JP2001352060A - pチャネル型電界効果トランジスタ - Google Patents

pチャネル型電界効果トランジスタ

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JP2001352060A
JP2001352060A JP2001117012A JP2001117012A JP2001352060A JP 2001352060 A JP2001352060 A JP 2001352060A JP 2001117012 A JP2001117012 A JP 2001117012A JP 2001117012 A JP2001117012 A JP 2001117012A JP 2001352060 A JP2001352060 A JP 2001352060A
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義博 原
Takeshi Takagi
剛 高木
Minoru Kubo
実 久保
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寄生チャネルの形成を抑制しつつ、高速動作
が可能で駆動電流の高いヘテロ接合pチャネル型電界効
果トランジスタを提供する。 【解決手段】 Cを含むSiGeからなるチャネル層に
おいて、Ge組成は、シリコンバッファ層側の端部から
シリコンキャップ層側の端部に向かって0%から50%
に直線的に変化し、CはGe組成が40%から50%の
領域(つまり30%を越える領域)に選択的に0.5%
含有されている。Ge組成が40%から50%の領域で
Cを0.5%含有させることにより、歪み量はそれぞれ
12%,10%程度だけ低減させることができるが、E
vはほとんど変化しない。SiGeチャネル層の臨界膜
厚を大きく確保しながら、しきい値を小さくして、駆動
電流の増大を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SiGeC層中に
チャネルが形成されるpチャネル型電界効果トランジス
タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電界効果トランジスタの高速
化を目的として、SiとGeとの混晶であるSi1-x
x 層(0<x<1)(以下SiGe層と記す)とSi
層との間に形成されるヘテロ障壁を利用して、SiGe
層にホールを閉じこめてpチャネルを形成するようにし
たMOS(Metal-Oxide-Semiconductor )型電界効果ト
ランジスタが報告されている。
【0003】図22は、このような従来のpチャネル型
電界効果トランジスタ(p−MOSFET)の一例を示
す断面図である。同図に示すように、n型Si基板30
1上に、Siバッファ層302と、SiGeチャネル層
303と、Siキャップ層304とがUHV−CVD法
等により順次エピタキシャル成長されている。Siバッ
ファ層302,SiGeチャネル層303及びSiキャ
ップ層304の膜厚は、それぞれ10nm,10nm及
び5nmであり、各層302,303及び304には不
純物のドーピングが行なわれていない。また、Siキャ
ップ層304上には、シリコン酸化膜からなるゲート絶
縁膜305と、ポリシリコン膜からなるゲート電極30
6とが設けられている。また、Siバッファ層302,
SiGeチャネル層303及びSiキャップ層304に
亘る広い領域のうち,ゲート電極306の両側方に位置
する領域には、高濃度のp型不純物(例えばボロン)を
含むソース領域307およびドレイン領域308が形成
されている。そして、ソース領域307の上にはソース
電極309が設けられ、ドレイン領域308の上にはド
レイン電極310が設けられている。なお、MOS型電
界効果トランジスタのチャネル長およびチャネル幅は、
例えば0.5μm、10μmである。
【0004】ここで、図23(a),(b)は、SiG
e単結晶とSi単結晶との格子定数の相違を示す図、及
びSi層の上にSiGe層がエピタキシャル成長された
ときの状態を示す断面図である。図23(a)に示すよ
うに、SiGe単結晶の格子定数はSi単結晶の格子定
数よりも大きいので、図23(b)に示すように、Si
Geチャネル層303は、Siバッファ層302の上に
圧縮歪みを受けた状態でエピタキシャル成長されてい
る。そして、この歪んだSiGeチャネル層303にお
いては、エネルギバンドの縮退が解けてライトホールと
ヘビーホールとのバンドが生じ、このライトホールはS
i単結晶中の縮退したホールに比べて大きな移動度を有
している。そこで、従来のSi/SiGeヘテロ接合を
利用したpチャネル型電界効果トランジスタにおいて
は、圧縮歪みを受けているSiGe層をチャネルとして
利用することにより、高速動作の実現を図っている。
【0005】上述したような、歪んだSiGeをチャネ
ルとした電界効果トランジスタにおいては、ゲート電圧
が大きいときにSiキャップ層304のゲート絶縁膜3
05に隣接する領域に寄生的に発生するチャネル(以
下、「寄生チャネル」と呼ぶ)の問題が挙げられる。以
下に、この寄生チャネルについて説明する。
【0006】図24(a),(b)(実線)は、pチャ
ネル型電界効果トランジスタのゲート電極306−ゲー
ト絶縁膜305−Siキャップ層304−SiGeチャ
ネル層303−Siバッファ層302−Si基板301
を縦断する断面における小電圧,大電圧印加時のエネル
ギーバンドを示すバンド図である。この例では、SiG
eチャネル層303は、Geの含有率(以下、単にGe
組成という)がSiバッファ層302との境界部では0
%でSiキャップ層304との境界部では30%になる
ようにほぼ連続的にGe組成を傾斜させている。図24
(a)に示すように、ゲート電極306に印加する負の
電圧Vgが小さいとき(絶対値が小さいとき)には、そ
れほど目立った寄生チャネルは現れていないが、ゲート
電極306に印加する負の電圧を大きくすると(絶対値
を大きくすると)、Siキャップ層304の上端部のエ
ネルギーレベルが上昇することにより、目立った寄生チ
ャネルが現れることがわかる。
【0007】また、図24(a),(b)には、Ge組
成が一定値15%である場合のバンド構造が点線で示さ
れている。実線のバンド構造はSiGeチャネル層のG
e含有率を0%から30%までほぼ直線的に増大させた
場合の構造であり、点線のバンド構造と比べると、価電
子帯の上端の傾斜が急になっている,つまり、SiGe
チャネル層303とシリコンキャップ層304の界面に
おけるバンド不連続(ΔEv)が大きくなっている。
【0008】図25(a),(b)は、それぞれ順に、
Ge組成のプロファイルと、歪み量のプロファイルとを
示す図である。実線に示す傾斜組成と、点線に示す一定
組成とでは全体としての歪み量が同じであるので、熱的
安定性が同等であるといえる。
【0009】図24(a),(b)に示すように、弱く
オーバードライブされた状態では、価電子帯の上端のエ
ネルギーレベルがSiGe層303内で最大となるた
め、ホールはほとんどすべてがSiGe層303に存在
し、伝導に寄与するチャネルはSiGe層303に形成
される。このチャネルは、半導体層全体の最表面からシ
リコンキャップ層304の厚みだけ奥に入った部分に形
成されるため、埋め込みチャネルと呼ばれる。しかし、
オーバードライブが強くなると、シリコンキャップ層3
04のバンド端のプロファイルの傾斜が急になり、Si
Ge層303以外に、シリコンキャップ層304内でゲ
ート絶縁膜305との界面にもホールが存在するように
なる。このシリコンキャップ層304内に形成されるチ
ャネルを寄生チャネルと呼ぶ。
【0010】SiGe層303に形成される埋め込みチ
ャネル中のホールは、上述したように、歪みの効果によ
り、Siに比べて大きな移動度を有する。一方、寄生チ
ャネル中のホールは、ゲート絶縁膜305とシリコンキ
ャップ層304との界面のラフネスによる散乱等を受け
るので、埋め込みチャネルにおける移動度に比べて小さ
い移動度で走行する。したがって、埋め込みチャネルが
支配的である場合は、全体としてホールの移動度は大き
く、Siによるp−MOSFETに比べて高速に動作
し、また、電流駆動力も大きくできる。しかし、寄生チ
ャネルが支配的になると、全体としてホールの移動度は
小さくなり、高速動作が妨げられ、電流駆動力も小さく
なってしまう。
【0011】図26は、埋め込みチャネルおよび寄生チ
ャネルにおけるホールのシートキャリア濃度(ホールシ
ート濃度)のゲートバイアス依存性を示す図である。図
26中の点線で示す曲線はGe組成が15%で一定、実
線で示したものはGe組成が0%から30%に直線的に
変化する場合を示す。図24(a)および(b)からも
類推できるようにように、Ge組成を0%から30%に
直線的に変化させて、SiGeチャネル層303とシリ
コンキャップ層304の界面におけるバンド不連続(Δ
Ev)を大きくとったものの方が、Ge組成が一定する
場合に比べて、同等の熱的安定性を有しながら、埋め込
みチャネル中のホールシート濃度を高くし、寄生チャネ
ル中のホールシート濃度を小さく抑えることができる。
その結果、より広範囲なゲート電圧にわたって、高速動
作および高電流駆動力を維持することができる。このよ
うに、Ge組成を傾斜させることによって寄生チャネル
を抑制した電界効果トランジスタの従来例は、例えば、
文献(S.V.Vandebroek etal., IEEE Transactions on E
lectron Devices, vol41, p.90(1994))や、米国特許
公報5,821,577号に示されている。
【0012】また、従来より、電界効果トランジスタの
電流駆動力を増大させるための他の手段として、変調ド
ープ構造が用いられている。
【0013】図27は、変調ドープ構造を採用した場合
のGe組成およびp型不純物濃度(ここではホウ素)の
プロファイルの一例を示す図である。シリコンバッファ
層302中でチャネル303近傍に、キャリアを供給す
る不純物を高濃度にドープしてなるいわゆるδドープ層
を設けている。このδドープ層は、シリコンキャップ層
304中に設けられることもある。図27において、チ
ャネル層303のGe組成、トランジスタのサイズ等、
その他の条件については図22の条件と同じである。こ
のように、δドープ層をチャネル層とは別に設けて、両
者を空間的に分離することにより、高い電流駆動力を実
現しながらチャネル中での不純物散乱を抑制し、チャネ
ルを走行するキャリアの移動度を高く保つことができ
る。このような構造を有する、SiGeをホールチャネ
ルとする電界効果トランジスタは、例えば、S.P.Voinig
escu et al., IEDM Tech. Dig., p.369(1994) に記
載されている。
【0014】図28は、Geおよびホウ素のプロファイ
ルが図25(a)および図27で示されるようなトラン
ジスタにおける,ドレイン電圧−ドレイン電流特性(V
d−Id特性)を示す図である。実線曲線と破線曲線と
を比較するとわかるように、図27に示す変調ドープ構
造を採用することで、より高い電流駆動力を得ることが
できる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のSiGe層をチャネルとする電界効果トランジスタ
では、以下に述べるような問題があった。それは、歪み
に起因する熱的安定性の問題と、変調ドープにおける不
純物拡散の問題であり、これらについて以下に説明す
る。
【0016】寄生チャネルを抑制するためには、上述し
たように、SiGeチャネル層とシリコンキャップ層と
の界面におけるバンドオフセット値ΔEvを大きくして
やればよく、そのためにはGe組成を大きくすればよい
が、そうするとSiGeチャネル層303はより大きな
圧縮歪みを受けることになる。歪みが大きくなりすぎる
と、結晶は歪んだ状態を保持できずに結晶欠陥を生じて
本来の格子定数に戻ろうとする。これを格子緩和と呼
ぶ。結晶の格子緩和が発生すると、結晶欠陥により局在
準位が生じ、これがリーク電流やホールの移動度の低下
の原因となり、デバイス特性を劣化させる。
【0017】この格子緩和の起こりやすさは、薄膜結晶
の膜厚にも依存する。すなわち、歪みを内包した状態で
(格子緩和を起こさずに)結晶成長できる膜厚には上限
値が存在し、この上限膜厚を臨界膜厚と呼ぶ。図29
は、Si基板上の歪みSiGeのGe組成と臨界膜厚と
の関係を示す図である。図29に示されるように、臨界
膜厚はGe組成の増加、すなわち、歪み量の増加ととも
に急激に減少するが、SiGeチャネル層として、実用
的には十数nm程度以上の膜厚が必要であることを考え
れば、歪み量はできれば0.5〜0.8%程度までに抑
える必要がある。これは、実用的に必要な熱的安定性を
有するトランジスタを得るためにはGe組成を15%程
度以内に抑えなければならないことを意味し、従来例で
示したGe組成(15%)はこの上限値にほぼ対応して
いる。一方、Ge組成が0%から30%まで変化する傾
斜組成を有する従来例でも、平均的なGe組成は15%
であるから、この値は、Ge組成を一定とした場合の上
限値に等しい。
【0018】以上のことから、寄生チャネルを抑制する
ためには、Ge組成を大きくすればよいことがわかる。
しかし、この時には歪み量も大きくなるので、格子緩和
が起こりやすくなる。このような構造においては、トラ
ンジスタの作製工程における熱処理によっても格子緩和
が生じやすくなる。すなわち、熱的安定性に乏しい。良
質なゲート絶縁膜の形成やソース領域およびドレイン領
域等の不純物の十分な活性化のためにはより高温の熱処
理が必要とされるが、上述のように、SiGe層の熱的
安定性が乏しい状態では十分な熱処理を加えることがで
きず、トランジスタの十分な性能を引き出すことができ
なくなってしまう。
【0019】また、図27に示す変調ドープ構造におい
て、電流駆動力を大きくとるためにはδドープ層をチャ
ネル層にできるだけ近づける方が有利であるが、両者が
あまりに接近しすぎていると、図27にも示したよう
に、δドープ層中の不純物がδドープ層(ピーク位置)
からチャネル層303に拡散しやすくなる。その場合に
は、チャネル層303中でキャリアに対する不純物散乱
が生じて、キャリアの移動度が低下し、駆動電流が減少
することになる。
【0020】本発明の目的は、SiGeチャネル層を有
する電界効果トランジスタにおいて、寄生チャネルの抑
制及び優れた熱的安定性の両立と、チャネル層への不純
物の拡散の抑制とを実現することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のpチャネル型電
界効果トランジスタは、半導体基板上に形成された電界
効果トランジスタであって、シリコンからなる第1の半
導体層と、上記第1の半導体層上に設けられ、Si1-x
Gex (0<x<1)で表される組成を有する第2の半
導体層と、上記第2の半導体層上に設けられたシリコン
からなる第3の半導体層と、上記第3の半導体層上に設
けられたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜上に設けら
れたゲート電極とを備え、上記第2の半導体層は、上記
ゲート電極に負の電圧が印加されたときにホールが走行
するpチャネル領域になるとともに、少なくとも一部の
領域にC(炭素)が含まれている。
【0022】これにより、第2の半導体層にCが含まれ
ていることで、SiGeチャネル領域となる第2の半導
体層における不純物の拡散が抑制される。したがって、
キャリアに対する不純物散乱を抑制することができ、キ
ャリアの移動度の高い、駆動電流の大きいトランジスタ
が得られる。また、Cの含有率を調整することで、歪み
を小さくすることができるが、その場合にも、第1の半
導体層と第2の半導体層との間に形成される価電子帯上
端のバンドオフセットの値はほとんど変化しない。した
がって、Cを含まずに同じGe組成を有するものと同じ
しきい値を確保しつつ、歪みを小さくして熱的安定の向
上を図ることができる。すなわち、格子緩和によるキャ
リア移動度の劣化が起こらないため、高い電流駆動力を
実現することができる。
【0023】上記第2の半導体層は、Ge含有率が変化
する組成を有していることにより、寄生チャネルの抑制
及び優れた熱的安定性の両立とを図ることができる。
【0024】上記第2の半導体層は、その価電子帯上端
のエネルギーレベルが上記第3の半導体層に接する領域
で最大となるように構成されていることにより、しきい
値電圧をできるだけ低くして、駆動電流を大きく確保す
ることができる。
【0025】上記第2の半導体層は、上記第1の半導体
層に接する領域及び上記第3の半導体層に接する領域の
うち少なくともいずれか一方の部分における格子歪みが
0.5%以下であるように構成されていることにより、
格子緩和を生じない範囲でチャネル層の厚みを十分確保
することができる。
【0026】上記第2の半導体層は、すべての領域にお
いて上記第1の半導体層および上記第3の半導体層と格
子整合するように構成されていることがより好ましい。
【0027】上記第1の半導体層のうち上記第2の半導
体層に隣接する部分に設けられ、高濃度のp型不純物を
含むδドープ層をさらに備えていることにより、チャネ
ル領域を走行するキャリアを供給しつつ、チャネル領域
における不純物散乱を抑制することができる。
【0028】その場合、上記第2の半導体層のうちCが
含まれている上記少なくとも一部の領域は、上記第1の
半導体層に隣接していることが好ましい。
【0029】また、上記第3の半導体層のうち上記第2
の半導体層に隣接する部分に設けられ、高濃度のp型不
純物を含むδドープ層をさらに備えていてもよい。
【0030】その場合には、上記第2の半導体層中のC
が含まれている上記少なくとも一部の領域は、上記第3
の半導体層に隣接していることが好ましい。
【0031】上記半導体基板は、絶縁層の上に半導体層
を設けてなるSOI基板であり、上記第1の半導体層
は、上記SOI基板上の半導体層であり、上記ゲート電
極に負の電圧が印加されたときに、空乏層が上記第1の
半導体層の下端にまで達するように構成されていること
により、寄生チャネルの発生をより確実に抑制すること
ができる。
【0032】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)まず、本発明
の第1の実施形態について説明する。図1は、チャネル
層がCを含む歪みSiGe層よりなるp型電界効果トラ
ンジスタの断面図である。n型シリコン基板101上
に、UHV−CVD法により、シリコンバッファ層10
2、チャネル層103、及びシリコンキャップ層104
が順次エピタキシャル成長されている。チャネル層10
3は、Cを含む,かつ歪みのあるSiGe層によって構
成されている。シリコンバッファ層102、チャネル層
103、シリコンキャップ層104の膜厚は、それぞれ
10nm、10nm、5nmであり、各層への不純物の
ドーピングのための処理は行なわれていない。また、S
iキャップ層104上には、シリコン酸化膜からなるゲ
ート絶縁膜105と、ポリシリコン膜からなるゲート電
極106とが設けられている。また、Siバッファ層1
02,SiGeチャネル層103及びSiキャップ層1
04に亘る広い領域のうち,ゲート電極106の両側方
に位置する領域には、高濃度のp型不純物(例えばボロ
ン)を含むソース領域107およびドレイン領域108
が形成されている。そして、ソース領域107の上には
ソース電極109が設けられ、ドレイン領域108の上
にはドレイン電極110が設けられている。なお、MO
S型電界効果トランジスタのチャネル長およびチャネル
幅は、例えば0.5μm、10μmである。
【0033】図2(a),(b),(c),(d)は、
それぞれ順に、図1のA−A’線断面に沿ったGeおよ
びCの深さ方向の組成プロファイルと、価電子帯上端の
エネルギーレベルEv(Siの上端を基準とする)およ
び歪み量のプロファイルとを示す図である。図2
(a),(b)に示すように、Ge組成は、シリコンバ
ッファ層102側の端部からシリコンキャップ層104
側の端部に向かって0%から50%に直線的に変化し、
CはGe組成が40%から50%の領域に選択的に0.
5%含有されている。図2(c),(d)において、実
線は本実施形態によるもの、点線は従来のCを含まない
傾斜組成を有するSiGeをチャネルとする電界効果ト
ランジスタを示す。実線のみが示されているものは、本
実施形態と従来例で全く同じか、あるいは、わずかに差
があってもこのスケールでは違いがほとんど現れないも
のである。
【0034】また、図3は、シリコン基板上に歪んだ状
態で形成されたSi1-x-y Gexy (0≦x≦1,0<
Y≦1)について、Ge組成,C組成と、歪み量および
Evの関係を示す図である。歪み量およびEvが等しく
なるGeおよびCの組成を、それぞれ点線および一点鎖
線で示している。図3中には、チャネル層内でのGeお
よびC組成の変化が矢印により示されている。矢印の始
点はチャネル層のシリコンバッファ層側の端部での組成
を表し、矢印の終点はチャネル層のシリコンキャップ層
側の端部での組成を表し、その間のGe組成,C組成を
矢印に沿って変化させることを示している。矢印は本
実施形態によるもの、矢印は従来のCを含まない傾斜
組成を有するSiGeをチャネルとする電界効果トラン
ジスタを示す。
【0035】図2および図3からわかるように、Ge組
成が40%から50%の領域(つまり30%を越える領
域)でCを0.5%含有させることにより、歪み量はそ
れぞれ12%,10%程度だけ低減させることができる
が、Evはほとんど変化しないことがわかる。(図2
(c)のスケールでは、Evの違いは見えない程度であ
る。)つまり、SiGeチャネル層の臨界膜厚を大きく
確保しながら、駆動電流の増大を図ることができる。特
に、従来のSiGe−pMOSFETにおいては、研究
レベルではともかく実用レベルでは、SiGe層のGe
含有率が30%を越えるものは、十分な駆動電流を得る
ために必要な膜厚を臨界膜厚の範囲内で確保しながら、
プロセス中での格子緩和が生じないような熱的安定性を
得ることが困難であることから、未だ存在していないの
が現状である。それに対し、本実施形態においては、C
を微量含有させることにより、Evを確保しつつ格子歪
みのみを低減させることができるので、SiGe層(厳
密にはSiGeC層)におけるGeの含有率を30%以
上にしても、十分な駆動電流と大きな熱的安定性とを確
保することができる。
【0036】次に、寄生チャネルの抑制効果について、
従来のCを含まないものと比較して説明する。図4
(a),(b)は、上述のp−MOSFETのゲート電
極106に負のゲート電圧Vgを印加した時の、図1の
A−A’線断面における伝導帯および価電子帯のバンド
端のプロファイルを示す図である。図4(a)はゲート
電圧がしきい値電圧から弱くオーバードライブされた状
態、図4(b)はゲート電圧がしきい値電圧から強くオ
ーバードライブされた状態を示す。図中、101等の符
号が示す領域は、図1中に示す符号の領域に対応してい
る。チャネル層における価電子帯上端のプロファイルが
本実施形態と従来のCを含まないものとでほとんど変わ
らないため、図4(a),(b)における全体のプロフ
ァイルも同じになる。したがって、従来のSiGe傾斜
組成のものと同等に寄生チャネルを抑制することができ
る。
【0037】図5は、埋め込みチャネル103および寄
生チャネル104のシートキャリア濃度(ホールシート
濃度)のゲート電圧依存性を示す図である。このよう
に、寄生チャネルの抑制に関しては本実施形態と従来の
SiGe傾斜組成のもので同等である。
【0038】図6は、SiGeチャネル層にCを含む本
発明の電界効果トランジスタとCを含まない従来の電界
効果トランジスタとにおけるVd−Id特性を示す図で
ある。図6に示すように、本発明の電界効果トランジス
タでは、Ge組成が大きい領域にCを含有させることに
より、従来の電界効果トランジスタに比べて大きなドレ
イン電流が得られている。
【0039】すなわち、本発明によると、チャネル層1
03にCを含ませることにより、チャネル層103の歪
みが低減し、熱的安定性が大幅に向上する一方、キャッ
プ層とのバンドオフセットの値は、Cを含まずにGe組
成が同じであるものと変わらないので、低いしきい値を
維持しつつ格子緩和を抑制することができる。このよう
に、SiGeチャネル層の結晶の格子緩和によるキャリ
ア移動度の劣化が起こらないため、従来のCを含まない
Ge傾斜組成を有するものと比較して、高い電流駆動力
を実現することができ、実用上の優位性を有している。
【0040】(第2の実施形態)次に、本発明による電
界効果トランジスタの第2の実施形態について説明す
る。本発明による,チャネル層がSiGeCよりなる電
界効果トランジスタ(SiGeC−pMOSFET)に
ついて、その優位性を説明するために、チャネル層が
(Cを含まない)傾斜組成のSiGeよりなる従来の電
界効果トランジスタ(SiGe−pMOSFET)と比
較しながら説明する。
【0041】本実施形態においても、SiGeC−pM
OSFETの構造は、チャネル層が全体的にCを含むS
iGeCにより構成されている点を除けば第1の実施形
態で述べた図1に示す構造と基本的に同様であるので、
説明を省略する。シリコンバッファ層102、チャネル
層103、シリコンキャップ層104の各層の膜厚はそ
れぞれ10nm、10nm、5nmであり、不純物のド
ーピングは行っていない。トランジスタのチャネル長お
よびチャネル幅はそれぞれ0.5μm、10μmであ
る。
【0042】図7は、本実施形態のSiGeC−pMO
SFET、および第1および第2の従来のSiGe−p
MOSFETのチャネル層におけるGe組成およびC組
成の調整方法を示す図である。図7における矢印、
、は、本実施形態のSiGeC−pMOSFET,
第1および第2の従来のSiGe−pMOSFETのチ
ャネル層におけるGe組成およびC組成を示す。
【0043】すなわち、本発明によるSiGeC−pM
OSFET(矢印)では、チャネル層103は、その
シリコンバッファ層102側の端部においてはGeおよ
びCを含まないシリコンであり、そのシリコンキャップ
層104側の端部におけるGeおよびCの組成は、それ
ぞれ45%,3.8%である。矢印の始点から終点ま
で直線的にGe組成及びC組成が変化している。矢印
の終点におけるバンドオフセットは約250meVであ
り、歪み量は約0.5%(圧縮歪み)である。
【0044】第1の従来のSiGe−pMOSFET
(矢印)では、チャネル層103はシリコンバッファ
層102側の端部においてはGeおよびCを含まないシ
リコンであり、シリコンキャップ層104側の端部にお
けるGe組成は、40%である。矢印の始点から終点
まで直線的にGe組成が変化している。矢印の終点に
おけるEvは、本実施形態のSiGeC−pMOSFE
Tと同じく約250meVであり、歪み量は本実施形態
のSiGeC−pMOSFETに比べて3倍以上の約
1.6%(圧縮歪み)である。
【0045】第2の従来のSiGe−pMOSFET
(矢印)では、チャネル層103は、そのシリコンバ
ッファ層102側の端部においてはGeおよびCを含ま
ないシリコンであり、そのシリコンキャップ層104側
の端部におけるGe組成は、12%である。そして、こ
の矢印の始点から終点まで直線的にGe組成が変化し
ている。矢印の終点におけるEvはSiGeC−pM
OSFETの3分の1の約80meVであり、歪み量は
SiGeC−pMOSFETと同じく約0.5%(圧縮
歪み)である。
【0046】図8(a),(b),(c),(d)は、
それぞれ順に、本実施形態のSiGeC−pMOSFE
T及び従来のSiGe−pMOSFETのGe組成,C
組成,Evおよび歪み量のプロファイルを示す図であ
る。図中の符号が示す領域は、図1に示す符号で示され
る領域に対応しており、図中の丸数字は、図7に示す矢
印の番号に対応している。
【0047】まず、本実施形態のSiGeC−pMOS
FET(矢印)と第1の従来のSiGe-pMOSF
ET(矢印)を比較する。
【0048】チャネル層103におけるEvのプロファ
イルが本発明と第1の従来のもので同じであるため、図
1中のA−A’線断面におけるゲート電極からSi基板
までの全体のプロファイルも同じになる。したがって、
第1の実施形態で説明したように、寄生チャネルの抑制
に関しては本実施形態のSiGeC−pMOSFETと
第1の従来のSiGe-pMOSFETとで同等であ
る。
【0049】図9は、本実施形態のSiGeC−pMO
SFETのVd−Id特性を示す図である。図8(d)
に示すように、本実施形態によるSiGeC−pMOS
FET(矢印)では第1の従来のSiGe−pMOS
FET(矢印)と比較して、歪み量が3分の1以下に
なっており、熱的安定性が大幅に向上する。したがっ
て、高温での熱処理によっても結晶の格子緩和が生じに
くいので、キャリア移動度の劣化を抑制でき、高速動作
かつ高電流駆動力を実現することができる。そして、比
較的高温での熱処理が可能であることにより、良質なゲ
ート絶縁膜105の形成や、ゲート絶縁膜105におけ
るリーク電流の低減が可能となり、また、ソース領域1
07やドレイン領域108を十分に活性化することによ
り低抵抗化が実現できるなど、トランジスタの高性能化
を実現することができる。
【0050】このように、本実施形態によるSiGeC
−pMOSFETは第1の従来のSiGe−pMOSF
ETと比較して、寄生チャネルの抑制に関して同等の効
果を保ちながら熱的安定性を大幅に向上させることがで
き、トランジスタの高性能化を実現することができるの
で、実用上の優位性を有している。
【0051】次に、本実施形態によるSiGeC−pM
OSFET(矢印)と第2の従来のSiGe−pMO
SFET(矢印)を比較する。
【0052】図10は、埋め込みチャネル103および
寄生チャネル104のシ−トキャリア濃度(ホールシー
ト濃度)のゲ−ト電圧依存性を示す図である。図8
(c)からわかるように、チャネル層103における本
実施形態でのEvは、第2の従来のものと比較して3倍
以上も大きい。したがって、本実施形態のSiGeC−
pMOSFETでは、埋め込みチャネル中のホ−ルシ−
ト濃度を高くし、寄生チャネル中のホ−ルシ−ト濃度を
小さく抑えることができる。その結果、より広範囲なゲ
−ト電圧にわたって、高速動作および高電流駆動力を維
持することができ、実用上の優位性を有している。
【0053】また、図8(d)に示したように、本実施
形態のSiGeC−pMOSFET(矢印)と第2の
従来のSiGe−pMOSFET(矢印)とでは、歪
み量が同じであり、したがって、熱的安定性はほぼ同等
と考えて差し支えない。
【0054】このように、本実施形態のSiGeC−p
MOSFETは、第2の従来のSiGe−pMOSFE
Tと比較して、熱的安定性に関して同等の効果を保ちな
がら寄生チャネルを大幅に抑制することができ、トラン
ジスタの高性能化を実現することができ、実用上の優位
性を有している。
【0055】また、チャネル層103をSiGeCによ
り形成することにより、次のような利点もある。電界効
果トランジスタのゲ−ト長が短くなるにつれて、しきい
値電圧の減少等の短チャネル効果が顕著になってくる。
この短チャネル効果を抑制するために、LDD注入やポ
ケット注入等、ソ−スおよびドレイン領域近傍の注入プ
ロファイルを2次元的に細かく制御することが行われて
いる。しかしながら、この細かいプロファイル制御を行
なった後に、不純物の活性化等のための高温での熱処理
が行なわれると、不純物が拡散して2次元プロファイル
がぼやけてしまい、短チャネル効果が十分に抑制されな
くなってしまう。それに対し、本実施形態の電界効果ト
ランジスタでは、チャネル層にCを含有しているため
に、不純物の拡散が抑制され、細かな2次元プロファイ
ルを高温での熱処理後も維持することができ、短チャネ
ル効果を十分に抑制することができる。
【0056】(第3の実施形態)本発明による電界効果
トランジスタの第3の実施形態について説明する。本実
施形態における,チャネル層がSiGeCよりなる電界
効果トランジスタ(SiGeC−pMOSFET)の優
位性を説明するために、チャネル層が(Cを含まない)
傾斜組成SiGeよりなる従来の電界効果トランジスタ
(SiGe−pMOSFET)と比較しながら説明す
る。
【0057】本実施形態のSiGeC−pMOSFET
の構造は、チャネル層が全体的にCを含んでいてSiG
eCにより構成されている点を除けば第1の実施形態に
おける図1に示す構造と基本的に同じであり、説明を省
略する。シリコンバッファ層102、チャネル層10
3、シリコンキャップ層104の各層の膜厚はそれぞれ
10nm、10nm、5nmであり、各層への不純物の
ド−ピングのための処理は行っていない。トランジスタ
のチャネル長およびチャネル幅はそれぞれ0.5μm、
10μmである。
【0058】図11は、本実施形態のSiGeC−pM
OSFETおよび従来のSiGe−pMOSFETのチ
ャネル層におけるGeおよびC組成のプロファイルを示
す図である。図11中の矢印、は、本実施形態及び
従来のpMOSFETのチャネル層におけるGeおよび
C組成のプロファイルを示す。
【0059】すなわち、本実施形態のSiGeC−pM
OSFET(矢印)では、チャネル層103は、その
シリコンバッファ層102側の端部においてはGeおよ
びCを含まないシリコンであり、そのシリコンキャップ
層104側の端部におけるGeおよびCの組成は、それ
ぞれ25%,3%である。そして、この矢印の始点か
ら終点まで直線的にGe組成,C組成が変化している。
矢印の終点におけるEvは約140meVである。ま
た、チャネル層103は、シリコンバッファ層102に
接する部分からシリコンキャップ層104に接する部分
にかけてのいたるところで歪み量は0%であり、シリコ
ン基板101に格子整合している。チャネル層103が
歪みを有していない場合でも、SiGeCの材料的性質
により、SiGeC層中のホ−ルは、Si層中のホ−ル
に比べて大きな移動度を有し、電界効果トランジスタの
高速動作を実現することができる。
【0060】また、従来のSiGe−pMOSFET
(矢印)では、チャネル層103は、そのシリコンバ
ッファ層102側の端部においてはGeおよびCを含ま
ないシリコンであり、そのシリコンキャップ層104側
の端部におけるGe組成は、22%である。そして、矢
印の始点から終点まで直線的にGe組成が変化してい
る。矢印の終点におけるEvは約140meVであ
り、歪み量は約0.8%(圧縮歪み)である。
【0061】図12(a)、(b),(c),(d)
は、それぞれ順に、第3の実施形態のSiGeC−pM
OSFET及び従来のSiGe−pMOSFETのGe
組成,C組成,Evおよび歪み量のプロファイルを示す
図である。図中の番号は、図11中の矢印の番号に対応
している。
【0062】チャネル層103におけるEvのプロファ
イルは、本実施形態と従来例のもので同じであるため、
図1中、A−A’で示した断面のゲ−ト電極からSi基
板までの全体のプロファイルも同じになる。したがっ
て、第1の実施形態で説明したように、寄生チャネルの
抑制に関しては本実施形態のSiGeC−pMOSFE
T(矢印)と、従来のSiGe−pMOSFET(矢
印)とで同等である。
【0063】図13は、本実施形態と従来のMOSFE
TのVd−Id特性を示す図である。図12(d)に示
すように、本実施形態のSiGeC−pMOSFETで
はチャネル層103はシリコン基板101に格子整合し
ており、いたるところで歪み量は0%である。したがっ
て、熱的安定性がSiと同等レベルに飛躍的に向上す
る。したがって、高温での熱処理によっても結晶の格子
緩和が起こらないので、キャリア移動度の劣化が起こら
ないことから、高速動作かつ高電流駆動力を実現できる
ことがわかる。また、高温での熱処理が可能になること
で、良質なゲ−ト絶縁膜105の形成や、ゲ−ト絶縁膜
におけるリ−ク電流の低減が可能となり、また、ソ−ス
領域107やドレイン領域108を十分に活性化するこ
とにより低抵抗化が実現できるなど、トランジスタの高
性能化を実現することができる。
【0064】このように、本実施形態によるSiGeC
−pMOSFETは従来のSiGe−pMOSFETと
比較して、寄生チャネルの抑制に関して同等の効果を保
ちながら熱的安定性を飛躍的に向上させることができ、
トランジスタの高性能化を実現でき、実用上の優位性を
有する。
【0065】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態について説明する。本実施形態においても、電
界効果トランジスタの構造は、基本的には第1の実施形
態における図1に示される構造と基本的には同じであ
る。ただし、本実施形態では、チャネル層が変調ド−プ
構造を有しており、シリコンバッファ層102中に高濃
度のp型不純物ド−プ層8δドープ層)を含んでいるこ
とを特徴とする。シリコンバッファ層102、チャネル
層103、シリコンキャップ層104の各層の膜厚はそ
れぞれ10nm、10nm、5nmであり、チャネル層
およびシリコンキャップ層への不純物のド−ピングは行
っていない。トランジスタのチャネル長およびチャネル
幅はそれぞれ0.5μm、10μmである。
【0066】図14は、本実施形態の電界効果トランジ
スタのチャネル層におけるGe組成およびC組成のプロ
ファイルを示す図である。図14中の矢印は、本実施形
態の電界効果トランジスタのチャネル層におけるGe組
成,C組成の変化を示している。
【0067】すなわち、本実施形態の電界効果トランジ
スタのチャネル層103は、そのシリコンバッファ層1
02側の端部におけるGe組成,C組成は、それぞれ8
%,0.9%である。また、矢印に示されるように、シ
リコンキャップ層104側に近づくにつれてチャネル層
内のGe組成は直線的に増加し、チャネル層内のある深
さで、Ge組成は20%に、C組成は0.9%になる。
さらに、チャネル層内において、シリコンキャップ層1
04側に近づくにつれてGe組成およびC組成は再び直
線的に増加し、そのシリコンキャップ層104側の端部
においてGe組成は30%に、C組成は3.4%にな
る。
【0068】図15(a),(b),(c),(d)
は、それぞれ順に、図1のA−A’線断面に沿ったGe
組成,C組成,p型不純物(ボロン)の濃度及びEvと
歪み量のプロファイルを示す図である。これらのプロフ
ァイルはトランジスタ作製後のものを示しており、作製
工程における熱処理により、ホウ素の拡散が起こってい
るが、チャネル層103中のCにより、チャネル層中で
のホウ素の拡散が阻止されていることが分かる。
【0069】これにより、本実施形態の電界効果トラン
ジスタでは、チャネル層における不純物散乱による移動
度の劣化を防いで高速動作を実現することができる。ま
た、このことは、高濃度のp型不純物ド−プ層を極力チ
ャネル層103に近づけることができるということを意
味しているので、本実施形態ではより高い電流駆動力を
得ることができる。
【0070】次に、図15(c)に示すように、チャネ
ル層103におけるEvは、そのシリコンバッファ層1
02側の端部からシリコンキャップ層104側の端部に
かけて単調に増加し、シリコンバッファ層102側の端
部において約45meVとなり、シリコンキャップ層1
04側の端部において約165meVとなる。したがっ
て、チャネル層103のシリコンキャップ層104側の
端部において十分なバンドオフセットが得られるので、
しきい値電圧を小さく維持しながら、寄生チャネルの形
成を確実に抑制することができる。
【0071】次に、図15(d)に示すように、チャネ
ル層103中の歪み量は、チャネル層103の中間部の
Ge組成が20%、C組成が0.9%の箇所で0.5%
と最大になり、そのシリコンバッファ層102側の端部
およびシリコンキャップ層104側の端部においては共
に0%(無歪み)になる。本実施形態の電界効果トラン
ジスタでは、チャネル層103は、そのシリコンバッフ
ァ層102側の端部およびシリコンキャップ層104側
の端部の両方において、シリコン層と格子整合している
ために、優れた熱的安定性を有する。したがって、高温
での熱処理によっても結晶の緩和が起こりにくく、キャ
リア移動度の劣化が起こらないため、高速動作かつ高電
流駆動力を有する電界効果トランジスタを実現すること
ができる。また、高温での熱処理が可能になるので、良
質なゲ−ト絶縁膜105の形成や、ゲ−ト絶縁膜におけ
るリ−ク電流の低減が可能となり、また、ソ−ス領域1
07やドレイン領域108を十分に活性化することによ
り低抵抗化が実現できるなど、トランジスタの高性能化
を実現することができる。
【0072】図16は、SiGeC−pMOSFETに
おいて、シリコンバッファ層中のp型不純物ド−プ層
(δドープ層)がある場合とない場合のVd−Id特性
を示す図である。同図に示すように、δド−プ層を設け
て変調ド−プ構造とすることにより、さらに電流駆動力
を高めることができる。
【0073】図30(a),(b)は、SiGeC−p
MOSFETにおいて、p型不純物ド−プ層(δドープ
層)をそれぞれシリコンバッファ層,シリコンキャップ
層中に設けた場合のゲートバイアス印加時におけるバン
ド構造を示す図である。同図に示すように、特に、δド
ープ層をシリコンキャップ層中に設けることにより、バ
ンドオフセット部に鋭いくぼみが形成されるので、キャ
リアを閉じ込める機能をより高くすることが可能にな
る。
【0074】以上のように、本実施形態による電界効果
トランジスタは、寄生チャネルの形成を確実に抑制しつ
つ、熱的安定性を向上させることができるだけでなく、
さらに変調ド−プ構造により電流駆動力を高めることが
できるなどトランジスタを高性能化でき、実用上の優位
性を有する。
【0075】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態について説明する。本実施形態においても、電
界効果トランジスタの構造は、基本的には第1の実施形
態における図1で説明した構造と同じである。ただし、
本実施形態では、トランジスタが変調ド−プ構造を有し
ており、シリコンキャップ層104中に高濃度のp型不
純物ド−プ層(δドープ層)を含んでいる点が特徴であ
る。シリコンバッファ層102、チャネル層103、シ
リコンキャップ層104の各層の膜厚はそれぞれ10n
m、10nm、5nmであり、チャネル層およびシリコ
ンバッファ層への不純物のド−ピングは行っていない。
トランジスタのチャネル長およびチャネル幅はそれぞれ
0.5μm、10μmである。
【0076】本実施形態においても、電界効果トランジ
スタのチャネル層におけるGe組成およびC組成のプロ
ファイルは、図14中の矢印で示されている第4の実施
形態におけるものと同じである。
【0077】図17(a),(b),(c),(d)
は、それぞれ順に、図1のA−A’線断面に沿ったGe
組成,C組成,p型不純物(ボロン)の濃度及びEvと
歪み量のプロファイルを示す図である。これらのプロフ
ァイルはトランジスタ作製後のものを示しており、図1
7(b)に示すように、作製工程における熱処理によ
り、ホウ素の拡散が起こっているが、チャネル層103
中のCにより、チャネル層中でのホウ素の拡散が阻止さ
れていることが分かる。
【0078】これにより、本実施形態の電界効果トラン
ジスタでは、チャネル層における不純物散乱による移動
度の劣化を防いで高速動作を実現することができる。ま
た、このことは、高濃度のp型不純物ド−プ層(δドー
プ層)を極力チャネル層103に近づけることができる
ということを意味し、より高い電流駆動力を得ることが
できる。
【0079】次に、図17(c)および(d)に示すよ
うに、本実施形態においても、第4の実施形態と同様
に、チャネル層103のシリコンキャップ層104側の
端部において十分大きいEvを有していることから、バ
ンドオフセットを大きく確保することでき、寄生チャネ
ルを十分に抑制することができる。また、チャネル層1
03のシリコンバッファ層102側の端部およびシリコ
ンキャップ層104側の端部において歪み量が共に0%
となっているので、第4の実施形態と同様に、本実施形
態のMOSFETも優れた熱的安定性を有する。
【0080】図18は、SiGeC−pMOSFETに
おいて、シリコンキャップ層中のp型不純物ド−プ層
(δドープ層)がある場合とない場合のVd−Id特性
を示す図である。同図に示すように、p型不純物ド−プ
層(δドープ層)を設けて変調ド−プ構造とすることに
より、さらに電流駆動力を高めることができる。
【0081】以上のように、本実施形態の電界効果トラ
ンジスタによると、寄生チャネルの形成を確実に抑制し
つつ、熱的安定性を向上させることができるだけでな
く、さらに変調ド−プ構造により電流駆動力を高めるこ
とができるなどトランジスタを高性能化でき、実用上の
優位性を有する。
【0082】(第6の実施形態)次に、本実施形態で
は、SOI基板上に形成されチャネル層が歪んだSiG
eC層よりなるp型電界効果トランジスタ(SiGeC
−pMOSFET)について説明する。
【0083】図19は、本実施形態におけるSiGeC
−pMOSFETの断面図である。シリコン基板21
1、埋め込み酸化膜212及び表面シリコン層213に
よって構成されるSOI基板201の表面シリコン層2
13の上に、UHV−CVD法により、シリコンバッフ
ァ層202、チャネル層203、およびシリコンキャッ
プ層204が順次エピタキシャル成長されている。チャ
ネル層203はSiGeCにより構成されている。埋め
込み酸化膜212上の表面シリコン層213の膜厚は6
0nmであり、電圧が印加されると活性領域全体が空乏
層となって、いわゆる完全空乏型の電界効果トランジス
タとして動作するように構成されている。
【0084】シリコンバッファ層202、チャネル層2
03、シリコンキャップ層204の膜厚は、それぞれ1
0nm、10nm、5nmであり、各層への不純物のド
ーピングのための処理は行なわれていない。また、Si
キャップ層204上には、シリコン酸化膜からなるゲー
ト絶縁膜205と、ポリシリコン膜からなるゲート電極
206とが設けられている。また、Siバッファ層20
2,SiGeチャネル層203及びSiキャップ層20
4に亘る広い領域のうち,ゲート電極206の両側方に
位置する領域には、高濃度のp型不純物(例えばボロ
ン)を含むソース領域207およびドレイン領域208
が形成されている。そして、ソース領域207の上には
ソース電極209が設けられ、ドレイン領域208の上
にはドレイン電極210が設けられている。なお、MO
S型電界効果トランジスタのチャネル長およびチャネル
幅は、例えば0.5μm、10μmである。
【0085】本実施形態の電界効果トランジスタのチャ
ネル層におけるGeおよびC組成のプロファイルは、図
7中の矢印で示されている第2の実施形態におけるも
のと同じである。すなわち、本実施形態のSiGeC−
pMOSFETでは、チャネル層203は、そのシリコ
ンバッファ層202側の端部においてはGeおよびCを
含まないシリコンであり、そのシリコンキャップ層20
4側の端部におけるGe組成およびC組成は、それぞれ
45%,3.8%である。そして、図7中の矢印の始
点から終点までの間におけるGe組成,C組成は直線的
に変化している。矢印の終点におけるバンドオフセッ
トは約250meVであり、歪み量は約0.5%(圧縮
歪み)である。
【0086】図20(a),(b)は、本実施形態およ
び第2の実施形態におけるSiGeC−pMOSFET
のゲ−ト電極206に負のゲ−ト電圧Vgを印加した時
の、A−A’線断面における伝導帯および価電子帯のバ
ンド端のプロファイルをそれぞれ示す図である。
【0087】図20(a)に示すように、本実施形態に
おけるSiGeC−pMOSFETでは、表面シリコン
層213が完全に空乏化しているために、ゲ−ト電圧V
gの一部(Vg,box)が埋め込み酸化膜212にも印加
されている。そのため、シリコンキャップ層204にか
かる電圧は同一のゲート電圧Vgをゲ−ト電極206に
かけた場合、第1の実施形態で述べたSiGeC−pM
OSFET(図20(b))に比べて小さくなる。この
ため、完全空乏型のSOI基板上のSiGeC−pMO
SFETは、シリコンキャップ層204付近のバンドの
曲がりがゆるやかになる。この時、図20(a)を見れ
ば明らかなように、寄生チャネルの形成を第2の実施形
態よりもさらに強く抑制することができる。
【0088】図21は、本実施形態のMOSFETにお
ける埋め込みチャネル203および寄生チャネル204
それぞれのシ−トキャリア濃度のゲ−ト電圧依存性を示
す図である。
【0089】以上述べたように、本実施形態におけるS
OI基板上のSiGeC−pMOSFETは、SOI基
板の表面シリコン層が完全に空乏化しているため、同一
の傾斜組成を有する(SOI基板でない)通常のシリコ
ン基板上のSiGeC−pMOSFETと比較して、寄
生チャネルの形成をより強く抑制することができ、実用
上の優位性を有する。
【0090】なお、上述したすべての実施形態において
ゲ−ト絶縁膜は酸化膜としたが、これが窒化膜等の他の
絶縁膜であっても本発明により同様の効果を発揮するこ
とができる。
【0091】
【発明の効果】本発明によると、チャネル層をCを含有
するSiGe(又はSiGeC)により構成したので、
チャネル層全体の歪み量を抑制して十分な熱的安定性を
保ちつつ、ホ−ルを埋め込みチャネル内に強く閉じ込め
て寄生チャネルを強く抑制することができ、実用上の優
位性を発揮することができる。また、Cを添加したこと
の効果により、変調ド−プ構造において、チャネル層へ
の不純物の拡散を抑制することにより高い電流駆動力を
実現できる。さらに、SOI基板上に本実施形態のトラ
ンジスタを形成することにより寄生チャネル抑制の効果
をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チャネル層がCを含む歪みSiGe層よりなる
p型電界効果トランジスタの断面図である。
【図2】(a),(b),(c),(d)は、それぞれ
順に、図1のA−A’線断面に沿ったGeおよびCの深
さ方向の組成プロファイルと、価電子帯上端のエネルギ
ーレベルEv(Siの上端を基準とする)および歪み量
のプロファイルとを示す図である。
【図3】シリコン基板上に歪んだ状態で形成されたSi
1-x-y Gexy (0≦x≦1,0<Y≦1)について、
Ge組成,C組成と、歪み量およびEvの関係を示す図
である。
【図4】(a),(b)は、上述のp−MOSFETの
ゲート電極106に負のゲート電圧Vgを印加した時
の、図1のA−A’線断面における伝導帯および価電子
帯のバンド端のプロファイルを示す図である。
【図5】埋め込みチャネルおよび寄生チャネルのシート
キャリア濃度(ホールシート濃度)のゲート電圧依存性
を示す図である。
【図6】SiGeチャネル層にCを含む本発明の電界効
果トランジスタとCを含まない従来の電界効果トランジ
スタとにおけるVd−Id特性を示す図である。
【図7】第2の実施形態のSiGeC−pMOSFE
T、および第1および第2の従来のSiGe−pMOS
FETのチャネル層におけるGe組成およびC組成の変
化を示す図である。
【図8】(a),(b),(c),(d)は、それぞれ
順に、本実施形態のSiGe−pMOSFET及び第
1,第2の従来のSiGe−pMOSFETのGe組
成,C組成,Evおよび歪み量のプロファイルを示す図
である。
【図9】本発明の第2の実施形態のSiGeC−pMO
SFETのVd−Id特性を示す図である。
【図10】第2の実施形態の埋め込みチャネルおよび寄
生チャネルシ−トキャリア濃度のゲ−ト電圧依存性を示
す図である。
【図11】第3の実施形態のSiGeC−pMOSFE
Tおよび従来のSiGe−pMOSFETのチャネル層
におけるGe組成およびC組成のプロファイルを示す図
である。
【図12】(a)、(b),(c),(d)は、それぞ
れ順に、第3の実施形態のSiGeC−pMOSFET
及び従来のSiGe−pMOSFETのGe組成,C組
成,Evおよび歪み量のプロファイルを示す図である。
【図13】第3の実施形態と従来のMOSFETのVd
−Id特性を示す図である。
【図14】第4,第5の実施形態の電界効果トランジス
タのチャネル層におけるGe組成およびC組成のプロフ
ァイルを示す図である。
【図15】(a),(b),(c),(d)は、それぞ
れ順に、第4の実施形態における図1のA−A’線断面
に沿ったGe組成,C組成,p型不純物(ボロン)の濃
度及びEvと歪み量のプロファイルを示す図である。
【図16】SiGeC−pMOSFETにおいて、シリ
コンバッファ層中のp型不純物ド−プ層がある場合とな
い場合のVd−Id特性を示す図である。
【図17】(a),(b),(c),(d)は、それぞ
れ順に、第5の実施形態における図1のA−A’線断面
に沿ったGe組成,C組成,p型不純物(ボロン)の濃
度及びEvと歪み量のプロファイルを示す図である。
【図18】第5の実施形態のSiGeC−pMOSFE
Tにおいて、シリコンキャップ層中のp型不純物ド−プ
層がある場合とない場合のVd−Id特性を示す図であ
る。
【図19】第6の実施形態におけるSiGeC−pMO
SFETの断面図である。
【図20】(a),(b)は、第6,第2の実施形態の
SiGeC−pMOSFETのゲ−ト電極に負のゲ−ト
電圧Vgを印加した時のA−A’線断面における伝導帯
および価電子帯のバンド端のプロファイルをそれぞれ示
す図である。
【図21】第6の実施形態のMOSFETにおける埋め
込みチャネルおよび寄生チャネルそれぞれのシ−トキャ
リア濃度のゲ−ト電圧依存性を示す図である。
【図22】従来のpチャネル型電界効果トランジスタ
(p−MOSFET)の一例を示す断面図である。
【図23】(a),(b)は、SiGe単結晶とSi単
結晶との格子定数の相違を示す図、及びSi層の上にS
iGe層がエピタキシャル成長されたときの状態を示す
断面図である。
【図24】(a),(b)は、従来のpチャネル型電界
効果トランジスタの縦断面における小電圧,大電圧印加
時のエネルギーバンドを示すバンド図である。
【図25】(a),(b)は、それぞれ順に、従来のp
チャネル型MOSFETのGe組成のプロファイルと、
歪み量のプロファイルとを示す図である。
【図26】従来のpチャネル型電界効果トランジスタの
埋め込みチャネルおよび寄生チャネルにおけるホールの
シートキャリア濃度のゲートバイアス依存性を示す図で
ある。
【図27】従来のpチャネル型電界効果トランジスタに
おいて変調ドープ構造を採用した場合のGe組成および
p型不純物濃度のプロファイルの一例を示す図である。
【図28】従来のpチャネル型電界効果トランジスタの
ドレイン電圧−ドレイン電流特性(Vd−Id特性)を
示す図である。
【図29】Si基板上の歪みSiGeのGe組成と臨界
膜厚との関係を示す図である。
【図30】(a),(b)は、SiGeC−pMOSF
ETにおいて、p型不純物ド−プ層をそれぞれバッファ
層,キャップ層中に設けた場合のゲートバイアス印加時
におけるバンド構造を示す図である。
【符号の説明】
101、201、301 −−− 半導体基板 102、202、302 −−− シリコンバッファ層 103、203、303 −−− チャネル層 104、204、304 −−− シリコンキャップ層 105、205、305 −−− ゲ−ト絶縁膜 106、206、306 −−− ゲ−ト電極 107、207、307 −−− ソ−ス領域 108、208、308 −−− ドレイン領域 109、209、309 −−− ソ−ス電極 110、210、310 −−− ドレイン電極 211 −−− シリコン基板 212 −−− 埋め込み酸化膜 213 −−− 表面シリコン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 実 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F110 AA23 AA30 CC02 DD05 DD13 EE09 FF02 GG01 GG02 GG04 GG07 GG12 GG19 GG22 GG25 GG28 GG29 GG33 GG42 GG44 GG47 HJ01 5F140 AA08 AA16 AA34 AC01 AC19 AC28 AC36 BA01 BA05 BA17 BB06 BB13 BB16 BB18 BC12 BD05 BF01 BF04 BJ01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成された電界効果トラ
    ンジスタであって、 シリコンからなる第1の半導体層と、 上記第1の半導体層上に設けられ、Si1-x Gex (0
    <x<1)で表される組成を有する第2の半導体層と、 上記第2の半導体層上に設けられたシリコンからなる第
    3の半導体層と、 上記第3の半導体層上に設けられたゲート絶縁膜と、 上記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極とを備え、 上記第2の半導体層は、上記ゲート電極に負の電圧が印
    加されたときにホールが走行するpチャネル領域になる
    とともに、少なくとも一部の領域にC(炭素)が含まれ
    ていることを特徴とするpチャネル型電界効果トランジ
    スタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のpチャネル型電界効果ト
    ランジスタにおいて、 上記第2の半導体層は、Ge含有率が変化する組成を有
    していることを特徴とするpチャネル型電界効果トラン
    ジスタ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のpチャネル型電界効果ト
    ランジスタにおいて、 上記第2の半導体層は、その価電子帯上端のエネルギー
    レベルが上記第3の半導体層に接する領域で最大となる
    ように構成されていることを特徴とするpチャネル型電
    界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    のpチャネル型電界効果トランジスタにおいて、 上記第2の半導体層は、上記第1の半導体層に接する領
    域及び上記第3の半導体層に接する領域のうち少なくと
    もいずれか一方の部分における格子歪みが0.5%以下
    であるように構成されていることを特徴とするpチャネ
    ル型電界効果トランジスタ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    のpチャネル型電界効果トランジスタにおいて、 上記第2の半導体層は、すべての領域において上記第1
    の半導体層および上記第3の半導体層と格子整合するよ
    うに構成されていることを特徴とするpチャネル型電界
    効果トランジスタ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    のpチャネル型電界効果トランジスタにおいて、 上記第1の半導体層のうち上記第2の半導体層に隣接す
    る部分に設けられ、高濃度のp型不純物を含むδドープ
    層をさらに備えていることを特徴とするpチャネル型電
    界効果トランジスタ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電界効果トランジスタに
    おいて、 上記第2の半導体層のうちCが含まれている上記少なく
    とも一部の領域は、上記第1の半導体層に隣接している
    ことを特徴とするpチャネル型電界効果トランジスタ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載
    のpチャネル型電界効果トランジスタにおいて、 上記第3の半導体層のうち上記第2の半導体層に隣接す
    る部分に設けられ、高濃度のp型不純物を含むδドープ
    層をさらに備えていることを特徴とするpチャネル型電
    界効果トランジスタ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のpチャネル型電界効果ト
    ランジスタにおいて、 上記第2の半導体層中のCが含まれている上記少なくと
    も一部の領域は、上記第3の半導体層に隣接しているこ
    とを特徴とするpチャネル型電界効果トランジスタ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のうちいずれか1つに記
    載のpチャネル型電界効果トランジスタにおいて、 上記半導体基板は、絶縁層の上に半導体層を設けてなる
    SOI基板であり、 上記第1の半導体層は、上記SOI基板上の半導体層で
    あり、上記ゲート電極に負の電圧が印加されたときに、
    空乏層が上記第1の半導体層の下端面にまで達するよう
    に構成されていることを特徴とするpチャネル型電界効
    果トランジスタ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10510844B2 (en) 2016-07-14 2019-12-17 Mitsubishi Electric Corporation Semiconductor device and method of manufacturing same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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