JP2001279791A - 水洗便器 - Google Patents

水洗便器

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JP2001279791A
JP2001279791A JP2000096506A JP2000096506A JP2001279791A JP 2001279791 A JP2001279791 A JP 2001279791A JP 2000096506 A JP2000096506 A JP 2000096506A JP 2000096506 A JP2000096506 A JP 2000096506A JP 2001279791 A JP2001279791 A JP 2001279791A
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Shinji Shibata
信次 柴田
Shinko Shinkawa
新川  真弘
Masaki Kitamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボール面上縁部の内側壁面に沿って洗浄水を
噴出して便器を洗浄する場合の機能改善を図る。 【解決手段】 便器10は、ボール部20の露出面24
上端部分を棚部50とし、この棚部から立ち上がったオ
ーバーハング部52を備える。このオーバーハング部5
2は、ボール部20を取り囲むリム部21で形成されて
いる。棚部50は、ボール部回りに旋回した旋回経路で
形成され、棚面にリムショット洗浄水RSを乗せて経路
下流に流す。リム部21は、棚部50に対するオーバー
ハング部52のオーバーハングの様子を、棚部50の旋
回経路に沿って異なるものとしている。オーバーハング
部52は、リム噴出口44近傍で棚部50に対向するよ
うオーバーハングしてリムショット洗浄水RSの拡散噴
出を回避する。その他の領域では、棚部50に対して傾
斜して、洗浄水の便器外部への飛散を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新たな洗浄水を便
器ボール部に通水してこれを洗浄する水洗便器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】便器ボール部に洗浄水を通水してこれを
洗浄する方式には種々のものがあり、ボール部上縁のリ
ム部を中空とし、その中空部を通水経路として、このリ
ム部からボール面に洗浄水を噴出する方式が普及してい
る。この他、ボール面上縁部の内側壁面に沿って洗浄水
を噴出する新たな洗浄方式も提案されている(例えば、
特開平9−125502号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の水洗便器では、ただ漫然と洗浄水がボール面
に噴出されているに過ぎず、噴出洗浄水の挙動や、リム
部形状等に改善の余地が残されていた。例えば、上記公
報の水洗便器では、便器上縁に内側に突出する突部を接
合してリム部とし、これを噴出洗浄水の飛散防止用に用
いているが、噴出洗浄水の流れの様子は噴出口からの距
離に応じて変わるので、場合によってはこの突部では十
分に飛散防止を図ることができないことがあった。ま
た、上記の突部を接合して焼成しその突部部分を便座の
着座に用いているが、こうした構成では、焼成時に突部
の接合箇所に亀裂が発生しやすくなる。或いは、噴出後
の洗浄水を前方に流れる間にボール部底部に流れ落とす
としているが、噴出洗浄水の勢いによってはこの流れ落
ちが十分でないようなこともあった。
【0004】本発明は、上記した問題点を解決するため
になされ、ボール面上縁部の内側壁面に沿って洗浄水を
噴出して便器を洗浄する場合の機能改善を図ることを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した課題を解決するため、本発明の水洗便器は、新た
な洗浄水を便器ボール部に通水して、該便器ボール部の
貯め置く溜水を汚物と共にトラップから排出し、便器洗
浄を行う水洗便器であって、便器左右方向の一方の側の
前記便器ボール部におけるボール面上縁部に設けられた
ボール面噴出口であって、供給を受けた洗浄水を前記ボ
ール面上縁部からボール面上縁に沿って噴出する前記ボ
ール面噴出口と、前記ボール面噴出口からの噴出洗浄水
を前記ボール面上縁回りに前記噴出洗浄水を案内する案
内手段とを備え、前記案内手段は、前記噴出洗浄水が流
れる棚部と、前記噴出洗浄水の流れ方向を規制すると共
に前記棚部の便器外側方向から上方に立ち上がって前記
棚部をオーバーハングする規制壁部とを、前記ボール面
上縁回りに形成して備え、前記規制壁部は、前記オーバ
ーハングの様子を前記噴出洗浄水の案内軌跡に沿って異
なるものとしていることを特徴とする。
【0006】一般に、ボール面噴出口からの噴出洗浄水
は、噴出後から一律な様子で流れるわけではない。具体
的には、ボール面噴出口から噴出直後では、それまでの
閉鎖管路から解放領域(ボール面上縁)への噴出が起き
るので、洗浄水は拡散しつつ流れる。また、ボール面噴
出口から離れると、洗浄水とボール面上縁との接触の様
子も変わってくる。或いは、洗浄水の流れの向きが変わ
るところでは、洗浄水は遠心力を受けて便器外側に飛び
出そうとし、その遠心力の作用の様子はボール面噴出口
からの距離や流れの向き変更の程度に左右される。
【0007】そして、本発明の水洗便器は、ボール面噴
出口からの噴出洗浄水をボール面上縁回りに案内するに
際し、棚部の便器外側方向から上方に立ち上がった規制
壁部を、棚部に対するオーバーハングの様子を噴出洗浄
水の案内軌跡に沿って異なるものとした。このため、洗
浄水の拡散が起きる箇所ではそのような拡散を抑制でき
るよう規制棚部のオーバーハング部をオーバーハングさ
せたり、遠心力により洗浄水が便器外側に飛び出そうと
する箇所では、この飛び出しを抑制できるよう規制棚部
のオーバーハング部をオーバーハングさせた。よって、
本発明の水洗便器によれば、噴出洗浄水の飛散防止機能
を高めることができる。
【0008】この場合、噴出洗浄水が拡散しつつ流れや
すいボール面噴出口近傍では、規制棚部のオーバーハン
グ部を棚部と略水平に対向するようにオーバーハングさ
せた。こうすることで、噴出洗浄水を規制棚部で取り囲
むようにするので、噴出洗浄水をその拡散を確実に回避
しつつ下流に流すようにすることができ、噴出洗浄水の
便器外部への飛散を確実に回避できる。また、拡散回避
により、噴出洗浄水を流れ方向を揃えて下流に流すこと
ができる。そして、このようにしたオーバーハング部の
内面コーナーに余肉付けを付けることで、焼成時の亀裂
発生回避を図ったり、オーバーハング部の強度を向上す
ることができる。余肉付け形成に当たっては、便器素地
の状態で内面コーナー部に陶器原材料を湾曲状や三角状
に盛り肉したり、便器素地の型成型時において湾曲余肉
を便器素地に形成したりできる。
【0009】また、ボール面噴出口から便器前方側に離
れた範囲では、オーバーハング部を棚部に対して傾斜さ
せることで、棚部や規制壁部の立ち上がり箇所を便器上
方の側から使用者に見やすくしたりできる。これによ
り、掃除をしやすくできる。しかも、遠心力が作用して
噴出洗浄水が便器外側に飛び出そうとしても、このよう
な噴出洗浄水を棚部に対して傾斜したオーバーハング部
で受け止めて便器ボール側に戻すことができる。
【0010】更には、傾斜したオーバーハング部を棚部
から立ち上げるに当たり、湾曲部を介在させて両部を連
続させることで、噴出洗浄水をこの湾曲部に集めつつ下
流に流したりできる。なお、ここにいう湾曲部は、弧状
に湾曲したもののほか、くの字状、コの字状等に屈曲し
て湾曲したものも含む。
【0011】便器前方では、噴出洗浄水が便器ボール部
上縁に沿って流れる際にその流れ方向が大きく変わる。
よって、傾斜したオーバーハング部の傾斜範囲を湾曲形
成し、便器前方側に近いほどオーバーハング部の湾曲程
度を大きくすることで、流れ向きの変更により便器外部
に飛び出そうとする洗浄水を便器ボール側に効果的に戻
すことができ、洗浄水飛散を有効に回避できる。
【0012】そして、これら規制壁部を便器ボール部の
上縁に配設されたリム部で形成することが、便器製造の
上から好ましい。なお、棚部に対して傾斜したオーバー
ハング部を有する規制壁部領域では、リム部の便器外方
側壁部をこの規制壁部と別に設けて、リム部を両壁部を
有するものとできる。こうすれば、リム部を中空形状の
ものとでき、このように中空形状としたことでリム部の
強度向上を図ることができ、便座等を支承なく装着でき
る。
【0013】また、ボール面噴出口との繋ぎ部分におい
て、規制壁部をボール面噴出口の便器外方側の開口側面
と開口上面から略連続した内面形状としたり、棚部をボ
ール面噴出口の開口底面から略連続した棚面を有するも
のとすることができる。こうすれば、ボール面噴出口か
らの洗浄水噴出に際して洗浄水の衝突を起こさないの
で、噴出洗浄水をエネルギ損失を抑制してボール面噴出
口から下流に噴出できる。よって、高いエネルギを持っ
た噴出洗浄水で便器洗浄を図ることができ、洗浄能力を
高めることができる。
【0014】更に、棚部を、その形成軌跡に亘って、便
器ボール部の底面側に傾斜した棚面を有するものとする
こともできる。こうすれば、棚部を洗浄水が流れる間
に、確実にその流れの一部の洗浄水をボール面に沿って
ボール部底面側に流し落とすことができる。よって、流
れ落ちる洗浄水による汚物剥離が確実となり、ボール面
洗浄能力を向上させることができる。この場合、棚部の
傾斜棚面の傾斜を噴出洗浄水の流れ方向が大きく変わる
便器前方側で大きくすれば、傾斜が大きい分だけ多くの
量の洗浄水をボール面に沿ってボール部底面側に流し落
とすことができる。よって、便器前方側のボール面であ
っても高い洗浄能力で洗浄できる。
【0015】このほか、本発明の水洗便器は、次のよう
な態様を採ることができる。即ち、前記案内手段を、前
記噴出洗浄水を前記ボール面上縁回りの旋回軌跡で旋回
させて案内するために、前記棚部と前記規制壁部とを前
記旋回軌跡に沿って備えるものとし、前記棚部を、前記
旋回軌跡に沿って下方に傾斜しているものとすることが
できる。こうすれば、噴出洗浄水を、ボール面上縁回り
の旋回軌跡の末端まで傾斜した棚部に乗せて流すことが
できる。よって、ボール面噴出口から旋回軌跡末端に至
るまで確実に噴出洗浄水を行き渡らせることができるの
で、高い洗浄能力を発揮できる。しかも、この旋回軌跡
に沿って流れてボール部の底部に噴出洗浄水が確実に流
れ込むので、便器ボール部の溜水に旋回を起こす。この
ため、トラップへの洗浄水(溜水)の吸引効率を高め
て、便器ボール部の溜水並びに汚物を効果的にトラップ
から排出できる。
【0016】また、供給を受けた洗浄水を前記トラップ
の吸込口に向けて前記便器ボール部底部で噴出する底部
噴出口と、前記ボール面噴出口と前記底部噴出口に供給
する洗浄水を貯留するタンクと、前記タンクから流入し
た洗浄水を前記ボール面噴出口と前記底部噴出口に分流
供給する分流手段とを有するものとすることができる。
こうすれば、底部噴出口からのトラップ吸込口に向けた
洗浄水噴出によってもトラップへの洗浄水(溜水)の吸
引効率を高めるので、ボール面噴出口からの上記した洗
浄水噴出と相まって、溜水並びに汚物をより効果的かつ
速やかにトラップから排出できる。
【0017】そして、上記した水洗便器の製造に際して
は、前記規制棚部を形成するリム部を含み、便器全体の
上部構造を型成型した便器上部部分の便器素地と、前記
棚部と残余の便器部分を含む便器下部構造を型成型した
便器下部部分の便器素地を別々に準備する工程と、前記
両便器素地を前記ボール部上縁部で接合し、焼成する工
程とを採ることとした。こうすれば、便器上部部分の便
器素地の型成型に用いる金型の変更、或いは金型面形状
の変更といった簡便な方法で、上記の本発明の水洗便器
を容易に製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成及び作
用を一層明らかにするために、以下本発明の水洗便器に
ついて、その実施の形態を説明する。図1は本発明の実
施例であるサイホンゼット式の便器10を、その採用す
る洗浄水噴出の様子と共に示す概略斜視図、図2は、便
器10をその上面をほぼ全域に亘って破断して示す説明
図であり、図3は便器10を図2における3−3線に沿
って破断した概略縦断面を示す説明図、図4はリム部2
1を説明するため図2のA−A線、B−B線、C−C
線、D−D線の各部でリム部21を破断した概略部分断
面である。このサイホンゼット式の便器10は、洗浄に
伴って、後述するゼット噴出口22からの洗浄水噴出と
ボール面上縁における洗浄水噴出を行う。以下、便器1
0の各部について、各図を参照しつつ説明する。
【0019】これら図面に示すように、便器10は、汚
物を受けるボール部20を備える。ボール部20の周壁
は、便器10の非洗浄時でも溜水RWと接する覆水面2
3と、便器10の非洗浄時には溜水RWと接しない露出
面24から構成されている。
【0020】この便器10は、二つの洗浄水噴出系を有
する。一方の噴出系(ゼット噴出系)は、洗浄水タンク
310(図3参照)からのタンク洗浄水入り口である洗
浄水給水孔40から、ボール部底部の凹部26に開口さ
れたゼット噴出口22までの経路を有する。他方の経路
(リムショット噴出系)は、洗浄水給水孔40から、ボ
ール部20の上部側面に空けられたリム噴出口44まで
の経路を有する。このゼット噴出系とリムショット噴出
系は、洗浄水給水孔40の直下近傍で、後述するように
分岐形成されており、それぞれの噴出口に洗浄水を供給
する。
【0021】ゼット噴出口22は、図示するように、凹
部26を挟んでトラップの吸引口25とほぼ対峙する位
置に設けられている。そして、このゼット噴出口22
は、洗浄水給水路41のゼット給水孔45と、便器内部
を湾曲するように形成されたゼット給水路46を介して
接続されている。リム噴出口44は、洗浄水給水路41
から洗浄水給水孔40近傍で分岐したリム給水路43の
先端に位置するよう、ボール部20のボール面(詳しく
は露出面24)上縁に形成されている。
【0022】この場合、リム給水路43は、図2から明
らかなように、洗浄水タンク310を固定するためのタ
ンク取付孔28と図示しない便座或いは便座装置を取り
付けるための便座取付孔29との干渉を避けた経路で形
成されている。タンク取付孔28および便座取付孔29
は、所定の既存ピッチ(例えば、タンク取付孔間ピッチ
=170mm、便座取付孔間ピッチ=140mm)であ
る。このため、本実施例の便器10には、既存の洗浄水
タンクや便座(便座装置)をそのまま固定でき、特別な
取付ピッチを有するタンクや便座を手配する必要がな
い。
【0023】便器10は、その製造の過程で、ボール部
パーツ10aと、本体下部パーツ10bと、給水路遮蔽
パーツ10cとされ、これらのパーツを接合・なじみ処
理した後、焼成して製造される。
【0024】便器10の内部には、ボール部20に水を
噴出するための上記の二系等の噴出系のほか、ボール部
20内の汚物を排水ソケット70並びに排水立ち上げ管
90に向けて排出するためのサイホントラップ管路が設
けられている。なお、このサイホントラップ管路は、接
続路31およびこれらに続く上昇路32、下降路33で
構成されるが、本発明の要旨に関係しないのでその説明
は省略する。
【0025】まず、噴出系の構成について説明する。便
器10の後方には、便器洗浄水の給水源としての洗浄水
タンク310が設置されている。このタンク内洗浄水
は、底部の図示しない排水弁から洗浄水給水孔40を通
過し、洗浄水給水路41とリム給水路43に分流され
る。なお、後述のトラップから便器外部に排出される洗
浄水量(排出洗浄水量)は、タンクの排水弁の開弁制御
により調整可能であり、所定量、例えば大便洗浄時にあ
って約6リットルとなるよう設定することができる。
【0026】この洗浄水給水孔40を通過して洗浄水給
水路41に流入したタンク洗浄水は、既述したゼット給
水孔45並びにゼット給水路46を通過して、ゼット噴
出口22から吸込口25に向けて噴出される。よって、
洗浄水のエネルギは、吸込口25以降のトラップに無駄
なく伝達されるので、サイホン作用をより早期に引き起
こすことが可能となる。なお、洗浄水給水路41の上部
前方には、ボール部20の外側に位置する空隙42が区
画壁41aによって形成されており、この区画壁にはエ
ア排出孔41bが空けられている。よって、このエア排
出孔41bからのエア排出により、洗浄水給水路41へ
の速やかな洗浄水流入を経て、洗浄水は速やかにゼット
噴出口22から噴出される。
【0027】一方、リム給水路43に分流して流れ込ん
だ洗浄水は、給水路先端のリム噴出口44からボール部
20に噴出される。こうした洗浄水の分流は洗浄水給水
孔40のほぼ直下で起きるので、両噴出口からは、ほと
んど同時に洗浄水噴出が開始される。また、リム噴出口
44から離れた位置で洗浄水の分流を起こすことができ
るので、分流後の洗浄水をその流れに比較的乱れが起き
ない状態でリム噴出口44に流して噴出できる。この結
果、このリム噴出口44からは、流れに乱れが無い状態
で洗浄水をボール面上縁部に噴出することができる。従
って、洗浄水をその流れに大きな乱れが起きない状態で
噴出でき、ボール面上縁部から洗浄水が不用意に飛び出
すようなことも無くなる。また、便器の洗浄性も高める
ことができる。以下、リム噴出口44からの洗浄水噴出
をリムショットと呼ぶこととし、このリムショットによ
る洗浄水の挙動については後述する。
【0028】リム給水路43は、図3に点線で示すよう
に、リム噴出口44に至るまで、洗浄水給水孔40の側
から下方に傾斜して形成されている。よって、リム噴出
口44の側から洗浄水が不用意に逆流しないようにでき
る。また、リム給水路43を流れる間においては、洗浄
水のエネルギロスを起こさないようにできるので、リム
噴出口44からは、大きな流速をもって勢い良く洗浄水
を噴出できる。
【0029】なお、洗浄水給水路41とリム給水路43
への洗浄水分流程度は、リム給水路43の分岐箇所の有
効管路面積を調整することで種々調整可能である。
【0030】次に、リムショットによる洗浄水の挙動を
リム部21の構成と関連付けて説明する。図5はリム噴
出口44の周辺の概略斜視図である。
【0031】図2ないし図5に示すように、便器10
は、リム噴出口44からのリムショット洗浄水を案内す
べく、次のような構成を有する。図2に示すように、便
器10は、リム噴出口44を図における便器左側方に備
え、図中斜線で示すように、このリム噴出口44の前方
にボール面回りに旋回した経路の棚部50を有する。こ
の棚部50は、ボール部20の上記した露出面24の上
縁回りの領域に形成されており、リム噴出口44からの
リムショット洗浄水を棚面に乗せて下流側(旋回軌跡の
下流側)に流す。
【0032】棚部50は、その各部において、図4に示
すように、ボール部20の底部の側に傾斜形成されてい
る。このため、棚部50の棚面に乗って流れている洗浄
水を、図1に図中白抜き矢印で示すように、棚部50の
旋回経路各部でボール部20のボール面(詳しくは、露
出面24から覆水面23にかけてボール面)に沿って流
し落とすことができる。よって、このように旋回経路各
部で流れ落ちる洗浄水(リムショット洗浄水)でボール
面の付着汚物を確実に剥離できるので、ボール面洗浄能
力を向上させることができる。
【0033】また、リム噴出口44との繋ぎ部分におい
て、棚部50の棚面は、図4(a)のA−A断面並びに
図5に示すように、リム噴出口44の開口底面から略連
続した棚面となるようにされている。よって、リム噴出
口44からのリムショット洗浄水の噴出に際し、落差を
もって洗浄水を噴出することがなくなり、棚面への洗浄
水衝突を招かない。このため、リムショット時に洗浄水
のエネルギ損失を抑制できるので、高いエネルギを持っ
た状態で、リムショット洗浄水をリム噴出口44の下流
側に、即ち、棚部50の旋回軌跡に沿って流すことがで
きる。
【0034】この棚部50は、上記した旋回経路に沿っ
て、その下流に行くほど下方に傾斜するようにされてい
る。即ち、図3および図4に示すように、便器左方側で
は、44近傍でもっともその高さが高く、便器前方側で
は低くなるようにされている。この様子は、図4におい
て、リム部21上端面から棚部50までの隔たりが広く
なることで示されている。また、棚部50は、便器右方
側においても、便器前方から後方にいくほど低くなるよ
うにされており、図5に示すように、経路末端では旋回
経路開始部(即ち、リム噴出口44の配設付近)と段差
状を呈する。このように棚部50は旋回経路に沿って下
方に傾斜するので、リムショット洗浄水がこの棚部50
に乗って旋回経路に沿って流れる際、このリムショット
洗浄水を旋回経路(旋回軌跡)の末端までより確実に行
き渡らせることができる。
【0035】このため、旋回経路の各部での上記したリ
ムショット洗浄水のボール面に沿った流れ落ちを確実に
起こすことができ、汚物の剥離効果が高まる。また、旋
回経路末端に行き渡ったリムショット洗浄水は旋回状態
でボール部20の溜水に流れ込むので、溜水の旋回も引
き起こすことができ、これによりトラップへの洗浄水吸
引を促進できる。これらの結果、棚部50を上記のよう
に旋回経路に沿って下方に傾斜させることで、高い洗浄
能力を発揮できる。この場合、後述するリム部21によ
るリムショット洗浄水の案内により、リムショット洗浄
水の旋回挙動を確実なものとできるので、より高い洗浄
能力を発揮できる。
【0036】また、便器10は、ボール部20の上縁回
りにリム部21を備え、このリム部21を、図4に示す
ように、上記の棚部50をその上部から覆うようにして
いる。このリム部21は、棚部50の便器外側方向から
上方に立ち上がって当該棚部をオーバーハングするよう
形成されており、そのオーバーハングの様子を棚部50
の旋回経路、即ちリムショット洗浄水の案内軌跡に沿っ
て異なるものとしている。つまり、リム噴出口44との
繋ぎ部分では、リム部21は、その有するオーバーハン
グ部52が棚部50と略水平に対向する程度までオーバ
ーハングさせている(図4(a)、(b)参照)。
【0037】しかも、このリム噴出口44との繋ぎ部分
では、図示するように、リム部21の内面形状は、リム
噴出口44の便器外方側の開口側面並びに開口上面から
略連続した形状とされている。よって、棚部50がリム
噴出口44の開口底面と略連続した棚面とされているこ
とと相まって、リム噴出口44からは、リムショット洗
浄水を衝突を起こすことなくより効果的に噴出すること
ができ、好ましい。そして、オーバーハング部52の内
面コーナー部53は、R形状や三角状の余肉付けとされ
ているので、焼成時において当該コーナー部の亀裂発生
を回避できると共に、オーバーハング部52の強度を向
上することができる。
【0038】また、リム噴出口44から離れた範囲で
は、ボール部上縁回りにおいて、リム部21のオーバー
ハング部52を棚部50に対して傾斜したオーバーハン
グ状態とした(図4(c)〜図4(a)参照)。そし
て、この傾斜状のオーバーハング部52と棚部50を、
図示するように、湾曲形状の連続部54で連続させた。
更に、図4(c)の便器左方部から図4(d)の便器前
方側の右方部に亘る間においては、オーバーハング部5
2を図中rで示す曲率半径で湾曲形成し、その湾曲程度
を便器前方側ほど大きくなるようにした。なお、図4
(c)、(b)、(a)に示す範囲にあってもオーバー
ハング部52を湾曲させるようにすることもできる。
【0039】そして、図2および図4に示すように、上
記したオーバーハング部52をリム部21の一部分と
し、このリム部21には、その内部に中空部55を形成
した。中空部55は、便座の着座部となるリム上面壁5
8と、リム部における便器外郭を形成する外郭壁59
と、ボール部20上縁との接合壁60と、上記のオーバ
ーハング部52とで囲まれて形成されている。図2に示
すように、この中空部55は、リム噴出口44から離間
した箇所、詳しくは、リムショット洗浄水RSがその流
れの向きを棚部50とオーバーハング部52で変える箇
所の付近から形成されている。そして、この中空部55
は、ボール部20回りに湾曲し、既述した洗浄水給水路
41の上部前方の空隙42に至るまで形成されている。
【0040】このようなリム部21を有することから、
次の利点がある。リム噴出口44の近傍では、オーバー
ハング部52の内面コーナー部53をR形状や三角状の
余肉付けとされたものとして、この範囲のオーバーハン
グ部52の強度を高めている。これ以外の領域のリム部
21にあっては、中空部55を形成して、リム上面壁5
8をその左右のオーバーハング部52と外郭壁59で支
えるようにして、中空部55を有する範囲にあってもリ
ム部21の強度向上を図っている。この結果、焼成時の
亀裂発生回避の信頼性を高めると共に、リム部21全体
の強度を確実に高めることができる。よって、便座や局
部洗浄装置などを支承なく便器10に装着できる。
【0041】更に、以上説明したごとく便器10は、棚
部50とオーバーハング部52をボール部上縁回りに有
するので、次の利点がある。
【0042】上記したように棚部50は、その棚面にリ
ムショット洗浄水RSを乗せつつ、このリムショット洗
浄水RSを棚部旋回経路に沿って下流に流す。一方、オ
ーバーハング部52と棚部50に連続した連続部54
は、棚部から立ち上がることで50と同じ旋回経路に沿
って存在し、RSの流れ方向をこの旋回経路に沿ったも
のに規制する。これにより、リムショット洗浄水RS
は、上記の旋回経路に沿って案内されて、ボール面上縁
回りの旋回経路に沿って流れる。
【0043】そして、このようにリムショット洗浄水R
Sを案内するに当たり、棚部50に対するオーバーハン
グ部52のオーバーハングの様子をリムショット洗浄水
RSの旋回経路に沿って異なるものとした。つまり、リ
ム噴出口44との繋ぎ部分では、オーバーハング部52
を棚部50と略水平に対向する程度までオーバーハング
させて、リム噴出口44から噴出されるリムショット洗
浄水RSを棚部50とオーバーハング部52とで取り囲
むようにした。このため、閉鎖管路のリム給水路43を
通過してリム噴出口44から噴出されたリムショット洗
浄水RSは、噴出口周囲に拡散して噴出しようとする
が、棚部50並びにオーバーハング部52によりその拡
散が確実に回避された状態で噴出する。よって、洗浄水
の拡散噴出に伴う外部への洗浄水飛散を確実に回避でき
ると共に、流れ方向(噴出方向)を揃えた状態でリム噴
出口44前方、即ち上記の旋回経路に沿って噴出でき
る。
【0044】また、図4に示すように、このようにして
拡散回避を行った下流領域では、オーバーハング部52
を棚部50に対して傾斜させると共に、このオーバーハ
ング部52を連続部54を介して棚部50から立ち上げ
た。よって、リムショット洗浄水RSを案内するに際し
て、リムショット洗浄水RSをこの連続部54に集めつ
つ旋回経路に沿って下流に流すことができる。そして、
旋回による遠心力を受けてリムショット洗浄水RSが便
器外部に飛び出そうとしても、傾斜させたオーバーハン
グ部52でこの洗浄水を受け止めてこの洗浄水の飛び出
しを有効に回避できる。
【0045】しかも、傾斜状のオーバーハング部52自
体を内側に湾曲させて、便器前方ではこの湾曲程度を大
きくした。この点でも次の利点がある。便器前方では便
器前方から後方に向けた流れにその方向が大きく変わる
ので、上記した洗浄水の飛び出しが起きやすい。しか
し、この便器前方でオーバーハング部52はより大きな
湾曲形状を採るので、便器前方における洗浄水の飛び出
しもより効果的に回避することができる。
【0046】これらの結果、上記した構成を有する本実
施例の便器10によれば、リムショット洗浄水RSをボ
ール部上縁回りに噴出して便器洗浄を行う場合の噴出洗
浄水の飛散防止機能を向上させることができる。
【0047】また、ボール面の汚物剥離効果を高めるた
めに、50をその旋回経路の各部でボール部20の側に
傾斜させるようにし、この傾斜を、上記のように流れ方
向が大きく変わる便器前方側で大きくした。よって、傾
斜が大きい分だけ多くの量のリムショット洗浄水RS
を、便器前方におけるボール面に沿ってボール部底面側
に流し落とすことができるので、便器前方側のボール面
であっても高い洗浄能力で洗浄できる。
【0048】加えて、次のようなまた別の利点がある。
リム噴出口44近傍では、対向するオーバーハング部5
2と棚部50との間を、ボール部20の側で解放するこ
とで、この領域の棚部50の棚面を便器上方から見やす
くした。また、リム噴出口44より下流では、オーバー
ハング部52の傾斜形成により、棚部50の棚面はもと
よりオーバーハング部52の内側面や連続部54の表面
を、便器上方の側から使用者に見やすくした。こうする
ことで、使用者に棚面等の汚れ具合をよく見えるように
する。よって、使用者は、掃除の要否を容易に判断でき
ると共に、容易に棚面等を掃除できる。
【0049】また、本実施例では、リムショット洗浄水
RSによる便器洗浄に加えて、ゼット噴出口22から洗
浄水をボール部溜水に直接噴出するようにした。よっ
て、トラップへの洗浄水(溜水)の吸引効率を一層高め
ることができ、溜水並びに汚物をより効果的かつ速やか
にトラップから排出できる。
【0050】次に、上記した便器10の製造方法につい
て説明する。この製造方法では、一律な形状のリム部を
有する既存の便器の製造方法と、ボール部パーツ10a
の型成型に用いる型構造が異なるに過ぎない。図6は便
器10のうちボール部パーツ10aの型成型に用いる型
構成を便器縦断面方向で示す説明図、図7は図4に示し
たリム部各部の横断面方向の型構造を示す説明図、図8
はリム部21の要部とその部分の型構造を一部を拡大し
て示す説明図である。なお、各型は多孔質の吸引型であ
る。
【0051】図示するように、ボール部パーツ10aの
型成型に際しては、上型100と、下型101と、合わ
せ型102を用いる。上型100は、リム部21のオー
バーハング部52或いはリム上面壁58と、外郭壁59
と、洗浄水タンク310や図示しない便座の載置部上壁
部122を形成するための型である。この上型100
は、洗浄水給水孔40形成用の樹脂製、例えばテフロン
製の凸部100aを有し、リム部21並びに載置部の上
端アールの境界で下型101、合わせ型102と接合す
る。
【0052】下型101は、リム噴出口44に洗浄水を
分流供給するためのリム給水路43を形成すると共に、
空隙42を形成するための区画壁41aと、リム部21
の接合壁60とを形成するための型である。この下型1
01は、エア排出孔41b形成用の樹脂製、例えばテフ
ロン(登録商標)製の埋没材101aと、リム部21の
接合壁60における排泥孔61形成用の樹脂製、例えば
テフロン製の埋没材101bを有する。合わせ型102
は、リム部21のオーバーハング部52および内面コー
ナー部53並びにリム噴出口44を形成するための型で
あり、離型に支障が無いようリム周りに分割されてい
る。この場合、合わせ型102は、リム噴出口44の形
成位置に樹脂製、例えばテフロン製の図示しない埋没部
を有し、この埋没部によりリム噴出口44を形成する。
【0053】これら各型を型接合して各型で形成された
キャビティに泥漿を注入し、各型を吸引処理すると、図
示するように各型の型形状に倣って泥漿が着層する。そ
の後、乾燥させて離型すると、ボール面上縁のリム部2
1を含み、便器全体の上部構造を有するボール部パーツ
10a(便器素地)が形成される。余剰の泥漿排出の際
には、この便器素地におけるエア排出孔41bから排泥
のためのエアが送られ、便器素地の中空部、即ち空隙4
2や中空部55に残存していた余剰の泥漿は、排泥孔6
1から除去される。
【0054】また、既存の図示しない型(上型・下型或
いは左右の型)を用いて、ボール部下方部や凹部26、
上記トラップ管路、便器本体下部部分等の残余の便器部
分を含む便器下部構造を有する本体下部パーツ10b
(便器素地)を型成型して準備する。更には、本体下部
パーツ10bに形成済みのゼット給水路46用の凹所を
その経路に亘って遮蔽する給水路遮蔽パーツ10cを成
型して準備する。なお、この給水路遮蔽パーツ10cの
成型も既存のものと変わることは無い。
【0055】こうして各パーツの準備が完了すると、各
パーツを端面同士で接合させて、その接合個所を指や刷
毛等でなじみ処理に処し、焼成する。このような製造工
程を採るに当たり、ボール部パーツ10a成型用の下型
101の型形状を変更するだけでよいので、低コスト化
を図ることができる。なお、下型101と合わせ型10
2は分割されず、一体型でも成形可能である。また、ボ
ール部パーツ10aと本体下部パーツ10bを接合しな
い一体型の成形方法も可能である。
【0056】以上、本発明が実施される形態を説明した
が、本発明はこうした実施例に何等限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々な
る様態で実施し得ることは勿論である。
【0057】例えば、上記実施例では、洗浄水タンクと
して、便器に連結されるロータンク型タンクを用いた
が、ロータンク型タンク以外のタンク、例えば、便器と
洗浄管を介して接続されてトイレの壁等に設置される隅
付き型や平付き型のタンクを用いてもよい。この場合
に、洗浄水タンクを高い位置に設置してハイタンクとす
ることも可能である。
【0058】また、本発明をサイホンゼット式便器10
やサイホン便器に適用した場合を例として説明したが、
上記の便器と他の装置や部材との組み合わせた発明とし
て把握することもできる。例えば、局部洗浄や暖房等の
諸機能を実現する機能便座と組み合わせた衛生洗浄装
置、収納用キャビネットや手洗装置と組み合わせたトイ
レキット装置、トイレ室内の構造体としての壁材,床材
および天井材等を組み合わせたシステムトイレ装置等に
適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるサイホンゼット式の便器
10を、その採用する洗浄水噴出の様子と共に示す概略
斜視図である。
【図2】便器10をその上面をほぼ全域に亘って破断し
て示す説明図である。
【図3】便器10を図2における3−3線に沿って破断
した概略縦断面を示す説明図である。
【図4】リム部21を説明するため図2のA−A線、B
−B線、C−C線、D−D線の各部でリム部21を破断
した概略部分断面である。
【図5】リム噴出口44の周辺の概略斜視図である。
【図6】便器10のうちボール部パーツ10aの型成型
に用いる型構成を便器縦断面方向で示す説明図である。
【図7】図4に示したリム部各部の横断面方向の型構造
を示す説明図である。
【図8】リム部21の要部とその部分の型構造を一部を
拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
10…便器 10a…ボール部パーツ 10b…本体下部パーツ 10c…給水路遮蔽パーツ 20…ボール部 21…リム部 22…ゼット噴出口 23…覆水面 24…露出面 25…吸込口 26…凹部 28…タンク取付孔 29…便座取付孔 40…洗浄水給水孔 41…洗浄水給水路 41a…区画壁 41b…エア排出孔 42…空隙 43…リム給水路 44…リム噴出口 45…ゼット給水孔 46…ゼット給水路 50…棚部 52…オーバーハング部 53…内面コーナー部 54…連続部 55…中空部 58…リム上面壁 59…外郭壁 60…接合壁 61…排泥孔 100…上型 101…下型 102…合わせ型 310…洗浄水タンク RS…リムショット洗浄水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新川 真弘 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 北村 正樹 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D039 AA02 AC04 AD00 AD01 DB00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 新たな洗浄水を便器ボール部に通水し
    て、該便器ボール部の貯め置く溜水を汚物と共にトラッ
    プから排出し、便器洗浄を行う水洗便器であって、 便器左右方向の一方の側の前記便器ボール部におけるボ
    ール面上縁部に設けられたボール面噴出口であって、供
    給を受けた洗浄水を前記ボール面上縁部からボール面上
    縁に沿って噴出する前記ボール面噴出口と、 前記ボール面噴出口からの噴出洗浄水を前記ボール面上
    縁回りに案内する案内手段とを備え、 前記案内手段は、 前記噴出洗浄水が流れる棚部と、前記噴出洗浄水の流れ
    方向を規制すると共に前記棚部の便器外側方向から上方
    に立ち上がって前記棚部をオーバーハングする規制壁部
    とを、前記ボール面上縁回りに形成して備え、 前記規制壁部は、前記オーバーハングの様子を前記噴出
    洗浄水の案内軌跡に沿って異なるものとしていることを
    特徴とする水洗便器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水洗便器であって、 前記規制壁部は、前記ボール面噴出口の側では、前記棚
    部と略水平に対向するようオーバーハングしたオーバー
    ハング部を有し、該オーバーハング部の内面コーナーに
    余肉付けを有する、水洗便器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の水洗便器であって、 前記規制壁部は、前記ボール面噴出口から便器前方側に
    離れた範囲では、前記オーバーハング部を前記棚部に対
    して傾斜させる、水洗便器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の水洗便器であって、 前記規制壁部は、前記傾斜したオーバーハング部を前記
    棚部から立ち上げるに当たり、湾曲部を介在させて前記
    オーバーハング部と前記棚部を連続させた、水洗便器。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4記載の水洗便器で
    あって、 前記規制壁部は、前記傾斜したオーバーハング部をその
    傾斜範囲を湾曲形成し、その湾曲程度を便器前方側ほど
    大きくした、水洗便器。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5いずれか記載の
    水洗便器であって、 前記規制壁部は、前記便器ボール部の上縁に配設された
    リム部で形成されている、水洗便器。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6いずれか記載の
    水洗便器であって、 前記規制壁部は、前記ボール面噴出口との繋ぎ部分にお
    いて、前記ボール面噴出口の便器外方側の開口側面と開
    口上面から略連続した内面形状を有する、水洗便器。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7いずれか記載の
    水洗便器であって、 前記棚部は、前記ボール面噴出口との繋ぎ部分におい
    て、前記ボール面噴出口の開口底面から略連続した棚面
    を有する、水洗便器。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8いずれか記載の
    水洗便器であって、 前記棚部は、その形成軌跡に亘って、前記便器ボール部
    の底面側に傾斜した棚面を有する、水洗便器。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の水洗便器であって、 前記棚部の傾斜棚面は、便器前方側で傾斜が大きくされ
    ている、水洗便器。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項10いずれか記
    載の水洗便器であって、 前記案内手段は、 前記噴出洗浄水を前記ボール面上縁回りの旋回軌跡で旋
    回させて案内するために、前記棚部と前記規制壁部とを
    前記旋回軌跡に沿って備え、 前記棚部は、前記旋回軌跡に沿って下方に傾斜してい
    る、水洗便器。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11いずれか記
    載の水洗便器であって、 供給を受けた洗浄水を前記トラップの吸込口に向けて前
    記便器ボール部底部で噴出する底部噴出口と、 前記ボール面噴出口と前記底部噴出口に供給する洗浄水
    を貯留するタンクと、 前記タンクから流入した洗浄水を前記ボール面噴出口と
    前記底部噴出口に分流供給する分流手段とを有する、水
    洗便器。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項12いずれか記
    載の水洗便器の製造方法であって、 前記規制棚部を形成するリム部を含み、便器全体の上部
    構造を型成型した便器上部部分の便器素地と、前記棚部
    と残余の便器部分を含む便器下部構造を型成型した便器
    下部部分の便器素地を別々に準備する工程と、 前記両便器素地を前記ボール部上縁部で接合し、焼成す
    る工程とを有する、水洗便器の製造方法。
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