JP2004214578A - 半導体装置 - Google Patents

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Takahiro Kawashima
孝啓 川島
Takeshi Takagi
剛 高木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】低電圧化に適したVTMISデバイスを提供する。
【解決手段】SiGe−nHVTMISFETは、ゲート絶縁膜18と、ゲート電極19と、ソース・ドレイン領域31a,31bと、Siボディ領域25と、SiGeボディ領域26と、Siチャネル領域27と、ボディコンタクトとを備え、Siボディ領域25及びSiGeボディ領域26にボディバイアスを印加し得るように構成されている。価電子帯に形成されるバンドオフセットにホールが蓄積される結果、伝導帯のポテンシャルが低下するので、しきい値電圧の上昇が抑制され、かつ、基板バイアス係数が増大する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MISトランジスタの基板バイアスを制御するように構成されたVTMOSに係り、特に、ヘテロ接合を利用した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電池駆動による携帯情報端末装置は広く使用されている。このような装置においては、電池寿命を延ばすために、内部に搭載されているLSI(半導体装置)の高速動作を犠牲にすることなく電源電圧を低減することが強く望まれている。LSIを構成する主要な部材であるMISFETにおける消費電力Pとゲート遅延時間Tは、それぞれ下記式(1),(2)
P=Pactiv +Pstand−by=f・Cload・Vdd +Ileak・Vdd (1)
T∝Cload・Vdd /Ion+Vdd/(Vdd−Vth) (2)
のように表される。ここで、fは駆動頻度(トグル数)、Cloadは負荷容量、Vddは電源電圧、Ileakはリーク電流、αはキャリア速度飽和に依存する因子である(1.3〜1.5程度)。
【0003】
式(1)からわかるように、低消費電力化を実現するためには電源電圧Vddを小さくすることが有効である。一方、式(2)からわかるように、電源電圧Vddを小さくすると回路の速度が低下する。そこで、低電源電圧においても高速動作を実現するためには、しきい値電圧Vthを下げることが有効となる。
【0004】
しかしながら、しきい値電圧Vthを小さくするとオフ時のリーク電流(オフリーク)が大きくなるため、待機時の消費電力量が増大する。待機時のオフリークを低減し、動作時に高駆動力を示すデバイスとして、非特許文献1に開示されているDTMOS(Dynamic Threshold Voltage MOSFET)と呼ばれる素子や、非特許文献2に開示されているVTMOS(Variable Threshold Voltage MOSFET )と呼ばれる素子が注目を浴びている。
【0005】
ここで、VTMOSでは、動作時にしきい値電圧Vthが小さくなって駆動力が高くなるように、順バイアスが基板領域に印加され(順基板バイアス)、待機時はしきい値電圧Vthが大きくなってオフリークが小さくなるように、逆バイアスが基板領域に印加される(逆基板バイアス)。このように、通常のMISFETにおいて基板バイアスを制御し、しきい値電圧Vthをコントロールすることにより、待機時には低オフリークで、且つ動作時には高駆動力を実現することができる。
【0006】
【非特許文献1】
F. Assaderaghi et. al., ”A Dynamic Threshold Voltage MOSFET(DTMOS) forUltra−Low Voltage Operation,” IEDM94 Ext. Abst. p.809
【非特許文献2】
T. Kuroda. et. al., ”A 0.9V, 150−MHx, 10−mW, 4mm2, 2−D Discrete CosineTransfer Core Processor with Variable Threshold−Voltage Scheme”, IEEE J. Solid−State Circuits, vol.31, 1996, p.1770
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
VTMOSにおいて、基板バイアスVbsの変化に対するしきい値電圧Vthの変化の感度を表す係数として、基板バイアス係数γがある。基板バイアス係数γは、下記式(3)
γ=|ΔVth|/|ΔVbs| (3)
のように定義されている。
【0008】
これより、VTMOSにおいては、基板バイアス係数γの大きなデバイスの方が高駆動力で低いリーク電流を実現することができることがわかる。単に基板バイアス係数γを大きくするには、ボディ領域の不純物濃度を高くすればよい。しかしながら、ボディ領域の不純物濃度が高くなるとしきい値電圧Vthが高くなり、半導体装置の低電圧化に逆行するというトレード・オフの関係がある。今後、低電源電圧化が進むと、ますますしきい値電圧Vthを小さくすることが求められる。そのために、従来のVTMOSにおいては、ボディ領域の不純物濃度を高くできず、大きな基板バイアス係数γを得ることができなくなってくるという問題がある。
【0009】
また、ボディ領域の不純物濃度を高くできないことにより、短チャネル効果が顕著に現れるという問題も生じてくる。
【0010】
本発明の目的は、トランジスタのしきい値電圧の上昇を抑制しつつ、ボディ領域の不純物濃度を高く維持する手段を講ずることにより、低電圧化に適したVTMIS半導体装置の提供を図ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、基板上の半導体領域に電界効果型トランジスタを備えた半導体装置であって、上記電界効果型トランジスタは、上記半導体領域の主面上に設けられたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上方に設けられたゲート電極と、上記半導体領域のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に設けられた第1導電型ソース・ドレイン領域と、上記半導体領域のうち上記第1導電型ソース・ドレイン領域間に位置する領域に設けられた第1の半導体からなるチャネル領域と、上記半導体領域のうち上記チャネル領域の下方に位置する領域に設けられ、上記チャネル領域に接する部分が上記第1の半導体よりもバンドギャップの小さい第2の半導体からなる第2導電型のボディ領域と、上記ボディ領域に電気的に接続され、上記ソース・ドレイン領域及びゲート電極とは独立した電圧を供給するためのボディコンタクトとを備え、上記第1の半導体と上記第2の半導体との間には、第1導電型キャリアが走行するバンドとは反対側のバンド端にバンドオフセットが形成される。
【0012】
これにより、ボディ領域のチャネル領域に接する部分とチャネル領域との間において形成されたバンドオフセット(ヘテロ障壁)には、ボディ領域に導入されている第2導電型キャリアが蓄積されることから、第1導電型キャリアが走行するバンドの,第1導電型キャリアの走行に対するポテンシャルが低下する。そして、ボディ領域のドーパント濃度を高くしても、バンドオフセットに第2導電型キャリアが増えると、それに応じて第1導電型キャリアが走行するバンドのポテンシャルが低下することから、電界効果トランジスタのしきい値電圧の上昇が抑制される。したがって、しきい値電圧の上昇を抑制しつつ、基板バイアス係数の増大による駆動力の向上と、オフリークの低減とを図ることができる。
【0013】
上記チャネル領域は、第2の導電型にドープされていることが好ましい。
【0014】
上記ボディ領域は、上記チャネル領域に接する,上記第2の半導体からなる第1のボディ領域と、上記第1のボディ領域の下方に設けられ上記第2の半導体よりもバンドギャップの大きい第3の半導体からなる第2のボディ領域とを有し、上記チャネル領域から上記ボディ領域に向かう方向に延びる空乏層が、上記第1のボディ領域と上記第2のボディ領域との間のヘテロ界面よりも下方に延びていないことが好ましい。
【0015】
上記ボディ領域のうち少なくとも上記チャネル領域に接する部分のドーパント濃度が上記チャネル領域のドーパント濃度よりも1桁以上高いことが好ましい。
【0016】
しきい値電圧が低くなる方向に上記ボディコンタクトに電圧(順バイアス)を印加する方が、しきい値電圧が高くなる方向に上記ボディコンタクトに電圧(逆バイアス)を印加する場合よりも、しきい値電圧の変化が大きいことにより、基板バイアス係数をより確実に上昇させることができる。
【0017】
上記電界効果トランジスタの動作時には、上記ボディコンタクトに順バイアスを印加し、待機時には、上記ボディコンタクトに逆バイアスを印加することにより、オン時における駆動力の向上と、オフリークとの低減を図ることができる。
【0018】
一般的には、上記半導体領域は、Si基板又はSOI基板の上に設けられているものである。
【0019】
上記半導体領域の主面上に設けられたもう1つのゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上方に設けられたもう1つのゲート電極と、上記半導体領域のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に設けられた第2導電型ソース・ドレイン領域と、上記半導体領域のうち上記第2導電型ソース・ドレイン領域間に位置する領域に設けられた上記第1の半導体からなるキャップ領域と、上記半導体領域のうち上記キャップ領域の下方に位置する領域に設けられ、上記キャップ領域に接する部分が上記第2の半導体からなるもう1つのチャネル領域と、上記もう1つのチャネル領域の下方に設けられ、上記第1の半導体よりもバンドギャップの大きい第3の半導体からなるもう1つのボディ領域と、上記ボディ領域に電気的に接続され、上記ソース・ドレイン領域及びゲート電極とは独立した電圧を供給するためのボディコンタクトとを備えたもう1つの電界効果トランジスタを備えることにより、相補型の半導体デバイスが得られる。
【0020】
電界効果トランジスタのチャネル領域の上面と、上記もう1つの電界効果トランジスタのキャップ領域の上面とは、同じ高さ位置にあることにより、製造工程の簡素化と製造コストの低減とを図ることができる。
【0021】
上記チャネル領域は、Si層であり、上記ボディ領域のうち少なくとも上記チャネル領域に接する部分は、Si1−x−y Ge (0<x<1,0≦y<1)で表される組成を有する半導体によって構成されていることが好ましい。
【0022】
上記第1の導電型がn型であり、上記ボディ領域のうち上記チャネル領域に接する部分は、SiGeによって構成されている場合には、nチャネル型電界効果トランジスタとして機能する。
【0023】
上記ボディ領域のうち上記チャネル領域に接する部分以外の領域は、Siによって構成されていることが好ましい。
【0024】
上記第1の導電型がp型であり、上記ボディ領域のうち上記チャネル領域に接する部分は、Si:Cによって構成されている場合には、pチャネル型電界効果トランジスタとして機能する。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明は、VTMISFETを前提とし、チャネル領域(第1の半導体層)を構成する半導体材料(Si)よりバンドギャップの小さい半導体材料(SiGe,Si:Cなど)からなるボディ領域(第2の半導体層)をチャネル領域の下方に設け、第1の半導体層と第2の半導体層との間のヘテロ界面付近に第2導電型ドーパントを高濃度(1×1018cm−3以上)に導入することにより、キャリアの走行するバンド(nチャネル型MISFETで第2の半導体層がSiGe層の場合、伝導帯)の,キャリアの走行に対するポテンシャルを低下させる。このバンドポテンシャルの低下がチャネル領域である表面部に伝わることにより、しきい値電圧Vthが低減する。また、ボディ領域の不純物濃度が高濃度で、かつ、第2の半導体層にキャリアを蓄積させることにより、大きなしきい値電圧Vthのシフトが実現し、これによって基板バイアス係数γが増大する。このような効果により、VTMISにおける高駆動力化・低電源電圧化を図っている。以下、図面を用いて本発明の実施の形態について順次説明していく。
【0026】
(第1の実施の形態)
第1の実施形態においては、第1の半導体層を構成する半導体材料としてSiを用い、第1の半導体層よりバンドギャップの小さい第2の半導体層を構成する半導体材料としてSiGeを用い、第3の半導体層(キャップ層)を構成する半導体材料としてSiを用いたSiGe−nチャネルヘテロVTMISFET(以降、SiGe−nHVTMISFETという)の実施形態について説明する。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態におけるSiGe−nHVTMISFETの断面図である。図2は、第1の実施形態におけるSiGe−nHVTMISFETの上面図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態のSiGe−nHVTMISFETは、SOI基板10上に、エピタキシャル層11を設けて構成されている。SOI基板10は、Si基板内に酸素イオンを注入して形成された埋め込み酸化層12(BOX層)と、埋め込み酸化層12の上に残存するSi基板層13と、埋め込み酸化層12の下方に残存するSi基板本体(図示せず)とを有している。エピタキシャル層11は、Si基板層13の上にエピタキシャル成長により形成されたSiバッファ層15と、Siバッファ層15の上にエピタキシャル成長により形成されたSiGe層16と、SiGe層16の上にエピタキシャル成長により形成されたSiキャップ層17とを有している。本実施形態では、Si基板層13の厚みは100〜200nmであり、Siバッファ層15の膜厚は約2nmであり、SiGe層16の膜厚は約15nmであり、Siキャップ層17の膜厚は約20nmである。また、SiGe層16のGe組成率は30%(SiGeのバンドギャップはSiに対し約230meV小さくなる)である。後述するように、Siキャップ層17の膜厚はある程度厚くしておく必要がある。Siバッファ層15は、SiGe層16を結晶成長させる際に良好な結晶性を得るために必要な層であり、寄生容量を低減するためには、Siバッファ層15はできるだけ薄くすることが好ましい。
【0029】
また、Siキャップ層17の上にはシリコン酸化膜(又はシリコン酸窒化膜)からなるゲート絶縁膜18と、ポリシリコン膜からなるゲート電極19とが設けられている。そして、ゲート電極19をマスクとして用いたリンイオン(P )の注入によって、ソース・ドレイン領域31a,31bが形成されている。ソース・ドレイン領域31a,31bは、Si基板層13の上部から、Siバッファ層15,SiGe層16及びSiキャップ層17の各一部に亘っている。本実施形態のSiGe−HVTMISFETにおいては、Si基板層13及びSiバッファ層15のうちゲート電極19の下方に位置している部分がSiボディ領域25であり、SiGe層16のうちゲート電極19の下方に位置する部分がSiGeボディ領域26であり、Siキャップ層17のうちゲート電極19の下方に位置する部分がSiチャネル領域27である。
【0030】
また、図1には示されていないが、図2に示すように、SiGe−nHVTMISFETは、シリコン酸化膜からなる素子分離領域Risによって囲まれている。素子分領域Risのうちゲート電極19の幅方向に位置する領域(図2の破線に示すボディコンタクト用領域Rbc参照)は、Si基板層13の上面までしかシリコン酸化膜が存在せず、素子分領域Risのうち他の領域では埋め込みシリコン酸化膜12までシリコン酸化膜が存在している。そして、ゲート電極19のコンタクト部に近接して、素子分離領域Risを貫通してSi基板層13に達するボディコンタクト20が設けられており、Siボディ領域25及びSiGeボディ領域26にボディバイアスを印加し得るように構成されている。
【0031】
本実施形態におけるSiGe−HVTMISFETの製造方法についての図示は省略するが、主な処理は以下の通りである。SOI基板のSi基板層13には、エピタキシャル層11の形成前に、イオン注入により比較的高濃度のボロン(B)(1×1018cm−3程度)がドープされている。Si基板層13の上にSiバッファ層15,SiGe層16を順次エピタキシャル成長させる際に、Siバッファ層15及びSiGe層16に、濃度が1×1018cm−3程度のボロン(B)をin−situ ドープする。また、Siキャップ層17は、エピタキシャル成長の際にはアンドープであるが、SiGe層16からのボロン(B)の拡散により、濃度が1×1017cm−3程度のp 層になっている。また、Siキャップ層17を酸化(又は酸窒化)することにより、膜厚が約2〜6nmのシリコン酸化膜(又はシリコン酸窒化膜)を形成した後、シリコン酸化膜(又はシリコン酸窒化膜)の上にn ポリシリコン膜を形成する。そして、n ポリシリコン膜及びシリコン酸化膜(又はシリコン酸窒化膜)をパターニングして、ゲート電極19及びゲート絶縁膜18を形成する。その後、ゲート電極19をマスクとして、Siキャップ層17,SiGe層16,Siバッファ層15及びSi基板層13にn型不純物(ヒ素又はリン)のイオンを注入することにより、ソース・ドレイン領域31a,31bを形成する。したがって、n型不純物の注入が行なわれていないゲート電極19直下の領域においては、Siボディ領域25,SiGeボディ領域26及びSiチャネル領域27にin−situ ドープされたドーパントが相殺されず、これらの領域はp型領域となっている。
【0032】
図3は、SiGe−nHVTMISFETと、Si−nVTMISFETとのバンド構造を比較するための0バイアス時のエネルギバンド図(ビルトインポテンシャル)である。同図の横軸は、ゲート絶縁膜18とSiチャネル領域27との界面の位置を0としたときの深さ位置を表している。また、同図の縦軸は、フェルミレベルを0としたときのポテンシャル(eV)を表している。同図の実線はSiGe−nHVTMISFETのバンド構造を示し、同図の点線はSi−nVTMISFETのバンド構造を示している。同図を参照すると、以下のことがわかる。
【0033】
SiGe−nHVTMISFET,Si−nVTMISFET共に、チャネルは、Siチャネル領域のゲート絶縁膜との界面付近の領域に形成される。そして、SiGe−nHVTMISFETのSiチャネル領域のポテンシャルは、Si−nVTMISFETのチャネル領域のポテンシャルよりもかなり低下していることがわかる。つまり、SiGe−nHVTMISFETでは、しきい値電圧Vthを低くすることができる。これは、ドーパントの導入によってSi/SiGeヘテロ構造をp型領域にすると、Si層とSiGe層とのフェルミ・レベルを一致させようとするために、SiGe層の伝導帯のポテンシャルが低下することによる。すなわち、SiGe−nHVTMISFETにおいては、SiGe/Siヘテロ接合領域のポテンシャルの低下によって、Siチャネル領域の表面部のポテンシャルが低下し、しきい値電圧Vthが低下する。また、SiGeボディ領域のバンドギャップはGe組成率が増大するほど小さくなるため、Ge組成率が増大すると、このSiGe−nHVTMISFETのSiチャネル領域におけるポテンシャルはさらに低下する。ただし、図3に示すようなバンドプロファイルを実現するためには、空乏層端の位置が重要である。つまり、空乏層端がヘテロ接合部よりも基板側に位置しないように、ボディ領域の不純物濃度やドーピング領域の幅を最適化する必要がある。そのためには、SiGeボディ領域26とSiチャネル領域27との不純物濃度差が重要となり、SiGeボディ領域26の不純物濃度をSiチャネル領域27の不純物濃度よりも1桁以上高濃度に設定することが好ましい。
【0034】
図4は、SiGe−nHVTMISFETと、Si−nVTMISFETとのしきい値電圧のボディ領域の不純物濃度依存性を示す図である。同図の横軸はボディ領域の不純物濃度Naを表し、同図の縦軸はMISFETのしきい値電圧Vthを表している。同図の実線はSiGe−nHVTMISFETに対するシミュレーション結果を示し、点線はSi−nVTMISFETに対するシミュレーション結果を示している。また、同図の●はSiGe−nHVTMISFETに対する実験結果を示し、▲はSi−nVTMISFETに対する実験結果を示している。ここで、MISFETのゲート長・ゲート幅比L/Wを1/10とし、ドレイン電圧Vdを0.05Vとしている。同図を参照すると、以下のことがわかる。
【0035】
SiGe−nHVTMISFET,Si−nVTMISFET共に、シミュレーション結果と実験結果とがよく一致している。ボディ領域の不純物濃度Naが低い領域においては、SiGe−nHVTMISFETとSi−nVTMISFETとのしきい値電圧Vthにそれほど差がみられない。これは、この領域では、SiGe−nHVTMISFETにおいても、SiGeボディ領域が空乏化するためと考えられる。そして、ボディ領域の不純物濃度Naを増加させていくと、Si−nVTMISFETではしきい値電圧Vthが急増するのに対し、SiGe−nHVTMISFETではしきい値電圧Vthの上昇が抑制されている。すなわち、SiGe−nHVTMISFETにおいては、図3に示すように伝導帯のポテンシャルが低下しているためと考えられる。これにより、ボディ領域の不純物濃度Naが高い領域において、SiGe−nHVTMISFETがSi−nVTMISFETよりも低電圧化に有利であることがわかる。つまり、SiGe−nHVTMISFETの構造は、トランジスタの微細化において問題となる短チャネル効果の抑制に対して有効であることがわかる。
【0036】
図5は、SiGe−nHVTMISFETの基板バイアスVbsの変化に対する伝導帯のポテンシャルの変化を示す部分エネルギバンド図である。同図の横軸は、ゲート絶縁膜18とSiチャネル領域27との界面の位置を0としたときの深さ位置を表している。また、同図の縦軸は、フェルミレベルを0としたときのポテンシャル(eV)を表している。基板バイアスVbsは、ソース領域の電位(本実施形態においては、接地電圧Vss)に対するボディ領域(本実施形態では、Si基板領域13)の電圧である。ボディ領域の不純物濃度は、いずれも1×1018cm−3であり、基板バイアスVbsを−0.6Vから0.6Vまで0.2V刻みに変化させている。図5の点線で示す範囲が、SiGeボディ領域の範囲である。
【0037】
図6は、Si−nVTMISFETの基板バイアスVbsの変化に対する伝導帯のポテンシャルの変化を示す部分エネルギバンド図である。同図の横軸は、ゲート絶縁膜とチャネル領域との界面の位置を0としたときの深さ位置を表している。また、同図の縦軸は、フェルミレベルを0としたときのポテンシャル(eV)を表している。基板バイアスVbsは、ソース領域の電位に対するボディ領域の電圧である。ボディ領域の不純物濃度は、いずれも1×1018cm−3であり、シミュレーションにおいては、基板バイアスVbsを−0.6Vから0.6Vまで0.2V刻みに変化させているが、図5には−0.6V,0V,0.6Vの3つの場合のみを記載している。図6の点線で示す範囲が、ボディ領域の範囲である。
【0038】
図5と図6とを比較すると、深さ位置が0Vの点におけるポテンシャルが、Si−nVTMISFETよりもSiGe−nHVTMISFETの方が低くなっている。また、基板バイアスVbsの変化に対するポテンシャルの変化を比べると、Si−nVTMISFETよりもSiGe−nHVTMISFETの方が大きくなっている。
【0039】
図7は、SiGe−nHVTMISFETと、Si−nVTMISFETとのしきい値電圧の基板バイアス依存性を示す図である。同図の横軸は基板バイアスVbsを表し、同図の縦軸はMISFETのしきい値電圧Vthを表している。ボディ領域の不純物濃度は、いずれも1×1018cm−3であり、基板バイアスVbsを−0.6Vから0.6Vまで0.2V刻みに変化させている。同図の実線は、SiGe−nHVTMISFETの基板バイアスVbsに対するしきい値電圧Vthのシミュレーション結果(●)をプロットしたものであり、同図の点線は、Si−nVTMISFETの基板バイアスVbsに対するしきい値電圧Vthのシミュレーション結果(○)をプロットしたものである。ここで、MISFETのゲート長・ゲート幅比L/Wを1/10とし、ドレイン電圧Vdを1.0Vとしている。同図を参照すると、基板バイアスVbsの変化に対するしきい値電圧Vthの変化(つまり、基板バイアス係数γ)がSi−nVTMISFETよりもSiGe−nHVTMISFETの方が大きくなっている。また、順方向バイアス時には、Si−nVTMISFETよりもSiGe−nHVTMISFETSiGeの方が、しきい値電圧Vthの変化割合(基板バイアス係数)がさらに大きくなっている。言い換えると、Si−nVTMISFETと同じ不純物濃度のボディ領域を有しつつ、SiGe−nHVTMISFETにより、基板バイアス係数γの増大を図ることができる。
【0040】
図8(a)〜(c)は、SiGe−nHVTMISFETの各基板バイアス(Vbs=−0.6,0,0.6V)でのバンドプロファイルとホールプロファイルとを示す図である。図8(a)〜(c)の各左図はバンドプロファイルを示し、各右図はホールプロファイルを示す。図8(a)〜(c)の各右図に示すように、SiGe−nHVTMISFETにおいては、基板バイアスVbsが大きいほど多量のホールがSiGeボディ領域に蓄積され(同図の楕円で囲まれた領域)、このSiGeボディ領域に蓄積されたホールにより、Siチャネル領域の伝導帯のポテンシャルが低下する。このために、SiGe−nHVTMISFETにおいては、ボディ領域の不純物濃度が同じであるSi−nVTMISFETに比べると、大きな基板バイアス係数γを示すことになる。また、基板バイアスVbsを順方向に増大していくと、バンドがフラットになっていく。
【0041】
このとき、SiGe−nHVTMISFETにおいては、電子(キャリア)が走行するバンド(伝導帯)とは反対側のバンドである価電子帯において、Siチャネル領域−SiGeボディ領域間に形成されるバンドオフセット(ヘテロ障壁)が形成されていることから、SiGeボディ領域に蓄積されるホール数も増大し(図8(c)の右図参照)、伝導帯のポテンシャルがさらに低下する。その結果、MISFETのしきい値電圧Vthのシフト量が大きくなり、さらに基板バイアス係数γが増大する。以上が、図7に示されるように、SiGe−nHVTMISFETにおいて大きな基板バイアス係数γが得られる理由である。
【0042】
図9(a),(b)は、それぞれ順に、ボディ領域の不純物濃度が同程度であるSiGe−nHVTMISFET及びSi−nVTMISFETのVg−Id特性を、基板バイアスVbsをパラメータとして示す図である。図10(a),(b)は、それぞれ順に、しきい値が同程度であるSiGe−nHVTMISFET及びSi−nVTMISFETのVg−Id特性を、基板バイアスVbsをパラメータとして示す図である。図9(a),(b)及び図10(a),(b)においてVgはゲート電圧を示し、Idはドレイン電流を示す。
【0043】
そして、図9(a),(b)においては、両方のMISFETともにボディ領域の不純物濃度を1×1018cm−3としている。図10(a),(b)においては、SiGe−nHVTMISFETのボディ領域の不純物濃度を1×1018cm−3とし、Si−nVTMISFETのボディ領域の不純物濃度を2×1017cm−3として、各MISFETのしきい値電圧Vthを同程度にしている。図9(a),(b)及び図10(a),(b)において、基板バイアスVbsを−0.6〜0.6Vまで0.2V刻みに変化させている。図9(a),(b)及び図10(a),(b)において、ドレイン電流Idが約50nAのときに(実線参照)MISFETがオンしたものとする。
【0044】
図9(a),(b)からわかるように、ボディ領域の不純物濃度が同程度であるSiGe−nHVTMISFET及びSi−nVTMISFETを比較すると、SiGe−nHVTMISFETの方がSi−nVTMISFETよりもオン時のゲート電圧,つまりしきい値電圧Vthが低い。また、SiGe−nHVTMISFETの方がSi−nVTMISFETよりもしきい値電圧Vthのシフト量が大きく、基板バイアス係数γが大きくなることがわかる。
【0045】
また、図10(a),(b)からわかるように、しきい値電圧Vthが同程度であるSiGe−nHVTMISFET及びSi−nVTMISFETを比較すると、SiGe−nHVTMISFETの方がSi−nVTMISFETよりもオフ時のドレイン電流Id(リーク電流)が小さいことがわかる。つまり、SiGe−nHVTMISFETにより、VTMISFET一般の特徴的特性であるオフリークの低減作用をより顕著に発揮することができる。
【0046】
そして、同じしきい値電圧Vthに調整するためには、SiGe−nHVTMISFETのボディ領域の不純物濃度(1×1018cm−3)をSi−nVTMISFETのボディ領域の不純物濃度(2×1017cm−3)の約5倍に高濃度化することができることもわかった。したがって、本実施形態のSiGe−nHVTMISFETにより、しきい値電圧Vthの上昇を抑制しつつ基板バイアス係数γを大きくすることができ、高駆動力のトランジスタが得られる。
【0047】
以上のように、本実施形態においては、基板バイアスVbsの制御が可能なVTMISFETの構造として、ボディ領域の一部をバンドギャップの小さいSiGe層によって構成し、高濃度のドーパントを有するSi/SiGeヘテロ接合部においてはバンドのポテンシャルが低下することに着目して、MISFETのしきい値電圧Vthの低下を実現している。
【0048】
そして、本実施形態のSiGe−nHVTMISFETにより、従来のSi−nVTMISFETと同程度のしきい値電圧Vthを実現するために、ボディ領域(SiGeボディ領域26,Siボディ領域25)の不純物を高濃度にできるため、基板係数γの増大を図ることができる。このため、本実施形態のSiGe−nHVTMISFETにより、低電源電圧のもとでも、待機時のリーク電流を低減し、動作時には高い電流駆動力を有する,つまり,低消費電力で且つ高速動作するトランジスタを実現することができる。そして、ボディ領域の不純物濃度を高くすることができるため、ソース−ドレイン間でのパンチスルーが抑制され(つまりショートチャネル効果が抑制され)、ゲート長の短いデバイスにおいても、正常に動作させることが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態では、SOI基板上に形成されたSiGe−nHVTMISFETについて説明したが、SOI基板を用いずにバルクの半導体基板を用いた場合にも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0050】
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態で示したSiGe層をボディ領域に用いたnチャネル型HVTMISFET(以下、本実施形態では、単にnMISFETという)を設け、pチャネル型HVTMISFET(以下、本実施形態では、単にpMISFETという)としては、SiGe層をチャネル領域に用いた埋め込みチャネル型のMISFETを設けた相補型のHVTCMISデバイス(以下、HVTCMISデバイスという)について説明する。
【0051】
図11(a),(b),(c)は、それぞれ順に、本実施形態のHVTCMISデバイスの構造を示す断面図、nMISFETのエネルギーバンド図、及びpMISFETのエネルギーバンド図である。ここで、図11(b),(c)は、いずれもゼロバイアス時におけるエネルギーバンド図である。
【0052】
図11(a)に示すように、本実施形態のHVTCMISデバイスは、SOI基板上に設けられたpMISFETとnMISFETとを備えている。SOI基板10は、Si基板本体1と、Si基板内に酸素イオンを注入して形成された埋め込み酸化層12(BOX層)と、埋め込み酸化層12の上に残存するSi基板層13,43とを有している。
【0053】
そして、nMISFETは、Si基板層13の上にエピタキシャル成長により形成されたSiバッファ層15と、Siバッファ層15の上にエピタキシャル成長により形成されたSiGe層16と、SiGe層16の上にエピタキシャル成長により形成されたSiキャップ層17とを有している。本実施形態では、Si基板層13の厚みは100〜200nmであり、Siバッファ層15の膜厚は約2nmであり、SiGe層16の膜厚は約15nmであり、Siキャップ層17の膜厚は約20nmである。また、SiGe層16のGe組成率は30%(SiGeのバンドギャップはSiに対し約230meV小さくなる)である。nMISFETにおいては、Siキャップ層17の膜厚はある程度厚くしておく必要がある。Siバッファ層15は、SiGe層16を結晶成長させる際に良好な結晶性を得るために必要な層であり、寄生容量を低減するためには、Siバッファ層15はできるだけ薄くすることが好ましい。
【0054】
また、Siキャップ層17の上にはシリコン酸化膜(又はシリコン酸窒化膜)からなるゲート絶縁膜18と、n型不純物がドープされたポリシリコン膜からなるゲート電極19と、ゲート電極19の側面を覆うサイドウォール29とが設けられている。そして、ゲート電極19をマスクとして用いたリンイオン(P )の注入によって、ソース・ドレイン領域31a,31bが形成されている。ソース・ドレイン領域31a,31bは、Si基板層13,Siバッファ層15,SiGe層16及びSiキャップ層17の各一部に亘っている。本実施形態のSiGe−HVTMISFETにおいては、Si基板層13及びSiバッファ層15のうちゲート電極19の下方に位置している部分がSiボディ領域25であり、SiGe層16のうちゲート電極19の下方に位置する部分がSiGeボディ領域26であり、Siキャップ層17のうちゲート電極19の下方に位置する部分がSiチャネル領域27である。
【0055】
また、図11(a)には示されていないが、第1の実施形態と同様に、ゲート電極19のコンタクト部に近接して、素子分離領域を貫通してSi基板層13に達するボディコンタクトが設けられている。
【0056】
一方、pMISFETは、Si基板層43の上にエピタキシャル成長により形成されたSiバッファ層45と、Siバッファ層45の上にエピタキシャル成長により形成されたSiGe層46と、SiGe層46の上にエピタキシャル成長により形成されたSiキャップ層47とを有している。本実施形態では、Si基板層43の厚みは100〜200nmであり、Siバッファ層45の膜厚は約2nmであり、SiGe層46の膜厚は約15nmであり、Siキャップ層47の膜厚は約5nmである。また、SiGe層46のGe組成率は30%である。pMISFETにおいては、Siキャップ層47の膜厚は薄くしておく必要がある。Siバッファ層45は、SiGe層46を結晶成長させる際に良好な結晶性を得るために必要な層であり、寄生容量を低減するためには、Siバッファ層45はできるだけ薄くすることが好ましい。
【0057】
また、Siキャップ層47の上にはシリコン酸化膜(又はシリコン酸窒化膜)からなるゲート絶縁膜32と、p型不純物がドープされたポリシリコン膜からなるゲート電極33と、ゲート電極33の側面を覆うサイドウォール34とが設けられている。そして、ゲート電極33をマスクとして用いたリンイオン(P )の注入によって、ソース・ドレイン領域39a,39bが形成されている。ソース・ドレイン領域39a,39bは、Si基板層43,Siバッファ層45,SiGe層46及びSiキャップ層47の各一部に亘っている。本実施形態のpMISFETにおいては、Si基板層43及びSiバッファ層45のうちゲート電極33の下方に位置している部分がSiボディ領域35であり、SiGe層36のうちゲート電極33の下方に位置する部分がSiGeチャネル領域36であり、Siキャップ層47のうちゲート電極33の下方に位置する部分がSiキャップ領域37である。
【0058】
また、図11(a)には示されていないが、nMISFETと同様に、ゲート電極33のコンタクト部に近接して、素子分離領域を貫通してSi基板層43に達するボディコンタクトが設けられている。
【0059】
また、基板上には、nMISFET及びpMISFETを覆う層間絶縁膜40と、層間絶縁膜40を貫通して各ソース・ドレイン領域31a,31b及び39a,39bに到達するプラグ41と、層間絶縁膜40の上に設けられ各プラグ41に接続される配線層42とを備えている。
【0060】
本実施形態のHVTCMISデバイスの製造工程においては、SOI基板の一部であるSi基板層13,43には、エピタキシャル層の形成前に、イオン注入により比較的高濃度のボロン(B),ヒ素(As)(いずれも1×1018cm−3程度)がそれぞれドープされている。次に、UHV−CVD法によりエピタキシャル成長されるSiバッファ層15,45、SiGe層16,46は、いずれもas−grownの状態では、不純物がドープされていないアンドープ層となっている。そして、SiGe層16,46の結晶成長が終了した後に、nMISFETのSiGe層16及びSiバッファ層15にはp型不純物がイオン注入によりドープされる。一方、最上層のSiキャップ層17,47は、互いに厚みが異なるので、個別にエピタキシャル成長させる。そして、最上層のSiキャップ層17,47を熱酸化することにより得られるシリコン酸化膜をゲート絶縁膜18,32とし、その上には高濃度のn型不純物がドープされたポリシリコンからなるゲート電極19と、高濃度のp型不純物がドープされたポリシリコンからなるゲート電極33とを形成する。その後、各ゲート電極の両側には、高濃度のn型不純物がイオン注入されたソース・ドレイン領域31a,31bと、高濃度のp型不純物がドープされたソース・ドレイン領域39a,39bとを形成する。さらに、シリコン酸化膜の堆積と異方性エッチングとにより、ゲート電極19,33の側面を覆うサイドウォール29,34を形成する。さらに、BPSG膜からなる層間絶縁膜40を堆積した後、層間絶縁膜40にソース・ドレイン領域31a,31b及び39a,39bやゲート電極19,33に到達するコンタクトホールを開口し、コンタクトホールをWなどで埋めてプラグを形成する。さらに、層間絶縁膜40上にアルミニウム合金膜を堆積した後、これをパターニングして、配線層42を形成する。
【0061】
図11(b)に示されるように、nMISFETのバンド構造は第1の実施形態の通りであり、第1の実施形態と同じ効果を発揮することができる。
【0062】
一方、図11(c)に示されるように、pMISFETにおいては、SiGeチャネル領域36のうちSiキャップ領域47と間に形成されるヘテロ障壁に接する領域に、埋め込みチャネルであるpチャネルが形成される。
【0063】
そして、埋め込みチャネルを有するpMISFET(pHVTMISFET)は、Si/SiGe間に形成されるヘテロ障壁を利用してしきい値電圧Vthが低減される。このため、従来のpチャネル型VTMISFETと同程度のしきい値電圧Vthを設定しつつ、ボディ領域の不純物濃度を高濃度にすることができ、基板バイアス係数γの増大を図ることができる。また、埋め込みチャネル構造であることから、基板バイアス係数γが増大する。このような効果を示すため、本実施形態のHVTCMISデバイス中のpMISFETにおいては、低電源電圧のもとでも、待機時のリーク電流を低減し、動作時には高い電流駆動力を有する、低消費電力で且つ高速動作するトランジスタを実現することができる。また、ボディ領域の不純物濃度を高くすることができるため、ソース・ドレイン間でのパンチスルーが抑制され(ショートチャネル効果が抑制され)、ゲート長の短いデバイスにおいても、円滑に動作させることが可能となる。
【0064】
このように、本実施形態においては、VTCMISデバイスにSiGe層を導入することにより、pチャネル、nチャネル共に従来のVTMISデバイスに比べて、低電源電圧でも待機時のリーク電流を低減し、動作時には高い電流駆動力を有する,低消費電力で且つ高速動作するトランジスタを実現できる。また、ボディ領域の不純物濃度を高くすることができるため、ソース・ドレイン間でのパンチスルーが抑制され(ショートチャネル効果が抑制され)、ゲート長の短いデバイスにおいても、円滑に動作させることが可能となる。
【0065】
なお、本実施形態では、SOI基板上に形成したHVTCMISデバイスについて示したが、SOI基板を用いず、バルク基板を用いた場合にも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0066】
また、図11(a)に示す本実施形態のHVTCMISデバイスにおいては、nMISFET中のSiチャネル領域27の上面と、pMISFET中のSiキャップ領域37の上面とは、互いに高さが異なっている。これは、nMISFETにおいては、Siチャネル領域27から延びる空乏層が、Siボディ領域25とSiGeボディ領域26とのヘテロ接合部よりも下方に延びていないようにするために、Siチャネル領域27を比較的厚くすることが求められ、一方、pMISFETにおいては、図11(c)に示す縦軸であるpチャネルのポテンシャルの低下(ホールの走行に対するポテンシャルの上昇)を抑制すべく、Siキャップ領域37の厚みを薄くすることが求められるからである。しかし、Siチャネル領域27とSiキャップ領域37の厚みを同じにしても、nMISFET及びpMISFETの各部の不純物濃度を適宜調整することにより、nMISFETにおける空乏層の延びの位置と、pMISFETにおけるpチャネルのポテンシャルとを適切に設定することができる。その場合には、Siキャップ層17,47を共通のSiエピタキシャル層によって構成することができ、製造工程の簡素化と製造コストの低減とを図ることができる。
【0067】
(第3の実施の形態)
本実施形態では、Si:C層(Si層中に数%以下の微量のCを含む半導体材料)をボディ領域に用いたpチャネル型VTCMISFET(以下、本実施形態では単にpMISFETという)を用い、nチャネル型HVTMISFET(以下、本実施形態では単にnMISFETという)としては、Si:C層をチャネルとする埋め込みチャネル型のMISFETを設けた相補型のHVTCMISデバイス(以下、HVTCMISデバイスという)について説明する。
【0068】
図12(a),(b),(c)は、それぞれ順に、本実施形態のHVTCMISデバイスの構造を示す断面図、pMISFETのエネルギーバンド図、及びnMISFETのエネルギーバンド図である。図12(b),(c)は、いずれもゼロバイアス時におけるエネルギーバンド図である。
【0069】
図12(a)に示すように、本実施形態のHVTCMISデバイスは、SOI基板上に設けられたpMISFETとnMISFETとを備えている。SOI基板110は、Si基板内に酸素イオンを注入して形成された埋め込み酸化層112(BOX層)と、埋め込み酸化層112の上に残存するSi基板層113,143と、埋め込み酸化層112の下方に残存するSi基板本体1とを有している。
【0070】
そして、pMISFETは、Si基板層113の上にエピタキシャル成長により形成されたSiバッファ層115と、Siバッファ層115の上にエピタキシャル成長により形成されたSi:C層116と、Si:C層116の上にエピタキシャル成長により形成されたSiキャップ層117とを有している。本実施形態では、Si基板層113の厚みは100〜200nmであり、Siバッファ層115の膜厚は約2nmであり、Si:C層116の膜厚は約15nmであり、Siキャップ層117の膜厚は約20nmである。また、Si:C層116のC組成率は3%(Si:CのバンドギャップはSiに対し約200meV小さくなる)である。pMISFETにおいては、Siキャップ層117の膜厚はある程度厚くしておく必要がある。Siバッファ層115は、Si:C層116を結晶成長させる際に良好な結晶性を得るために必要な層であり、寄生容量を低減するためには、Siバッファ層115はできるだけ薄くすることが好ましい。
【0071】
また、Siキャップ層117の上にはシリコン酸化膜(又はシリコン酸窒化膜)からなるゲート絶縁膜118と、n型不純物がドープされたポリシリコン膜からなるゲート電極119と、ゲート電極119の側面を覆うサイドウォール129とが設けられている。そして、ゲート電極119をマスクとして用いたリンイオン(P )の注入によって、ソース・ドレイン領域131a,131bが形成されている。ソース・ドレイン領域131a,131bは、Si基板層113,Siバッファ層115,Si:C層116及びSiキャップ層117の各一部に亘っている。本実施形態のSi:C−HVTMISFETにおいては、Si基板層113及びSiバッファ層115のうちゲート電極119の下方に位置している部分がSiボディ領域125であり、Si:C層116のうちゲート電極19の下方に位置する部分がSi:Cボディ領域126であり、Siキャップ層117のうちゲート電極119の下方に位置する部分がSiチャネル領域127である。
【0072】
また、図12(a)には示されていないが、第1の実施形態と同様に、ゲート電極119のコンタクト部に近接して、素子分離領域を貫通してSi基板層113に達するボディコンタクトが設けられている。
【0073】
一方、nMISFETは、Si基板層143の上にエピタキシャル成長により形成されたSiバッファ層145と、Siバッファ層145の上にエピタキシャル成長により形成されたSi:C層146と、Si:C層146の上にエピタキシャル成長により形成されたSiキャップ層147とを有している。本実施形態では、Si基板層143の厚みは100〜200nmであり、Siバッファ層145の膜厚は約2nmであり、Si:C層146の膜厚は約15nmであり、Siキャップ層147の膜厚は約5nmである。また、Si:C層146のC組成率は3%である。nMISFETにおいては、Siキャップ層147の膜厚は薄くしておく必要がある。Siバッファ層145は、Si:C層146を結晶成長させる際に良好な結晶性を得るために必要な層であり、寄生容量を低減するためには、Siバッファ層145はできるだけ薄くすることが好ましい。
【0074】
また、Siキャップ層147の上にはシリコン酸化膜(又はシリコン酸窒化膜)からなるゲート絶縁膜132と、p型不純物がドープされたポリシリコン膜からなるゲート電極133と、ゲート電極133の側面を覆うサイドウォール134とが設けられている。そして、ゲート電極133をマスクとして用いたリンイオン(P )の注入によって、ソース・ドレイン領域139a,139bが形成されている。ソース・ドレイン領域139a,139bは、Si基板層143,Siバッファ層145,Si:C層146及びSiキャップ層147の各一部に亘っている。本実施形態のpMISFETにおいては、Si基板層143及びSiバッファ層145のうちゲート電極133の下方に位置している部分がSiボディ領域135であり、Si:C層136のうちゲート電極133の下方に位置する部分がSi:Cチャネル領域136であり、Siキャップ層147のうちゲート電極133の下方に位置する部分がSiキャップ領域137である。
【0075】
また、図12(a)には示されていないが、pMISFETと同様に、ゲート電極133のコンタクト部に近接して、素子分離領域を貫通してSi基板層143に達するボディコンタクトが設けられている。
【0076】
また、基板上には、nMISFET及びpMISFETを覆う層間絶縁膜140と、層間絶縁膜140を貫通して各ソース・ドレイン領域131a,131b及び139a,139bに到達するプラグ141と、層間絶縁膜140の上に設けられ各プラグ141に接続される配線層142とを備えている。
【0077】
本実施形態のHVTCMISデバイスの製造工程においては、SOI基板の一部であるSi基板層113,143には、エピタキシャル層の形成前に、イオン注入により比較的高濃度のヒ素(As),ボロン(B)(いずれも1×1018cm−3程度)がそれぞれドープされている。次に、UHV−CVD法によりエピタキシャル成長されるSiバッファ層115,145、SiGe層116,146は、いずれもas−grownの状態では、不純物がドープされていないアンドープ層となっている。そして、SiC層116,146の結晶成長が終了した後に、pMISFETのSiC層116及びSiバッファ層115にはn型不純物がイオン注入によりドープされる。一方、最上層のSiキャップ層117,147は、互いに厚みが異なるので、個別にエピタキシャル成長させる。そして、最上層のSiキャップ層117,147を熱酸化することにより得られるシリコン酸化膜をゲート絶縁膜118,132とし、その上には高濃度のp型不純物がドープされたポリシリコンからなるゲート電極119と、高濃度のn型不純物がドープされたポリシリコンからなるゲート電極133とを形成する。その後、各ゲート電極の両側には、高濃度のp型不純物がイオン注入されたソース・ドレイン領域131a,131bと、高濃度のn型不純物がドープされたソース・ドレイン領域139a,139bとを形成する。さらに、シリコン酸化膜の堆積と異方性エッチングとにより、ゲート電極119,133の側面を覆うサイドウォール129,134を形成する。さらに、BPSG膜からなる層間絶縁膜140を堆積した後、層間絶縁膜140にソース・ドレイン領域131a,131b及び139a,139bやゲート電極119,133に到達するコンタクトホールを開口し、コンタクトホールをWなどで埋めてプラグを形成する。さらに、層間絶縁膜140上にアルミニウム合金膜を堆積した後、これをパターニングして、配線層142を形成する。
【0078】
図12(b)に示されるように、pMISFETは、第1の実施形態とは導電型を逆にしただけであり、基本的に第1の実施形態と同じ効果を発揮することができる。すなわち、基板バイアスVbsの制御が可能なVTMISFETの構造として、ボディ領域の一部をバンドギャップの小さいSi:C層によって構成し、高濃度のドーパントを有するSi/Si:Cヘテロ接合部においてはバンドのポテンシャルが低下することに着目して、MISFETのしきい値電圧Vthの低下を実現している。
【0079】
よって、本実施形態のHVTCMISデバイス中のpMISFETにより、従来のSi−pチャネル型VTMISFETと同程度のしきい値電圧Vthを実現するために、ボディ領域(Si:Cボディ領域126,Siボディ領域125)の不純物を高濃度にできるため、基板係数γの増大を図ることができる。このため、本実施形態のpMISFETにより、低電源電圧のもとでも、待機時のリーク電流を低減し、動作時には高い電流駆動力を有する,つまり,低消費電力で且つ高速動作するトランジスタを実現することができる。そして、ボディ領域の不純物濃度を高くすることができるため、ソース−ドレイン間でのパンチスルーが抑制され(つまりショートチャネル効果が抑制され)、ゲート長の短いデバイスにおいても、正常に動作させることが可能となる。
【0080】
一方、図12(c)に示されるように、nMISFETにおいては、Si:Cチャネル領域136のうちSiキャップ領域147と間に形成されるヘテロ障壁に接する領域に、埋め込みチャネルであるnチャネルが形成される。
【0081】
そして、埋め込みチャネルを有するnMISFET(nHVTMISFET)は、Si/Si:C間に形成されるヘテロ障壁を利用してしきい値電圧Vthが低減される。このため、従来のnチャネル型VTMISFETと同程度のしきい値電圧Vthを設定しつつ、ボディ領域の不純物濃度を高濃度にすることができ、基板バイアス係数γの増大を図ることができる。また、埋め込みチャネル構造であることから、基板バイアス係数γが増大する。このような効果を示すため、本実施形態のHVTCMISデバイス中のnMISFETにおいては、低電源電圧のもとでも、待機時のリーク電流を低減し、動作時には高い電流駆動力を有する、低消費電力で且つ高速動作するトランジスタを実現することができる。また、ボディ領域の不純物濃度を高くすることができるため、ソース・ドレイン間でのパンチスルーが抑制され(ショートチャネル効果が抑制され)、ゲート長の短いデバイスにおいても、円滑に動作させることが可能となる。
【0082】
このように、本実施形態においては、VTCMISデバイスにSi:C層を導入することにより、pチャネル、nチャネル共に従来のVTMISデバイスに比べて、低電源電圧でも待機時のリーク電流を低減し、動作時には高い電流駆動力を有する,低消費電力で且つ高速動作するトランジスタを実現できる。また、ボディ領域の不純物濃度を高くすることができるため、ソース・ドレイン間でのパンチスルーが抑制され(ショートチャネル効果が抑制され)、ゲート長の短いデバイスにおいても、円滑に動作させることが可能となる。
【0083】
なお、本実施形態では、SOI基板上に形成したHVTCMISデバイスについて示したが、SOI基板を用いず、バルク基板を用いた場合にも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0084】
また、図12(a)に示す本実施形態のHVTCMISデバイスにおいては、pMISFET中のSiチャネル領域127の上面と、nMISFET中のSiキャップ領域137の上面とは、互いに高さが異なっている。これは、pMISFETにおいては、Siチャネル領域127から延びる空乏層が、Siボディ領域125とSiGeボディ領域126とのヘテロ接合部よりも下方に延びていないようにするために、Siチャネル領域127を比較的厚くすることが求められ、一方、nMISFETにおいては、図12(c)に示す縦軸であるnチャネルのポテンシャルの上昇(電子の走行に対するポテンシャルの上昇)を抑制すべく、Siキャップ領域137の厚みを薄くすることが求められるからである。しかし、Siチャネル領域127とSiキャップ領域137の厚みを同じにしても、pMISFET及びnMISFETの各部の不純物濃度を適宜調整することにより、pMISFETにおける空乏層の延びの位置と、nMISFETにおけるnチャネルのポテンシャルとを適切に設定することができる。その場合には、Siキャップ層117,147を共通のSiエピタキシャル層によって構成することができ、製造工程の簡素化と製造コストの低減とを図ることができる。
【0085】
なお、上記各実施形態においては、BOX層を設けたSOI基板を利用して本発明の半導体装置を構成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば貼り合わせ法(Uni−Bond法)によって形成されたSOI基板を利用することも可能である。
【0086】
【発明の効果】
本発明によると、ヘテロ接合を利用したVTMISFETにより、しきい値電圧の上昇を抑制しつつ、基板バイアス係数の増大を図ることができ、よって、低電圧化された場合でも駆動力の向上とオフリークの低減とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるSiGe−nHVTMISFETの断面図である。
【図2】第1の実施形態におけるSiGe−nHVTMISFETの上面図である。
【図3】SiGe−nHVTMISFETと、Si−nVTMISFETとのバンド構造を比較するための0バイアス時のエネルギバンド図である。
【図4】SiGe−nHVTMISFETと、Si−nVTMISFETとのしきい値電圧のボディ領域の不純物濃度依存性を示す図である。
【図5】SiGe−nHVTMISFETの基板バイアスの変化に対する伝導帯のポテンシャルの変化を示す部分エネルギバンド図である。
【図6】Si−nVTMISFETの基板バイアスの変化に対する伝導帯のポテンシャルの変化を示す部分エネルギバンド図である。
【図7】SiGe−nHVTMISFETと、Si−nVTMISFETとのしきい値電圧の基板バイアス依存性を示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、SiGe−nHVTMISFETの各基板バイアスでのバンドプロファイルとホールプロファイルとを示す図である。
【図9】(a),(b)は、それぞれ順に、ボディ領域の不純物濃度が同程度であるSiGe−nHVTMISFET及びSi−nVTMISFETのVg−Id特性を、基板バイアスをパラメータとして示す図である。
【図10】(a),(b)は、それぞれ順に、しきい値が同程度であるSiGe−nHVTMISFET及びSi−nVTMISFETのVg−Id特性を、基板バイアスをパラメータとして示す図である。
【図11】(a),(b),(c)は、それぞれ順に、第2の実施形態のHVTCMISデバイスの構造を示す断面図、nMISFETのエネルギーバンド図、及びpMISFETのエネルギーバンド図である。
【図12】(a),(b),(c)は、それぞれ順に、第3の実施形態のHVTCMISデバイスの構造を示す断面図、pMISFETのエネルギーバンド図、及びnMISFETのエネルギーバンド図である。
【符号の説明】
1 Si基板本体
10 SOI基板
11 エピタキシャル層
12 埋め込み酸化層
13 Si基板層
15 Siバッファ層
16 SiGe層
17 Siキャップ層
18 ゲート絶縁膜
19 ゲート電極
25 Siボディ領域
26 SiGeボディ領域
27 Siチャネル領域
29 サイドウォール
31a,31b ソース・ドレイン領域
32 ゲート絶縁膜
33 ゲート電極
34 サイドウォール
35 Siボディ領域
36 SiGeチャネル領域
37 Siキャップ領域
39a,39b ソース・ドレイン領域
40 層間絶縁膜
41 プラグ
42 配線層
43 Si基板層
45 Siバッファ層
46 SiGe層
47 Siキャップ層

Claims (15)

  1. 基板上の半導体領域に電界効果型トランジスタを備えた半導体装置であって、
    上記電界効果型トランジスタは、
    上記半導体領域の主面上に設けられたゲート絶縁膜と、
    上記ゲート絶縁膜の上方に設けられたゲート電極と、
    上記半導体領域のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に設けられた第1導電型ソース・ドレイン領域と、
    上記半導体領域のうち上記第1導電型ソース・ドレイン領域間に位置する領域に設けられた第1の半導体からなるチャネル領域と、
    上記半導体領域のうち上記チャネル領域の下方に位置する領域に設けられ、上記チャネル領域に接する部分が上記第1の半導体よりもバンドギャップの小さい第2の半導体からなる第2導電型のボディ領域と、
    上記ボディ領域に電気的に接続され、上記ソース・ドレイン領域及びゲート電極とは独立した電圧を供給するためのボディコンタクトとを備え、
    上記第1の半導体と上記第2の半導体との間には、第1導電型キャリアが走行するバンドとは反対側のバンドにバンドオフセットが形成されることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記チャネル領域は、第2の導電型にドープされていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
    上記ボディ領域は、上記チャネル領域に接する,上記第2の半導体からなる第1のボディ領域と、上記第1のボディ領域の下方に設けられ上記第2の半導体よりもバンドギャップの大きい第3の半導体からなる第2のボディ領域とを有し、
    上記チャネル領域から上記ボディ領域に向かう方向に延びる空乏層が、上記第1のボディ領域と上記第2のボディ領域との間のヘテロ界面よりも下方に延びていないことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記ボディ領域のうち少なくとも上記チャネル領域に接する部分のドーパント濃度が上記チャネル領域のドーパント濃度よりも1桁以上高いことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    しきい値電圧が低くなる方向に上記ボディコンタクトに電圧(順バイアス)を印加する方が、しきい値電圧が高くなる方向に上記ボディコンタクトに電圧(逆バイアス)を印加する場合よりも、しきい値電圧の変化が大きいことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記電界効果トランジスタの動作時には、上記ボディコンタクトに順バイアスを印加することを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記電界効果トランジスタの待機時には、上記ボディコンタクトに逆バイアスを印加することを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記半導体領域は、Si基板又はSOI基板の上に設けられていることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記半導体領域の主面上に設けられたもう1つのゲート絶縁膜と、
    上記ゲート絶縁膜の上方に設けられたもう1つのゲート電極と、
    上記半導体領域のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に設けられた第2導電型ソース・ドレイン領域と、
    上記半導体領域のうち上記第2導電型ソース・ドレイン領域間に位置する領域に設けられた上記第1の半導体からなるキャップ領域と、
    上記半導体領域のうち上記キャップ領域の下方に位置する領域に設けられ、上記キャップ領域に接する部分が上記第2の半導体からなるもう1つのチャネル領域と、
    上記もう1つのチャネル領域の下方に設けられ、上記第1の半導体よりもバンドギャップの大きい第3の半導体からなるもう1つのボディ領域と、
    上記ボディ領域に電気的に接続され、上記ソース・ドレイン領域及びゲート電極とは独立した電圧を供給するためのボディコンタクトとを備えたもう1つの電界効果トランジスタを備えていることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項9に記載の半導体装置において、
    上記電界効果トランジスタのチャネル領域の上面と、上記もう1つの電界効果トランジスタのキャップ領域の上面とは、同じ高さ位置にあることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記チャネル領域は、Si層であり、
    上記ボディ領域のうち少なくとも上記チャネル領域に接する部分は、Si1−x−y Ge (0<x<1,0≦y<1)で表される組成を有する半導体によって構成されていることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11に記載の半導体装置において、
    上記第1の導電型はn型であり、
    上記ボディ領域のうち上記チャネル領域に接する部分は、SiGeによって構成され、nチャネル型電界効果トランジスタとして機能することを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項12に記載の半導体装置において、
    上記ボディ領域のうち上記チャネル領域に接する部分以外の領域は、Siによって構成されていることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項11に記載の半導体装置において、
    上記第1の導電型はp型であり、
    上記ボディ領域のうち上記チャネル領域に接する部分は、Si:Cによって構成され、pチャネル型電界効果トランジスタとして機能することを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項13に記載の半導体装置において、
    上記ボディ領域のうち上記チャネル領域に接する部分以外の領域は、Siによって構成されていることを特徴とする半導体装置。
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