本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨に逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更しうることは、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。尚、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面で共通して用いる場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本発明に掛かる半導体装置の主要な構成を説明するための上面図及び断面図である。図1は特に薄膜トランジスタの構成を示しており、図1(A)は上面図、図1(B)は図1(A)における波線O−P間の断面図、図1(C)は図1(A)における波線Q−R間の断面図を示している。尚、図1(A)は一部薄膜等を省略している。
図1に示す薄膜トランジスタ140は、絶縁表面を有する基板100上に設けられている。薄膜トランジスタ140は、チャネル形成領域108及び不純物領域120が形成された半導体層130と、半導体層130の不純物領域120上に設けられた絶縁層110と、半導体層130のチャネル形成領域108及び絶縁層110上に設けられた絶縁層112と、絶縁層112を介してチャネル形成領域108及び不純物領域120に重なる導電層114と、で構成されている。
基板100としては、SOI(Silicon on Insurator)基板、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミックス基板、表面に絶縁層が形成された金属基板などを用いることができる。
基板100上に半導体層130が形成されている。基板100と半導体層130の間には、下地絶縁層として機能する絶縁層102、絶縁層103を設けても良い。下地絶縁層は、基板100から半導体層130へアルカリ金属などの不純物が拡散して汚染することを防ぐものであり、ブロッキング層として適宜設ければよい。また、基板100の表面に凹凸がある場合、下地絶縁層は平坦化する層として設けることができる。
絶縁層102、103は、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)等を用いて形成する。また、本実施の形態では、下地絶縁層を絶縁層102、103の積層としたが、もちろん単層構造でも3層以上の積層構造でもよい。例えば、本実施の形態のように2層の積層構造とする場合、1層目に窒化酸化シリコン膜、2層目に酸化窒化シリコン層を形成することができる。また、1層目に窒化シリコン層を形成し、2層目に酸化シリコン層を形成しても良い。
半導体層130は島状に形成されている。半導体層130は単結晶半導体又は多結晶半導体で形成することが好ましく、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム等の種々の半導体材料を用いて形成することができる。SOI基板を適用する場合には、埋込絶縁層上の半導体層をそのまま適用することができる。
半導体層130はチャネル形成領域108と、一対の不純物領域120と、を有する。不純物領域120は、一部又は全部がソース領域又はドレイン領域として機能する。不純物領域120には一導電型を付与する不純物元素が添加されている。また、チャネル形成領域108に、トランジスタのしきい値電圧を制御するための一導電型を付与する不純物元素が添加されていても良い。チャネル形成領域108は、絶縁層112のみを介して導電層114と重なる領域の半導体層130に形成されており、一対の不純物領域120の間に位置するものである。
チャネル形成領域108は不純物領域120に比べて膜厚が薄くなっている。チャネル形成領域108の膜厚は0.5nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下の範囲で形成するとよい。チャネル形成領域108を薄くすることにより、薄膜トランジスタのサブスレッショルド領域でのソース領域−ドレイン領域間のリーク電流を抑えることができる。
また、不純物領域120は、不純物濃度が異なる領域を有する。具体的には、不純物領域120の表面側に形成された第1濃度領域105と、不純物領域120の下方側に形成された第2濃度領域106を有する。不純物領域120の表面側に形成された第1濃度領域105は、不純物領域120の下方側に形成された第2濃度領域106に比べて不純物濃度が高いものとする。なお、第1濃度領域105及び第2濃度領域106は濃度が一様でなく、明確な境界はできにくい。ここでは、第1濃度領域105及び第2濃度領域106の境界は点線で示す。
また、半導体層130にLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能する低濃度不純物領域を形成しても良い。低濃度不純物領域は、チャネル形成領域と、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域の間に形成することができる。また、LDD領域は、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域120のピーク濃度と比較して、不純物濃度が低いものとする。
絶縁層110は不純物領域120に接して形成されている。また、絶縁層110は、半導体層130上に、チャネル形成領域108と重なる領域に開口を有するように形成されているともいえる。絶縁層110の厚さは5nm以上300nm以下、好ましくは、10nm以上200nmの範囲で形成するとよい。
チャネル形成領域108と絶縁層110に接して絶縁層112が形成されている。絶縁層112は薄膜トランジスタ140のゲート絶縁層として機能する。ゲート絶縁層として機能する絶縁層112は、導電層114と半導体層130の短絡、リーク電流の発生、静電破壊等を防止するために、膜厚が均一に形成されることが好ましい。
また、絶縁層110を絶縁層112に比べて厚くすることにより、不純物領域120と導電層114が絶縁層110を介して形成する容量を小さくすることができる。また、絶縁層110を10nm以上の厚さとすることにより、導電層114をドライエッチングにより加工する際に、オーバーエッチングによる不純物領域120の消失を防ぐことができる。
次に、図1に示す薄膜トランジスタの作製方法について図2から図4を用いて具体的に説明する。
まず、基板100上に下地絶縁層として機能する絶縁層102、103を介して半導体層104を形成する(図2(A)参照)。
基板100は、ガラス基板、石英基板等の絶縁表面を有する基板を用いる。絶縁層102、103は、CVD法やスパッタリング法を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の材料を用いて形成する。絶縁層102、103は、基板100から半導体層104へアルカリ金属等が拡散し、半導体層104が汚染することを防ぐブロッキング層として機能する。また、基板100の表面に凹凸がある場合、平坦化する層としても機能することができる。なお、絶縁層102、103は、基板100からの不純物拡散や基板100表面の凹凸が問題とならなければ、形成しなくともよい。また、ここでは下地絶縁層を2層の積層構造としているが、単層構造としてもよいし、3層以上の積層構造としてもよい。
半導体層104は、CVD法やスパッタリング法を用いて、シリコンを主成分とする材料を用いて形成するのが好ましい。具体的には、シリコン、シリコンゲルマニウム等を用いて形成することができる。また、ゲルマニウムを用いて形成してもよい。例えば、半導体層104は、シリコンを主成分とする材料を用いて非晶質半導体層を形成し、当該非晶質半導体層を結晶化させた後に選択的にエッチングすることによって島状の半導体層を形成することができる。非晶質半導体層を結晶化する場合は、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法又はこれらの方法を組み合わせた方法等により行うことができる。また、半導体層104は、膜厚10nm乃至150nmの範囲、好ましくは30nm乃至100nmの範囲で形成する。なお、半導体層はあらかじめ厚く形成した後、該厚く形成した半導体層をエッチングすることにより薄膜化してもよい。
次に、半導体層104に対して、一導電型を付与する不純物元素を添加し、第1濃度領域105と第2濃度領域106を形成する(図2(B)参照)。第1濃度領域105は、第2濃度領域106と比較して不純物濃度が高くなるように形成する。具体的には、第1濃度領域105に含まれる不純物元素の濃度は1×1019atoms/cm3乃至5×1021atoms/cm3の範囲とし、第2濃度領域106に含まれる不純物元素の濃度は1×1019atoms/cm3以下とするのが好ましい。一導電型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)等のp型を付与する元素、リン(P)、ヒ素(As)等のn型を付与する元素を用いることができる。
半導体層104に対する一導電型を付与する不純物元素の添加は、ドーピング法により行うことができる。ドーピング法としては、イオンドーピング法、イオン注入法を用いることができる。例えば、ドーピング法を用いて低加速電圧で不純物元素の添加を行うことにより、半導体層104の表面側と下方側とに異なる濃度の不純物領域を形成することができる。本実施の形態では、半導体層104の表面側に第1濃度領域105が形成され、半導体層104の下方側に第1濃度領域よりも低濃度である第2濃度領域106が形成される。不純物元素のドーピングを行う際の加速電圧の条件としては、1keV以上50keV以下、好ましくは1keV以上10keV以下を選択すればよい。加速電圧を適宜選択することで、半導体層104に形成される第1濃度領域105及び第2濃度領域106それぞれの膜厚、濃度等を制御することが可能である。
なお、半導体層104に対する一導電型を付与する不純物元素の添加は、島状の半導体層を形成する前に行ってもよい。
次に第1濃度領域105上に絶縁層110(以下、第1の絶縁層110ともいう)を形成する(図2(C)参照)。第1の絶縁層110は、CVD法やスパッタリング法や塗布法により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム等の材料を用いて形成する。第1の絶縁層110は膜厚20nm以上300nm以下、好ましくは、50nm以上200nmの範囲で形成する。
次に、第1の絶縁層110を選択的に除去して、第1濃度領域105の一部を局所的に露出させる(図3(A)参照)。第1の絶縁層110の除去は、ウエットエッチング法により除去してもよいし、ドライエッチング法により除去してもよい。
次に、第1の絶縁層110をマスクとして、露出された第1濃度領域105を選択的に除去して第2濃度領域106を露出させた半導体層130を形成する(図3(B)参照)。その際、第2濃度領域106の表面は一部除去されても構わない。半導体層130において、第1濃度領域105の除去により第2濃度領域106が露出された領域は、図1に示される薄膜トランジスタ140のチャネル形成領域108となる。つまり、第2濃度領域106の一部が、チャネル形成領域108を形成する。なお、後の工程で、チャネル形成領域108を形成する第2濃度領域106に、トランジスタのしきい値電圧を制御するための一導電型を付与する不純物元素を添加してもよい。
また、第1濃度領域105がチャネル形成領域108を挟むように残存する。半導体層130において、残存する第1濃度領域105及び当該第1濃度領域105下方の第2濃度領域106は、図1に示される薄膜トランジスタ140の不純物領域120を形成する。不純物領域120は、その一部又は全体がソース領域又はドレイン領域として機能する領域である。
なお、第1濃度領域105の除去は、ウエットエッチング法あるいはドライエッチング法を用いて行う。このとき、どちらのエッチング法を用いる場合でも、あらかじめ設定した時間でエッチング処理を行う。ドライエッチング法を用いる場合には、チャネル形成領域108の表面に反応生成物が形成されないような条件を用いるとよい。例えば、ドライエッチングガスとして、Cl2ガスなどを用いてドライエッチングを行うとよい。CHF3ガスなどを用いてドライエッチングを行うと、チャネル形成領域108の表面に反応生成物が形成されるが、その場合には、チャネル形成領域108の表面をさらに除去することにより、清浄な表面を形成することができる。以下、本明細書で清浄な表面とは、反応生成物などを含む汚染層やアモルファス化した変質層などが無い表面を示す。
なお、チャネル形成領域108の厚さは0.5nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下の範囲で形成する。
次に、第1の絶縁層110及びチャネル形成領域108上に絶縁層112(以下、第2の絶縁層112ともいう)を形成する(図3(C)参照)。第2の絶縁層112は、CVD法やスパッタリング法により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム等の材料を用いて形成する。また、第2の絶縁層112は、これらの材料のうち1つ又は複数を用いて、単層構造又は積層構造で形成する。第2の絶縁層112は、膜厚1nm以上50nm以下、好ましくは膜厚1nm以上20nm以下、より好ましくは1nm以上10nm以下の範囲で形成する。本実施の形態では、第2の絶縁層112として酸化窒化シリコン層を膜厚5nmで形成する。
また、第2の絶縁層112は、プラズマ処理による固相酸化若しくは固相窒化を用いてチャネル形成領域108上のみに形成してもよい。例えば、チャネル形成領域108を、プラズマ処理により酸化又は窒化して、第2の絶縁層112を形成することができる。
プラズマ処理による固相酸化処理若しくは固相窒化処理は、マイクロ波(代表的には2.45GHz)等の高周波で励起され、電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下、且つ電子温度が0.5eV以上1.5eV以下のプラズマを利用して行うことが好ましい。前記条件を用いることにより、固相酸化処理若しくは固相窒化処理において、500℃以下の温度において、緻密な絶縁層を形成すると共に実用的な反応速度を得ることができる。
プラズマ処理によりチャネル形成領域108の表面を酸化する場合には、酸素を含む雰囲気下(例えば、酸素(O2)、オゾン(O3)、亜酸化窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)若しくは二酸化窒素(NO2)、及び希ガス(ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)の少なくとも1つを含む)を含む雰囲気下、又は酸素(O2)、オゾン(O3)、亜酸化窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)若しくは二酸化窒素(NO2)と、水素(H2)と、希ガスと、を含む雰囲気下)で行う。また、プラズマ処理によりチャネル形成領域108の表面を窒化する場合には、窒素を含む雰囲気下(例えば、窒素(N2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含む雰囲気下、窒素と水素と希ガスを含む雰囲気下、又はNH3と希ガスを含む雰囲気下)でプラズマ処理を行う。希ガスとしては、例えばArを用いることが好ましい。また、ArとKrを混合したガスを用いてもよい。
ここで、プラズマ処理を行うためのプラズマ処理装置1080の構成例を図11に示す。当該プラズマ処理装置1080は、支持台1088と、ガスを供給するためのガス供給部1084、ガスを排気するために真空ポンプに接続する排気口1086、アンテナ1098、誘電体板1082、プラズマ発生用の高周波を入力する高周波供給部1092を有している。被処理体1010は、支持台1088によって保持される。また、支持台1088に温度制御部1090を設けることによって、被処理体1010の温度を制御することも可能である。被処理体1010は、プラズマ処理をする基体であり、本実施の形態では基板100上に絶縁層102、103、島状の半導体層104を順に積層形成し、チャネル形成領域108が露出したものに相当する。
以下、図11に示すプラズマ処理装置1080を用いて半導体層表面に絶縁層を形成する具体例を述べる。なお、プラズマ処理とは、基板、半導体層、絶縁層、導電層に対する酸化処理、窒化処理、酸化窒化処理、水素化処理、表面改質処理を範疇に含んでいる。これらの処理は、その目的に応じて、ガス供給部1084から供給するガスを選択すれば良い。
まず、図11に示すプラズマ処理装置1080の処理室内を真空にする。そして、ガス供給部1084から希ガス、酸素又は窒素を含むガスを供給する。被処理体1010は室温、若しくは温度制御部1090により100℃以上550℃以下の範囲で加熱する。被処理体1010と誘電体板1082との間隔(以下、電極間隔ともいう)は、20mm以上200mm以下(好ましくは20nm以上60mm以下)程度である。
次に、高周波供給部1092からアンテナ1098に高周波を入力する。ここでは、高周波としてマイクロ波(周波数2.45GHz)を入力する。そしてマイクロ波をアンテナ1098から誘電体板1082を通して処理室内に入力することによって、プラズマ1094を生成し、当該プラズマ1094によって酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)又は窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)を生成する。このとき、プラズマ1094は、供給されたガスによって生成される。
マイクロ波の入力によりプラズマ1094を生成すると、低電子温度(3eV以下、好ましくは1.5eV以下)で高電子密度(1×1011cm−3以上)のプラズマを生成することができる。具体的には、電子温度が0.5eV以上1.5eV以下、且つ電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm以下のプラズマ生成することが好ましい。なお、本明細書では、マイクロ波の入力により生成された低電子温度で高電子密度のプラズマを高密度プラズマともいう。また、高密度プラズマを利用してプラズマ処理を行うことを高密度プラズマ処理ともいう。
プラズマ1094により生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)又は窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、被処理体1010に形成された半導体層の表面が酸化又は窒化されて絶縁層が形成される。このとき、供給するガスにアルゴンなどの希ガスを混合させると、希ガスの励起種により酸素ラジカルや窒素ラジカルを効率良く生成することができる。なお。供給ガスに希ガスを用いる場合、形成された絶縁層に希ガスが含まれる場合がある。この方法は、プラズマで励起した活性なラジカルを有効に使うことにより、500℃以下の低温で固相反応による酸化、窒化を行うことができる。
図11に示す装置を用いた高密度プラズマ処理により形成される好適な第2の絶縁層112の一例は、酸素を含む雰囲気下のプラズマ処理によりチャネル形成領域108の一表面上に0.5nm以上20nm以下の厚さで酸化シリコン層を形成し、その後窒素を含む雰囲気下でその酸化シリコン層の表面を窒化プラズマで処理した窒素プラズマ処理層を形成する。具体的には、まず、酸素を含む雰囲気下でのプラズマ処理によりチャネル形成領域108の一表面上に0.5nm以上20nm以下の厚さで酸化シリコン層を形成する。その後、続けて窒素を含む雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより酸化シリコン層の表面又は表面近傍に窒素濃度の高い窒素プラズマ処理層を設ける。なお、表面近傍とは、酸化シリコン層の表面から概略0.5nm以上1.5nm以下の範囲の深さをいう。例えば、窒素を含む雰囲気下でプラズマ処理を行うことによって、酸化シリコン層の表面から垂直方向に概略1nmの深さに窒素を20原子%以上50原子%以下の割合で含有した構造となる。また、高密度プラズマ処理により絶縁層110の表面も酸化又は窒化することができる。
例えば、チャネル形成領域108を形成し、該チャネル形成領域の表面をプラズマ処理で酸化することで、界面に歪みのない緻密な酸化層を形成することができる。また、当該酸化層をプラズマ処理で窒化することで、表層部の酸素を窒素に置換して窒化層を形成すると、さらに緻密化することができる。それにより絶縁耐圧が高い絶縁層を形成することができる。
上記のようなプラズマ処理による固相酸化処理若しくは固相窒化処理を用いることで、耐熱温度が700℃以下のガラス基板を用いても、950℃乃至1050℃の範囲で形成される熱酸化膜と同等な絶縁層を得ることができる。すなわち、半導体素子、特に薄膜トランジスタや不揮発性記憶素子のゲート絶縁層として機能する信頼性の高い絶縁層を形成することができる。
次に、第2の絶縁層112を介して、チャネル形成領域108および不純物領域120の一部に重なるように導電層114を形成する(図4参照)。導電層114は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、又はニオブ(Nb)等の金属元素、又は当該金属元素を含む合金材料若しくは化合物材料を用いて形成することができる。また、リン等の一導電型を付与する不純物元素が添加された多結晶シリコンに代表される半導体材料を用いて形成することもできる。導電層114は、これらの材料を用いてCVD法やスパッタリング法により全面に形成した後、選択的にエッチングして所望の形状に加工することができる。また、導電層114は、単層構造でもよいし積層構造としてもよい。導電層114は、膜厚10nm乃至1000nm、好ましくは膜厚100nm乃至800nm、より好ましくは200nm乃至500nmの範囲で形成する。
なお、導電層114を形成した後に、熱処理を行うことにより、不純物元素を活性化することが好ましい。熱処理は、レーザビームの照射、又はRTA若しくはファーネスアニール炉を用いて行うことができる。具体的には、400℃乃至700℃、好ましくは500℃乃至550℃の温度範囲で熱処理を行うとよい。また、熱処理は窒素雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、550℃4時間の加熱を行うことにより、活性化を行うことができる。また、熱処理は不純物元素の添加後行っても良いし、導電層114の形成前のいずれかの工程で行っても良い。
以上により、本発明を適用した薄膜トランジスタ140を形成することができる。なお、本実施の形態で示した薄膜トランジスタ(TFT)の構造は一例であり、図示した構造に限定されるものではない。例えば、直列に接続された少なくとも2つ以上のチャネル形成領域を含んだ半導体層と、それぞれのチャネル形成領域に電界を印加する少なくとも2つ以上のゲート電極層と、を有するマルチゲート構造を用いてもよい。
また、本実施の形態ではゲート電極として単層の導電層を形成する例を示したが、本発明は特に限定されるものではない。ゲート電極の側面をテーパ形状にしてもよいし、ゲート電極を2層以上の導電層の積層構造としてもよい。
以下に、半導体装置を本実施の形態に基づいた構造にすることにより、薄膜トランジスタのオン特性が向上することを、論理計算により示す。計算には、synopsys社製TCADソフト、Sentaurusを用いた。図12(A)、図12(B)及び図12(C)は理論計算に用いた薄膜トランジスタの構造を示す断面図である。該断面図は、図1(B)に対応するものである。
図12(A)は、本実施の形態に基づいた半導体装置であり、基板1201上に薄膜トランジスタ1200が形成されている。薄膜トランジスタ1200は、チャネル形成領域1202及び当該チャネル形成領域1202を挟むように位置する不純物領域1208と、該不純物領域1208上に接する絶縁層1204と、チャネル形成領域1202及び絶縁層1204上に接する絶縁層1205と、該絶縁層1205を介してチャネル形成領域1202上に位置する導電層1206と、を具備する。なお、導電層1206は、絶縁層1204及び絶縁層1205を介して不純物領域1208上にも位置している。また、不純物領域1208は、不純物濃度が異なる領域を有する。具体的には、不純物領域1208の表面側に形成された第1濃度領域1203と、不純物領域1208の下方側に形成された第2濃度領域1207を有する。第1濃度領域1203及び第2濃度領域1207は濃度が一様でなく、明確な境界は区別できにくいため、ここでは便宜的に第1濃度領域1203及び第2濃度領域1207の境界を点線で示す。チャネル形成領域1202は厚さが5nmであり、不純物領域1208は厚さが100nmであり、チャネル形成領域1202の厚さが不純物領域1208に比べて薄くなっている。不純物領域1208は、加速電圧10kVで不純物元素としてリンを添加しており、深さ方向の濃度分布を持っているものとする。絶縁層1204は厚さ10nmであり、絶縁層1205は厚さが5nmである。絶縁層1205は薄膜トランジスタ1200のゲート絶縁層として機能する。チャネル形成領域1202上に絶縁層1205を介して導電層1206がある。導電層1206は、不純物領域1208と一部領域が重なっており、導電層1206及び不純物領域1208の重なりの幅D2は0.5μmである。また、チャネル形成領域1202の幅D1は薄膜トランジスタ1200のゲート長に対応するものである。以下、図12(A)に示す薄膜トランジスタ1200を構造Aとする。
図12(B)に示す半導体装置は、基板1211上に薄膜トランジスタ1210が形成されている。薄膜トランジスタ1210は、チャネル形成領域1212及び当該チャネル形成領域1212を挟むように位置する不純物領域1213と、該不純物領域1213上に接する絶縁層1214と、チャネル形成領域1212及び絶縁層1214上に接する絶縁層1215と、該絶縁層1215を介してチャネル形成領域1212上に位置する導電層1216と、を具備する。なお、導電層1216は、絶縁層1214及び絶縁層1215を介して不純物領域1213上にも位置している。チャネル形成領域1212は厚さが10nmであり、不純物領域1213は厚さが10nmであり、チャネル形成領域1212及び不純物領域1213は略同じ膜厚で、共に厚さが10nm程度と薄くなっている。絶縁層1214は厚さが10nmであり、絶縁層1215は厚さが5nmである。絶縁層1215は薄膜トランジスタ1210のゲート絶縁層として機能する。チャネル形成領域1212上に絶縁層1215を介して導電層1216がある。導電層1216は、不純物領域1213と一部領域が重なっており、導電層1216及び不純物領域1213の重なりの幅D2は0.5μmである。また、チャネル形成領域1212の幅D1は薄膜トランジスタ1210のゲート長に対応するものである。以下、図12(B)に示す薄膜トランジスタ1210を構造Bとする。
図12(C)に示す半導体装置は、基板1221上に薄膜トランジスタ1220が形成されている。薄膜トランジスタ1220は、チャネル形成領域1222及び当該チャネル形成領域1222を挟むように位置する不純物領域1228と、該不純物領域1228上に接する絶縁層1224と、チャネル形成領域1222及び絶縁層1224上に接する絶縁層1225と、該絶縁層1225を介してチャネル形成領域1222上に位置する導電層1226と、を具備する。なお、導電層1226は、絶縁層1224及び絶縁層1225を介して不純物領域1228上にも位置している。また、不純物領域1228は、不純物濃度が異なる領域を有する。具体的には、不純物領域1228の表面側に形成された第1濃度領域1223と、不純物領域1228の下方側に形成された第2濃度領域1227を有する。第1濃度領域1223及び第2濃度領域1227は濃度が一様でなく、明確な境界は区別できにくいため、ここでは便宜的に、第1濃度領域1223及び第2濃度領域1227の境界は点線で示す。チャネル形成領域1222は厚さが100nmであり、不純物領域1228は厚さが100nmであり、チャネル形成領域1222と不純物領域1228は略同じ膜厚で、共に厚さが100nm程度と厚くなっている。不純物領域1228は、加速電圧10kVで不純物元素としてリンを添加しており、深さ方向の濃度分布を持っている。絶縁層1224は厚さが10nmであり、絶縁層1225は厚さが5nmである。絶縁層1225は薄膜トランジスタ1220のゲート絶縁層として機能する。チャネル形成領域1222上に絶縁層1225を介して導電層1226がある。導電層1226は、不純物領域1228と一部領域が重なっており、導電層1226及び不純物領域1228の重なりの幅D2は0.5μmである。また、チャネル形成領域1222の幅D1は薄膜トランジスタ1220のゲート長に対応するものである。以下、図12(C)に示す薄膜トランジスタ1220を構造Cとする。
図13(A)は、図12(A)乃至(C)に示した構造A乃至構造Cの薄膜トランジスタにおいて、ドレイン電圧1Vの時のドレイン電流−ゲート電圧特性から求めたサブスレッショルド値を示している。図13(A)に示すグラフは、横軸はチャネル長(D1の幅)(μm)、縦軸はサブスレッショルド値(mV/dec)を示す。
図13(B)は、図12(A)乃至(C)に示した構造A乃至構造Cの薄膜トランジスタにおいて、ドレイン電圧1V、ゲート電圧3Vの時のドレイン電流値を示している。図13(B)に示すグラフは、横軸はチャネル長(D1の幅)(μm)、縦軸はドレイン電流値(A)を示す。
図13(A)及び図13(B)のグラフから、構造Aは、構造Bと比較してオン電流値(トランジスタがオン状態のドレイン電流を示す。)が大きいことがわかる。また、構造Aは、構造Cと比較してサブスレッショルド値が小さいことがわかる。なお、構造Aと構造Bのサブスレッショルド値は同程度に小さく、構造Aと構造Cのオン電流値は同程度に大きいことがわかる。以上の結果から、本実施の形態に示すように、不純物領域と比べてチャネル形成領域の膜厚を薄くし、且つチャネル形成領域の膜厚を0.5nm乃至50nm程度と薄膜化することで、サブスレッショルド値が小さく、かつ、オン電流値(ドレイン電流値)が大きい薄膜トランジスタを作製することができることがわかる。
以上より、本発明を適用して作製した薄膜トランジスタは、サブスレッショルド値を小さくすることができ、かつ、オン電流の低下を抑えることができる。よって、半導体装置の低電圧動作及び低消費電力化が可能である。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と、適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1と異なる作製方法で半導体装置を作製する例について図5を用いて説明する。
図5は、本発明に掛かる半導体装置の主要な構成を説明するための上面図及び断面図である。図5は特に薄膜トランジスタの構成を示しており、図5(A)は上面図、図5(B)は図5(A)における波線O−P間の断面図、図5(C)は図5(A)における波線Q−R間の断面図を示している。尚、図5(A)は一部薄膜等を省略している。
図5に示す薄膜トランジスタ540は、絶縁表面を有する基板500上に設けられている。薄膜トランジスタ540は、チャネル形成領域508、不純物領域520及び金属シリサイド領域507が形成された半導体層530と、半導体層530の不純物領域520上の一部に設けられた絶縁層510と、半導体層530のチャネル形成領域508及び絶縁層510上に設けられた絶縁層512と、絶縁層512を介してチャネル形成領域508と不純物領域520に重なる導電層514と、で構成されている。
基板500としては、SOI基板、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミックス基板、表面に絶縁層が形成された金属基板などを用いることができる。
基板500上に半導体層530が形成されている。基板500と半導体層530の間には、下地絶縁層として機能する絶縁層502、絶縁層503を設けても良い。下地絶縁層は、基板500から半導体層530へアルカリ金属などの不純物が拡散して汚染することを防ぐものであり、ブロッキング層として適宜設ければよい。また、基板500の表面に凹凸がある場合、下地絶縁層は平坦化する層として設けることができる。
絶縁層502、503は、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)等を用いて形成する。また、本実施の形態では、下地絶縁層を絶縁層502、503の積層としたが、もちろん単層構造でも3層以上の積層構造でもよい。例えば、本実施の形態のように2層の積層構造とする場合、1層目に窒化酸化シリコン膜、2層目に酸化窒化シリコン層を形成することができる。また、1層目に窒化シリコン層を形成し、2層目に酸化シリコン層を形成しても良い。
半導体層530は島状に形成されている。半導体層530は単結晶半導体又は多結晶半導体で形成することが好ましく、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム等の種々の半導体材料を用いて形成することができる。SOI基板を適用する場合には、埋込絶縁層上の半導体層をそのまま適用することができる。
半導体層530はチャネル形成領域508と、一対の不純物領域520とを有する。不純物領域520は、一部又は全部がソース領域又はドレイン領域として機能する。不純物領域520には一導電型を付与する不純物元素が添加されている。また、不純物領域520の一部は金属シリサイド領域507を有する。また、チャネル形成領域508に、トランジスタのしきい値電圧を制御するための一導電型を付与する不純物元素が添加されていても良い。チャネル形成領域508は絶縁層512のみを介して導電層514と重なる領域に形成されており、一対の不純物領域520の間に位置するものである。
チャネル形成領域508は不純物領域520に比べて膜厚が薄くなっている。チャネル形成領域508の膜厚は0.5nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下の範囲で形成するとよい。チャネル形成領域508を薄くすることにより、薄膜トランジスタのサブスレッショルド領域でのソース領域−ドレイン領域間のリーク電流を抑えることができる。
不純物領域520は、不純物濃度が異なる領域を有する。具体的には、不純物領域520の表面側に形成された第1濃度領域505と、不純物領域520の下方側に形成された第2濃度領域506を有する。不純物領域520は、表面側に形成された第1濃度領域505が下方側に形成された第2濃度領域506に比べて不純物濃度が高いものとする。なお、第1濃度領域505及び第2濃度領域506は濃度が一様でなく、明確な境界はできにくいため、点線で示している。また、不純物領域520は、一部に金属シリサイド領域507を有する。
また、半導体層530にLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能する低濃度不純物領域を形成しても良い。低濃度不純物領域は、チャネル形成領域と、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域の間に形成することができる。また、低濃度不純物領域は、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域520のピーク濃度と比較して、不純物濃度が低いものとする。
不純物領域520上の一部に接して絶縁層510が形成されている。絶縁層510の厚さは5nm以上300nm以下、好ましくは、10nm以上200nmの範囲で形成するとよい。絶縁層510を厚くすることにより、不純物領域520と導電層514により形成される容量を小さくすることができる。また、絶縁層510を10nm以上の厚さとすることにより、導電層514をドライエッチングにより加工する際に、オーバーエッチングによる不純物領域520の消失を防ぐことができる。
なお、絶縁層510は、不純物領域520の第1濃度領域505に接して形成されている。不純物領域520において、絶縁層510が接して形成されていない領域の表面には、金属シリサイド領域507が形成されている。
チャネル形成領域508と絶縁層510上に絶縁層512が形成されている。絶縁層512は薄膜トランジスタ540のゲート絶縁層として機能する。ゲート絶縁層として機能する絶縁層512は導電層514と半導体層530の短絡、リーク電流の発生、静電破壊を防止するために、均一な膜厚で形成されることが好ましい。
次に、図5に示す薄膜トランジスタの作製方法について図6を用いて具体的に説明する。
基板500上に絶縁層502、503を介して島状の半導体層を形成する。該半導体層に一導電型を付与する不純物元素を添加して、半導体層の表面側に第1濃度領域505を、半導体層の下方側に第2濃度領域506を形成する。第1濃度領域505は、第2濃度領域506と比較して不純物濃度が高いものとする。次に、島状の半導体層を覆うように絶縁層510を形成した後、該絶縁層510を選択的に除去して、半導体層に形成された第1濃度領域505の一部を露出させる。次に、絶縁層510をマスクとして露出された第1濃度領域505を選択的に除去し、第2濃度領域506を露出させた半導体層530を形成する。半導体層530において、第2濃度領域506が露出した領域はチャネル形成領域508となり、残存した第1濃度領域505及び当該第1濃度領域505下方の第2濃度領域506は不純物領域520を形成する。次に、チャネル形成領域508及び絶縁層510上に絶縁層512を形成した後、該絶縁層512を介してチャネル形成領域508及び不純物領域520の一部と重なるように導電層514を形成する(図6(A)参照)。導電層514の作製工程までは実施の形態1で示した基板100、絶縁層102、103、半導体層130、第1濃度領域105、第2濃度領域106、絶縁層110、チャネル形成領域108、不純物領域120、絶縁層112、導電層114と同様であるので、説明は省略する。
所望の形状の導電層514を形成後、導電層514をマスクにして、絶縁層510及び絶縁層512を選択的に除去し、不純物領域520の一部を露出させる(図6(B)参照)。絶縁層510及び絶縁層512の除去は、ウエットエッチング法により除去してもよいし、ドライエッチング法により除去してもよい。なお、絶縁層510は、導電層514及び不純物領域520が重なる領域に残存する。
次に、少なくとも露出した不純物領域520の表面に金属膜を成膜する。このとき、露出した不純物領域520表面に自然酸化膜が形成されている場合は、該自然酸化膜を除去した後に金属膜を形成する。金属膜は半導体層と反応してシリサイドを形成する材料を用いる。金属膜としては、例えばニッケル膜、チタン膜、コバルト膜、白金膜、もしくはこれら元素のうち少なくとも2種類を含む合金でなる膜等を用いることができる。本実施の形態では金属膜としてニッケル膜を用い、室温の下、成膜電力500W乃至1kWの範囲でニッケル膜をスパッタ法により成膜する。
金属膜を成膜した後、熱処理によって金属シリサイド領域507を形成する。金属シリサイド領域507は、不純物領域520の一部に形成される。また、金属シリサイド領域507は、不純物領域520において、絶縁層510及び絶縁層512を介して導電層514と重ならない領域に形成される。金属シリサイド領域507の形成条件によっては、金属シリサイド領域507の一部は、絶縁層510及び絶縁層512を介して導電層514と重なる場合もあるが、チャネル形成領域508と接触しなければ特に問題とはならない。本実施の形態では、金属シリサイド領域507はニッケルシリサイドで形成される。なお、熱処理はRTAやファーネスアニール等を用いることができる。
金属シリサイド領域507形成後、未反応の金属膜を除去する。例えば、金属膜としてニッケル膜を形成した場合、塩酸(HCl):硝酸(HNO3):純水(H2O)が3:2:1の比率で混合されたエッチング溶液を用いて未反応のニッケルを除去することが可能である。未反応の金属膜を除去すると、不純物領域520において、露出されむき出しになっていた領域のみ金属シリサイド領域507が形成されている(図6(C)参照)。
なお、金属シリサイド領域507を形成した後に、熱処理を行うことにより、不純物領域520或いはチャネル形成領域508に添加された不純物元素を活性化することが好ましい。熱処理は、レーザビームの照射、又はRTA若しくはファーネスアニール炉を用いて行うことができる。具体的には、400℃乃至700℃、好ましくは500℃乃至550℃の温度範囲で熱処理を行うとよい。また、熱処理は窒素雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、550℃4時間の加熱を行うことにより、活性化を行うことができる。また、熱処理は不純物元素の添加後行っても良いし、導電層514の形成前のいずれかの工程で行っても良い。
以上により、本発明を適用した薄膜トランジスタ540を形成することができる。なお、本実施の形態で示したTFTの構造は一例であり、図示した構造に限定されるものではない。例えば、直列に接続された少なくとも2つ以上のチャネル形成領域を含んだ半導体層と、それぞれのチャネル形成領域に電界を印加する少なくとも2つ以上のゲート電極層と、を有するマルチゲート構造を用いてもよい。
また、本実施の形態ではゲート電極として単層の導電層を形成する例を示したが、本発明は特に限定されるものではない。ゲート電極の側面をテーパ形状にしてもよいし、ゲート電極を2層以上の導電層の積層構造としてもよい。
以上より、本発明を適用して作製した薄膜トランジスタは、サブスレッショルド値を小さくすることができる。また、ソース領域及びドレイン領域の一部に金属シリサイド層を形成することにより、さらにオン電流の低下を抑えることができる。よって、半導体装置の低電圧動作及び低消費電力化が可能である。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と、適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態1及び上記実施の形態2と異なる作製方法で半導体装置を作製する例について図7を用いて説明する。
図7は、本発明に掛かる半導体装置の主要な構成を説明するための上面図及び断面図である。図7は特に薄膜トランジスタの構成を示しており、図7(A)は上面図、図7(B)は図7(A)における波線O−P間の断面図、図7(C)は図7(A)における波線Q−R間の断面図を示している。尚、図7(A)は一部薄膜等を省略している。
図7に示す薄膜トランジスタ740は、絶縁表面を有する基板700上に設けられている。薄膜トランジスタ740は、チャネル形成領域708、低濃度不純物領域718及び高濃度不純物領域716が形成された半導体層730と、半導体層730の低濃度不純物領域718上に設けられた絶縁層710と、半導体層730のチャネル形成領域708と絶縁層710上に設けられた絶縁層712と、絶縁層712を介してチャネル形成領域708と低濃度不純物領域718に重なる導電層714と、で構成されている。
基板700としては、SOI基板、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミックス基板、表面に絶縁層が形成された金属基板などを用いることができる。
基板700上に半導体層730が形成されている。基板700と半導体層730の間には、下地絶縁層として機能する絶縁層702、絶縁層703を設けても良い。下地絶縁層は、基板700から半導体層730へアルカリ金属などの不純物が拡散して汚染することを防ぐものであり、ブロッキング層として適宜設ければよい。また、基板700の表面に凹凸がある場合、下地絶縁層は平坦化する層として機能することができる。
絶縁層702、703は、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)等を用いて形成する。また、本実施の形態では、下地絶縁層を絶縁層702、703の積層としたが、もちろん単層構造でも3層以上の積層構造でもよい。例えば、本実施の形態のように2層の積層構造とする場合、1層目に窒化酸化シリコン膜、2層目に酸化窒化シリコン層を形成することができる。また、1層目に窒化シリコン層を形成し、2層目に酸化シリコン層を形成しても良い。
半導体層730は島状に形成されている。半導体層730は単結晶半導体又は多結晶半導体で形成することが好ましく、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム等の種々の半導体材料を用いて形成することができる。SOI基板を適用する場合には、埋込絶縁層上の半導体層をそのまま適用することができる。
半導体層730はチャネル形成領域708と、低濃度不純物領域718と、高濃度不純物領域716とを有する。低濃度不純物領域718は、その一部又は全部がLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能する。高濃度不純物領域716は、その一部又は全部がソース領域又はドレイン領域として機能する。チャネル形成領域708は一対の高濃度不純物領域716の間に位置している。また、低濃度不純物領域718は、チャネル形成領域708と高濃度不純物領域716との間に位置している。低濃度不純物領域718及び高濃度不純物領域716には一導電型を付与する不純物元素が添加されており、低濃度不純物領域718は高濃度不純物領域716に比べて不純物元素濃度が低くなるように形成される。また、チャネル形成領域708に、トランジスタのしきい値電圧を制御するための一導電型を付与する不純物元素が添加されていても良い。チャネル形成領域708は絶縁層712のみを介して導電層714と重なる領域に形成されており、高濃度不純物領域716の間に位置するものである。
チャネル形成領域708は高濃度不純物領域716に比べて膜厚が薄くなっている。チャネル形成領域708の膜厚は0.5nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下の範囲で形成するとよい。チャネル形成領域708を薄くすることにより、薄膜トランジスタのサブスレッショルド領域でのソース領域−ドレイン領域間のリーク電流を抑えることができる。
低濃度不純物領域718は、不純物濃度が異なる領域を有する。具体的には低濃度不純物領域718の表面側に形成された第1濃度領域707と、低濃度不純物領域718の下方側に形成された第2濃度領域706を有する。第1濃度領域707は、第2濃度領域706と比較して不純物濃度が高いものとする。なお、第1濃度領域707及び第2濃度領域706は濃度が一様でなく、明確な境界はできにくい。ここでは、第1濃度領域707及び第2濃度領域706の境界は点線で示す。
低濃度不純物領域718に接して絶縁層710が形成されている。絶縁層710の厚さは5nm以上300nm以下、好ましくは、10nm以上200nmの範囲で形成するとよい。絶縁層710を厚くすることにより、低濃度不純物領域718及び導電層714が絶縁層710を間に介して形成する容量を小さくすることができる。また、絶縁層710を10nm以上の厚さとすることにより、導電層714をドライエッチングにより加工する際に、オーバーエッチングによる低濃度不純物領域718の消失を防ぐことができる。
チャネル形成領域708と絶縁層710に接して絶縁層712が形成されている。絶縁層712は薄膜トランジスタ740のゲート絶縁層として機能する。ゲート絶縁層として機能する712は導電層714と半導体層730の短絡、リーク電流の発生、静電破壊等を防止するために、均一に形成されることが好ましい。
次に、図7に示す薄膜トランジスタの作製方法について図8乃至図10を用いて具体的に説明する。
まず、基板700上に下地絶縁層として機能する絶縁層702、703を介して半導体層704を形成する(図8(A)参照)。
基板700は、ガラス基板、石英基板等の絶縁表面を有する基板を用いる。絶縁層702、703は、CVD法やスパッタリング法を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の材料を用いて形成する。絶縁層702、703は、基板700から半導体層704へアルカリ金属等が拡散し、半導体層704が汚染することを防ぐブロッキング層として機能する。また、基板700の表面に凹凸がある場合、平坦化する層としても機能することができる。なお、絶縁層702、703は、基板700からの不純物拡散や基板700表面の凹凸が問題とならなければ、形成しなくともよい。また、ここでは下地絶縁層を2層の積層構造としているが、単層構造としてもよいし、3層以上の積層構造としてもよい。
半導体層704は、CVD法やスパッタリング法を用いて、シリコンを主成分とする材料を用いて形成するのが好ましい。具体的には、シリコン、シリコンゲルマニウム等を用いて形成することができる。また、ゲルマニウムを用いて形成してもよい。例えば、半導体層704は、シリコンを主成分とする材料を用いて非晶質半導体層を形成し、当該非晶質半導体層を結晶化させた後に選択的にエッチングすることによって島状の半導体層を形成することができる。非晶質半導体層を結晶化する場合は、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法又はこれらの方法を組み合わせた方法等により行うことができる。また、半導体層704は、膜厚10nm乃至150nmの範囲、好ましくは30nm乃至100nmの範囲で形成する。なお、半導体層はあらかじめ厚く形成した後、該厚く形成した半導体層をエッチングすることにより薄膜化してもよい。
次に、半導体層704に対して、一導電型を付与する不純物元素を添加し、第1濃度領域707及び第2濃度領域706を形成する(図8(B)参照)。第1濃度領域707に含まれる不純物元素の濃度は1×1016atoms/cm3以上1×1020atoms/cm3以下の範囲とする。第2濃度領域706は、第1濃度領域707と比較して不純物濃度を低く形成し、好ましくは不純物濃度が非常に低い真性半導体に近い濃度とする。一導電型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)等のp型を付与する元素、リン(P)、ヒ素(As)等のn型を付与する元素を用いることができる。
半導体層704に対する不純物元素の添加はドーピング法により行うことができる。ドーピング法としては、イオンドーピング法、イオン注入法を用いることができる。ドーピング法を用いて低加速電圧で不純物元素の添加を行うことにより、半導体層704の表面側に第1濃度領域707を形成することができる。ドーピングを行う際の加速電圧条件としては、1keV以上50ekV以下、好ましくは1keV以上10keV以下を選択すればよい。
なお、半導体層704に対する一導電型を付与する不純物元素の添加は、島状の半導体層を形成する前に行ってもよい。
次に第1濃度領域707上に絶縁層710(以下、第1の絶縁層710ともいう)を形成する(図8(C)参照)。第1の絶縁層710は、CVD法やスパッタリング法や塗布法により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム等の材料を用いて形成する。第1の絶縁層710は膜厚5nm以上300nm以下、好ましくは、10nm以上200nmの範囲で形成する。
次に、第1の絶縁層710を選択的に除去して、第1濃度領域707の一部を露出させる(図9(A)参照)。第1の絶縁層710の除去は、ウエットエッチング法により除去してもよいし、ドライエッチング法により除去してもよい。
次に、第1の絶縁層710をマスクとして、露出された第1濃度領域707を選択的に除去して第2濃度領域706を露出させた半導体層730を形成する。(図9(B)参照)。その際、第2濃度領域706の表面は一部除去されても構わない。半導体層730において、第1濃度領域707の除去により第2濃度領域706が露出された領域は、図7に示される薄膜トランジスタ740のチャネル形成領域708となる。また、第1濃度領域707は、チャネル形成領域708を挟むように残存する。
なお、第1濃度領域707の除去は、ウエットエッチング法あるいはドライエッチング法を用いてあらかじめ決めた時間でエッチング処理を行う。ドライエッチング法を用いる場合には、チャネル形成領域708の表面に反応生成物が形成されないような条件を用いるとよい。例えば、ドライエッチングガスとして、Cl2ガスなどを用いてドライエッチングを行うとよい。CHF3ガスなどを用いてドライエッチングを行うと、チャネル形成領域708の表面に反応生成物が形成されるが、その場合には、チャネル形成領域708の表面を除去することにより、清浄な表面を形成することができる。
なお、チャネル形成領域708の厚さは0.5nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下の範囲で形成する。
次に、第1の絶縁層710及びチャネル形成領域708上に絶縁層712(以下、第2の絶縁層712ともいう)を形成する(図8(C)参照)。第2の絶縁層712は、CVD法やスパッタリング法により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム等の材料を用いて形成する。また、第2の絶縁層712は、これらの材料のうち1つ又は複数を用いて、単層構造又は積層構造で形成する。第2の絶縁層712は、膜厚1nm以上50nm以下、好ましくは膜厚1nm以上20以下nm、より好ましくは1nm以上10nm以下の範囲で形成する。本実施の形態では、第2の絶縁層712として酸化窒化シリコン層を膜厚5nmで形成する。
また、第2の絶縁層712は、プラズマ処理による固相酸化若しくは固相窒化を用いてチャネル形成領域708上のみに形成してもよい。例えば、チャネル形成領域708を、プラズマ処理により酸化又は窒化して、第2の絶縁層712を形成することができる。
次に、第2の絶縁層712を介して、チャネル形成領域708および第1濃度領域707の一部に重なるように導電層714を形成する(図10(A)参照)。導電層714は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、又はニオブ(Nb)等の金属元素、又は当該金属元素を含む合金材料若しくは化合物材料を用いて形成することができる。また、リン等の一導電型を付与する不純物元素が添加された多結晶シリコンに代表される半導体材料を用いて形成することもできる。導電層714は、これらの材料を用いてCVD法やスパッタリング法により全面に形成した後、選択的にエッチングして所望の形状に加工することができる。また、導電層714は、単層構造でもよいし積層構造としてもよい。導電層714は、膜厚10nm乃至1000nm、好ましくは膜厚100nm乃至800nm、より好ましくは200nm乃至500nmの範囲で形成する。
次に、導電層714をマスクにして、第1の絶縁層710及び第2の絶縁層712を選択的に除去し、第1濃度領域707及び第2濃度領域706の一部を露出させる(図10(B)参照)。第1の絶縁層710及び第2の絶縁層712のエッチングは、ウエットエッチング法により除去してもよいし、ドライエッチング法により除去してもよい。なお、絶縁層710は、導電層714及び第1濃度領域707が重なる領域に残存する。
次に、導電層714をマスクにして、半導体層730に対して第1濃度領域707と同一の導電型を付与する不純物元素を選択的に添加し、高濃度不純物領域716を形成する(図10(C)参照)。高濃度不純物領域716は、具体的にはチャネル形成領域708を挟むように残存する第1濃度領域707及びその下方の第2濃度領域706で、導電層714と重ならない領域に形成される。高濃度不純物領域716に含まれる不純物元素の濃度は1×1019atoms/cm3以上5×1021atoms/cm3以下の範囲とする。一導電型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)等のp型を付与する元素、リン(P)、ヒ素(As)等のn型を付与する元素を用いることができる。不純物元素の添加はドーピング法により行うことができる。ドーピング法としては、イオンドーピング法、イオン注入法を用いることができる。
また、絶縁層710及び絶縁層712を介して導電層714と重なる領域に残存する第1濃度領域707及び第2濃度領域706は、低濃度不純物領域718を形成する。該低濃度不純物領域718は、チャネル形成領域708と高濃度不純物領域716に挟まれるように形成される。
なお、高濃度不純物領域716を形成するための不純物元素の添加は、第1の絶縁層710及び第2の絶縁層712を除去せずに行っても良い。
また、不純物元素を添加した後に、熱処理を行うことにより、不純物元素を活性化することが好ましい。熱処理は、レーザビームの照射、又はRTA若しくはファーネスアニール炉を用いて行うことができる。具体的には、400℃乃至700℃、好ましくは500℃乃至550℃の温度範囲で熱処理を行うとよい。また、熱処理は窒素雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、550℃4時間の加熱を行うことにより、活性化を行うことができる。
以上より、本発明を適用して作製した薄膜トランジスタは、サブスレッショルド値を小さくすることができ、かつ、オン電流の低下を抑えることができる。また、LDD領域の形成によりドレイン電界強度が抑えられるため、信頼性を向上させることができる。よって、半導体装置の低電圧動作及び低消費電力化が可能である。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と、適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本発明に係る半導体装置は、CPU(中央演算回路:Central Processing Unit)等の集積回路に適用することができる。本実施の形態では、上記実施の形態1乃至3に示した半導体装置を適用したCPUの例に関して、図面を用いて以下に説明する。
図19に示すCPU3660は、基板3600上に演算回路(ALU:Arithmetic logic unit)3601、演算回路用制御回路部(ALU Controller)3602、命令解析部(Instruction Decoder)3603、割り込み制御部(Interrupt Controller)3604、タイミング制御部(Timing Controller)3605、レジスタ(Register)3606、レジスタ制御部(Register Controller)3607、バスインターフェース(Bus I/F)3608、書き換え可能なROM3609、ROMインターフェース(ROM I/F)3620を主に有している。また、ROM3609及びROMインターフェース3620は、別チップに設けても良い。これらCPU3660を構成する様々な回路は、上記実施の形態1乃至3に示される薄膜トランジスタ、当該薄膜トランジスタを組み合わせたCMOS回路、nMOS回路、pMOS回路等を用いて構成することが可能である。
なお、図19に示すCPU3660は、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。したがって、本発明を適用するCPUの構成は、図19に示すものに限定されるものではない。
バスインターフェース3608を介してCPU3660に入力された命令は、命令解析部3603に入力され、デコードされた後、演算回路用制御回路部3602、割り込み制御部3604、レジスタ制御部3607、タイミング制御部3605に入力される。
演算回路用制御回路部3602、割り込み制御部3604、レジスタ制御部3607、タイミング制御部3605は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行う。具体的に演算回路用制御回路部3602は、演算回路3601の駆動を制御するための信号を生成する。また、割り込み制御部3604は、CPU3660のプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタ制御部3607は、レジスタ3606のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ3606の読み出しや書き込みを行う。
またタイミング制御部3605は、演算回路3601、演算回路用制御回路部3602、命令解析部3603、割り込み制御部3604、レジスタ制御部3607の駆動のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミング制御部3605は、基準クロック信号CLK1(3621)を元に、内部クロック信号CLK2(3622)を生成する内部クロック生成部を備えており、クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
また、図14には、画素部と、CPU、その他の回路が同一基板に形成された表示装置、いわゆるシステムオンパネルを示す。基板3700上に画素部3701、当該画素部3701が有する画素を選択する走査線駆動回路3702と、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路3703とが設けられている。走査線駆動回路3702、及び信号線駆動回路3703から引き回される配線によりCPU3704、その他の回路、例えばコントロール回路3705とが接続されている。なおコントロール回路にはインターフェースが含まれている。そして、基板の端部にFPC端子との接続部を設け、外部信号とのやりとりを行う。
その他の回路としては、コントロール回路3705の他、映像信号処理回路、電源回路、階調電源回路、ビデオRAM、メモリ(DRAM、SRAM、PROM)等を設けることができる。またこれら回路は、ICチップにより形成し、基板上に実装してもよい。さらに必ずしも走査線駆動回路3702、及び信号線駆動回路3703を同一基板に形成する必要はなく、例えば走査線駆動回路3702のみを同一基板に形成し、信号線駆動回路3703をICチップにより形成し、実装してもよい。
なお、本実施の形態では、本発明に係る半導体装置をCPUに適用する例を説明したが、本発明は特に限定されない。例えば、本発明に係る半導体装置は、有機発光素子、無機発光素子、又は液晶表示素子等を備えた表示装置の画素部及び駆動回路部等に適用することができる。また、その他、本発明を適用して、デジタルカメラ、カーオーディオなどの音響再生装置、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(携帯電話機、携帯型ゲーム機等)、家庭用ゲーム機などの記録媒体を備えた画像再生装置などを作製することも可能である。
本発明を適用した半導体装置は、サブスレッショルド値を小さくすることができ、且つ、オン電流の低下を抑えることができる。よって、動作特性が向上し、回路駆動の高速化、低電圧動作化及び低消費電力化を図ることができる。
また、上記実施の形態2に示すような金属シリサイド領域を有する構成のトランジスタを適用した場合、コンタクト抵抗(導電層及び半導体層の接触抵抗)を低減できるため、信号遅延等を防止できる。よって、より高速での回路駆動が可能となる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置の使用形態の一例について説明する。具体的には、非接触でデータの入出力が可能である半導体装置の適用例に関して、図面を用いて以下に説明する。非接触でデータの入出力が可能である半導体装置は利用の形態によって、RFIDタグ、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグまたは無線チップとも呼ばれる。
本実施の形態で示す半導体装置の上面構造の一例について、図15(A)を参照して説明する。図15に示す半導体装置2180は、メモリ部やロジック部を構成する複数の薄膜トランジスタ等の素子が設けられた薄膜集積回路2131と、アンテナとして機能する導電層2132を含んでいる。アンテナとして機能する導電層2132は、薄膜集積回路2131に電気的に接続されている。薄膜集積回路2131には、上記実施の形態1乃至3で示した本発明に係る薄膜トランジスタを適用することができる。
また、図15(B)、(C)に図15(A)の断面の模式図を示す。アンテナとして機能する導電層2132は、メモリ部及びロジック部を構成する素子の上方に設ければよく、例えば、上記実施の形態で示した薄膜トランジスタで構成された薄膜集積回路2131上方に、絶縁層2130を介してアンテナとして機能する導電層2132を設けることができる(図15(B)参照)。他にも、アンテナとして機能する導電層2132を基板2133に別に設けた後、当該基板2133及び薄膜集積回路2131を、導電層2132が間に位置するように貼り合わせて設けることができる(図15(C)参照)。図15(C)では、絶縁層2130上に設けられた導電層2136とアンテナとして機能する導電層2132とが、接着性を有する樹脂2135中に含まれる導電性粒子2134を介して電気的に接続されている例を示す。
なお、本実施の形態では、アンテナとして機能する導電層2132をコイル状に設け、電磁誘導方式または電磁結合方式を適用する例を示すが、本発明の半導体装置はこれに限られずマイクロ波方式を適用することも可能である。マイクロ波方式の場合は、用いる電磁波の波長によりアンテナとして機能する導電層2132の形状を適宜決めればよい。
例えば、半導体装置2180における信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860MHz帯乃至960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよい。例えば、アンテナとして機能する導電層を線状(例えば、ダイポールアンテナ(図17(A)参照))、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ(図17(B)参照)またはリボン型の形状(図17(C)、(D)参照))等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電層2132の形状は直線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
アンテナとして機能する導電層2132は、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の金属元素、又は当該金属元素を含む合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電層2132を形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電層の形成の際は、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下の微粒子)を用いる場合、150℃乃至300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電層を形成することができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
本発明を適用した半導体装置は低消費電力化が実現できる。よって、本実施の形態で示すような非接触でデータの入出力が可能で、且つ小型な半導体装置とした場合に有効である。また、非接触でデータの入出力を行う際の通信機器間の距離を伸ばすことができる。
次に、本実施の形態に係る半導体装置の動作例について説明する。
半導体装置2180は、非接触でデータを交信する機能を有し、高周波回路81、電源回路82、リセット回路83、クロック発生回路84、データ復調回路85、データ変調回路86、他の回路の制御を行う制御回路87、記憶回路88およびアンテナ89を有している(図18(A)参照)。高周波回路81はアンテナ89より信号を受信して、データ変調回路86より受信した信号をアンテナ89から出力する回路である。電源回路82は受信信号から電源電位を生成する回路である。リセット回路83はリセット信号を生成する回路である。クロック発生回路84はアンテナ89から入力された受信信号を基に各種クロック信号を生成する回路である。データ復調回路85は受信信号を復調して制御回路87に出力する回路である。データ変調回路86は制御回路87から受信した信号を変調する回路である。また、制御回路87としては、例えばコード抽出回路91、コード判定回路92、CRC判定回路93および出力ユニット回路94が設けられている。なお、コード抽出回路91は制御回路87に送られてきた命令に含まれる複数のコードをそれぞれ抽出する回路であり、コード判定回路92は抽出されたコードとリファレンスに相当するコードとを比較して命令の内容を判定する回路であり、CRC判定回路93は判定されたコードに基づいて送信エラー等の有無を検出する回路である。図18(A)では、制御回路87の他に、アナログ回路である高周波回路81、電源回路82を含んでいる。
次に、上述した半導体装置の動作の一例について説明する。まず、アンテナ89により無線信号が受信される。無線信号は高周波回路81を介して電源回路82に送られ、高電源電位(以下、VDDと記す)が生成される。VDDは半導体装置2180が有する各回路に供給される。また、高周波回路81を介してデータ復調回路85に送られた信号は復調される(以下、復調信号という)。さらに、高周波回路81を介してリセット回路83およびクロック発生回路84を通った信号及び復調信号は制御回路87に送られる。制御回路87に送られた信号は、コード抽出回路91、コード判定回路92およびCRC判定回路93等によって解析される。そして、解析された信号にしたがって、記憶回路88内に記憶されている半導体装置の情報が出力される。出力された半導体装置の情報は出力ユニット回路94を通って符号化される。さらに、符号化された半導体装置2180の情報はデータ変調回路86を通って、アンテナ89により無線信号に載せて送信される。なお、半導体装置2180を構成する複数の回路においては、低電源電位(以下、VSSという)は共通であり、VSSはGNDとすることができる。
このように、通信手段(例えばリーダ/ライタ、又はリーダ或いはライタいずれかの機能を有する手段)から半導体装置2180に信号を送り、当該半導体装置2180から送られてきた信号をリーダ/ライタで受信することによって、半導体装置のデータを読み取ることが可能となる。
また、半導体装置2180は、各回路への電源電圧の供給を電源(バッテリー)を搭載せず電磁波により行うタイプとしてもよいし、電源(バッテリー)を搭載して電磁波と電源(バッテリー)により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
次に、非接触でデータの入出力が可能な半導体装置の使用形態の一例について説明する。表示部3210を含む携帯端末の側面には、通信手段3200が設けられ、品物3220の側面には半導体装置3230が設けられる(図18(B)参照)。なお、通信手段3200は、例えばリーダ/ライタのように信号を読み取る機能及び信号を送信する機能を備えるもの、又は信号を読み取る機能或いは信号を送信するいずれかの機能のみを備えるものである。品物3220が含む半導体装置3230に通信手段3200をかざすと、表示部3210に品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品に関する情報が表示される。また、商品3260をベルトコンベアにより搬送する際に通信手段3240と、商品3260に設けられた半導体装置3250を用いて、該商品3260の検品を行うことができる(図18(C)参照)。半導体装置3230、半導体装置3250としては、上述した半導体装置2180を適用することができる。このように、システムに本発明に係る半導体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。また、本発明に係る半導体装置は低消費電力化を実現できるため、品物に設ける半導体装置を小型化することが可能である。また、非接触でデータの入出力を行う際の通信機器間の距離を伸ばすことができる。
なお、上述した以外にも本発明に係る半導体装置の用途は広範にわたり、非接触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのようなものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関して図16を用いて説明する。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図16(A)参照)。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図16(B)参照)。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図16(C)参照)。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図16(D)参照)。書籍類とは、書物、本等を指す(図16(E)参照)。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図16(F)参照)。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図16(G)参照)。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図16(H))。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話機等を指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等に半導体装置2180を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等に半導体装置2180を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等に半導体装置2180を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。半導体装置2180の設け方としては、物品の表面に貼る、或いは物品に埋め込んで設ける。例えば、本の場合は紙に埋め込めばよく、有機樹脂からなるパッケージであれば有機樹脂に埋め込めばよい。
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサーを備えた半導体装置を埋め込む又は取り付けることによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん現在の体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。