JP3535865B2 - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池

Info

Publication number
JP3535865B2
JP3535865B2 JP2002264497A JP2002264497A JP3535865B2 JP 3535865 B2 JP3535865 B2 JP 3535865B2 JP 2002264497 A JP2002264497 A JP 2002264497A JP 2002264497 A JP2002264497 A JP 2002264497A JP 3535865 B2 JP3535865 B2 JP 3535865B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
gas
end plate
side manifold
polymer electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002264497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003163026A (ja
Inventor
一仁 羽藤
弘樹 日下部
英夫 小原
晋 小林
達人 山崎
伸啓 長谷
伸介 竹口
Original Assignee
松下電器産業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 松下電器産業株式会社 filed Critical 松下電器産業株式会社
Priority to JP2002264497A priority Critical patent/JP3535865B2/ja
Publication of JP2003163026A publication Critical patent/JP2003163026A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3535865B2 publication Critical patent/JP3535865B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポータブル電源、
電気自動車用電源、コージェネレーションシステム等に
使用する高分子電解質を用いた高分子電解質型燃料電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質型燃料電池は、電解質膜・
電極接合体(MEA)のアノード側に燃料ガスを、カソ
ード側に酸化剤ガスをそれぞれ供給し、電解質膜を介し
た電気化学反応によって水を合成し、これによって生じ
る電力エネルギーと熱エネルギーを同時に発生させ、必
要に応じて、それらのエネルギーを電気的に取り出すこ
とを基本原理としている。
【0003】この種の燃料電池の代表的な構造を図1に
示す。なお、図1は、下半分は正面図で、上半分は主と
して断面図である。図1において、MEA10は、高分
子電解質膜11、これを挟む2つの電極、すなわちカソ
ード12およびアノード13からなり、カソードおよび
アノードの外周には、供給する燃料ガスおよび酸化剤ガ
スが外にリークしたり、それら2種のガスが互いに混じ
り合わないように、それぞれガスケット14および15
が配されている。
【0004】燃料電池の基本単位は、アノードに燃料ガ
スを供給・排出するガス流路の設けられたアノード側セ
パレータ板とカソードに酸化剤ガスを供給・排出するガ
ス流路の設けられたカソード側セパレータ板によって、
MEAを挟んだ構造である。積層燃料電池はこの基本単
位を数十から数百段積層したものであって、2〜3セル
に一段の割合で設けられる冷却部を有する。図1の燃料
電池は、4種のセパレータ板を用いている。また、図1
では簡単のため4セルのみを模式的に示した。
【0005】電池スタック16の左端に配されたカソー
ド側セパレータ板22は、酸化剤ガスの流路32を有す
る。電池スタック16の右端に配されたアノード側セパ
レータ板21は、燃料ガスの流路31を有する。MEA
間に配されたセパレータ板20は、カソードに対向する
面に酸化剤ガスの流路34を有し、アノードに対向する
面に燃料ガスの流路33を有し、従って、カソード側セ
パレータ板とアノード側セパレータ板を兼ねている。
【0006】冷却部は、アノード側セパレータ板23と
カソード側セパレータ板24とを組み合わせた複合セパ
レータ板により構成される。カソード側セパレータ板2
4は、カソードと対向する面に酸化剤ガスの流路36を
有し、反対側の面に冷却水の流路38を有する。アノー
ド側セパレータ板23は、アノードと対向する面に燃料
ガスの流路35を有し、反対側の面に冷却水の流路37
を有する。セパレータ板23と24を冷却水の流路側を
向き合わせて接合することにより、流路37と38によ
り1つの冷却水の流路が形成される。
【0007】電池スタック16の両端には、集電板6お
よび絶縁板5を介して端板4が重ね合わされ、これらを
貫通するボルト70とナット71により締結され、ワッ
シャ73により締結圧がかけられる。この燃料電池で
は、端板、絶縁板、集電板、セパレータ板、およびME
Aに設けられた共通の導入口側マニホールド孔から各セ
パレータ板の各流路に反応ガスまたは冷却水が分配して
供給され、排出口側マニホールド孔から排出される。
【0008】図1では、電池スタック16の酸化剤ガス
の導入口側マニホールド孔18aが示されている。ま
た、一方の端板4に設けられた酸化剤ガスのマニホール
ド孔1a、このマニホールド孔の縁部に溶接された酸化
剤ガスのパイプ状ガス導入口2aが示されている。ガス
導入口2aから導入された酸化剤ガスは、絶縁板および
集電板に設けられたマニホールド孔、および電池スタッ
ク16の導入口側のマニホールド孔18aから各カソー
ド側セパレータ板のガス流路に流入して反応に供され、
余剰の酸化剤ガスおよび生成物は排出口側のマニホール
ド孔を経由して他方の端板に設けられたパイプ状ガス排
出口2bから排出される。同様に、燃料ガスは、一方の
端板4に接合されたパイプ状ガス導入口3aから導入口
側マニホールド孔、ガス流路、および排出口側マニホー
ルド孔を経由してパイプ状排出口3bから排出される。
【0009】集電板6は、直列に積層された電池スタッ
クからの電力を集電して外部に接続するための金属板で
あり、通常はステンレス鋼、銅、真鍮等の材質からな
り、接触抵抗の低減と耐食のために金メッキ等が施され
る場合が多い。絶縁板5は、端板4と集電板6を絶縁す
るために設けられる樹脂製板である。端板4は、締結圧
を均等に電池スタックに与えるための締結板であり、通
常は機械加工されたステンレス鋼板製であり、ガスおよ
び冷却水を導入、排出するためのパイプ状の導入・排出
口を溶接したものである。また、これらの部材同士にお
いて水およびガスをシールするために、マニホールド孔
の外周にはO−リングをはめる溝が設けられて、O−リ
ングでシールを行うのが一般的である。図1ではO−リ
ング8a、8bおよび28などが示されている。
【0010】従来の燃料電池は、電解質膜と電極とセパ
レータ板との接触抵抗を低減するため、さらには、ガス
ケットのガスシール性を確保するため、10.0〜2
0.0kgf/cm2程度の締結圧で電池スタックを締
結することが通常であった。そのため機械的強度に優れ
た金属材料で端板を構成し、締結ボルトにバネあるいは
ワッシャを組み合わせて、両端から固定するのが一般的
な燃料電池の構造であった。
【0011】また、供給する加湿ガスや冷却水が端板の
一部に接するため、耐食性の観点から、金属材料の中で
も耐食性に優れるステンレス材料を使用するのが通常で
あった。また、集電板にはカーボン材料より導電性の高
い金属材料を使用し、接触抵抗の観点から、場合によっ
ては表面処理を施して使用することが通常であった。さ
らに、両端の端板は締結ボルトを介して電気的に接触状
態にあるため、絶縁の観点から、集電板と端板の間に絶
縁性の絶縁板を挿入して使用してきた。
【0012】このような高分子電解質型燃料電池に用い
るセパレータ板は、導電性が高く、かつ燃料ガスに対し
て高いガス気密性を持ち、更に水素/酸素を酸化還元す
る際の反応に対して高い耐食性、即ち耐酸性を持つ必要
がある。このような理由で従来のセパレータ板は、ガス
不透過性の緻密なカーボン板の表面に切削加工でガス流
路を形成したり、またガス流路溝を形成したプレス金型
にバインダーと共に黒鉛粉末を入れ、これをプレス加工
した後、加熱焼成することで作製していた。
【0013】また、近年、従来より使用されたカーボン
材料に代えて、ステンレスなどの金属板を用いる試みが
行われている。金属板を用いたセパレータは、金属板が
高温で酸化性の雰囲気に曝されるため、長期間使用する
と、金属板の腐食や溶解が起こる。金属板が腐食する
と、腐食部分の電気抵抗が増大し、電池の出力が低下す
る。また、金属板が溶解すると、溶解した金属イオンが
高分子電解質に拡散し、これが高分子電解質のイオン交
換サイトにトラップされ、結果的に高分子電解質自身の
イオン電導性が低下する。このような劣化を避けるため
金属板の表面にある程度の厚さを持つ金メッキを施すこ
とが通例であった。
【0014】以上のように、従来の端板は機械的強度の
観点から、通常ステンレス板を使用してきた。しかしな
がら、燃料電池積層体には比較的大きな締結圧が必要で
あることから、15mm程度以上の比較的厚いステンレ
ス板材料を使用する必要があり、燃料電池積層体全体の
重量の増加をもたらしてきた。
【0015】さらには、ステンレスの厚板材料であるた
め、ダイキャストや板金加工等の安価な成型方法が採用
できず、切削加工で作成することが必要であった。ま
た、燃料電池の起動時には、通常は一旦所定の電池温度
にまで電池を昇温させてから発電する必要があるが、通
常ステンレスなどの金属材料を端板に用いると、金属材
料は樹脂材料等に比べて熱容量が大きいため、燃料電池
の起動に長時間を要するという問題があった。さらに、
金属材料は放熱しやすいため、燃料電池スタックの両端
に放熱しやすい金属端板を設けると、放熱防止のために
充分な断熱材を設置する必要があった。
【0016】また、ガスや冷却水の供給排出口を設ける
必要があるため、チューブ状のステンレス材料を溶接す
るか、端板にネジ穴などを設け、配管部品を嵌合させて
使用する必要があった。また、従来の端板材料は、導電
性材料が使用されてきたため、絶縁するための絶縁板が
不可欠であった。さらには、異なる材料の集電板と絶縁
板と端板を組み合わせて積層するためには、ガスや冷却
水をシールするためのO−リング等のシール材を用いる
必要があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上記載の
問題点のうちの少なくとも一つを解決するもので、とく
に端板と集電板の間の絶縁板を不要にする高分子電解質
型燃料電池を提供することを目的とする。また、本発明
は、安価で軽量で、熱エネルギーの利用効率が良く、耐
食性に優れた高分子電解質型燃料電池を提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子電解質型
燃料電池は、複数の導電性セパレータ板、および前記導
電性セパレータ板の間に挿入された電解質膜・電極接合
体を具備し、前記電解質膜・電極接合体が高分子電解質
膜および前記高分子電解質膜を挟む一対の電極からなる
電池スタックと、前記電池スタックを挟む第1および第
の集電板と、前記電池スタックを前記集電板を介して
挟む第1および第2の端板と、前記第1および第2の端
板を締結することにより前記電池スタックに締結圧を加
える締結手段と、前記電池スタックに酸化剤ガスおよび
燃料ガスを供給・排出するガス供給・排出システムと
具備し、前記端板が樹脂を主成分とする樹脂材料で構成
れている。そして、前記ガス供給・排出システムは、
酸化剤ガスの入口側マニホールドおよび出口側マニホー
ルド、並びに燃料ガスの入口側マニホールドおよび出口
側マニホールドを具備し、さらに酸化剤ガスの入口側マ
ニホールドと出口側マニホールドを連絡する酸化剤ガス
流路、および燃料ガスの入口側マニホールドと出口側マ
ニホールドを連絡する燃料ガス流路を具備し、第1の端
板は第1および第2の筒部を具備し、第2の端板は第1
および第2の筒部を具備し、第1の集電板は第1および
第2の孔を具備し、第2の集電板は第1および第2の孔
を具備し、第1の端板の第1の筒部は第1の集電板の第
1の孔に挿入されて酸化剤ガスの入口側マニホールドを
提供し、第1の端板の第2の筒部は第1の集電板の第2
の孔に挿入されて燃料ガスの入口側マニホールドを提供
し、第2の端板の第1の筒部は第2の集電板の第1の孔
に挿入されて酸化剤ガスの出口側マニホールドを提供
し、第2の端板の第2の筒部は第2の集電板の第2の孔
に挿入されて燃料ガスの出口側マニホールドを提供す
ように構成されている。本発明は、さらに前記電池
スタックに冷却水を供給・排出する冷却水の供給・排出
システムを具備し、冷却水の供給・排出システムは、冷
却水の入口側マニホールドおよび出口側マニホールド、
並びに冷却水の入口側マニホールドと出口側マニホール
ドを連絡する冷却水の流路を具備し、第1の端板はさら
に第3の筒部を具備し、第2の端板はさらに第3の筒部
を具備し、第1の集電板はさらに第3の孔を具備し、第
2の端板はさらに第3の孔を具備し、第1の端板の第3
の筒部は第1の集電板の第3の孔に挿入されて冷却水の
入口側マニホールドを提供し、第2の端板の第3の筒部
は第2の集電板の第3の孔に挿入されて冷却水の出口側
マニホールドを提供する、高分子電解質型燃料電池を提
供する。前記筒部の少なくとも1つはO−リングを受け
る溝を有し、前記O−リングは、当該筒部を有する端板
と当該筒部を孔に挿入している集電板に隣接するセパレ
ータ板との間を気密にシールするように構成することが
好ましい。また、本発明は、複数の導電性セパレータ
板、および前記導電性セパレータ板の間に挿入された電
解質膜・電極接合体を具備し、前記電解質膜・電極接合
体が高分子電解質膜および前記高分子電解質膜を挟む一
対の電極からなる電池スタックと;前記電池スタックを
挟む一対の集電板と;前記電池スタックを前記集電板を
介して挟む一対の端板と;前記一対の端板を締結するこ
とにより前記電池スタックに締結圧を加える締結手段
と;前記電池スタックに酸化剤ガスおよび燃料ガスを供
給・排出するガス供給・排出システムとを具備し、前記
端板が樹脂を主成分とする樹脂材料で構成され、前記ガ
ス供給・排出システムは、酸化剤ガスの入口側マニホー
ルドおよび出口側マニホールド、並びに燃料ガスの入口
側マニホールドおよび出口側マニホールドを具備し、さ
らに酸化剤ガスの入口側マニホールドと出口側マニホー
ルドを連絡する酸化剤ガス流路、および燃料ガスの入口
側マニホールドと出口側マニホールドを連絡する燃料ガ
ス流路を具備 し、前記集電板と前記端板とが、前記集電
板が前記端板に入り込んだ一体成形体になっている高分
子電解質型燃料電池を提供する。本発明は、さらに、複
数の導電性セパレータ板、および前記導電性セパレータ
板の間に挿入された電解質膜・電極接合体を具備し、前
記電解質膜・電極接合体が高分子電解質膜および前記高
分子電解質膜を挟む一対の電極からなる電池スタック
と;前記電池スタックを挟む一対の集電板と;前記電池
スタックを前記集電板を介して挟む一対の端板と;前記
一対の端板を締結することにより前記電池スタックに締
結圧を加える締結手段と;前記電池スタックに酸化剤ガ
スおよび燃料ガスを供給・排出するガス供給・排出シス
テムとを具備し、前記端板が樹脂を主成分とする樹脂材
料で構成され、前記ガス供給・排出システムは、酸化剤
ガスの入口側マニホールドおよび出口側マニホールド、
並びに燃料ガスの入口側マニホールドおよび出口側マニ
ホールドを具備し、さらに酸化剤ガスの入口側マニホー
ルドと出口側マニホールドを連絡する酸化剤ガス流路、
および燃料ガスの入口側マニホールドと出口側マニホー
ルドを連絡する燃料ガス流路を具備し、前記端板の外側
主面上に、さらに補強体が設けられている高分子電解質
型燃料電池を提供する。
【0019】ここで樹脂材料とは、樹脂を主成分とし、
必要に応じてガラス繊維あるいはセラミックス粉末のよ
うな充填剤あるいは補強材を含有させたものを意味す
る。本発明によれば、端板として、従来の金属材料に替
わり、樹脂材料で構成することにより、従来必要であっ
た絶縁板を省略できることなどにより、コストおよび重
量を大幅に低減することができる。さらに、樹脂材料
は、金属材料に比べて放熱速度が遅いため、燃料電池の
熱エネルギーを利用する上で有利である。また、ガスや
冷却水が金属材料と接する部分をなくすことができるた
め、耐食性を大幅に向上させることも可能である。
【0020】前記端板は、前記樹脂材料の射出成形体か
らなることが好ましい。前記集電板と前記端板とは、前
記集電板が前記端板に入り込んだ一体成形体になってい
ることが好ましい。前記ガスの入口側マニホールドに連
なるガス導入口および前記ガスの出口側マニホールドに
連なるガス排出口は、筒形状を有し、かつ前記端板の主
面から突出するように形成されていることが好ましい。
または、前記ガス導入口および前記ガス排出口が筒形状
を有し、かつ前記端板の端面から突出するように形成さ
れていることが好ましい。
【0021】前記端板の前記樹脂材料は、補強用材料、
たとえばガラス繊維、を含み、前記樹脂はポリフェニレ
ンサルファイド、液晶ポリマーまたはポリスルフォンか
らなることが好ましい。前記締結手段による締結圧は前
記端板の単位面積あたり1.5〜5.0 kgf/cm2
であることが好ましい。前記端板の外側主面上には、さ
らに補強体が設けられていることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の高分子電解質型燃料電池
の特徴の1つは、構成要素である端板を樹脂を主成分と
する材料で構成した点にある。ステンレス等の金属材
料を端板に用いていた場合には、端板の形成には切削加
工が必要であったが、樹脂を主成分とする材料を端板に
用いることにより、端板を射出成形で形成することがで
き、大幅なコスト削減と軽量化を達成することができ
る。また、端板を樹脂化することで、燃料電池スタック
全体の熱容量を低減し、燃料電池の起動時に所定の電池
温度にまで電池を昇温させる時間を大幅に短縮すること
ができる。さらに、端板を樹脂化することで燃料電池ス
タック端部からの放熱を抑制し、断熱材を設置すること
なく燃料電池の発熱を有効に熱利用することが可能とな
ることを見いだした。本発明の高分子電解質型燃料電池
の他の特徴は、端板の筒部が集電板のマニホールド孔を
構成すべき孔に挿入されてガスのマニホールドを構成
し、前記筒部によって集電板を、水分を含むことがある
ガスから隔離したことである。本発明の高分子電解質型
燃料電池のさらに他の特徴は、端板の筒部が集電板のマ
ニホールド孔を構成すべき孔に挿入されて冷却水のマニ
ホールドを構成し、前記筒部によって集電板を、冷却水
から隔離したことである。本発明の高分子電解質型燃料
電池のさらに他の特徴は、端板が樹脂を主成分として構
成されたことを利用して、集電板が端板に入り込んだ一
体成形体にすることである。本発明のさらなる特徴は、
以下の実施の形態により明らかとなろう。
【0023】また、ステンレス等の金属材料を用いてい
た場合には、ガスや冷却水の供給排出口を設けるため、
チューブ状金属材料を溶接するか、端板にネジ穴などを
設け、配管部品を嵌合させて使用する必要があった。し
かしながら、樹脂の射出成形とすることで、ガスや冷却
水の供給排出口を一体成型することが可能となり、さら
には供給するガスや冷却水が従来の金属製端板や供給排
出口の金属材料に接して、供給ガスや冷却水に金属イオ
ンが混入することを防止することができる。
【0024】さらには、絶縁板を省略し、集電板を端板
にインサート成型することにより、端板と絶縁板と集電
板の間に必要であった、O−リング等のシール材料を省
くことができ、組み立て工数の大幅な削減も可能とな
る。さらには、集電板を端板とインサート成型する際、
集電板のマニホールド側内側に端板材料である樹脂が嵌
合してインサートする構成をとることにより、供給ガス
や冷却水が集電板に接することを防止する、すなわち集
電板を隔離をさせることができる。
【0025】この集電板の隔離は、単に、供給ガスや冷
却水に金属材料が触れて供給ガスや冷却水に金属イオン
が混入することを防止するのみではない。集電板には電
池電圧が印加されているため、集電板に触れた加湿ガス
あるいは冷却水にわずかでも導電性が有ると、集電板の
激しい腐食を発生させる現象が生ずるが、上記集電板隔
離はそのような現象を防止する効果も有する。
【0026】その構成例を図2から図9に示す。そのう
ち、図2、図4、図6、図7は後で実施例中で詳述する
が、ここでも、それらのポイントを簡潔に説明する。な
お、図2、図3は図1と同様に、下半分は正面図で、上
半分は主として断面図であるが、その他の図は、下半分
を正面図、上半分を断面図とした上で、さらに説明の簡
略化のため、左側の一部のみを示している。また、図面
の簡素化のために、自明な要素、例えば締結ロッドにつ
いて言えば、燃料電池内部を貫いている部分の図示は省
略している。
【0027】これら、図2から図9までの8つの図面で
示される構成に共通して、各図に示されているように、
MEA(210、310、410、510、610、7
10)の電極端部の直近周辺部とマニホールド孔(20
1、301、401、501、601、701)周辺部
における高分子電解質膜(211、311、411、5
11、611、711)上の表主面、裏主面に向かい合
うセパレータ板(222,220; 322,320;
422,420; 522,520;622,620;
722,720)の表面上に、図2の拡大図部分でより
明確に示されているように、材質を特定した断面が円形
状あるいは楕円形状でO−リング状のガスシール部材
(214、215)を貼り合わせて、ガスケット(25
0、350、450、550、650、750)として
いる点も特徴のひとつである。
【0028】その構成により、場所によっては、O−リ
ング状のガスシール部材同士が高分子電解質膜を挟んで
互いに間接的に押し付けられる。場所によっては、向か
い合うセパレータ板の表面上に配置されたO−リング状
のガスシール部材が、その間に高分子電解質膜を挟ま
ず、それらのガスシール部材同士が互いに直接押し付け
られる。
【0029】さらに、場所によっては、1枚のセパレー
タ板の表面に配置されたO−リング状のガスシール部材
と、向かい合うセパレータ板のガス流通溝に設けられた
複数の補助リブとの間に高分子電解質膜を挟んで、その
O−リング状のガスシール部材と補助リブとが間接的に
押し付けられる。ここで、「O−リング状」シール部材
という表現は、シールすべき、あるいは取り囲むべきマ
ニホールド孔あるいはガス流通溝の形状に対応してシー
ル部材が環状あるいはループ状の形状に配置されるこ
と、およびそのシール部材の断面が円形状あるいは楕円
形状を有することを意味する。
【0030】これらのO−リング状のガスシール部材の
それぞれの箇所においてどのように配置されているかの
例を、さらに具体的に示したのが図11、図12、図1
3および図14である。それぞれの図において、914
a−e、915a−e、916a−eがそれらのガスシ
ール部材である。これらのガスシール部材により、ガス
ケット部分のシールに必要な締結圧を極限まで低減する
ことができ、締結圧のほとんどを、電極と導電性セパレ
ータ板との接触抵抗の低減に不可欠な電極部分に集中さ
せることができる。このような方法で、電池スタックに
加える荷重を減少させた上で、端板を樹脂化することが
好ましい。
【0031】なお、従来のガスケットは板状のガスシー
ル材を、たとえばロの字型に切り取って必要箇所に設け
るような方法であったため、ガスシール部材と高分子電
解質膜あるいはセパレータ板との接触面積が大きくなっ
てしまい、大きな締結圧を加えないと充分なガスシール
ができなかった。
【0032】図3の構成は図2と同様の構成であるが、
図2の端板204a、204bの外側主面上に、さらに
端板補強用の補強体290a、290bが設けられてい
る構成を示す。図4は、たとえば真鍮製の集電板を成形
型にインサートし、その成形型に端板用樹脂材料を射出
成形して形成した、端板304と集電板306との一体
構成を有する燃料電池の例を示す。集電板のマニホール
ド孔301側内側に端板材料の一部としての円筒部分3
04Cが嵌合し、集電板が端板中にインサートされた構
成をとり、その円筒部分304CにO−リング溝を設
け、O−リング308で端板304とセパレータ板32
2との間のガスシールを行い、供給ガスや冷却水が集電
板306に接することを防止することができる構成を示
す。
【0033】図5の構成は図4と同様の構成であるが、
図4の端板304の外側主面上に、さらに端板補強用の
補強体390が設けられている構成を示す。図6は、端
板404に連なる筒形状のガス導入口(あるいは排出
口)402の反対側のマニホールド孔401内部側に
も、端板材料の一部としての円筒部分494が、筒形状
に突出して形成され、セパレータ板422端部と接する
ようになっている。すなわち494がセパレータ板のマ
ニホールド側内側になっている。そのセパレータ板42
2の端部にO−リング溝を設け、O−リング408によ
りシールする構造になっている。この場合にも、供給ガ
スや冷却水が集電板に接することを防止することができ
る。
【0034】図7は、図4の構成と比較して、ガス導入
口(排出口)502が端板504の端面側に設けられ、
かつ端板補強用の補強体590を設けた以外は、基本的
に同様な構成の例を示す。すなわち、MEA510がセ
パレータ板522、520に挟持され、端板との間のシ
ールがO−リング508でなされ、集電板506が端板
材料の一部によりマニホールド孔501との間を隔離さ
れている等の構成は、図4と同様である。
【0035】図8は、図7の構成と比較して、端板補強
用の補強体590が設けられていないという点を除け
ば、基本的に図7の構成と同様な構成の例をしめす。図
9は、図8の構造と比較して、ガス導入口(排出口)7
02が端板と一体成型されておらず、図示のような継ぎ
手(スウェージロック社製、スウェージロック)を嵌合
させた以外は、基本的に同様な構成の例を示す。すなわ
ち、MEA710がセパレータ板722、720に挟持
され、端板との間のシールがO−リング708でなさ
れ、集電板706が端板材料の一部によりマニホールド
孔701との間を隔離されている等の構成は、図8と同
様である。
【0036】なお、端板の樹脂材料の樹脂の例として
は、ポリプロピレン(PP)、ナイロン樹脂、ポリアセ
タール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変成ポ
リフェニレンエーテル(変成PPE)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート
(GF−PET)、超高分子量ポリエチレン(UHP
E)、ポリメチルペンテン(TPX)、シンジオタクチ
ックポリスチレン(SPS)、ポリサルフォン(PS
F)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフタル
アミド(PPA)、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート
(PCT)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテル
イミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)、ポリイミド(PI)、フッ素樹脂、シリコン樹
脂、および液晶ポリマー(LCP)が好ましい。
【0037】このうち、ポリフェニレンサルファイド
(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリサルフォン
(PSF)がさらに好ましい。なお、このうち液晶ポリ
マーとしては、たとえば住友化学工業(株)製スミカス
ーパ、デュポン製ゼナイト、日本石油化学(株)製ザイ
ダー、大日本インキ化学工業(株)製オクタのような1
型構造を有するものが好ましい。
【0038】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を具現した例
を説明するとともに、それらと比較するための比較例を
いくつか示して具体的に説明する。
【0039】《実施例1》まず、触媒層を形成した電極
の作成方法を、断面図で電解質膜−電極接合体(ME
A)の構成を示す図10を参照しつつ説明する。アセチ
レンブラック粉末に、平均粒径約30Åの白金粒子を2
5重量%担持させたものを電極の触媒とした。この触媒
粉末をイソプロパノールに分散させた溶液にパーフルオ
ロカーボンスルホン酸の粉末をエチルアルコールに分散
したディスパージョン溶液を混合し、触媒ペースト状に
した。
【0040】一方、電極の支持体になるカーボンペーパ
ーを撥水処理した。外寸8cm×10cm、厚み360
μmのカーボン不織布812a、813a(東レ製、T
GP−H−120)を、フッ素樹脂含有の水性ディスパ
ージョン(ダイキン工業製、ネオフロンND1)に含浸
した後、これを乾燥し、400℃で30分加熱すること
で、撥水性を与えた。このカーボン不織布812a、8
13aの各々の一方の面に、触媒ペーストをクリーン印
刷法を用いて塗布することで触媒層812b、813b
を形成した。このとき、触媒層812b、813bの一
部は、それぞれカ−ボン不織布812a、813aの中
に埋まり込んでいる。このようにして作成した触媒層8
12b、813bとカーボン不織布812a、813a
とを合わせて電極812、813とした。形成後の反応
電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフ
ルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2
なるよう調整した。
【0041】次に、外寸が10cm×20cmのプロト
ン伝導性高分子電解質膜811の裏表両面に、一対の電
極812、813を触媒層812b、813bが電解質
膜811の側に接するようにホットプレスで接合し、こ
れを電解質膜−電極接合体(MEA)810とした。こ
こでは、プロトン伝導性高分子電解質としてパーフルオ
ロカーボンスルホン酸を50μmの厚みに薄膜化したも
のを用いた。
【0042】次に、緻密でガス透過性のないグラッシー
カーボン板に切削加工を施して、図11、図12に示し
た導電性セパレータ板とした。これらの図は、導電性セ
パレータ板の表面に形成したガス流通用溝の形状を示し
たものである。図11は表面に形成した酸化剤ガス流通
溝の形状を示したものであり、図12はその裏面の燃料
ガス流通溝の形状を示したものである。
【0043】セパレータ板の大きさは10cm×20c
m、厚さは4mmであり、ガス流通溝918、920は
幅2mmで深さ1.5mmの凹部であり、この部分をガ
スが流通する。また、ガス流路間のリブ部919、92
1は幅1mmの凸部である。また、酸化剤ガスのマニホ
ールド孔(導入口923a、排出口923b)と、燃料
ガスのマニホールド孔(導入口924a、排出口924
b)と、冷却水のマニホールド孔(導入口925a、排
出口925b)が形成されている。さらに、ガス流通溝
のマニホールド孔近傍には、補助リブ部926a、92
6b、927a、927bが設けられている。その目的
は、その補助リブ部と、それに位置的に対応する後述の
ガスシール部材915a、914aの一部とでMEAを
挟むことによりマニホールド孔近傍のガスシールを行う
ことにある。
【0044】また図13は、冷却水を流すための冷却流
路の形状を示したものであって、図11の表面図で示し
た導電性セパレータの裏面に切削加工したものである。
図13において、冷却水のマニホールド孔(導入口93
1a、排出口931b)の位置と大きさは、図11、1
2で示した冷却水のマニホールド孔925a及び925
bと同一の位置に形成し、また、ガス流通用のマニホー
ルド孔934a、934b、935a、935bの位置
と大きさも、図11、12のガスマニホールド孔と同一
位置に形成した。
【0045】また、932は、冷却水の導入口931a
から流入した水の流通部分であり、凹状の深さは1.5
mmとした。933は冷却水通路の途中にあり、冷却水
の流路932を形成したときの凸部として残した島部で
あり、元々のカーボン板と表面同士が同じ高さレベルで
ある。冷却水は導入口931aから流入し、島部933
により分流するため、流路932の全面を流れて排出口
931bへと到達する。
【0046】次にMEAの電極部分の直近周辺部のプロ
トン伝導性高分子電解質膜上に対応した部分と、ガス流
通溝周辺部と、マニホールド孔周辺部とにO−リング状
のガスシール部材(DuPont Dow Elasto
mer Japan社製、Viton(バイトン)−GD
L)を配置しガスケットとした。すなわち、図11にお
いては、ガス流通溝918およびガス・冷却水のマニホ
ールド孔923a、923b、924a、924b、9
25a、925bに対するシールのために、それらを取
り囲むように、上記ガスシール部材914a−914e
を配置した。
【0047】図12においては、ガス流通溝部920お
よびガス・冷却水のマニホールド孔923a、923
b、924a、924b、925a、925bに対する
シールのために、それらを取り囲むように、上記ガスシ
ール部材915a−915eを配置した。図13におい
ては、冷却水流路932およびガス・冷却水のマニホー
ルド孔934a、934b、935a、935b、93
1a、931bに対するシールのために、それらを取り
囲むように、上記ガスシール部材916a−916eを
配置した。
【0048】次に、図14に示すように、図11に示す
セパレータ板の表面上にMEAを配置した。図14にお
いて、945はプロトン伝導性高分子電解質膜であり、
944はその上に設けられた一方の電極である。他方の
電極は、図14すなわち図11のセパレータ板に接して
いるが、図14では見えている電極944の裏に位置し
ているために見えない。この図14に示される電極94
4と高分子電解質膜945からなるMEAの上に、もう
一枚のセパレータ板を、図12で示されるセパレータ裏
面の側が同MEAに接するように重ね合わせて、1つの
単電池とした。
【0049】この単電池を2セル積層した後、図13に
示した冷却水路溝を形成したセパレータでこの2セル積
層電池を挟み込み、このパターンを繰り返して、50セ
ル積層の電池スタックを持つ燃料電池を作成した。この
結果、上記ガスシール部材群によって必要なガスケット
群が構成された。
【0050】すなわち、たとえば、マニホールド孔92
3bを取り囲む位置で、ガスシール部材915bは、そ
の一部が、その位置に対応するガスシール部材914a
の一部と直接接した。マニホールド孔925bを取り囲
む位置で、ガスシール材915dはガスシール部材91
4dと直接接した。ガス流通溝920、918を取り囲
む、MEAの電極部分の直近周辺部では、場所により、
2つのガスシール部材915a、914aの間にMEA
の高分子電解質膜が挟まれ、また、場所によりガスシー
ル部材915aと補助リブ部926b、926aとの
間、あるいは補助リブ部927b、927aとガスシー
ル部材914aとの間に挟まれた。
【0051】したがって、後で電池スタックが締結ロッ
ドで固定されることにより締結圧が加えられると、高分
子電解質膜を挟んで、それらのガスシール部材同士が、
あるいは、ガスシール部材と補助リブとが、間接的にお
互いに押し付け合った。また、場所により、ガスシール
部材同士が直接互いに押し付け合った。その結果、これ
らのガスシール部材が、場所によってはガスシール部材
だけで、場所によっては補助リブとの組合せによりシー
ル機能を有するガスケットとなった。
【0052】この電池スタックの両端には、銅の表面に
金メッキした集電板と、20wt%のガラス繊維を添加
し強化したPPSを射出成形することで作成した厚さ5
0mmの端板とを積層し、最後に締結ロッドで固定し
た。このようにして作製した燃料電池の構成を、以下図
2を用いて説明する。
【0053】図2において、MEA210は、高分子電
解質膜211、これを挟む2つの電極、すなわちカソー
ド212およびアノード213からなり、カソードおよ
びアノードの外周には、供給する燃料ガスおよび酸化剤
ガスが外にリークしたり、それら2種のガスが互いに混
じり合わないように、それぞれガスシール部材214お
よび215が配されている。これら214および215
は、 上述のように、電極部分の直近周辺部とマニホー
ルド孔201周辺部のプロトン伝導性高分子電解質膜上
に貼り合わせたO−リング状のガスシール部材(DuP
ont DowElastomerJapan社製、V
iton−GDL)である。この特定のガスシール部材
は、弾力性がある弾性体製であり、小さな締結圧で充分
なガスシールを達成することができる。
【0054】電池スタック216の左端に配されたカソ
ード側セパレータ板222は、酸化剤ガスの流路232
を有する。電池スタック216の右端に配されたアノー
ド側セパレータ板221は、燃料ガスの流路231を有
している。MEA間に配されたセパレータ板220は、
カソードに対向する面に酸化剤ガスの流路234を有
し、アノードに対向する面に燃料ガスの流路233を有
し、従って、カソード側セパレータ板とアノード側セパ
レータ板を兼ねている。
【0055】冷却部は、アノード側セパレータ板223
とカソード側セパレータ板224とを組み合わせた複合
セパレータ板により構成されている。カソード側セパレ
ータ板224は、カソードと対向する面に酸化剤ガスの
流路236を有し、反対側の面に冷却水の流路238を
有している。アノード側セパレータ板223は、アノー
ドと対向する面に燃料ガスの流路235を有し、反対側
の面に冷却水の流路237を有している。セパレータ板
223と224を冷却水の流路側を向き合わせて接合さ
れており、そのため流路237と238により1つの冷
却水の流路が形成されている。
【0056】なお、上述の通り、本実施例は、50セル
積層の電池スタックを持つ燃料電池を例示するものであ
るが、図2においては、図1と同様に、図面の簡素化の
ために、4セルのみを模式的に示した。電池スタック2
16の両端には、上述の通り、集電板206a、206
bおよび端板204a、204bが重ね合わされ、これ
らを貫通するボルト270a、270bとナット271
a、271bにより締結され、ワッシャ273a、27
3bにより締結圧がかけらている。
【0057】この燃料電池では、端板、集電板、セパレ
ータ板、およびMEAに設けられた共通の導入口側マニ
ホールド孔から各セパレータ板の各流路に反応ガスまた
は冷却水が分配して供給され、排出口側マニホールド孔
から排出されるようになっている。図2では、一方の端
板204aに設けられた酸化剤ガスのマニホールド孔2
01、およびこのマニホールド孔の縁部に溶接された酸
化剤ガスのパイプ状のガス導入口202aが示されてい
る。
【0058】ガス導入口202aから導入された酸化剤
ガスは、集電板に設けられたマニホールド孔、および電
池スタック216の導入口側のマニホールド孔(これら
マニホールド孔全体を201で示している)から各カソ
ード側セパレータ板のガス流路に流入して反応に供さ
れ、余剰の酸化剤ガスおよび生成物は排出口側のマニホ
ールド孔を経由して他方の端板に設けられたパイプ状の
ガス排出口202bから排出されるようになっている。
同様に、燃料ガスは、一方の端板204aに接合された
パイプ状のガス導入口203aから導入口側マニホール
ド孔、ガス流路、および排出口側マニホールド孔を経由
してパイプ状のガス排出口203bから排出されるよう
になっている。
【0059】また、これらの部材同士において水および
ガスをシールするために、マニホールド孔201の外周
にはO−リングを嵌める溝が設けられて、O−リング2
08a、208bなどが当該溝に嵌められている。
【0060】上述の説明から明らかなように、本実施例
では絶縁板は用いなかった。また、両端板を締結する際
の締結圧は、セパレータ板の単位面積あたり5.0kg
f/cm2とした。このように低い締結圧は、前述のO
−リング状のガスシール部材をガスケット用として用い
たことによって実現可能となった。すなわち、ガスを特
定材質O−リングでシールすることによって、ガスケッ
ト部分のシールに必要な締結圧を極限まで低減すること
が可能であり、締結圧のほとんどは、電極と導電性セパ
レータ板の接触抵抗低減に不可欠な電極部分に集中させ
ることができた。これによって従来の約半分の締結圧に
まで低減することが可能となり、端板を樹脂化するため
に重要な要素であることがわかった。
【0061】このように作製した本実施例の高分子電解
質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃
の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード
側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供
給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、50Vの電池開放電圧を得た。この電池を燃料利用
率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm
2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を
測定した。その結果、本実施例の電池は、8000時間
以上にわたって1.3kW以上(33V−40A)の電
池出力を維持することを確認した。寿命特性図、すなわ
ち連続発電試験の経過時間と電池電圧の関係を、図16
に示す。
【0062】《実施例2》両端板を締結する締結圧を、
セパレータ板の面積当たり5.0kgf/cm2の替わ
りに3.0kgf/cm2 とした以外は、実施例1と同
じ方法で本実施例の高分子電解質型燃料電池を作製し
た。
【0063】このように作製した本実施例の高分子電解
質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃
の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード
側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供
給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、50Vの電池開放電圧を得た。この電池を燃料利用
率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm
2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を
測定した。その結果、本実施例の電池は、8000時間
以上にわたって1.3kW以上(33V−40A)の電
池出力を維持することを確認した。
【0064】《実施例3》両端板を締結する時の締結圧
として、セパレータ板の面積当たり5.0kgf/cm
2の替わりに2.0kgf/cm2 とした以外は、実施
例1と同じ方法で本実施例の高分子電解質型燃料電池を
作製した。
【0065】このように作製した本実施例の高分子電解
質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃
の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード
側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供
給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、50Vの電池開放電圧を得た。この電池を燃料利用
率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm
2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を
測定した。その結果、本実施例の電池は、8000時間
以上にわたって1.3kW以上(33V−40A)の電
池出力を維持することを確認した。
【0066】《実施例4》両端板を締結する時の締結圧
として、セパレータ板の面積当たり5.0kgf/cm
2の替わりに1.5kgf/cm2 とした以外は、実施
例1と同じ方法で本実施例の高分子電解質型燃料電池を
作製した。
【0067】このように作製した本実施例の高分子電解
質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃
の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード
側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供
給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、50Vの電池開放電圧を得た。この電池を燃料利用
率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm
2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を
測定した。その結果、本実施例の電池は、8000時間
以上にわたって1.3kW以上(33V−40A)の電
池出力を維持することを確認した。
【0068】《比較例1》両端板を締結する時の締結圧
として、セパレータ板の面積当たり5.0kgf/cm
2の替わりに1.0kgf/cm2 とした以外は、実施
例1と同じ方法で本比較例の高分子電解質型燃料電池を
作製した。このように作製した本比較例の高分子電解質
型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃の
露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード側
に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給
した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、40Vの電池開放電圧を得た。
【0069】しかしながら、この電池のガスリークを確
認したところ、締結圧が小さすぎたために充分なガスシ
ールができず、外部にガスがリークしていたため、この
条件での発電試験を行うことは断念した。そこで次に、
締結圧を徐々に増加させ、ガスリークと締結圧の相関を
確認したところ、締結圧を1.5kgf/cm2まで増
加させるとガスリークがなくなることを確認した。
【0070】《比較例2》両端板を締結する時の締結圧
として、セパレータ板の面積当たり5.0kgf/cm
2の替わりに6.0kgf/cm2 とした以外は、実施
例1と同じ方法で本比較例の高分子電解質型燃料電池を
作製した。このように作製した本比較例の高分子電解質
型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃の
露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード側
に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給
した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、50Vの電池開放電圧を得た。
【0071】この電池を燃料利用率80%、酸素利用率
40%、電流密度0.5A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を測定した。その結果、
本実施例の電池は、初期には1.3kW以上(33V−
40A)の電池出力を発揮することを確認したが、約2
000時間経過後、急激に電池電圧が低下し始め、25
00時間後には継続して運転することが不可能であっ
た。原因を調べたところ、締結圧が大きすぎたためPP
S製の樹脂端板が経時的にクリープし、端板が湾曲し、
その結果、電池からガスリークが発生していることを確
認した。
【0072】《比較例3》端板として、実施例1の端板
の替わりに、厚さ30mmのSUS316を切削加工す
ることで作成した端板を用いたこと、および両端板を締
結する時の締結圧として、セパレータ板の面積当り5.
0kgf/cm2の替わりに10.0kgf/cm2
した以外は、実施例1と同じ方法で本比較例の高分子電
解質型燃料電池を作製した。このように作製した本実施
例の高分子電解質型燃料電池を、80℃に保持し、アノ
ード側に78℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガ
スを、カソード側に78℃の露点となるように加湿・加
温した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力し
ない無負荷時には、50Vの電池開放電圧を得た。
【0073】この電池を燃料利用率80%、酸素利用率
40%、電流密度0.5A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を測定した。その結果、
本実施例の電池は、8000時間以上にわたって1.3
kW以上(33V−40A)の電池出力を維持すること
を確認した。SUSを端板に用いた場合には、SUSの
強度が高いため、締結圧を10.0kgf/cm2まで
増加しても問題ないことが分かった。しかしながら、厚
さ30mmのSUS板を用いたため、全体の重量が大き
く増加した。
【0074】なお、実施例1から実施例4の4つの実施
例では、端板の外側に補強体を設けなかったが、補強体
を設けた場合についても検討した。すなわち、厚さ50
mmの端板の厚さを30mmとし、その端板外側主面上
に図3に示されている、厚さ10mmのSUS304製
の板状の補強体290a、290bを設け、それ以外の
要素は、図2で示され、実施例1−4で記載された燃料
電池と同様な方法で、それぞれ4つの燃料電池を作製
し、実施例1−4と同様な方法で、それらの特性を測定
した。その測定の結果、無負荷時の電池開放電圧、出力
特性の時間変化に関して、実施例1〜4の燃料電池と同
様な特性が得られることを確認した。
【0075】《実施例5》端板として、15wt%のガ
ラス繊維を添加し強化した液晶ポリマー(LCP)を射
出成形することにより作製した端板を用いたこと以外
は、実施例2と同様の方法で本実施例の高分子電解質型
燃料電池を作製した。なお、LCPとしては、日本石油
化学(株)製のザイダーを用いた。
【0076】このように作製した本実施例の高分子電解
質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃
の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード
側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供
給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、50Vの電池開放電圧を得た。この電池を燃料利用
率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm
2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を
測定した。その結果、本実施例の電池は、8000時間
以上にわたって1.3kW以上(33V−40A)の電
池出力を維持することを確認した。
【0077】《実施例6》端板として、20wt%のガ
ラス繊維を添加し強化した液晶ポリマー(LCP)を射
出成形することにより作製した端板を用いたこと以外
は、実施例2と同様の方法で本実施例の高分子電解質型
燃料電池を作製した。なお、本実施例では、LCPとし
て、デュポン社製のゼナイトを用いた。
【0078】このように作製した本実施例の高分子電解
質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃
の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード
側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供
給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、50Vの電池開放電圧を得た。この電池を燃料利用
率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm
2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を
測定した。その結果、本実施例の電池は、8000時間
以上にわたって1.3kW以上(33V−40A)の電
池出力を維持することを確認した。
【0079】《実施例7》端板として、25wt%のガ
ラス繊維を添加し強化した液晶ポリマー(LCP)を射
出成形することにより作製した端板を用いたこと以外
は、実施例2と同様の方法で本実施例の高分子電解質型
燃料電池を作製した。なお、本実施例では、LCPとし
て、住友化学工業(株)製のスミカスーパを用いた。
【0080】このように作製した本実施例の高分子電解
質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃
の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード
側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供
給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、50Vの電池開放電圧を得た。この電池を燃料利用
率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm
2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を
測定した。その結果、本実施例の電池は、8000時間
以上にわたって1.3kW以上(33V−40A)の電
池出力を維持することを確認した。
【0081】《実施例8》端板として、30wt%のガ
ラス繊維を添加し強化した液晶ポリマー(LCP)を射
出成形することにより作製した端板を用いたこと以外
は、実施例2と同様の方法で本実施例の高分子電解質型
燃料電池を作製した。なお、本実施例では、LCPとし
て、大日本インキ化学工業(株)製のオクタを用いた。
【0082】このように作製した本実施例の高分子電解
質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃
の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード
側に78℃の露点となるように加湿・加温した空気を供
給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時に
は、50Vの電池開放電圧を得た。この電池を燃料利用
率80%、酸素利用率40%、電流密度0.5A/cm
2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を
測定した。その結果、本実施例の電池は、8000時間
以上にわたって1.3kW以上(33V−40A)の電
池出力を維持することを確認した。
【0083】《実施例9》本実施例においては、電解質
膜−電極接合体(MEA)および導電性セパレータ板
は、実施例1と同様の方法で作成し、50セル積層の電
池スタックを作成した。電池スタックの両端部には、集
電板を端板の中にインサートした構成を採用した。すな
わち、表面の酸化皮膜を除去したSUS304の表面に
金メッキした集電板を成形金型にインサートし、その金
型の中に20wt%のガラス繊維を添加して強化したP
PSを射出成形することで作成した。このように作製し
た端板と集電板一体物の全体の厚さは50mmだった。
【0084】その構成例を図4および図15を用いて説
明する。図4は、本実施例の燃料電池の特徴を示す部分
正面・部分断面図である。図2に示す実施例1の燃料電
池と比較して、集電板および端板が一体成形されている
こと、およびO−リングの配置が異なっていること以外
は、実施例1の燃料電池と同様な構成になっている。
【0085】すなわち、MEA310は、高分子電解質
膜311、これを挟む2つの電極、すなわちカソード3
12およびアノード313からなり、カソードおよびア
ノードの外周には、それぞれガスケット350が配され
ている。このガスケット350は、上述のように、電極
部分の直近周辺部とマニホールド孔周辺部のプロトン伝
導性高分子電解質膜上に貼り合わせたO−リング状のガ
スシール部材(DuPont Dow Elastome
rJapan社製、Viton−GDL)314、31
5を貼り合わせたものである。
【0086】MEA310は、セパレータ板322と3
20により挟持され1つのセルを構成しているが、その
ようなセルが図示していないが50セル積層され、その
中に冷却用セパレータ板も積層されて電池スタックが構
成されている。酸化剤ガス流路、燃料ガス流路および冷
却水流路も実施例1と同様に設けられている。電池スタ
ックの両端には、集電板および端板がそれぞれ2枚設け
られているが、図4ではそのうちの一方の集電板306
および一方の端板304が示されている。これらを貫通
する締結手段として、その一部が図示されているが、ボ
ルト370、ナットおよびワッシャからなる締結手段が
設けられ、締結圧が加えらている。
【0087】本実施例の特徴のひとつは、O−リング3
08周辺の端板構成にある。すなわち、図4で示されて
いるように、端板304の一部としての円筒部分304
Cが集電板306のマニホールド孔301側内側に嵌合
し、集電板が端板中にインサートされた構成をとり、そ
の円筒部分304CにO−リング溝が設け、O−リング
308により、端板材料すなわち樹脂材料の面で、端板
304とセパレータ板322との間のガスシールを行
い、供給ガスや冷却水が集電板306に接することを防
止することができる構成になっている。また、筒形状の
ガス導入・排出口302、303は端板の成形時に端板
材料で一体成形されている。
【0088】本実施例において、締結手段による締結圧
は、当初、端板の面積当たり3.0kgf/cm2とし
た。その後、強度確認のためさらに5.0kgf/cm
2程度の締結圧を加えたが、端板の強度的には十分問題
のないことも確認した。このように作製した本実施例の
高分子電解質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード
側に78℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガス
を、カソード側に78℃の露点となるように加湿・加温
した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しな
い無負荷時には、50Vの電池開放電圧を得た。
【0089】この電池を燃料利用率80%、酸素利用率
40%、電流密度0.5A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を測定した。その結果、
本実施例の電池は、8000時間以上にわたって1.3
kW以上(33V−40A)の電池出力を維持すること
を確認した。さらに、8000時間の運転後、MEA中
の高分子電解質膜中の金属イオン量を定量したが、集電
板のSUSに起因すると思われる鉄、ニッケル、クロム
は検出限界以下であり、耐食性に関する有効性が確認で
きた。これは、本実施例で用いた集電板をインサート成
形した端板は、図4に示す通り、集電板のマニホールド
側内面に端板材料である樹脂が回り込み、ガスや冷却水
と集電板の金属材料が直接接触することを防止できたた
めである。
【0090】なお、図4で示す構成を変形して、さら
に、端板304の厚さを30mmとし、端板304の外
側に、端板補強用の補強体として、厚さ10mmのSU
S304製の板状の補強体390を設けた構成を図5に
示す。この図5の構成においても、上で説明した図4の
構成と同様な特性を有した上に、さらに耐締結圧強度が
高い高分子電解質型燃料電池が得られることを確認し
た。
【0091】また、図15は、端板と集電板の一体成形
構成を示す部分断面斜視図であり、図4で示した、端板
と集電板の一体成形構成の変形例を示している。図15
において、950は、インサートされた集電板、952
はガスあるいは冷却水のマニホールド孔、951は端
板、951aは端板と一体で射出成形されたガスまたは
冷却水の導入・排出用継ぎ手である。すなわち、ガラス
繊維入りPPS製端板951は、集電板950をインサ
ート成形した構成になっており、端板材料が筒形状の部
分で、集電板をガスあるいは冷却水から隔離する構成に
なっている。
【0092】《実施例 10》本実施例においては、電
解質膜−電極接合体(MEA)および導電性セパレータ
板は、実施例1と同様の方法で作成し、50セル積層の
電池スタックを作成した。電池スタックの両端部には、
集電板を端板の中にインサートした構成を採用した。す
なわち、本実施例では、真鍮製集電板を成形金型にイン
サートし、その金型の中に20wt%のガラス繊維を添
加して強化したPPSを射出成形することにより作成し
た。このように作製した端板と集電板一体物の全体の厚
さは50mmだった。この構成例を図6を用いて説明す
る。
【0093】図6は、本実施例の燃料電池を示す部分正
面・部分断面図である。電池スタックの両端には、集電
板および端板がそれぞれ2枚設けられているが、図6で
はそのうちの一方の集電板406および一方の端板40
4が示されている。これらを貫通する締結手段として、
その一部が図示されているが、ボルト470、ナットお
よびワッシャからなる締結手段が設けられ、締結圧が加
えらている。また、筒形状のガス導入・排出口402、
403は端板の成形時に端板材料で一体成形されてい
る。
【0094】本実施例においても、端板404の一部と
しての円筒部分404Cが集電板406のマニホールド
孔401側内側に嵌合し、集電板が端板中にインサート
された構成になっている。本実施例の特徴のひとつは、
次に説明するガスシールの手段にある。すなわち、図6
において、端板404に連なる筒形状のガス導入口(あ
るいは排出口)402の反対側のマニホールド孔401
内部側にも、端板材料の一部としての円筒部分494
が、突出して形成され、セパレータ板422端部と接す
るようになっている。そのセパレータ板422の端部に
O−リング溝を設け、O−リング408によりシールす
る構造になっている。これも、供給ガスや冷却水が集電
板に接することを防止することができる構造である。
【0095】その他の構成、すなわち、高分子電解質膜
411およびそれを挟持する電極412、413からM
EA410が構成されていること、MEA410がセパ
レータ板422、420により挟持されていること、さ
らにはO−リング状のガスシール部材414、415を
貼り合わせて、ガスケット450が構成されていること
などは、すでに説明した上記実施例と同様である。
【0096】本実施例において、締結手段による締結圧
は、当初、端板の面積当たり2.0kgf/cm2とし
た。その後、強度確認のためさらに3.0kgf/cm
2程度の締結圧を加えたが、端板の強度的には十分問題
のないことも確認した。このように作製した本実施例の
高分子電解質型燃料電池を、80℃に保持し、アノード
側に78℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガス
を、カソード側に78℃の露点となるように加湿・加温
した空気を供給した。その結果、電流を外部に出力しな
い無負荷時には、50Vの電池開放電圧を得た。
【0097】この電池を燃料利用率80%、酸素利用率
40%、電流密度0.5A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を測定した。その結果、
本実施例の電池は、8000時間以上にわたって1.3
kW以上(33V−40A)の電池出力を維持すること
を確認した。さらに、8000時間の運転後、MEA中
の高分子電解質膜中の金属イオン量を定量したが、集電
板の真鍮に起因すると思われる銅等は検出限界以下であ
り、耐食性に関する有効性が確認できた。これは、本実
施例で用いた集電板をインサート成形した端板は、図6
に示す通り、集電板のマニホールド側内面に端板材料で
ある樹脂が回り込み、ガスや冷却水と集電板の金属材料
が直接接触することを防止できたためである。
【0098】《実施例 11》本実施例においては、電
解質膜−電極接合体(MEA)および導電性セパレータ
板は、実施例1と同様の方法で作成し、50セル積層の
電池スタックを作成した。電池スタックの両端部には、
集電板を端板の中にインサートした構成を採用した。す
なわち、本実施例では、真鍮製集電板を成形金型にイン
サートし、その金型の中に20wt%のガラス繊維を添
加して強化したPSFを射出成形することにより作成し
た。このように作製した端板と集電板一体物の全体の厚
さは30mmだった。さらにこの端板の外面上に、厚さ
10mmのSUS304製補強板を積層し、締結ロッド
で固定した。この構成例を図7を用いて説明する。
【0099】図7は、本実施例の燃料電池を示す部分正
面・部分断面図である。電池スタックの両端には、集電
板および端板がそれぞれ2枚設けられているが、図7で
はそのうちの一方の集電板506および一方の端板50
4が示されている。その各端板の上に上述した補強体5
90が積層されており、これらを貫通する締結手段とし
て、その一部が図示されているが、ボルト570、ナッ
トおよびワッシャからなる締結手段が設けられ、締結圧
が加えらている。
【0100】本実施例の特徴のひとつは、端板504の
成形時に端板材で一体成形される筒形状のガス導入口
(排出口)502、503を、端板504の端面に設け
たことにある。この構成により、燃料電池の端板外主面
側強度が高くなり、またポータブル電源、電気自動車用
電源、コージェネレーションシステム等に応用する場
合、システム設計の自由度が増加する。
【0101】その他の構成について説明すると、本実施
例においても、端板504の一部としての円筒部分50
4Cが集電板506のマニホールド孔501側内側に嵌
合し、集電板が端板中にインサートされた構成になって
いる。また、その円筒部分504CにO−リング溝が設
けられ、O−リング508により、端板材料すなわち樹
脂材料の面で、端板504とセパレータ板522との間
のガスシールを行い、供給ガスや冷却水が集電板506
に接することを防止することができる構成になってい
る。
【0102】さらには、高分子電解質膜511およびそ
れを挟持する電極512、513からMEA510が構
成されていること、MEA510がセパレータ板52
2、520により挟持されていること、O−リング状の
ガスシール部材514、515を貼り合わせて、ガスケ
ット550が構成されていることなどは、すでに説明し
た上記実施例と同様である。
【0103】本実施例において、締結手段による締結圧
は、当初、端板の面積当たり3.0kgf/cm2とし
た。その後、強度確認のためさらに5.0kgf/cm
2程度の締結圧を加えたが、端板の強度的には十分問題
のないことも確認した。これはSUS製の補強体を用い
ることにより、端板の強度向上が達成できたためであ
る。このように作製した本実施例の高分子電解質型燃料
電池を、80℃に保持し、アノード側に78℃の露点と
なるよう加湿・加温した水素ガスを、カソード側に78
℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給した。
その結果、電流を外部に出力しない無負荷時には、50
Vの電池開放電圧を得た。
【0104】この電池を燃料利用率80%、酸素利用率
40%、電流密度0.5A/cm2の条件で連続発電試
験を行い、出力特性の時間変化を測定した。その結果、
本実施例の電池は、8000時間以上にわたって1.3
kW以上(33V−40A)の電池出力を維持すること
を確認した。さらに、8000時間の運転後、MEA中
の高分子電解質膜中の金属イオン量を定量したが、集電
板の真鍮に起因すると思われる銅等は検出限界以下であ
り、耐食性に関する有効性が確認できた。これは、本実
施例で用いた集電板をインサート成形した端板は、図7
に示す通り、集電板のマニホールド側内面に端板材料で
ある樹脂が回り込み、ガスや冷却水と集電板の金属材料
が直接接触することを防止できたためである。
【0105】図8は図7に示された実施例の中で、補強
体590を省略し、端板604の厚さを30mmの替わ
りに50mmにしたものである。他の構成要素の記載は
省略するが、図7で500番台の参照番号で示された要
素と、図8でそれらの参照番号と対応する600番台の
参照番号で示された要素(たとえば501と601とが
対応する)とが同様な構成要素である。また、図9は、
図8において端板と一体成形されているガス導入・排出
口702、703を継ぎ手(スウェージロック社製、ス
ウェージロック)で構成した例を示す。以上の図8およ
び図9に示される燃料電池の特性を、上記の実施例で実
施した条件と同じ条件で測定したところ、上記の実施例
に基づく燃料電池と同様に、本発明の効果を有している
ことが確認できた。
【0106】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、端板と
して、従来の金属材料に替わり、樹脂材料を用い、さら
に好ましくはその射出成形体で作成したことにより、絶
縁板を省略でき、その絶縁板の省略などにより、大幅な
コスト低減を図ることができる。さらに、ガスや冷却水
が金属材料と接しない構成を実現できるため、耐食性の
大幅な向上を図ることができる。以上、本発明の実施の
形態を、図面を用いて説明するとともに、実施例を用い
て、より具体的に説明したが、本発明はこれら説明した
内容のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の燃料電池の構成を模式的に示す、一部断
面正面図である。
【図2】本発明の一実施例による燃料電池の構成を模式
的に示す、一部断面正面図である。
【図3】図2の実施例による燃料電池に補強体を付加し
た構成の燃料電池の構成を模式的に示す、一部断面正面
図である。
【図4】本発明の他の実施例による燃料電池の構成を模
式的に示す部分断面部分正面図である。
【図5】本発明の他の実施例による燃料電池の構成を模
式的に示す部分断面部分正面図である。
【図6】本発明の他の実施例による燃料電池の構成を模
式的に示す部分断面部分正面図である。
【図7】本発明の他の実施例による燃料電池の構成を模
式的に示す部分断面部分正面図である。
【図8】本発明の他の実施例による燃料電池の構成を模
式的に示す部分断面部分正面図である。
【図9】本発明の他の実施例による燃料電池の構成を模
式的に示す部分断面部分正面図である。
【図10】本発明の実施例に用いた電解質膜−電極接合
体(MEA)の構成を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明の実施例で用いたセパレータ板の表面
およびその上に設けられたO−リング状シール材を模式
的に示す上面図である。
【図12】本発明の実施例で用いたセパレータ板の裏面
およびその上に設けられたO−リング状シール材を模式
的に示す下面図である。
【図13】本発明の実施例で用いた冷却水路板の構成を
模式的に示す平面図である。
【図14】本発明の実施例に用いた高分子電解質膜上に
電極を形成してなるMEAを図11のセパレータ板表面
に配置した構成を模式的に示す平面図である。
【図15】本発明の実施例で示した、端板と集電板の一
体成形体を示す部分断面斜視図である。
【図16】本発明の実施例による燃料電池の連続発電試
験の経過時間と電池電圧の関係を示す寿命特性図であ
る。
【符号の説明】
1a、18a、201、301、401、501、60
1、701、923a、923b、924a、924
b、925a、925b、931a、931b、934
a、934b、935a、935b、952 マニホー
ルド孔 2a、2b、3a、3b、202a、202b、203
a、203b、302、303、402、403、50
2、503、602、603、702、703 ガス導
入口(排出口) 4、204a、204b、304、404、504、6
04、704、951 端板 5 絶縁板 6、206a、206b、306、406、506、6
06、706、950 集電板 8a、8b、28、208a、208b、308、40
8、508、608、708 O−リング 10、210、310、410、510、610、71
0、810 MEA 11、211、311、411、511、611、71
1、811、945 高分子電解質膜 12、13、212、213、312、313、41
2、413、512、513、612、613、71
2、713、812、813、944 電極(アノー
ド、カソード) 14、15、250、350、450、550、65
0、750 ガスケット 16、216 電池スタック 20、21、22、23、24、220、221、22
2,223、224、320、322、420、42
2、520、522、620、622、720、722
セパレータ板 31、32、33、34、35、36、37、38、2
31、232、233、234、235、236、23
7、238、932 流路 70、270a、270b、370、470、570、
670、770ボルト 71、271a、271b ナット 73、273a、273b ワッシャ 214、215、314、315、414、415、5
14、515、614、615、714、715、91
4a、914b、914c、914d、914e、91
5a、915b、915c、915d、915e、91
6a、916b、916c、916d、916e シー
ル部材 290a、290b、390、590 補強体 304C、404C、504C、604C、704C、
494 端板の円筒部分 812a、813a カーボン不織布 812b、813b 触媒層 918、920 ガス流通溝 919、921 リブ部 926a、926b、927a、927b 補助リブ部 933 島部 951a 導入・排出用継ぎ手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 晋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 山崎 達人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 長谷 伸啓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 竹口 伸介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開2001−236982(JP,A) 特開2000−164238(JP,A) 特開 平10−275626(JP,A) 特開 平7−312223(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/24 H01M 8/02 H01M 8/10

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の導電性セパレータ板、および前記
    導電性セパレータ板の間に挿入された電解質膜・電極接
    合体を具備し、前記電解質膜・電極接合体が高分子電解
    質膜および前記高分子電解質膜を挟む一対の電極からな
    る電池スタックと;前記電池スタックを挟む第1および
    第2の集電板と;前記電池スタックを前記集電板を介し
    て挟む第1および第2の端板と;前記第1および第2
    端板を締結することにより前記電池スタックに締結圧を
    加える締結手段と;前記電池スタックに酸化剤ガスおよ
    び燃料ガスを供給・排出するガス供給・排出システムと
    を具備し、前記端板が樹脂を主成分とする樹脂材料で構
    成され、 前記ガス供給・排出システムは、酸化剤ガスの入口側マ
    ニホールドおよび出口側マニホールド、並びに燃料ガス
    の入口側マニホールドおよび出口側マニホールドを具備
    し、さらに酸化剤ガスの入口側マニホールドと出口側マ
    ニホールドを連絡する酸化剤ガス流路、および燃料ガス
    の入口側マニホールドと出口側マニホールドを連絡する
    燃料ガス流路を具備し、 第1の端板は第1および第2の筒部を具備し、第2の端
    板は第1および第2の筒部を具備し、 第1の集電板は第1および第2の孔を具備し、第2の集
    電板は第1および第2の孔を具備し、 第1の端板の第1の筒部は第1の集電板の第1の孔に挿
    入されて酸化剤ガスの入口側マニホールドを提供し、第
    1の端板の第2の筒部は第1の集電板の第2の孔に挿入
    されて燃料ガスの入口側マニホールドを提供し、第2の
    端板の第1の筒部は第2の集電板の第1の孔に挿入され
    て酸化剤ガスの出口側マニホールドを提供し、第2の端
    板の第2の筒部は第2の集電板の第2の孔に挿入されて
    燃料ガスの出口側マニホールドを提供する 、 高分子電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記端板が前記樹脂材料の射出成形体か
    らなる請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記集電板と前記端板とが、前記集電板
    が前記端板に入り込んだ一体成形体になっている請求項
    1記載の高分子電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記各入口側マニホールドに連なるガス
    導入口および前記各出口側マニホールドに連なるガス排
    出口が筒形状を有し、かつ前記端板の主面から突出する
    ように形成された請求項1記載の高分子電解質型燃料電
    池。
  5. 【請求項5】 前記各入口側マニホールドに連なるガス
    導入口および前記各出口側マニホールドに連なるガス排
    出口が筒形状を有し、かつ前記端板の端面から突出する
    ように形成された請求項1記載の高分子電解質型燃料電
    池。
  6. 【請求項6】 前記端板の前記樹脂材料が補強用無機材
    料を含み、前記樹脂がポリフェニレンサルファイド、液
    晶ポリマーまたはポリスルフォンからなる請求項1記載
    の高分子電解質型燃料電池。
  7. 【請求項7】 前記締結手段による締結圧が、前記端板
    の単位面積あたり、1.5〜5.0 kgf/cm2であ
    る請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
  8. 【請求項8】 前記端板の外側主面上に、さらに補強体
    が設けられている請求項1記載の高分子電解質型燃料電
    池。
  9. 【請求項9】 さらに前記電池スタックに冷却水を供給
    ・排出する冷却水の供給・排出システムを具備し、冷却
    水の供給・排出システムは、冷却水の入口側マニホール
    ドおよび出口側マニホールド、並びに冷却水の入口側マ
    ニホールドと出口側マニホールドを連絡する冷却水の流
    路を具備し、 第1の端板はさらに第3の筒部を具備し、第2の端板は
    さらに第3の筒部を具備し、 第1の集電板はさらに第3の孔を具備し、第2の端板は
    さらに第3の孔を具備し、 第1の端板の第3の筒部は第1の集電板の第3の孔に挿
    入されて冷却水の入口側マニホールドを提供し、第2の
    端板の第3の筒部は第2の集電板の第3の孔に挿入され
    て冷却水の出口側マニホールドを提供する、 請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
  10. 【請求項10】 前記筒部の少なくとも1つはO−リン
    グを受ける溝を有し、前記O−リングは、当該筒部を有
    する端板と当該筒部を孔に挿入している集電板に隣接す
    るセパレータ板との間を気密にシールする請求項1記載
    の高分子電解質型燃料電池。
  11. 【請求項11】 複数の導電性セパレータ板、および前
    記導電性セパレータ板の間に挿入された電解質膜・電極
    接合体を具備し、前記電解質膜・電極接合体が高分子電
    解質膜および前記高分子電解質膜を挟む一対の電極から
    なる電池スタックと;前記電池スタックを挟む一対の集
    電板と;前記電池スタックを前記集電板を介して挟む一
    対の端板と;前記一対の端板を締結することにより前記
    電池スタックに締結圧を加える締結手段と;前記電池ス
    タックに酸化剤ガスおよび燃料ガスを供給・排出するガ
    ス供給・排出システムとを具備し、前記端板が樹脂を主
    成分とする樹脂材料で構成され、 前記ガス供給・排出システムは、酸化剤ガスの入口側マ
    ニホールドおよび出口側マニホールド、並びに燃料ガス
    の入口側マニホールドおよび出口側マニホールドを具備
    し、さらに酸化剤ガスの入口側マニホールドと出口側マ
    ニホールドを連絡する酸化剤ガス流路、および燃料ガス
    の入口側マニホールドと出口側マニホールドを連絡する
    燃料ガス流路を具備し、 前記集電板と前記端板とが、前記集電板が前記端板に入
    り込んだ一体成形体になってい高分子電解質型燃料電
    池。
  12. 【請求項12】 複数の導電性セパレータ板、および前
    記導電性セパレータ板の間に挿入された電解質膜・電極
    接合体を具備し、前記電解質膜・電極接合体が高分子電
    解質膜および前記高分子電解質膜を挟む一対の電極から
    なる電池スタックと;前記電池スタックを挟む一対の集
    電板と;前記電池スタックを前記集電板を介して挟む一
    対の端板と;前記一対の端板を締結することにより前記
    電池スタックに締結圧を加える締結手段と;前記電池ス
    タックに酸化剤ガスおよび燃料ガスを供給・排出するガ
    ス供給・排出システムとを具備し、前記端板が樹脂を主
    成分とする樹脂材料で構成され、 前記ガス供給・排出システムは、酸化剤ガスの入口側マ
    ニホールドおよび出口側マニホールド、並びに燃料ガス
    の入口側マニホールドおよび出口側マニホールドを具備
    し、さらに酸化剤ガスの入口側マニホールドと出口側マ
    ニホールドを連絡する酸化剤ガス流路、および燃料ガス
    の入口側マニホールドと出口側マニホールドを連絡する
    燃料ガス流路を具備し、 前記端板の外側主面上に、さらに補強体が設けられてい
    高分子電解質型燃料電池。
JP2002264497A 2001-09-11 2002-09-10 高分子電解質型燃料電池 Expired - Lifetime JP3535865B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002264497A JP3535865B2 (ja) 2001-09-11 2002-09-10 高分子電解質型燃料電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-274606 2001-09-11
JP2001274606 2001-09-11
JP2002264497A JP3535865B2 (ja) 2001-09-11 2002-09-10 高分子電解質型燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003163026A JP2003163026A (ja) 2003-06-06
JP3535865B2 true JP3535865B2 (ja) 2004-06-07

Family

ID=26621978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002264497A Expired - Lifetime JP3535865B2 (ja) 2001-09-11 2002-09-10 高分子電解質型燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3535865B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005135702A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池発電装置
CA2528689C (en) 2004-03-31 2009-05-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel cell stack
JP2005322542A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Yuasa Corp 燃料電池スタック構造
US7629064B2 (en) * 2004-05-18 2009-12-08 Gm Global Technology Operations, Inc. Manifold sealing and corrosion preventive interface plate for a fuel cell stack
JP4459793B2 (ja) 2004-11-29 2010-04-28 株式会社日立製作所 燃料電池端板および燃料電池
JP5000853B2 (ja) * 2005-03-24 2012-08-15 パナソニック株式会社 燃料電池用セパレータ材料の製造方法と燃料電池用セパレータ並びに燃料電池
JP5105742B2 (ja) * 2005-12-28 2012-12-26 東芝燃料電池システム株式会社 燃料電池スタック
JP5082290B2 (ja) * 2006-04-27 2012-11-28 トヨタ自動車株式会社 熱の利用効率が高い燃料電池
JP5167627B2 (ja) * 2006-11-15 2013-03-21 日産自動車株式会社 燃料電池
WO2009145090A1 (ja) 2008-05-26 2009-12-03 アクアフェアリー株式会社 燃料電池及びその製造方法
JP5166982B2 (ja) * 2008-06-10 2013-03-21 本田技研工業株式会社 燃料電池スタック
JP5298707B2 (ja) * 2008-08-27 2013-09-25 トヨタ自動車株式会社 燃料電池
JP5493503B2 (ja) * 2009-06-29 2014-05-14 トヨタ自動車株式会社 燃料電池スタック
KR101470035B1 (ko) * 2009-11-30 2014-12-11 현대자동차주식회사 연료전지 스택용 엔드플레이트의 제조 방법
JP2015098946A (ja) * 2013-11-18 2015-05-28 株式会社ティラド 燃料電池循環水用熱交換器
US10350550B2 (en) * 2017-07-19 2019-07-16 Pall Corporation Fluid treatment assembly and method of use

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003163026A (ja) 2003-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100478305B1 (ko) 연료전지
US6232008B1 (en) Electrochemical fuel cell stack with improved reactant manifolding and sealing
JP3535865B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池
US6261711B1 (en) Sealing system for fuel cells
US6322919B1 (en) Fuel cell and bipolar plate for use with same
KR100938948B1 (ko) 고분자 전해질형 연료전지
US10297854B2 (en) Fuel cell stack
JP5105742B2 (ja) 燃料電池スタック
US20090098435A1 (en) Fuel cells
WO2005069406A2 (en) Bipolar plate with cross-linked channels
US20110053030A1 (en) Fuel Cell with Gas Diffusion Layer having Flow Channel and Manufacturing Method Thereof
US9023546B2 (en) Fuel cell
JP2011222526A (ja) 燃料電池スタック
JP4680338B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池およびその締結方法
JP2004335453A (ja) 燃料電池セル、燃料電池、燃料電池発電システム、およびそれらの製造方法
US20090053581A1 (en) Separator and fuel cell
JP2003123801A (ja) 高分子電解質型積層燃料電池
US11508982B2 (en) Fuel cell stack
JP4083304B2 (ja) 固体高分子型燃料電池
KR20090068262A (ko) 연료 전지
JP4848824B2 (ja) 固体高分子型燃料電池
JP2001167789A (ja) 高分子電解質型燃料電池
US20080145741A1 (en) Fuel battery cell and fuel cell stack
US8546040B2 (en) Fuel cell
WO2007013298A1 (ja) 燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20031127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3535865

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080319

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100319

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110319

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110319

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term