抑制
機能が劣化する不具合がある。
【0021】以上のように、従来のMISFETやDT
MOSでは、素子性能の向上や、集積度の向上に有効な
トランジスタの微細化(ゲート長の微細化)に限界があ
った。
MOSでは、素子性能の向上や、集積度の向上に有効な
トランジスタの微細化(ゲート長の微細化)に限界があ
った。
【0022】本発明の目的は、しきい値電圧を低く維持
しながらボディ領域の不純物濃度を高くする手段を講ず
ることにより、高い駆動力を有し、低電圧動作が可能
で、かつ微細化に適した半導体装置を提供することにあ
る。
しながらボディ領域の不純物濃度を高くする手段を講ず
ることにより、高い駆動力を有し、低電圧動作が可能
で、かつ微細化に適した半導体装置を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
半導体基板上に電界効果型トランジスタを設けてなる半
導体装置であって、上記電界効果型トランジスタは、上
記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電
極と、上記半導体基板内の上記ゲート電極の両側方に位
置する領域に設けられ第1導電型不純物を含むソース・
ドレイン領域と、上記半導体基板内の上記ソース・ドレ
イン領域間に位置する領域に設けられ、チャネル領域を
含む上部半導体層と、上記上部半導体層の下方に設けら
れ、上記上部半導体層の少なくとも一部よりバンドギャ
ップの大きい,かつ,より高濃度の第2導電型不純物を
含む高濃度ボディ領域とを備えている。
半導体基板上に電界効果型トランジスタを設けてなる半
導体装置であって、上記電界効果型トランジスタは、上
記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲート電
極と、上記半導体基板内の上記ゲート電極の両側方に位
置する領域に設けられ第1導電型不純物を含むソース・
ドレイン領域と、上記半導体基板内の上記ソース・ドレ
イン領域間に位置する領域に設けられ、チャネル領域を
含む上部半導体層と、上記上部半導体層の下方に設けら
れ、上記上部半導体層の少なくとも一部よりバンドギャ
ップの大きい,かつ,より高濃度の第2導電型不純物を
含む高濃度ボディ領域とを備えている。
【0024】これにより、上部半導体層中の少なくとも
一部は、高濃度ボディ領域よりもバンドギャップが小さ
いので、高濃度ボディ領域中の第2導電型キャリアが両
者の間に形成されるバンドオフセットの谷側に溜まる。
その結果、上部半導体層中の少なくとも一部において、
第1導電型キャリアが走行するバンドの第1導電型キャ
リアの走行に対するポテンシャルが低下する。その場
合、このバンドオフセットの谷側に溜まる第2導電型キ
ャリアの量が多いほど、第1導電型キャリアが走行する
バンドの第1導電型キャリアの走行に対するポテンシャ
ルの低下量が大きくなるので、高濃度ボディ領域におけ
る第2導電型不純物の濃度の上昇によるしきい値電圧の
上昇が、抑制されることになる。すなわち、ボディ領域
の不純物濃度を高くしても、しきい値電圧の上昇を抑制
しつつ、ボディ領域における抵抗値の低減による電流駆
動能力の向上や、パンチスルー防止機能の向上による耐
ショートチャネル特性の向上などを実現することができ
る。
一部は、高濃度ボディ領域よりもバンドギャップが小さ
いので、高濃度ボディ領域中の第2導電型キャリアが両
者の間に形成されるバンドオフセットの谷側に溜まる。
その結果、上部半導体層中の少なくとも一部において、
第1導電型キャリアが走行するバンドの第1導電型キャ
リアの走行に対するポテンシャルが低下する。その場
合、このバンドオフセットの谷側に溜まる第2導電型キ
ャリアの量が多いほど、第1導電型キャリアが走行する
バンドの第1導電型キャリアの走行に対するポテンシャ
ルの低下量が大きくなるので、高濃度ボディ領域におけ
る第2導電型不純物の濃度の上昇によるしきい値電圧の
上昇が、抑制されることになる。すなわち、ボディ領域
の不純物濃度を高くしても、しきい値電圧の上昇を抑制
しつつ、ボディ領域における抵抗値の低減による電流駆
動能力の向上や、パンチスルー防止機能の向上による耐
ショートチャネル特性の向上などを実現することができ
る。
【0025】上記ボディ領域に存在する不純物濃度の最
大値は、上記上部半導体層中の不純物濃度の最大値より
も5倍以上であることが好ましい。
大値は、上記上部半導体層中の不純物濃度の最大値より
も5倍以上であることが好ましい。
【0026】上記高濃度ボディ領域の上端が、上記上部
半導体層の上記少なくとも一部の下端から20nm以内
だけ下方に存在することにより、上述の効果を確実に発
揮しうることが確認されている。
半導体層の上記少なくとも一部の下端から20nm以内
だけ下方に存在することにより、上述の効果を確実に発
揮しうることが確認されている。
【0027】上記上部半導体層は、上記少なくとも一部
を構成する下層と、該下層よりもバンドギャップの大き
い上層とを含み、上記上層がチャネル領域として機能す
る構成とすることもできる。
を構成する下層と、該下層よりもバンドギャップの大き
い上層とを含み、上記上層がチャネル領域として機能す
る構成とすることもできる。
【0028】上記上部半導体層の上記少なくとも一部と
上記高濃度ボディ領域との間のヘテロ接合部には、上記
上部半導体層のキャリアが走行するバンドとは反対側の
バンドの方に、主となるバンドオフセットが形成されて
いる構成とすることにより、ヘテロ接合部のポテンシャ
ルの谷を形成するバンドとは反対側のバンドにおけるキ
ャリアの走行に対するポテンシャルが低下するので、し
きい値電圧が低下することになる。
上記高濃度ボディ領域との間のヘテロ接合部には、上記
上部半導体層のキャリアが走行するバンドとは反対側の
バンドの方に、主となるバンドオフセットが形成されて
いる構成とすることにより、ヘテロ接合部のポテンシャ
ルの谷を形成するバンドとは反対側のバンドにおけるキ
ャリアの走行に対するポテンシャルが低下するので、し
きい値電圧が低下することになる。
【0029】上記ゲート電極がポリシリコンまたは金属
により構成されていることが好ましい。
により構成されていることが好ましい。
【0030】上記半導体基板がSOI基板であることに
より、より高速動作が可能な電界効果型トランジスタが
得られる。
より、より高速動作が可能な電界効果型トランジスタが
得られる。
【0031】上記高濃度ボディ領域がシリコン層であ
り、上記上部半導体層の上記少なくとも一部が、シリコ
ンおよびゲルマニウムを含む半導体層により構成されて
いることにより、価電子帯に生じるバンドオフセットを
利用して、伝導帯のポテンシャルを低下させることがで
きる。
り、上記上部半導体層の上記少なくとも一部が、シリコ
ンおよびゲルマニウムを含む半導体層により構成されて
いることにより、価電子帯に生じるバンドオフセットを
利用して、伝導帯のポテンシャルを低下させることがで
きる。
【0032】上記上部半導体層は、上記少なくとも一部
と上記ゲート絶縁膜との間に介在するシリコン層をさら
に含んでいることにより、ゲート絶縁膜をシリコン層の
熱酸化して得られるシリコン酸化膜によって構成するこ
とができ、熱酸化膜の有する優れた特性を活かして高性
能の電界効果型トランジスタが得られる。
と上記ゲート絶縁膜との間に介在するシリコン層をさら
に含んでいることにより、ゲート絶縁膜をシリコン層の
熱酸化して得られるシリコン酸化膜によって構成するこ
とができ、熱酸化膜の有する優れた特性を活かして高性
能の電界効果型トランジスタが得られる。
【0033】上記電界効果型トランジスタは、nチャネ
ル電界効果型トランジスタとして動作させるのに適して
いる。そして、上記半導体基板上に設けられたもう1つ
のゲート絶縁膜及びもう1つのゲート電極と、上記半導
体基板内の上記もう1つのゲート電極の両側方に位置す
る領域に設けられ第1導電型不純物を含むもう1つのソ
ース・ドレイン領域と、上記半導体基板内の上記もう1
つのソース・ドレイン領域間に位置する領域に設けら
れ、チャネル領域を含むもう1つの上部半導体層と、上
記もう1つの上部半導体層の下方に設けられたボディ領
域とを有するpチャネル電界効果型トランジスタをさら
に設けることにより、相補型の電界効果型トランジスタ
を備えた半導体装置が得られる。
ル電界効果型トランジスタとして動作させるのに適して
いる。そして、上記半導体基板上に設けられたもう1つ
のゲート絶縁膜及びもう1つのゲート電極と、上記半導
体基板内の上記もう1つのゲート電極の両側方に位置す
る領域に設けられ第1導電型不純物を含むもう1つのソ
ース・ドレイン領域と、上記半導体基板内の上記もう1
つのソース・ドレイン領域間に位置する領域に設けら
れ、チャネル領域を含むもう1つの上部半導体層と、上
記もう1つの上部半導体層の下方に設けられたボディ領
域とを有するpチャネル電界効果型トランジスタをさら
に設けることにより、相補型の電界効果型トランジスタ
を備えた半導体装置が得られる。
【0034】特に、上記pチャネル電界効果型トランジ
スタの上記もう1つの上部半導体層が、上記nチャネル
電界効果型トランジスタの上記上部半導体層の下層と同
じ構成を有する半導体層からなる下層と、上記nチャネ
ル電界効果型トランジスタの上記上部半導体層の上層と
同じ構成を有する半導体層からなる上層とを含んでいる
ことにより、nチャネル電界効果型トランジスタとpチ
ャネル電界効果型トランジスタとを共通の膜構成を利用
して実現することができるので、低電圧で動作が可能
で、電流駆動力の高い,微細化された相補型の電界効果
トランジスタの量産化を図ることができる。
スタの上記もう1つの上部半導体層が、上記nチャネル
電界効果型トランジスタの上記上部半導体層の下層と同
じ構成を有する半導体層からなる下層と、上記nチャネ
ル電界効果型トランジスタの上記上部半導体層の上層と
同じ構成を有する半導体層からなる上層とを含んでいる
ことにより、nチャネル電界効果型トランジスタとpチ
ャネル電界効果型トランジスタとを共通の膜構成を利用
して実現することができるので、低電圧で動作が可能
で、電流駆動力の高い,微細化された相補型の電界効果
トランジスタの量産化を図ることができる。
【0035】上記上部半導体層の上記少なくとも一部
が、シリコン,ゲルマニウム及び炭素を含む半導体層に
より構成されていることにより、不純物の拡散抑制機能
が高められてより正確な不純物濃度プロファイルを有す
るとともに、ヘテロ接合部における価電子帯と伝導帯と
のバンドオフセットが所望の値に調整された電界効果型
トランジスタが得られる。
が、シリコン,ゲルマニウム及び炭素を含む半導体層に
より構成されていることにより、不純物の拡散抑制機能
が高められてより正確な不純物濃度プロファイルを有す
るとともに、ヘテロ接合部における価電子帯と伝導帯と
のバンドオフセットが所望の値に調整された電界効果型
トランジスタが得られる。
【0036】上記上部半導体層の上記少なくとも一部
が、シリコン及び炭素を含む半導体層により構成されて
いることにより、pチャネル電界効果型トランジスタに
適した構造となる。
が、シリコン及び炭素を含む半導体層により構成されて
いることにより、pチャネル電界効果型トランジスタに
適した構造となる。
【0037】上記上部半導体層は、上記少なくとも一部
と上記ゲート絶縁膜との間に介在するシリコン層をさら
に含んでいることが好ましい。
と上記ゲート絶縁膜との間に介在するシリコン層をさら
に含んでいることが好ましい。
【0038】上記電界効果型トランジスタは、pチャネ
ル電界効果型トランジスタとして動作する場合には、上
記半導体基板上に設けられたもう1つのゲート絶縁膜及
びもう1つのゲート電極と、上記半導体基板内の上記も
う1つのゲート電極の両側方に位置する領域に設けられ
第1導電型不純物を含むもう1つのソース・ドレイン領
域と、上記半導体基板内の上記もう1つのソース・ドレ
イン領域間に位置する領域に設けられ、チャネル領域を
含むもう1つの上部半導体層と、上記もう1つの上部半
導体層の下方に設けられたボディ領域とを有するnチャ
ネル電界効果型トランジスタをさらに備えることによ
り、相補型の電界効果型トランジスタを備えた半導体装
置が得られる。
ル電界効果型トランジスタとして動作する場合には、上
記半導体基板上に設けられたもう1つのゲート絶縁膜及
びもう1つのゲート電極と、上記半導体基板内の上記も
う1つのゲート電極の両側方に位置する領域に設けられ
第1導電型不純物を含むもう1つのソース・ドレイン領
域と、上記半導体基板内の上記もう1つのソース・ドレ
イン領域間に位置する領域に設けられ、チャネル領域を
含むもう1つの上部半導体層と、上記もう1つの上部半
導体層の下方に設けられたボディ領域とを有するnチャ
ネル電界効果型トランジスタをさらに備えることによ
り、相補型の電界効果型トランジスタを備えた半導体装
置が得られる。
【0039】上記nチャネル電界効果型トランジスタの
上記もう1つの上部半導体層は、上記pチャネル電界効
果型トランジスタの上記上部半導体層の下層と同じ構成
を有する半導体層からなる下層と、上記pチャネル電界
効果型トランジスタの上記上部半導体層の上層と同じ構
成を有する半導体層からなる上層とを含んでいることに
より、nチャネル電界効果型トランジスタとpチャネル
電界効果型トランジスタとを共通の膜構成を利用して実
現することができるので、低電圧で動作が可能で、電流
駆動力の高い,微細化された相補型の電界効果トランジ
スタの量産化を図ることができる。
上記もう1つの上部半導体層は、上記pチャネル電界効
果型トランジスタの上記上部半導体層の下層と同じ構成
を有する半導体層からなる下層と、上記pチャネル電界
効果型トランジスタの上記上部半導体層の上層と同じ構
成を有する半導体層からなる上層とを含んでいることに
より、nチャネル電界効果型トランジスタとpチャネル
電界効果型トランジスタとを共通の膜構成を利用して実
現することができるので、低電圧で動作が可能で、電流
駆動力の高い,微細化された相補型の電界効果トランジ
スタの量産化を図ることができる。
【0040】上記ゲート電極と上記高濃度ボディ領域と
は、互いに電気的に接続されていることにより、DTH
MOSとして機能する半導体装置が得られる。
は、互いに電気的に接続されていることにより、DTH
MOSとして機能する半導体装置が得られる。
【0041】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本実施形態に
おいては、Siチャネル層及びSiGe層からなる上部
半導体層の下方に、SiGe層よりもバンドギャップの
大きい、かつ、より高濃度の不純物を含む高濃度ボディ
領域を設けたnチャネル型ヘテロMOSFET(以下、
SiGe−nHMOSという)について説明する。
おいては、Siチャネル層及びSiGe層からなる上部
半導体層の下方に、SiGe層よりもバンドギャップの
大きい、かつ、より高濃度の不純物を含む高濃度ボディ
領域を設けたnチャネル型ヘテロMOSFET(以下、
SiGe−nHMOSという)について説明する。
【0042】図3は、本発明の第1の実施形態のSiG
e−nHMOSの構造を示す断面図である。図3に示す
ように、本実施形態のSiGe−nHMOSは、p型の
Si基板10と、Si基板に酸素イオンを注入するなど
の方法により形成された厚み約100nmの埋め込み酸
化膜11と、埋め込み酸化膜11の上に設けられた厚み
約85nmの半導体層30とを有している。半導体層3
0は、SOI基板の上部を構成する下地Si膜12と、
下地Si膜12の上にUHV−CVD法によりエピタキ
シャル成長された厚み約10nmのSiバッファ膜13
と、Siバッファ膜13の上にUHV−CVD法により
エピタキシャル成長された厚み約15nmのSiGe膜
14と、SiGe膜14の上にUHV−CVD法により
エピタキシャル成長された厚み約5nmのトップSi膜
15とから構成されている。下地Si膜12には、Si
バッファ膜13やSiGe膜14のエピタキシャル成長
前に、予めイオン注入により濃度が1×1019cm-3程
度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープされてい
る。Siバッファ膜13には、in-situ ドーピングによ
り濃度1×1019cm-3程度の高濃度のp型不純物(B
など)がドープされている。SiGe膜14及びトップ
Si膜15には、1×1017cm-3程度の濃度のp型不
純物が含まれている。SiGe膜14及びトップSi膜
15はアンドープ層であるが、Siバッファ膜13など
からの不純物の拡散によってこの程度の不純物濃度を有
することになる。ただし、キャリア移動度の向上のため
には、トップSi膜15にはできるだけ不純物が含まれ
ていないことが好ましい。SiGe膜14のGe含有率
は30%であり、このとき、SiGeのバンドギャップ
は、Siに比べて、225meV程度小さくなる。ただ
し、このバンドギャップ差は、主として価電子帯端にお
けるバンドオフセット量となって現れ、伝導帯端におけ
るバンドオフセット量は小さい。
e−nHMOSの構造を示す断面図である。図3に示す
ように、本実施形態のSiGe−nHMOSは、p型の
Si基板10と、Si基板に酸素イオンを注入するなど
の方法により形成された厚み約100nmの埋め込み酸
化膜11と、埋め込み酸化膜11の上に設けられた厚み
約85nmの半導体層30とを有している。半導体層3
0は、SOI基板の上部を構成する下地Si膜12と、
下地Si膜12の上にUHV−CVD法によりエピタキ
シャル成長された厚み約10nmのSiバッファ膜13
と、Siバッファ膜13の上にUHV−CVD法により
エピタキシャル成長された厚み約15nmのSiGe膜
14と、SiGe膜14の上にUHV−CVD法により
エピタキシャル成長された厚み約5nmのトップSi膜
15とから構成されている。下地Si膜12には、Si
バッファ膜13やSiGe膜14のエピタキシャル成長
前に、予めイオン注入により濃度が1×1019cm-3程
度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープされてい
る。Siバッファ膜13には、in-situ ドーピングによ
り濃度1×1019cm-3程度の高濃度のp型不純物(B
など)がドープされている。SiGe膜14及びトップ
Si膜15には、1×1017cm-3程度の濃度のp型不
純物が含まれている。SiGe膜14及びトップSi膜
15はアンドープ層であるが、Siバッファ膜13など
からの不純物の拡散によってこの程度の不純物濃度を有
することになる。ただし、キャリア移動度の向上のため
には、トップSi膜15にはできるだけ不純物が含まれ
ていないことが好ましい。SiGe膜14のGe含有率
は30%であり、このとき、SiGeのバンドギャップ
は、Siに比べて、225meV程度小さくなる。ただ
し、このバンドギャップ差は、主として価電子帯端にお
けるバンドオフセット量となって現れ、伝導帯端におけ
るバンドオフセット量は小さい。
【0043】さらに、SiGe−nHMOSは、トップ
Si膜15を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜から
なるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上に設け
られたn+ ポリシリコンからなるゲート電極17とを備
えている。そして、半導体層30,つまり下地Si膜1
2,Siバッファ膜13,SiGe膜14及びトップS
i膜15のうちゲート電極17の両側方に位置する領域
には高濃度のn型不純物を含むソース領域20a及びド
レイン領域20bが設けられている。また、下地Si膜
12のうちソース領域20aとドレイン領域20bとの
間の領域は高濃度のp型不純物を含む第1Siボディ領
域22となっており、Siバッファ膜13のうち第1S
iボディ領域22の直上に位置する領域は、高濃度のp
型不純物を含む第2Siボディ領域23となっている。
そして、SiGe膜14のうちソース領域20aとドレ
イン領域20bとの間の領域は、SiGe層24となっ
ており、トップSi膜15のうちゲート絶縁膜16の直
下に位置する領域は低濃度のp型不純物を含むSiチャ
ネル領域25となっている。
Si膜15を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜から
なるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上に設け
られたn+ ポリシリコンからなるゲート電極17とを備
えている。そして、半導体層30,つまり下地Si膜1
2,Siバッファ膜13,SiGe膜14及びトップS
i膜15のうちゲート電極17の両側方に位置する領域
には高濃度のn型不純物を含むソース領域20a及びド
レイン領域20bが設けられている。また、下地Si膜
12のうちソース領域20aとドレイン領域20bとの
間の領域は高濃度のp型不純物を含む第1Siボディ領
域22となっており、Siバッファ膜13のうち第1S
iボディ領域22の直上に位置する領域は、高濃度のp
型不純物を含む第2Siボディ領域23となっている。
そして、SiGe膜14のうちソース領域20aとドレ
イン領域20bとの間の領域は、SiGe層24となっ
ており、トップSi膜15のうちゲート絶縁膜16の直
下に位置する領域は低濃度のp型不純物を含むSiチャ
ネル領域25となっている。
【0044】本実施形態では、Siチャネル領域25と
SiGe層24とにより、上部半導体層が構成されてい
る。この上部半導体層は、Siチャネル領域を有してお
らずにSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合
には、SiGe層が電子の走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第1,第2Si領域2
2,23により、高濃度ボディ領域が構成されていて、
高濃度ボディ領域のバンドギャップが、上部半導体層の
少なくとも一部であるSiGe層24のバンドギャップ
よりも大きい構造となっている。
SiGe層24とにより、上部半導体層が構成されてい
る。この上部半導体層は、Siチャネル領域を有してお
らずにSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合
には、SiGe層が電子の走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第1,第2Si領域2
2,23により、高濃度ボディ領域が構成されていて、
高濃度ボディ領域のバンドギャップが、上部半導体層の
少なくとも一部であるSiGe層24のバンドギャップ
よりも大きい構造となっている。
【0045】なお、ゲート電極17の側面上には、シリ
コン酸化膜からなるサイドウォール27が設けられてい
る。
コン酸化膜からなるサイドウォール27が設けられてい
る。
【0046】図4は、SiGe−nHMOSのVg−I
d特性のボディ濃度依存性を示す図である。ここで、ボ
ディ濃度とは、SiGe層24よりも下方のボディ領域
(つまり、第1Siボディ領域22及び第2Siボディ
領域23)の不純物濃度を意味する。図5は、SiGe
膜の代わりにSi膜を用いた従来のnMOS(以下、S
i−nMOSという)のVg−Id特性のボディ濃度依
存性を示す図である。ここでは、SiGe−nHMO
S,Si−nMOSのSiGe層,Siボディ領域を除
く他の要素の寸法や不純物濃度は共通化されている。
d特性のボディ濃度依存性を示す図である。ここで、ボ
ディ濃度とは、SiGe層24よりも下方のボディ領域
(つまり、第1Siボディ領域22及び第2Siボディ
領域23)の不純物濃度を意味する。図5は、SiGe
膜の代わりにSi膜を用いた従来のnMOS(以下、S
i−nMOSという)のVg−Id特性のボディ濃度依
存性を示す図である。ここでは、SiGe−nHMO
S,Si−nMOSのSiGe層,Siボディ領域を除
く他の要素の寸法や不純物濃度は共通化されている。
【0047】図4,図5を比較するとわかるように、ボ
ディ濃度5×1018cm-3のときのVg−Id特性から
ボディ濃度1×1019cm-3のときのVg−Id特性へ
の変化を比較すると、SiGe−nHMOSの方がSi
−nMOSよりもVg−Id特性の変化(しきい値電圧
の変化)が小さい。すなわち、SiGe−nHMOSに
おいては、Si−nMOSに比べて高濃度側でしきい値
電圧の変化が小さいことがわかる。つまり、ボディ濃度
が高いのに、しきい値電圧の上昇が抑制されているとい
える。
ディ濃度5×1018cm-3のときのVg−Id特性から
ボディ濃度1×1019cm-3のときのVg−Id特性へ
の変化を比較すると、SiGe−nHMOSの方がSi
−nMOSよりもVg−Id特性の変化(しきい値電圧
の変化)が小さい。すなわち、SiGe−nHMOSに
おいては、Si−nMOSに比べて高濃度側でしきい値
電圧の変化が小さいことがわかる。つまり、ボディ濃度
が高いのに、しきい値電圧の上昇が抑制されているとい
える。
【0048】また、しきい値電圧Vtは、ゲート長Lg
が0.5μmで、ゲート幅Wgが1μmのときに、ドレ
イン電流値100nAを与えるゲート電圧Vgとして定
義される。したがって、本実施形態及び後述の各実施形
態においては、作成したサンプルのゲート長Lgを0.
5μmとし、ゲート幅Wgを1μmとしているので、ド
レイン電流値0.1nA(1×10-7A)を与えるゲー
ト電圧がしきい値電圧Vtとなる。ただし、図4,図5
における■印のデータの場合、Vg−Id特性のうち飽
和状態に達するまでの領域からしきい値電圧の相違を判
断する方が適切である。そして、図4における■印のデ
ータと図5における■印のデータとを比較すると、Si
Ge−nHMOSのしきい値電圧はSi−nMOSのし
きい値電圧よりも約0.1Vだけ低いことがわかる。
が0.5μmで、ゲート幅Wgが1μmのときに、ドレ
イン電流値100nAを与えるゲート電圧Vgとして定
義される。したがって、本実施形態及び後述の各実施形
態においては、作成したサンプルのゲート長Lgを0.
5μmとし、ゲート幅Wgを1μmとしているので、ド
レイン電流値0.1nA(1×10-7A)を与えるゲー
ト電圧がしきい値電圧Vtとなる。ただし、図4,図5
における■印のデータの場合、Vg−Id特性のうち飽
和状態に達するまでの領域からしきい値電圧の相違を判
断する方が適切である。そして、図4における■印のデ
ータと図5における■印のデータとを比較すると、Si
Ge−nHMOSのしきい値電圧はSi−nMOSのし
きい値電圧よりも約0.1Vだけ低いことがわかる。
【0049】次に、図6(a)〜(c)は、それぞれ順
に、ボディ濃度が1×1019cm-3のときの不純物濃度
プロファイルを示す図,ビルトインポテンシャルを示す
エネルギーバンド図及びキャリア濃度の分布状態を示す
図である。図7(a)〜(c)は、それぞれ順に、ボデ
ィ濃度が5×1018cm-3のときの不純物濃度プロファ
イルを示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギ
ーバンド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図であ
る。図8(a)〜(c)は、それぞれ順に、ボディ濃度
が2×1018cm-3のときの不純物濃度プロファイルを
示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバン
ド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
に、ボディ濃度が1×1019cm-3のときの不純物濃度
プロファイルを示す図,ビルトインポテンシャルを示す
エネルギーバンド図及びキャリア濃度の分布状態を示す
図である。図7(a)〜(c)は、それぞれ順に、ボデ
ィ濃度が5×1018cm-3のときの不純物濃度プロファ
イルを示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギ
ーバンド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図であ
る。図8(a)〜(c)は、それぞれ順に、ボディ濃度
が2×1018cm-3のときの不純物濃度プロファイルを
示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバン
ド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
【0050】ここで、図6(b),図7(b),図8
(b)を比べるとわかるように、SiGe−nHMOS
のSiGe層付近における伝導帯端のポテンシャルが、
Si−nMOSの対応するSi層の伝導帯端のポテンシ
ャルよりも低くなっている。しかも、両者の差が、ボデ
ィ濃度が高濃度になるほど大きくなっていることがわか
る。つまり、図6(c),図7(c),図8(c)に示
すように、SiGe−nHMOSにおいては、高濃度ボ
ディ領域(第1,第2Siボディ領域22,23)に存
在する正孔が第2Siボディ領域23とSiGe層24
との間に形成されるヘテロ接合部の界面付近(ヘテロ障
壁の谷側)に溜まるため、チャネル領域の伝導帯端のポ
テンシャルがSi−nMOSの場合に比べ低下するもの
と考えられる。
(b)を比べるとわかるように、SiGe−nHMOS
のSiGe層付近における伝導帯端のポテンシャルが、
Si−nMOSの対応するSi層の伝導帯端のポテンシ
ャルよりも低くなっている。しかも、両者の差が、ボデ
ィ濃度が高濃度になるほど大きくなっていることがわか
る。つまり、図6(c),図7(c),図8(c)に示
すように、SiGe−nHMOSにおいては、高濃度ボ
ディ領域(第1,第2Siボディ領域22,23)に存
在する正孔が第2Siボディ領域23とSiGe層24
との間に形成されるヘテロ接合部の界面付近(ヘテロ障
壁の谷側)に溜まるため、チャネル領域の伝導帯端のポ
テンシャルがSi−nMOSの場合に比べ低下するもの
と考えられる。
【0051】したがって、図4〜図8を総合的にみる
と、SiGe層24のヘテロ接合部の界面付近に多くの
正孔が溜まるほど、しきい値電圧の上昇を効果的に抑制
することができることになる。
と、SiGe層24のヘテロ接合部の界面付近に多くの
正孔が溜まるほど、しきい値電圧の上昇を効果的に抑制
することができることになる。
【0052】次に、図9は、ボディ濃度が1×1018c
m-3のときのSiチャネル層,SiGe層及び第1,第
2Siボディ領域を通過する断面における不純物濃度プ
ロファイル及び縦方向の電界強度を示す図である。図1
0は、ボディ濃度が1×10 19cm-3のときの不純物濃
度プロファイル及び縦方向の電界強度を示す図である。
m-3のときのSiチャネル層,SiGe層及び第1,第
2Siボディ領域を通過する断面における不純物濃度プ
ロファイル及び縦方向の電界強度を示す図である。図1
0は、ボディ濃度が1×10 19cm-3のときの不純物濃
度プロファイル及び縦方向の電界強度を示す図である。
【0053】図9及び図10からわかるように、ボディ
濃度が高くなると(図10参照)、SiGe−nHMO
Sにおけるチャネルでの縦方向の電界強度がSi−nM
OSのチャネルでの電界強度より約15%程度減少して
いる。このため、SiGe−nHMOSでは、キャリア
移動度の向上が見込まれ、同じボディ濃度で比較する
と、Si−nMOSよりも高速動作が可能である。
濃度が高くなると(図10参照)、SiGe−nHMO
Sにおけるチャネルでの縦方向の電界強度がSi−nM
OSのチャネルでの電界強度より約15%程度減少して
いる。このため、SiGe−nHMOSでは、キャリア
移動度の向上が見込まれ、同じボディ濃度で比較する
と、Si−nMOSよりも高速動作が可能である。
【0054】以上のように、本実施形態のSiGe−n
HMOSによると、ボディ領域の一部にバンドギャップ
の小さいSiGe層を用い、ヘテロ接合界面に正孔を溜
めることにより、ボディ濃度を高くしつつ、しきい値電
圧の上昇を抑制することができる。しかも、ボディ濃度
を高くすることで、パンチスルーを生じにくするなどシ
ョートチャネル効果の抑制にも有効であり、CR遅延に
よる高速動作の妨げも解消することができる。
HMOSによると、ボディ領域の一部にバンドギャップ
の小さいSiGe層を用い、ヘテロ接合界面に正孔を溜
めることにより、ボディ濃度を高くしつつ、しきい値電
圧の上昇を抑制することができる。しかも、ボディ濃度
を高くすることで、パンチスルーを生じにくするなどシ
ョートチャネル効果の抑制にも有効であり、CR遅延に
よる高速動作の妨げも解消することができる。
【0055】なお、本実施形態においては、SiGe−
nHMOSをSOI基板上に形成した例について説明し
たが、SOI基板を用いずに、バルクのSi基板を用い
た場合にも、本実施形態と同様の効果が得られることは
言うまでもない。
nHMOSをSOI基板上に形成した例について説明し
たが、SOI基板を用いずに、バルクのSi基板を用い
た場合にも、本実施形態と同様の効果が得られることは
言うまでもない。
【0056】(第2の実施形態)本実施形態において
は、Siチャネル層及びSiGe層からなる上部半導体
層の下方に、SiGe層よりもバンドギャップの大き
い、かつ、より高濃度の不純物を含む高濃度ボディ領域
を設けるとともに、ゲート電極と高濃度ボディ領域とを
短絡させたnチャネル型DTMOSFET(以下、Si
Ge−nHDTMOSという)について説明する。
は、Siチャネル層及びSiGe層からなる上部半導体
層の下方に、SiGe層よりもバンドギャップの大き
い、かつ、より高濃度の不純物を含む高濃度ボディ領域
を設けるとともに、ゲート電極と高濃度ボディ領域とを
短絡させたnチャネル型DTMOSFET(以下、Si
Ge−nHDTMOSという)について説明する。
【0057】図11(a),(b),(c)は、それぞ
れ順に、本実施形態のHDTMOSの構造を示す平面
図、図11(a)のXIb−XIb線における断面図、図11
(a)のXIc−XIc線における断面図である。また、図1
2は、本実施形態のHDTMOSの構造をさらに詳細に
示す断面図である。
れ順に、本実施形態のHDTMOSの構造を示す平面
図、図11(a)のXIb−XIb線における断面図、図11
(a)のXIc−XIc線における断面図である。また、図1
2は、本実施形態のHDTMOSの構造をさらに詳細に
示す断面図である。
【0058】図11(a)〜(c)及び図12に示すよ
うに、本実施形態のSiGe−nHDTMOSは、p型
のSi基板10と、Si基板に酸素イオンを注入するな
どの方法により形成された厚み約100nmの埋め込み
酸化膜11と、埋め込み酸化膜11の上に設けられた厚
み約85nmの半導体層30とを有している。半導体層
30は、SOI基板の上部を構成する下地Si膜12
と、下地Si膜12の上にUHV−CVD法によりエピ
タキシャル成長された厚み約10nmのSiバッファ膜
13と、Siバッファ膜13の上にUHV−CVD法に
よりエピタキシャル成長された厚み約15nmのSiG
e膜14と、SiGe膜14の上にUHV−CVD法に
よりエピタキシャル成長された厚み約5nmのトップS
i膜15とから構成されている。下地Si膜12には、
Siバッファ膜13やSiGe膜14のエピタキシャル
成長前に、予めイオン注入により濃度が1×1019cm
-3程度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープされて
いる。Siバッファ膜13には、in-situ ドーピングに
より濃度1×1019cm-3程度の高濃度のp型不純物
(Bなど)がドープされている。SiGe膜14及びト
ップSi膜15には、濃度が1×1017cm-3程度のp
型不純物が含まれている。SiGe膜14やトップSi
膜15はアンドープ層であるが、Siバッファ膜13や
下地Si膜12からの不純物の拡散によってこの程度の
不純物濃度を有することになる。ただし、キャリア移動
度の向上のためには、トップSi膜15にはできるだけ
不純物が含まれていないことが好ましい。SiGe膜1
4のGe含有率は30%であり、このとき、SiGeの
バンドギャップは、Siに比べて、225meV程度小
さくなる。
うに、本実施形態のSiGe−nHDTMOSは、p型
のSi基板10と、Si基板に酸素イオンを注入するな
どの方法により形成された厚み約100nmの埋め込み
酸化膜11と、埋め込み酸化膜11の上に設けられた厚
み約85nmの半導体層30とを有している。半導体層
30は、SOI基板の上部を構成する下地Si膜12
と、下地Si膜12の上にUHV−CVD法によりエピ
タキシャル成長された厚み約10nmのSiバッファ膜
13と、Siバッファ膜13の上にUHV−CVD法に
よりエピタキシャル成長された厚み約15nmのSiG
e膜14と、SiGe膜14の上にUHV−CVD法に
よりエピタキシャル成長された厚み約5nmのトップS
i膜15とから構成されている。下地Si膜12には、
Siバッファ膜13やSiGe膜14のエピタキシャル
成長前に、予めイオン注入により濃度が1×1019cm
-3程度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープされて
いる。Siバッファ膜13には、in-situ ドーピングに
より濃度1×1019cm-3程度の高濃度のp型不純物
(Bなど)がドープされている。SiGe膜14及びト
ップSi膜15には、濃度が1×1017cm-3程度のp
型不純物が含まれている。SiGe膜14やトップSi
膜15はアンドープ層であるが、Siバッファ膜13や
下地Si膜12からの不純物の拡散によってこの程度の
不純物濃度を有することになる。ただし、キャリア移動
度の向上のためには、トップSi膜15にはできるだけ
不純物が含まれていないことが好ましい。SiGe膜1
4のGe含有率は30%であり、このとき、SiGeの
バンドギャップは、Siに比べて、225meV程度小
さくなる。
【0059】さらに、SiGe−nHDTMOSは、ト
ップSi膜15を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜
からなるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上に
設けられたn+ ポリシリコンからなるゲート電極17と
を備えている。そして、半導体層30,つまり下地Si
膜12,Siバッファ膜13,SiGe膜14及びトッ
プSi膜15のうちゲート電極17の両側方に位置する
領域には高濃度のn型不純物を含むソース領域20a及
びドレイン領域20bが設けられている。また、下地S
i膜12のうちソース領域20aとドレイン領域20b
との間の領域は高濃度のp型不純物を含む第1Siボデ
ィ領域22となっており、Siバッファ膜13のうち第
1Siボディ領域22の直上に位置する領域は、高濃度
のp型不純物を含む第2Siボディ領域23となってい
る。そして、SiGe膜14のうちソース領域20aと
ドレイン領域20bとの間の領域は、SiGe層24と
なっており、トップSi膜15のうちゲート絶縁膜16
の直下に位置する領域は低濃度のp型不純物を含むSi
チャネル領域25となっている。
ップSi膜15を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜
からなるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上に
設けられたn+ ポリシリコンからなるゲート電極17と
を備えている。そして、半導体層30,つまり下地Si
膜12,Siバッファ膜13,SiGe膜14及びトッ
プSi膜15のうちゲート電極17の両側方に位置する
領域には高濃度のn型不純物を含むソース領域20a及
びドレイン領域20bが設けられている。また、下地S
i膜12のうちソース領域20aとドレイン領域20b
との間の領域は高濃度のp型不純物を含む第1Siボデ
ィ領域22となっており、Siバッファ膜13のうち第
1Siボディ領域22の直上に位置する領域は、高濃度
のp型不純物を含む第2Siボディ領域23となってい
る。そして、SiGe膜14のうちソース領域20aと
ドレイン領域20bとの間の領域は、SiGe層24と
なっており、トップSi膜15のうちゲート絶縁膜16
の直下に位置する領域は低濃度のp型不純物を含むSi
チャネル領域25となっている。
【0060】本実施形態では、Siチャネル領域25と
SiGe層24とにより、上部半導体層が構成されてい
る。この上部半導体層は、Siチャネル領域を有してお
らずにSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合
には、SiGe層が電子の走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第1,第2Si領域2
2,23により、高濃度ボディ領域が構成されていて、
高濃度ボディ領域のバンドギャップが、上部半導体層の
少なくとも一部であるSiGe層24のバンドギャップ
よりも大きい構造となっている。
SiGe層24とにより、上部半導体層が構成されてい
る。この上部半導体層は、Siチャネル領域を有してお
らずにSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合
には、SiGe層が電子の走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第1,第2Si領域2
2,23により、高濃度ボディ領域が構成されていて、
高濃度ボディ領域のバンドギャップが、上部半導体層の
少なくとも一部であるSiGe層24のバンドギャップ
よりも大きい構造となっている。
【0061】なお、ゲート電極17の側面上には、シリ
コン酸化膜からなるサイドウォール27が設けられてい
る。
コン酸化膜からなるサイドウォール27が設けられてい
る。
【0062】ここで、第2の実施形態においては、第1
の実施形態とは異なり、ゲート電極25とボディ領域
(第1,第2Siボディ領域22,23)とがゲートコ
ンタクト26により接続され、いわゆるDTMOS構造
となっている(図11(c)参照)。
の実施形態とは異なり、ゲート電極25とボディ領域
(第1,第2Siボディ領域22,23)とがゲートコ
ンタクト26により接続され、いわゆるDTMOS構造
となっている(図11(c)参照)。
【0063】図13は、第2の実施形態のSiGe−n
HDTMOSのVg−Id特性のボディ濃度依存性を示
す図である。図14は、SiGe膜の代わりにSi膜を
用いた従来のnDTMOS(以下、Si−nDTMOS
という)のVg−Id特性のボディ濃度依存性を示す図
である。ここでは、SiGe−nHDTMOS,Si−
nDTMOSのSiGe層,Siボディ領域を除く他の
要素の寸法や不純物濃度は共通化されている。
HDTMOSのVg−Id特性のボディ濃度依存性を示
す図である。図14は、SiGe膜の代わりにSi膜を
用いた従来のnDTMOS(以下、Si−nDTMOS
という)のVg−Id特性のボディ濃度依存性を示す図
である。ここでは、SiGe−nHDTMOS,Si−
nDTMOSのSiGe層,Siボディ領域を除く他の
要素の寸法や不純物濃度は共通化されている。
【0064】図13,図14からわかるように、ボディ
濃度を1×1018cm-3から1×1019cm-3に高めた
とき、SiGe−nHDTMOSのしきい値電圧は約
0.03Vしか上昇しないのに対して、Si−nDTM
OSのしきい値電圧は約0.1V上昇していることがわ
かる。これにより、本実施形態のSiGe−nHDTM
OSにおいては、ボディ濃度が高くなってもしきい値電
圧の上昇が抑制されているといえる。この効果は、第1
の実施形態と同様のメカニズムにより発生すると考えら
れる。つまり、ボディ領域の一部にバンドギャップの小
さいSiGe層を用いることにより、ヘテロ接合界面に
正孔が溜まり、その結果、ヘテロ接合部付近の伝導帯の
ポテンシャルが低下していると考えられる。
濃度を1×1018cm-3から1×1019cm-3に高めた
とき、SiGe−nHDTMOSのしきい値電圧は約
0.03Vしか上昇しないのに対して、Si−nDTM
OSのしきい値電圧は約0.1V上昇していることがわ
かる。これにより、本実施形態のSiGe−nHDTM
OSにおいては、ボディ濃度が高くなってもしきい値電
圧の上昇が抑制されているといえる。この効果は、第1
の実施形態と同様のメカニズムにより発生すると考えら
れる。つまり、ボディ領域の一部にバンドギャップの小
さいSiGe層を用いることにより、ヘテロ接合界面に
正孔が溜まり、その結果、ヘテロ接合部付近の伝導帯の
ポテンシャルが低下していると考えられる。
【0065】図15は、本実施形態のゲート電極に代え
て、ミッドギャップの材料であるタングステンからなる
ゲート電極を用いたSiGe−nHDTMOSのVg−
Id特性のボディ濃度依存性を示す図である。図16
は、タングステンからなるゲート電極を用いたSi−n
DTMOSのVg−Id特性のボディ濃度依存性を示す
図である。この場合にも、本実施形態のSiGe−nH
DTMOSにより、しきい値電圧の上昇を抑制できるこ
とがわかる。本実施形態のSiGe−nHDTMOSに
よると、ゲート電極にミッドギャップの材料を用いても
しきい値電圧の上昇を抑制できるため、ゲート電極にポ
リシリコンを用いた時問題であるゲート電極の空乏化、
ゲート電極の抵抗やプロセス上の不具合を回避しつつ、
駆動力の高いトランジスタを得ることができる。
て、ミッドギャップの材料であるタングステンからなる
ゲート電極を用いたSiGe−nHDTMOSのVg−
Id特性のボディ濃度依存性を示す図である。図16
は、タングステンからなるゲート電極を用いたSi−n
DTMOSのVg−Id特性のボディ濃度依存性を示す
図である。この場合にも、本実施形態のSiGe−nH
DTMOSにより、しきい値電圧の上昇を抑制できるこ
とがわかる。本実施形態のSiGe−nHDTMOSに
よると、ゲート電極にミッドギャップの材料を用いても
しきい値電圧の上昇を抑制できるため、ゲート電極にポ
リシリコンを用いた時問題であるゲート電極の空乏化、
ゲート電極の抵抗やプロセス上の不具合を回避しつつ、
駆動力の高いトランジスタを得ることができる。
【0066】以上のように、本実施形態のSiGe−n
HDTMOSによると、ボディ領域の一部にバンドギャ
ップの小さいSiGe層を用い、ヘテロ接合界面に正孔
を溜めることにより、他の特性を犠牲にすることなくし
きい値電圧の上昇を抑制でき、ボディ濃度を高めること
ができるので、CR遅延による高速動作の妨げを解消し
うるデバイスを提供することができる。
HDTMOSによると、ボディ領域の一部にバンドギャ
ップの小さいSiGe層を用い、ヘテロ接合界面に正孔
を溜めることにより、他の特性を犠牲にすることなくし
きい値電圧の上昇を抑制でき、ボディ濃度を高めること
ができるので、CR遅延による高速動作の妨げを解消し
うるデバイスを提供することができる。
【0067】なお、本実施形態では、SOI基板を用い
たHDTMOSを例にとって説明したが、SOI基板を
用いず、バルクのSi基板を用いた場合にも同様の効果
が得られることは言うまでもない。
たHDTMOSを例にとって説明したが、SOI基板を
用いず、バルクのSi基板を用いた場合にも同様の効果
が得られることは言うまでもない。
【0068】(第3の実施形態)本実施形態において
は、Siチャネル層及びSiGe層からなる上部半導体
層の下方に、SiGe層よりもバンドギャップの大き
い、かつ、より高濃度の不純物を含む薄厚の高濃度ボデ
ィ領域を設けるとともに、ゲート電極と高濃度ボディ領
域とを短絡させたSiGe−nHDTMOSについて説
明する。
は、Siチャネル層及びSiGe層からなる上部半導体
層の下方に、SiGe層よりもバンドギャップの大き
い、かつ、より高濃度の不純物を含む薄厚の高濃度ボデ
ィ領域を設けるとともに、ゲート電極と高濃度ボディ領
域とを短絡させたSiGe−nHDTMOSについて説
明する。
【0069】図17は、本実施形態のHDTMOSの断
面図である。図18は、本実施形態のHDTMOSの平
面図である。
面図である。図18は、本実施形態のHDTMOSの平
面図である。
【0070】図17及び図18に示すように、本実施形
態のSiGe−nHDTMOSは、p型のSi基板10
と、Si基板に酸素イオンを注入するなどの方法により
形成された厚み約100nmの埋め込み酸化膜11と、
埋め込み酸化膜11の上に設けられた厚み約85nmの
半導体層30とを有している。半導体層30は、SOI
基板の上部を構成する下地Si膜12と、下地Si膜1
2の上にUHV−CVD法によりエピタキシャル成長さ
れた厚み約10nmのSiバッファ膜13と、Siバッ
ファ膜13の上にUHV−CVD法によりエピタキシャ
ル成長された厚み約15nmのSiGe膜14と、Si
Ge膜14の上にUHV−CVD法によりエピタキシャ
ル成長された厚み約5nmのトップSi膜15とから構
成されている。下地Si膜12には、Siバッファ膜1
3やSiGe膜14のエピタキシャル成長前に、予めイ
オン注入により濃度が1×1018cm-3程度の高濃度の
p型不純物(Bなど)がドープされている。Siバッフ
ァ膜13には、in-situ ドーピングにより濃度1×10
19cm-3程度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープ
されている。SiGe膜14及びトップSi膜15に
は、濃度が1×1017cm-3程度のp型不純物が含まれ
ている。SiGe膜14やトップSi膜15はアンドー
プ層であるが、Siバッファ膜13や下地Si膜12か
らの不純物の拡散によってこの程度の不純物濃度を有す
ることになる。ただし、キャリア移動度の向上のために
は、トップSi膜15にはできるだけ不純物が含まれて
いないことが好ましい。SiGe膜14のGe含有率は
30%であり、このとき、SiGeのバンドギャップ
は、Siに比べて、225meV程度小さくなる。
態のSiGe−nHDTMOSは、p型のSi基板10
と、Si基板に酸素イオンを注入するなどの方法により
形成された厚み約100nmの埋め込み酸化膜11と、
埋め込み酸化膜11の上に設けられた厚み約85nmの
半導体層30とを有している。半導体層30は、SOI
基板の上部を構成する下地Si膜12と、下地Si膜1
2の上にUHV−CVD法によりエピタキシャル成長さ
れた厚み約10nmのSiバッファ膜13と、Siバッ
ファ膜13の上にUHV−CVD法によりエピタキシャ
ル成長された厚み約15nmのSiGe膜14と、Si
Ge膜14の上にUHV−CVD法によりエピタキシャ
ル成長された厚み約5nmのトップSi膜15とから構
成されている。下地Si膜12には、Siバッファ膜1
3やSiGe膜14のエピタキシャル成長前に、予めイ
オン注入により濃度が1×1018cm-3程度の高濃度の
p型不純物(Bなど)がドープされている。Siバッフ
ァ膜13には、in-situ ドーピングにより濃度1×10
19cm-3程度の高濃度のp型不純物(Bなど)がドープ
されている。SiGe膜14及びトップSi膜15に
は、濃度が1×1017cm-3程度のp型不純物が含まれ
ている。SiGe膜14やトップSi膜15はアンドー
プ層であるが、Siバッファ膜13や下地Si膜12か
らの不純物の拡散によってこの程度の不純物濃度を有す
ることになる。ただし、キャリア移動度の向上のために
は、トップSi膜15にはできるだけ不純物が含まれて
いないことが好ましい。SiGe膜14のGe含有率は
30%であり、このとき、SiGeのバンドギャップ
は、Siに比べて、225meV程度小さくなる。
【0071】さらに、SiGe−nHDTMOSは、ト
ップSi膜15を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜
からなるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上に
設けられたn+ ポリシリコンからなるゲート電極17と
を備えている。そして、半導体層30,つまり下地Si
膜12,Siバッファ膜13,SiGe膜14及びトッ
プSi膜15のうちゲート電極17の両側方に位置する
領域には高濃度のn型不純物を含むソース領域20a及
びドレイン領域20bが設けられている。また、下地S
i膜12のうちソース領域20aとドレイン領域20b
との間の領域は高濃度のp型不純物を含む第1Siボデ
ィ領域22となっており、Siバッファ膜13のうち第
1Siボディ領域22の直上に位置する領域は、高濃度
のp型不純物を含む第2Siボディ領域23となってい
る。そして、SiGe膜14のうちソース領域20aと
ドレイン領域20bとの間の領域は、SiGe層24と
なっており、トップSi膜15のうちゲート絶縁膜16
の直下に位置する領域は低濃度のp型不純物を含むSi
チャネル領域25となっている。
ップSi膜15を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜
からなるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上に
設けられたn+ ポリシリコンからなるゲート電極17と
を備えている。そして、半導体層30,つまり下地Si
膜12,Siバッファ膜13,SiGe膜14及びトッ
プSi膜15のうちゲート電極17の両側方に位置する
領域には高濃度のn型不純物を含むソース領域20a及
びドレイン領域20bが設けられている。また、下地S
i膜12のうちソース領域20aとドレイン領域20b
との間の領域は高濃度のp型不純物を含む第1Siボデ
ィ領域22となっており、Siバッファ膜13のうち第
1Siボディ領域22の直上に位置する領域は、高濃度
のp型不純物を含む第2Siボディ領域23となってい
る。そして、SiGe膜14のうちソース領域20aと
ドレイン領域20bとの間の領域は、SiGe層24と
なっており、トップSi膜15のうちゲート絶縁膜16
の直下に位置する領域は低濃度のp型不純物を含むSi
チャネル領域25となっている。
【0072】本実施形態では、Siチャネル領域25と
SiGe層24とにより、上部半導体層が構成されてい
る。この上部半導体層は、Siチャネル領域を有してお
らずにSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合
には、SiGe層が電子の走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第2Si領域23のみに
より、高濃度ボディ領域が構成されていて、高濃度ボデ
ィ領域のバンドギャップが、上部半導体層の少なくとも
一部であるSiGe層24のバンドギャップよりも大き
い構造となっている。
SiGe層24とにより、上部半導体層が構成されてい
る。この上部半導体層は、Siチャネル領域を有してお
らずにSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合
には、SiGe層が電子の走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第2Si領域23のみに
より、高濃度ボディ領域が構成されていて、高濃度ボデ
ィ領域のバンドギャップが、上部半導体層の少なくとも
一部であるSiGe層24のバンドギャップよりも大き
い構造となっている。
【0073】なお、ゲート電極17の側面上には、シリ
コン酸化膜からなるサイドウォール27が設けられてい
る。
コン酸化膜からなるサイドウォール27が設けられてい
る。
【0074】また、ゲート電極25とボディ領域(Si
Ge層25,第1,第2Siボディ領域22,23))
がゲートコンタクト26により接続され、いわゆるDT
MOS構造となっている(図18参照)。
Ge層25,第1,第2Siボディ領域22,23))
がゲートコンタクト26により接続され、いわゆるDT
MOS構造となっている(図18参照)。
【0075】図19は、第3の実施形態のSiGe−n
HDTMOSのVg−Id特性及びVg−Ib(ボディ
電流)特性のボディ濃度依存性を示す図である。図20
は、SiGe膜の代わりにSi膜を用いた従来のnDT
MOS(以下、Si−nDTMOSという)のVg−I
d特性及びVg−Ib特性のボディ濃度依存性を示す図
である。ここでは、SiGe−nHDTMOS,Si−
nDTMOSのSiGe層,Siボディ領域を除く他の
要素の寸法や不純物濃度は共通化されている。
HDTMOSのVg−Id特性及びVg−Ib(ボディ
電流)特性のボディ濃度依存性を示す図である。図20
は、SiGe膜の代わりにSi膜を用いた従来のnDT
MOS(以下、Si−nDTMOSという)のVg−I
d特性及びVg−Ib特性のボディ濃度依存性を示す図
である。ここでは、SiGe−nHDTMOS,Si−
nDTMOSのSiGe層,Siボディ領域を除く他の
要素の寸法や不純物濃度は共通化されている。
【0076】図19,図20からわかるように、ボディ
濃度を1×1018cm-3から1×1019cm-3に高めた
とき、SiGe−nHDTMOSのしきい値電圧は約
0.03Vしか上昇しないのに対して、Si−nDTM
OSのしきい値電圧は約0.1V上昇していることがわ
かる。これにより、本実施形態のSiGe−nHDTM
OSにおいては、ボディ濃度が高くなってもしきい値電
圧の上昇が抑制されているといえる。この効果は、第1
の実施形態と同様のメカニズムにより発生すると考えら
れる。つまり、ボディ領域の一部にバンドギャップの小
さいSiGe層を用いることにより、ヘテロ接合界面に
正孔が溜まり、その結果、ヘテロ接合部付近の伝導帯の
ポテンシャルが低下しているものと考えられる。なお、
図19,図20からわかるように、ボディ電流Ibはゲ
ート電圧Vgが0.4Vを超えない範囲では、無視しう
る程度に小さい。
濃度を1×1018cm-3から1×1019cm-3に高めた
とき、SiGe−nHDTMOSのしきい値電圧は約
0.03Vしか上昇しないのに対して、Si−nDTM
OSのしきい値電圧は約0.1V上昇していることがわ
かる。これにより、本実施形態のSiGe−nHDTM
OSにおいては、ボディ濃度が高くなってもしきい値電
圧の上昇が抑制されているといえる。この効果は、第1
の実施形態と同様のメカニズムにより発生すると考えら
れる。つまり、ボディ領域の一部にバンドギャップの小
さいSiGe層を用いることにより、ヘテロ接合界面に
正孔が溜まり、その結果、ヘテロ接合部付近の伝導帯の
ポテンシャルが低下しているものと考えられる。なお、
図19,図20からわかるように、ボディ電流Ibはゲ
ート電圧Vgが0.4Vを超えない範囲では、無視しう
る程度に小さい。
【0077】図21(a)〜(c)は、それぞれ順に、
ボディ濃度が1×1019cm-3のときの不純物濃度プロ
ファイルを示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネ
ルギーバンド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図で
ある。
ボディ濃度が1×1019cm-3のときの不純物濃度プロ
ファイルを示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネ
ルギーバンド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図で
ある。
【0078】図21(b)からわかるように、本実施形
態においても、SiGe−nHDTMOSのヘテロ接合
付近の伝導帯ポテンシャルがSi−nDTMOSに比べ
て低くなっている。すなわち、第1の実施形態と同様
に、第2Siボディ領域に存在するキャリアがヘテロ接
合部の付近(ヘテロ障壁の谷側)に溜まり、閉じ込めら
れているためと考えられる。その結果、チャネル領域の
伝導帯のポテンシャルが低下し、しきい値電圧の上昇が
抑制されると考えられる。
態においても、SiGe−nHDTMOSのヘテロ接合
付近の伝導帯ポテンシャルがSi−nDTMOSに比べ
て低くなっている。すなわち、第1の実施形態と同様
に、第2Siボディ領域に存在するキャリアがヘテロ接
合部の付近(ヘテロ障壁の谷側)に溜まり、閉じ込めら
れているためと考えられる。その結果、チャネル領域の
伝導帯のポテンシャルが低下し、しきい値電圧の上昇が
抑制されると考えられる。
【0079】すなわち、HMOS又はHDTMOSのし
きい値電圧の調整のためには、特にボディ領域のバンド
ギャップの小さい領域(本実施形態ではSiGe層2
4)の直下の領域(本実施形態では第2Siボディ領域
23)の不純物濃度が重要になる。第1及び第2の実施
形態では、広い領域(第1,第2Siボディ領域22,
23:合計厚みが50nm以上)に高濃度の不純物がド
ープされているが、本実施形態のように、狭い領域(第
2Siボディ領域23:厚み10nm)のみに高濃度の
不純物をドープすることにより、ソース・ドレイン領域
−ボディ領域間の容量を削減することが可能となる。
きい値電圧の調整のためには、特にボディ領域のバンド
ギャップの小さい領域(本実施形態ではSiGe層2
4)の直下の領域(本実施形態では第2Siボディ領域
23)の不純物濃度が重要になる。第1及び第2の実施
形態では、広い領域(第1,第2Siボディ領域22,
23:合計厚みが50nm以上)に高濃度の不純物がド
ープされているが、本実施形態のように、狭い領域(第
2Siボディ領域23:厚み10nm)のみに高濃度の
不純物をドープすることにより、ソース・ドレイン領域
−ボディ領域間の容量を削減することが可能となる。
【0080】図22は、SiGe層の下端から高濃度ボ
ディ領域の最大不純物濃度を与える部位までの距離に対
する,SiGe−DTMOSとSi−DTMOSとのし
きい値電圧の差(ΔVt)の関係を示す図である。図2
2からわかるように、SiGe層24の下端から高濃度
ボディ領域である第2Siボディ領域23層の最大不純
物濃度を与える部位までの距離が20nm以内であれ
ば、本発明の効果が確実に発揮されることがわかる。
ディ領域の最大不純物濃度を与える部位までの距離に対
する,SiGe−DTMOSとSi−DTMOSとのし
きい値電圧の差(ΔVt)の関係を示す図である。図2
2からわかるように、SiGe層24の下端から高濃度
ボディ領域である第2Siボディ領域23層の最大不純
物濃度を与える部位までの距離が20nm以内であれ
ば、本発明の効果が確実に発揮されることがわかる。
【0081】以上説明したように、本発明の効果を確実
に得るためには、まず、バンドギャップの小さい領域
(本実施形態では、SiGe層)の下方に高濃度ボディ
領域があることが重要であり、高濃度ボディ領域の範囲
(厚み)は、本発明の効果にあまり影響しない。さら
に、高濃度ボディ領域の最大不純物濃度を与える部位
は、バンドギャップの小さい領域の下方20nm以内に
存在することが好ましい。
に得るためには、まず、バンドギャップの小さい領域
(本実施形態では、SiGe層)の下方に高濃度ボディ
領域があることが重要であり、高濃度ボディ領域の範囲
(厚み)は、本発明の効果にあまり影響しない。さら
に、高濃度ボディ領域の最大不純物濃度を与える部位
は、バンドギャップの小さい領域の下方20nm以内に
存在することが好ましい。
【0082】以上のように、本実施形態のSiGe−n
HDTMOSによると、ボディ領域の一部であるバンド
ギャップの小さい領域(本実施形態ではSiGe層2
4)の下方に、一部が高濃度不純物を含むボディ領域を
設けたので、ヘテロ接合界面に正孔を溜めることによ
り、他の特性を犠牲にすることなくしきい値電圧の上昇
を抑制でき、ソース・ドレインとの間の容量をできるだ
け抑制しながら、ボディ濃度を高めることができる。よ
って、CR遅延による高速動作の妨げを解消しうるデバ
イスを提供することができる。
HDTMOSによると、ボディ領域の一部であるバンド
ギャップの小さい領域(本実施形態ではSiGe層2
4)の下方に、一部が高濃度不純物を含むボディ領域を
設けたので、ヘテロ接合界面に正孔を溜めることによ
り、他の特性を犠牲にすることなくしきい値電圧の上昇
を抑制でき、ソース・ドレインとの間の容量をできるだ
け抑制しながら、ボディ濃度を高めることができる。よ
って、CR遅延による高速動作の妨げを解消しうるデバ
イスを提供することができる。
【0083】なお、本実施形態では、SOI基板を用い
たHDTMOSを例にとって説明したが、SOI基板を
用いず、バルクのSi基板を用いた場合にも同様の効果
が得られることは言うまでもない。
たHDTMOSを例にとって説明したが、SOI基板を
用いず、バルクのSi基板を用いた場合にも同様の効果
が得られることは言うまでもない。
【0084】(第4の実施形態)本実施形態において
は、Si層及びSiGe層からなる上部半導体層の下方
に、SiGe層よりもバンドギャップの大きい、かつ、
より高濃度の不純物を含む高濃度ボディ領域を設けると
ともに、ゲート電極と高濃度ボディ領域とを短絡させた
相補型ヘテロMOSFET(以下、SiGe−DT−c
HMOSという)について説明する。
は、Si層及びSiGe層からなる上部半導体層の下方
に、SiGe層よりもバンドギャップの大きい、かつ、
より高濃度の不純物を含む高濃度ボディ領域を設けると
ともに、ゲート電極と高濃度ボディ領域とを短絡させた
相補型ヘテロMOSFET(以下、SiGe−DT−c
HMOSという)について説明する。
【0085】第3の実施形態における図21(b)に示
すように、価電子帯端にはSiGe膜にポテンシャルの
谷が形成されるので、SiGe膜をpチャネル型MOS
FETのチャネル領域として用いることができる。した
がって、nチャネル型MOSFETではSiキャップ膜
をチャネル層として用い、pチャネル型MOSFETで
はSiGe膜をチャネル層として用いることにより、S
iGe膜を利用して相補型のヘテロMOSデバイスが得
られる。
すように、価電子帯端にはSiGe膜にポテンシャルの
谷が形成されるので、SiGe膜をpチャネル型MOS
FETのチャネル領域として用いることができる。した
がって、nチャネル型MOSFETではSiキャップ膜
をチャネル層として用い、pチャネル型MOSFETで
はSiGe膜をチャネル層として用いることにより、S
iGe膜を利用して相補型のヘテロMOSデバイスが得
られる。
【0086】図23は、本実施形態のSiGe−DTー
cHMOSの構造を示す断面図である。同図に示すよう
に、本実施形態のSiGe−DT−cHMOSは、p型
のSi基板110と、Si基板に酸素イオンを注入する
などの方法により形成された厚み約100nmの埋め込
み酸化膜111と、埋め込み酸化膜111の上に設けら
れたnチャネル型HDTMOS(n−HDTMOS)用
の厚み約85nmの半導体層130と、埋め込み酸化膜
111の上に設けられたpチャネル型HDTMOS(p
−HDTMOS)用の厚み約85nmの半導体層180
とを有している。半導体層130,180は、それぞれ
同時に形成された共通の膜によって構成されている。
cHMOSの構造を示す断面図である。同図に示すよう
に、本実施形態のSiGe−DT−cHMOSは、p型
のSi基板110と、Si基板に酸素イオンを注入する
などの方法により形成された厚み約100nmの埋め込
み酸化膜111と、埋め込み酸化膜111の上に設けら
れたnチャネル型HDTMOS(n−HDTMOS)用
の厚み約85nmの半導体層130と、埋め込み酸化膜
111の上に設けられたpチャネル型HDTMOS(p
−HDTMOS)用の厚み約85nmの半導体層180
とを有している。半導体層130,180は、それぞれ
同時に形成された共通の膜によって構成されている。
【0087】ここで、半導体層130,180は、SO
I基板の上部を構成する下地Si膜112と、下地Si
膜112の上にUHV−CVD法によりエピタキシャル
成長された厚み約10nmのSiバッファ膜113と、
Siバッファ膜113の上にUHV−CVD法によりエ
ピタキシャル成長された厚み約15nmのSiGeC膜
114と、SiGeC膜114の上にUHV−CVD法
によりエピタキシャル成長された厚み約5nmのトップ
Si膜115とから構成されている。
I基板の上部を構成する下地Si膜112と、下地Si
膜112の上にUHV−CVD法によりエピタキシャル
成長された厚み約10nmのSiバッファ膜113と、
Siバッファ膜113の上にUHV−CVD法によりエ
ピタキシャル成長された厚み約15nmのSiGeC膜
114と、SiGeC膜114の上にUHV−CVD法
によりエピタキシャル成長された厚み約5nmのトップ
Si膜115とから構成されている。
【0088】さらに、n−HDTMOSは、トップSi
膜115の上に設けられたシリコン酸化膜からなるゲー
ト絶縁膜116と、ゲート絶縁膜116の上に設けられ
たゲート電極117とを備えている。そして、半導体層
130のうちゲート電極117の両側方に位置する領域
には高濃度のn型不純物を含むソース領域120a及び
ドレイン領域120bが設けられている。また、下地S
i膜112のうちソース領域120aとドレイン領域1
20bとの間の領域は、約1×1019atoms ・cm-3)
のp型不純物を含む第1Siボディ領域122となって
おり、Siバッファ膜113のうち第1Siボディ領域
122の直上に位置する領域は、高濃度(約1×1019
atoms ・cm-3)のp型不純物を含む第2Siボディ領
域123となっている。そして、SiGe膜114のう
ちソース領域120aとドレイン領域120bとの間の
領域は、低濃度(約1×1017atoms ・cm-3)のn型
不純物を含むアンドープ層のSiGe層124となって
おり、トップSi膜115のうちゲート絶縁膜216の
直下に位置する領域は低濃度(約1×1017atoms・c
m-3)のn型不純物を含むアンドープ層であるSiチャ
ネル領域125となっている。なお、ゲート電極117
の側面上にはシリコン酸化膜からなるサイドウォール1
27が設けられている。
膜115の上に設けられたシリコン酸化膜からなるゲー
ト絶縁膜116と、ゲート絶縁膜116の上に設けられ
たゲート電極117とを備えている。そして、半導体層
130のうちゲート電極117の両側方に位置する領域
には高濃度のn型不純物を含むソース領域120a及び
ドレイン領域120bが設けられている。また、下地S
i膜112のうちソース領域120aとドレイン領域1
20bとの間の領域は、約1×1019atoms ・cm-3)
のp型不純物を含む第1Siボディ領域122となって
おり、Siバッファ膜113のうち第1Siボディ領域
122の直上に位置する領域は、高濃度(約1×1019
atoms ・cm-3)のp型不純物を含む第2Siボディ領
域123となっている。そして、SiGe膜114のう
ちソース領域120aとドレイン領域120bとの間の
領域は、低濃度(約1×1017atoms ・cm-3)のn型
不純物を含むアンドープ層のSiGe層124となって
おり、トップSi膜115のうちゲート絶縁膜216の
直下に位置する領域は低濃度(約1×1017atoms・c
m-3)のn型不純物を含むアンドープ層であるSiチャ
ネル領域125となっている。なお、ゲート電極117
の側面上にはシリコン酸化膜からなるサイドウォール1
27が設けられている。
【0089】つまり、Siチャネル領域125とSiG
e層124とにより、上部半導体層が構成されている。
この上部半導体層は、Siチャネル領域を有しておらず
にSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合に
は、SiGe層が電子の走行するチャネル領域となる。
そして、第1,第2Si領域122,123により、高
濃度ボディ領域が構成されていて、高濃度ボディ領域の
バンドギャップが、上部半導体層の少なくとも一部であ
るSiGe層124のバンドギャップよりも大きい構造
となっている。
e層124とにより、上部半導体層が構成されている。
この上部半導体層は、Siチャネル領域を有しておらず
にSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合に
は、SiGe層が電子の走行するチャネル領域となる。
そして、第1,第2Si領域122,123により、高
濃度ボディ領域が構成されていて、高濃度ボディ領域の
バンドギャップが、上部半導体層の少なくとも一部であ
るSiGe層124のバンドギャップよりも大きい構造
となっている。
【0090】そして、SiGe−nHDTMOSには、
ゲート電極117と第1Siボディ領域122とを電気
的に接続する導体部材であるゲートコンタクト(図示せ
ず)とが設けられている。
ゲート電極117と第1Siボディ領域122とを電気
的に接続する導体部材であるゲートコンタクト(図示せ
ず)とが設けられている。
【0091】また、p−HDTMOSは、トップSi膜
115の上に設けられたシリコン酸化膜からなるゲート
絶縁膜156と、ゲート絶縁膜156の上に設けられた
ゲート電極157とを備えている。そして、半導体層1
80のうちゲート電極157の両側方に位置する領域に
は高濃度のp型不純物を含むソース領域160a及びド
レイン領域160bが設けられている。また、下地Si
膜112のうちソース領域160aとドレイン領域16
0bとの間の領域は、n型不純物を含む第1Siボディ
領域162となっており、Siバッファ膜113のうち
第1Siボディ領域162の直上に位置する領域は、高
濃度(約1×1019atoms ・cm-3)のn型不純物を含
む第2Siボディ領域163となっている。そして、S
iGeC膜114のうちソース領域160aとドレイン
領域160bとの間の領域は、比較的低濃度(約1×1
017atoms ・cm-3)のn型不純物を含むアンドープ層
であるSiGeチャネル領域164となっており、トッ
プSi膜115のうちゲート絶縁膜156の直下に位置
する領域は低濃度(約1×1017atoms ・cm-3)のn
型不純物を含むSiキャップ領域165となっている。
なお、ゲート電極157の側面上にはシリコン酸化膜か
らなるサイドウォール167が設けられている。
115の上に設けられたシリコン酸化膜からなるゲート
絶縁膜156と、ゲート絶縁膜156の上に設けられた
ゲート電極157とを備えている。そして、半導体層1
80のうちゲート電極157の両側方に位置する領域に
は高濃度のp型不純物を含むソース領域160a及びド
レイン領域160bが設けられている。また、下地Si
膜112のうちソース領域160aとドレイン領域16
0bとの間の領域は、n型不純物を含む第1Siボディ
領域162となっており、Siバッファ膜113のうち
第1Siボディ領域162の直上に位置する領域は、高
濃度(約1×1019atoms ・cm-3)のn型不純物を含
む第2Siボディ領域163となっている。そして、S
iGeC膜114のうちソース領域160aとドレイン
領域160bとの間の領域は、比較的低濃度(約1×1
017atoms ・cm-3)のn型不純物を含むアンドープ層
であるSiGeチャネル領域164となっており、トッ
プSi膜115のうちゲート絶縁膜156の直下に位置
する領域は低濃度(約1×1017atoms ・cm-3)のn
型不純物を含むSiキャップ領域165となっている。
なお、ゲート電極157の側面上にはシリコン酸化膜か
らなるサイドウォール167が設けられている。
【0092】つまり、Siチャネル領域165とSiG
e層164とにより、上部半導体層が構成されている。
この上部半導体層は、Siチャネル領域を有しておらず
にSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合に
は、SiGe層がホールの走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第1,第2Si領域16
2,163により、高濃度ボディ領域が構成されてい
て、高濃度ボディ領域のバンドギャップが、上部半導体
層の少なくとも一部であるSiGe層164のバンドギ
ャップよりも大きい構造となっている。
e層164とにより、上部半導体層が構成されている。
この上部半導体層は、Siチャネル領域を有しておらず
にSiGe層のみからなる構成でもよく、その場合に
は、SiGe層がホールの走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第1,第2Si領域16
2,163により、高濃度ボディ領域が構成されてい
て、高濃度ボディ領域のバンドギャップが、上部半導体
層の少なくとも一部であるSiGe層164のバンドギ
ャップよりも大きい構造となっている。
【0093】そして、SiGe−pHDTMOSには、
ゲート電極157と第2Siボディ領域163とを電気
的に接続する導体部材であるゲートコンタクト(図示せ
ず)とが設けられている。
ゲート電極157と第2Siボディ領域163とを電気
的に接続する導体部材であるゲートコンタクト(図示せ
ず)とが設けられている。
【0094】さらに、基板上には、層間絶縁膜190
と、層間絶縁膜190を貫通してソース・ドレイン領域
120a,120b,160a,160bに接触するコ
ンタクト191と、コンタクト191に接続されて層間
絶縁膜190の上に延びるソース・ドレイン電極192
とが設けられている。
と、層間絶縁膜190を貫通してソース・ドレイン領域
120a,120b,160a,160bに接触するコ
ンタクト191と、コンタクト191に接続されて層間
絶縁膜190の上に延びるソース・ドレイン電極192
とが設けられている。
【0095】本実施形態の相補型HDTMOSの製造工
程においては、SOI基板の一部である下地Si膜は、
結晶成長前にあらかじめイオン注入により濃度が約1×
10 19atoms ・cm-3の不純物がドープされたn+ Si
層とp+ Si層とになっている。また、UHV−CVD
法によりエピタキシャル成長されたSiバッファ膜、S
iGe膜及びトップSi膜は、いずれもas−grow
nの状態では、不純物がドープされていないアンドープ
層となっている。Si膜の結晶成長が終了した後に、n
HDTMOS領域のボディ領域付近には、濃度が約1×
1018atoms ・cm-3のp型不純物がイオン注入により
ドープされる。また、pHDTMOS領域のボディ領域
の付近には、濃度が約1×1018atoms ・cm-3のn型
不純物がイオン注入によりドープされる。その後、Si
Ge膜及びトップSi膜がエピタキシャル成長される。
程においては、SOI基板の一部である下地Si膜は、
結晶成長前にあらかじめイオン注入により濃度が約1×
10 19atoms ・cm-3の不純物がドープされたn+ Si
層とp+ Si層とになっている。また、UHV−CVD
法によりエピタキシャル成長されたSiバッファ膜、S
iGe膜及びトップSi膜は、いずれもas−grow
nの状態では、不純物がドープされていないアンドープ
層となっている。Si膜の結晶成長が終了した後に、n
HDTMOS領域のボディ領域付近には、濃度が約1×
1018atoms ・cm-3のp型不純物がイオン注入により
ドープされる。また、pHDTMOS領域のボディ領域
の付近には、濃度が約1×1018atoms ・cm-3のn型
不純物がイオン注入によりドープされる。その後、Si
Ge膜及びトップSi膜がエピタキシャル成長される。
【0096】そして、最上層のSi膜を熱酸化すること
により得られるシリコン酸化膜をゲート絶縁膜とし、そ
の上には高濃度のn型不純物がドープされたポリシリコ
ンからなるn+ 型ゲート電極と、高濃度のp型不純物が
ドープされたポリシリコンからなるp+ 型ゲート電極と
が形成される。その後、各ゲート電極の両側には、高濃
度のn型不純物がイオン注入されたn+ 型ソース・ドレ
イン領域と、高濃度のp型不純物がドープされたp+ 型
ソース・ドレイン領域とが形成され、その上方にソース
電極・ドレイン電極がそれぞれ形成される。
により得られるシリコン酸化膜をゲート絶縁膜とし、そ
の上には高濃度のn型不純物がドープされたポリシリコ
ンからなるn+ 型ゲート電極と、高濃度のp型不純物が
ドープされたポリシリコンからなるp+ 型ゲート電極と
が形成される。その後、各ゲート電極の両側には、高濃
度のn型不純物がイオン注入されたn+ 型ソース・ドレ
イン領域と、高濃度のp型不純物がドープされたp+ 型
ソース・ドレイン領域とが形成され、その上方にソース
電極・ドレイン電極がそれぞれ形成される。
【0097】本実施形態によると、nチャネル層をSi
により構成し、pチャネル層をSiGeによって構成す
ることにより、相補型HDTMOSが得られる。そし
て、Siキャップ膜115を5nmと薄くできるので、
pチャネルを基板表面から5nm程度に浅くすることが
できる。すなわち、ビルトインポテンシャル状態で、価
電子帯のゲート絶縁膜直下のポテンシャルよりもSiG
eチャネル領域のヘテロ障壁に接する部分のポテンシャ
ルの方を確実に上方に位置させることができるので、S
iキャップ領域165のゲート絶縁膜156との境界面
における寄生pチャネルの形成を効果的に抑制すること
ができる。
により構成し、pチャネル層をSiGeによって構成す
ることにより、相補型HDTMOSが得られる。そし
て、Siキャップ膜115を5nmと薄くできるので、
pチャネルを基板表面から5nm程度に浅くすることが
できる。すなわち、ビルトインポテンシャル状態で、価
電子帯のゲート絶縁膜直下のポテンシャルよりもSiG
eチャネル領域のヘテロ障壁に接する部分のポテンシャ
ルの方を確実に上方に位置させることができるので、S
iキャップ領域165のゲート絶縁膜156との境界面
における寄生pチャネルの形成を効果的に抑制すること
ができる。
【0098】そして、pHDTMOSにおいては、Si
Geチャネル領域164がpチャネルとなるので、ヘテ
ロ接合におけるポテンシャル障壁に正孔を閉じ込めるこ
とにより高速のチャネルとなる。さらに、Si層とSi
Ge層との格子定数の差に起因する圧縮歪みにより、S
iGeチャネル領域164中の正孔の移動度の向上が期
待できる。また、SiGe膜のGe組成率を高くする
と、pHDTMOSのSiGeチャネル領域の価電子帯
端のポテンシャルがより高くなるので、しきい値電圧の
低下を実現することができ、低消費電力のpHDTMO
Sを得ることができる。
Geチャネル領域164がpチャネルとなるので、ヘテ
ロ接合におけるポテンシャル障壁に正孔を閉じ込めるこ
とにより高速のチャネルとなる。さらに、Si層とSi
Ge層との格子定数の差に起因する圧縮歪みにより、S
iGeチャネル領域164中の正孔の移動度の向上が期
待できる。また、SiGe膜のGe組成率を高くする
と、pHDTMOSのSiGeチャネル領域の価電子帯
端のポテンシャルがより高くなるので、しきい値電圧の
低下を実現することができ、低消費電力のpHDTMO
Sを得ることができる。
【0099】図24は、第4の実施形態のSiGe−D
T−cHMOS中のpHDTMOSと、これと同じボデ
ィ濃度を有するSi−pDTMOSとのVg−Id特性
を比較する図である。図25は、第4の実施形態のSi
Ge−DT−cHMOS中のpHDTMOSと、これよ
りも低いボディ濃度を有するSi−pDTMOSとのV
g−Id特性を比較する図である。ここでは、iGe−
DT−cHMOS中のpHDTMOS,Si−pDTM
OSのSiGe層,Siボディ領域を除く他の要素の寸
法や不純物濃度は共通化されている。
T−cHMOS中のpHDTMOSと、これと同じボデ
ィ濃度を有するSi−pDTMOSとのVg−Id特性
を比較する図である。図25は、第4の実施形態のSi
Ge−DT−cHMOS中のpHDTMOSと、これよ
りも低いボディ濃度を有するSi−pDTMOSとのV
g−Id特性を比較する図である。ここでは、iGe−
DT−cHMOS中のpHDTMOS,Si−pDTM
OSのSiGe層,Siボディ領域を除く他の要素の寸
法や不純物濃度は共通化されている。
【0100】図24からわかるように、本実施形態のS
iGe−DT−cHMOS中のpHDTMOSでは、S
i−pDTMOSに比べ、しきい値電圧が約0.05V
低減している。すなわち、トップSi膜−SiGeチャ
ネル領域間のヘテロ障壁の谷側部分のポテンシャルが、
ゲート絶縁膜−トップSi膜間の界面のポテンシャルよ
りも高い状態にあることから、本実施形態のSiGe−
DT−cHMOS中のpHDTMOSでは、ゲート絶縁
膜−トップSi膜間の界面をキャリアが走行するSi−
pDTMOSよりもしきい値電圧を低減することができ
るのである。
iGe−DT−cHMOS中のpHDTMOSでは、S
i−pDTMOSに比べ、しきい値電圧が約0.05V
低減している。すなわち、トップSi膜−SiGeチャ
ネル領域間のヘテロ障壁の谷側部分のポテンシャルが、
ゲート絶縁膜−トップSi膜間の界面のポテンシャルよ
りも高い状態にあることから、本実施形態のSiGe−
DT−cHMOS中のpHDTMOSでは、ゲート絶縁
膜−トップSi膜間の界面をキャリアが走行するSi−
pDTMOSよりもしきい値電圧を低減することができ
るのである。
【0101】また、図25からわかるように、本実施形
態のSiGe−DT−cHMOS中のpHDTMOSと
Si−pDTMOSとのしきい値電圧が等しくなるよう
に設定した場合、ボディ濃度を高くして高駆動力を示す
ことがわかる。これは、基板濃度を高く設定することに
より基板バイアス係数を大きくして高駆動力を発揮する
ことができる。これにより、本実施形態のSiGe−D
T−cHMOS中のpHDTMOSpチャネルは、Si
−pDTMOSに比べて、低しきい値電圧,高駆動力で
耐ショートチャネル効果の高いデバイスの製造が可能で
ある。
態のSiGe−DT−cHMOS中のpHDTMOSと
Si−pDTMOSとのしきい値電圧が等しくなるよう
に設定した場合、ボディ濃度を高くして高駆動力を示す
ことがわかる。これは、基板濃度を高く設定することに
より基板バイアス係数を大きくして高駆動力を発揮する
ことができる。これにより、本実施形態のSiGe−D
T−cHMOS中のpHDTMOSpチャネルは、Si
−pDTMOSに比べて、低しきい値電圧,高駆動力で
耐ショートチャネル効果の高いデバイスの製造が可能で
ある。
【0102】次に、本実施形態のSiGe−DT−cH
MOS中のnHDTMOSは、第1の実施形態に示すよ
うに、高濃度ボディ領域の存在によって、しきい値電圧
が低く抑制され,耐ショートチャネル効果機能の高い,
高速動作可能なデバイスである。
MOS中のnHDTMOSは、第1の実施形態に示すよ
うに、高濃度ボディ領域の存在によって、しきい値電圧
が低く抑制され,耐ショートチャネル効果機能の高い,
高速動作可能なデバイスである。
【0103】このように、第1の実施形態で示したnH
DTMOSと上述したpHDTMOSを用いた本実施形
態のcHDTMOSは、nHDTMOSとpHDTMO
Sとで膜の構造が共通であるため、プロセス上の手間や
困難さがなく、しかも、nHDTMOS,pHDTMO
S共に低しきい値電圧で高速動作を実現できる。
DTMOSと上述したpHDTMOSを用いた本実施形
態のcHDTMOSは、nHDTMOSとpHDTMO
Sとで膜の構造が共通であるため、プロセス上の手間や
困難さがなく、しかも、nHDTMOS,pHDTMO
S共に低しきい値電圧で高速動作を実現できる。
【0104】なお、本実施形態では、トップSi膜(n
チャネル層)よりバンドギャップの小さい層を構成する
材料としてSiGeを用いたcHDTMOSについて示
したが、cHMOSであっても同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。また、ゲート電極としてミッドギ
ャップの材料(例えばタングステン)を用いた場合にも
同様な効果が得られる。
チャネル層)よりバンドギャップの小さい層を構成する
材料としてSiGeを用いたcHDTMOSについて示
したが、cHMOSであっても同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。また、ゲート電極としてミッドギ
ャップの材料(例えばタングステン)を用いた場合にも
同様な効果が得られる。
【0105】(第5の実施形態)本実施形態において
は、Si層及びSiC層からなる上部半導体層の下方
に、SiC層よりもバンドギャップの大きい、かつ、よ
り高濃度の不純物を含む高濃度ボディ領域を設けるとと
もに、ゲート電極と高濃度ボディ領域とを短絡させたp
チャネル型ヘテロDTMOSFET(以下、SiC−p
HDTMOSという)について説明する。
は、Si層及びSiC層からなる上部半導体層の下方
に、SiC層よりもバンドギャップの大きい、かつ、よ
り高濃度の不純物を含む高濃度ボディ領域を設けるとと
もに、ゲート電極と高濃度ボディ領域とを短絡させたp
チャネル型ヘテロDTMOSFET(以下、SiC−p
HDTMOSという)について説明する。
【0106】図26は、第5の実施形態のSiC−pH
DTMOSの構造を示す断面図である。図26に示すよ
うに、本実施形態のSiC−pHDTMOSは、p型の
Si基板50と、Si基板に酸素イオンを注入するなど
の方法により形成された厚み約100nmの埋め込み酸
化膜51と、埋め込み酸化膜51の上に設けられた厚み
約85nmの半導体層80とを有している。半導体層8
0は、SOI基板の上部を構成する下地Si膜52と、
下地Si膜52の上にUHV−CVD法によりエピタキ
シャル成長された厚み約10nmのSiバッファ膜53
と、Siバッファ膜53の上にUHV−CVD法により
エピタキシャル成長された厚み約15nmのSiC膜5
4と、SiC膜54の上にUHV−CVD法によりエピ
タキシャル成長された厚み約5nmのトップSi膜55
とから構成されている。下地Si膜52には、Siバッ
ファ膜53やSiC膜54のエピタキシャル成長前に、
予めイオン注入により濃度が5×1019cm-3程度の高
濃度のn型不純物(P,Asなど)がドープされてい
る。Siバッファ膜53には、in-situ ドーピングによ
り濃度5×1019cm-3程度の高濃度のn型不純物
(P,Asなど)がドープされている。SiC膜54及
びトップSi膜55には、濃度が1×1017cm-3程度
のしきい値制御用n型不純物が含まれている。SiC膜
54及びトップSi膜55はアンドープ層であるが、ボ
ディ領域などからの不純物の拡散によってこの程度の不
純物濃度を有することになる。ただし、キャリア移動度
の向上のためには、トップSi膜55にはできるだけ不
純物が含まれていないことが好ましい。SiC膜54の
C含有率は3%である。
DTMOSの構造を示す断面図である。図26に示すよ
うに、本実施形態のSiC−pHDTMOSは、p型の
Si基板50と、Si基板に酸素イオンを注入するなど
の方法により形成された厚み約100nmの埋め込み酸
化膜51と、埋め込み酸化膜51の上に設けられた厚み
約85nmの半導体層80とを有している。半導体層8
0は、SOI基板の上部を構成する下地Si膜52と、
下地Si膜52の上にUHV−CVD法によりエピタキ
シャル成長された厚み約10nmのSiバッファ膜53
と、Siバッファ膜53の上にUHV−CVD法により
エピタキシャル成長された厚み約15nmのSiC膜5
4と、SiC膜54の上にUHV−CVD法によりエピ
タキシャル成長された厚み約5nmのトップSi膜55
とから構成されている。下地Si膜52には、Siバッ
ファ膜53やSiC膜54のエピタキシャル成長前に、
予めイオン注入により濃度が5×1019cm-3程度の高
濃度のn型不純物(P,Asなど)がドープされてい
る。Siバッファ膜53には、in-situ ドーピングによ
り濃度5×1019cm-3程度の高濃度のn型不純物
(P,Asなど)がドープされている。SiC膜54及
びトップSi膜55には、濃度が1×1017cm-3程度
のしきい値制御用n型不純物が含まれている。SiC膜
54及びトップSi膜55はアンドープ層であるが、ボ
ディ領域などからの不純物の拡散によってこの程度の不
純物濃度を有することになる。ただし、キャリア移動度
の向上のためには、トップSi膜55にはできるだけ不
純物が含まれていないことが好ましい。SiC膜54の
C含有率は3%である。
【0107】さらに、SiC−pHDTMOSは、トッ
プSi膜55を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜か
らなるゲート絶縁膜56と、ゲート絶縁膜56の上に設
けられたp+ ポリシリコンからなるゲート電極57とを
備えている。そして、半導体層30,つまり下地Si膜
52,Siバッファ膜53,SiC膜54及びトップS
i膜55のうちゲート電極57の両側方に位置する領域
には高濃度のp型不純物を含むソース領域60a及びド
レイン領域60bが設けられている。また、下地Si膜
52のうちソース領域60aとドレイン領域60bとの
間の領域は第1Siボディ領域62となっており、Si
バッファ膜53のうち第1Siボディ領域62の直上に
位置する領域は、第2Siボディ領域63となってい
る。そして、SiC膜54のうちソース領域60aとド
レイン領域60bとの間の領域は、SiC領域64とな
っており、トップSi膜55のうちゲート絶縁膜56の
直下に位置する領域は低濃度のn型不純物を含むSiチ
ャネル領域65となっている。
プSi膜55を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜か
らなるゲート絶縁膜56と、ゲート絶縁膜56の上に設
けられたp+ ポリシリコンからなるゲート電極57とを
備えている。そして、半導体層30,つまり下地Si膜
52,Siバッファ膜53,SiC膜54及びトップS
i膜55のうちゲート電極57の両側方に位置する領域
には高濃度のp型不純物を含むソース領域60a及びド
レイン領域60bが設けられている。また、下地Si膜
52のうちソース領域60aとドレイン領域60bとの
間の領域は第1Siボディ領域62となっており、Si
バッファ膜53のうち第1Siボディ領域62の直上に
位置する領域は、第2Siボディ領域63となってい
る。そして、SiC膜54のうちソース領域60aとド
レイン領域60bとの間の領域は、SiC領域64とな
っており、トップSi膜55のうちゲート絶縁膜56の
直下に位置する領域は低濃度のn型不純物を含むSiチ
ャネル領域65となっている。
【0108】本実施形態では、Siチャネル領域25と
SiC領域64とにより、上部半導体層が構成されてい
る。この上部半導体層は、Siチャネル領域を有してお
らずにSiC領域のみからなる構成でもよく、その場合
には、SiC領域がホールの走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第1,第2Siボディ領
域62,63により、高濃度ボディ領域が構成されてい
て、高濃度ボディ領域のバンドギャップが、上部半導体
層の少なくとも一部であるSiC領域64のバンドギャ
ップよりも大きい構造となっている。
SiC領域64とにより、上部半導体層が構成されてい
る。この上部半導体層は、Siチャネル領域を有してお
らずにSiC領域のみからなる構成でもよく、その場合
には、SiC領域がホールの走行するチャネル領域とな
る。そして、本実施形態では、第1,第2Siボディ領
域62,63により、高濃度ボディ領域が構成されてい
て、高濃度ボディ領域のバンドギャップが、上部半導体
層の少なくとも一部であるSiC領域64のバンドギャ
ップよりも大きい構造となっている。
【0109】なお、ゲート電極57の側面上には、シリ
コン酸化膜からなるサイドウォール67が設けられてい
る。
コン酸化膜からなるサイドウォール67が設けられてい
る。
【0110】さらに、SiC−nHDTMOSにおいて
は、ゲート電極57とボディ領域(SiCボディ領域6
4及び第1,第2Siボディ領域62,63)とを互い
に接続するゲートコンタクト(図示せず)が設けられて
いる。このゲートコンタクトの構造は、図11(a),
(c)に示すゲートコンタクト26と同じである。
は、ゲート電極57とボディ領域(SiCボディ領域6
4及び第1,第2Siボディ領域62,63)とを互い
に接続するゲートコンタクト(図示せず)が設けられて
いる。このゲートコンタクトの構造は、図11(a),
(c)に示すゲートコンタクト26と同じである。
【0111】図27は、第5の実施形態のSiC−pH
DTMOSのVg−Id特性と、SiGe膜の代わりに
Si膜を用いた従来のpDTMOS(以下、Si−pD
TMOSという)のVg−Id特性とを比較する図であ
る。ここでは、SiC−pHDTMOS,Si−pDT
MOSのSiCボディ領域,Siボディ領域を除く他の
要素の寸法や不純物濃度は共通化されている。SiC−
pHDTMOS,Si−pDTMOS共に、ボディ濃度
は1×1019cm-3であり、ゲート絶縁膜の厚みは3n
mとしている。
DTMOSのVg−Id特性と、SiGe膜の代わりに
Si膜を用いた従来のpDTMOS(以下、Si−pD
TMOSという)のVg−Id特性とを比較する図であ
る。ここでは、SiC−pHDTMOS,Si−pDT
MOSのSiCボディ領域,Siボディ領域を除く他の
要素の寸法や不純物濃度は共通化されている。SiC−
pHDTMOS,Si−pDTMOS共に、ボディ濃度
は1×1019cm-3であり、ゲート絶縁膜の厚みは3n
mとしている。
【0112】図27から2わかるように、本実施形態の
SiC−pHDTMOSは、従来のpDTMOSに比べ
て、しきい値電圧の上昇が抑制されている。その理由
は、以下のように考えられる。
SiC−pHDTMOSは、従来のpDTMOSに比べ
て、しきい値電圧の上昇が抑制されている。その理由
は、以下のように考えられる。
【0113】本実施形態においては、SiC層のバンド
ギャップがSi層よりも小さく、かつ、Si層ーSiC
層間のヘテロ障壁が伝導帯端に現れる。そして、第1紺
m第2の実施形態から容易に類推することができるよう
に、SiCボディ領域64の下方に、第1Siボディ領
域62及び第2Siボディ領域63という高濃度ボディ
領域が設けられているので、Siチャネル領域における
価電子帯端のポテンシャルが高くなる。これは、第1の
実施形態と同様に、第1,第2Siボディ領域62,6
3中の電子がSiCボディ領域−第2Siボディ領域間
のヘテロ障壁の谷側部に蓄えられるからである。そし
て、その結果、本実施形態のpHDTMOSによると、
ボディ領域の不純物濃度を高くすることでボディ領域の
低抵抗化を図りつつ、しきい値電圧の低い,高い駆動力
を有するとともに、短チャネル効果に対する耐性の高い
トランジスタで得られることになる。
ギャップがSi層よりも小さく、かつ、Si層ーSiC
層間のヘテロ障壁が伝導帯端に現れる。そして、第1紺
m第2の実施形態から容易に類推することができるよう
に、SiCボディ領域64の下方に、第1Siボディ領
域62及び第2Siボディ領域63という高濃度ボディ
領域が設けられているので、Siチャネル領域における
価電子帯端のポテンシャルが高くなる。これは、第1の
実施形態と同様に、第1,第2Siボディ領域62,6
3中の電子がSiCボディ領域−第2Siボディ領域間
のヘテロ障壁の谷側部に蓄えられるからである。そし
て、その結果、本実施形態のpHDTMOSによると、
ボディ領域の不純物濃度を高くすることでボディ領域の
低抵抗化を図りつつ、しきい値電圧の低い,高い駆動力
を有するとともに、短チャネル効果に対する耐性の高い
トランジスタで得られることになる。
【0114】すなわち、本実施形態のSiC−pHDT
MOSにより、他の特性を犠牲にすることなくしきい値
電圧の上昇を抑制でき、ボディ濃度を高く設定すること
ができるため、CR遅延による高速動作の妨げを解消し
うるデバイスが実現することになる。
MOSにより、他の特性を犠牲にすることなくしきい値
電圧の上昇を抑制でき、ボディ濃度を高く設定すること
ができるため、CR遅延による高速動作の妨げを解消し
うるデバイスが実現することになる。
【0115】なお、本実施形態では、チャネル層下部に
存在するチャネル層よりバンドギャップの小さい層を構
成する材料としてSiCを用いたDTMOSについて示
したが、SiCを用いたホモ接合型のpDTMOSを構
成した場合にも、本実施形態と同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。また、ゲート電極としてミッドギ
ャップの材料(例えばタングステン)からなるものを用
いた場合にも、本実施形態と同様の効果が得られる。
存在するチャネル層よりバンドギャップの小さい層を構
成する材料としてSiCを用いたDTMOSについて示
したが、SiCを用いたホモ接合型のpDTMOSを構
成した場合にも、本実施形態と同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。また、ゲート電極としてミッドギ
ャップの材料(例えばタングステン)からなるものを用
いた場合にも、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0116】(その他の実施形態)上記第1の実施形態
において説明したSi/SiGeヘテロ接合を有するn
HDTMOSと、上記第5の実施形態で説明したSi/
SiCヘテロ接合を有するpHMOS又はpHDTMO
Sを利用して、相補型HMOS又は相補型HDTMOS
を構成することができる。
において説明したSi/SiGeヘテロ接合を有するn
HDTMOSと、上記第5の実施形態で説明したSi/
SiCヘテロ接合を有するpHMOS又はpHDTMO
Sを利用して、相補型HMOS又は相補型HDTMOS
を構成することができる。
【0117】SiGe−nHMOS又はSiGe−nH
DTMOSにおいて、トップSi膜はなくてもよい。そ
の場合、SiGe層又はSiC領域がチャネル領域とし
て機能することになる。
DTMOSにおいて、トップSi膜はなくてもよい。そ
の場合、SiGe層又はSiC領域がチャネル領域とし
て機能することになる。
【0118】SiGe結晶にCを微量(約3%程度ま
で)を含むSiGeC混晶を用いたSiGeC膜を、上
記各実施形態のSiGe膜又はSiC膜の代わりに用い
ることができる。この場合、Cの存在により不純物の拡
散抑制機能が高くなるので、各層の不純物濃度を設計範
囲に収めることが容易となる。また、SiGeC層のG
e組成率とC組成率との調整により、バンドギャップを
適宜調整することができ、かつ、Si層との間に形成さ
れるヘテロ障壁の高さを価電子帯側と伝導帯側とで調整
することができる。
で)を含むSiGeC混晶を用いたSiGeC膜を、上
記各実施形態のSiGe膜又はSiC膜の代わりに用い
ることができる。この場合、Cの存在により不純物の拡
散抑制機能が高くなるので、各層の不純物濃度を設計範
囲に収めることが容易となる。また、SiGeC層のG
e組成率とC組成率との調整により、バンドギャップを
適宜調整することができ、かつ、Si層との間に形成さ
れるヘテロ障壁の高さを価電子帯側と伝導帯側とで調整
することができる。
【0119】
【発明の効果】本発明は、チャネル領域を含む上部半導
体層の少なくとも一部よりもバンドギャップの大きい、
かつ、より高濃度の不純物を含む高濃度ボディ領域を設
けたので、しきい値電圧の上昇を抑制しつつ、駆動力の
大きい,かつ高速動作が可能なデバイスを得ることがで
きる。
体層の少なくとも一部よりもバンドギャップの大きい、
かつ、より高濃度の不純物を含む高濃度ボディ領域を設
けたので、しきい値電圧の上昇を抑制しつつ、駆動力の
大きい,かつ高速動作が可能なデバイスを得ることがで
きる。
【図1】従来のDTMOSの構造を模式的に示す断面図
である。
である。
【図2】従来のDTMOSの構造を模式的に示す平面図
である。
である。
【図3】第1の実施形態のSiGe−nHMOSの構造
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図4】第1の実施形態のSiGe−nHMOSのVg
−Id特性のボディ濃度依存性を示す図である。
−Id特性のボディ濃度依存性を示す図である。
【図5】第1の実施形態のSiGe−nHMOSのiG
e膜の代わりにSi膜を用いた従来のSi−nMOSの
Vg−Id特性を示す図である。
e膜の代わりにSi膜を用いた従来のSi−nMOSの
Vg−Id特性を示す図である。
【図6】(a)〜(c)は、それぞれ順に、ボディ濃度
が1×1019cm-3のときの不純物濃度プロファイルを
示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバン
ド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
が1×1019cm-3のときの不純物濃度プロファイルを
示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバン
ド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
【図7】(a)〜(c)は、それぞれ順に、ボディ濃度
が5×1018cm-3のときの不純物濃度プロファイルを
示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバン
ド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
が5×1018cm-3のときの不純物濃度プロファイルを
示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバン
ド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、それぞれ順に、ボディ濃度
が2×1018cm-3のときの不純物濃度プロファイルを
示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバン
ド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
が2×1018cm-3のときの不純物濃度プロファイルを
示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバン
ド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
【図9】ボディ濃度が1×1018cm-3のときのSiチ
ャネル層,SiGe層及び第1,第2Siボディ領域を
通過する断面における不純物濃度プロファイル及び縦方
向の電界強度を示す図である。
ャネル層,SiGe層及び第1,第2Siボディ領域を
通過する断面における不純物濃度プロファイル及び縦方
向の電界強度を示す図である。
【図10】ボディ濃度が1×1019cm-3のときの不純
物濃度プロファイル及び縦方向の電界強度を示す図であ
る。
物濃度プロファイル及び縦方向の電界強度を示す図であ
る。
【図11】(a),(b),(c)は、それぞれ順に、
本実施形態のHDTMOSの構造を示す平面図、図11
(a)のXIb−XIb線における断面図、図11(a)のXI
c−XIc線における断面図である。
本実施形態のHDTMOSの構造を示す平面図、図11
(a)のXIb−XIb線における断面図、図11(a)のXI
c−XIc線における断面図である。
【図12】第2の実施形態のHDTMOSの構造をさら
に詳細に示す断面図である。
に詳細に示す断面図である。
【図13】第2の実施形態のSiGe−nHDTMOS
のVg−Id特性のボディ濃度依存性を示す図である。
のVg−Id特性のボディ濃度依存性を示す図である。
【図14】SiGe膜の代わりにSi膜を用いた従来の
nDTMOSのVg−Id特性のボディ濃度依存性を示
す図である。
nDTMOSのVg−Id特性のボディ濃度依存性を示
す図である。
【図15】第2の実施形態のゲート電極に代えて、ミッ
ドギャップの材料であるタングステンからなるゲート電
極を用いたSiGe−nHDTMOSのVg−Id特性
のボディ濃度依存性を示す図である。
ドギャップの材料であるタングステンからなるゲート電
極を用いたSiGe−nHDTMOSのVg−Id特性
のボディ濃度依存性を示す図である。
【図16】タングステンからなるゲート電極を用いたS
i−nDTMOSのVg−Id特性のボディ濃度依存性
を示す図である。
i−nDTMOSのVg−Id特性のボディ濃度依存性
を示す図である。
【図17】第3の実施形態のHDTMOSの断面図であ
る。
る。
【図18】第3の実施形態のHDTMOSの平面図であ
る。
る。
【図19】第3の実施形態のSiGe−nHDTMOS
のVg−Id特性及びVg−Ib特性のボディ濃度依存
性を示す図である。
のVg−Id特性及びVg−Ib特性のボディ濃度依存
性を示す図である。
【図20】SiGe膜の代わりにSi膜を用いたSi−
nDTMOSのVg−Id特性及びVg−Ib特性のV
g−Idb特性のボディ濃度依存性を示す図である。
nDTMOSのVg−Id特性及びVg−Ib特性のV
g−Idb特性のボディ濃度依存性を示す図である。
【図21】(a)〜(c)は、それぞれ順に、ボディ濃
度が1×1019cm-3のときの不純物濃度プロファイル
を示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバ
ンド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
度が1×1019cm-3のときの不純物濃度プロファイル
を示す図,ビルトインポテンシャルを示すエネルギーバ
ンド図及びキャリア濃度の分布状態を示す図である。
【図22】SiGe層の下端から高濃度ボディ領域の上
端までの距離に対する,SiGe−DTMOSとSi−
DTMOSとのしきい値電圧の差(ΔVt)の関係を示
す図である。
端までの距離に対する,SiGe−DTMOSとSi−
DTMOSとのしきい値電圧の差(ΔVt)の関係を示
す図である。
【図23】第4の実施形態のSiGe−DTーcHMO
Sの構造を示す断面図である。
Sの構造を示す断面図である。
【図24】第4の実施形態のSiGe−DT−cHMO
S中のpHDTMOSと、これと同じボディ濃度を有す
るSi−pDTMOSとのVg−Id特性を比較する図
である。
S中のpHDTMOSと、これと同じボディ濃度を有す
るSi−pDTMOSとのVg−Id特性を比較する図
である。
【図25】第4の実施形態のSiGe−DT−cHMO
S中のpHDTMOSと、これよりも低いボディ濃度を
有するSi−pDTMOSとのVg−Id特性を比較す
る図である。
S中のpHDTMOSと、これよりも低いボディ濃度を
有するSi−pDTMOSとのVg−Id特性を比較す
る図である。
【図26】第5の実施形態のSiC−pHDTMOSの
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図27】第5の実施形態のSiC−pHDTMOSの
Vg−Id特性と、SiGe膜の代わりにSi膜を用い
たSi−pDTMOSのVg−Id特性とを比較する図
である。
Vg−Id特性と、SiGe膜の代わりにSi膜を用い
たSi−pDTMOSのVg−Id特性とを比較する図
である。
10 Si基板
11 埋め込み酸化膜
12 下地Si膜
13 Siバッファ膜
14 SiGe膜
15 トップSi膜
16 ゲート絶縁膜
17 ゲート電極
20a ソース領域
20b ドレイン領域
22 第1Siボディ領域
23 第2Siボディ領域
24 SiGe層
25 Siチャネル領域
S ソース
G ゲート
D ドレイン
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H01L 29/78 622
626Z
301B
301X
(72)発明者 久保 実
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Fターム(参考) 5F052 DA01 DA03 JA01 KA03
5F110 AA01 AA08 BB04 CC02 DD05
DD13 EE04 EE09 EE31 FF02
FF23 GG01 GG02 GG12 GG19
GG20 GG24 GG25 GG28 GG29
GG32 GG34 GG37 GG44 GG52
GG60 NN78
5F140 AA01 AA06 AB03 AC10 AC28
AC36 BA01 BA02 BA05 BB13
BB18 BC12 BE07 BF01 BF04
BF07 BG08 BG12
Claims (19)
- 【請求項1】 半導体基板上に電界効果型トランジスタ
を設けてなる半導体装置であって、 上記電界効果型トランジスタは、 上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜及びゲート
電極と、 上記半導体基板内の上記ゲート電極の両側方に位置する
領域に設けられ第1導電型不純物を含むソース・ドレイ
ン領域と、 上記半導体基板内の上記ソース・ドレイン領域間に位置
する領域に設けられ、チャネル領域を含む上部半導体層
と、 上記上部半導体層の下方に設けられ、上記上部半導体層
の少なくとも一部よりバンドギャップの大きい,かつ,
より高濃度の第2導電型不純物を含む高濃度ボディ領域
とを備えている半導体装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記ボディ領域に存在する不純物濃度の最大値は、上記
上部半導体層中の不純物濃度の最大値よりも5倍以上で
あることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の半導体装置にお
いて、 上記高濃度ボディ領域の上端が、上記上部半導体層の上
記少なくとも一部の下端から20nm以内だけ下方に存
在することを特徴とする半導体装置。 - 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
の半導体装置において、 上記上部半導体層は、上記少なくとも一部を構成する下
層と、該下層よりもバンドギャップの大きい上層とを含
み、 上記上層がチャネル領域として機能することを特徴とす
る半導体装置。 - 【請求項5】 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載
の半導体装置において、 上記上部半導体層の上記少なくとも一部と上記高濃度ボ
ディ領域との間のヘテロ接合部には、上記上部半導体層
のキャリアが走行するバンドとは反対側のバンドの方
に、主となるバンドオフセットが形成されていることを
特徴とする半導体装置。 - 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
の半導体装置において、 上記ゲート電極がポリシリコンまたは金属により構成さ
れていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項7】 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載
の半導体装置において、 上記半導体基板がSOI基板であることを特徴とする半
導体装置。 - 【請求項8】 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載
の半導体装置において、 上記高濃度ボディ領域がシリコン層であり、 上記上部半導体層の上記少なくとも一部が、シリコンお
よびゲルマニウムを含む半導体層により構成されている
ことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項9】 請求項8に記載の半導体装置において、 上記上部半導体層は、上記少なくとも一部と上記ゲート
絶縁膜との間に介在するシリコン層をさらに含んでいる
ことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項10】 請求項9に記載の半導体装置におい
て、 上記電界効果型トランジスタが、nチャネル電界効果型
トランジスタとして動作することを特徴とする半導体装
置。 - 【請求項11】 請求項10に記載の半導体装置におい
て、 上記半導体基板上に設けられたもう1つのゲート絶縁膜
及びもう1つのゲート電極と、 上記半導体基板内の上記もう1つのゲート電極の両側方
に位置する領域に設けられ第1導電型不純物を含むもう
1つのソース・ドレイン領域と、 上記半導体基板内の上記もう1つのソース・ドレイン領
域間に位置する領域に設けられ、チャネル領域を含むも
う1つの上部半導体層と、 上記もう1つの上部半導体層の下方に設けられたボディ
領域とを有するpチャネル電界効果型トランジスタをさ
らに備えていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項12】 請求項11に記載の半導体装置におい
て、 上記pチャネル電界効果型トランジスタの上記もう1つ
の上部半導体層は、 上記nチャネル電界効果型トランジスタの上記上部半導
体層の下層と同じ構成を有する半導体層からなる下層
と、 上記nチャネル電界効果型トランジスタの上記上部半導
体層の上層と同じ構成を有する半導体層からなる上層と
を含んでいることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項13】 請求項1〜12のうちいずれか1つに
記載の半導体装置において、 上記上部半導体層の上記少なくとも一部が、シリコン,
ゲルマニウム及び炭素を含む半導体層により構成されて
いることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項14】 請求項1〜7のうちいずれか1つに記
載の半導体装置において、 上記上部半導体層の上記少なくとも一部が、シリコン及
び炭素を含む半導体層により構成されていることを特徴
とする半導体装置。 - 【請求項15】 請求項14に記載の半導体装置におい
て、 上記上部半導体層は、上記少なくとも一部と上記ゲート
絶縁膜との間に介在するシリコン層をさらに含んでいる
ことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項16】 請求項15に記載の半導体装置におい
て、 上記電界効果型トランジスタは、pチャネル電界効果型
トランジスタとして動作することを特徴とする半導体装
置。 - 【請求項17】 請求項16に記載の半導体装置におい
て、 上記半導体基板上に設けられたもう1つのゲート絶縁膜
及びもう1つのゲート電極と、 上記半導体基板内の上記もう1つのゲート電極の両側方
に位置する領域に設けられ第1導電型不純物を含むもう
1つのソース・ドレイン領域と、 上記半導体基板内の上記もう1つのソース・ドレイン領
域間に位置する領域に設けられ、チャネル領域を含むも
う1つの上部半導体層と、 上記もう1つの上部半導体層の下方に設けられたボディ
領域とを有するnチャネル電界効果型トランジスタをさ
らに備えていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項18】 請求項17に記載の半導体装置におい
て、 上記nチャネル電界効果型トランジスタの上記もう1つ
の上部半導体層は、 上記pチャネル電界効果型トランジスタの上記上部半導
体層の下層と同じ構成を有する半導体層からなる下層
と、 上記pチャネル電界効果型トランジスタの上記上部半導
体層の上層と同じ構成を有する半導体層からなる上層と
を含んでいることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項19】 請求項1〜18のうちいずれか1つに
記載の半導体装置において、 上記ゲート電極と上記高濃度ボディ領域とは、互いに電
気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
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---|---|---|---|
JP2001220202A JP2003031813A (ja) | 2001-07-19 | 2001-07-19 | 半導体装置 |
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- 2001-07-19 JP JP2001220202A patent/JP2003031813A/ja active Pending
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