JP3505535B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
半導体装置およびその製造方法Info
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Description
ネル領域に用いた電界効果トランジスタに関し、特に、
しきい値電圧の変動対策に関する。
末装置が広く使用されている。このような携帯装置は、
電池駆動が一般的であり、電池寿命を延ばすために動作
速度を犠牲にすることなく低消費電力化することが強く
望まれている。動作速度を低下させることなく低消費電
力化を実現するためには、しきい値電圧を下げて電源電
圧を低減しながら、ドレイン飽和電流を増加させ、電流
駆動力を維持することが有効である。上記の要求を満足
させるために、チャネル領域にキャリアの移動度の高い
材料を用いたヘテロ接合MOSトランジスタ(以下、ヘ
テロMOSと略す)の研究が盛んに行われている。
はゲート酸化膜とシリコン基板の界面に沿って走行す
る。アモルファス層であるゲート酸化膜と、結晶層であ
るシリコン基板との界面は、エネルギー準位の凸凹が大
きい。このため、従来のMOSトランジスタでは、キャ
リアは界面散乱の影響を受けやすく、キャリアの移動度
の低下、雑音の増大等の不具合が発生する。
合をチャネルとするMOSトランジスタである。ヘテロ
MOSでは、半導体基板のゲート絶縁膜から少し離れた
深さに半導体へテロ接合界面が形成されている。この半
導体へテロ接合界面にチャネルが形成され、そのチャネ
ルに沿ってキャリアが走行する。半導体へテロ接合界面
は、結晶層同士が接合された界面であるので、エネルギ
ー準位の凸凹が小さい。このため、界面散乱の影響が小
さい。このため、電流駆動力が大きく、雑音の低減にも
優れるという特徴を有している。さらに、従来のMOS
トランジスタに比べてしきい値電圧を小さくすることが
できるという特徴がある。
ヘテロ接合をチャネルに用いたヘテロMOSでは、チャ
ネル領域が埋め込み型となっている。このため、しきい
値電圧がSiキャップ領域の厚さに大きく依存する。
す。
100は、Si基板101と、Si基板101の上に形
成されたゲート絶縁膜102と、高濃度のP型不純物を
含むポリシリコンからなり、ゲート絶縁膜102の上に
形成されたゲート電極103と、ゲート絶縁膜102の
上に形成され、ゲート電極103の側面を覆うサイドウ
ォールスペーサ104とを備える。Si基板101は、
ゲート電極の両側方に設けられたP型のソース領域10
5およびドレイン領域106と、ソース領域105およ
びドレイン領域106間に位置する領域に設けられたN
型のSiキャップ領域107と、Siキャップ領域10
7の下方に設けられたN型のSiGeチャネル領域10
8と、SiGeチャネル領域108の下方に設けられた
N型のSiバッファ領域109と、Siバッファ領域1
09の下方に設けられたN型のSiボディ領域110と
を有する。
ける、しきい値電圧のSiキャップ領域107の厚さに
対する依存性をシミュレーションした結果を示す。
07の厚さを大きくなるにつれて、しきい値電圧の絶対
値が著しく大きくなっている。すなわち、しきい値電圧
が著しく高くなっている。これは、チャネルが形成され
る位置(すなわち、Siキャップ領域107とSiGe
チャネル領域108との界面)がゲート電極から離れて
深くなるほど、ゲート電圧に対して、チャネルのポテン
シャルが十分に変化しないからである。
iキャップ領域107は、SiO2熱酸化膜形成工程、
洗浄工程などで膜減りするため、厚さを制御することが
非常に困難である。従って、Siキャップ領域107の
厚さにバラツキが生じやすい。このため、しきい値電圧
にバラツキが生じやすく、しきい値電圧が高く、所望の
動作を実現できない不具合が出ることがある。
集積回路では、各トランジスタの間でしきい値電圧にバ
ラツキが生じると、各トランジスタの間でスイッチング
時間にバラツキが生じる。その結果、集積回路の各トラ
ンジスタ間でタイミングにズレが生じ、集積回路が正常
動作しなくなるおそれがある。また、しきい値電圧のバ
ラツキを考慮して動作マージンを確保する場合、最も遅
いスイッチング時間を基準としなければならないので、
集積回路の動作を高速化することが難しい。
されたものであり、しきい値電圧の増大が抑制された半
導体装置を提供することを目的とする。
板の上部に設けられた半導体層と、上記半導体層の上に
設けられたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上に設
けられたゲート電極と、上記半導体層のうち上記ゲート
電極の両側方に設けられた第1導電型の第1ソース・ド
レイン領域と、上記半導体層のうち上記第1ソース・ド
レイン領域間に位置する領域に設けられた第1の半導体
からなる第1導電型の第1キャップ領域と、上記半導体
層のうち上記第1キャップ領域の下方に設けられ、上記
第1の半導体よりもキャリアが走行するバンド端のキャ
リアに対するポテンシャルが小さい第2の半導体からな
る第1チャネル領域と、上記半導体層のうち上記第1チ
ャネル領域の下方に設けられた第3の半導体からなる第
2導電型の第1ボディ領域とを備え、前記第1の半導体
はシリコンからなり、前記第1導電型はp型であり、前
記第2導電型はn型であり、上記第1キャップ領域に含
まれる第1導電型の不純物の濃度は、1×1017ato
ms・cm-3以上1×10 18 atoms・cm -3 以下で
ある。
ャップ領域と、キャップ領域の下方に設けられ、上記第
1の半導体よりもキャリアが走行するバンド端のキャリ
アに対するポテンシャルが小さい第2の半導体からなる
第1チャネル領域と、チャネル領域の下方に設けられた
第3の半導体からなる第2導電型の第1ボディ領域とを
備える構成とすることによって、第1キャップ領域の厚
さの増大に対して、しきい値電圧の増大が抑制された半
導体装置を得ることができる。
電気的に接続されていてもよい。
イアス電圧が印加されると、第1ボディ領域を介して第
1チャネル領域にゲートバイアス電圧と同じ大きさの順
方向バイアス電圧が印加されることになる。これによ
り、本発明の半導体装置は、ゲートバイアスオフ時には
通常のMOSトランジスタと同じ状態となり、また、ゲ
ートバイアスオン時には、ゲートバイアス電圧の増大に
ともなって第1ボディ領域が順方向にバイアスされてい
くので、しきい値電圧が低下していく。つまり、低いし
きい値電圧で動作させることができる半導体装置が得ら
れる。また、ゲート電極と第1ボディ領域とが電気的に
接続されている構成とすることによって、第1キャップ
領域の厚さの変動に対するしきい値電圧の変化量を更に
小さくすることができる。
時に空乏化される構成となっている。
て、ゼロバイアス時の上記第1チャネル領域と上記第1
キャップ領域との界面に形成されるチャネルのポテンシ
ャルが±0.05eVの範囲内にあるように、上記第1
キャップ領域に第1導電型の不純物がドーピングされて
いることが好ましい。
変動しても、しきい値電圧の変動が抑制された半導体装
置を得ることができる。
の不純物の濃度は、5×1018atoms・cm-3以上であること
が好ましい。
ラトランジスタに発生するボディ電流を低く抑制するこ
とができる。さらに、ソース・ドレイン領域間に電圧を
印加したときに、ソース領域およびドレイン領域からの
空乏層の広がりが抑制される。従って、ボディ濃度を高
くしても低いしきい値電圧を保つことができ、ゲート長
を短くした場合に生じるショートチャネル効果を抑制す
ることができる。
以下であることが好ましい。
マニウムとを含む構成としてもよい。
半導体層と、上記もう1つの半導体層の上に設けられた
もう1つのゲート絶縁膜と、上記もう1つのゲート絶縁
膜の上に設けられたもう1つのゲート電極と、上記もう
1つの半導体層のうち上記もう1つのゲート電極の両側
方に設けられた第2導電型の第2ソース・ドレイン領域
と、上記もう1つの半導体層のうち上記第2ソース・ド
レイン領域間に位置する領域に設けられ、不純物がドー
ピングされていない第4の半導体からなる第2チャネル
領域と、上記もう1つの半導体層のうち上記第2チャネ
ル領域の下方に設けられた第5の半導体からなる第1導
電型の第2ボディ領域とを備えているNチャネルヘテロ
MOSをさらに備え、相補型デバイスとして機能する構
成としてもよい。
ることが好ましい。
形成されたトランジスタにおけるしきい値電圧の変動が
抑制される。
電気的に接続されており、上記もう1つのゲート電極と
上記第2ボディ領域とが電気的に接続されていてもよ
い。
体基板の上部に、p型である第1導電型の不純物が導入
された第1半導体領域と、n型である第2導電型の不純
物が導入された第2半導体領域とを有する第1半導体層
を形成する工程(a)と、上記第1半導体層上に、第2
半導体層と、上記第2半導体層よりもバンドギャップが
大きいシリコンからなる第3半導体層とを順に形成する
工程(b)と、上記第3半導体層のうちの上記第1半導
体領域に位置する部分の上にマスクを形成し、上記マス
クを用いて、上記第3半導体層のうちの少なくとも上記
第2半導体領域に位置する部分に第1導電型の不純物を
1×1017atoms・cm-3以上1×10 18 atom
s・cm -3 以下導入する工程(c)と、上記マスクを除
去した後、上記第3半導体層のうちの上記第1半導体領
域に位置する部分および上記第2半導体領域に位置する
部分の上に、それぞれゲート絶縁膜とゲート電極とを形
成する工程(d)と、上記各ゲート電極をマスクとし
て、上記第1半導体層、上記第2半導体層および上記第
3半導体層に不純物イオンを注入することによって、上
記第1半導体領域に第2導電型のソース・ドレイン領域
と、上記第2半導体領域に第1導電型のソース・ドレイ
ン領域とを形成する工程(e)と、を含む。
半導体層の厚さの変動に伴う、第2半導体領域に形成さ
れたヘテロMISのしきい値電圧の変動が抑制された相
補型デバイスとして機能する半導体装置が得られる。さ
らに、本発明によれば、第3半導体層のうちの第1半導
体領域に位置する部分には、第1導電型の不純物がドー
ピングされない。このため、本発明の方法によって得ら
れる相補型デバイスとして機能する半導体装置では、第
1半導体領域に形成されたヘテロMISの特性が損なわ
れることがない。
濃度プロファイルの最大値が、上記第2半導体層内また
は上記第3半導体層内に存在するように、不純物イオン
を注入することが好ましい。
されたトランジスタにおけるしきい値電圧の変動が抑制
される。
実施形態を説明する。なお、簡単のため、各実施形態に
共通する構成要素は、同一の参照符号で示す。
MOSの構成を説明する。図1は、SiGe層をチャネ
ル領域として用い、Si/SiGeヘテロ接合を利用し
た、本実施形態のPチャネルヘテロMOS10の断面構
造を示す。
ルヘテロMOS10は、P型のSi基板11と、Si基
板11の上に設けられたSiO2膜(約6nm)からな
るゲート絶縁膜12と、高濃度のP型不純物を含むポリ
シリコンからなり、ゲート絶縁膜12の上に設けられた
ゲート電極13と、ゲート絶縁膜12の上に形成され、
ゲート電極13の側面を覆うサイドウォールスペーサ1
4とを備えている。
MOS10は、その製造工程において、Si基板11の
上部に、結晶成長前にあらかじめイオン注入によって高
濃度のN型不純物(2×1018atoms・cm-3)が導入さ
れて、Si層15が形成されている。このSi層15上
に、UHV−CVD法によりエピタキシャル成長された
Si層16と、SiGe層17と、Si層18とが順に
形成されている。
OS10において、Si層15、Si層16、SiGe
層17およびSi層18のうち、ゲート電極13の両側
方に位置する領域には、高濃度のP型不純物を含むソー
ス領域19及びドレイン領域20が設けられている。
とドレイン領域20との間の領域は、高濃度のN型不純
物を含むSiボディ領域21となっている。Si層16
およびSiGe層17は、いずれもas−grownの
状態では、N型不純物がドープされていないアンドープ
層となっており、Si層16およびSiGe層17のう
ち、ソース領域19とドレイン領域20との間の領域
は、それぞれ低濃度のN型不純物を含むSiバッファ領
域22、および低濃度のN型不純物を含むSiGeチャ
ネル領域23となっている。Si膜18のうちゲート絶
縁膜12の直下に位置する領域は、P型不純物(5×1
017atoms・cm-3)が導入されたSiキャップ領域24
となっている。なお、ゲート絶縁膜12は、Si層18
を熱酸化することによって形成されている。本実施形態
のPチャネルヘテロMOS10の動作時には、ゲート電
極13に印加されたゲートバイアス電圧によって、Si
Geチャネル領域23およびSiキャップ領域24は空
乏化し、正孔がSiGeチャネル領域23を走行する。
Ge層17、つまり、SiGeチャネル領域23の厚さ
は15nmである。また、SiGeチャネル領域23に
おけるGe含有率は30%である。
と、本実施形態のヘテロMOS10とについて、しきい
値電圧とSiキャップ領域の厚さとの相関関係を表す。
ップ領域107にN型不純物がドーピングされており、
しきい値電圧とSiキャップ領域の厚さとの相関関係
は、図2に示す一点鎖線(A)で表される。
-3程度ドーピングされたSiキャップ領域24を備える
本実施形態のヘテロMOS10では、しきい値電圧とS
iキャップ領域の厚さとの相関関係は、図2に示す実線
(B)で表される。図2からわかるように、本実施形態
のヘテロMOS10では、従来のヘテロMOS100に
比べて、しきい値の変動が小さくなっている。さらに、
Siキャップ領域24のP型不純物濃度を多くした場合
(P型不純物濃度1×1018atoms・cm-3)には、従来
のヘテロMOS100の場合とは逆に、図2に示す破線
(C)で表されるように、Siキャップ領域24の厚さ
が大きくなるにつれて、しきい値電圧の絶対値は小さく
なる。つまり、しきい値電圧は低くなる。これは、Si
キャップ領域24のうちドーピング濃度の高い領域が厚
くなり、SiGeチャネル領域23のポテンシャルが低
くなるからである。
不純物をドーピングすることによって、プロセスにおけ
るバラツキによってSiキャップ領域24の厚さが増大
しても、しきい値電圧の増大を抑えることができる。
ップ領域107は、加工時にSiO 2熱酸化膜形成工
程、洗浄工程などで膜減りするため、厚さを制御するこ
とが非常に困難である。従って、Siキャップ領域10
7の厚さにバラツキが生じやすい。このため、同一ウェ
ハ内および各ウェハ間において、しきい値電圧のバラツ
キを生じさせる原因となっており、従来のヘテロMOS
における大きな問題となっている。
プ領域24にP型不純物を適度にドーピングすることに
よって、プロセスにおけるバラツキによってSiキャッ
プ領域24の厚さが変動しても、しきい値電圧の変動を
小さく抑えることができる。このことを、図3を参照し
ながさらに詳しく説明する。
ュレーションに用いた不純物プロファイルを有する3種
類のヘテロMOSについて、ゼロバイアス時のバンドプ
ロファイルを示す図である。図3(A)〜(C)には、
Siキャップ領域の厚さ1、2、5および10nmにお
ける、それぞれ4種類のバンドプロファイルを示してい
る。
OS100では、SiGeチャネル領域23の価電子帯
のポテンシャル(図中の凸状部分)の絶対値が、Siキ
ャップ領域24の厚さの増大に伴って高くなっている。
このことがしきい値電圧の上昇につながっている。
ップ領域24にP型不純物を5×101 7atoms・cm-3程度ド
ーピングした本実施形態のヘテロMOS10では、Si
キャップ領域24の厚さが変動しても、SiGeチャネ
ル領域23の価電子帯のポテンシャル(図中の凸状部
分)はほぼ一定であり、界面における価電子帯端のポテ
ンシャルが±0.05eVの範囲内にある。つまり、し
きい値電圧の変動が抑制されている。
グされるP型不純物の濃度を高くした場合には、図3
(C)に示すように、Siキャップ領域24の厚さの増
大に伴って、SiGeチャネル領域23の価電子帯のポ
テンシャル(図中の凸状部分)の絶対値は低くなってい
る。これは、図2において破線で示したしきい値電圧の
低下と対応している。
厚さの変化に対して、しきい値電圧の変動を小さくする
ためには、SiGeチャネル領域23のポテンシャルが
ほぼ等しくなるようドーピング濃度を設定すればよいこ
とがわかる。
種類のヘテロMOSのVg−Id特性を、図4に示す。
図4は、図2および図3に示した3種類のヘテロMOS
におけるVg−Id特性のシミュレーション結果であ
る。ここでは、Siキャップ領域24およびSiキャッ
プ領域107の厚さは5nmである。
れる従来のヘテロMOS100に比べて、実線(B)で
表されるSiキャップ領域24にP型不純物を5×10
17atoms・cm-3程度ドーピングした本実施形態のヘテロM
OS10は、所定のドレイン電流を低いゲート電圧で流
すことができる。さらに、Siキャップ領域24にドー
ピングされるP型不純物の濃度を高くした場合には、破
線(C)で表されるように、所定のドレイン電流をさら
に低いゲート電圧で流すことができる。
MOS100に比べて、Siキャップ領域24にP型不
純物をドーピングした本実施形態のヘテロMOS10
は、しきい値電圧を小さくすることができるという効果
が有る。なお、Siキャップ領域24の厚さの変動に伴
う、ヘテロMOSのしきい値電圧の変動を抑制するため
には、Siキャップ領域24に含まれるP型不純物の濃
度は、1×1017atoms・cm-3以上であればよい。また、
Siキャップ領域24に含まれるP型不純物の濃度が1
×1018atoms・cm-3以下であることが好ましい。これ
は、図2および図3に示すように、上記のP型不純物の
濃度の範囲では、Siキャップ領域24の厚さの変動に
伴うヘテロMOSのしきい値電圧の変動を抑制する効果
が高いからである。
圧を印加することによって、ゲート絶縁膜12(SiO
2)/Siキャップ領域24の界面(寄生チャネル)、
およびSiキャップ領域24/SiGeチャネル領域2
3の界面(チャネル)に蓄積されるホールのピーク濃度
をゲート電圧に対してプロットしたものである。
1017atoms・cm-3)がドーピングされたSiキャップ
領域107を備える従来のヘテロMOS100(一点鎖
線(A))では、Siキャップ領域24/SiGeチャ
ネル領域23の界面に蓄積されるホール数が寄生チャネ
ルのホール数より大きい範囲は、図中の電圧範囲Aであ
る。一方、Siキャップ領域24にP型不純物がドーピ
ングされたSiキャップ領域24を備える本実施形態の
ヘテロMOS10では、Siキャップ領域24/SiG
eチャネル領域23の界面に蓄積されるホール数が寄生
チャネルのホール数より大きい範囲が、P型不純物濃度
が5×1017atoms・cm-3(実線(B))、1×10
18atoms・cm-3(破線(C))と増大するにつれて、
図中の電圧範囲B、Cと順次拡大していることがわか
る。これは、従来のヘテロMOS100において問題と
なっている寄生チャネルを抑制し、高い駆動力を得るこ
とができることを示している。
4にP型不純物を適度に導入することによって、Siキ
ャップ領域24の厚さの変動に伴う、ヘテロMOSのし
きい値電圧の変動を抑制することが可能となる。従っ
て、プロセスのバラツキに起因したSiキャップ領域2
4の厚さにバラツキが生じた場合にも、同一ウェハ内、
各ウェハ間、ロット間におけるしきい値のバラツキを低
減することができる。特に、本実施形態のヘテロMOS
10を複数個用いて集積回路を構成する場合、各ヘテロ
MOS10の間でしきい値電圧のバラツキをより低減す
るためには、各ヘテロMOS10におけるSiキャップ
領域24の厚さもあまり変化しないことが好ましく、具
体的には10nm以下であることが好ましい。
ることも可能である。さらに、従来のヘテロMOSで課
題となっている寄生チャネルを抑制し、高い駆動力を実
現することができる。
DTMOSの構成を説明する。図6は、SiGe層をチ
ャネル領域として用い、Si/SiGeヘテロ接合を利
用した、本実施形態のPチャネルヘテロDTMOS60
の断面構造を示す。図7は、本実施形態のPチャネルヘ
テロDTMOS60の上面図である。
ルヘテロDTMOS60は、P型のSi基板11と、S
i基板11の上に設けられたSiO2膜(約6nm)か
らなるゲート絶縁膜12と、高濃度のP型不純物を含む
ポリシリコンからなり、ゲート絶縁膜12の上に設けら
れたゲート電極13と、ゲート絶縁膜12の上に形成さ
れ、ゲート電極13の側面を覆うサイドウォールスペー
サ14とを備えている。
DTMOS60は、その製造工程において、Si基板1
1の上部に、結晶成長前にあらかじめイオン注入によっ
て高濃度のN型不純物(2×1018atoms・cm-3)が導
入されて、Si層15が形成されている。このSi層1
5上に、UHV−CVD法によりエピタキシャル成長さ
れたSi層16と、SiGe層17と、Si層18とが
順に形成されている。
TMOS60において、Si層15、Si層16、Si
Ge層17およびSi層18のうち、ゲート電極13の
両側方に位置する領域には、高濃度のP型不純物を含む
ソース領域19及びドレイン領域20が設けられてい
る。
とドレイン領域20との間の領域は、高濃度のN型不純
物を含むSiボディ領域21となっている。Siボディ
領域21とゲート電極13とは、配線25で電気的に短
絡されている。具体的には、図7に示すように、ゲート
電極13とSiボディ領域21とが、チャネルが形成さ
れる領域外で直接接続されている。
れもas−grownの状態では、N型不純物がドープ
されていないアンドープ層となっており、Si層16お
よびSiGe層17のうち、ソース領域19とドレイン
領域20との間の領域は、それぞれ低濃度のN型不純物
を含むSiバッファ領域22、および低濃度のN型不純
物を含むSiGeチャネル領域23となっている。Si
膜18のうちゲート絶縁膜12の直下に位置する領域
は、P型不純物(5×1017atoms・cm-3)が導入され
たSiキャップ領域24となっている。なお、ゲート絶
縁膜12は、Si層18を熱酸化することによって形成
されている。本実施形態のPチャネルヘテロMOS10
の動作時には、ゲート電極13に印加されるゲートバイ
アス電圧によって、SiGeチャネル領域23およびS
iキャップ領域24は空乏化し、正孔がSiGeチャネ
ル領域23を走行する。
Ge層17、つまり、SiGeチャネル領域23の厚さ
は15nmである。また、SiGeチャネル領域23に
おけるGe含有率は30%である。
は、上記実施形態1で示したヘテロMOSの構造と同じ
であるが、ゲート電極13とSiボディ領域21が電気
的に短絡されている点が異なる。
図6に示すように、ゲート電極13と、Siボディ領域
21とが短絡されている。このため、ゲート電極13に
ゲートバイアス電圧が印加されると、Siボディ領域2
1を介してSiチャネル領域23にゲートバイアス電圧
と同じ大きさの順方向バイアス電圧が印加されることに
なる。これにより、ゲートバイアスオフ時には通常のM
OSトランジスタと同じ状態となり、また、ゲートバイ
アスオン時には、ゲートバイアス電圧の増大にともなっ
てSiボディ領域21が順方向にバイアスされていくの
で、しきい値電圧が低下していく。従って、従来のSi
基板を用いたDTMOSに比べて、低いしきい値電圧で
動作させることができる。
では、基板バイアス係数γを大きくできるので、動作時
のしきい値が大きく低下し、実効的なゲートオーバード
ライブ量が増大する。この結果、高いオン電流を得るこ
とができる。つまり、ヘテロDTMOS60によれば、
低電圧でも高い電流駆動力、および速いスイッチング速
度を実現することができる。
て、ゲート電極13とSiボディ領域21が電気的に短
絡されているヘテロDTMOS(以下、従来型へテロD
TMOSと称す)と、Siキャップ領域24にP型の不
純物を導入した本実施形態のヘテロDTMOS60とに
ついて、しきい値電圧とSiキャップ領域の厚さとの相
関関係を表す。
プ領域107にN型不純物がドーピングされており、し
きい値電圧とSiキャップ領域の厚さとの相関関係は、
図8に示す一点鎖線(a)で表される。
-3程度ドーピングされたSiキャップ領域24を備える
本実施形態のヘテロDTMOS60では、しきい値電圧
とSiキャップ領域24の厚さとの相関関係は、図8に
示す実線(b)で表される。図8からわかるように、本
実施形態のヘテロDTMOS60では、従来型ヘテロD
TMOSに比べて、しきい値の変動が小さくなってい
る。さらに、Siキャップ領域24のP型不純物濃度を
多くした場合(P型不純物濃度1×1018atoms・c
m-3:図8中の破線(c))には、従来型ヘテロDTM
OSの場合(一点鎖線(a))とは逆に、Siキャップ
領域24の厚さを大きくなるにつれて、しきい値電圧の
絶対値は小さくなる。つまり、しきい値電圧は低くな
る。これは、Siキャップ領域24のうちドーピング濃
度の高い領域が厚くなり、SiGeチャネル領域23の
ポテンシャルが低くなるからである。
S10における、しきい値電圧の変動に比べて、その変
化量が小さくなっている。このことから、上記実施形態
1のヘテロMOS10に比べて、本実施形態のヘテロD
TMOS60の方が、しきい値電圧の安定化に対して有
効であることがわかる。なお、Siキャップ領域24の
厚さの変動に伴う、ヘテロDTMOSのしきい値電圧の
変動を抑制するためには、Siキャップ領域24に含ま
れるP型不純物の濃度は、1×1017atoms・cm -3以上で
あればよい。また、Siキャップ領域24に含まれるP
型不純物の濃度が1×1018atoms・cm-3以下であること
が好ましい。これは、図8に示すように、上記のP型不
純物の濃度の範囲では、Siキャップ領域24の厚さの
変動に伴うヘテロMOSのしきい値電圧の変動を抑制す
る効果が高いからである。
キャップ領域24にP型不純物を導入した本実施形態の
ヘテロDTMOS60とについて、Vg−Id特性をシ
ミュレーションした結果を示す。ここでは、従来型へテ
ロDTMOSのSiキャップ領域107、および本実施
形態のヘテロDTMOS60のSiキャップ領域24の
厚さは、いずれも5nmである。
従来型へテロDTMOSと、実線(b)で表される本実
施形態のヘテロDTMOS60とを比較すると、しきい
値電圧を小さくすることができることがわかる。
N型のボディ(ベース)−P型のソース領域19(エミ
ッタ)・ドレイン領域20(コレクタ)間に横方向の寄
生バイポーラトランジスタが発生し、このトランジスタ
がオンして流れるボディ電流が実用上問題となることが
ある。
DTMOSと、本実施形態のヘテロDTMOS60との
間では、ボディ電流に変化がない。つまり、本実施形態
のヘテロDTMOS60では、ボディ電流とドレイン電
流の差が拡大され、ボディ電流で制限される動作電圧範
囲の拡大を図ることができる。
ィ領域21のN型不純物濃度:2×1018atoms・c
m-3)と本実施形態のヘテロDTMOS60とのしきい
値が等しくなるように、本実施形態のヘテロDTMOS
60のSiボディ領域21のN型不純物濃度を高く(2
×1019atoms・cm-3)設定し、それぞれのヘテロDT
MOSのVg−Id特性を示した図である。
4にP型不純物をドーピングすることによって、しきい
値が低下する分、ボディ領域21の不純物濃度を高く設
定できる。ボディ領域21の不純物濃度が高くなると、
ソース−ボディ間のビルトインポテンシャルが増大す
る。従って、横方向の寄生バイポーラトランジスタに発
生するボディ電流を低く抑制することができる。すなわ
ち、動作電圧範囲の拡大が図れる。さらに、ボディ領域
21の不純物濃度を高くすると、ソース−ドレイン間に
電圧を印加したときに、ソース領域19およびドレイン
領域20からの空乏層の広がりが抑制される。従って、
ボディ濃度を高くしても低いしきい値電圧を保つことが
でき、ゲート長を短くした場合に生じるショートチャネ
ル効果も十分に抑制することができる。なお、本実施形
態では、Siボディ領域21の不純物濃度を2×1019
atoms・cm-3に設定しているが、5×1018atoms・cm
-3以上であれば、同様の効果が得られる。
4にP型不純物を適度にドーピングすることによって、
Siキャップ領域の厚さの変動に伴う、しきい値電圧の
変動を抑制することが可能となる。従って、プロセスの
バラツキに起因したSiキャップ領域24の厚さにバラ
ツキが生じた場合にも、同一ウェハ内、各ウェハ間、ロ
ット間におけるしきい値のバラツキを低減することがで
きる。特に、本実施形態のヘテロDTMOS20を複数
個用いて集積回路を構成する場合、各ヘテロDTMOS
60の間でしきい値電圧のバラツキをより低減するため
には、各ヘテロDTMOS60におけるSiキャップ領
域24の厚さもあまり変化しないことが好ましく、具体
的には10nm以下であることが好ましい。
を適度にドーピングすることによって、しきい値電圧を
下げることも可能である。
っているボディ電流を抑制し、広い動作電圧範囲を実現
することができ、ショートチャネル効果を十分抑制する
ことができる。
テロMOSの構成を説明する。図11は、SiGe層を
チャネル領域として用い、Si/SiGeヘテロ接合を
利用した、本実施形態の相補型ヘテロMOS70の断面
構造を示す。
ヘテロMOS70は、Si層15aと、Si層15aに
酸素イオンを注入するなどの方法により形成された埋め
込み酸化膜15bと、埋め込み酸化膜15bの上に設け
られたPチャネルヘテロMOS(以下、P−ヘテロMO
Sと称す)用の半導体層30と、埋め込み酸化膜15b
の上に設けられたNチャネルヘテロMOS(以下、N−
ヘテロMOSと称す)用の半導体層90とを有してい
る。半導体層30の上には、SiO2膜(約6nm)か
らなるゲート絶縁膜12と、高濃度のP型不純物を含む
ポリシリコンからなり、ゲート絶縁膜12の上に設けら
れたゲート電極13と、ゲート絶縁膜12の上に形成さ
れ、ゲート電極13の側面を覆うサイドウォールスペー
サ14とが設けられている。また、半導体層90の上に
は、SiO2膜(約6nm)からなるゲート絶縁膜72
と、高濃度のN型不純物を含むポリシリコンからなり、
ゲート絶縁膜72の上に設けられたゲート電極73と、
ゲート絶縁膜72の上に形成され、ゲート電極73の側
面を覆うサイドウォールスペーサ74とが設けられてい
る。
造工程において、P−ヘテロMOS用の半導体層30に
は、結晶成長前にあらかじめイオン注入によって高濃度
のN型不純物(2×1018atoms・cm-3)が導入され
て、Si層15が形成されている。このSi層15上
に、UHV−CVD法によりエピタキシャル成長された
Si層16と、SiGe層17と、Si層18とが順に
形成されている。さらに、Si層15、Si層16、S
iGe層17およびSi層18のうち、ゲート電極13
の両側方に位置する領域には、高濃度のP型不純物を含
むソース領域19及びドレイン領域20が設けられてい
る。
イン領域20との間の領域は、高濃度のN型不純物を含
むSiボディ領域21となっている。Si層16および
SiGe層17は、いずれもas−grownの状態で
は、N型不純物がドープされていないアンドープ層とな
っており、Si層16およびSiGe層17のうち、ソ
ース領域19とドレイン領域20との間の領域は、それ
ぞれ低濃度のN型不純物を含むSiバッファ領域22、
および低濃度のN型不純物を含むSiGeチャネル領域
23となっている。Si膜18のうちゲート絶縁膜12
の直下に位置する領域は、P型不純物(5×1017atom
s・cm-3)が導入されたSiキャップ領域24となって
いる。なお、ゲート絶縁膜12は、Si層18を熱酸化
することによって形成されている。
にも、結晶成長前にあらかじめイオン注入によって高濃
度のP型不純物(2×1018atoms・cm-3)が導入され
て、Si層75が形成されている。このSi層75上
に、UHV−CVD法によりエピタキシャル成長された
Si層76と、SiGe層77と、Si層78とが順に
形成されている。さらに、Si層75、Si層76、S
iGe層77およびSi層78のうち、ゲート電極73
の両側方に位置する領域には、高濃度のN型不純物を含
むソース領域79及びドレイン領域80が設けられてい
る。
イン領域80との間の領域は、高濃度のP型不純物を含
むSiボディ領域81となっている。Si層76および
SiGe層77は、いずれもas−grownの状態で
は、P型不純物がドープされていないアンドープ層とな
っており、Si層76およびSiGe層77のうち、ソ
ース領域79とドレイン領域80との間の領域は、それ
ぞれ低濃度のP型不純物を含むSiバッファ領域82、
および低濃度のP型不純物を含むSiGe領域83とな
っている。Si膜78のうちゲート絶縁膜72の直下に
位置する領域は、Siチャネル領域84となっている。
特に、本実施形態のN−ヘテロMOSのSiチャネル領
域84は、as−grownの状態では不純物がドープ
されていないアンドープ層となっている。
あり、SiGe層17および77、つまり、SiGeチ
ャネル領域23およびSiGe領域83の厚さは15n
mである。また、SiGeチャネル領域23およびSi
Ge領域83におけるGe含有率は30%である。
の相補型ヘテロMOS70は、SOI基板上に形成され
た、上記実施形態1のヘテロMOS10とほぼ同じ構造
のP−ヘテロMOSと、上記実施形態1のヘテロMOS
10とほぼ同じ構造であるが、ヘテロMOS10の各部
の導電型を全て逆に入れ替わっており、更にSiチャネ
ル領域84にはP型不純物がドーピングされていない点
が異なるN−ヘテロMOSとを備えている。
製造方法を、図12を参照しながら説明する。図12
は、本実施形態の相補型ヘテロMOS70の製造方法を
表す工程断面図である。
15aと、埋め込み酸化膜15bと、Si層15cとか
らなるSOI基板71を用意する。続いて、イオン注入
によって、Si層15cに濃度が約2×1018atoms ・c
m-3の不純物が導入されたn+Si領域(P−ヘテロMO
S領域)とp+Si領域(N−ヘテロMOS領域)とを
形成する。続いて、このSi層15c上に、UHV−C
VD法を用いたエピタキシャル成長によって、Si層1
6aと、SiGe層17aと、Si層18aとを順に形
成する。このとき、上記各層はアンドープ層であり、S
i層16aの厚みが10nm、SiGe層17aの厚み
が15nm、Si層18aの厚みが5nmとなり、Si
Ge層17aにおけるGe含有率が30%となるように
各層を形成する。
テロMOS領域の上にレジストマスクを堆積する。続い
て、レジストマスクをマスクとして、P−ヘテロMOS
領域のSi層18aに濃度が約5×1017atoms・cm-3
のP型不純物をイオン注入により導入する。
トマスクを除去した後、P−ヘテロMOS領域およびN
−ヘテロMOS領域のSi層18a上に、それぞれゲー
ト絶縁膜12および72を形成し、その上に高濃度のN
型不純物がドープされたポリシリコンからなるn+型の
ゲート電極13と、高濃度のP型不純物がドープされた
ポリシリコンからなるp+ 型のゲート電極73とをそれ
ぞれ形成する。その後、ゲート電極73の側面を覆うサ
イドウォールスペーサ14および74を形成する。
ト電極と各サイドウォールスペーサとをマスクとして、
高濃度の不純物イオンを注入することによって、n+型
のソース領域19およびドレイン領域20と、p+型の
ソース領域79およびドレイン領域80とを形成する。
って、P−ヘテロMOS領域とN−ヘテロMOS領域と
を分離する。このことによって、P−ヘテロMOS領域
にはSi層15、Si層16、SiGe層17およびS
i層18が形成され、N−ヘテロMOS領域にSi層7
5、Si層76、SiGe層77およびSi層78が形
成される。
20との間の領域には、Siボディ領域21、Siバッ
ファ領域22、SiGeチャネル領域23、およびSi
キャップ領域24が形成される。また、ソース領域79
とドレイン領域80との間の領域には、Siボディ領域
81、Siバッファ領域82、SiGe領域83、およ
びSiチャネル領域84が形成される。
型ヘテロMOS70が得られる。
造方法で、高性能のヘテロMOSを用いたCMOSデバ
イスを作製することができる。なお、P−ヘテロMO
S、N−ヘテロMOSのそれぞれにおいて、ゲート電極
とSiボディ領域とをコンタクトによって接続すること
によって、相補型ヘテロDTMOSとしてもよい。
Siキャップ領域24にP型不純物を適度に導入するこ
とによって、Siキャップ領域24の厚さの変動に伴
う、ヘテロMOSのしきい値電圧の変動を抑制すること
が可能となる。従って、プロセスのバラツキに起因した
Siキャップ領域24の厚さにバラツキが生じた場合に
も、同一ウェハ内、各ウェハ間、ロット間におけるしき
い値のバラツキを低減することができる。また、P−ヘ
テロMOSのしきい値電圧を下げることも可能である。
さらに、従来のヘテロMOSで課題となっている寄生チ
ャネルを抑制し、高い駆動力を実現することができる。
70では、N−ヘテロMOSのSiチャネル領域84に
は、P型不純物がドーピングされていない。このため、
N−ヘテロMOSの特性を損なうことがない。このこと
を、図13(a)および(b)を用いて更に説明する。
図13(a)は、本実施形態の相補型ヘテロMOS70
が備えるP−ヘテロMOSのゲートバイアス電圧が印加
されたときのバンドプロファイルを示す図であり、図1
3(b)は、本実施形態の相補型ヘテロMOS70が備
えるN−ヘテロMOSのゲートバイアス電圧が印加され
たときのバンドプロファイルを示す図である。
OSでは、チャネルがSiGeチャネル領域23に形成
され、正孔が走行する。
OSでは、チャネルがSiチャネル領域84に形成さ
れ、電子が走行する。上述の相補型ヘテロMOS70の
製造方法において、図12(a)に示す工程で、Si層
18aにP型不純物をインサイチュドーピングによって
導入しながら形成した場合、最終的にP型不純物がドー
ピングされたSi層78が形成される。このため、Si
チャネル領域84の価電子帯は、図13(b)中の破線
で示されるようなポテンシャルを有するようになり、し
きい値電圧が上昇する。
(a)に示す工程で、P型不純物のインサイチュドーピ
ングは行なわず、P−ヘテロMOS領域に位置するSi
層18aにのみイオン注入によってP型不純物を導入す
る。このため、最終的にSi層78にはP型不純物がほ
とんど導入されない。従って、Siチャネル領域84の
価電子帯は、図13(b)中の実線で示されるようなポ
テンシャルを有するようになる。このことによって、N
−ヘテロMOSにおけるしきい値電圧の上昇が抑制され
るので、N−ヘテロMOSの特性を損なうことがほとん
どない。
Sが備えるP−ヘテロMOSの、Siボディ領域21、
Siバッファ領域22、SiGeチャネル領域23、お
よびSiキャップ領域24におけるGe組成および不純
物プロファイルを示す。
は、Siキャップ領域24の表面において、最も濃度が
高く(5×1017atoms・cm-3)、表面からの深さが増
すにつれて、濃度が低下している。
OSの製造方法では、イオン注入によってP型不純物を
導入することによってSiキャップ領域24を形成して
いるので、Siキャップ領域24の下方に位置する領域
にP型不純物が到達することがある。Siキャップ領域
24の下方に位置する領域にP型不純物が到達すると、
Siキャップ領域24/SiGeチャネル領域23の界
面以外に、Siキャップ領域24の表面から深い領域
(例えば、Siバッファ領域22)に正孔が走行する領
域が形成されることがある。このため、ゲート電極13
に印加されるゲートバイアス電圧によって、ドレイン電
流のオンオフを制御することが困難になる。つまり、P
−ヘテロMOSの特性が低下する。
にP型不純物が到達しないようにイオン注入の条件を調
節することが好ましく、また、Siキャップ領域24ま
たはSiGeチャネル領域23において、P型不純物の
濃度が最も高くなるようにする(すなわち、Siキャッ
プ領域24またはSiGeチャネル領域23に、P型不
純物プロファイルのピークが存在する)ことが好まし
い。特に、Siキャップ領域24において、P型不純物
の濃度が最も高くなっていることが好ましく、本実施形
態のように、Siキャップ領域24の表面で最も濃度が
高くなっていることが更に好ましい。
テロMOSの特性を損なうことなく、高性能なP−ヘテ
ロMOSを備えた相補型ヘテロMOSが得られる。
接合MOSトランジスタ、ヘテロ接合DTMOSトラン
ジスタなど、ヘテロ接合をチャネル領域に用いた電界効
果トランジスタに利用される。
抑制された半導体装置を得ることができる。
る。
とについて、しきい値電圧とSiキャップ領域の厚さと
の相関関係を表す図である。
ンに用いた不純物プロファイルを有する3種類のヘテロ
MOSについて、ゼロバイアス時のバンドプロファイル
を示す図である。
SのVg−Id特性を示す図である。
ルとに蓄積されるホールのピーク濃度をゲート電圧に対
してプロットした図である。
である。
TMOSとについて、しきい値電圧とSiキャップ領域
の厚さとの相関関係を表す図である。
TMOSとについて、それぞれのVg−Id特性をシミ
ュレーションした結果を示す図である。
DTMOSについて、それぞれのVg−Id特性を示す
図である。
用い、Si/SiGeヘテロ接合を利用した、本発明の
相補型ヘテロMOSの断面構造を示す図である。
の製造方法を表す工程断面図である。
Sが備えるP−ヘテロMOSのゲートバイアス電圧が印
加されたときのバンドプロファイルを示す図であり、図
13(b)は、本発明の相補型ヘテロMOSが備えるN
−ヘテロMOSのゲートバイアス電圧が印加されたとき
のバンドプロファイルを示す図である。
えるP−ヘテロMOSの、Siボディ領域、Siバッフ
ァ領域、SiGeチャネル領域およびSiキャップ領域
におけるGe組成および不純物プロファイルを示す図で
ある。
のSiキャップ領域の厚さに対する依存性をシミュレー
ションした結果を示す図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 基板と、 上記基板の上部に設けられた半導体層と、 上記半導体層の上に設けられたゲート絶縁膜と、 上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、 上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に設けられ
た第1導電型の第1ソース・ドレイン領域と、 上記半導体層のうち上記第1ソース・ドレイン領域間に
位置する領域に設けられた第1の半導体からなる第1導
電型の第1キャップ領域と、 上記半導体層のうち上記第1キャップ領域の下方に設け
られ、上記第1の半導体よりもキャリアが走行するバン
ド端のキャリアに対するポテンシャルが小さい第2の半
導体からなる第1チャネル領域と、 上記半導体層のうち上記第1チャネル領域の下方に設け
られた第3の半導体からなる第2導電型の第1ボディ領
域と、 を備え、 前記第1の半導体はシリコンからなり、 前記第1導電型はp型であり、 前記第2導電型はn型であり、 上記第1キャップ領域に含まれる第1導電型の不純物の
濃度は、1×1017atoms・cm-3以上1×10 18
atoms・cm -3 以下であることを特徴とする半導体
装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記ゲート電極と上記第1ボディ領域とが電気的に接続
されていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記キャップ領域は、ゲートバイアス印加時に空乏化さ
れる構成となっていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記第1キャップ領域の厚さの変化に対して、ゼロバイ
アス時の上記第1チャネル領域と上記第1キャップ領域
との界面に形成されるチャネルのポテンシャルが±0.
05eVの範囲内にあるように、上記第1キャップ領域
に第1導電型の不純物がドーピングされていることを特
徴とする半導体装置。 - 【請求項5】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記第1ボディ領域に含まれる第2導電型の不純物の濃
度は、5×1018atoms・cm-3以上であることを
特徴とする半導体装置。 - 【請求項6】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記第1キャップ領域の厚さは、10nm以下であるこ
とを特徴とする半導体装置。 - 【請求項7】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記第2の半導体は、シリコンと、ゲルマニウムとを含
むことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項8】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記基板の上部に設けられたもう1つの半導体層と、 上記もう1つの半導体層の上に設けられたもう1つのゲ
ート絶縁膜と、 上記もう1つのゲート絶縁膜の上に設けられたもう1つ
のゲート電極と、 上記もう1つの半導体層のうち上記もう1つのゲート電
極の両側方に設けられた第2導電型の第2ソース・ドレ
イン領域と、 上記もう1つの半導体層のうち上記第2ソース・ドレイ
ン領域間に位置する領域に設けられ、不純物がドーピン
グされていない第4の半導体からなる第2チャネル領域
と、 上記もう1つの半導体層のうち上記第2チャネル領域の
下方に設けられた第5の半導体からなる第1導電型の第
2ボディ領域とを備えているNチャネルヘテロMOSを
さらに備え、 相補型デバイスとして機能することを特徴とする半導体
装置。 - 【請求項9】 請求項8に記載の半導体装置において、 上記ゲート電極と上記第1ボディ領域とが電気的に接続
されており、 上記もう1つのゲート電極と上記第2ボディ領域とが電
気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項10】 半導体基板の上部に、p型である第1
導電型の不純物が導入された第1半導体領域と、n型で
ある第2導電型の不純物が導入された第2半導体領域と
を有する第1半導体層を形成する工程(a)と、 上記第1半導体層上に、第2半導体層と、上記第2半導
体層よりもバンドギャップが大きいシリコンからなる第
3半導体層とを順に形成する工程(b)と、 上記第3半導体層のうちの上記第1半導体領域に位置す
る部分の上にマスクを形成し、上記マスクを用いて、上
記第3半導体層のうちの少なくとも上記第2半導体領域
に位置する部分に第1導電型の不純物を1×1017at
oms・cm-3以上1×10 18 atoms・cm -3 以下
導入する工程(c)と、 上記マスクを除去した後、上記第3半導体層のうちの上
記第1半導体領域に位置する部分および上記第2半導体
領域に位置する部分の上に、それぞれゲート絶縁膜とゲ
ート電極とを形成する工程(d)と、 上記各ゲート電極をマスクとして、上記第1半導体層、
上記第2半導体層および上記第3半導体層に不純物イオ
ンを注入することによって、上記第1半導体領域に第2
導電型のソース・ドレイン領域と、上記第2半導体領域
に第1導電型のソース・ドレイン領域とを形成する工程
(e)と、 を含む、半導体装置の製造方法。 - 【請求項11】 請求項10に記載の半導体装置の製造
方法において、 上記工程(c)では、第1導電型の不純物濃度プロファ
イルの最大値が、上記第2半導体層内または上記第3半
導体層内に存在するように、不純物イオンを注入するこ
とを特徴とする半導体装置の製造方法。
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