JP3103159B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3103159B2
JP3103159B2 JP03274136A JP27413691A JP3103159B2 JP 3103159 B2 JP3103159 B2 JP 3103159B2 JP 03274136 A JP03274136 A JP 03274136A JP 27413691 A JP27413691 A JP 27413691A JP 3103159 B2 JP3103159 B2 JP 3103159B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MOSFET素子に係
り、特にFET素子特性の改善をはかった薄膜SOI
MOSFETの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】SOI(Silicon on Ins
ulator)膜上に形成したMOSFETは、ラッチ
アップフリー、低浮容量等の利点を有する点で有望な素
子である。特に、動作状態においてチャネル領域が全て
空乏化するようにSOI膜を薄くすると、パンチスルー
耐性の向上、パンチスルー効果の減少等の性能が改善さ
れることが、報告されている(IEDM:Techni
cal Digest.p107、1982)。
【0003】図40はこの様な半導体装置の素子構造の
MOSFETを示した断面図である。すなわち、シリコ
ン膜1上にSiO2 絶縁膜2を有し、このSiO2 絶縁
膜2上にSOI膜3が構成される。このSOI膜3表面
にはゲート酸化膜6を介してゲート電極8が形成され、
このゲート電極8の両側にはソース・ドレイン領域5
n、チャネル領域16pが形成されている。
【0004】図40の9は絶縁膜、10は電極である。
【0005】ここで、素子の動作状態においてチャネル
領域16pが全て空乏化する様に、SOI膜3は500
Åの厚さに薄膜化されている。
【0006】そこで本発明者等が前記の従来の素子の特
性をシミュレーション及び実測により詳細に調べた結
果、素子が微細になるに伴い、ドレイン電流が、ドレイ
ン電圧と共に急激に増大するが故にドレイン破壊が起き
易く、その結果使用出来る電源電圧に著しい制限が加わ
ることが明らかになった。この原因はソースとチャネル
SOI部の境界に電位の低い領域が形成され、ドレイン
近傍のインパクトイオン化によって発生した正孔がその
領域に蓄積する事が原因である。即ち、ソース・チャネ
ルSOI間に正孔が蓄積すると、ソース・チャネルSO
I間のエネルギー障壁を低下させ過剰の電流が流れ、ド
レイン破壊に至る。
【0007】一方、SOI膜を薄くした場合、上述した
問題以外に次のような問題も生じる。即ち、SOI膜を
薄くすると、このSOI膜に形成するソース・ドレイン
拡散領域も必然的に薄くなり、拡散領域の抵抗が増大し
て電流増幅率の低下を招く。さらに、薄い拡散領域へコ
ンタクトホールをドライエッチング法を用いて開口する
際、コンタクトホール部のSOI膜が削り取られて、そ
の後の電気配線が不能になる問題がある。つまり、SO
I膜の薄膜化に伴うMOSトランジスタの能力を十分に
引出すことは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、薄い
SOI膜にMOSトランジスタを形成した半導体装置で
は、素子が微細化するに伴いドレイン破壊電圧が低下す
るという問題があった。また、SOI膜の薄膜化に伴う
拡散領域の抵抗増大、コンタクトホール開口時の拡散領
域消滅によるコンタクト不良を招く問題があった。
【0009】本発明は、前記問題を解決するためになさ
れたもので、目的とするところは、SOI膜に形成した
MOSトランジスタのドレイン破壊電圧を向上させ、動
作速度の高速化をはかり得る半導体装置を提供すること
にある。
【0010】また本発明の他の目的は、SOI膜の薄膜
化に伴うソース・ドレイン拡散領域の抵抗増大及びコン
タクトホール開口時における拡散領域の消滅によるコン
タクト不良を防止することができ、SOI膜の薄膜化に
伴うMOSトランジスタの能力を十分に引出すことので
きる半導体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、素子の
動作状態において完全に空乏化する条件をみたすように
半導体層(SOI層)の膜厚を設定すると共に、チャネ
ルおよびソース・ドレインの導電性や厚みを最適に設定
することにある。
【0012】即ち本発明に係る半導体装置の第1の特徴
は、基板上に絶縁膜を介して溝を有する半導体層が形成
され、この半導体層の溝にゲート絶縁膜を介してゲート
電極が形成され、このゲート電極の両側にソース・ドレ
インが形成され、この溝の底部の半導体層の厚さTは、
溝の底部の前記半導体層の不純物濃度をNsub(cm
−3)、誘電率をε、フェルミエネルギーをφ(e
V)、電子の基本電荷をq(クーロン)とする時、T≦
[2εφ/(qNsub)]1/2の条件をみたすこと
である。また、ソース・ドレインと絶縁膜とは半導体層
により分離されており、かつソース・ドレインは半導体
層の溝の底部を含む平面よりも上に形成されている。し
たがって、ソース・ドレインは、素子の動作状態におい
て半導体層の溝の底部に形成されるチャネルよりも上に
形成されることになる。ここで、「T≦[2εφ
(qNsub)]1/2」は、素子の動作状態において
完全に空乏化する膜厚の条件式である。つまり、チャネ
ルの一部となる溝の底部の半導体層の厚さTがこの条件
式を満たすことで、溝の底部の半導体層は空乏化する。
【0013】本発明に係る半導体装置の第2の特徴は、
ソース・ドレインとゲート電極の間にそれぞれ形成さ
れ、ソース・ドレインに比して同一導電型の低濃度の不
純物が添加されている低濃度ソース・ドレインをさらに
有する、いわゆるLDD構造を有することである。たと
えば、ソース・ドレインがそれぞれ高濃度のn型不純物
が添加されたn層であれば、低濃度ソース・ドレイン
はそれぞれ低濃度のn型不純物が添加されたn層であ
る。逆に、ソース・ドレインがそれぞれ高濃度のn型不
純物が添加されたn層であれば、低濃度ソース・ドレ
インはそれぞれ低濃度のn型不純物が添加されたn
である。
【0014】本発明に係る半導体装置の第3の特徴は、
ソース・ドレインと絶縁膜を分離する半導体層に、溝の
底部の半導体層に比して同一導電型の低濃度の不純物が
添加されていることである。すなわち、ソース・ドレイ
ンの下に、チャネルが形成される溝底部の半導体層より
も高濃度の不純物半導体層が形成されていることであ
る。たとえば、溝底部の半導体層が低濃度のp型半導
体層であれば、ソース・ドレインの下にある半導体層に
高濃度のp型不純物半導体層を形成する。逆に、溝底部
の半導体層が低濃度のn型半導体層であれば、ソース
・ドレインの下にある半導体層に高濃度のn型不純物半
導体層を形成する。なお、溝底部の半導体層は、p
/n型の半導体層の代わりに、n型とp型のキャリア
濃度が同じでイントリンジックな半導体としての特性を
示すi型半導体層であってもよい。
【0015】
【作用】本発明の第1の特徴によれば、溝の底部の半導
体層に形成されるチャネルは空乏化しており、またソー
ス・ドレインと絶縁膜とは半導体層により分離されてい
るので、インパクトイオン化により電子・ホールが発生
しても、従来のようにソース近傍のチャネルに電子ある
いはホールがたまったりせず、チャネルから離れたソー
ス・ドレイン−絶縁膜間の半導体層に大部分が集まり、
チャネルに影響をおよぼしにくい構造を得ることができ
る。したがって、ドレイン近傍の電界が緩和されるた
め、ソース−ドレイン間の印加することができる電圧、
いわゆるドレイン破壊電圧を向上させ、動作速度の高速
化をはかり得る半導体装置を提供することができる。な
お、本発明の第1の特徴において、基板に対して接地電
圧や負電位を印加することで、電子あるいはホールの移
動速度を増大させてチャネルからホールを減少させるこ
とができる。
【0016】導体層の溝にゲート絶縁膜を介してゲート
電極が形成され、このゲート電極の両側にソース・ドレ
インが形成され、かつ、ソース・ドレインは半導体層の
溝の底部を含む平面よりも上に形成されている構成を有
することにより、いかに示す3つの作用効果を同時に奏
する。 (1)上記構成によれば、チャネルは溝の底部だけでな
く溝の側面にも形成されるため、ソース・ドレインから
の空乏層は、溝の底部にまで深く浸入することはない。
したがって、ソース・ドレインから伸びる空乏層の広が
りに伴うパンチスルーを抑え、ショートチャンネル効果
の影響を極力抑制することが可能となる。 (2)また、上記構成によれば、溝底部の半導体層の厚
さよりもソース・ドレインと絶縁膜とを分離する半導体
層の方が厚く形成され、溝の側面にもチャネルの一部が
形成される。したがって、インパクトイオン化で発生し
た電子あるいはホールは、溝の底部に形成されるチャネ
ルよりも広いソース・ドレイン−絶縁膜間の半導体層に
分散するため、ドレイン破壊電圧を向上させる効果がさ
らに増す。 (3)さらに、ソース・ドレインの深さXが従来のよ
うにチャネルが形成される半導体層の膜厚に制約される
ことなく、ソース・ドレインの深さを深く設計できるた
め、ソース・ドレインの拡散層抵抗やコンタクト抵抗を
小さく出来る。すなわち、寄生抵抗の増加によるドレイ
ン電流の減少という素子特性の劣化を防ぐことができ
る。
【0017】本発明の第2の特徴によれば、LDD構造
を有することによりドレイン近傍の電界をさらに緩和す
ることができ、ドレイン破壊電圧がさらに向上する。
【0018】本発明の第3の特徴によれば、インパクト
イオン化で発生した電子あるいはホールを溝底部の半導
体層からソース・ドレイン下の不純物半導体層に集める
ことができる。したがって、ドレイン近傍の電界をさら
に緩和することができ、ドレイン破壊電圧がさらに向上
する。またこのとき、半導体装置の閾値電圧Vthは、
半導体層の溝の側面できまるため、ソース・ドレイン下
の不純物半導体層の濃度をコントロールすることにより
閾値Vthを設定することができる。
【0019】
【実施例】以下本発明の半導体装置の第1の実施例を図
面を用いて詳細に説明する。
【0020】図1、図2、図3は本発明による第1の実
施例のMOSFETの平面図とそのA−A’断面図、B
−B’断面図である。図2に示すようにSi基板1上に
は薄膜0.4μm程度のSiO2 層(絶縁膜)2が形成
され、この上には0.3μm程度の膜厚で、不純物濃度
1×1016cm-3程度のp型Si層3が形成されここに
MOSFETが形成される。このp型Si層3は素子分
離絶縁膜7で分離され、この領域内に、不純物濃度5×
1018cm-3程度、拡散層深さ0.15μm程度のn-
型拡散層4nが形成されていて、その中に深さd=0.
23μm程度のくぼみ(溝)が形成されている。ここで
素子分離絶縁膜7とSiO2 層2の間には約0.1μm
程度の間があいたものとなっている。さらに、この領域
には、通常のバルク型MOSFETと同じ様にチャネル
反転防止用のフィルドイオン注入層24が形成されてい
る。
【0021】溝の底部領域Si層3は、SiO2 層2の
上に非常に薄く形成され、その部分の膜厚はT1 であ
る。チャネル領域は、この薄いSi層3と溝の底部側面
で構成される。ソース・ドレイン拡散層5を形成するS
i層3の膜厚はT2 である。また、溝の上を覆うように
前記Si層3表面にゲート絶縁膜6を介してゲート電極
8が形成されている。図の9は絶縁膜、10は電極であ
る。ここで、ソース・ドレイン5と、ゲート電極8が対
面する絶縁膜11の膜厚は、結合容量をへらすためにゲ
ート絶縁膜より厚く形成してもよい。例えば溝内で15
nm、基板上面で100nm厚である。
【0022】また、ソース・ドレイン5はn型不純物濃
度5×1020cm-3、拡散層深さ0.15μm程度にゲ
ート電極8をマスクに自己整合的に形成されている。ま
た、溝底部でのSi層3の厚さT1 は例えば700Åで
あり、これは素子の動作状態においてチャネル領域の一
部となる溝の底部領域が完全に空乏化する厚さより薄く
なっている。すなわち、T≦[2εφF /(qNsu
b)]1/2 の条件をみたすようになっている。尚、ここ
でNsubはシリコン層3の不純物濃度(cm-3)、ε
は誘電率、φF はフェルミエネルギー(eV)、qは電
子の基本電荷(クーロン)を示している。
【0023】図4は、本実施例をp- チャネルMOSF
ETに応用した場合の変形例で、図1のA−A’断面に
対応している。この実施例は半導体層3nがn- 層であ
り、ソース・ドレイン5pがp+ 層、くぼみの側壁の拡
散層4pがp- 層であることを除いて先の実施例と同様
であるので他の部分の符号は、同じ符号を付した。
【0024】次に、図5〜図11を用いて、このような
MOSFETの製造工程の一実施例を説明する。すなわ
ち、図5〜図11は、図1乃至図3に示した実施例の図
2に対応する製造工程断面図である。
【0025】まず図5に示すように、Si基板1上に例
えば厚み4000Å程度のSiO2 膜2と、その上に膜
厚3000Å程度、不純物濃度1×1016cm-3程度の
- 型Si層3pを形成する。
【0026】この様なSOI基板を形成する方法として
Si基板1どうしを酸化膜2を介して張り合わせ、そ
の後片方のSi基板1をラッピングして鏡面削磨する、
いわゆる張り合わせ法、酸素イオンを高ドーズ、高加
速でイオン注入し、その後高温でアニールする、いわゆ
るSIMOX法。
【0027】電子ビーム等によりSiO2 膜2上の多
結晶シリコン膜を溶融再結晶化した後、エッチングして
薄膜化する、いわゆる電子ビームアニール法などがある
が、どの方法を用いても良い。又、SiO2 膜2の膜厚
もこれに限られることはない。
【0028】次に図6に示すようにnチャネル型MOS
FETを作る領域にのみn- 型の拡散層4nを例えばリ
ン(p+ )イオンの注入を100Kev、4×1013
-2程度行ない形成する。この工程はその後形成する2
0nmの熱酸化膜を通して行なっても良い(図示せ
ず)。又、次の工程であるSi層3を素子形成領域パタ
ーンに加工した後に行なっても良い。Si層3のパター
ン加工は、素子形成領域以外の部分で、約0.1μmの
膜厚を残すようにエッチングした。
【0029】すなわち、全面に例えば膜厚10nm程度
のCVD−SiO2膜から成るマスク層11を形成した
後、ホトリソグラフィによりレジスト(図示せず)をパ
ターニングし、こレジストをマスクにして反応性イオン
エッチング(以降RIEと略す)法等によりまずマスク
層11をエッチングし、次いで例えば塩素系、または弗
素系ガスを用いたRIEによりSi層3をエッチングし
て各素子形成領域ごとに分割する。
【0030】このSi層3のエッチング前にレジストを
除去しても良い。
【0031】このマスク層11は、RIE時のマスク材
として用いられるが、後の工程のエッチングストッパと
しても用いられ、このマスク層は他にCVD−Si3
4 膜か、それらとの複合膜などでも良い。
【0032】次に図7に示すように各素子形成領域のS
i層3の側面を熱酸化して、例えば20nm程度のSi
2 膜12を形成した後、フィールド反転防止用に例え
ばボロンを30KeV、1×1013cm-2程度イオン注
入し、素子分離用の溝の底面のみに選択的にp型層24
pを形成し、さらにCVD−SiO2 膜などを全面に堆
積し、レジスト等を用いたいわゆるエッチバック平坦化
法を用いることにより、先に形成した各素子領域間の分
離のための絶縁膜7形成を行なう。
【0033】さらに全面にレジスト膜13を形成したの
ち、ホトリソグラフィによりレジスト膜13をパターニ
ングして、これをマスクにしてRIE法によりまずマス
ク層11、次いでSi層3をエッチングし、Si層3中
に溝14を形成する。このとき溝14の底面に残置する
Si層3の膜厚T1 は重要で、例えば700Å程度に十
分コントロールされる必要がある。すなわち、この膜厚
は、前述したように素子の動作状態で完全に空乏化する
条件をみたすように設定する。
【0034】次に図8に示すように溝14の内壁のRI
Eによるダメージ層を例えばドライO2 酸化とNH4
液によるエッチングで除去した後、例えば、熱酸化膜1
5を形成し、その後、例えばボロン(B+ )イオンを1
0KeV、5×1011cm-2程度イオン注入し、溝の底
部領域にのみ選択的にp型チャネル不純物層16pを形
成しても良い。この熱酸化膜15の膜厚を調整すること
によって溝の底部に選択的にp型層16pを形成するこ
とができる。イオン注入はチャネリング防止のため、わ
ずかに傾けて行なっても良いし、溝底面のみに注入する
ため垂直イオン注入法を用いても良い。この工程は薄膜
SOIトランジスタの特徴としてチャネルイオン注入が
Vth制御に効果を与えなくなってきているので省略し
ても良い。
【0035】次に前記熱酸化膜15を選択除去したの
ち、図9に示すように約15nm程度のゲート絶縁膜
(SiO2 膜)6を形成し、これを介して例えば不純物
をドープしたボリSi膜を堆積し、パターニングするこ
とによりゲート電極8を形成する。
【0036】この後、例えば850℃のO2 /H2 O雰
囲気で熱酸化することによりポリSiゲート電極8の表
面に150nm程度の厚い酸化膜17を形成する。これ
は、ポリSiゲート電極8の対イオン注入時のマスク性
を向上させる役割をもつ。次にソース・ドレイン領域の
マスク層11を除去し、露出させた後、例えば熱酸化膜
18を10nm程度形成し、これを介して、例えばヒ素
(As+ )を50KeV、5×1015cm-2程度イオン
注入して、n+ 型不純物拡散層5nを形成する(図1
0)。
【0037】次に図11に示すように、全面に層間絶縁
膜19としてCVD−SiO2 /BPSG膜を600n
m程度形成し、850℃、60分程度のBPSGメルト
工程を行ない全面を平坦化した後、ソース・ドレイン、
ゲート電極へのコンタクトホール20を開け、例えばA
l膜を全面に堆積してホトリソグラフィ技術とRIE法
によりAl膜をパターニングして配線層10を形成す
る。このようにして本発明の実施例によるMOSFET
が得られる。
【0038】かくして得られた実施例による素子と従来
素子とで、ドレイン電流−ドレイン電圧特性の比較を行
った結果を図32に示す。本実施例の素子では、チャネ
ル長0.3μmのnチャネルMOSFETにおいて、ド
レイン破壊電圧は2.5Vが6Vに大幅に向上した。こ
の理由は、ドレイン近傍での電界が本発明の構造により
緩和されているためである。
【0039】また本発明の実施例の構造は、チャネルS
i層の薄膜化にもかかわらず、ソース・ドレイン拡散層
深さXj が従来例のようにチャネル領域のSi層の膜厚
に制約されることなく拡散層の深さを深く設計できるた
め、ソース・ドレインの拡散層抵抗やコンタクト抵抗を
小さく出来る。すなわち、寄生抵抗の増加によるドレイ
ン電流の減少という素子特性の劣化を防ぐことができ
る。
【0040】また本発明の実施例の構造は、ソース・ド
レイン領域がチャネル領域より上にあるので、ドレイン
からの空乏層の伸びの影響が抑えられソース・ドレイン
間のパンチスルーに対して強い構造であり短チャネル効
果が改善される。
【0041】また本発明の実施例の構造は、チャネルS
i層の膜厚をエッチングで制御できるため、各素子のS
i層の膜厚を一律でなく、個々に変える事も可能とな
り、その結果素子設計の自由度が上がり回路の設計が容
易となり、性能が向上する。
【0042】また本発明の実施例の構造はドレイン近傍
での電界緩和によるインパクトイオン化率の低減ばかり
でなくたとえば、インパクトイオン化によりエレクトロ
ン、ホールが発生しても、従来のようにチャネル部のソ
ース近傍にホールがたまったりせず、チャネル領域から
離れたソース領域の下に大部分が集まり、チャネルに影
響をおよぼしにくい構造となる。ここで図2に示すよう
に素子分離絶縁膜7をSiO2 層2に接しないように
し、これら蓄積ホール(n- チャネルの場合)、蓄積エ
レクトロン(p- チャンネルの場合)の逃げ道を形成す
るようにすればさらなる効果を得ることができる。
【0043】図12〜図22は、本発明の他の実施例を
説明するための断面図であり、図1のA−A’断面図に
対応した図面である。
【0044】まず図12に本発明による第2の実施例を
示す。図1では、ソース・ドレイン領域がいわゆるLD
D(Lightly Doped Dain)構造をも
つように設計されていたが、図12のように、いわゆる
GDD(Graded Diffused Drai
n)構造となるようにしても良い。この時は、ソース・
ドレインへの不純物注入の際(図6の工程)にn- 拡散
層4nだけでなくn+ 拡散層5nも同時に形成する様に
工程を変更すれば良い。
【0045】このようにすると、後でn+ 拡散層を形成
する工程(特にCMOSの場合は、レジスト工程を用い
てn+ 、p+ を別々に形成するので複雑である)が省略
できるという工程簡略化のメリットがある。
【0046】次に本発明による第3の実施例を図13を
用いて説明する。第1の実施例では図2に示すようにソ
ース・ドレイン領域が、いわゆるLDD構造となり、ド
レイン近傍の電界を緩和していたが、本実施例の図13
のように凹型MOSFETの場合にはこの構造自体にお
いてドレイン電界を緩和する効果があるのでLDDでは
なくシングルソース・ドレイン22の構造であっても、
通常の薄膜SOI MOSFETにくらべてドレイン
電界の緩和によるドレイン耐圧が向上する。
【0047】ソース・ドレインの寄生抵抗やコンタク
ト抵抗の上昇によるドレイン電流の減少という特性劣化
の防止できる。
【0048】ソース・ドレイン用のパンチスルーを抑
えた短チャネル効果の低減を図れる。
【0049】薄膜Siチャネル層を持ったSOI M
OSFETの実現とSiチャネル層の任意、膜厚設計可
能となるなどの特徴が実現できる。
【0050】次に本発明による第4の実施例を図14を
用いて説明する。この実施例は、第1の実施例と異な
り、ゲート電極8aがソース・ドレイン部に張り出して
おらず、溝の中だけにゲート電極をとどめたものであ
る。このようにすることによって、ゲート電極8とソー
ス・ドレインのコンタクト・ホールの間隔を小さくする
ことができ、微細化に向いた構造となる。
【0051】図15は第4の実施例の変形例でゲート電
極8を完全に溝の中に埋込んだ実施例である。このよう
にすることにより段差を減少させ、平坦性が向上し、上
の層の加工をより容易にすることができる。
【0052】図14、図15ではソース・ドレインの構
造はシングル、ソース・ドレイン構造を示したが、側壁
残しで形成したスペーサー材を用いたLDD構造や、マ
スク合わせを用いたLDD(Lightly Dope
d Drain)構造を用いても良い。
【0053】次に、本発明による第5の実施例を図16
を用いて説明する。第1の実施例ではいわゆるトレンチ
分離法を素子分離に用いたが、他に図16に示すよう
な、いわゆる選択酸化法(LOCOS法)を用いても良
い。この時、選択酸化法で形成した厚いフィールド酸化
膜23が基板絶縁膜層2に接する様にする。この様にす
ると、フィールド反転防止用の不純物形成工程が必要な
くなり工程簡略化ができる。このようにフィールド酸化
膜をSiO2 層2に接しないようにする構造は前述した
実施例及び以下述べる実施例においても適用可能であ
る。
【0054】又、第5の実施例の変形例として図17に
示すような実施例もある。この時、フィールド酸化膜2
3は基板絶縁膜層2に接しておらずフィールド反転防止
用の不純物層24pが必要となるが、比較的薄いフィー
ルド酸化膜23で良く、工程の短縮化、簡略化が図れ
る。
【0055】次に本発明による第6の実施例を図18を
用いて説明する。第1の実施例ではチャネル・イオン注
入層の形成については詳しく述べなかったが、図9と同
様に、薄膜Siチャネル層のみにp層25を形成しても
良い。これには、溝の側面に保護膜を設けておき垂直イ
オン注入法を用いて形成する。本発明の構造によれば、
溝の底面に選択的にp層25があるため、ここで閾値V
thは決まり、溝の他の側面のチャネル領域はVth決
定に寄与しない。つまり、溝の底部の閾値は溝の側面の
- 領域の閾値より高い。このため、動作時、側面部の
抵抗は小さく、ソース・ドレイン領域が主なチャネル領
域である溝底部のP層25より上部にあるためソース・
ドレインからの空乏層の伸びの影響を受けにくい。この
ため、短チャネル効果を防止できると同時に、同じチャ
ネル長のMOSFETにくらべて大きな駆動能力を得る
ことができる。
【0056】更に図19に本発明の第7の実施例を示
す。第1の実施例では、SOI層の中のソース・ドレイ
ン拡散層にコンタクトを開けていたが、本実施例ではS
OI基板のソース・ドレイン層上に不純物をドープした
多結晶シリコン層26を形成して電気的に接続しそれに
ソース・ドレインコンタクトを開口している。このよう
にすると、素子分離領域上にソース・ドレインのための
コンタクトを延在させることができ、素子の高密度化に
適する。27は電極である。5nは、多結晶シリコン層
26からのn+ 不純物拡散層又は電気的接続を確実にす
るためのn+ 不純物イオン注入により生じたn+ 拡散層
である。
【0057】更に図20に本発明の第8の実施例を示
す。第1の実施例では、薄いチャネル層とソース・ドレ
イン領域に深い拡散層を得るためにSOI基板に溝を掘
って両方を実現したが、この実施例では、その構造を選
択エピタキシャル成長(SEG)を用いて実現するよう
にしたものである。29は絶縁膜、27は電極である。
【0058】すなわち、薄いSOI膜3(膜厚=T1
でソース・ドレインの拡散層深さXj がT1 より浅くな
る様形成して、ソース・ドレイン部の露出した表面のみ
選択エピタキシャル成長法を用いてソース・ドレインに
エピタキシャルシリコン層28を形成する。この層28
は多結晶シリコン層でもよい。この選択エピタキシャル
シリコン層28をドーピングして、ソース・ドレインと
電気的に接続しこれにソース・ドレイン・コンタクトを
開けるものである。この様にすると、薄膜SOI層のチ
ャネルシリコン膜厚T1 より浅くソース・ドレイン拡散
層を形成しても、その上に選択エピタキシャルシリコン
層が厚く形成されているので、ソース・ドレイン拡散層
としての抵抗が高くなる事はない。またSOI基板をエ
ッチングしなくとも同様の効果が得られる。
【0059】更に図21、図22に本発明の第9及び第
10の実施例を示す。図21、図22はそれぞれ第8の
実施例の図20の選択エピタキシャルシリコン成長をゲ
ート電極30形成し、このゲート電極30を絶縁膜31
でおおった後に行なうもので、ソース・ドレインのn+
拡散層31及びn- 拡散層4nをチャネル面より上にす
る場合(図21)とソース・ドレインのn- 拡散層32
nをチャネル面より下で、基板絶縁膜2より上に設定し
た場合(図22)である。図22の6は絶縁膜である。
【0060】どちらの場合も薄膜SOI MOSFET
を実現するのにSi層をエッチングするする必要がない
というメリットに加え、図21に示した第9の実施例は
+ 及びn- 不純物層の深さXj を3pのチャネル領域
に張り出させないため、短チャネル効果を抑えることが
できるという特徴がある。
【0061】次に図23に本発明の第11の実施例を示
す。この実施例は、p型半導体層3pの代わりにi型半
導体層33(n型とp型のキャリア濃度(ドナー濃度、
マクセプター濃度)が同じでイントリンシックな半導体
としての特性を示す)を絶縁膜上の半導体層として用
い、チャネル領域にi型半導体層33を残しているMO
SFET構造である。またソース・ドレイン領域の下部
にはp型Si層34pを形成している。
【0062】このp型層34がソース・ドレイン領域の
下にあることにより、インパクトイオン化で発生したホ
ールがチャネル領域にたまることなくp型Si層34p
に集めることや、素子分離膜下のp型不純物層24pを
通して排出ができるため、信頼性の高いMOSFETが
薄膜MOSFETでも実現できる。またこの時、閾値は
溝側面で決まり、p型Si層34pの濃度をコントロー
ルすることにより閾値を設定できる。
【0063】図24〜図25は図23の第11の実施例
におけるp型層34pの位置関係を示す図であり、図2
3の様にp型層34pが薄膜チャネル領域(i型Si層
33)の端部まであるものと異なり、図24のようにp
型層34pが薄膜チャネル領域より離れている構造、図
25の様にp型層34p薄膜チャネル領域33の中に入
り込んでいる構造である。いずれの場合も同様な効果を
有する。
【0064】更に図26に本発明の第11の実施例の変
形例を示す。図23〜図25ではi型Si層33に凹部
を形成することによって薄膜i型MOSFETとソース
・ドレイン領域下のp型Si層34pを実現したが、こ
れ以外の方法でも同様の構造を実現できる。その例が図
26である。
【0065】まず薄膜のi型Si層33(膜厚T)を形
成し、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極8を形成した
後、n- 層4n、p型層34pを形成する。この時、問
題となるソース・ドレイン抵抗の増大(寄生抵抗増大)
を防ぐために選択エピタキシャル成長等を用いてソース
・ドレインの開口部にSi層35を形成してソース・ド
レインとする。この様な方法により図23〜図24を同
様の効果を持つ構造を得ることができる。この構造だと
図23〜図25にくらべてi型Si層33をエッチング
する必要がないのでi型Si層33の膜厚の制御が容易
である。
【0066】次に本発明の第12の実施例を説明する。
図27は図23の構造をpチャネル薄膜SOI MOS
FETに適用した例である。この場合図23におけるp
型層34の代わりにn型層36を用いることになる。本
構造はインパクト・イオン化によって発生したエレクト
ロンをn型層36に集める効果がありMOSFETの信
頼性を向上させることができる。38はp+ 層、37は
- 層である。
【0067】次に図23に示した第11の実施例の製造
方法について説明する。図28、図29、図30、図3
1はその工程断面図である。
【0068】まず、絶縁膜2上に薄膜3000Å程度の
i型Si層33が形成されたものを用意し(図28)、
このi型Si33層にn- 型層4nを形成した後これを
マスク層39を用いて加工し、フィールド反転防止のp
型層24を形成した後、次いで素子分離領域に素子分離
様絶縁膜7を埋込む(図29)。次にMOSFETの薄
いチャネル領域(膜厚T)を形成するため、例えばRI
E法を用いてi型層33及びn- 層4の一部をエッチン
グし、所望の膜厚Tにする(図30)。この後、マスク
層39を除去した後、ゲート絶縁膜6を介してゲート電
極8を形成し、p型層34p、ソース・ドレイン層とな
るn+ 拡散層5nを順次イオン注入法などを用いて形成
する(図31)。p型層34pの範囲はイオン注入条件
とその後の熱工程の調整によって実現でき、図23、図
24、図25のいずれの構造も対応できる。
【0069】次に図33、図34に本発明の第12及び
第13の実施例を示す。この例は先の実施例、例えば図
23〜図25等においてソース・ドレインn型層4n,
5nの下にp型層34pが形成されていたが、その下に
さらにi型層40が存在する構造についてのものであ
る。この様にするとp型層34pの形成をn- 型層4n
下に安定して形成できるという利点がある。また図3
3、図34は、薄膜チャネル領域(薄膜T)がp型層3
4p下のi型層40より薄くなっている場合(図33)
と、p型層34pの下のi型層40が薄膜チャネル領域
(膜厚T)と同じになっている場合(図34)を示して
いる。どちらも同じ効果を有している。
【0070】この場合、溝側壁部のp層(34p)で閾
値を決めることができる。
【0071】次にこれら実施例の製造方法について説明
する。
【0072】図35、図36、図37は、図33、図3
4の構造を実現するための工程断面図を示したものであ
る。まず、図35に示すようにi型層40の全面にn-
型層4nとp型層34pを例えばイオン注入法等で形成
し、n型層の下に全面にp型層34pを安定に形成す
る。このp型層34pはこのMOSFETの閾値電圧を
決定するためのチャネル不純物層に相当する。次にマス
ク層41を用いて素子形成領域毎に島状に加工した後、
フィールド反転防止不純物層24p、素子分離用の絶縁
膜7を素子分離領域に埋め込み形成する。次に薄膜チャ
ネル領域となる凹部溝を形成する。このとき溝の底は膜
厚Tとなる様にする(図36)。この後、ゲート絶縁膜
6を介してゲート電極8を形成した後、ソース・ドレイ
ンのn+ 型拡散層5nを形成し、層間絶縁膜19を全面
に堆積し、コンタクトホールをあけて、メタル配線10
を形成する。ここではLDD構造をとったが、n+ だけ
のシングルドレイン構造にしても良い。
【0073】また、ゲート電極8は前述してきた本実施
例では閾値Vthの設定(例えば、n- チャネルMOS
FET+0.2〜1.0V程度、p- チャネルMOSF
ET−0.2〜−1.00V程度)からn- チャネルで
はp+ ポリSi電極、p- チャネルではN+ ポリSi電
極を用いるが、例えば閾値を所望の値にするためにメタ
ルゲート(Wなど)でも良いし、基板1にバックゲート
バイアスを印加しても良い。
【0074】前記実施例ではMOSFETの主要部につ
いて図面を用いて説明してきたが、図38の斜視図に示
すようにしてもよい。前述した実施例と対応する部分は
同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図に示すよう
に、SiO2層2上のp層3pはトランジスタとは別に
設けられたp+ 層よりなるボディコンタクト領域42p
に接続されている。このボディコンタクト領域42pは
通常接地電位又は負電位とするが、場合によっては閾値
調整等のために負電位に設定する。
【0075】このようなボディコンタクト領域42pを
設けることによって、図39の模式図に示すように素子
動作中に生じたホール等を極めて良好に排出することが
可能となるため、素子特性への悪影響を除くことができ
る。
【0076】図41は本発明のMOSFETを用いてC
MOSインバーター回路(図46)を構成したときのチ
ャネル長方向の断面図である。
【0077】この実施例では、n- チャネルMOSFE
T、p- チャネルMOSFETの閾値はそれぞれ溝の底
部のp領域16pとn領域16nで決まっている。また
n-チャネルMOSFET、p- チャネルMOSFET
を電気的に分離する素子分離絶縁膜7の下には、それぞ
れフィールド反転防止用のp型不純物層24p及びn型
不純物層24nが形成されている。また、それぞれのM
OSFETにはチャネル領域に発生した蓄積ホール(n
- チャネル)あるいは蓄積エレクトロン(p-チャネ
ル)をチャネル領域から逃がすためにいわゆる通常のバ
ルクMOSFETの基板コンタクトに相当するボディコ
ンタクト(bc)をp+ 領域42p、n+ 領域42nと
して形成している。このような構造をとることにより素
子動作中に生じたホールやエレクトロン等を極めて良好
にチャネル領域以外に排出することが可能となり、素子
特性への悪影響を除くことができる。
【0078】またこの時、素子分離絶縁膜7の直下でフ
ィールド反転防止用のp型不純物層24pとn型不純物
層24nが接する事があり得る事は図中の通りである。
【0079】次に図42に本発明の第2の実施例を示
す。図42は、図41においてn- チャネルMOSFE
Tとp- チャネルMOSFETに分離する素子分離絶縁
膜7aが基板中の絶縁膜2に接するように形成されてい
る構造についてのものである。この様にすると、この部
分だけ絶縁膜を埋込む溝の深さを深くする必要が生じる
が、確実にn- チャネルMOSFETとp- チャネルM
OSFETを分離でき、ラッチアップや寄生バイポーラ
効果を完全に防止できるという利点がある。
【0080】次に図43に本発明の第3の実施例を示
す。図43は、図41において全ての素子分離絶縁膜7
aが基板中の絶縁膜2に接する様に形成された構造であ
る。
【0081】この様にすると、各素子間の分離を完全に
行なう事が出来る利点がある。
【0082】以上、図41、図42、図43に共通する
構造は、各n- チャネルMOSFET、p- チャネルM
OSFETにおいて、閾値は溝底部のp層16p、およ
びn層16nで決まっていることである。また、各チャ
ネルの主要な領域(p層16p、n層16n)は動作時
に完全に空乏化する様な膜厚T1 に設定されていること
も共通の構造である。基板1側のバックゲート電圧(V
bg)は各々のMOSFETの閾値電圧の調整などに用
いられる。
【0083】またゲート電極材料8は、n- チャネルM
OSFETにはp+ 型多結晶シリコン膜、p- チャネル
MOSFETにはn+ 型多結晶シリコン膜を一般に用い
るが、閾値を所望の値にするためにメタルゲート(Wな
ど)を用いても良い。
【0084】次に図44に本発明の第3の実施例を示
す。図44は、図41においてMOSFETのチャネル
における不純物の配置が変わったものである。すなわ
ち、n-チャネルMOSFETであればソース・ドレイ
ンn型層4n,5nの下にp型層34pが形成されてい
るが、その下にさらにi型層40が存在する構造であ
り、p- チャネルMOSFETであればソース・ドレイ
ンp型層4p,5pの下にn型層34n、さらにその下
にi型層40が存在する構造である。これらのMOSF
ETを用いてCMOSインバーターを構成したのが図4
4である。
【0085】この様にすると、主要なチャネル領域
(溝の底部)はi型半導体層となり不純物濃度が濃くな
いため電子及びホールの移動度が大きくなり素子特性が
向上する。また、T1 の厚みも比較的厚く出来るため
プロセス制御性のマージンが上がり製品の歩留りも向上
する利点がある。さらにまた、この様なMOSFET
の閾値は溝の側壁部のn- チャネルの場合はp層34p
(p- チャネルの場合はn層34n)で決まり、閾値の
制御性が向上する。またソース・ドレイン近傍にある
p層34pは凹型の溝底部のi型層40で分断されてお
り、ソース側のp層34pはドレインからの空気欠乏層
の伸びの影響を受けにくい構造になっており、ショート
チャネル効果に強い構造となっている。またチャネル
領域近傍で発生したイオンパクトイオン化によるエレク
トロン及びホールは、素子特性に影響を与えない様にそ
れぞれのボディコンタクト(body contac
t)領域(42p,42n)に通常接地電位、又は負電
位(n- チャネル)、正電位(p- チャネル)を印加す
ることにより良好に排出することが可能となっている。
【0086】次に図45に本発明の第4の実施例を示
す。図45は、図44において、p型層34p、n型層
34nの形成をゲート電極8の形成後に例えばイオン注
入法と熱拡散法を組み合わせることにより実現した構造
である。この構造では、溝の底のチャネル領域にしかi
型層40はなく、シース・ドレイン層の下にはp型層3
4p(n- チャネルの場合)又はn型層34n(p- チ
ャネルの場合)が形成されている。
【0087】この様にするとチャネルの一部にi型層
があるのでエレクトロン又はホールの移動度が向上し、
素子特性が向上する。またT1 の膜厚が比較的厚く出
来るので溝形成時のエッチング制御性が向上する。また
閾値は溝側壁のp層34p(n- チャネル)、又はn
層34n(p- チャネル)の濃度で決まるので制御性が
向上する。またショートチャネル効果にも強く、蓄
積ホールやエレクトロンを放出する場合のソース・ドレ
イン下の抵抗を下げる事ができるので効率良く行なえる
などの利点がある。
【0088】次に図47に本発明の図41の変形例を示
す。図41から図45までは、素子分離絶縁膜は埋込み
型の絶縁膜を用いた例を示したが、図47に示すように
従来の選択酸化法(いわゆるLOCOS法)を用いても
良い。この例ではLOCOS酸化膜は基板中の絶縁膜2
に接していないが、接する様に形成しても良いことは言
うまでもない。
【0089】このようなボディコンタクト領域42を設
けることによって、図39の模式図に示すように素子動
作中に生じたホール等を極めて良好に排出することが可
能なため、素子特性への悪影響を除くことができる。
【0090】以上、本発明を種々の実施例により説明し
たが、これに限られるものではない。構造上も種々変形
が可能で、例えばチャネル領域のp型不純物層も溝底部
にのみ存在する必要はなく、例えば溝の中程まで浸透し
ても良い。また、非常に低濃度のチャネル不純物層を用
いても良い。
【0091】また、本実施例はn- チャネルMOSFE
Tをもとに不純物型を例示したが、p- チャネルMOS
FETの場合は、逆導電型の不純物に変更すれば良い。
【0092】尚、各領域の不純物濃度も例示したものの
他のものでもよく、p型半導体基板1は1×1015〜5
×1017cm-3、チャネルのp型不純物は1×1015
5×1017cm-3、ソース・ドレインのn- 型不純物層
4は1×1018〜1×1020cm-3、n+ 型不純物層1
6は1×1020〜1×1021cm-3から選ばれる。
【0093】その他の本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々変形して実施できる。
【0094】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば従来の
薄膜SOI−MOFETの問題点を改善し、ドレイン耐
圧向上、ソース・ドレインの寄生抵抗抑制、ショートチ
ャネル効果防止、イオンパクトイオンにより発生したホ
ールやエレクトロンのトランジスタ特性への影響防止、
高性能なCMOSインバータ回路の実現など高性能で信
頼性の良いMOSFETを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施例のA−A’図である。
【図3】本発明の第1の実施例のB−B’図である。
【図4】本発明の第1の実施例の変形例を示す断面図で
ある。
【図5】本発明の実施例の製造方法を説明する工程断面
図である。
【図6】本発明の実施例の製造方法を説明する工程断面
図である。
【図7】本発明の実施例の製造方法を説明する工程断面
図である。
【図8】本発明の実施例の製造方法を説明する工程断面
図である。
【図9】本発明の実施例の製造方法を説明する工程断面
図である。
【図10】本発明の実施例の製造方法を説明する工程断
面図である。
【図11】本発明の実施例の製造方法を説明する工程断
面図である。
【図12】本発明の実施例の製造方法を説明する工程断
面図である。
【図13】本発明の第3の実施例を説明するための断面
図である。
【図14】本発明の第4の実施例を説明するための断面
図である。
【図15】本発明の第4のの実施例の変形例を説明する
ための断面図である。
【図16】本発明の第5の実施例を説明するための断面
図である。
【図17】本発明の第5の実施例変形例を説明する断面
図である。
【図18】本発明の第6の実施例を説明するための断面
図である。
【図19】本発明の第7の実施例を説明するための断面
図である。
【図20】本発明の第8の実施例を説明するための断面
図である。
【図21】本発明の第9の実施例を説明するための断面
図である。
【図22】本発明の第10の実施例を説明するための断
面図である。
【図23】本発明の第11の実施例を説明するための断
面図である。
【図24】本発明の第11の実施例を説明するための断
面図である。
【図25】本発明の第11の実施例を説明するための断
面図である。
【図26】本発明の第11の実施例変形例説明するため
の断面図である。
【図27】本発明の第12の実施例を説明するための断
面図である。
【図28】本発明の第12の実施例を説明するための工
程断面図である。
【図29】本発明の第12の実施例を説明するための工
程断面図である。
【図30】本発明の第12の実施例を説明するための工
程断面図である。
【図31】本発明の第12の実施例を説明するための工
程断面図である。
【図32】本発明の実施例のMOSFETの特性を説明
する説明図である。
【図33】本発明の第13の実施例を説明するための断
面図である。
【図34】本発明の第14の実施例を説明するための断
面図である。
【図35】本発明の実施例を説明するための工程断面図
である。
【図36】本発明の実施例を説明するための工程断面図
である。
【図37】本発明の実施例を説明するための工程断面図
である。
【図38】本発明の実施例を説明するための斜視図であ
る。
【図39】本発明の実施例を説明するための模式図であ
る。
【図40】従来の問題点を説明するための説明図であ
る。
【図41】本発明の第1の実施例であるCMOSインバ
ータ回路のチャネル方向の断面図である。
【図42】本発明の第2の実施例を説明するCMOSイ
ンバータ回路のチャネル方向の断面図である。
【図43】本発明の第3の実施例を説明するCMOSイ
ンバータ回路のチャネル方向の断面図である。
【図44】本発明の第4の実施例を説明するCMOSイ
ンバータ回路のチャネル方向の断面図である。
【図45】本発明の第5の実施例を説明するCMOSイ
ンバータ回路のチャネル方向の断面図である。
【図46】CMOSインバータ回路の等価回路図であ
る。
【図47】本発明の第1の実施例の変形例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 半導体基板(p型またはn型Si基板) 2 絶縁膜(SiO2 層) 3 半導体層(Si層) 3p 半導体層(p- 型Si層) 3n 半導体層(n- 型Si層) 4n n- 型Si基板ソース・ドレイン拡散層 4p p- 型Si基板ソース・ドレイン拡散層 5n n+ 型Si基板ソース・ドレイン拡散層 5p p+ 型Si基板ソース・ドレイン拡散層 6 ゲート絶縁膜(SiO2 膜) 7 素子分離絶縁膜 7a 絶縁膜2に接する素子分離絶縁膜 8 ゲート電極 9 フィールド酸化膜 10 配線層 11 SiO2 層 12 絶縁膜 13 レジスト層 14 溝 15 絶縁膜 16p 高濃度p層(チャネル部p層) 16n 高濃度n層(チャネル部n層) 17 絶縁膜 18 絶縁膜 19 層間絶縁膜 20 コンタクトホール 22 n+ 層 23 フィールド絶縁膜 24p フィールド反転防止用p型不純物層 24n フィールド反転防止用n型不純物層 25 高濃度p層 26 ドープト多結晶シリコン層 27 電極 28 エピタキシャルシリコン層 29 絶縁膜 30 ゲート電極 31 n+ 層 32 n- 層 33 i型半導体層 34p p型半導体層(Vth決定領域) 34n n型半導体層(Vth決定領域) 35 Si層 36 n層 37 p- 層 38 p+ 層 40 i層 42p p+ 型ボディコンタクト領域 42n n+ 型ボディコンタクト領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−66168(JP,A) 特開 平2−159767(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に絶縁膜を介して溝を有する半導
    体層が形成され、この半導体層の溝にゲート絶縁膜を介
    してゲート電極が形成され、このゲート電極の両側にソ
    ース・ドレインが形成され、前記溝の底部の前記半導体層の厚さTは、当該溝の底部
    の前記半導体層 の不純物濃度をNsub(cm−3)、
    誘電率をε、フェルミエネルギーをφ(eV)、電子
    の基本電荷をq(クーロン)とする時、 T≦[2εφ/(qNsub)]1/2 であり、 かつ前記ソース・ドレインと前記絶縁膜とは前記半導体
    層により分離され、かつ前記ソース・ドレインは、前記溝の底部を含む平面
    よりも上に形成されている ことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ソース・ドレインと前記ゲート電極
    の間にそれぞれ形成され、当該ソース・ドレインに比し
    て同一導電型の低濃度の不純物が添加されている低濃度
    ソース・ドレインをさらに有することを特徴とする請求
    項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記ソース・ドレインと前記絶縁膜を分
    離する前記半導体層に、前記溝の底部の前記半導体層に
    比して同一導電型の低濃度の不純物が添加されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
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