JP3479066B2 - Soi構造の半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

Soi構造の半導体装置及びその製造方法

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JP3479066B2 JP2002356106A JP2002356106A JP3479066B2 JP 3479066 B2 JP3479066 B2 JP 3479066B2 JP 2002356106 A JP2002356106 A JP 2002356106A JP 2002356106 A JP2002356106 A JP 2002356106A JP 3479066 B2 JP3479066 B2 JP 3479066B2
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はSOI構造を有す
る半導体装置に関し、より詳細には、高濃度不純物拡散
層を有するSOI基板に形成され、特に低電圧動作集積
回路に適用可能な半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近の
CMOS回路は低電圧動作が実現されているが、このよ
うな低電圧動作(Vdd<1.5V)の実現に対して、C
MOS回路を構成するMOSFETは、十分な動作マー
ジンを持たせるために、その閾値電圧(Vth)を電源電
圧(Vdd)の1/4以下程度に減少させる必要がある。
しかし、閾値電圧が低下すると、MOSFETのOFF
リーク電流が次式の関係に従って指数関数的に増加す
る。
【0003】
【数1】
【0004】(ここで、Idoffはオフ時(Vg=0)のド
レイン電流、IoはVg=VVthのときのドレイン電流、
Sはサブスレッショルドの傾き(Sファクタ)、Cdは
空乏層容量、Coxはゲート容量である)この関係によれ
ば、トランジスタの動作電圧とLSIのスタンバイ電流
とはトレードオフの関係にあることがわかる。よって、
閾値電圧の低いMOSFETでは大きいスタンバイ電流
を生じるため、低電圧、低消費電力及びバッテリー動作
LSI等に対しては実用的でない。
【0005】このような低閾値電圧とOFFリーク電流
とのトレードオフの問題を解決する方法として、動作状
態とスタンバイ状態とにおけるMOSFETの閾値電圧
をコントロールする、すなわち、トランジスタの動作状
態ではMOSFETの低電圧動作を実現するために閾値
電圧を低く設定し、OFF状態ではOFFリーク電流を
低減するために閾値電圧を高く設定する方法が考えられ
る。
【0006】ところで、MOSFETがSOI基板に形
成された場合には、完全な誘電体分離、ラッチアップフ
リー等いくつかの利点があるとともに、特に、完全空乏
化されたSOI構造のMOSFETについては、表面半
導体層のチャネル領域の全部が空乏化するに十分薄いた
め、Cd=0となり、Sファクタを室温では60mV/
decまで減少することができる。これにより、OFF
電流を低減することができる。しかし、低閾値電圧のト
レードオフは、より低い電圧にシフトされるだけであ
る。
【0007】また、閾値電圧をコントロールする方法の
一つとして、例えば、SOI構造の基板に形成されたD
TMOS(ダイナミック・スレッショルドMOS)がI
EEEに提案されている。このDTMOSは、図10に
示したように、シリコン基板30上に埋め込み絶縁膜3
1及び表面半導体層32が形成され、表面半導体層32
上にゲート電極33が形成されるとともに、表面半導体
層32にソース/ドレイン領域32a及びチャネル領域
32bが形成された構造を有している。また、ゲート電
極33は、チャネル領域32bと電気的に接続されてい
る。このような構造により、チャネル領域32bに電圧
が直接印加され、よって、チャネルの閾値電圧をコント
ロールすることができる。
【0008】しかし、このDTMOSでは、トランジス
タごとに、チャネル領域32bがゲート電極33と直接
接続されるために、チャネル領域32bとゲート電極3
3とのコンタクトを別途設けなくてはならず、レイアウ
ト面積の増大を招くとともに、製造工程を複雑化すると
いう問題がある。さらに、動作電圧Vddは、リーク電流
を避けるために、ソース/基板間のダイオードのターン
オフ電圧(0.6V)より十分低くしなければならず、
応用面が制限されるという課題もある。
【0009】さらに、別の例として、図11に示すよう
なSOI構造のMOS型半導体装置が、特開平9−24
6562号公報に提案されている。この半導体装置は、
表面半導体層上にゲート電極43が形成されるととも
に、表面半導体層にソース/ドレイン領域41、42及
びチャネル領域40が形成され、ソース領域41に素子
分離膜45を介して隣接してボディコンタクト領域9
と、チャネル領域40とボディコンタクト領域44とを
電気的に接続する経路46を備えた構造である。このよ
うな構造により、チャネル領域40に電圧が直接印加さ
れ、よって、チャネルの閾値電圧をコントロールするこ
とができる。
【0010】しかし、このような構造では、トランジス
タを囲む領域にチャネル領域40とボディコンタクト領
域44とを接続する経路46が形成されているので、よ
り大きな半導体装置の設計面積が必要となるという問題
がある。
【0011】また、さらに別の例として、図12に示す
ような半導体装置が、特開平9−36246号公報に提
案されている。この半導体装置は、シリコン基板50上
に埋め込み絶縁膜51及び表面半導体層52が形成さ
れ、表面半導体層52上にMOSトランジスタが形成さ
れており、このMOSトランジスタのチャネル領域53
が、それぞれバイアス回路54に接続されることによ
り、チャネル領域53に電圧が直接印加され、よって、
チャネルの閾値電圧をコントロールすることができる。
しかし、この半導体装置においては、上記と同様に、ト
ランジスタごとにバイアス回路に接続されるため、より
大きな面積を要するという問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、埋め込
み絶縁膜及び第1導電型の表面半導体層が積層されてな
るSOI基板と、第2導電型ソース/ドレイン領域と、
該ソース/ドレイン領域間の第1導電型チャネル領域上
にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とからな
り、前記チャネル領域が、前記埋め込み絶縁膜近傍にお
いてその表面領域よりも第1導電型不純物濃度が高く設
定された第1導電型高濃度不純物拡散層を有し、かつ
ランジスタの電気的特性を調整又は変化させるための制
御電源に接続されてなることを特徴とするSOI構造の
半導体装置が提供される。
【0013】 また、本発明によれば、(i)基板上
に、埋め込み絶縁膜及び第1導電型の表面半導体層を形
成し、第1導電型の表面半導体層の表面にのみ第2導電
型不純物を注入して、該表面の第1導電型不純物濃度を
低減させ、さらに、該表面半導体層上にゲート絶縁膜及
びゲート電極を形成し、(ii)該ゲート電極をマスク
として用いて第2導電型不純物イオンを注入することに
より第2導電型ソース/ドレイン領域を形成し、(ii
i)続いて該ゲート電極をマスクとして用いて第2導電
型不純物イオンをより深く注入することにより、第2導
電型ソース/ドレイン領域下の第1導電型の表面半導体
層の第1導電型不純物濃度を低減させて、第2導電型ソ
ース/ドレイン領域間の第1導電型チャネル領域であっ
て、埋め込み絶縁膜近傍においてその表面領域よりも第
1導電型不純物濃度が高い第1導電型高濃度不純物拡散
層を形成することを特徴とする上記SOI構造の半導体
装置の製造方法が提供される。さらに、本発明によれ
ば、(i)基板上に、埋め込み絶縁膜を形成し、該埋め
込み絶縁膜上に、表面の不純物濃度が、その内部よりも
低くなるように第1導電型の表面半導体層を形成し、さ
らに、該表面半導体層上にゲート絶縁膜及びゲート電極
を形成し、(ii)該ゲート電極をマスクとして用いて
第2導電型不純物イオンを注入することにより第2導電
型ソース/ドレイン領域を形成し、(iii)続いて該
ゲート電極をマスクとして用いて第2導電型不純物イオ
ンをより深く注入することにより、第2導電型ソース/
ドレイン領域下の第1導電型の表面半導体層の第1導電
型不純物濃度を低減させて、第2導電型ソース/ドレイ
ン領域間の第1導電型チャネル領域であって、埋め込み
絶縁膜近傍においてその表面領域よりも第1導電型不純
物濃度が高い第1導電型高濃度不純物拡散層を形成する
ことを特徴とする上記SOI構造の半導体装置の製造方
法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のSOI構造の半導体装置
は、主として、埋め込み絶縁膜及び第1導電型の表面半
導体層が積層されてなるSOI基板と、表面半導体層の
厚さよりも薄く形成された第2導電型ソース/ドレイン
領域と、これらソース/ドレイン領域間に配置され、埋
め込み絶縁膜近傍においてその表面領域よりも不純物濃
度が高く設定された第1導電型高濃度不純物拡散層を有
する第1導電型チャネル領域と、この第1導電型チャネル
領域上に形成されたゲート電極とからなる。
【0015】本発明におけるSOI基板は、通常支持基
板上に、埋め込み絶縁膜、さらにその上に表面半導体層
が形成されてなることで、低消費電力、高速動作の実現
に有効な基板で、貼り合わせSOI(BESOI)、S
IMOX(Separation by Implantation of Oxygen)型
基板等として用いられるものが挙げられる。支持基板と
しては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の半導体基
板、GaAs、InGaAs等の化合物半導体、サファ
イア、石英、ガラス、プラスチック等の絶縁性基板等、
種々の基板を使用することができる。なお、この支持基
板として、上記支持基板上にトランジスタやキャパシタ
等の素子又は回路等が形成された基板を使用してもよ
い。
【0016】埋め込み絶縁膜としては、例えばSiO2
膜、SiN膜等が挙げられる。この際の膜厚は、得よう
とする半導体装置の特性、得られた半導体装置を使用す
る際の印加電圧の高さ等を考慮して適宜調整することが
できるが、例えば、50nm〜500nm程度が挙げら
れる。
【0017】表面半導体層は、トランジスタを形成する
ための活性層として機能する半導体薄膜であり、シリコ
ン、ゲルマニウム等の半導体、GaAs、InGaAs
等の化合物半導体等による薄膜で形成することができ
る。なかでもシリコン薄膜が好ましい。表面半導体層の
膜厚は、得られる半導体装置の特性等を考慮して、例え
ば、後述するトランジスタのソース/ドレイン領域の接
合深さ、表面半導体層表面のチャネル領域の深さ、不純
物濃度、埋め込み絶縁膜の近傍に配置する高濃度不純物
拡散層の深さ、不純物濃度等の種々のパラメータによっ
て、適宜調整することができ、例えば、150nm〜2
00nm程度が挙げられる。
【0018】表面半導体層は、上記したように、主とし
て表面半導体層の厚さよりも薄く形成された第2導電型
ソース/ドレイン領域と、これらソース/ドレイン領域
間に配置する表面チャネルと、この表面チャネル直下で
あって、埋め込み絶縁膜近傍において表面チャネルより
も不純物濃度が高く設定された第1導電型の高濃度不純
物拡散層とからなるチャネル領域と、第1導電型高濃度
不純物拡散層に隣接するとともに第2導電型ソース/ド
レイン領域直下に配置し、表面チャネルと同程度かそれ
よりも低い第1導電型不純物濃度を有する低濃度不純物
拡散層とからなる。
【0019】第2導電型ソース/ドレイン領域は、表面
半導体層の導電型と逆導電型の不純物を、例えば1×1
20〜1×1021atoms/cm3程度の濃度で含有
して形成することができる。なお、このソース/ドレイ
ン領域は、チャネル側のソース/ドレイン領域端にLD
D構造のような低濃度の領域、あるいは同じ濃度の領域
や高濃度の領域で、ソース/ドレイン領域の接合深さよ
りやや浅い領域を有していてもよい。また、ソース/ド
レイン領域の深さは、得られる半導体装置の特性等によ
り適宜調整することができるが、表面半導体層の膜厚
(例えば、200nm)の50%前後、具体的には80
nm〜150nm、特に100nm〜150nm程度と
することができる。
【0020】チャネル領域は、深さ方向に図2に示すよ
うに、表面チャネルと高濃度不純物拡散層とが急峻に変
化するドーピングプロファイルを有する。つまり、表面
チャネルの第1導電型不純物濃度をNa、埋め込み絶縁
膜付近の高濃度不純物拡散層の第1導電型不純物濃度を
Nbとすると、Nb>>Naとなるように不純物濃度が
設定される。これらの不純物濃度は、表面半導体層の膜
厚、表面チャネルの厚み、高濃度不純物拡散層の厚み等
により適宜調整することができるが、例えば、表面チャ
ネルの第2導電型不純物濃度Naは1×1015〜1×1
18atoms/cm3程度、埋め込み絶縁膜付近の高
濃度不純物拡散層の第1導電型不純物濃度Nbは1×1
18〜1×1020atoms/cm3程度が挙げられ
る。また、表面チャネルの厚み、高濃度不純物拡散層の
厚みは、表面半導体層の膜厚等により適宜調整すること
ができるが、例えば、それぞれ30nm〜150nm程
度、50nm〜150nm程度が挙げられる。なお、表
面チャネルは、
【0021】
【数2】
【0022】(式中、Tbは表面チャネルの厚み、εは
表面半導体を構成する半導体の誘電率、φF はフェルミ
ポテンシャル、qは素電荷量である)の条件を満たす膜
厚、不純物濃度に設定することにより、本発明の半導体
装置における表面チャネル層4を完全空乏化するように
動作させることができるため好ましい。
【0023】また、高濃度不純物拡散層は、
【0024】
【数3】
【0025】(式中、Xdは高濃度不純物拡散層の厚
み、Vbiはビルトイン電圧である)の条件を満たす膜
厚、不純物濃度に設定することが好ましい。なお、高濃
度不純物拡散層は、表面半導体層に形成されるウェルと
して形成されてもよい。
【0026】さらに、この場合の本発明のSOI構造の
半導体装置における閾値電圧Vthは
【0027】
【数4】
【0028】(式中、Vfbはフラットバンド電圧、Cb
はε/Tbで表され、Coxはゲート絶縁膜の容量、Vb
は基板への印加電圧である)で表される。この式によれ
ば、閾値電圧Vthと基板への印加電圧Vbとは直線的な
関係を示すことから、基板への印加電圧Vbによって閾
値電圧Vthを制御することが容易であることがわかる。
【0029】ソース/ドレイン領域直下に配置する第1
導電型低濃度不純物拡散層は、ソース/ドレイン領域の
接合容量を低減することができるように設定されること
が好ましく、例えば、表面チャネルと同程度か、好まし
くはそれよりも低い第1導電型不純物濃度、具体的に
は、1×1015〜1×1017atoms/cm3程度、
埋め込み絶縁膜付近の高濃度不純物拡散層の第1導電型
不純物濃度で、50nm〜150nm程度の厚みで形成
することができる。また、低濃度不純物拡散層は、完全
空乏化、つまり、ソース/ドレイン領域の下方、すなわ
ちソース/ドレイン領域の接合面から表面半導体層と埋
め込み絶縁膜との界面まで、全て空乏化されている状態
を意味する。
【0030】このように低濃度不純物拡散層を完全空乏
化の状態に制御することにより、ソース/ドレイン領域
下に広がる空乏層による容量が埋め込み絶縁膜の容量と
直列接続するので、ソース/ドレイン接合容量、つまり
トランジスタの負荷容量を低減することができ、ひいて
は装置自体の低消費電力化・高速化を実現できる。
【0031】また、本発明のSOI構造の半導体装置
は、表面半導体層に形成されたソース/ドレイン領域
と、チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜及びゲー
ト電極とからなるトランジスタを有する。ゲート絶縁膜
は、通常ゲート絶縁膜として機能する材料及び膜厚で形
成することができる。ゲート電極は、ポリシリコン;
W、Ta、Ti、Mo等の高融点金属のシリサイド;こ
れらシリサイド(例えばMoSi2、WSi2)とポリシ
リコンとからなるポリサイド;その他の金属等により、
膜厚150nm〜300nm程度で形成することができ
る。なお、ゲート電極は、後述するソース/ドレイン領
域形成のための不純物の横方向への拡散等を考慮して、
絶縁膜によるサイドウォールスペーサを有していてもよ
い。
【0032】なお、上記の高濃度不純物拡散層がウェル
として形成される場合には、このウェル内にトランジス
タが複数個形成され、各トランジスタがロコス酸化膜や
トレンチ素子分離膜により分離されていることが好まし
い。これらロコス酸化膜やトレンチ素子分離膜の膜厚
は、表面半導体層の膜厚よりも薄く形成されていること
が好ましい。これにより、ロコス酸化膜やトレンチ素子
分離膜の直下に高濃度不純物拡散層が広がることとな
り、この高濃度不純物拡散層により、隣接する半導体装
置のチャネル領域同士を電気的に接続することができ
る。なお、この場合のロコス酸化膜やトレンチ素子分離
膜の直下に広がる高濃度不純物拡散層は、半導体装置の
サイズ、動作電圧等により適宜調整することができる
が、その膜厚と不純物濃度は、表面チャネル下の高濃度
不純物拡散層への印可電圧、半導体装置、すなわちMO
SFETの閾値電圧を制御するために重要である。例え
ば、表面半導体層の膜厚が150nm〜200nm程度
の場合、素子分離膜厚は50nm〜150nm程度の膜
厚とすることができ、高濃度不純物拡散層の不純物濃度
は、表面チャネル下の高濃度不純物拡散層と同程度の不
純物濃度とすることができる。また、互いに接続された
複数のチャネル領域を1か所で電源に接続させることが
でき、これにより、チャネル領域の閾値電圧を制御する
ことができ、電気的特性を調整または変化させることが
できる。なお、チャネル領域の閾値電圧を制御する方法
としては、例えば、トランジスタのアクティブ時(オン
時)にはバイアス電圧を印可し、スタンバイ時(オフ
時)にはフローティング状態とするか、オン時にはフロ
ーティング状態にし、オフ時にはバイアス電圧を印可す
る方法が挙げられる。これにより、オン時には閾値電圧
の絶対値を減少させて駆動能力を向上させることがで
き、一方オフ時においてはリーク電流又は消費電流を減
少させることができる。
【0033】本発明のSOI構造の半導体装置は、工程
(i)において、まず基板上に、埋め込み絶縁膜及び第1
導電型の表面半導体層を形成する。基板上に埋め込み絶
縁膜を形成する方法は、公知の方法、例えばシランガス
と酸素ガス等を使用するCVD法等により形成すること
ができる。第1導電型の表面半導体層は、当該分野で公
知の半導体層の形成方法にしたがって、所望の膜厚で形
成することができる。
【0034】また、表面半導体層を第1導電型とする方
法は、特に限定されるものではなく、第1導電型不純物
をドーピングしながら表面半導体層を形成する方法でも
よいし、表面半導体層を形成した後、第1導電型不純物
を表面半導体層に注入すること等によってドーピングす
る方法でもよい。この際の第1導電型不純物は、P型の
場合はボロン、BF2、アルミニウム、ガリウム、イン
ジウム等が挙げられるが、拡散の正確な制御を行うこと
ができる低拡散係数を有するガリウム、インジウム等が
好ましい。一方、N型の場合は、リン又は砒素等が挙げ
られる。なお、表面半導体層に第1導電型不純物をドー
ピングする場合には、表面半導体層全体にわたって均一
な濃度でドーピングしてもよいし、表面半導体層の表面
の不純物濃度を低めにドーピングしてもよいし、表面半
導体層全体にわたって均一な濃度でドーピングした後
に、第2導電型の不純物をドーピングすることにより、
第1導電型の不純物濃度を低減させてもよい。この際の
第1導電型の不純物濃度は、表面半導体層全体にわたっ
て均一な濃度でドーピングする場合には、1×1018
1×1020atoms/cm3程度が好ましい。一方、
表面半導体の表面の不純物濃度を低めにドーピングする
場合には、表面の不純物濃度が1×1015〜1×1018
atoms/cm3程度とすることが好ましい。
【0035】次に、表面半導体層上にゲート絶縁膜及び
ゲート電極を形成する。ゲート絶縁膜及びゲート電極の
形成は、通常のMOSトランジスタを形成する方法にし
たがって形成することができる。
【0036】工程(ii)において、ゲート電極をマスクと
して用いて第2導電型不純物イオンを注入することによ
り第2導電型ソース/ドレイン領域を形成する。この際
の第2導電型不純物は、N型又はP型のいずれの導電型
でもよく、上記の不純物と同様のものを用いることがで
きる。ソース/ドレイン領域の深さは、表面半導体層の
膜厚等により調整することができるが、例えば、表面半
導体層が150nm〜200nm程度の場合には、10
0nm〜150nm程度の深さであることが好ましい。
例えば、リンを用いる場合には、10〜25keV程度
の加速エネルギー、1×1015〜4×1015atoms
/cm2程度のドーズでイオン注入することにより、最
終的に不純物濃度を、1×1020〜1×1021atom
s/cm 3程度とする方法が挙げられる。また、砒素を
用いる場合には、20〜50keV程度の加速エネルギ
ー、1×1015〜4×1015atoms/cm2程度の
ドーズでイオン注入する方法が挙げられる。なお、ソー
ス/ドレイン領域はLDD領域やDDD領域を有する構
造で形成してもよい。
【0037】工程(iii)において、ゲート電極をマスク
として用いて第2導電型不純物イオンをより深く注入す
る。これにより、第2導電型ソース/ドレイン領域下の
第1導電型の表面半導体層の第1導電型不純物濃度を低
減させることができ、結果的に、第2導電型ソース/ド
レイン領域間の第1導電型チャネル領域であって、埋め
込み絶縁膜近傍においてその表面領域よりも第1導電型
不純物濃度が高い第1導電型高濃度不純物拡散層を形成
することができる。この際の第2導電型不純物のイオン
注入は、例えば、表面半導体層が150nm〜200n
m程度、ゲート電極が200nm程度の膜厚のポリシリ
コンにより形成されている場合には、リンを用いて15
0〜170keVの加速エネルギー、1×1013〜5×
1014atoms/cm2程度のドーズで行うことによ
り、最終的に第1導電型の不純物濃度を1×1015〜1
×1017atoms/cm3程度とする方法が挙げられ
る。また、砒素を用いる場合には、320〜380ke
Vの加速エネルギー、1×10 13〜5×1014atom
s/cm2程度のドーズでイオン注入する方法が挙げら
れる。
【0038】なお、工程(i)におけるゲート絶縁膜及
びゲート電極の形成前に、表面半導体層の表面の第1導
電型不純物濃度が、埋め込み絶縁膜近傍の第1導電型不
純物濃度よりも低くされていない場合には、工程(iii)
における第2導電型不純物のイオン注入は、ゲート電極
が存在する領域においてはゲート電極及びゲート絶縁膜
を貫通し、表面半導体層の表面にイオンが到達する加速
エネルギー、イオン種を選択するとともに、ゲート電極
及びゲート絶縁膜の膜厚をも調整することが好ましい。
一方、ゲート電極が存在しない領域では、ソース/ドレ
イン領域を貫通し、ソース/ドレイン領域と埋め込み絶
縁膜との間の表面半導体層にまで到達し、ソース/ドレ
イン領域下の表面半導体層の第1導電型不純物濃度を低
減させることができる。以下に、本発明のSOI構造の
半導体装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0039】(実施の形態1)SOI構造のNMOSF
ETを図1に示す。図1においては、シリコン基板1上
に、埋め込み絶縁膜2及び表面シリコン層3が積層され
て、SOI構造の基板が用いられている。
【0040】SOI構造の基板における表面シリコン層
3の表面には、表面シリコン層3の膜厚よりも薄いN型
のソース/ドレイン領域6、7が形成されている。表面
シリコン層3の表面であって、ソース/ドレイン領域
6、7間には、P型の表面チャネル4が配置している。
また、ソース/ドレイン領域6、7直下の表面シリコン
層3には、表面チャネル4よりも不純物濃度が低く設定
されたP型の低濃度不純物拡散層8、9が形成されてい
る。さらに、P型の表面チャネル4の直下であって、低
濃度不純物拡散層8、9間には、図2の不純物濃度のプ
ロファイルに示したように、表面チャネル4よりも不純
物濃度が高く設定されたP型の高濃度不純物拡散層5が
形成されており、この高濃度不純物拡散層5が外部電圧
10に接続されている。また、表面チャネル4上には、
ゲート絶縁膜24を介してゲート電極11が形成されて
いる。
【0041】なお、上記においては、1つのNMOSF
ETについて説明したが、図3に示したように、CMO
SFETであってもよい。図3のCMOSFETは、表
面シリコン層3に、表面シリコン層3の膜厚以上の膜厚
を有し、埋め込み絶縁膜2にまで至る分離領域13が形
成され、NMOS領域とPMOS領域とが分離されてい
る。この分離領域により、NMOSとPMOSとの相互
干渉(例えば、ラッチアップ等)を避けることができ
る。
【0042】また、これらNMOS領域とPMOS領域
とに、それぞれ表面シリコン層3の膜厚より薄い膜厚の
素子分離領域12が形成され、これらの素子分離領域1
2によって分離された複数個のNMOSFET及びPM
OSFETがそれぞれ形成されている。
【0043】複数のMOSFETのP型及びN型の高濃
度不純物拡散層5、15は、それぞれ素子分離領域12
の下に配置するP型又はN型の高濃度不純物拡散層5
a、15aによって共通接続されており、それぞれ1箇
所で外部電圧10、20に接続されている。
【0044】PMOSFETは、上記したNMOSFE
Tと導電型が異なる以外は実質的に同様の構成、つま
り、P型のソース/ドレイン領域16、17、N型のチ
ャネル領域14、N型の低濃度不純物拡散層18、1
9、N型の高濃度不純物拡散層15、ゲート絶縁膜及び
ゲート電極21による構成を有しており、NMOSFE
Tと同様に、外部電圧20に接続されている。
【0045】このような構成を有するMOSFETは、
以下のような利点を有する。 (a)ソース/ドレイン領域6、7、16、17の接合
容量を、低濃度不純物散層8、9、18、19の完全空
乏化により低減できる。 (b)表面シリコン層3は、完全空乏化SOI構造の表
面シリコン層よりも膜厚でよいため、プロセスマージン
を広くとることができ、製造が容易となる。 (c)サブスレショドスウィングは完全空乏化型のSO
Iより大きいが、外部電圧10、20による基板印加電
圧を制御することにより、OFFリーク電流が低減する
ように閾値電圧を調整することができる。 (d)外部電圧10、20との接続を、高濃度不純物拡
散層5、15によって行うことができ、この高濃度不純
物拡散層5、15は、隣接する複数のトランジスタ間で
共通ウェル領域として形成することができるため、基板
電圧を与えるために外部エリアをとる必要がなく、占有
面積を縮小できる。また、トランジスタの設計配置はバ
ルクCMOSと同等にすることができる。 (e)表面チャネル4、14の直下の高濃度不純物拡散
層5、15は抵抗が非常に低いため、RC遅延や、例え
ば、ゲート電圧が印可された際の表面チャネル4、14
の電位の過渡的な現象を除去できる。
【0046】以下に、上記のSOI構造のMOSFET
の特性について説明する。まず、上記のSOI構造のM
OSFETは、必ずしも完全空乏化型ではないため、S
ファクタを減少させることによるOFF電流の低減はで
きないが、表面シリコン層3における高濃度不純物拡散
層5により、MOSFETのON/OFF動作時におけ
る閾値電圧を制御することができる。
【0047】つまり、図4に示したように、上記SOI
構造のMOSFETのId−Vg特性によれば、ゲート
電極のW/L=2μm/0.35μm、Vds=0.6
Vの場合、基板への印加電圧Vbを0Vにすると低い閾
値電圧を得ることができ、基板コンタクトをオープンと
することにより、高い閾値電圧を得ることができる。よ
って、例えば、通常動作の間は、基板への印加電圧を調
整することにより、MOSFETの閾値電圧を0.1V
程度以下に低下させ、高い駆動能力を発揮させることが
でき、一方、OFF状態の間は、基板への印加電圧を調
整することにより、MOSFETの閾値電圧を0.6V
程度以上に増加させ、OFFリーク電流を減少させるこ
とができる。
【0048】ウェル抵抗Rwは、図3で示したように、
ゲート下の高濃度領域5と素子分離膜下の高濃度領域5
aの濃度を適切に調整することにより決定することがで
きる。したがって、そのウェル抵抗Rwは、以下の基板
電流の効果とAC過渡現象とを考慮して決定する。一般
に、ウェル内に形成されたMOSFETとウェルコンタ
クトCwとが、図5(a)に示したように、距離S離れ
ている場合、ウェル抵抗Rwは、図5(b)及び(c)
に示したように、基板電流Isubによって引き起こされ
るオーミック的な電圧降下によるソース接合での順方向
バイアスになるのを避けるため、以下の式に示すよう
に、十分に低くしなければならない。
【0049】
【数5】
【0050】ウェル抵抗Rwは、レイアウトとウェルの
抵抗率に依存する。図6は、ウェルのシート抵抗を30
0Ω/sqr.、103Ω/sqr.、3×103Ω/sqr.及び1
04Ω/sqr.と変化させた場合のウェル抵抗RwとMO
SFET−ウェルコンタクト間距離Sとの関係を示す。
なお、ここでのMOSFETは、低電圧動作(Vdd〜1
V程度)では、基板電流Isubが10nA/μm程度以
下と非常に小さいため、ゲート幅Wが10μmのMOS
FETでは、基板電流Isubが100nA程度以下とな
り、ウェル抵抗Rwは106 Ω以下となる。よって、例
えば、ウェルのシート抵抗が2000Ω/sqr.程度以下
の低電圧動作のデバイスにも十分に応用できる。さら
に、ウェルコンタクトに関するACの過渡的な効果を得
るために、低いウェル抵抗Rwと低いウェル容量Cwが
必要とされる。この条件は
【0051】
【数6】
【0052】(ここで、trは、信号の立ち上がり時間を
示す)で示される。例えば、trが50psec程度以下のよ
うな高速の信号に対しては、Rw・Cw<<100psec
となる。ウェル抵抗Rwが2000Ω程度以下、Cw<
<5×10-14Fの典型的な場合、
【0053】
【数7】
【0054】と表される。これらの関係は、ウェルの厚
さとウェル抵抗とを見積もるガイドラインとしていられ
る。一般に高速な動作回路に対し、Rw・Cw時定数
は、ウェルコンタクトのデザインにより厳しい条件を賦
す。
【0055】以下に、図1に示したNMOSFETの製
造方法を説明する。まず、図7(a)に示したように、
シリコン基板1上に、膜厚50nm〜500nm程度の
SiO2からなる埋め込み絶縁膜2及び膜厚150nm
〜200nm程度の表面シリコン層3が積層されてなる
SOI基板を用いる。なお、この表面シリコン層3に
は、LOCOS法又はトレンチ法等によって、表面シリ
コン層3よりも厚い膜厚を有する分離領域、各NMOS
FETを分離するための素子分離領域が形成されている
(図示せず)。
【0056】次いで、表面シリコン層3に、例えば、ボ
ロンイオンを、30keV、2×1014atoms/c
2のドーズでイオン注入し、次いで、900℃、60
分間アニールすることによって、ボロンイオンが1019
atoms/cm3以上の濃度となるP型の高濃度不純
物拡散層5を形成する。この高濃度不純物拡散層5は、
トランジスタが低い配線抵抗及び低いコンタクト抵抗を
持つために必要である。
【0057】次に、図7(b)に示したように、表面シ
リコン層3表面に、膜厚10nm程度の酸化膜25を形
成し、この酸化膜25を通して表面シリコン層3表面に
Asイオン22を、20keV、1×1014atoms
/cm2のドーズで注入する。このAsイオン22は、
高濃度不純物拡散層5の表面の不純物の一部をキャンセ
ルして、結果的に1×1016〜1×1017atoms/
cm3程度の不純物濃度に設定されたP型の表面チャネ
ル4を形成する。これにより、低電圧動作(ON状態)
に対し閾値電圧が0.1Vとなるデバイスを得ることが
できる。
【0058】続いて、図7(c)に示したように、表面
シリコン層3上にゲート絶縁膜24を形成する。このゲ
ート絶縁膜24の膜厚は、サブハーフミクロンのチャネ
ル長のデバイスでは4nm〜8nm程度である。ゲート
絶縁膜24上に膜厚200nm程度のポリシリコン膜を
形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング技術により
パターニングして、ゲート電極11を形成する。次い
で、ゲート電極11をマスクとして用いて、Asイオン
23を表面シリコン層3に注入する。イオン注入は、3
20keVで、1×1014atoms/cm2程度のド
ーズで行うことにより、高濃度不純物拡散層5のうち、
ソース/ドレイン領域6、7と埋め込み絶縁膜2との接
合付近の不純物の一部をキャンセルして、結果的に1×
1015〜1×1017atoms/cm3程度の不純物濃
度に設定されたP型の低濃度不純物拡散層8、9を形成
する。また、リンを40keV、4×1015atoms
/cm2程度のドーズでイオン注入することにより、高
濃度不純物拡散層5のうち、表面シリコン層3の表面の
不純物をキャンセルし、さらにその導電型を変換させ
て、結果的に1×1020〜1×1021atoms/cm
3程度の不純物濃度に設定されたN型のソース/ドレイ
ン領域6、7を形成する。これにより、図1に示したよ
うに、ソース/ドレイン領域6、7の直にP型の低濃度
不純物拡散層8、9を形成することができる。
【0059】なお、上記工程は、PMOSFETと同時
に行うことができる。また、基板接続及びコンタクトの
形成は、一般のバルクCMOSプロセスと同様に行い、
メタル配線で接続することにより半導体装置を完成す
る。
【0060】(実施の形態2)この実施の形態のSOI
構造のNMOSFETは、図8に示したように、N型の
ソース/ドレイン領域6、7直下の表面シリコン層3a
に、表面チャネル4と同等の不純物濃度に設定されたP
型の不純物拡散層8a、9aが形成されている以外は、
実施の形態1のSOI構造のNMOSFETと同様であ
る。
【0061】図8のSOI構造のNMOSFETの製造
方法を説明する。まず、実施の形態1と同様のSOI基
板を用い、表面シリコン層3にP型の高濃度不純物拡散
層5を形成する。
【0062】その後、図9に示したように、表面シリコ
ン層3の表面に、ゲート絶縁膜24、ゲート電極11を
形成する。次いで、ゲート電極11をマスクとして用い
て、ゲート電極11直下の表面シリコン層3の表面と埋
め込み絶縁膜2との接合付近とに、同時にリンイオン2
5を注入する。この際のイオン注入は、150keV
で、1×1014atoms/cm2のドーズで行うこと
により、高濃度不純物拡散層5のうち、表面チャネル4
及び表面シリコン層3と埋め込み絶縁膜2との接合付近
の不純物の一部をキャンセルして、結果的に1×1017
atoms/cm 3程度の不純物濃度に設定されたP型
の表面チャネル4及び不純物拡散層8a、9aを形成す
る。また、リンを40keV、4×1015atoms/
cm2のドーズでイオン注入することにより、高濃度不
純物拡散層5のうち、表面シリコン層3aの表面の不純
物をキャンセルし、さらにその導電型を変換させて、結
果的に1×1020〜1×1021atoms/cm3程度
の不純物濃度に設定されたN型のソース/ドレイン領域
6、7を形成する。
【0063】これにより、実施の形態1の製造方法より
も製造工程を減らしながら、図1に示したSOI構造の
MOSFETと同様に、ソース/ドレイン領域6、7の
直下にP型の不純物拡散層8a、9aを形成することが
できるとともに、不純物拡散層8a、9aとほぼ同程度
の不純物濃度を有する表面チャネル4を形成することが
できる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、埋め込み絶縁膜及び第
1導電型の表面半導体層が積層されてなるSOI基板
と、第2導電型ソース/ドレイン領域と、該ソース/ド
レイン領域間の第1導電型チャネル領域上にゲート絶縁
膜を介して形成されたゲート電極とからなり、前記チャ
ネル領域が、前記埋め込み絶縁膜近傍においてその表面
領域よりも第1導電型不純物濃度が高く設定された第1
導電型高濃度不純物拡散層を有しているので、表面チャ
ネルの直下の高濃度不純物拡散層は抵抗が非常に低いた
め、RC遅延や、例えば、ゲート電圧が印加された際の
表面チャネル4、14の電位の過渡的な現象を除去でき
る。しかも、本発明によれば、表面半導体層を比較的厚
膜で形成することができるためプロセスマージンを広く
とることができ、製造が容易となる。
【0065】また、チャネル領域が電源に接続されてい
るので、外部電圧によりチャネル領域の印加電圧を制御
することができ、よって、オン時には半導体装置の駆動
能力を向上させて低電圧動作を実現することができると
ともに、オフ時にはオフリーク電流が低減するように閾
値電圧を調整することができる。さらに、ソース/ドレ
イン領域と埋め込み絶縁層との間の表面半導体層が完全
に空乏化している場合には、ソース/ドレイン領域の接
合容量を低減することが可能となる。
【0066】また、チャネル領域が、素子分離領域直下
に形成された高濃度不純物拡散層を介して互いに隣接す
るチャネル領域と接続され、かつ1ケ所で電源に接続さ
れている場合には、基板電圧を与えてポテンシャルを制
御したり、半導体装置の閾値を制御するため外部エリア
をわざわざとる必要がなく、占有面積を縮小できる。ま
た、トランジスタの設計配置はバルクCMOSと同等に
することができ、より高集積化を図ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSOI構造の半導体装置の実施例を示
す要部の概略断面図である。
【図2】図1の半導体装置のチャネル領域の深さ方向の
不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図3】本発明のSOI構造の半導体装置がCMOSを
構成する場合の実施例を示す要部の概略断面図である。
【図4】本発明のSOI構造の半導体装置の特性を説明
するためのId−Vg曲線を示す図である。
【図5】本発明のSOI構造の半導体装置の特性を説明
するためMOSFETの平面図(a)、断面図(b)及
び回路図(c)である。
【図6】本発明のSOI構造の半導体装置の特性を説明
するためのウェル抵抗とウェルコンタクト−MOSFE
T間距離との関係を示す図である。
【図7】本発明のSOI構造の半導体装置の製造工程を
説明するための要部の概略断面製造工程図である。
【図8】本発明のSOI構造の半導体装置の別の実施例
を示す要部の概略断面図である。
【図9】図8の半導体装置の製造工程を説明するための
要部の概略断面図である。
【図10】従来のSOI構造の半導体装置を示す要部の
概略断面図である。
【図11】従来の別の半導体装置を示す要部の概略断面
図である。
【図12】従来のさらに別のSOI構造の半導体装置を
示す要部の概略断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 埋め込み絶縁膜 3、3a 表面シリコン層(表面半導体層) 4、14 表面チャネル 5、15、5a、15a 高濃度不純物拡散層 6、7、16、17 ソース/ドレイン領域 8、9、18、19 低濃度不純物拡散層 8a、9a 不純物拡散層 10、20 外部電圧 11、21 ゲート電極 12 素子分離領域 13 分離領域 22、23 Asイオン 24 ゲート絶縁膜 25 酸化膜

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 埋め込み絶縁膜及び第1導電型の表面半
    導体層が積層されてなるSOI基板と、第2導電型ソー
    ス/ドレイン領域と、該ソース/ドレイン領域間の第1
    導電型チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成され
    たゲート電極とからなり、 前記チャネル領域が、前記埋め込み絶縁膜近傍において
    その表面領域よりも第1導電型不純物濃度が高く設定さ
    れた第1導電型高濃度不純物拡散層を有し、かつトラン
    ジスタの電気的特性を調整又は変化させるための制御電
    源に接続されてなることを特徴とするSOI構造の半導
    体装置。
  2. 【請求項2】 第1導電型高濃度不純物拡散層が、1×
    1018〜1×1020atoms/cm、チャネル
    領域の表面領域が1×1015〜1×1018atom
    s/cmの不純物濃度である請求項1に記載の半導体
    装置。
  3. 【請求項3】 オン状態においては閾値電圧の絶対値を
    減少させるためにチャネル領域にバイアスが印加され、
    オフ状態においてはリーク電流減少のためにチャネル領
    域がフローティング状態に設定される請求項1または2
    に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 ソース/ドレイン領域と埋め込み絶縁膜
    との間の表面半導体層が完全に空乏化してなる請求項1
    のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】ャネル領域が、素子分離領域直下に形
    成された高濃度不純物拡散層を介して互いに隣接するチ
    ャネル領域と接続され、かつ1ケ所で制御電源に接続さ
    れてなる請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装
    置。
  6. 【請求項6】 (i)基板上に、埋め込み絶縁膜及び第
    1導電型の表面半導体層を形成し、第1導電型の表面半
    導体層の表面にのみ第2導電型不純物を注入して、該表
    面の第1導電型不純物濃度を低減させ、さらに、該表面
    半導体層上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成し、 (ii)該ゲート電極をマスクとして用いて第2導電型
    不純物イオンを注入することにより第2導電型ソース/
    ドレイン領域を形成し、 (iii)続いて該ゲート電極をマスクとして用いて第
    2導電型不純物イオンをより深く注入することにより、
    第2導電型ソース/ドレイン領域下の第1導電型の表面
    半導体層の第1導電型不純物濃度を低減させて、 第2導電型ソース/ドレイン領域間の第1導電型チャネ
    ル領域であって、埋め込み絶縁膜近傍においてその表面
    領域よりも第1導電型不純物濃度が高い第1導電型高濃
    度不純物拡散層を形成することを特徴とする請求項1記
    載のSOI構造の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 (i)基板上に、埋め込み絶縁膜を形成
    し、該埋め込み絶縁膜上に、表面の不純物濃度が、その
    内部よりも低くなるように第1導電型の表面半導体層を
    形成し、さらに、該表面半導体層上にゲート絶縁膜及び
    ゲート電極を形成し、(ii)該ゲート電極をマスクとして用いて第2導電型
    不純物イオンを注入することによ り第2導電型ソース/
    ドレイン領域を形成し、(iii)続いて該ゲート電極をマスクとして用いて第
    2導電型不純物イオンをより深く 注入することにより、
    第2導電型ソース/ドレイン領域下の第1導電型の表面
    半導体層の第1導電型不純物濃度を低減させて、第2導電型ソース/ドレイン領域間の第1導電型チャネ
    ル領域であって、埋め込み絶縁 膜近傍においてその表面
    領域よりも第1導電型不純物濃度が高い第1導電型高濃
    度不純物拡散層を形成することを特徴とする請求項1記
    載のSOI構造の半導体装置の製造方法。
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