JP2001279789A - 水洗便器とその製造方法 - Google Patents

水洗便器とその製造方法

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JP2001279789A
JP2001279789A JP2000092862A JP2000092862A JP2001279789A JP 2001279789 A JP2001279789 A JP 2001279789A JP 2000092862 A JP2000092862 A JP 2000092862A JP 2000092862 A JP2000092862 A JP 2000092862A JP 2001279789 A JP2001279789 A JP 2001279789A
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ball
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toilet
water
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JP2000092862A
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Shuho Miyahara
秀峰 宮原
Shinko Shinkawa
新川  真弘
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 便器製造工程の簡略化と、清掃性の向上をも
たらす新たな水洗便器を提供する。 【解決手段】 便器10は、ボール部20の内周壁を、
非洗浄時でも溜水RWと接する覆水面23と、非洗浄時
には溜水RWと接しない露出面24を連続して形成す
る。便器10は、この露出面24の上端にボール部20
をその上端周縁に亘って取り囲むリム部21を備え、こ
れを中空形状として便座の着座に用いる。リム部21
は、その中空部をリム給水路43とし、このリム給水路
43に給水された洗浄水を、内周側壁21a下端のリム
吐水孔44から噴出する。このようにリム吐水孔44が
形成された内周側壁21aは、ボール面の露出面24上
縁よりも便器外側に位置するよう拡張して形成されてお
り、リム吐水孔44並びにその周辺は使用者に容易に視
認される。そして、便器製造時には、リム部21とボー
ル部20とが素地の状態で一体化させて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボール部とその上
端周縁に亘って取り囲むリム部とを有する水洗便器とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の水洗便器は、ボール部上
端周縁に亘るリム部を便座の着座部としているので、こ
のリム部には、ある程度の強度が求められる。このた
め、リム部を中空形状とすることが一般的であった。そ
して、このようにリム部を中空形状とした上で、リム部
の中空部を洗浄水通水路とし、このリム部に設けたリム
吐水孔からボール面に洗浄水を吐水して便器洗浄を行う
リム洗浄手法が提案されている。
【0003】こうしたリム部を有する水洗便器の製造に
は、次のような工程が採られている。図10は、水洗便
器の従来の製造工程を説明するための説明図である。
【0004】図示するように、まず、便器ボール部の左
右部分を形成するための左右の側面型101,102
と、便器ボール部の底部分を形成するための底型103
と、リム部を形成するための上型104の多孔質金型を
準備し、これら金型を型合わせする。左右の側面型10
1は、その表面に、便器200のボール部201の左右
外壁面面形状に倣った金型面101a、102aとリム
部202の左右外壁面の面形状に倣った金型面101
b、102bを連続的に形成して備える。底型103
は、ボール部201の底部外壁面面形状に倣った金型面
103aを有する。上型104は、リム部202の上端
壁面からボール面側側壁面にかけての面形状に倣った金
型面104aを側面で形成する突部104bを有する。
なお、側面型101、102並びに底型103は、便器
脚部203の内外面形状に倣った金型面105,106
を有する。
【0005】これら金型の型合わせ後は、金型面同士で
形成されたキャビティに陶器原材料泥漿を注入し、型か
らのキャビティ内空気・水分吸引を行う。こうすると、
各金型の金型面には、図示するように、泥漿中の陶器原
材料が堆積するので、型分離をすると、便器外形をほぼ
備えた便器素地ができあがる。この場合、上型104の
突部104b上端面にも図中クロスハッチで示すように
陶器原材料が堆積して余肉部205が形成され、ボール
部201がこの余肉部205で塞がれている。よって、
上型104の離型後に、図中クロスハッチで示す部分A
を切り離す。また、リム部202のボール面側側壁面2
02aは、ボール部201の側に迫り出しているので、
上型104を支承なく離型できる。
【0006】その後、この便器素地を乾燥工程に処し
て、便器素地を乾燥させて型崩れしないようにし、この
状態での検査・仕上げ、施釉、焼成を経て、便器が製造
される。この製造工程を採れば、ボール部とリム部に繋
ぎ目のない便器を製造できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように製造される従来の水洗便器では、次のような問
題点が指摘されるに至った。
【0008】まず、第1に、離型後に上記の余肉部20
5を切り離す必要があるので、その分だけ、手間がかか
る。また、余肉部205の切り離しに際しては、その切
り離し形状がリム部下端輪郭としてボール部201に残
るので、見栄え向上のために熟練を要していた。
【0009】また、左右の側面型101、102並び底
型103の金型面101a、102a、103aでは、
ボール面形成に当たり、これら金型面に他の金型の金型
面を対向させない型成形を行ういわゆる一重成形とな
る。よって、金型面が隣り合う部分では、ボール面に図
中Aで示すような窪みが残ってしまい、ボール面内面の
見栄えを損なっていた。
【0010】更に、キャビティ内空気・水分吸引後には
離型前にキャビティ内の排泥を行うが、金型面に堆積す
ることなく残った泥漿が堆積済みの陶器原料表面を排泥
に伴い流れるので、この表面に排泥跡が残る場合があっ
た。この排泥跡もボール面内面の見栄えを損なってい
た。
【0011】ところで、ボール面内面形状を凹凸のない
滑らかなものにするためには、ボール面内面の形状に倣
った金型面を有する凸型を、金型面同士が対向するよう
側面型101、102や底型103に対向配置させるい
わゆる二重成形を採ることもできる。しかし、リム部2
02のボール面側側壁面202aがボール部201の側
に迫り出している都合上、上記の凸型の抜けが困難とな
り、その分だけ金型構造が複雑化し好ましくない。その
一方、上記の二重成形の手法では、リム部を含む便器上
部素地とボール部をほぼ含む便器下部素地とを分離型成
形して両素地を接合し、その後に焼成する工程を採るこ
ともできる。こうすれば、凸型の抜けについては問題が
ないものの、素地接合の手間が増えるので好ましくな
い。
【0012】また、完成後の便器にあっては、余肉部2
05の切り離し箇所、即ちリム部202のボール面側側
壁面202aがボール部201の側に迫り出し、側壁下
端がボール部201の上縁近くに位置する。このため、
リム吐水孔がボール面側側壁面202aで隠れてしま
い、リム吐水孔が見にくくその周辺の掃除がしづらいと
いう問題があった。
【0013】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、便器製造工程の簡略化と、清掃性の向上をもたら
す新たな水洗便器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の水
洗便器は、便器のボール面を形成するボール部と、該ボ
ール部をその上端周縁に亘って取り囲み便座の着座部と
されるリム部とを有する水洗便器であって、前記リム部
は、前記ボール部上端周縁に亘ってその内部が中空の中
空部とされ、前記ボール面側の中空部側壁を、そのボー
ル面側壁面が前記ボール部の上端における前記ボール面
よりボール部中央側に位置しないように、有することを
特徴とする。
【0015】上記構成を有する本発明の水洗便器では、
中空とされたリム部において、そのボール面側の中空部
側壁についてのボール面側壁面を、ボール部上端のボー
ル面と同一面上のものとする(いわゆる面一とする)、
或いは、このボール面より便器外側方向に窪んだ位置の
ものとする。したがって、便器素地の型成形の際に、ボ
ール面内面の形状に倣った金型面を有する金型とボール
部周りのその他の金型とを互いの金型面同士が対向する
よう対向配置させる二重成形を採っても、金型とボール
面側のリム部空部側壁(素地)とを金型抜け方向につい
て干渉させないようにできる。このため、支承なく金型
の型抜きすることができ、容易に便器を製造できる。
【0016】しかも、上記のように二重成形を採るに当
たり、ボール面内面の形状に倣った金型面(便宜上、リ
ム内面金型面と呼ぶ)を有する金型を、ボール面側のリ
ム部空部側壁(素地)に倣った金型面を上記のリム内面
金型面に連続して有するものとできる。よって、リム部
を含む便器上部素地とボール部をほぼ含む便器下部素地
を素地成形の際から一体とでき、両素地の分離型成形並
びに両素地の接合を要しない。このため、製造工程の簡
略化を図ることができる。
【0017】また、ボール面内面の形状に倣った金型面
を有する金型を用いて二重成形手法を採ることができる
ことから、凹凸がなく滑らで排泥跡もないボール面のボ
ール部とすることができ、見栄えを向上できる。加え
て、この金型の金型面でボール部形状を規定できるの
で、当該金型面を種々調整して高い自由度でボール部形
状を定めることができる。例えば、サイホントラップに
向けて洗浄水を直接噴出するよう、ボール部の外側にボ
ール面に沿った湾曲管路を有する便器にあっても、便器
の上部・下部の分離型成形を経ることなく容易に製造す
ることができる。
【0018】上記の構成を有する本発明の水洗便器にお
いて、以下の態様を採ることもできる。即ち、前記リム
部の中空部を、便器洗浄のために通水される洗浄水の通
水路とし、ボール面側の当該中空部の側壁に、通水され
た洗浄水を前記ボール面に吐水する吐水孔、例えば、ボ
ール部上端周縁に亘って連続した開口とされた吐水孔
や、中空部側壁の下端に配設された吐水孔を形成するこ
ともできる。こうすれば、中空部側壁の吐水孔を、便器
をその上方から見下ろす使用者の視野に入れることがで
き、その視認性を高めることができる。よって、使用者
は、吐水孔或いはその近辺の汚れ具合や掃除による清掃
の程度を簡単に視認できることになり、清掃性を高める
ことができる。なお、吐水孔を、ボール部上端周縁に亘
って連続した開口とするほか、この周縁において点在配
置するようにしたり、吐水孔の孔軌跡をボール面後端側
から前面側に傾斜するようにして各吐水孔を形成するこ
ともできる。
【0019】また、本発明の製造方法は、上記した水洗
便器を製造するに当たり、前記ボール部の左右外壁面面
形状に倣った金型面と前記リム部中空部の左右外壁面の
面形状に倣った金型面とを有する多孔質の左右の側面型
と、前記ボール部の底部外壁面面形状に倣った金型面を
有する多孔質の底型と、前記ボール面の内周面面形状に
倣った金型面と前記リム部中空部の上端壁面からボール
面側側壁面にかけての面形状に倣った金型面とを有する
上型とを型合わせする工程と、型合わせ後の各金型で形
成されるキャビティに陶器原材料泥漿を注入する工程と
を備える。
【0020】こうすれば、上記した二重成形の手法を採
って、ボール部とこれをその上端周縁に亘って取り囲む
リム部とを有する水洗便器を、容易に製造することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の構成及び作用を一
層明らかにするために、以下本発明の水洗便器につい
て、その実施の形態を説明する。図1は本発明の実施例
であるサイホンゼット式の便器10を示す概略斜視図、
図2は実施例の便器10をその略中央縦方向に断面視し
た概略縦断面を示す説明図であり、図3はこの便器10
の上面を示す説明図である。図4は便器10をその略中
央横方向に断面視した概略横断面を示す説明図である。
このサイホンゼット式の便器10は、洗浄に伴って、ボ
ール部20のゼット噴出孔22から水を噴出し、サイホ
ン作用を早期に引き起こすと共に、リム部21からもボ
ール面に洗浄水を噴出する。
【0022】これら図面に示すように、便器10は、汚
物を受けるボール部20を備える。ボール部20の内周
壁は、便器10の非洗浄時でも溜水RWと接する覆水面
23と、便器10の非洗浄時には溜水RWと接しない露
出面24から構成されている。そして、この露出面24
の上端には、ボール部20をその上端周縁に亘って取り
囲むリム部21が形成されている。
【0023】リム部21は、図示するように中空形状と
されており、その中空部をリム給水路43としている。
リム給水路43は、リム部21のボール部側に当たる内
周側壁21aの下端にリム吐水孔44を有する。このリ
ム吐水孔44は、ボール部の後方部を除いてボール部2
0を取り囲むよう開口形成されている。この場合、内周
側壁21aは、ボール面の露出面24上縁よりも便器外
側に位置するよう拡張して形成されている。なお、この
リム部21の上端面は、図示しない便座の着座面とされ
ている。
【0024】図1ないし図3に示すように、本実施例の
便器10では、二系統で洗浄水噴出を行う。即ち、ボー
ル部底部の凹部26に開口したゼット噴出孔22からの
洗浄水噴出と、リム部21に設けた上記のリム吐水孔4
4からの洗浄水噴出を行う。この洗浄水噴出の様子を簡
単に説明する。
【0025】洗浄水タンク310から洗浄水給水路41
に流れ込んだ洗浄水は、洗浄水給水路41の開口42を
経てゼット給水孔45に流れ込み、その後、ゼット給水
路46を通過してゼット噴出孔22から噴出される。こ
の場合、開口42からゼット給水孔45までの管路42
aとゼット給水路46は、ボール部20の外側に形成さ
れている。また、洗浄水給水路41に流れ込んだ洗浄水
の一部は、リム給水路43に行き渡り、このリム給水路
43に形成されたリム吐水孔44から噴出される(図4
参照)。
【0026】こうして噴出された洗浄水は、排出口25
からトラップに入り込み、その後の接続路31,上昇路
32およびその下流の下降路33を経て、排水立ち上げ
管90に排出される。この際、上昇路32の水位が上昇
してそれ以降の管路が満水となると、下降路33内先端
と溜水のボール部20側との間に圧力差が生じて下方向
への引き込み力が生じる。この引き込み力により、屈曲
部よりも低い位置にある汚水が、汚物とともに一気に排
水立ち上げ管90に導かれる。こうしてサイホン作用が
誘発される。なお、本実施例では、排水ソケット70で
便器のトラップと排水立ち上げ管90を接続した。
【0027】次に、上記構成の便器10の製造方法につ
いて説明する。図5は便器10を製造する上で採用した
製造工程を説明するための説明図である。
【0028】図示するように、本実施例では、ボール部
20の左右部分を形成するための左右の側面型60,6
1と、ボール部20の底部分を形成するための底型62
と、リム部21を形成するための上型63を用いた。こ
れら各金型は、多孔質の金型とされており、陶器原材料
の注入に先立ち図示するように型合わせされる。この場
合、左右の側面型60,61は、便器10のボール部2
0の左右外壁面面形状に倣った金型面60a,61a
と、リム部21の中空部、即ちリム給水路43の左右外
壁面の面形状に倣った金型面60b,61bと、本体左
右脚部の外壁面面形状に倣った金型面60c,61cと
を、それぞれ連続して備える。これら金型面は、型合わ
せにより後述の各金型の金型面と便器素地のキャビティ
を形成する。底型62は、ボール部20の底部外壁面面
形状に倣った金型面62aと、本体左右脚部の内壁面面
形状に倣った金型面62b,62cとを有する。
【0029】上型63は、ボール部20の内周面面形
状、並びに、リム部21の中空部(リム給水路43)の
上端壁面からボール面側側壁面にかけての面形状を形成
すべく、中央の上型コア部64と、その周りの上型分割
部65と、上型最外周部66とを有する。上型分割部6
5は、リム部21周りに複数に分割形成されており、各
分割部は、上型コア部64に埋設された磁石64aと磁
力吸着して上型コア部64に対する上下方向と周方向の
位置合わせをするよう構成されている。そして、上型コ
ア部64は、その先端側に、ボール部20のボール面
(即ち、覆水面23と露出面24の連続面)のうち、ボ
ール面底部に当たる内周面面形状に倣った金型面64b
と、覆水面23の全域に亘る内周面面形状に倣った金型
面64cとを備える。上型分割部65は、覆水面23に
続くボール面、即ち、露出面24の全域に亘る内周面面
形状に倣った金型面65bと、リム部21の中空部(リ
ム給水路43)のボール面側側壁面面形状に倣った金型
面65cとを、ボール部20周回りに分割して備える。
また、この上型分割部65は、既述したリム吐水孔44
を便器素地成型時に素地に空けておくため、樹脂製、例
えばテフロン製の突出材65dを有する。この突出材6
5dは、図1や図4に示す範囲に亘って突出するように
構成されている。上型最外周部66は、リム部21の中
空部(リム給水路43)のの上端壁面面形状に倣った金
型面65aを備える。よって、上型コア部64を中心に
上型分割部65、上型最外周部66の順に組み合わせる
と上型63となり、これら金型部の組み合わせで、上型
63は、リム部21の中空部(リム給水路43)の内周
面面形状全域に倣った金型面とリム部21の中空部(リ
ム給水路43)の上端壁面からボール面側側壁面にかけ
ての面形状に倣った金型面とを形成する。
【0030】なお、図6に示すように、テフロン(登録
商標)製の非多孔質部材65eをリム吐水孔44の形成
箇所に適合させて金型に埋設するようにもでき、こうす
れば、上型63を非分割タイプの金型とできる。そし
て、この上型63を用いれば、金型の単純化、抜け性向
上を図ることができる。
【0031】上記した各金型同士の接合並びに上型63
の各金型部同士の接合は、リム部21の中空部(リム給
水路43)のコーナRの境界とされている。
【0032】これら金型の型合わせ後は、金型面同士で
形成されたキャビティに陶器原材料泥漿を注入し、型か
らのキャビティ内空気・水分吸引を行う。こうすると、
各金型の上記した金型面には、図示するように、泥漿中
の陶器原材料が堆積するので、型分離をすると、便器1
0の内外形を備えた便器素地ができあがる。
【0033】型分離の際には、左右の側面型60,61
の便器素地からの左右方向への切り離し、底型62の下
方への切り離し、上型コア部64の上方への切り離し、
上型分割部65の各分割部の図中点線で示す方向への分
割切り離し、その後のそれぞれの上型分割部65の上方
への取り外し、上型分割部65並びに上型最外周部66
の上方への切り離しを行う。これら型の切り離しは、支
承なく実行できる。なお、本実施例では、ゼット給水路
46の形成に際し、図中二点鎖線で示すような通水路形
成体素地67を予め別途用意し、この素地を上記の便器
素地に接合する。
【0034】その後、この便器素地を乾燥工程に処し
て、便器素地を乾燥させて型崩れしないようにし、この
状態での検査・仕上げ、施釉、焼成を経て、便器が製造
される。
【0035】以上説明したように本実施例では、中空形
状とされたリム部21において、その中空部側(リム給
水路43)の内周側壁21aを、ボール部20上端のボ
ール面(露出面24)より便器外側方向に窪んだ位置の
ものとする。そして、便器素地の型成形の際に、覆水面
23並びに露出面24からなるボール面形成に、上型6
3と左右の側面型60,61および底型62を互いの金
型面同士が対向するよう二重成形を採るようにした。し
かも、上型63で、リム部21とボール部20とをボー
ル部上縁でその素地成形の際から一体とでき、両素地の
分離型成形並びに両素地の接合を要しない。このため、
製造工程の簡略化を図ることができる。
【0036】また、上記のように二重成形手法を採るこ
とができることから、ボール部20のボール面を凹凸の
ない滑らな面形状とできると共に、ボール面に排泥跡を
残さないようにもできる。よって、見栄えを向上でき
る。加えて、ボール部20回りにゼット給水路46を有
するような複雑な便器を、便器の上部・下部の分離型成
形を経ることなく容易に製造することができる。
【0037】また、本実施例では、リム部21をその内
部にリム給水路43を有するものとし、このリム給水路
43からリム吐水孔44を経て洗浄水を噴出するものと
した。そして、このリム吐水孔44を内周側壁21aの
内周側壁21aに設けて、当該吐水孔を、便器をその上
方から見下ろす使用者の視野に自然に入るようにした。
このため、使用者は、リム吐水孔44或いはその近辺の
汚れ具合や掃除による清掃の程度を簡単に視認できるこ
とになり、清掃性を高めることができる。
【0038】この場合、リム吐水孔44はボール部20
の周囲に亘って設けるほか、次のように変形できる。図
7は変形例の便器10の概略斜視図、図8はまた別の変
形例の便器10の要部概略断面図である。
【0039】これら図面に示すように、リム吐水孔44
を円形の孔としたり、リム吐水孔44をボール面(2
4)に向けて下方に傾斜して形成することもできる。ま
た、円形に限らず、リム吐水孔44を小判状の長孔にし
たり、内周側壁21aにおける上下位置を便器側方・前
方等で変えたりすることもできる。更には、リム部21
の外側面を図7に示すように湾曲させたりすることもで
きる。
【0040】また、ゼット給水路46の形成に当たり、
上記実施例では通水路形成体素地67を用いたが、次の
ように変形することもできる。図9は、この変形例を説
明するための説明図である。図9に示すように、この変
形例では、ゼット給水路46のボール面側面形状に倣っ
た金型面63aを有する上型63を用いる。こうすれ
ば、この金型面63aに陶器原材料が堆積するので、別
記素地の時点でゼット給水路46を型成形することがで
きる。そして、この変形例では、リム吐水孔44を有し
ないリム部21としたので、上型63を用いて二重成形
を採っても、この上型63と内周側壁21aとを上型6
3の金型抜け方向(上方向)について干渉させないよう
にできる。このため、支承なく上型63を離型でき、よ
り容易に便器を製造できる。
【0041】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるサイホンゼット式の便器
10を示す概略斜視図である。
【図2】実施例の便器10をその略中央縦方向に断面視
した概略縦断面を示す説明図である。
【図3】この便器10の上面を示す説明図である。
【図4】便器10をその略中央横方向に断面視した概略
横断面を示す説明図である。
【図5】便器10を製造する上で採用した製造工程を説
明するための説明図である。
【図6】上型63の変形例を説明する説明図である。
【図7】変形例の便器10の概略斜視図である。
【図8】別の変形例の便器10の要部概略断面図であ
る。
【図9】また別の変形例を説明するための説明図であ
る。
【図10】水洗便器の従来の製造工程を説明するための
説明図である。
【符号の説明】
10…便器 20…ボール部 21…リム部 21a…内周側壁 22…ゼット噴出孔 23…覆水面 24…露出面 25…排出口 26…凹部 32…上昇路 33…下降路 40…洗浄水給水孔 41…洗浄水給水路 43…リム給水路 44…リム吐水孔 45…ゼット給水孔 46…ゼット給水路 60,61…側面型 60a,61a…金型面 60b,61b…金型面 60c,61c…金型面 62…底型 62a…金型面 62b,62c…金型面 63…上型 63a…金型面 64…上型コア部 64a…磁石 64b…金型面 64c…金型面 65…上型分割部 65a…金型面 65b…金型面 65c…金型面 65d…突出材 66…上型最外周部 67…通水路形成体素地 70…排水ソケット 310…洗浄水タンク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器のボール面を形成するボール部と、
    該ボール部をその上端周縁に亘って取り囲み便座の着座
    部とされるリム部とを有する水洗便器であって、 前記リム部は、 前記ボール部上端周縁に亘ってその内部が中空の中空部
    とされ、 前記ボール面側の中空部側壁を、そのボール面側壁面が
    前記ボール部の上端における前記ボール面よりボール部
    中央側に位置しないように、有することを特徴とする水
    洗便器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水洗便器であって、 前記リム部は、前記中空部を、便器洗浄のために通水さ
    れる洗浄水の通水路として備え、 前記中空部側壁に、通水された洗浄水を前記ボール面に
    吐水する吐水孔を有する、水洗便器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の水洗便器であって、 前記吐水孔は、前記ボール部上端周縁に亘って連続した
    開口とされている、水洗便器。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載の水洗便器で
    あって、 前記吐水孔は、前記中空部側壁の下端に配設されてい
    る、水洗便器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4いずれか記載の
    水洗便器を製造する製造方法であって、 前記ボール部の左右外壁面面形状に倣った金型面と前記
    リム部中空部の左右外壁面の面形状に倣った金型面とを
    有する多孔質の左右の側面型と、前記ボール部の底部外
    壁面面形状に倣った金型面を有する多孔質の底型と、前
    記ボール面の内周面面形状に倣った金型面と前記リム部
    中空部の上端壁面からボール面側側壁面にかけての面形
    状に倣った金型面とを有する上型とを型合わせする工程
    と、 型合わせ後の各金型で形成されるキャビティに陶器原材
    料泥漿を注入する工程とを備える水洗便器の製造方法。
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