JP2001283873A - 高分子電解質型燃料電池用セパレータとその製造法およびこれを用いた高分子電解質型燃料電池 - Google Patents
高分子電解質型燃料電池用セパレータとその製造法およびこれを用いた高分子電解質型燃料電池Info
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Abstract
セパレーター板は、グラッシーカーボン板の切削や膨張
黒鉛のプレス加工などで作成していた。しかし、グラッ
シーカーボン板を用いたものはコストは高く、膨張黒鉛
をプレス加工したものは、振動や衝撃に弱いものであっ
た。 【解決手段】 表面に親水性官能基を付与したカーボン
粒子またはカーボン繊維と、バインダーとの混合体を型
成形する。このとき、ガス流路の凹部底面に凹凸を設け
る。
Description
電気自動車用電源、家庭内コージェネシステム等に使用
する高分子電解質を用いた燃料電池に関する。
を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤
ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱と
を同時に発生させるものである。その構造は、まず、水
素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜の両面に、
白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とす
る触媒反応層を形成する。次に、この触媒反応層の外面
に、燃料ガスの通気性と、電子導電性とを併せ持つ、例
えばカーボンペーパーで拡散層を形成し、この拡散層と
触媒反応層とを合わせて電極とする。
にリークしたり、燃料ガスと酸化剤ガスとが互いに混合
しないように、電極の周囲には高分子電解質膜を挟んで
ガスシール材やガスケットを配置する。このシール材や
ガスケットは、電極及び高分子電解質膜と一体化してあ
らかじめ組み立て、これを、MEA(電極電解質膜接合
体)と呼ぶ場合もある。MEAの外側には、これを機械
的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的
に直列に接続するための導電性のセパレータ板を配置す
る。セパレータ板のMEAと接触する部分には、電極面
に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るた
めのガス流路を形成する。ガス流路はセパレータ板と別
に設けることもできるが、セパレータの表面に溝を設け
てガス流路とする方式が一般的である。
ガスを供給する配管を、使用するセパレータの枚数に分
岐し、その分岐先を直接セパレータ状の溝につなぎ込む
配管治具が必要となる。この治具をマニホールドと呼
び、上記のような燃料ガスの供給配管から直接つなぎ込
むタイプを外部マニホールドを呼ぶ。このマニホールド
には、構造をより簡単にした内部マニホールドと呼ぶ形
式のものがある。内部マニホールドとは、ガス流路を形
成したセパレータ板に、貫通した孔を設け、ガス流露の
出入り口をこの孔まで通し、この孔から直接燃料ガスを
供給するものである。
良好な温度状態に維持するために、冷却水等で冷却する
必要がある。通常、1〜3セル毎に冷却水を流す冷却部
をセパレータとセパレータとの間に挿入するが、セパレ
ータの背面に冷却水流路を設けて冷却部とする場合が多
い。これらのMEAとセパレータおよび冷却部を交互に
重ねていき、10〜400セル積層した後、集電板と絶
縁板を介し、端板でこれを挟み、締結ボルトで両端から
固定するのが一般的な積層電池の構造である。
るセパレータは、導電性が高く、かつ燃料ガスに対して
高いガス気密性を持ち、更に水素/酸素を酸化還元する
際の反応に対して高い耐食性、即ち耐酸性を持つ必要が
ある。このような理由で従来のセパレータは、グラッシ
ーカーボン板または樹脂含浸黒鉛板等の表面に切削加工
でガス流路を形成したり、またガス流路溝を形成したプ
レス金型にバインダーと共に膨張黒鉛粉末を入れ、これ
をプレス加工した後、加熱処理することで作製してい
た。
材料に代えて、ステンレスなどの金属板を用いる試みが
行われている。金属板を用いたセパレータは、金属板が
高温で酸化性の雰囲気に曝されるため、長期間使用する
と、金属板の腐食や溶解が起きる可能性がある。金属板
が腐食すると、腐食部分の電気抵抗が増大し、電池の出
力が低下する。また、金属板が溶解すると、溶解した金
属イオンが高分子電解質に拡散し、これが高分子電解質
のイオン交換サイトにトラップされ、結果的に高分子電
解質自身のイオン電導性が低下する。このような劣化を
避けるため金属板の表面にある程度の厚さを持つ金メッ
キを施すこと通例であった。
案されているように、エポキシ樹脂などに金属粉を混ぜ
ることで作成した導電性樹脂で作成したセパレータが検
討されている。
ータをグラッシーカーボン板や樹脂含浸黒鉛板の切削で
作る方法では、グラッシーカーボン板や樹脂含浸黒鉛板
の材料コストそのものが高価である上に、これを切削す
るためのコストを引き下げることも困難である。また膨
張黒鉛をプレス加工したものは、材料の力学的強度を高
めることが難しく、特に電気自動車の動力源として用い
たときは、走行中の振動や衝撃で、ひびが入ることもあ
った。またガス透過性をなくすることが難しいという課
題もあった。
るため、電池の電極反応で発生した生成水に対して塗れ
性が悪く、セパレータ表面に形成したガス流路が生成水
で目づまりを起こす、いわゆるフラッディングの問題が
あった。燃料電池を数多く直列に積層した場合は、セパ
レーター表面の生成水による塗れ性が悪いために、積層
した電池間のガス分配が不均一になり、性能のバラツキ
を招くと言う課題もある。
合して成形するため、膨張黒鉛そのものの導電性に比べ
て、成形後のセパレーターはその導電性が著しく低下す
る。また、膨張黒鉛の嵩密度が小さいため、プレス成形
しても十分に緻密な成形体が得られにくく、ガス透過性
が大きくなる等の問題があった。
は、グラッシーカーボンや金属板、さらには膨張黒鉛を
プレス加工したものに較べても導電性が低く、さらに樹
脂の表面が硬いため、電極との接触部分の電気抵抗を下
げるためには、強い圧力で締め付ける必要があり、それ
だけ電池構造が複雑になった。
め本発明の高分子電解質型燃料電池用セパレータは、表
面の少なくとも一部に親水性官能基を有する導電性カー
ボンと、バインダーとを加圧成形したことを特徴とす
る。
基を有する導電性カーボンと、バインダーとを加圧加熱
成形したことを特徴とする。
なくとも一部に親水性官能基を付与したことが有効であ
る。
性を高くしたことが有効である。
多角錐形状、円錐台形状または多角錐台形状を有し、セ
パレ−タ板の放線方向から見た断面径の平均が50μm
以上1mm以下であることが有効である。
ボンを酸化処理することで、前記導電性カーボンの表面
に酸化物官能基を付与したことが有効である。
焼成、オゾン処理、もしくはプラズマ処理、または酸性
溶液への浸漬処理であることが有効である。
とを接合し、前記絶縁性平板と前記導電性リブとの接合
面に、前記接合面より小さい面積の貫通穴を設けたこと
を特徴とする高分子電解質型燃料電池用セパレータであ
る。
とバインダーとの加圧成形体もしくは加圧加熱成形体で
あることが有効である。
も一部を親水化したことが望ましい。
解質膜と、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む
位置に配置した一対の電極とを具備した単電池を、前記
電極の一方に水素を含む燃料ガスを供給排出し、他方に
酸素を含む酸化剤ガスを供給排出するガス流通路を形成
した一対の導電性セパレータを介して積層した高分子電
解質型燃料電池において、前記の導電性セパレータを用
いたことを特徴とする高分子電解質型燃料電池である。
用セパレータは、導電性セパレータに、予め表面に親水
性官能基を付与したカーボン粒子またはカーボン繊維
と、樹脂またはエラストマーなどのバインダーとの混合
体を、型成形により作成する。これにより、カーボン粒
子またはカーボン繊維と、樹脂またはエラストマーとの
接触角が小さくなり、型成形体の機械的強度を向上する
ことができるため、バインダーの混合量を少なくして
も、型成形を容易にすることができる。さらにこれによ
り、型成形体中のカーボン充填量を向上できるため、型
成形体の導電性を向上することができる。また、同じの
理由により、型成形体中のカーボン充填量を向上でき、
カーボンの最密充填が可能となるため、ガス透過性を小
さくすることも出来る。
表面の少なくとも一部に親水性官能基を付与すること
で、カーボン粒子またはカーボン繊維と、水との接触角
も小さくすることができる。このため、型成形体表面の
水に対する塗れ性が良くなり、積層した電池間のガス分
配が不均一になった場合でも、積層した電池間の性能の
バラツキを低減できると同時に、特に高電流密度におけ
る発電時に生成水の除去をスムーズに行うことができる
ため、電池特性も向上する。
親水性官能基を付与する方法としては、カーボン粒子ま
たはカーボン繊維を酸化処理する方法が有効であること
を発見した。具体的には、酸化処理が、空気中等の酸素
を含む酸化雰囲気中で400℃〜600℃程度の温度で
短時間焼成処理する方法、またはカーボン粒子またはカ
ーボン繊維をオゾン雰囲気中で処理する方法、またはカ
ーボン粒子またはカーボン繊維をプラズマ処理する方
法、またはカーボン粒子またはカーボン繊維を硝酸等の
酸溶液へ浸漬処理し水洗する方法が有効であることを発
見した。
用いるときは、導電性セパレータのガス流路の少なくと
も凹部表面または凹部底面に、平均50μm以上で1m
m以下の凹凸を設けることで、導電性セパレーターのガ
ス流路の親水性がさらに向上し、このため、セパレータ
ー表面の生成水による塗れ性が一層向上するため、積層
した電池間のガス分配をより均一化し、これにより積層
した各電池毎の性能バラツキを低減することができた。
塗れ性を向上することは、特に高い電流密度で運転する
時に、セパレーター内に滞留する生成水をスムーズに除
去し、電池性能の低下を押さえることができることを発
見した。ただし、この効果はセパレーターを構成する材
料が持つ水との接触角が、90度より小さい時にのみ効
果的であった。すなわち、セパレーターを構成する材料
が持つ水との接触角が90度以上であり、セパレーター
の構成材料が撥水性を有するとき、セパレータのガス流
路に凹凸を設けると、逆にセパレーターの撥水性が向上
し、逆効果となる。そこで、セパレーターを構成するカ
ーボン粒子またはカーボン繊維の表面に親水性官能基を
付与し、カーボン粒子またはカーボン繊維と水との接触
角を小さくすることが、親水化の効果的な構成となるこ
とを発見した。
けるための量産手法としては、カーボン粒子またはカー
ボン繊維の少なくとも一方と、樹脂またはエラストマー
などのバインダーとの混合体を型成形し、ここで用いる
成形用型に、凹凸部分を設けることで、セパレーターの
ガス流路部に簡便に凹凸を設けることが可能であった。
さらにこのとき、成形用型に設けた凹凸部を、逆円錐形
状、逆多角錐形状、逆円錐台形状または逆多角錐台形状
にすることで、型成形した際のセパレーターの型からの
離型性を向上することが出来ることを発見した。
1mm以下、好ましくは平均100μm以上で1mm以
下にすることで、導電性セパレーターのガス流路の親水
性が効果的に向上し、セパレーター表面の生成水による
塗れ性もより向上できることを発見した。
性平板と導電性リブで構成し、高強度の絶縁性平板と導
電性リブとの接合面に、接合面より小さい面積の貫通穴
を設けることで、セパレーターの厚みを薄くすることが
できる。これは、高強度の絶縁性平板と導電性リブとの
接合面に、接合面より小さい面積の貫通穴を設けること
で、セパレーター両面の導電性リブどうしに導電性を持
たせ、全体としては導電性セパレーターとして機能する
ことができるためである。
ドなどのエンジニアリングプラスチックを用いると、さ
らにセパレーターの強度を高くすることができる。そし
て、導電性リブを、カーボン粒子またはカーボン繊維の
少なくとも一方と、樹脂またはエラストマーなどのバイ
ンダーとの混合体を型成形することで、高強度の絶縁性
平板に導電性リブを一体成形することができ、量産性を
著しくあげることが出来た。
ながら説明する。
作成方法を説明する。アセチレンブラック粉末に、平均
粒径が約30Åの白金粒子を25重量%担持したものを
電極の触媒とした。この触媒粉末をイソプロパノ−ルに
分散させた溶液に、パーフルオロカーボンスルホン酸の
粉末をエチルアルコールに分散したディスパージョン溶
液を混合し、触媒ペースト状にした。
ーを撥水処理した。外寸16cm×20cm、厚み36
0μmのカ−ボン不織布(東レ製、TGP−H−12
0)を、フッ素樹脂含有の水性ディスパージョン(ダイ
キン工業製、ネオフロンND1)に含浸した後、これを
乾燥し、400℃で30分加熱することで、撥水性を与
えた。このカ−ボン不織布の一方の面に、触媒ペースト
をクリ−ン印刷法をもちいて塗布することで触媒層を形
成した。このとき、触媒層の一部は、カ−ボン不織布の
中に埋まり込んでいる。このようにして作成した触媒層
とカ−ボン不織布とを合わせて電極とした。形成後の反
応電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パー
フルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2
となるよう調整した。
ン伝導性高分子電解質膜の裏表両面に、一対の電極を触
媒層が電解質膜の側に接するようにホットプレスで接合
し、これを電極電解質膜接合体(MEA)15とした。
ここでは、プロトン伝導性高分子電解質として、パーフ
ルオロカーボンスルホン酸を50μmの厚みに薄膜化し
たものを用いた。
レータについて記載する。まず、平均粒径が約10μm
の人造黒鉛粉末と、繊維状グラファイト(平均直径50
μm、平均長0.5mm)とをオゾン発生器の中に入
れ、撹拌しながら30分間、オゾン雰囲気中で紫外線を
照射した。得られた人造黒鉛粉末および繊維状グラファ
イトの表面分析を行ったところ、カーボン表面には、化
1および化2で示した酸化物官能基即ち親水性官能基が
付与されていたことを確認した。
粉末50重量%と繊維状グラファイト38重量%とに、
熱硬化性フェノール樹脂12重量%を押し出し混練機で
混練し、この混練粉末をガス流路用溝と冷却水流路用溝
およびマニホールドを成形するための加工を施した金型
に投入し、ホットトプレスした。ホットプレスの条件
は、金型温度150℃、圧力100kg/cm2で10
分間とした。得られたセパレーターは、外寸が20cm
×32cm、厚みが1.3mm、ガス流路および冷却水
流路の深さが0.5mmであった。従って、セパレータ
ー板の最も肉薄部の厚みは0.3mmである。このとき
フェノール樹脂は、オゾン処理によって表面に親水性官
能基を付与したカーボン粉末およびグラファイト繊維と
ホットプレスすることで、カーボン粉末とグラファイト
繊維とフェノール樹脂がよくなじみ、緻密で高強度のセ
パレーターを得ることができた。
は、5×10-3Ωcm、密度は1.98g/ml、He
ガスによる気体透過度は2.1×10-17mol・m/
(m2・s・Pa)、曲げ強度は70MPaであった。
粉末とグラファイト繊維とフェノール樹脂とを用いた場
合には、カーボン粉末とグラファイト繊維とフェノール
樹脂のなじみが悪いため、30重量%以上のフェノール
樹脂を混入しなければ、セパレーター板の最も肉薄部の
厚みを0.3mmまで低減できなかった。従って、無処
理のカーボン粉末とグラファイト繊維とフェノール樹脂
を用いた場合には、フェノール樹脂の添加量が多いた
め、導電性が悪く、厚み方向の導電性は15×10-3Ω
cmであった。
ァイト繊維とフェノール樹脂を用い、人造黒鉛粉末50
重量%と繊維状グラファイト38重量%にフェノール樹
脂12重量%を混合して、型成形によりセパレーターを
作成した場合には、薄くしすぎると割れなどが発生し成
形できなかった。そのため、得られたセパレーターは、
外寸が20cm×32cm、厚みが2.2mm、ガス流
路および冷却水流路の深さが0.5mmであった。従っ
て、セパレーター板の最も肉薄部の厚みは1.2mmで
あった。このセパレーターの厚み方向の導電性は、10
×10-3Ωcm、密度は1.75g/ml、Heガスに
よる気体透過度は3.8×10-12mol・m/(m2・
s・Pa)、曲げ強度は30MPaであった。
例による導電性セパレータの表面に形成した酸化剤ガス
流通用溝の形状を示したものである。裏面には、燃料ガ
ス流路用溝または冷却水流路用溝を同様に形成した。図
1中の1は、表面に形成したガス流通溝の凸部の形状を
示したものであり、2は凸部と凸部の間に形成した凹部
であり、この部分をガスが流通する。また、入口と出口
とそれぞれ4カ所ずつ形成した酸化剤ガスのマニホルド
孔(注入口3a、出口3b)と、入口と出口とそれぞれ
3カ所ずつ形成された燃料ガスのマニホルド孔(注入口
4a、出口4b)と、入口と出口とそれぞれ6カ所ずつ
形成された冷却水のマニホルド孔(注入口5a、出口5
b)を形成した。
高分子電解質膜に、冷却水と燃料ガス及び酸化剤ガス流
通用のマニホールド穴を形成した。これらの穴は図1に
示したセパレータと同じ位置で同じ大きさとした。
用い、MEAシートの一方の面に図1の酸化剤ガス流路
が形成された本実施例によるセパレーターを、裏面に燃
料ガス流路が形成された本実施例によるセパレーターを
を重ね合わせ、これを単電池とした。この単電池を2セ
ル積層した後、冷却水路溝を形成したセパレータでこの
2セル積層電池を挟み込み、このパターンを繰り返して
100セル積層の電池スタックを作成した。この時、電
池スタックの両端部には、ステンレス製の集電板と電気
絶縁材料の絶縁板、さらに端板と締結ロッドで固定し
た。この時の締結圧はセパレータの面積当たり15kg
f/cm2とした。
質型燃料電池を、80℃に保持し、一方の電極側に75
℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、もう一
方の電極側に65℃の露点となるように加湿・加温した
空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しない無
負荷時には、96Vの電池開放電圧を得た。またこのと
きの積層電池全体の内部抵抗を測定したところ、約45
mΩであった。
50%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、
本実施例の電池は、8000時間以上にわたって約14
kW(62V−224A)の電池出力を維持することを
確認した。
カーボン繊維の表面に酸化物官能基を付与する方法とし
ては、または酸化処理する方法として、カーボン粒子ま
たはカーボン繊維をオゾン雰囲気中で処理する方法を用
いたが、空気中で約500℃の温度で10分間焼成処理
する方法、またはカーボン粒子またはカーボン繊維をプ
ラズマ処理する方法、またはカーボン粒子またはカーボ
ン繊維を2N硝酸溶液へ1時間浸漬処理し、十分に水洗
する方法、またはカーボン粒子またはカーボン繊維を1
0%過酸化水素水溶液へ1時間浸漬処理し、十分に水洗
する方法でも同様の効果が得られることを確認した。
ラファイト繊維とフェノール樹脂を用い、人造黒鉛粉末
50重量%と繊維状グラファイト30重量%にフェノー
ル樹脂20重量%を混合して、型成形により本実施例と
同等のセパレーターを作成した。得られたセパレーター
は、外寸が20cm×32cm、厚みが1.8mm、ガ
ス流路および冷却水流路の深さが0.5mmであった。
従って、セパレーター板の最も肉薄部の厚みは0.8m
mであった。このセパレーターの厚み方向の導電性は、
18×10-3Ωcm、密度は1.85g/ml、Heガ
スによる気体透過度は1.8×10-13mol・m/
(m2・s・Pa)、曲げ強度は35MPaであった。
このセパレーターを用いて、同様に100セル積層の電
池スタックを作成した。
子電解質型燃料電池を、80℃に保持し、一方の電極側
に75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、
もう一方の電極側に65℃の露点となるように加湿・加
温した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力し
ない無負荷時には、95Vの電池開放電圧を得た。また
このときの積層電池全体の内部抵抗を測定したところ、
約90mΩであった。
40%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、
比較のための電池は、連続運転を行うと初期1〜3時間
程度は約12.8kW(57V−224A)の電池出力
を維持することを確認した。しかしながら、1〜3時間
経過後から、特に両端近辺の電池の電圧が変動を始め、
両端近傍の電池に濡れすぎによるフラッディング現象が
確認できた。また、さらに3〜5時間経過後以降は、積
層した100セルの内、少なくとも1セル以上の発電電
圧が0V以下まで変動するようになり運転を継続するこ
とが不可能となった。
例1と同一の方法で行った。
レータについて記載する。
1.6mmの樹脂含浸黒鉛板を用意した。これに、実施
例1と同一の形状となるよう切削による機械加工を施
し、導電性セパレーターとした。従って、ガス流路およ
び冷却水流路の深さが0.5mmであるため、セパレー
ター板の最も肉薄部の厚みは0.6mmである。得られ
たセパレーターの厚み方向の導電性は、2×10-3Ωc
m、密度は1.9g/ml、Heガスによる気体透過度
は8.3×10-15mol・m/(m2・s・Pa)、曲
げ強度は55MPaであった。このセパレーターのガス
流路の凹部底面に、平均50μm以上の凹凸を設けるた
め、サンドブラスト加工により、平均50μm以上の凹
凸を設けた。
用い、MEAシートの一方の面に図1に示した酸化剤ガ
ス流路を形成したセパレーターを、他面に燃料ガス流路
を形成したセパレーターを重ね合わせ、これを単電池と
した。この単電池を2セル積層した後、冷却水路溝を形
成したセパレータでこの2セル積層電池を挟み込み、こ
のパターンを繰り返して100セル積層の電池スタック
を作成した。この時、電池スタックの両端部には、ステ
ンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板
と締結ロッドで固定した。この時の締結圧はセパレータ
の面積当たり15kgf/cm2とした。
電解質型燃料電池を、80℃に保持し、一方の電極側に
75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、も
う一方の電極側に65℃の露点となるように加湿・加温
した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しな
い無負荷時には、96Vの電池開放電圧を得た。またこ
のときの積層電池全体の内部抵抗を測定したところ、約
40mΩであった。
50%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、
本実施例の電池は、8000時間以上にわたって約14
kW(62V−224A)の電池出力を維持することを
確認した。
流路の少なくとも凹部表面または凹部底面に、平均50
μm以上の凹凸を設けてるため、サンドブラスト加工を
用いたが、これは機械加工による方法であっても全く問
題はなかった。
m、厚みが1.6mmの樹脂含浸黒鉛板に、実施例1と
同一の形状となるよう切削による機械加工を施した。こ
のとき、セパレーターのガス流路の少なくとも凹部表面
または凹部底面の面精度が、平均12.5μm以下にな
るよう加工した。得られたセパレーターの厚み方向の導
電性は、2×10-3Ωcm、密度は1.9g/ml、H
eガスによる気体透過度は8.3×10-15mol・m
/(m2・s・Pa)、曲げ強度は55MPaであっ
た。従って、サンドブラスト加工による表面の凹凸処理
によって、セパレーター自身の物性値は変化しないこと
を確認した。
解質型燃料電池を、80℃に保持し、一方の電極側に7
5℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、もう
一方の電極側に65℃の露点となるように加湿・加温し
た空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しない
無負荷時には、96Vの電池開放電圧を得た。またこの
ときの積層電池全体の内部抵抗を測定したところ、約4
0mΩであった。
40%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、
比較のための電池は、連続運転を行うと初期1〜2時間
程度は約12.8kW(57V−224A)の電池出力
を維持することを確認した。しかしながら、1〜2時間
経過後から、特に両端近辺の電池の電圧が変動を始め、
両端近傍の電池に濡れすぎによるフラッディング現象が
確認できた。また、さらに2〜3時間経過後以降は、積
層した100セルの内、少なくとも1セル以上の発電電
圧が0V以下まで変動するようになり運転を継続するこ
とが不可能となった。
例1と同一の方法で行った。
レータについて記載する。
1.6mmのアモルファスカーボン板を用意した。これ
に、実施例1と同一の形状となるよう切削による機械加
工を施し、導電性セパレーターとした。従って、ガス流
路および冷却水流路の深さが0.5mmであるため、セ
パレーター板の最も肉薄部の厚みは0.6mmである。
得られたセパレーターの厚み方向の導電性は、4×10
-3Ωcm、密度は1.5g/ml、Heガスによる気体
透過度は1.8×10-18mol・m/(m2・s・P
a)、曲げ強度は約100MPaであった。このセパレ
ーターを、空気雰囲気中、500℃で30分焼成するこ
とで、セパレータの少なくともガス流路表面に親水性官
能基を付与した。このセパレーターの表面分析を行った
ところ、カーボン表面には、化3および化4で示した酸
化物官能基すなわち親水性官能基が付与されていたこと
を確認した。
セパレーターの厚み方向の導電性は、4×10-3Ωc
m、密度は1.5g/ml、Heガスによる気体透過度
は1.8×10-18mol・m/(m2・s・Pa)、曲
げ強度は約100MPaであり、酸化物官能基を表面に
付与してもこれらの物性値は変化しなかった。
用い、MEAシートの一方の面に図1に示した酸化剤ガ
ス流路を形成したセパレーターを、他面に燃料ガス流路
を形成したセパレーターをを重ね合わせ、これを単電池
とした。この単電池を2セル積層した後、冷却水路溝を
形成したセパレータでこの2セル積層電池を挟み込み、
このパターンを繰り返して100セル積層の電池スタッ
クを作成した。この時、電池スタックの両端部には、ス
テンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端
板と締結ロッドで固定した。この時の締結圧はセパレー
タの面積当たり10kgf/cm2とした。
電解質型燃料電池を、80℃に保持し、一方の電極側に
75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、も
う一方の電極側に65℃の露点となるように加湿・加温
した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しな
い無負荷時には、96Vの電池開放電圧を得た。またこ
のときの積層電池全体の内部抵抗を測定したところ、約
50mΩであった。
50%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、
本実施例の電池は、8000時間以上にわたって約14
kW(62V−224A)の電池出力を維持することを
確認した。
ともガス流路表面に酸化物官能基を付与する方法とし
て、または酸化処理する方法として、セパレーターを空
気雰囲気中で熱処理する方法を用いたが、これはセパレ
ーターをオゾン雰囲気で紫外線照射する方法、またはセ
パレーターをプラズマ処理する方法、またはセパレータ
ーを濃硝酸溶液へ1時間浸漬処理し、十分に水洗する方
法、またはセパレーターを10%過酸化水素水溶液へ1
時間浸漬処理し、十分に水洗する方法でも同様の効果が
得られることを確認した。
m、厚みが1.6mmのアモルファスカーボン板に、実
施例1と同一の形状となるよう切削による機械加工を施
した。このとき、セパレーターのガス流路の少なくとも
凹部表面または凹部底面の面精度が、平均6.3μm以
下になるよう加工した。得られたセパレーターの厚み方
向の導電性は、4×10-3Ωcm、密度は1.5g/m
l、Heガスによる気体透過度は1.8×10-18mo
l・m/(m2・s・Pa)、曲げ強度は約100MP
aであった。
電解質型燃料電池を、80℃に保持し、一方の電極側に
75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、も
う一方の電極側に65℃の露点となるように加湿・加温
した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しな
い無負荷時には、96Vの電池開放電圧を得た。またこ
のときの積層電池全体の内部抵抗を測定したところ、約
50mΩであった。
40%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、
比較のための電池は、連続運転を行うと初期1時間程度
は約約14kW(62V−224A)の電池出力を維持
することを確認した。しかしながら、1〜2時間経過後
から、特に両端近辺の電池の電圧が変動を始め、両端近
傍の電池に濡れすぎによるフラッディング現象が確認で
きた。また、さらに2〜3時間経過後以降は、積層した
100セルの内、少なくとも1セル以上の発電電圧が0
V以下まで変動するようになり運転を継続することが不
可能となった。
例1と同一の方法で行った。
レータについて記載する。
末と繊維状グラファイト(平均直径50μm、平均長
0.5mm)とを2N硝酸水溶液の中に投入し、撹拌し
ながら30分間放置後、蒸留水で十分に水洗した。その
結果得られた人造黒鉛粉末および繊維状グラファイトの
表面分析を行ったところ、カーボン表面には化5および
化6で示した酸化物官能基が付与されていたことを確認
した。
%と繊維状グラファイト38重量%とに熱硬化性フェノ
ール樹脂12重量%を加え、これを押し出し混練機で混
練し、この混練粉をガス流路用溝および冷却水流路用溝
およびマニホールドを成形するための加工を施した金型
に投入し、ホットプレスした。ホットプレス条件は、金
型温度150℃、100kg/cm2で10分間とし
た。
する部分である凸部上面には、平均100μm以上の凹
凸を設けた。このとき、成形用型の凸部上面に設けた凹
凸部の凹部は、逆円錐台形状とし、前記成形用型の凸部
表面に設けた凹凸部の凸部が円錐形状となるように金型
を加工しておいた。そのため、得られたセパレーター
は、外寸が20cm×32cm、厚みが1.3mm、ガ
ス流路および冷却水流路の深さが0.5mmであり、ガ
ス流路用溝部の底面には金型形状が転写され、平均10
0μm以上の凹凸を形成する事が出来た。
は、5×10-3Ωcm、密度は1.98g/ml、He
ガスによる気体透過度は2.1×10-17mol・m/
(m2・s・Pa)、曲げ強度は70MPaであった。
用い、MEAシートの一方の面に図1に示した酸化剤ガ
ス流路を形成したセパレーターを、他面に燃料ガス流路
を形成したセパレーターを重ね合わせ、これを単電池と
した。この単電池を2セル積層した後、冷却水路溝を形
成したセパレータでこの2セル積層電池を挟み込み、こ
のパターンを繰り返して100セル積層の電池スタック
を作成した。この時、電池スタックの両端部には、ステ
ンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板
と締結ロッドで固定した。この時の締結圧はセパレータ
の面積当たり15kgf/cm2とした。
電解質型燃料電池を、80℃に保持し、一方の電極側に
75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、も
う一方の電極側に65℃の露点となるように加湿・加温
した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しな
い無負荷時には、96Vの電池開放電圧を得た。またこ
のときの積層電池全体の内部抵抗を測定したところ、約
40mΩであった。
50%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、
本実施例の電池は、8000時間以上にわたって約1
4.3kW(64V−224A)の電池出力を維持する
ことを確認した。
流路の少なくとも凹部表面または凹部底面に、平均10
0μm以上の凹凸を設ける方法として、機械加工による
方法を用いたが、これはサンドブラストによる方法であ
っても全く問題はなかった。
m、厚みが1.6mmのアモルファスカーボン板に、実
施例1と同一の形状となるよう切削による機械加工を施
した。このとき、セパレーターのガス流路の凹部底面
に、機械加工により、平均50μm以上の凹凸を設け
た。得られたセパレーターの厚み方向の導電性は、4×
10 -3Ωcm、密度は1.5g/ml、Heガスによる
気体透過度は1.8×10-1 8mol・m/(m2・s・
Pa)、曲げ強度は100MPaであった。機械加工に
よる表面の凹凸処理によって、セパレーター自身の物性
値は変化しないことを確認した。
電解質型燃料電池を、80℃に保持し、一方の電極側に
75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、も
う一方の電極側に65℃の露点となるように加湿・加温
した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しな
い無負荷時には、96Vの電池開放電圧を得た。またこ
のときの積層電池全体の内部抵抗を測定したところ、約
50mΩであった。
40%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、
比較のための電池は、連続運転を行うと初期10分間程
度は約14kW(62V−224A)の電池出力を発生
することを確認した。しかしながら、約10分経過後か
ら、特に両端近辺の電池の電圧が変動を始め、両端近傍
の電池に濡れすぎによるフラッディング現象が確認でき
た。また、積層した100セルの内、少なくとも1セル
以上の発電電圧が0V以下まで変動するようになり運転
を継続することが不可能となった。そこで、このとき用
いたセパレーターの水に対する塗れ性を測定したとこ
ろ、元の平滑なアモルファスカーボン板に比べて、機械
加工により平均50μm以上の凹凸を設けたことによっ
て、撥水性が大きくなっていることを確認した。アモル
ファスカーボン板の水に対する接触角は、元々90℃よ
り大きいため、セパレーター表面に凹凸を設けること
で、撥水性を向上させる結果になってしまったことを確
認した。
同一の方法で行った。次に、本発明のポイントである導
電性セパレータについて記載する。
0.1mmグラスファイバーを混入し補強した液晶ポリ
マー製の板を準備した。この板に、図2で示したよう
に、入口と出口とそれぞれ4カ所ずつ形成された酸化剤
ガスのマニホルド孔(注入口3a、出口3b)と、入口
と出口とそれぞれ3カ所ずつ形成された燃料ガスのマニ
ホルド孔(注入口4a、出口4b)と、入口と出口とそ
れぞれ6カ所ずつ形成された冷却水のマニホルド孔(注
入口5a、出口5b)を形成した。次に、このエンジニ
アリングポリマーである液晶ポリマー板の上に、ガス流
路溝および冷却水流路溝を設けるためのリブ部を形成す
るため、図2の6に示すようにガス流路用リブおよび冷
却水流路用リブを接合する接合面にあたる箇所に、接合
面幅より小さい直径の貫通穴を多数形成した。
末と繊維状グラファイト(平均直径50μm、平均長
0.5mm)とを、10%過酸化水素水溶液の中に投入
し、撹拌しながら10分間放置後、蒸留水で十分に水洗
した。その結果得られた人造黒鉛粉末および繊維状グラ
ファイトの表面分析を行ったところ、カーボン表面には
化7および化8で示した親水性官能基が付与されていた
ことを確認した。
造黒鉛粉末50重量%と、繊維状グラファイト38重量
%に、熱硬化性フェノール樹脂12重量%を押し出し混
練機で混練し、これをガス流路用溝および冷却水流路用
溝を成形するための加工を施した金型に投入した。この
とき、予め穴開け加工を施した液晶ポリマー板を金型間
に挟んで、前述の混練粉末をホットプレスした。ホット
プレス条件は、金型温度150℃、80kg/cm2で
5分間とした。その結果、図1で示した構成と実質的に
同一構成のセパレーターを得た。このときセパレーター
周縁部およびマニホールド周辺部のガスシール用凸部分
は、ガス流路要理部と同じ厚みである0.5mm厚みの
ブチルゴムで形成した。
ボン粉末およびグラファイト繊維およびフェノール樹脂
を型成形したガス流路用リブおよび冷却水流路用リブの
構成の断面イメージ図を図3に示した。ここで、7は液
晶ポリマー板、8はカーボン粉末およびグラファイト繊
維およびフェノール樹脂を型成形したガス流路用リブお
よび冷却水流路用リブ、6は8を形成するための穴であ
る。得られたセパレーターは、外寸が20cm×32c
m、厚みが1.1mm、ガス流路および冷却水流路の深
さが0.5mmであり、得られたセパレーターの厚み方
向の導電性は、10×10-3Ωcm、Heガスによる気
体透過度は2.5×10-18mol・m/(m2・s・P
a)であった。
用い、MEAシートの一方の面に図1に示した酸化剤ガ
ス流路を形成したセパレーターを、他面に燃料ガス流路
を形成したセパレーターを重ね合わせ、これを単電池と
した。この単電池を2セル積層した後、冷却水路溝を形
成したセパレータでこの2セル積層電池を挟み込み、こ
のパターンを繰り返して100セル積層の電池スタック
を作成した。この時、電池スタックの両端部には、ステ
ンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板
と締結ロッドで固定した。この時の締結圧はセパレータ
の面積当たり15kgf/cm2とした。
電解質型燃料電池を、80℃に保持し、一方の電極側に
75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、も
う一方の電極側に65℃の露点となるように加湿・加温
した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しな
い無負荷時には、96Vの電池開放電圧を得た。またこ
のときの積層電池全体の内部抵抗を測定したところ、約
55mΩであった。
50%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、
本実施例の電池は、8000時間以上にわたって約1
4.3kW(64V−224A)の電池出力を維持する
ことを確認した。
ターのセンタープレートが高強度の液晶ポリマーで構成
されているため、特に振動や衝撃に強いものとなった。
従来のカーボン性のセパレータ板で構成した電池を2m
の高さから落下させると、平均で約10回程度で、セパ
レータ板にひびが入ったが、本実施例の電池は約100
回の落下試験の後も、締結部分のロッドが緩む以外、回
復不能の破損はなかった。
ラスチックとして液晶ポリマーを用いたが、これは他の
ポリプロピレン、スチレン系エンプラ、変性ポリフェニ
レンエーテル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポ
リアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステ
ル、非液晶性耐熱エンプラ、超耐熱エンプラ(ケトン
系、イミド系)であっても同様の効果が得られることを
確認した。
て、従来のカーボン板の切削工法に替わり、耐酸性を有
する導電性気密弾性体で作ることで、大幅なコスト低減
を図ることができる。さらに極めて優れた対振動性と対
衝撃性を有することから、特に電気自動車の動力源とす
るとその効果が有効である。
ターの構成を示した図
ンタープレートの構成を示した図
構成を示す断面イメージ図
ための穴 7 センタープレート
Claims (11)
- 【請求項1】 表面の少なくとも一部に親水性官能基を
有する導電性カーボンと、バインダーとを加圧成形した
ことを特徴とする高分子電解質型燃料電池用セパレー
タ。 - 【請求項2】 表面の少なくとも一部に親水性官能基を
有する導電性カーボンと、バインダーとを加圧加熱成形
したことを特徴とする高分子電解質型燃料電池用セパレ
ータ。 - 【請求項3】 導電性カーボンと、バインダーとを加圧
成形もしくは加圧加熱成形した高分子電解質型燃料電池
用セパレータであって、前記セパレータのガス流路表面
の少なくとも一部に親水性官能基を付与したことを特徴
とする請求項1または2記載の高分子電解質型燃料電池
用セパレータ。 - 【請求項4】 ガス流路の表面に凹凸をつけ、親水性を
高くしたことを特徴とする請求項1、2または3記載の
高分子電解質型燃料電池用セパレータ。 - 【請求項5】 凹部または凸部は、円錐形状、多角錐形
状、円錐台形状または多角錐台形状を有し、セパレ−タ
板の放線方向から見た断面径の平均が50μm以上1m
m以下であることを特徴とする請求項4記載の高分子電
解質型燃料電池用セパレータ。 - 【請求項6】 導電性カーボンを酸化処理することで、
前記導電性カーボンの表面に酸化物官能基を付与したこ
とを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の高
分子電解質型燃料電池用セパレータの製造法。 - 【請求項7】 酸化処理は、酸化性雰囲気もしくは水蒸
気雰囲気中での、焼成もしくは活性光線照射もしくはプ
ラズマ処理、または酸性溶液への浸漬処理であることを
特徴とする請求項6記載の高分子電解質型燃料電池用セ
パレータの製造法。 - 【請求項8】 絶縁性平板と導電性リブとを接合し、前
記絶縁性平板と前記導電性リブとの接合面に、前記接合
面より小さい面積の貫通穴を設けたことを特徴とする高
分子電解質型燃料電池用セパレータ。 - 【請求項9】 導電性リブは、導電性カーボンとバイン
ダーとの加圧成形体もしくは加圧加熱成形体であること
を特徴とする請求項8記載の高分子電解質型燃料電池用
セパレータ。 - 【請求項10】 導電性カーボンの表面の少なくとも一
部を親水化したことを特徴とする請求項9記載の高分子
電解質型燃料電池用セパレータ。 - 【請求項11】 水素イオン伝導性高分子電解質膜と、
前記水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む位置に配置
した一対の電極とを具備した単電池を、前記電極の一方
に水素を含む燃料ガスを供給排出し、他方に酸素を含む
酸化剤ガスを供給排出するガス流通路を形成した一対の
導電性セパレータを介して積層した高分子電解質型燃料
電池において、請求項1、2、3、4、5、8、9また
は10記載の前記導電性セパレータを用いたことを特徴
とする高分子電解質型燃料電池。
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