JP2004011413A - 水洗便器 - Google Patents

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宮原 秀峰
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Abstract

【課題】 ボール面上縁部の内側壁面に沿って洗浄水を噴出して便器を洗浄する場合の機能改善を図る。
【解決手段】 便器10は、ボール部20の露出面24上端部分を棚部50とし、この棚部から立ち上がったオーバーハング部52を備える。このオーバーハング部52は、ボール部20を取り囲むリム部21で形成されている。棚部50は、ボール部回りに旋回した旋回経路で形成され、棚面にリムショット洗浄水RSを乗せて経路下流に流す。リム部21は、棚部50に対するオーバーハング部52のオーバーハングの様子を、棚部50の旋回経路に沿って異なるものとしている。オーバーハング部52は、リム噴出口44近傍で棚部50に対向するようオーバーハングしてリムショット洗浄水RSの拡散噴出を回避する。その他の領域では、棚部50に対して傾斜して、洗浄水の便器外部への飛散を防止する。
【選択図】 図4

Description

 本発明は、新たな洗浄水を便器ボール部に通水してこれを洗浄する水洗便器に関する。
 便器ボール部に洗浄水を通水してこれを洗浄する方式には種々のものがあり、ボール部上縁のリム部を中空とし、その中空部を通水経路として、このリム部からボール面に洗浄水を噴出する方式が普及している。この他、ボール面上縁部の内側壁面に沿って洗浄水を噴出する新たな洗浄方式も提案されている。
特開平9−125502号公報
 上記公報に記載の水洗便器では、ただ漫然と洗浄水がボール面に噴出されているに過ぎず、噴出洗浄水の挙動や、リム部形状等に改善の余地が残されていた。例えば、上記公報の水洗便器では、便器上縁に内側に突出する突部を接合してリム部とし、これを噴出洗浄水の飛散防止用に用いているが、噴出洗浄水の流れの様子は噴出口からの距離に応じて変わるので、場合によってはこの突部では十分に飛散防止を図ることができないことがあった。また、上記の突部を接合して焼成しその突部部分を便座の着座に用いているが、こうした構成では、焼成時に突部の接合箇所に亀裂が発生しやすくなる。或いは、噴出後の洗浄水を前方に流れる間にボール部底部に流れ落とすとしているが、噴出洗浄水の勢いによってはこの流れ落ちが十分でないようなこともあった。
 本発明は、上記した問題点を解決するためになされ、ボール面上縁部の内側壁面に沿って洗浄水を噴出して便器を洗浄する場合の機能改善を図ることを目的とする。
 上記した課題を解決するため、本発明の水洗便器は、新たな洗浄水を便器ボール部に通水して、該便器ボール部の貯め置く溜水を汚物と共にトラップから排出し、便器洗浄を行う水洗便器であって、前記便器ボール部におけるボール面上縁部に設けられたボール面噴出口であって、供給を受けた洗浄水を前記ボール面上縁部からボール面上縁に沿って噴出する前記ボール面噴出口と、前記ボール面噴出口からの噴出洗浄水を前記ボール面上縁回りに前記噴出洗浄水を案内する案内手段とを備え、前記案内手段は、前記噴出洗浄水が流れる棚部と、前記噴出洗浄水の流れ方向を規制すると共に前記棚部の便器外側方向から上方に立ち上がって前記棚部をオーバーハングする規制壁部とを、前記ボール面上縁回りに形成して備え、前記棚部は、その形成軌跡に亘って、前記便器ボール部の底面側に傾斜した棚面を有する。
 また、本発明の水洗便器では、前記トラップの吸引口に向けて噴射されるゼット噴出口を設けて溜水並びに汚物を効果的且つ速やかにトラップから排出できる。
 本発明の水洗便器では、棚部を洗浄水が流れる間に、確実にその流れの一部の洗浄水をボール面に沿ってボール部底面に流し落とすことができるので、流れ落ちる洗浄水による汚物剥離が確実となり、ボール面洗浄能力を向上させることができる。この場合、棚部の傾斜棚面の傾斜を噴出洗浄水の流れ方向が大きく変わる便器前方側を大きくすれば、傾斜が大きい分だけ多くの量の洗浄水をボール面に沿ってボール部底面側に流し落とすことができるので、便器前方側のボール面であっても高い洗浄能力で洗浄できる。
 また本発明の水洗便器では、ボール面噴出口から上記した洗浄水噴出口と相まって、溜水並びに汚物を効果的且つ速やかにトラップから排出でき、リムショット洗浄水RSによる便器洗浄に加えて、ゼット噴出口からの洗浄水をボール部溜水に直接噴出するようにしたので、トラップへの洗浄水(溜水)の吸引効率を一層高めることができ、溜水並びに汚物をより効果的且つ速やかにトラップから排出できる。
 以上説明した本発明の構成及び作用を一層明らかにするために、以下本発明の水洗便器について、その実施の形態を説明する。図1は本発明の実施例であるサイホンゼット式の便器10を、その採用する洗浄水噴出の様子と共に示す概略斜視図、図2は、便器10をその上面をほぼ全域に亘って破断して示す説明図であり、図3は便器10を図2における3−3線に沿って破断した概略縦断面を示す説明図、図4はリム部21を説明するため図2のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線の各部でリム部21を破断した概略部分断面である。このサイホンゼット式の便器10は、洗浄に伴って、後述するゼット噴出口22からの洗浄水噴出とボール面上縁における洗浄水噴出を行う。以下、便器10の各部について、各図を参照しつつ説明する。
 これら図面に示すように、便器10は、汚物を受けるボール部20を備える。ボール部20の周壁は、便器10の非洗浄時でも溜水RWと接する覆水面23と、便器10の非洗浄時には溜水RWと接しない露出面24から構成されている。
 この便器10は、二つの洗浄水噴出系を有する。一方の噴出系(ゼット噴出系)は、洗浄水タンク310(図3参照)からのタンク洗浄水入り口である洗浄水給水孔40から、ボール部底部の凹部26に開口されたゼット噴出口22までの経路を有する。他方の経路(リムショット噴出系)は、洗浄水給水孔40から、ボール部20の上部側面に空けられたリム噴出口44までの経路を有する。このゼット噴出系とリムショット噴出系は、洗浄水給水孔40の直下近傍で、後述するように分岐形成されており、それぞれの噴出口に洗浄水を供給する。
 ゼット噴出口22は、図示するように、凹部26を挟んでトラップの吸引口25とほぼ対峙する位置に設けられている。そして、このゼット噴出口22は、洗浄水給水路41のゼット給水孔45と、便器内部を湾曲するように形成されたゼット給水路46を介して接続されている。リム噴出口44は、洗浄水給水路41から洗浄水給水孔40近傍で分岐したリム給水路43の先端に位置するよう、ボール部20のボール面(詳しくは露出面24)上縁に形成されている。
 この場合、リム給水路43は、図2から明らかなように、洗浄水タンク310を固定するためのタンク取付孔28と図示しない便座或いは便座装置を取り付けるための便座取付孔29との干渉を避けた経路で形成されている。タンク取付孔28および便座取付孔29は、所定の既存ピッチ(例えば、タンク取付孔間ピッチ=170mm、便座取付孔間ピッチ=140mm)である。このため、本実施例の便器10には、既存の洗浄水タンクや便座(便座装置)をそのまま固定でき、特別な取付ピッチを有するタンクや便座を手配する必要がない。
 便器10は、その製造の過程で、ボール部パーツ10aと、本体下部パーツ10bと、給水路遮蔽パーツ10cとされ、これらのパーツを接合・なじみ処理した後、焼成して製造される。
 便器10の内部には、ボール部20に水を噴出するための上記の二系等の噴出系のほか、ボール部20内の汚物を排水ソケット70並びに排水立ち上げ管90に向けて排出するためのサイホントラップ管路が設けられている。なお、このサイホントラップ管路は、接続路31およびこれらに続く上昇路32、下降路33で構成されるが、本発明の要旨に関係しないのでその説明は省略する。
 まず、噴出系の構成について説明する。便器10の後方には、便器洗浄水の給水源としての洗浄水タンク310が設置されている。このタンク内洗浄水は、底部の図示しない排水弁から洗浄水給水孔40を通過し、洗浄水給水路41とリム給水路43に分流される。なお、後述のトラップから便器外部に排出される洗浄水量(排出洗浄水量)は、タンクの排水弁の開弁制御により調整可能であり、所定量、例えば大便洗浄時にあって約6リットルとなるよう設定することができる。
 この洗浄水給水孔40を通過して洗浄水給水路41に流入したタンク洗浄水は、既述したゼット給水孔45並びにゼット給水路46を通過して、ゼット噴出口22から吸込口25に向けて噴出される。よって、洗浄水のエネルギは、吸込口25以降のトラップに無駄なく伝達されるので、サイホン作用をより早期に引き起こすことが可能となる。なお、洗浄水給水路41の上部前方には、ボール部20の外側に位置する空隙42が区画壁41aによって形成されており、この区画壁にはエア排出孔41bが空けられている。よって、このエア排出孔41bからのエア排出により、洗浄水給水路41への速やかな洗浄水流入を経て、洗浄水は速やかにゼット噴出口22から噴出される。
 一方、リム給水路43に分流して流れ込んだ洗浄水は、給水路先端のリム噴出口44からボール部20に噴出される。こうした洗浄水の分流は洗浄水給水孔40のほぼ直下で起きるので、両噴出口からは、ほとんど同時に洗浄水噴出が開始される。また、リム噴出口44から離れた位置で洗浄水の分流を起こすことができるので、分流後の洗浄水をその流れに比較的乱れが起きない状態でリム噴出口44に流して噴出できる。この結果、このリム噴出口44からは、流れに乱れが無い状態で洗浄水をボール面上縁部に噴出することができる。従って、洗浄水をその流れに大きな乱れが起きない状態で噴出でき、ボール面上縁部から洗浄水が不用意に飛び出すようなことも無くなる。また、便器の洗浄性も高めることができる。以下、リム噴出口44からの洗浄水噴出をリムショットと呼ぶこととし、このリムショットによる洗浄水の挙動については後述する。
 リム給水路43は、図3に点線で示すように、リム噴出口44に至るまで、洗浄水給水孔40の側から下方に傾斜して形成されている。よって、リム噴出口44の側から洗浄水が不用意に逆流しないようにできる。また、リム給水路43を流れる間においては、洗浄水のエネルギロスを起こさないようにできるので、リム噴出口44からは、大きな流速をもって勢い良く洗浄水を噴出できる。
 なお、洗浄水給水路41とリム給水路43への洗浄水分流程度は、リム給水路43の分岐箇所の有効管路面積を調整することで種々調整可能である。
 次に、リムショットによる洗浄水の挙動をリム部21の構成と関連付けて説明する。図5はリム噴出口44の周辺の概略斜視図である。
 図2ないし図5に示すように、便器10は、リム噴出口44からのリムショット洗浄水を案内すべく、次のような構成を有する。図2に示すように、便器10は、リム噴出口44を図における便器左側方に備え、図中斜線で示すように、このリム噴出口44の前方にボール面回りに旋回した経路の棚部50を有する。この棚部50は、ボール部20の上記した露出面24の上縁回りの領域に形成されており、リム噴出口44からのリムショット洗浄水を棚面に乗せて下流側(旋回軌跡の下流側)に流す。
 棚部50は、その各部において、図4に示すように、ボール部20の底部の側に傾斜形成されている。このため、棚部50の棚面に乗って流れている洗浄水を、図1に図中白抜き矢印で示すように、棚部50の旋回経路各部でボール部20のボール面(詳しくは、露出面24から覆水面23にかけてボール面)に沿って流し落とすことができる。よって、このように旋回経路各部で流れ落ちる洗浄水(リムショット洗浄水)でボール面の付着汚物を確実に剥離できるので、ボール面洗浄能力を向上させることができる。
 また、リム噴出口44との繋ぎ部分において、棚部50の棚面は、図4(a)のA−A断面並びに図5に示すように、リム噴出口44の開口底面から略連続した棚面となるようにされている。よって、リム噴出口44からのリムショット洗浄水の噴出に際し、落差をもって洗浄水を噴出することがなくなり、棚面への洗浄水衝突を招かない。このため、リムショット時に洗浄水のエネルギ損失を抑制できるので、高いエネルギを持った状態で、リムショット洗浄水をリム噴出口44の下流側に、即ち、棚部50の旋回軌跡に沿って流すことができる。
 この棚部50は、上記した旋回経路に沿って、その下流に行くほど下方に傾斜するようにされている。即ち、図3および図4に示すように、便器左方側では、44近傍でもっともその高さが高く、便器前方側では低くなるようにされている。この様子は、図4において、リム部21上端面から棚部50までの隔たりが広くなることで示されている。また、棚部50は、便器右方側においても、便器前方から後方にいくほど低くなるようにされており、図5に示すように、経路末端では旋回経路開始部(即ち、リム噴出口44の配設付近)と段差状を呈する。このように棚部50は旋回経路に沿って下方に傾斜するので、リムショット洗浄水がこの棚部50に乗って旋回経路に沿って流れる際、このリムショット洗浄水を旋回経路(旋回軌跡)の末端までより確実に行き渡らせることができる。
 このため、旋回経路の各部での上記したリムショット洗浄水のボール面に沿った流れ落ちを確実に起こすことができ、汚物の剥離効果が高まる。また、旋回経路末端に行き渡ったリムショット洗浄水は旋回状態でボール部20の溜水に流れ込むので、溜水の旋回も引き起こすことができ、これによりトラップへの洗浄水吸引を促進できる。これらの結果、棚部50を上記のように旋回経路に沿って下方に傾斜させることで、高い洗浄能力を発揮できる。この場合、後述するリム部21によるリムショット洗浄水の案内により、リムショット洗浄水の旋回挙動を確実なものとできるので、より高い洗浄能力を発揮できる。
 また、便器10は、ボール部20の上縁回りにリム部21を備え、このリム部21を、図4に示すように、上記の棚部50をその上部から覆うようにしている。このリム部21は、棚部50の便器外側方向から上方に立ち上がって当該棚部をオーバーハングするよう形成されており、そのオーバーハングの様子を棚部50の旋回経路、即ちリムショット洗浄水の案内軌跡に沿って異なるものとしている。つまり、リム噴出口44との繋ぎ部分では、リム部21は、その有するオーバーハング部52が棚部50と略水平に対向する程度までオーバーハングさせている(図4(a)、(b)参照)。
 しかも、このリム噴出口44との繋ぎ部分では、図示するように、リム部21の内面形状は、リム噴出口44の便器外方側の開口側面並びに開口上面から略連続した形状とされている。よって、棚部50がリム噴出口44の開口底面と略連続した棚面とされていることと相まって、リム噴出口44からは、リムショット洗浄水を衝突を起こすことなくより効果的に噴出することができ、好ましい。そして、オーバーハング部52の内面コーナー部53は、R形状や三角状の余肉付けとされているので、焼成時において当該コーナー部の亀裂発生を回避できると共に、オーバーハング部52の強度を向上することができる。
 また、リム噴出口44から離れた範囲では、ボール部上縁回りにおいて、リム部21のオーバーハング部52を棚部50に対して傾斜したオーバーハング状態とした(図4(c)〜図4(a)参照)。そして、この傾斜状のオーバーハング部52と棚部50を、図示するように、湾曲形状の連続部54で連続させた。更に、図4(c)の便器左方部から図4(d)の便器前方側の右方部に亘る間においては、オーバーハング部52を図中rで示す曲率半径で湾曲形成し、その湾曲程度を便器前方側ほど大きくなるようにした。なお、図4(c)、(b)、(a)に示す範囲にあってもオーバーハング部52を湾曲させるようにすることもできる。
 そして、図2および図4に示すように、上記したオーバーハング部52をリム部21の一部分とし、このリム部21には、その内部に中空部55を形成した。中空部55は、便座の着座部となるリム上面壁58と、リム部における便器外郭を形成する外郭壁59と、ボール部20上縁との接合壁60と、上記のオーバーハング部52とで囲まれて形成されている。図2に示すように、この中空部55は、リム噴出口44から離間した箇所、詳しくは、リムショット洗浄水RSがその流れの向きを棚部50とオーバーハング部52で変える箇所の付近から形成されている。そして、この中空部55は、ボール部20回りに湾曲し、既述した洗浄水給水路41の上部前方の空隙42に至るまで形成されている。
 このようなリム部21を有することから、次の利点がある。リム噴出口44の近傍では、オーバーハング部52の内面コーナー部53をR形状や三角状の余肉付けとされたものとして、この範囲のオーバーハング部52の強度を高めている。これ以外の領域のリム部21にあっては、中空部55を形成して、リム上面壁58をその左右のオーバーハング部52と外郭壁59で支えるようにして、中空部55を有する範囲にあってもリム部21の強度向上を図っている。この結果、焼成時の亀裂発生回避の信頼性を高めると共に、リム部21全体の強度を確実に高めることができる。よって、便座や局部洗浄装置などを支承なく便器10に装着できる。
 更に、以上説明したごとく便器10は、棚部50とオーバーハング部52をボール部上縁回りに有するので、次の利点がある。
 上記したように棚部50は、その棚面にリムショット洗浄水RSを乗せつつ、このリムショット洗浄水RSを棚部旋回経路に沿って下流に流す。一方、オーバーハング部52と棚部50に連続した連続部54は、棚部から立ち上がることで50と同じ旋回経路に沿って存在し、RSの流れ方向をこの旋回経路に沿ったものに規制する。これにより、リムショット洗浄水RSは、上記の旋回経路に沿って案内されて、ボール面上縁回りの旋回経路に沿って流れる。
 そして、このようにリムショット洗浄水RSを案内するに当たり、棚部50に対するオーバーハング部52のオーバーハングの様子をリムショット洗浄水RSの旋回経路に沿って異なるものとした。つまり、リム噴出口44との繋ぎ部分では、オーバーハング部52を棚部50と略水平に対向する程度までオーバーハングさせて、リム噴出口44から噴出されるリムショット洗浄水RSを棚部50とオーバーハング部52とで取り囲むようにした。このため、閉鎖管路のリム給水路43を通過してリム噴出口44から噴出されたリムショット洗浄水RSは、噴出口周囲に拡散して噴出しようとするが、棚部50並びにオーバーハング部52によりその拡散が確実に回避された状態で噴出する。よって、洗浄水の拡散噴出に伴う外部への洗浄水飛散を確実に回避できると共に、流れ方向(噴出方向)を揃えた状態でリム噴出口44前方、即ち上記の旋回経路に沿って噴出できる。
 また、図4に示すように、このようにして拡散回避を行った下流領域では、オーバーハング部52を棚部50に対して傾斜させると共に、このオーバーハング部52を連続部54を介して棚部50から立ち上げた。よって、リムショット洗浄水RSを案内するに際して、リムショット洗浄水RSをこの連続部54に集めつつ旋回経路に沿って下流に流すことができる。そして、旋回による遠心力を受けてリムショット洗浄水RSが便器外部に飛び出そうとしても、傾斜させたオーバーハング部52でこの洗浄水を受け止めてこの洗浄水の飛び出しを有効に回避できる。
しかも、傾斜状のオーバーハング部52自体を内側に湾曲させて、便器前方ではこの湾曲程度を大きくした。この点でも次の利点がある。便器前方では便器前方から後方に向けた流れにその方向が大きく変わるので、上記した洗浄水の飛び出しが起きやすい。しかし、この便器前方でオーバーハング部52はより大きな湾曲形状を採るので、便器前方における洗浄水の飛び出しもより効果的に回避することができる。
 これらの結果、上記した構成を有する本実施例の便器10によれば、リムショット洗浄水RSをボール部上縁回りに噴出して便器洗浄を行う場合の噴出洗浄水の飛散防止機能を向上させることができる。
 また、ボール面の汚物剥離効果を高めるために、50をその旋回経路の各部でボール部20の側に傾斜させるようにし、この傾斜を、上記のように流れ方向が大きく変わる便器前方側で大きくした。よって、傾斜が大きい分だけ多くの量のリムショット洗浄水RSを、便器前方におけるボール面に沿ってボール部底面側に流し落とすことができるので、便器前方側のボール面であっても高い洗浄能力で洗浄できる。
 加えて、次のようなまた別の利点がある。リム噴出口44近傍では、対向するオーバーハング部52と棚部50との間を、ボール部20の側で解放することで、この領域の棚部50の棚面を便器上方から見やすくした。また、リム噴出口44より下流では、オーバーハング部52の傾斜形成により、棚部50の棚面はもとよりオーバーハング部52の内側面や連続部54の表面を、便器上方の側から使用者に見やすくした。こうすることで、使用者に棚面等の汚れ具合をよく見えるようにする。よって、使用者は、掃除の要否を容易に判断できると共に、容易に棚面等を掃除できる。
 また、本実施例では、リムショット洗浄水RSによる便器洗浄に加えて、ゼット噴出口22から洗浄水をボール部溜水に直接噴出するようにした。よって、トラップへの洗浄水(溜水)の吸引効率を一層高めることができ、溜水並びに汚物をより効果的かつ速やかにトラップから排出できる。
 次に、上記した便器10の製造方法について説明する。この製造方法では、一律な形状のリム部を有する既存の便器の製造方法と、ボール部パーツ10aの型成型に用いる型構造が異なるに過ぎない。図6は便器10のうちボール部パーツ10aの型成型に用いる型構成を便器縦断面方向で示す説明図、図7は図4に示したリム部各部の横断面方向の型構造を示す説明図、図8はリム部21の要部とその部分の型構造を一部を拡大して示す説明図である。なお、各型は多孔質の吸引型である。
 図示するように、ボール部パーツ10aの型成型に際しては、上型100と、下型101と、合わせ型102を用いる。上型100は、リム部21のオーバーハング部52或いはリム上面壁58と、外郭壁59と、洗浄水タンク310や図示しない便座の載置部上壁部122を形成するための型である。この上型100は、洗浄水給水孔40形成用の樹脂製、例えばテフロン(登録商標)製の凸部100aを有し、リム部21並びに載置部の上端アールの境界で下型101、合わせ型102と接合する。
 下型101は、リム噴出口44に洗浄水を分流供給するためのリム給水路43を形成すると共に、空隙42を形成するための区画壁41aと、リム部21の接合壁60とを形成するための型である。この下型101は、エア排出孔41b形成用の樹脂製、例えばテフロン(登録商標)製の埋没材101aと、リム部21の接合壁60における排泥孔61形成用の樹脂製、例えばテフロン(登録商標)製の埋没材101bを有する。合わせ型102は、リム部21のオーバーハング部52および内面コーナー部53並びにリム噴出口44を形成するための型であり、離型に支障が無いようリム周りに分割されている。この場合、合わせ型102は、リム噴出口44の形成位置に樹脂製、例えばテフロン(登録商標)製の図示しない埋没部を有し、この埋没部によりリム噴出口44を形成する。
 これら各型を型接合して各型で形成されたキャビティに泥漿を注入し、各型を吸引処理すると、図示するように各型の型形状に倣って泥漿が着層する。その後、乾燥させて離型すると、ボール面上縁のリム部21を含み、便器全体の上部構造を有するボール部パーツ10a(便器素地)が形成される。余剰の泥漿排出の際には、この便器素地におけるエア排出孔41bから排泥のためのエアが送られ、便器素地の中空部、即ち空隙42や中空部55に残存していた余剰の泥漿は、排泥孔61から除去される。
 また、既存の図示しない型(上型・下型或いは左右の型)を用いて、ボール部下方部や凹部26、上記トラップ管路、便器本体下部部分等の残余の便器部分を含む便器下部構造を有する本体下部パーツ10b(便器素地)を型成型して準備する。更には、本体下部パーツ10bに形成済みのゼット給水路46用の凹所をその経路に亘って遮蔽する給水路遮蔽パーツ10cを成型して準備する。なお、この給水路遮蔽パーツ10cの成型も既存のものと変わることは無い。
 こうして各パーツの準備が完了すると、各パーツを端面同士で接合させて、その接合個所を指や刷毛等でなじみ処理に処し、焼成する。このような製造工程を採るに当たり、ボール部パーツ10a成型用の下型101の型形状を変更するだけでよいので、低コスト化を図ることができる。なお、下型101と合わせ型102は分割されず、一体型でも成形可能である。また、ボール部パーツ10aと本体下部パーツ10bを接合しない一体型の成形方法も可能である。
 以上、本発明が実施される形態を説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは勿論である。
 例えば、上記実施例では、洗浄水タンクとして、便器に連結されるロータンク型タンクを用いたが、ロータンク型タンク以外のタンク、例えば、便器と洗浄管を介して接続されてトイレの壁等に設置される隅付き型や平付き型のタンクを用いてもよい。この場合に、洗浄水タンクを高い位置に設置してハイタンクとすることも可能である。
 また、本発明をサイホンゼット式便器10やサイホン便器に適用した場合を例として説明したが、上記の便器と他の装置や部材との組み合わせた発明として把握することもできる。例えば、局部洗浄や暖房等の諸機能を実現する機能便座と組み合わせた衛生洗浄装置、収納用キャビネットや手洗装置と組み合わせたトイレキット装置、トイレ室内の構造体としての壁材,床材および天井材等を組み合わせたシステムトイレ装置等に適用することもできる。
本発明の実施例であるサイホンゼット式の便器10を、その採用する洗浄水噴出の様子と共に示す概略斜視図である。 便器10をその上面をほぼ全域に亘って破断して示す説明図である。 便器10を図2における3−3線に沿って破断した概略縦断面を示す説明図である。 リム部21を説明するため図2のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線の各部でリム部21を破断した概略部分断面である。 リム噴出口44の周辺の概略斜視図である。 便器10のうちボール部パーツ10aの型成型に用いる型構成を便器縦断面方向で示す説明図である。 図4に示したリム部各部の横断面方向の型構造を示す説明図である。 リム部21の要部とその部分の型構造を一部を拡大して示す説明図である。
符号の説明
10…便器
10a…ボール部パーツ
10b…本体下部パーツ
10c…給水路遮蔽パーツ
20…ボール部
21…リム部
22…ゼット噴出口
23…覆水面
24…露出面
25…吸込口
26…凹部
28…タンク取付孔
29…便座取付孔
40…洗浄水給水孔
41…洗浄水給水路
41a…区画壁
41b…エア排出孔
42…空隙
43…リム給水路
44…リム噴出口
45…ゼット給水孔
46…ゼット給水路
50…棚部
52…オーバーハング部
53…内面コーナー部
54…連続部
55…中空部
58…リム上面壁
59…外郭壁
60…接合壁
61…排泥孔
100…上型
101…下型
102…合わせ型
310…洗浄水タンク
RS…リムショット洗浄水

Claims (2)

  1. 新たな洗浄水を便器ボール部に通水して、該便器ボール部に貯め置く溜水を汚物と共にトラップから排出し、便器洗浄を行う水洗便器であって、前記便器ボール部におけるボール面上縁部に設けられたボール面噴出口であって、供給を受けた洗浄水を前記ボール面上縁部からボール面上縁に沿って噴出する前記ボール面噴出口と、前記ボール面噴出口からの噴出洗浄水を前記ボール面上縁回りに案内する案内手段とを備え、前記案内手段は、前記噴出洗浄水が流れる棚部と、前記噴出洗浄水の流れ方向を規制すると共に前記棚部の便器外側方向から上方に立ち上がって前記棚部をオーバーハングする規制壁部とを、前記ボール面上縁回りに形成して備え、前記棚部は、その形成軌跡に亘って、前記便器ボール部の底面側に傾斜した棚面を有することを特徴とする水洗便器。
  2. 前記水洗便器には、更に、前記トラップの吸引口に向けて噴射されるゼット噴出口を設けたことを特徴とする水洗便器。

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