JP2001283643A - 透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネル - Google Patents
透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネルInfo
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Abstract
短く、且つ、ペン入力耐久性に優れ、特にポリアセター
ル製ペン(先端形状:0.8mmR)を使用し、5.0
Nの荷重で10万回の摺動試験でも透明導電性薄膜が破
壊されない、透明導電性フィルムまたは透明導電性シー
ト、及びこれらを用いたタッチパネルを提供する。 【解決手段】 透明プラスチックフィルム基材上に、硬
化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層、及び透明導
電性薄膜、および高硬度薄膜を順次積層することを特徴
とする透明導電性フィルム。
Description
フィルム基材上に硬化物層及び透明導電性薄膜及び高硬
度薄膜をこの順に積層した透明導電性フィルムまたは透
明導電性シート、及びこれらを用いたタッチパネルに関
するものであり、特にペン入力用タッチパネルに用いた
際にペン摺動耐久性に優れ、且つ、エッチング時間の短
い透明導電性フィルムまたは透明導電性シート、及びこ
れらを用いたタッチパネルに関するものである。
明でかつ抵抗が小さい薄膜を積層した透明導電性フィル
ムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディス
プレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレ
イなどのようなフラットパネルディスプレイや、タッチ
パネルの透明電極など、電気、電子分野の用途に広く使
用されている。
ートパソコンの普及により、従来以上に耐ペン摺動性に
優れたタッチパネルが要求されるようになってきた。
側の透明導電性薄膜と可動電極(フィルム電極)側の透
明導電性薄膜同士が接触するが、この際にペン荷重で透
明導電性薄膜にクラック、剥離などの破壊が生じない、
優れた耐ペン摺動性を有する透明導電性フィルムが必要
とされる。
透明導電性フィルムは次のような課題を有していた。
フィルム基材上に透明導電性薄膜を形成し、粘着剤層で
他の透明基体と貼りあわせた透明導電性フィルム(特開
平2−66809号公報)が提案されている。しかしな
がら、後述の摺動耐久試験に記載のポリアセタール製の
ペンを使用し、5.0Nの荷重で10万回の直線摺動試
験後には、透明導電性薄膜に剥離が生じ、ペン入力に対
する耐久性は不十分であった。そのため、この剥離部の
白化により、タッチパネル付きディスプレイ用に使用し
た際に表示品位が低下する。また、粘着剤を用いて貼り
あわせるため、貼りあわせ時にゴミなどの異物が混入
し、光学欠点の多い透明導電性フィルムとなる。
に、有機ケイ素化合物の加水分解により生成された層を
設け、さらに結晶質の透明導電性薄膜を積層した透明導
電性フィルムが、例えば特開昭60−131711号公
報、特開昭61−79647号公報、特開昭61−18
3809号公報、特開平2−194943号公報、特開
平2−276630号公報、特開平8−64034号公
報などに提案されている。
透明導電性薄膜であるため非常に硬く、後述の摺動耐久
試験に記載のポリアセタール製のペンを使用し、5.0
Nの荷重で10万回の直線摺動試験後でも劣化がない。
しかしながら、タッチパネル製造工程の回路加工時にお
いて、結晶性の透明導電性薄膜であるためにエッチング
時間が非常に長くなってしまい、タッチパネルの製造コ
ストが高くなってしまう。また、透明導電性薄膜をスパ
ッタリングした後に190℃程度の熱処理を必要とする
ため、透明導電性フィルム自体の加工コストが高くなる
という欠点がある。
み、タッチパネルに用いた際のペン入力耐久性に優れ、
特に後述の摺動耐久試験に記載のポリアセタール製のペ
ンを使用し、5.0Nの荷重で10万回の摺動試験でも
透明導電性薄膜が破壊されず、かつ、タッチパネル製造
工程のエッチング時間が短い透明導電性フィルムまたは
透明導電性シート、及びこれらを用いたタッチパネルを
提供することにある。
状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決す
ることができた透明導電性フィルム、透明導電性シート
およびタッチパネルとは、以下の通りである。
チックフィルム基材上に、硬化型樹脂を主たる構成成分
とする硬化物層、及び透明導電性薄膜、および高硬度薄
膜を順次積層することを特徴とする透明導電性フィルム
である。
膜であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性フ
ィルムである。
ンドライクカーボン薄膜であることを特徴とする請求項
1記載の透明導電性フィルムである。
ジウム−スズ複合酸化物からなることを特徴とする第1
乃至3の発明に記載の透明導電性フィルムである。
−アンチモン複合酸化物からなることを特徴とする第1
乃至3の発明に記載の透明導電性フィルムである。
透明導電性薄膜面とは反対面に、ハードコート層を積層
することを特徴とする第1乃至5記載の透明導電性フィ
ルムである。
効果を有することを特徴とする第6記載の透明導電性フ
ィルムである。
射処理を施したことを特徴とする第6または7の発明に
記載の透明導電性フィルムである。
透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面とは反対面に透
明樹脂シートを粘着剤を介して貼り合わせることを特徴
とする透明導電性シートである。
する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向するよう
にスペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおい
て、少なくとも一方のパネル板が請求項1乃至9のいず
れかに記載の透明導電性フィルムもしくは透明導電性シ
ートからなることを特徴とするタッチパネルである。
フィルム基材とは、有機高分子を溶融押出し又は溶液押
出しをして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に
延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分
子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート、ポリプロピレンテレフタレート、ナイロン6、ナ
イロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリエーテルサルファン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテ
ルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレン
オキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチックポリス
チレン、ノルボルネン系ポリマーなどがあげられる。
ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート、シンジオタクチッ
クポリスチレン、ノルボルネン系ポリマー、ポリカーボ
ネート、ポリアリレートなどが、最も好ましく用いられ
る。また、これらの有機高分子は他の有機重合体の単量
体を少量共重合したり、他の有機高分子をブレンドして
もよい。
基材の厚みは、10μmを越え、300μm以下の範囲
であることが好ましく、70〜260μmの範囲が特に
好ましい。プラスチックフィルムの厚みが10μm以下
では機械的強度が不足し、特にタッチパネルに用いた際
のペン入力に対する変形が大きくなり過ぎ、耐久性が不
十分となる。一方、厚みが300μmを越えると、タッ
チパネルに用いた際に、フィルムを変形させるためのペ
ン荷重が大きくなり、好ましくない。
基材は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記フィル
ムをコロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外
線照射処理、電子線照射処理、オゾン処理などの表面活
性化処理を施してもよい。
プラスチックフィルム基材と透明導電性薄膜との密着性
や耐熱性向上を目的とするものであり、加熱、紫外線照
射、電子線照射などのエネルギー印加により硬化する樹
脂であれば特に制限はないが、生産性の観点から紫外線
硬化型樹脂が好ましい。このような紫外線硬化型樹脂と
しては、例えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタ
クリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹
脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸
又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなどか
ら合成されるような多官能性のウレタンアクリレート樹
脂などを挙げることができる。必要に応じてこれらの多
官能性の樹脂に単官能性の単量体、例えば、ビニルピロ
リドン、メチルメタクリレート、スチレンなどを加えて
共重合させることができる。
を添加して使用される。光重合開始剤としては、紫外線
を吸収してラジカルを発生する公知の化合物を特に制限
なく使用することができ、このような光重合開始剤とし
ては、例えば、各種ベンゾイン類、フェニルケトン類、
ベンゾフェノン類などを挙げることができる。光重合開
始剤の添加量は、紫外線硬化型樹脂100重量部当たり
通常1〜5重量部である。
る構成成分である硬化型樹脂のほかに、硬化型樹脂に非
相溶な樹脂を併用してもよい。マトリックスの硬化型樹
脂に非相溶な樹脂を少量併用することで、硬化型樹脂中
で相分離が起こり非相溶樹脂を粒子状に分散させること
ができる。この非相溶樹脂の分散粒子により、硬化物表
面に凹凸を形成させることができる。この凹凸形状によ
りタッチパネルに用いた際に固定電極との滑り性が向上
してペン摺動耐久性が向上する。
合、非相溶樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などが例
示される。
で5,000〜50,000と高分子量であることが好ま
しく、特に好ましくは8,000〜30,000である。
ポリエステル樹脂の分子量が5,000未満であると、
ポリエステル樹脂が硬化物層中で適切な大きさの粒子と
なって分散することが困難となる傾向があり好ましくな
い。一方、ポリエステル樹脂の分子量が50,000を
超えると、塗布液を調整する際、溶剤に対する溶解性が
低下するので好ましくない。
価アルコールと二価カルボン酸を重合することにより得
られる非結晶性の飽和ポリエステル樹脂であり、上記の
紫外線硬化型樹脂と共通の溶媒に溶解することができる
ものである。
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水
素化ビスフェノールAなどを挙げることができる。
えば、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、無水
フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸などを挙げることができる。
囲で、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール
のような三価以上のアルコール、及び、無水トリメリッ
ト酸や無水ピロメリット酸のような三価以上のカルボン
酸を共重合することができる。
である紫外線硬化型樹脂と高分子量のポリエステル樹脂
との配合割合は、紫外線硬化型樹脂100重量部当たり
ポリエステル樹脂0.10〜20重量部であることが好
ましく、さらに好ましくは0.20〜10重量部、特に
好ましくは0.50〜5.0重量部である。前記ポリエ
ステル樹脂の配合量が紫外線硬化型樹脂100重量部当
たり0.10重量部未満であると、硬化物層表面に形成
される突起数が少なくなり好ましくない。一方、前記ポ
リエステル樹脂の配合量が紫外線硬化型樹脂100重量
部当たり20重量部を超えると、この硬化物層の強度が
低下しやすくなる。さらに、ポリエステル樹脂は紫外線
硬化型樹脂と屈折率に差異があるため、硬化物層のヘー
ズ値が上昇し透明性を悪化させる傾向があるので好まし
くない。しかしながら、高分子量のポリエステル樹脂の
分散粒子による透明性の悪化を積極的に利用し、ヘーズ
値の高いフィルムを防眩フイルムとして使用することが
できる。
び高分子量のポリエステル樹脂は、それぞれに共通の溶
剤に溶解して塗布液を調製する。使用する溶剤には特に
制限はなく、例えば、エチルアルコール、イソプロピル
アルコールなどのようなアルコール系溶剤、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのようなエステル系溶剤、ジブチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど
のようなエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのようなケトン系溶剤、トルエン、
キシレン、ソルベントナフサなどのような芳香族炭化水
素系溶剤などを単独に、あるいは混合して使用すること
ができる。塗布液中の樹脂成分の濃度は、コーティング
法に応じた粘度などを考慮して適切に選択することがで
きるが、通常は、塗布液中に紫外線硬化型樹脂、光重合
開始剤及び高分子量のポリエステル樹脂の合計量が占め
る割合は20〜80重量%である。また、この塗布液に
は、必要に応じてその他の公知の添加剤、例えば、シリ
コーン系レベリング剤などを添加することができる。
プラスチックフイルム基材上にコーティングされる。コ
ーティング法には特に制限はなく、バーコート法、グラ
ビアコート法、リバースコート法などの従来から知られ
ている方法を使用することができる。コーティングされ
た塗布液は、次の乾燥工程で溶剤が蒸発除去される。こ
の工程で、塗布液中で均一に溶解していた高分子量のポ
リエステル樹脂は、相分離し微粒子状に分散して紫外線
硬化型樹脂中に析出する。塗膜が乾燥した後、プラスチ
ックフイルムには、さらに紫外線が照射され、紫外線硬
化型樹脂が架橋・硬化して硬化物層を形成する。この硬
化の工程で、高分子量のポリエステル樹脂の分散微粒子
はハードコート層中に固定され、また、硬化物層の表面
に突起を形成する。
mの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5
0〜10μmの範囲であり、特に好ましくは1.0〜
8.0μmの範囲である。硬化物層の厚みが0.10μ
mよりも薄い場合には、後述する突起が十分に形成され
ない。一方、15μmよりも厚い場合には生産性の観点
から好ましくない。
透明性及び導電性をあわせもつ材料であれば特に制限は
ないが、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、インジ
ウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、
亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合
酸化物、銀および銀合金、銅および銅合金、金等が単層
もしくは2層以上の積層構造したものが挙げられる。こ
れらのうち、環境安定性や回路加工性の観点からインジ
ウム−スズ複合酸化物もしくはスズ−アンチモン複合酸
化物が好適である。
範囲が好ましく、特に好ましくは5〜500nmであ
る。透明導電性薄膜の膜厚が4nmよりも薄い場合、連
続した薄膜になりにくく良好な導電性を示しにくくな
る。また、800nmよりも厚い場合、透明性が低下し
やすくなる。
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、
イオンプレーティング法、スプレー法などが知られてお
り、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いる
ことが出来る。
ターゲットを用いた通常のスパッタリング法、あるい
は、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等
が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒
素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、プラズマ照
射、イオンアシスト等の手段を併用してもよい。また、
本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、
高周波などのバイアスを印加してもよい。
電性薄膜を成膜する際の温度は、150℃以下とするこ
とが好ましい。成膜時の温度を150℃を越える温度に
するためには、プラスチックフィルムの送り速度を極端
に遅くする必要があり、工業的に不適である。
は、0.01〜10Paの範囲で行うのが好ましい。真
空度が0.01Paよりも高真空では、安定な放電が出
来ないため、スパッタリングが安定しない。また、10
Paよりも低い真空度でも、やはり安定な放電が出来な
いため、スパッタリングが安定しない。また、蒸着法、
CVD法などの他の方法においても同様である。
するために、硬化物層を表面処理することが有効であ
る。具体的な手法としては、カルボニル基、カルボキシ
ル基、水酸基を増加するためにグローまたはコロナ放電
を照射する放電処理法、アミノ基、水酸基、カルボニル
基などの極性基を増加させるために酸またはアルカリで
処理する化学薬品処理法などが挙げられる。
脂硬化物層/透明導電性薄膜からなる透明導電性フィル
ムをタッチパネルに用いた際には、透明導電性薄膜が固
定電極側よりも柔らかいために、ペン摺動試験後に透明
導電性薄膜に摩耗傷が生じてしまう。
薄膜を積層することで、ペン摺動試験後に摩耗傷が生じ
なくなる。この高硬度薄膜は固定電極とのペン摺動試験
後に摩耗傷を生じないものであれば特に制限はない。高
硬度薄膜としては、窒化物薄膜あるいはダイヤモンドラ
イクカーボン(Diamond Like Carbon、以下DLCと略
す。)薄膜が好ましい。
コン、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシ
ウム、リチウム、亜鉛、炭素、ガリウム、インジウム、
錫、ハフニウム、タングステン、ニオブ、タンタルなど
の金属の窒化物からなる薄膜である。
成膜方法と同様であるが、生産性の観点から反応性スパ
ッタリング法が好ましい。前述の金属材料をターゲット
に用いて、アルゴンなどの不活性ガスと、反応性ガスと
して窒素ガスを導入して窒化物薄膜を形成する。真空
度、基板温度などの条件は透明導電性薄膜の成膜時と同
様である。
の成膜方法と同様であるが、スパッタリング法、DCプ
ラズマCVD法、RFプラズマCVD法、ECRプラズ
マCVD法等が好ましい。スパッタリング法を用いる場
合、固体のカーボンターゲットを用いる。また、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガス単独でスパッタリングを行
ってよいし、水素もしくは炭化水素系ガスを反応性ガス
とし混合してもよい。炭化水素系ガスとしては、メタ
ン、エタン、エチレン、アセチレンなどのガス、あるい
はベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メ
タノール、エタノール等の液体をガス化したものを単独
もしくは混合して用いるのが好ましい。
は、DLC成膜中にイオン照射を行うことが有効であ
る。イオン照射を行うためには、イオンガンを用いる方
法、基板バイアスを印加する方法、磁場配位により基板
付近にイオンを導入する方法などが挙げられる。
薄膜を成膜する場合には、磁場配位により基板付近にイ
オンを導入する方法が経済的な観点から好ましい。スパ
ッタリング法としては、成膜速度を向上するためにター
ゲット背面の中心部にはS極、周辺部にはN極の磁石を
配置したマグネトロンスパッタリング法を用いる。通常
はN極とS極の磁場強度は同一にする。しかしながら、
例えばN局側の磁場強度をS局側よりも強くすること
で、磁力線が基板に入射し、この磁力線に添ってイオン
が基板に入射するようになる。このイオン照射によりさ
らに高硬度なDLC薄膜を作製できる。その他の成膜条
件は透明導電性薄膜と同様である。
化水素系ガスを単独もしくは混合して用い、アルゴンな
どのキャリアガスを併用してもよい。
の範囲が好ましい。特に好ましくは1〜30nmであ
る。0.5nm未満では均一な薄膜とならず、50nm
を超えると光線透過率が不十分な透明導電性フィルムに
なってしまう。
ン入力面)の耐擦傷性をさらに向上させるために、透明
プラスチックフィルムの透明導電性薄膜を形成させた表
面とは反対面(タッチパネルとした際の最外層のペン入
力面)に、ハードコート層を設けることが好ましい。前
記ハードコート層の硬度は、鉛筆硬度で2H以上である
ことが好ましい。2Hよりも低い硬度では、透明導電性
フィルムのハードコート層としては耐擦傷性の点で不十
分である。
μmであることが好ましい。厚みが0.5μm未満で
は、耐擦傷性が不十分となりやすく、10μmよりも厚
い場合には生産性の観点から好ましくない。
脂組成物の皮膜形成成分は、アクリレート系の官能基を
有するものが好ましい。例えば、比較的低分子量のポリ
エステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセ
タール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエ
ン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)ア
クリート等のオリゴマーまたはプレポリマー、及び反応
性希釈剤として、エチル(メタ)アクリート、エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレ
ン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多
官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較
的多量に含有するものが使用できる。
レタンアクリレートの混合物が好適である。その理由
は、ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬くてハ
ードコート層として適しているためである。しかしなが
ら、ポリエステルアクリレート単独の塗膜では耐衝撃性
が低く脆くなりやすいので、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性
を与えるために、ポリウレタンアクリレートを併用す
る。ポリエステルアクリレート100重量部に対するポ
リウレタンアクリレートの配合割合は30重量部以下と
するのが好ましい。この配合割合が30重量部を超える
と、塗膜が柔らかくなりすぎて耐衝撃性が不十分となる
傾向がある。
常の硬化方法、即ち、加熱、電子線または紫外線の照射
によって硬化する方法を用いることができる。例えば、
電子線硬化の場合は、コックロフトワルトン型、ハンデ
グラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダ
イナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放
出される50〜1000keV、好ましくは100〜3
00keVのエネルギーを有する電子線等が使用され
る。また、紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧
水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアー
ク、メタルハイライドランプ等の光線から発する紫外線
等が利用できる。
の硬化型樹脂組成物中に光重合開始剤として、アセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベン
ゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感
剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−
n−ブチルホスフィン等を混合することが好ましい。本
発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モ
ノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート等を混合することが特に好ましい。
は、硬化型樹脂中にCaCO3やSiO2などの無機粒子
を分散させたり、ハードコート層の表面に凹凸形状を形
成させることが有効である。例えば、凹凸を形成するた
めには、硬化型樹脂組成物を含む塗液を塗工後、表面に
凸形状を有する賦形フィルムをラミネートし、この賦形
フィルム上から紫外線を照射し硬化型樹脂を硬化させた
後に、賦形フィルムのみを剥離することにより得られ
る。
ポリエチレンテレフタレート(以後、PETと略す)等
の基材フィルム上に所望の凸形状を設けたもの、或い
は、PET等の基材フィルム上に繊細な凸層を形成した
もの等を用いることができる。その凸層の形成は、例え
ば、無機粒子とバインダー樹脂からなる樹脂組成物を用
いて基材フィルム上に塗工することにより得ることがで
きる。前記バインダー樹脂は、例えば、ポリイソシアネ
ートで架橋されたアクリルポリオールを用い、無機粒子
としては、CaCO3やSiO2などを用いることができ
る。また、この他にポリエチレンテレフタレート(PE
T)製造時にSiO2等の無機粒子を練込んだマットタ
イプのPETも用いることができる。
膜にラミネートした後、紫外線を照射して塗膜を硬化す
る場合、賦型フィルムがPETを基材としたフィルムで
あると、該フィルムに紫外線の短波長側が吸収され、紫
外線硬化型樹脂の硬化が不足するという欠点がある。し
たがって、紫外線硬化型樹脂の塗膜にラミネートする賦
型フィルムの透過率が20%以上のものを使用すること
が必要である。
の透過率をさらに向上させるために、ハードコート層上
に低反射処理を施してもよい。この低反射処理は、ハー
ドコート層の屈折率とは異なる屈折率を有する材料を単
層もしくは2層以上に積層することが好ましい。単層構
造の場合、ハードコート層よりも小さな屈折率を有する
材料を用いるのが好ましい。また、2層以上の多層構造
とする場合は、ハードコート層と隣接する層は、ハード
コート層よりも大きな屈折率を有する材料を用い、この
上の層にはこれよりも小さな屈折率を有する材料を選ぶ
のがよい。このような低反射処理を構成する材料として
は、有機材料でも無機材料でも上記の屈折率の関係を満
足すれば特に限定されない。例えば、CaF2、Mg
F2、NaAlF4、SiO2、ThF4、ZrO2、Nd2
O3、SnO2、TiO2、CeO2、ZnS、In2O3、
などの誘電体を用いるのが好ましい。
リング法、CVD法、イオンプレーティング法などのド
ライコーティングプロセスでも、グラビア方式、リバー
ス方式、ダイ方式などのウェットコーティングプロセス
でもよい。
て、前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処理、ス
パッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処
理、プライマ処理、易接着処理などの公知の表面処理を
ハードコート層に施してもよい。
導電性薄膜を形成していない面と粘着剤を介して透明樹
脂シートと積層することで、タッチパネルの固定電極に
用いる透明導電性積層シートが得られる。すなわち、固
定電極をガラスから樹脂製にすることで、軽量かつ割れ
にくいタッチパネルを作製することができる。
特に制限はないが、例えばアクリル系粘着剤、シリコー
ン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが好適である。この粘着
剤の厚さは特に制限はないが、通常1〜100μmの範
囲に設定するのが望ましい。粘着剤の厚みが1μm未満
の厚さの場合、実用上問題のない接着性を得るのが難し
く、100μmを越える厚さでは生産性の観点から好ま
しくない。
ートは、ガラスと同等の機械的強度を付与するために使
用するものであり、厚さは0.05〜5.0mmの範囲
が好ましい。前記透明樹脂シートの厚みが0.05mm
未満では、機械的強度がガラスに比べ不足する。一方、
厚さが5.0mmを越える場合には、厚すぎてタッチパ
ネルに用いるには不適当である。また、この透明樹脂シ
ートの材質は、前記の透明プラスチックフィルムと同様
のものを使用することができる。
を、透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介し
て配置してなるタッチパネルにおいて、一方のパネル板
に本発明の透明導電性フィルムを用いることで、このタ
ッチパネルにペンにより文字を入力した時に、ペンから
の押圧により、対向した透明導電性薄膜同士が接触し、
電気的にONの状態になり、タッチパネル上でのペンの
位置を検出することができる。このペン位置を連続的か
つ正確に検出することで、ペンの軌跡から文字を認識す
ることができる。この際、ペン接触側の可動電極が本発
明の透明導電性フィルムを用いると、ペン入力耐久性に
優れるため、長期にわたって安定なタッチパネルとする
ことができる。
透明導電性シートを使用した、ガラス基板を用いないプ
ラスチック製のタッチパネルは、ガラスを用いていない
ため、非常に軽量であり、かつ、衝撃により割れたりす
ることがない。
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお、透明導電性フィルムの性能お
よびタッチパネルのペン入力耐久性試験は、下記の方法
により測定した。
05に準拠し、日本電色工業(株)製NDH−1001
DPを用いて、光線透過率及びヘイズを測定した。
し、4端子法にて測定した。測定機は、三菱油化(株)
製 Lotest AMCP−T400を用いた。
イズに切り出した透明導電性フィルムの両端にテスター
を接続し、抵抗を測定しながら、40℃、20%硫酸水
溶液中に浸漬し、抵抗が10MΩ以上となる時間をエッ
チング時間とした。
び硬化性高分子硬化層を溶解し、透明導電性薄膜の単独
膜を得るために、透明導電性フィルムを1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール中に2日
間浸漬する。溶液中の透明導電性薄膜をマイクログリッ
ドに乗せ、溶液を乾燥させるために1日間風乾した。こ
の試料の電子線回折像を透過型電子顕微鏡(日本電子
(株)製:JEM−2010)にて測定した。電子線の
条件は、加速電圧200kV、波長0.0025nmで
行った。この回折像から透明導電性薄膜が結晶質である
か、非晶質であるかを判断した。
インジウム−錫複合酸化物(ITO)薄膜を積層したガ
ラス(日本曹達(株)製:500Ω/□品)をそれぞれ
50mm幅に切り出し、各々の導電面が向かい合うよう
にし、両面接着テープ(日東電工社製、No.500、
5mm幅)で両者を固定し、重ね合わせた。次いで、透
明導電性フィルム側から、ポリアセタール製のペン(先
端の形状:0.8mmR)に5.0Nの荷重をかけ、1
0万回(往復5万回)の摺動試験を行った。この時の摺
動距離は30mm、摺動速度は60mm/秒とした。こ
の後、透明導電性フィルムの導電面のペン摺動部分を目
視観察して、摩耗傷の有無を確認した。摩耗傷が無い場
合を高硬度薄膜と定義した。本発明の透明導電性フィル
ムの場合、導電性薄膜の上に高硬度薄膜が形成されてい
る。
のペン(先端の形状:0.8mmR)に5.0Nの荷重
をかけ、10万回(往復5万回)の摺動試験をタッチパ
ネルに行った。この時の摺動距離は30mm、摺動速度
は60mm/秒とした。この摺動耐久試験後に、ペン荷
重0.5Nで上記の摺動部にかかるように20mmφの
記号○印を筆記し、タッチパネルがこれを正確に読みと
れるものをOK、○印を飛びや変形などがあり正確に読
み取れなかった場合をNGと評価した。さらに、ペン荷
重0.5Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電
極(フィルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗
値)を摺動耐久性試験前後で測定した。
(株)、セイカビームEXF−01J)100重量部
に、共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)、バイロ
ン200、重量平均分子量18,000)3重量部を配
合し、溶剤としてトルエン/MEK(8/2;重量比)
の混合溶媒を、固形分濃度が50重量%になるように加
え、撹拌して均一に溶解し塗布液を調製した。片面に易
接着層を有する二軸配向ポリエチレンテレフタレートフ
イルム(東洋紡績(株)、A4140、厚み188μ
m)の易接着処理面に、塗膜の厚みが5μmになるよう
に、調製した塗布液をマイヤーバーを用いて塗布し、8
0℃で1分間乾燥を行った後、紫外線照射装置(アイグ
ラフィックス(株)、UB042−5AM−W型)を用
いて紫外線を照射(光量:300mJ/cm2)し、塗
膜を硬化させた。
複合酸化物からなる透明導電性薄膜を成膜した。このと
き、ターゲットには酸化スズ36重量%含有した酸化イ
ンジウムをターゲット(ジャパンエナジー(株)、密
度:6.6g/cm3)に用いて、2.0W/cm2のD
C電力を印加した。また、Arガスを130sccm、
O2ガスを10sccmの流量で流し、0.40Paの
雰囲気下でDCマグネトロンスパッタリング法で成膜し
た。ただし、通常のDCではなく、アーク放電を防止す
るために、+20Vの2μs幅のパルスを50kHz周
期で印加した。また、−10℃の冷却ロールでフィルム
を冷却しながら、スパッタリングを行った。また、雰囲
気の酸素分圧をスパッタプロセスモニター(伯東
(株)、SPM200)にて常時観測しながら、インジ
ウム−スズ複合酸化物薄膜中の酸化度が一定になるよう
に酸素ガスの流量計およびDC電源にフィートバックし
た。以上のようにして、厚さ27nmのインジウム−ス
ズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を堆積した。
化シリコン薄膜を以下のようにして成膜した。シリコン
ターゲット(三井金属鉱業(株)製、純度:99.99
%)を用いて、8.0W/cm2のDC電力を印加し
た。また、Arガスを500sccm、N2ガスを15
0sccmの流量で流し、0.40Paの雰囲気下でD
Cマグネトロンスパッタリング法で成膜した。ただし、
通常のDCではなく、アーク放電を防止するために、+
20Vの0.5μs幅のパルスを200kHz周期で印
加した。また、表面温度が−10℃の冷却ロールでフィ
ルムを冷却しながら、スパッタリングを行った。窒化シ
リコン薄膜の膜厚は5nmであった。
ネル板として用い、他方のパネル板として、ITOガラ
ス(日本曹達(株)、500Ω/□品)を用いた。この
2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直
径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパ
ネルを作製した。
ム基材/硬化物層上にスズ−アンチモン複合酸化物から
なる透明導電性薄膜を成膜した。このとき、ターゲット
には酸化アンチモン5重量%含有した酸化スズをターゲ
ット(三井金属鉱業(株)、密度:5.7g/cm3)
に用いて、2.0W/cm2のDC電力を印加した。ま
た、Arガスを130sccm、O2ガスを20scc
mの流量で流し、0.40Paの雰囲気下でDCマグネ
トロンスパッタリング法で成膜した。ただし、通常のD
Cではなく、アーク放電を防止するために、+20Vの
2μs幅のパルスを50kHz周期で印加した。また、
表面温度が−10℃の冷却ロールでフィルムを冷却しな
がら、スパッタリングを行った。また、雰囲気の酸素分
圧をスパッタプロセスモニター(伯東(株)、SPM2
00)にて常時観測しながら、錫−アンチモン複合酸化
物薄膜中の酸化度が一定になるように酸素ガスの流量計
およびDC電源にフィートバックした。以上のようにし
て、厚さ20nmのインジウム−スズ複合酸化物からな
る透明導電性薄膜を堆積した。
チタン薄膜を以下のようにして形成した。チタンターゲ
ット(三井金属鉱業(株)製、純度:99.99重量
%)を用いて、10W/cm2のDC電力を印加した。
また、Arガスを500sccm、N2ガスを150s
ccmの流量で流し、0.40Paの雰囲気下でDCマ
グネトロンスパッタリング法で成膜した。ただし、通常
のDCではなく、アーク放電を防止するために、+20
Vの0.5μs幅のパルスを200kHz周期で印加し
た。また、表面温度が−10℃の冷却ロールでフィルム
を冷却しながら、スパッタリングを行った。窒化チタン
薄膜の膜厚は5nmであった。また、実施例1と同様に
してタッチパネルを作製した。
ム基材/硬化物層/透明導電性薄膜上に高硬度薄膜とし
てDLC薄膜を以下のようにして形成した。カーボンタ
ーゲット((株)コベルコ科研製、純度:99.99重
量%、密度:1.9g/cm3)を用いて、5.0W/
cm2のDC電力を印加した。また、Arガスを200
sccm流し、0.40Paの雰囲気下でDCマグネト
ロンスパッタリング法で成膜した。ただし、通常のDC
ではなく、アーク放電を防止するために、+20Vの1
μs幅のパルスを200kHz周期で印加した。また、
表面温度が−10℃の冷却ロールでフィルムを冷却しな
がら、スパッタリングを行った。送り速度を変えて、D
LC薄膜の膜厚を1、2、5nmとした。また、実施例
1と同様にしてタッチパネルを作製した。
o磁石、中心部をフェライト磁石を用いた以外は、実施
例3と同様にして透明導電性フィルムを作製した。ま
た、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
らなる積層体の、硬化物層面とは反対面にハードコート
層樹脂としてポリエステルアクリレートとポリウレタン
アクリレートとの混合物からなる紫外線硬化型樹脂(大
日精化工業(株)、EXG)を膜厚5μm(乾燥時)に
なるようにグラビアリバース法により塗布し、溶剤を乾
燥させた。この後、160Wの紫外線照射装置の下を1
0m/分の速度で通過させ、紫外線硬化型樹脂を硬化さ
せ、ハードコート層を形成させた。
ィルム基材/硬化物層からなる積層体の硬化物層上に、
実施例4と同様にしてインジウム−スズ複合酸化物薄膜
を成膜し、さらこの上に5nmの厚さのDLC薄膜を形
成した。また、この透明導電性フィルムを用いて、実施
例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
/硬化物層からなる積層体を作製した。この積層体の硬
化物層面とは反対面に、ハードコート層樹脂としてポリ
エステルアクリレートとポリウレタンアクリレートとの
混合物からなる紫外線硬化型樹脂(大日精化工業
(株)、EXG)を膜厚5μm(乾燥時)になるように
グラビアリバース法により塗布し、溶剤を乾燥した。そ
の後、表面に微細な凸形状が形成されたポリエチレンテ
レフタレートフィルムのマット賦形フィルム(東レ
(株)、X)をマット面が紫外線硬化型樹脂と接するよ
うにラミネートした。このマット賦形フィルムの表面形
状は、平均表面粗さ0.40μm、山の平均間隔160
μm、最大表面粗さ25μmである。このようにラミネ
ートしたフィルムを160Wの紫外線照射装置の下を1
0m/分の速度で通過させ、紫外線硬化型樹脂を硬化さ
せた。次いで、マット賦形フィルムを剥離して、表面に
凹形状加工が施され防眩効果のあるハードコート層を形
成させた。
ックフィルム基材/硬化物層からなる積層体の硬化物層
上に、実施例4と同様にしてインジウムースズ複合酸化
物薄膜および5nm厚のDLC薄膜を成膜した。また、
この透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、
実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
スチックフィルム基材/硬化物層/透明導電性薄膜/高
硬度薄膜からなる積層体を作製した。次いで、この防眩
性ハードコート層上に順次TiO2(屈折率:2.3
0、膜厚:15nm)、SiO2(屈折率:1.46、
膜厚:29nm)、TiO2(屈折率:2.30、膜
厚:109nm)、SiO2(屈折率:1.46、膜
厚:87nm)を積層することで反射防止処理層を形成
した。TiO2薄膜を形成するには、チタンをターゲッ
トに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、真
空度を0.27Paとし、ガスとしてArガスを500
sccm、O2ガスを80sccmの流速で流した。ま
た、基板の背面には0℃の冷却ロールを設けて、透明プ
ラスチックフィルムを冷却した。このときのターゲット
には7.8W/cm2の電力を供給し、ダイナミックレ
ートは23nm・m/分であった。
ターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング
法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを5
00sccm、O2ガスを80sccmの流速で流し
た。また、基板の背面には表面温度が0℃の冷却ロール
を設けて、透明プラスチックフィルムを冷却した。この
ときのターゲットには7.8W/cm2の電力を供給
し、ダイナミックレートは23nm・m/分であった。
また、この透明導電性フィルムを一方のパネル板として
用い、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
クリル系粘着剤を介して、厚みが1.0mmのポリカー
ボネート製のシートに貼り付けて、透明導電性積層シー
トを作製した。この透明導電性積層シートを固定電極と
して用い、実施例6の透明導電性フィルムを可動電極に
用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した
して透明導電性薄膜を積層した。さらにこの透明導電性
フィルムを用い、実施例1と同様にしてタッチパネルを
作製した。
リコン薄膜を最表面に形成した以外は、実施例1と同様
にして透明導電性薄膜を積層した。さらに、この透明導
電性フィルムを用い、実施例1と同様にしてタッチパネ
ルを作製した。
エチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)、A
4140、厚み188μm)の易接着処理面に、有機ケ
イ素化合物のブタノール、イソプロパノール混合アルコ
ール系溶液(濃度:1重量%)を塗布した後、 100
℃で1分間乾燥させた。この後、有機ケイ素化合物上に
酸化スズ含有率5重量%のインジウム−スズ合金ターゲ
ットを用い、基板温度120℃で成膜した。また、真空
度は0.27Paとし、ガスとしてArガスを130s
ccm、O2ガスを40sccmの流速で流し、ターゲ
ットへは1.5W/cm2の電力を印加した。成膜後、
さらに190℃で2分間の加熱処理を行い、結晶性のイ
ンジウム−スズ複合酸化物薄膜を作製した。また、この
透明導電性フィルムを用い、実施例1と同様にしてタッ
チパネルを作製した。
及び図1〜2に示す。表1の結果より、実施例1〜8記
載の本発明の透明導電性フィルムは、エッチング時間も
短く、導電面に摩耗傷も生じていない。さらに、この透
明導電性フィルムを用いたタッチパネルは、導電面が高
硬度薄膜で覆われているため、ポリアセタール製ペン
(先端形状:0.8mmR)に5.0Nの荷重をかけ1
0万回の摺動試験を行った後でも、ON抵抗の上昇もほ
とんどなかった。また、入力した記号○印も正確に認識
していた。
は導電面に摩耗傷が生じている。このため、タッチパネ
ルに用いた際に、ポリアセタール製ペン(先端形状:
0.8mmR)に5.0Nの荷重をかけ10万回の摺動
試験を行った後に、ON抵抗も上昇した。また、入力し
た記号○印も摺動部で正確に認識していなかった。
成した比較例2は酸化シリコンでは硬度不足のため摩耗
傷が生じた。このため、タッチパネルに用いた際に、ポ
リアセタール製ペン(先端形状:0.8mmR)に5.
0Nの荷重をかけ10万回の摺動試験を行った後にON
抵抗が上昇した。また、入力した記号○印も摺動部で正
確に認識していなかった。
−スズ複合酸化物薄膜を用い、硬化物層及び高硬度薄膜
を設けていない、比較例3の透明導電性フィルムは、タ
ッチパネルに用いた際に、ポリアセタール製ペン(先端
形状:0.8mmR)に5.0Nの荷重をかけ10万回
の摺動試験を行った後に摺動部の白化は見られなかった
が、エッチング時間が著しく長くなった。
ラスチックフィルム基材上に、硬化型樹脂を主たる構成
成分とする硬化物層、及び透明導電性薄膜をおよび高硬
度薄膜をこの順に積層したものであり、この透明導電層
を用いたペン入力用タッチパネルは、導電面の表面が高
硬度であるため、ペンの押圧で対向の透明導電性薄同士
が接触しても、剥離、クラック等を生じることがないな
どペン入力耐久性に優れており、かつ位置検出精度や表
示品位にも優れている。また、透明導電性薄膜が結晶質
でないためエッチング時間も短い。したがって、ペン入
力タッチパネル用透明導電性フィルムとして好適であ
る。
た説明図である。
た説明図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 透明プラスチックフィルム基材上に、硬
化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層、及び透明導
電性薄膜、および高硬度薄膜を順次積層することを特徴
とする透明導電性フィルム。 - 【請求項2】 前記高硬度薄膜が窒化物薄膜であること
を特徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項3】 前記高硬度薄膜がダイヤモンドライクカ
ーボン薄膜であることを特徴とする請求項1記載の透明
導電性フィルム。 - 【請求項4】 前記透明導電性薄膜がインジウム−スズ
複合酸化物からなることを特徴とする請求項1乃至3記
載の透明導電性フィルム。 - 【請求項5】 前記透明導電性薄膜がスズ−アンチモン
複合酸化物からなることを特徴とする請求項1乃至3記
載の透明導電性フィルム。 - 【請求項6】 前記透明導電性フィルムの透明導電性薄
膜面とは反対面に、ハードコート層を積層することを特
徴とする請求項1乃至5記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項7】 前記ハードコート層が防眩効果を有する
ことを特徴とする請求項6記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項8】 前記ハードコート層に低反射処理を施し
たことを特徴とする請求項6または7記載の透明導電性
フィルム。 - 【請求項9】 請求項1乃至8記載の透明導電性フィル
ムの透明導電性薄膜面とは反対面に粘着剤を介して透明
樹脂シートと貼り合わせることを特徴とする透明導電性
シート。 - 【請求項10】 前記透明導電性薄膜を有する一対のパ
ネル板を、透明導電性薄膜が対向するようにスペーサー
を介して配置してなるタッチパネルにおいて、少なくと
も一方のパネル板が請求項1乃至9のいずれかに記載の
透明導電性フィルムもしくは透明導電性シートからなる
ことを特徴とするタッチパネル。
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