JP2002106048A - 水洗便器および便器のリム部素地を製造する方法 - Google Patents

水洗便器および便器のリム部素地を製造する方法

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JP2002106048A JP2000299634A JP2000299634A JP2002106048A JP 2002106048 A JP2002106048 A JP 2002106048A JP 2000299634 A JP2000299634 A JP 2000299634A JP 2000299634 A JP2000299634 A JP 2000299634A JP 2002106048 A JP2002106048 A JP 2002106048A
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秀峰 宮原
Shinko Shinkawa
新川  真弘
Toshifumi Yoneda
敏文 米田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リム部とボール部の接合部近辺に設けられた
洗浄水噴出口から、リム部の内側側面に沿って水平方向
に洗浄水を噴出するリムショット式の水洗便器におい
て、デザインの自由度や完成度を高める。 【解決手段】 リム部21側面の内側に上面壁21a,
側面壁21bおよび内面壁21kで囲まれた側面中空部
130を、収納部12よりも手前側の側面壁21bのほ
ぼ全周に沿って形成する。これにより、焼成前のリム部
素地10aにおいて、上面壁21aと内面壁21kのな
す角θ1を、上面壁21aと側面壁21bのなす角θ2
とは異なる角度で成形することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溜水を溜め置くボ
ール部と、該ボール部の上縁を取り囲むリム部とを有
し、前記ボール部に洗浄水を吐出して便器の洗浄を行う
水洗便器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、便器のリム部裏側の内周に、多数
のリム孔が形成された洗浄水の通路を設ける構造(いわ
ゆるボックスリム)を設けないタイプの水洗便器が提案
されている。このタイプの水洗便器としては、リム部と
ボール部の接合部近辺に設けられた洗浄水噴出口から、
リム部の内側側面に沿って水平方向に洗浄水を噴出し、
ボール面を周回させて洗浄を行なう手法のものがある。
このように洗浄水をボール部に吐出する方式を、以下、
リムショット式という。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】リムショット式の水洗
便器910の構成例を図17の斜視図に示す。図17に
示すように、水洗便器910のボール部20の上端部に
は、ボール面を周回する洗浄水Rを噴出するリム噴出ノ
ズル944が設けられている。このリム噴出ノズル94
4は、ボール部920後方の収納部912内に収納され
た水道直結式の給水装置と接続されている。なお、この
水洗便器910の焼成前素地は、ボール部920を含む
下部構造を形取ったボール部素地910bと、リム部9
21や収納部912を含む上部構造を形取ったリム部素
地910aとに分けて製造される。
【0004】このような水洗便器910をはじめとし
て、リムショット式の水洗便器の場合には、リム部の側
面壁に洗浄水通過用の通路を設ける必要がないため、リ
ム部の側面壁は、通常は、厚めの一の壁としての構造
(二重構造)で構成されていた。この二重構造について
図18を参照しつつ説明する。図18(a)は、図17
に示した水洗便器910のリム部素地910aが成形さ
れる様子を縦断面として示す。この縦断面は、図17に
示した水洗便器910を左右の便座取付用孔935の中
心を通る線分V−Vで切断したときの断面を示してい
る。図18(a)に示すように、上型990と下型99
1との間に流し込まれた泥漿は、点線よりも上部が上型
990に、点線よりも下部が下型991にそれぞれ着肉
する。この各型への着肉部分が合わさることにより、中
空部分のない上面壁921a,側面壁921bからなる
リム部素地910aが成形される。このような、各型へ
の着肉部分が合わさることにより中空部分なく成形され
る素地の構造を、以下、二重構造という。
【0005】ところが、リムショット式の水洗便器の場
合において、リム部の側面壁を二重構造とした場合に
は、脱型上の理由から、リム部の側面形状に制約が生じ
てしまうという課題があった。即ち、下型991の脱型
を可能とするためには、図18(b)に示すように、リ
ム部素地910aにおいて、上面壁921aと側面壁9
21bとのなす角θを90°以上としなければならず、
シャープな側面形状を実現することができなかった。
【0006】また、図17に示すようなリム部921と
収納部912とが一体となったリム部素地910aを成
形する場合には、リム部素地910aの成形後に、収納
部912の自重によって上面壁921aが凹んでしまう
ことにより、焼成後の水洗便器910のデザインが損な
われてしまうおそれもあった。
【0007】そこで、本発明は、上記の課題を解決し、
リムショット式の水洗便器において、デザインの自由度
や完成度を高めるべく、以下の構成を採った。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の水洗便器は、溜水を溜め置くボール部と、該ボー
ル部の上縁を取り囲むリム部とを有し、前記ボール部に
洗浄水を吐出して便器の洗浄を行う水洗便器であって、
所定の開弁指示に基づいて、外部の給水源から給水され
た所定圧の水を直接にボール面上端部まで導き、該ボー
ル面上端部から前記ボール部に洗浄水として吐出する吐
出手段と、該吐出手段により吐出された洗浄水を前記リ
ム部の内周壁に沿って周回させながら、前記ボール面を
洗浄する洗浄手段とを備え、前記リム部は、便座が設置
される設置面および該設置面と連続する側面を有してお
り、該設置面と該側面とが連続するコーナー部の裏側
に、該リム部の側面に沿った所定の範囲に亘って中空と
された側面中空部を設けたことを要旨とする。
【0009】上記構成を備えた本発明の水洗便器によれ
ば、外部の給水源から給水された所定圧の水を、直接に
ボール面上端部からボール部に洗浄水として吐出し、該
洗浄水をリム部の内周壁に沿って周回させながら、ボー
ル面を洗浄する水洗便器において、便座が設置される設
置面と側面とが連続するコーナー部の裏側に、リム部の
側面に沿った所定の範囲に亘って中空とされた側面中空
部を設ける。このようにリム部のコーナー部の裏側が中
空とされることにより、リム部の側面形状をより自由な
形状で成形することが可能となる。従って、水洗便器に
おける側面のデザインをより向上させることができる。
【0010】側面中空部を、リム部の側面の全範囲に亘
って設けることも望ましい。こうすれば、リム部全体の
側面形状を自由な形状で成形することが可能となる。従
って、水洗便器全体としての美感をより高めることがで
きる。また、リム部の側面の全範囲に亘って中空部を設
けることで、使用者の体重に耐えられる強度をより高め
ることができる。
【0011】リム部が、ボール部の後端部よりも後方
に、便座の設置面と連続して形成され、該設置面よりも
隆起した形状の収納部を有する場合には、該収納部の隆
起された壁が位置するリム部に、該壁の幅方向に沿って
中空とされ、側面中空部と連通される第二中空部を設け
る構成としてもよい。この構成によれば、リム部の素地
が成形された段階において、収納部の自重を、第二中空
部を構成する壁によって、より強靭に支えることができ
る。このように、壁体のリム部上面への荷重に備えて、
リム部裏側を第二中空部によって補強することにより、
素地成形段階において、収納部の荷重によってリム部上
面に凹みが生じるのを有効に防止することが可能とな
り、完成後の水洗便器を企図した通りのデザインとする
ことができる。
【0012】また、コーナー部の形状を鋭角とすること
も、シャープなデザインの水洗便器を実現可能となる点
で好ましい。
【0013】本発明のリム部素地の製造方法は、所定の
開弁指示に基づいて、外部の給水源から給水された所定
圧の水を直接にボール面上端部まで導いて、該ボール面
上端部から洗浄水としてボール部に吐出し、該吐出され
た洗浄水を前記リム部の内周壁に沿って周回させなが
ら、ボール面を洗浄する水洗便器に関し、該水洗便器の
下部形状を形取ったボール部素地の上縁に接合される素
地であり、便座が設置される設置面および該設置面と連
続する側面を備えたリム部素地を製造する方法であっ
て、前記リム部素地の主形状が形取られた型に泥漿を流
し込み、該流し込まれた泥漿の型への着肉により前記リ
ム部素地を成形する工程であるリム部素地成形工程と、
該リム部素地が成形された後に、前記型に着肉しなかっ
た泥漿を排出する泥漿排出工程と、該泥漿が排出された
後に、前記成形されたリム部素地を前記型から取り外す
脱型工程とを備え、前記リム部素地成形工程は、前記設
置面から隆起した形状の収納部素地を、前記リム部素地
と一体として成形する工程であり、該リム部素地成形工
程は、前記リム部素地の、前記設置面と前記側面とが連
続するコーナー部の裏側に、該側面に沿った所定の範囲
に亘って中空とされた側面中空部を成形する工程である
ことを要旨とする。
【0014】本発明のリム部素地の製造方法によれば、
リム部素地成形工程において、便座が設置される設置面
から隆起した形状の収納部素地をリム部素地と一体とし
て成形するとともに、リム部素地の設置面と側面とが連
続するコーナー部の裏側に、該側面に沿った所定の範囲
に亘って中空とされた側面中空部を成形する。このよう
な側面中空部を設けることにより、リム部素地の脱型上
の制約が、側面中空部を設けない場合よりも緩和され
る。従って、リム部素地のコーナー部の形状をより自由
な形状で成形することが可能となる。
【0015】側面中空部を、側面の全範囲に亘って設け
ることも望ましい。こうすれば、リム部素地のコーナー
部の形状を、リム部素地の全体に亘り、自由な形状で成
形することが可能となる。
【0016】リム部素地成形工程において、側面中空部
とともに、ボール部の後端部よりも前方に位置する側面
中空部から該ボール部の後端部の後側に向かって分岐さ
れた中空部である第一中空部を成形し、成形される側面
中空部が泥漿排出用の排泥孔を有し、成形される第一中
空部が前記排泥孔および泥漿排出用の空気供給孔を有す
ることとしてもよい。こうすれば、泥漿排出工程におい
て、空気供給孔からの空気の供給により、側面中空部内
に残存している不要な泥漿を、第一中空部および側面中
空部の排泥孔から効率良く排出することができる。
【0017】リム部素地成形工程において、側面中空部
を、少なくとも収納部素地が設置面から隆起する部位の
近傍まで延出された形状に成形するとともに、該側面中
空部の延出終端と連通された第二中空部を、収納部素地
の略幅方向に沿って成形する工程とすることも好適であ
る。こうすれば、リム部の素地が成形された段階におい
て、設置面に掛かる収納部素地の荷重を、第二中空部を
構成する壁によって支えることが可能となる。このよう
に、第二中空部が、収納部素地の設置面への荷重に対す
る補強材の役割を果たすことで、素地成形段階におい
て、壁体の荷重によってリム部上面に凹みが生じること
を有効に防止することができる。
【0018】リム部素地成形工程において、側面中空部
および第一中空部を収納部素地方向に延出された形状に
成形するとともに、該側面中空部の延出終端と該第一中
空部の延出終端とを、ボール部の後端部における水平位
置から異なる距離の位置に成形し、該側面中空部および
該第一中空部ととともに、該側面中空部および第一中空
部のそれぞれの延出終端と連通された第三中空部を、収
納部素地が設置面から隆起する部位の近傍に成形し、側
面中空部の延出終端または前記第一中空部の延出終端の
いずれかに排泥孔を備える工程とすることも可能であ
る。こうすれば、第三中空部が、収納部素地の設置面へ
の荷重に対する補強材の役割を果たすことで、素地成形
段階において、壁体の荷重によってリム部上面に凹みが
生じることを有効に防止することができる。また、第三
中空部が、ボール部の後端部における水平位置から異な
る距離の位置関係にある側面中空部の延出終端および第
一中空部の延出終端と合流するので、側面中空部,第一
中空部のうち、より長く延出された方の延出終端にだけ
排泥孔を設ければ、第三中空部を経由したルートを利用
して不要な泥漿を排出することができる。従って、排泥
孔の数を減らすことができる。
【0019】リム部素地成形工程において、第二中空部
または第三中空部を、略鉛直方向側への傾斜を付与して
成形することも、排泥効率を上げるとともに、排泥孔の
数を減らすことができる点で好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成及び作
用を一層明らかにするために、以下本発明の水洗便器に
ついて、その実施の形態を説明する。図1は、本発明の
第1実施例であるサイホン式便器10の斜視形状を、そ
の採用する洗浄水噴出の様子と共に示す説明図である。
図2は、便器10におけるリム噴出ノズル144の周辺
を示す説明図である。図3は、便器10を、図1におけ
るX−X線に沿って破断した概略縦断面を示す説明図で
ある。図4は、便器10を、図1におけるY−Y線に沿
って破断した縦断面の一部を示す説明図である。図5
は、便器10を、図3におけるZ−Z線に沿って破断し
た概略横断面を示す説明図である。このサイホン式便器
10は、所定の洗浄指示に伴って、後述するボール部2
0の上端部からの洗浄水の噴出により、ボール部20の
ボール面を洗浄すると共に、トラップ31内で発生する
サイホン作用を利用して、ボール部20内の汚物を汚水
管に排出する。以下、便器10の各部について、各図を
参照しつつ説明する。
【0021】これら図面に示すように、便器10は、汚
物を受けるボール部20を備える。ボール部20の周壁
は、便器10の非洗浄時でも溜水RWと接する覆水面2
3と、便器10の非洗浄時には溜水RWと接しない露出
面24から構成されている。
【0022】この便器10は、ボール部20に洗浄水を
吐出する方式として、前述したリムショット式を採用し
ており、ボール部20に洗浄水を吐出するために、次の
ような構成を有する。図1に示すように、便器10のリ
ム部21の上面壁21a(便座が装着される面を構成す
る壁)は、便器10の後方において上方に隆起してい
る。この隆起によって、便器10の後部には、中空の収
納部12が形成されている。この収納部12には蓋17
が装着され、収納部12の内部には、バルブユニット1
15が配設されている(図5を参照)。
【0023】図4および図5に示すように、バルブユニ
ット115の給水口は、図示しない加圧給水源、例えば
水道管から分岐した一次側給水管116に接続されてお
り、水道水の給水を受ける。バルブユニット115は、
管路の開閉を経て下流への洗浄水の通水制御を行う開閉
弁機構を内蔵する。一次側給水管116は、バルブユニ
ット115の開閉弁機構に接続されている。
【0024】また、図4に示すように、バルブユニット
115の吐水口には、可撓性を有する管体であるリム給
水管143の一端が接続されている。このリム給水管1
43は、収納部12の底部開口12a、トラップ31上
方に位置するリム部21内の中空領域に配置されてお
り、リム給水管143の他端は、リム噴出ノズル144
に接続されている。このリム噴出ノズル144は、図1
ないし図5に示すように、ボール部20の上端部(便器
10を正面から見たときに向かって左側の上端)に形成
された貫通孔20aに固定されている。
【0025】蓋117に設けられた洗浄ボタン118が
オン操作されると、バルブユニット115は、開閉弁機
構を開弁状態に切り換え、水道水が有する圧力を利用し
て、下流側のリム給水管143,リム噴出ノズル144
に通水する。これにより、リム噴出ノズル144から洗
浄水が噴出される(以下、このようにして噴出された洗
浄水をリムショット洗浄水RSという)。
【0026】リムショット洗浄水RSのボール部20内
における挙動について、図1,図2および図5を参照し
つつ説明する。これらの各図に示すように、リム噴出ノ
ズル144の前方には、ボール面回りに旋回した経路で
所定幅の棚部50が形成されている。リム噴出ノズル1
44のノズル開口は、上記の棚部50に向けられてい
る。一方、この棚部50の上方におけるリム部21の上
面壁21aは、旋回形状の棚部50をオーバーハングす
るように水平方向に延出されている。このように延出さ
れた部分を、以下、オーバーハング部52という。この
ような構成を採ることで、リム噴出ノズル144から洗
浄水が噴出されたリムショット洗浄水RSは、便器10
外側に飛散することなく、棚部50に乗って旋回軌跡の
下流側に流れる。このような洗浄水の挙動を、図1に白
抜きの矢印で示した)。
【0027】なお、図2において、オーバーハング部5
2が形成された上面壁21aと棚部50との間には、内
面壁21kが、側面壁21bとの間に空隙を保持した状
態で形成されている。この内面壁21kの詳細について
は、後述する。
【0028】次に、便器10のリム部21の内部構造に
ついて図3,図5および図6を参照しつつ説明する。図
6は、便器10を、図5におけるA−A線、B−B線、
C−C線の各部で破断したときのリム部21周辺の概略
断面を示す説明図である。これらの図面に示すように、
リム部21の上面壁21aには、便座装着用の便座取付
用孔35と、ボール部20の上端に適合する形状のボー
ル部用開口部36が形成されている。この上面壁21a
の裏側には、側面中空部130,131、第一中空部1
33,第二中空部135という3つの中空部分が形成さ
れている。
【0029】図5および図6(a)〜(c)に示すよう
に、側面中空部130は、便座の設置箇所となる上面壁
21aと側面壁21bとが連続している部位(図1を参
照以下、この部位をコーナー部21jという)の裏側に
設けられた中空部であり、上面壁21a,側面壁21b
および内面壁21kに囲まれることによって形成されて
いる。この側面中空部130は、リム部21の先端から
側面壁21bに沿って左右に分かれた後、収納部12の
手前に至るまで延出されている。この結果、側面中空部
130は、収納部12よりも手前側の側面壁21bのほ
ぼ全周に沿って形成されている。
【0030】図3,図5および図6(b),(c)に示
すように、第一中空部133は、側面中空部130から
分岐して形成された中空部である。この第一中空部13
3は、ボール部用開口部36の後端よりも前方の側面中
空部130から、ボール部用開口部36に沿って、ボー
ル部用開口部36の後端の後側に向かう方向に分岐して
いる。こうして分岐された第一中空部133は、ボール
部用開口部36の後端の後側から、収納部12に向かっ
て真っ直ぐに、収納部12の手前に至るまで延出されて
おり、この延出される途中の周囲壁21cには、エア供
給用の空気孔41aが形成されている。
【0031】図5および図6(c)に示すように、第二
中空部135は、収納部12の幅方向に沿って延出され
た中空部であり、上面壁21a,側面壁21b,幅方向
に延びた2本の長壁21m,21nおよび底壁21dに
囲まれることによって形成されている。この長壁21n
の真上に、収納部12を構成する壁であって、上面壁2
1aから隆起された壁である隆起壁12bが位置する。
この第二中空部135は、一方の側面中空部130の延
出終端、第一中空部133の延出終端、他方の側面中空
部131の延出終端と、それぞれ順次に連通されてい
る。こうした、側面中空部130の延出終端、第一中空
部133の延出終端、側面中空部131の延出終端と交
わる位置における第二中空部135の底壁21dには、
それぞれ、泥漿排出用の排泥孔61a、排泥孔61c、
排泥孔61bが形成されている。
【0032】次に、上記した便器10の製造方法につい
て説明する。便器10は、その製造の過程で、ボール部
20を含む下部構造を形取ったボール部素地10bと、
リム部21や収納部12を含む上部構造を形取ったリム
部素地10aとされ、これらの素地を接合・なじみ処理
した後、焼成して製造される。図3におけるW−W線
は、リム部素地10aとボール部素地10bとが接合さ
れる位置を示している。また、蓋17を形取った蓋部素
地は、リム部素地10aやボール部素地10bとは別
に、単独で焼成される。
【0033】図7は、便器10の焼成前素地であるリム
部素地10aの型成型に用いる型構成を便器縦断面方向
で示す説明図であり、図8は、リム部素地10aが成形
される型の縦断面を、図6と同じ断面位置において示す
説明図である。なお、各型は多孔質の吸引型であり、各
型としては、石膏型や樹脂型等を用いることができる。
【0034】図示するように、リム部素地10aの型成
型に際しては、上型90と下型91を用いる。上型90
は、上面壁21a,側面壁21,オーバーハング部5
2,収納部12を形成するための型である。
【0035】下型91は、側面中空部131を形成する
ための内面壁21k、第一中空部133を形成するため
の周囲壁21c、第二中空部135を形成するための底
壁21d、オーバーハング部52、ボール部素地10b
との接合壁60を形成すると共に、リム噴出ノズル14
4の装着部ないし貫通孔20a(図示せず)を形成する
ための型である。この下型91は、第一中空部133の
周囲壁21cにおける空気孔41a形成用の埋没材91
aを有する。この埋没材91aは、樹脂製であり、製造
に用いられる樹脂としては、テフロン(登録商標)等を
考えることができる。更に、下型191は、第二中空部
135の底壁21dにおける3つの排泥孔61a,排泥
孔61b,排泥孔61c形成用の埋没材92a,埋没材
92b,埋没材92cとを有する。これらの埋没材92
a,92b,92cは、樹脂製の管体で構成れている。
【0036】このように、リム部素地10aは、上型9
0と下型91という二つの型によって成形することがで
きる。従って、上型90を複数の型に分割したり、下型
91を複数の型に分割したりする必要がなく、製造上簡
便である。
【0037】これらの各型を接合し、埋没材92a,9
2b,92c内の管路を通じて、接合された型の内部に
形成された空間(以下、キャビティという)に素地の原
料である泥漿を流し込む。泥漿は、陶器成分を含む原料
を粉砕した後に、粉砕された原料に水等を加えて撹拌す
ることにより形成される。
【0038】このように泥漿を流し込むと、時間の経過
に伴って、泥漿に含まれた陶器成分が型の表面に付着
し、各型の型形状に倣って陶器成分が着肉する。この着
肉された部分が素地となる。なお、本実施例では、型へ
の着肉を効率的に実現するために、型の外側から各型を
吸引する処理を行なっている。
【0039】側面中空部130,131や第一中空部1
33,第二中空部135を構成する壁となる陶器成分
が、各型に着肉する様子について説明する。図7および
図8(a),(b)に示すように、側面中空部130,
131を構成する三つの壁のうち、上面壁21aや側面
壁21bとなる陶器成分は上型90に着肉し、内面壁2
1kとなる陶器成分は下型90に着肉する。こうした着
肉により、上面壁21aと内面壁21kとのなす角θ1
は鈍角となり、上面壁21aと側面壁21bとのなす角
θ2は鋭角とされる。なお、上面壁21a,側面壁21
bおよび内面壁21kが成形された後においては、これ
らの三つの壁の間に、型に着肉しなかった泥漿が溜まっ
ている状態となる。
【0040】図7および図8(b)に示すように、第一
中空部133を構成する壁のうち、上面壁21aとなる
陶器成分は上型90に着肉し、周囲壁21cとなる陶器
成分は下型90に着肉する。このように上面壁21aお
よび周囲壁21cが成形された後においては、この壁の
間に、型に着肉しなかった泥漿が溜まっている状態とな
る。
【0041】図7および図8(c)に示すように、第二
中空部135を構成する壁のうち、上面壁21aや左右
の側面壁21bとなる陶器成分は上型90に着肉し、便
器10の幅方向に延びた長壁21m,長壁21n(長壁
21mは図示せず)および底壁21dとなる陶器成分は
下型90に着肉する。このうち、長壁21nの真上にお
いて、収納部12を構成する隆起壁12bが着肉する。
(図7を参照)。このように上面壁21a,左右の側面
壁21bおよび底壁21dが成形された後においては、
これらの四つの壁の間に、型に着肉しなかった泥漿が溜
まっている状態となる。
【0042】十分な型への着肉によりリム部素地10a
が成形された後、各型の間に溜まっている水分を含む泥
漿を、型に付着しなかった余剰の泥漿として排出する処
理を行なう。この排出処理について説明する。下型91
に設けられた三つの埋没材92a,92b,92cを取
り外すと、リム部素地10aの各埋没材92a,92
b,92cが詰め込まれていた部分に、それぞれ排泥孔
61a,61b,61cが形成される。また、下型91
に設けられた埋没材91aを取り外すと、リム部素地1
0aの埋没材91aが詰め込まれていた部分に空気孔4
1aが形成される。
【0043】型を傾けながら、加圧された空気を空気孔
41aに送りこむことにより、型内に残存する余剰の泥
漿が各排泥孔61a,61b,61cから排出される。
なお、余剰の泥漿を排出する際には、泥漿が排出される
前に、加圧された空気を空気孔41aに送り込んでお
く。これにより、排泥の際に側面中空部131,第一中
空部133,第二中空部135が真空状態になることが
有効に防止される。この結果、不要な泥漿の排出を、成
形された各中空部131,133,135の形状を崩す
ことなく、行なうことができる。
【0044】なお、本実施例では、空気孔41aの直径
を約10mm、排泥孔61a,61b,61cの直径を
約16mmの大きさで、リム部素地10aに形成してい
る。
【0045】このような排出処理を行なうことにより、
図8(a),(b)に示す上面壁21a,側面壁21b
および内面壁21kの間に溜まっていた泥漿、図8
(b)に示す上面壁21aおよび周囲壁の間に溜まって
いた泥漿および図8(c)に示す上面壁21a,左右の
側面壁21bおよび底壁21dの間に溜まっていた泥漿
が、三つの排泥孔61a,61b,61cから下型91
の外側に排出される。
【0046】余剰の泥漿が排出される経路につき、図9
を用いて説明する。図9は、脱型後のリム部素地10a
の上面を、図3におけるZ−Z線に沿って破断した概略
横断面を示す説明図である。図9に示すように、側面中
空部130に溜まっている余剰の泥漿は、型の傾きに倣
って矢印P方向に流動し、排泥孔61aを通じて排出さ
れる。また、第一中空部133に溜まっている余剰の泥
漿は、型の傾きに倣って矢印Q方向に流動し、排泥孔6
1cを通じて排出される。側面中空部131に溜まって
いる余剰の泥漿は、型の傾きに倣って矢印R方向に流動
し、排泥孔61bを通じて排出されるとともに、一部の
泥漿は第一中空部133に分岐し、排泥孔61cを通じ
て排出される。更に、第二中空部135に溜まっている
余剰の泥漿は、空気孔41aから供給された空気圧によ
って、近傍の排泥孔61a,61b,61cから排出さ
れる。
【0047】なお、本実施例では、排泥孔61a,61
b,61cは、孔が開いたままの状態とされる。排泥孔
61a,61b,61cが形成された第二中空部135
および第二中空部135と連通された側面中空部130
や第一中空部133は、リムショット洗浄水RSの流路
ではないので、排泥孔61a,61b,61cからの洗
浄水漏れを考慮する必要がないからである。
【0048】こうして余剰の泥漿が排出された後、各型
を脱型する。脱型は、上型90を上方向に抜き取り、下
型90を下方向に抜き取ることによって行なわれる。図
8に示したように、上面壁21aと内面壁21kとのな
す角θ1は鈍角であるので、下型90を下方向に抜き取
ることができる。こうした脱型により、図8に示したよ
うな、鋭角θ2のコーナー部21jを有するリム部素地
10aが形成される。
【0049】つまり、上記の上面壁21aおよび側面壁
21bを内面壁21kで囲んで側面中空部130を形成
したことにより、リム部素地10aにおいて、上面壁2
1aと内面壁21kのなす角θ1を、上面壁21aと側
面壁21bのなす角θ2とは異なる角度で成形すること
が可能となる。従って、上記のように、脱型を考慮して
角θ1を鈍角としつつ、美観を考慮して角θ2を鋭角と
することができるのである。
【0050】この後、上記のリム部素地10aに加え
て、ボール部素地10bを成型して準備し、各素地を端
面同士で接合する。次に、接合された素地を乾燥炉に入
れ、素地を乾燥させる。十分な乾燥の後、乾燥後の素地
に釉薬を施し、釉薬が施された素地を窯に入れて素地を
焼成する。この焼成時において、リム部素地10aに形
成された排泥孔61a,61b,61cおよび空気孔4
1aは、素地の爆裂を防止する役割を果たしている。こ
うした素地の焼成の完了により、図1にないし図6に示
した鋭角のコーナー部21jを有する便器10が完成す
る。
【0051】以上説明した本実施例の便器10によれ
ば、ボール面を洗浄する洗浄水の通路となる中空部を設
ける必要のないリムショット式の便器10において、リ
ム部21の側面壁21bの内側に、側面壁21b,上面
壁21a,内面壁21kで囲まれた側面中空部130,
131を、側面壁21bに沿って設ける。この側面中空
部が設けられることにより、コーナー部21jを自由な
形状で成形することが可能となる。従って、リムショッ
ト式の便器10における側面のデザインをより向上させ
ることができる。
【0052】また、本実施例の便器10は、側面中空部
130,131を、リム部21の側面壁21bのほぼ全
範囲に亘って設けるので、リム部21全体の側面形状を
自由な形状で成形することが可能となる。従って、側面
全体の形状を統一されたデザインとして、水洗便器全体
としての美感をより高めることができる。また、リム部
21の側面壁21bのほぼ全範囲に亘って側面中空部1
30,131を設けることで、使用者の体重に耐えられ
る強度をより高めることができる。
【0053】更に、本実施例の便器10は、リム部21
の上面壁21aから隆起された収納部12の幅方向に沿
って第二中空部135を設ける。このため、従って、リ
ム部素地10aにかかる収納部12の自重を、第二中空
部135を構成する長壁21m,長壁21nによる補強
によって、より強靭に支えることができる。これによ
り、素地成形段階において、収納部12の荷重によって
リム部21の上面壁21aに凹みが生じることを有効に
防止することが可能となり、完成後の便器10を企図し
た通りのデザインとすることができる。
【0054】本実施例において説明したリム部素地10
aの製造方法によれば、リム部素地10aを成形するに
あたり、上面壁21aから隆起した形状の収納部12を
リム部21と一体として成形するとともに、コーナー部
21jの裏側の側面壁21bに沿った範囲に側面中空部
130,131を成形する。このような側面中空部13
0を設けることにより、リム部素地10aの脱型上の制
約が、側面中空部を設けない場合よりも緩和される。例
えば、コーナー部21jが鋭角に着肉された場合であっ
ても下型91を脱型することができる。従って、リム部
素地10aのコーナー部21jの形状をより自由な形状
で成形することが可能となる。
【0055】また、本実施例によれば、リム部素地10
aに、側面中空部131から分岐して形成された第一中
空部133を形成する。従って、側面中空部130にお
ける不要な泥漿の流域が広くなるので、排泥効率をより
良好なものにすることができる。また、側面中空部13
0,側面中空部131,第一中空部133の延出終端
に、それぞれ、排泥孔61a,排泥孔61b,排泥孔6
1cを設けるので、不要な泥漿の型外への排出効率を高
めることができる。
【0056】以上説明した実施例については、以下のよ
うな変形例を考えることができる。第一の変形例は、側
面中空部130,131や第一中空部133に、排泥孔
61a,排泥孔61b,排泥孔61cに向かう下向きの
傾斜を設ける構成である。この構成を図10に示す。図
10(a),(b)は、リム部素地210aが成形され
る上型290および下型290を、それぞれ、図9に示
したB−B線、C−C線の各部で破断したときの縦断面
を示す説明図である。図10(a),(b)に示すよう
に、接合壁60から第二中空部135の底壁21dまで
の高さh4は、接合壁60から側面中空部130,13
1の底部(側面壁21bと内面壁21kとの間の内底
部)までの高さh1,h2や、接合壁60から第一中空
部133の周囲壁21cの底部までの高さh3よりも、
低くなっている。このような構成によれば、側面中空部
130,131や第一中空部133内に残存した不要な
泥漿は、排泥孔61a,61b,61c方向への傾斜に
従い、各排泥孔61a,61b,61cに向かって流れ
る。従って、不要な泥漿の排出効率をより向上すること
ができる。なお、側面中空部130,131や第一中空
部133において傾斜を設ける範囲は、任意に定めるこ
とが可能である。例えば、側面中空部130,131や
第一中空部133の全体に傾斜を設ければ、型を傾ける
ことなく不要な泥漿を排出することができる。
【0057】第二の変形例は、第二中空部135に、排
泥孔61a,排泥孔61b,排泥孔61cに向かう傾斜
を設ける構成である。この構成を図11に示す。図11
は、リム部素地310aが成形される上型390および
下型390を、図9に示したC−C線で破断したときの
縦断面を示す説明図である。図11に示すように、第二
中空部135内における底壁21dの高さは、排泥孔6
1a,61b,61cが形成された部分に近いほど低く
なっている。このような構成によれば、側面中空部13
0,131や第一中空部133から第二中空部135に
流れ込んだ不要な泥漿は、排泥孔61a,61b,61
c方向への傾斜に従い、各排泥孔61a,61b,61
cに向かって流れる。従って、第二中空部135内にお
ける泥漿の排出効率をより向上することができる。
【0058】第三の変形例は、第二中空部135に排泥
孔に向かう傾斜を設け、排泥孔の数を減少する構成であ
る。この構成を図12に示す。図12は、リム部素地4
10aが成形される上型490および下型490を、図
9に示したC−C線で破断したときの縦断面を示す説明
図である。図12に示すように、第二中空部135の底
壁21dには、側面中空部130,131の延出終端と
交わる位置に排泥孔61a,61bが形成されている。
また、第二中空部135内における底壁21dの高さ
は、排泥孔61a,61bが形成された部分に近いほど
低くなっている。このような構成によれば、側面中空部
130,131や第一中空部133から第二中空部13
5に流れ込んだ不要な泥漿は、排泥孔61a,61b方
向への傾斜に従い、各排泥孔61a,61bに向かって
流れる。従って、排泥孔の数を減らしながら、第二中空
部135内における泥漿の良好な排出状態を維持するこ
とが可能となり、素地の成形や成形後の工程管理が簡便
となる。
【0059】第四,第五の変形例は、第二中空部135
に排泥孔に向かう傾斜を設け、排泥孔の数を一つとする
構成である。この構成を図13に示す。図13(a)
は、リム部素地510aが成形される上型590および
下型590を、図13(b)は、リム部素地610aが
成形される上型690および下型690を、それぞれ、
図9に示したC−C線で破断したときの縦断面を示す説
明図である。図13(a)に示すように、第二中空部1
35の底壁21dには、第一中空部133の延出終端と
交わる位置に排泥孔61cが形成されている。第二中空
部135内における底壁21dの高さは、排泥孔61c
が形成された部分に近くなるにつれて徐々に低くなって
いる。これらの構成によれば、側面中空部130,13
1や第一中空部133から第二中空部135に流れ込ん
だ不要な泥漿は、排泥孔61c方向への傾斜に従い、一
個の排泥孔61cに向かって流れる。
【0060】また、図13(b)に示すように、第二中
空部135の底壁21dには、側面中空部131の延出
終端と交わる位置に排泥孔61bが形成されている。第
二中空部135内における底壁21dの高さは、排泥孔
61bが形成された部分に近くなるにつれて徐々に低く
なっている。これらの構成によれば、側面中空部13
0,131や第一中空部133から第二中空部135に
流れ込んだ不要な泥漿は、排泥孔61b方向への傾斜に
従い、一個の排泥孔61bに向かって流れる。以上の構
成によれば、一個の排泥孔を設けるだけで、第二中空部
135内における泥漿の良好な排出状態を維持すること
が可能となり、素地の成形や成形後の工程管理がより一
層簡便となる。
【0061】第六の変形例は、第二中空部135に替え
て、第一中空部133から分岐した形状の第三中空部1
37を設ける構成である。この構成を図14に示す。図
14は、脱型後のリム部素地710aの上面を、図3に
おけるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を示す説明
図である。図12に示すように、側面中空部130,1
31は、収納部12の隆起壁12bを越えて、収納部1
2の後壁の近傍の位置まで延出されており、この延出終
端には、二個の排泥孔61a,61bが形成されてい
る。
【0062】また、第一中空部133は、ボール部用開
口部36の後端と収納部12の隆起壁12bとの中間位
置まで延出されており、その延出終端には空気孔41a
が設けられている。第一中空部133の延出終端は、側
面中空部130,131に向かって左右に分岐された第
三中空部137とされており、この第三中空部137
は、隆起壁12bの近傍で側面中空部130,131と
合流している。つまり、図14に示すように、第三中空
部137は、隆起壁12bの略幅方向に沿って設けられ
ている。
【0063】このような構成によれば、型を傾けたと
き、第一中空部133に流れ込んだ不要な泥漿は、図1
4において矢印Sで示すように、左右に分岐された第三
中空部137を通ってスムーズに隆起壁12b方向に向
かい、側面中空部130,131を通じて排泥孔61
a,61bに向かう。従って、排泥孔の数を減らしなが
ら泥漿の良好な排出状態を維持することが可能となるこ
とに加え、リム部素地710aにかかる収納部12の自
重を、第三中空部137を構成する壁によって支えるこ
とができる。
【0064】第七の変形例は、側面中空部130,13
1、第一中空部133および第二中空部135のうち、
第二中空部135を設けない構成である。この構成例
を、脱型後のリム部素地810aの上面を図3における
Z−Z線に沿って破断した概略横断面を表わした図15
に示す。
【0065】第八の変形例は、側面中空部130,13
1、第一中空部133および第二中空部135のうち、
側面中空部130,131のみを設ける構成である。こ
の構成例を、脱型後のリム部素地1010aの上面を図
3におけるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を表わ
した図16に示す。これらの第七,第八の変形例の構成
によっても、リム部21の側面壁21bの内側に、側面
壁21b,上面壁21a,内面壁21kで囲まれた側面
中空部130,131が、側面壁21bに沿って設けら
れるので、コーナー部21jを自由な成形することが可
能となる。
【0066】以上、本発明が実施される形態を説明した
が、本発明はこうした実施例に何等限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々な
る様態で実施し得ることは勿論である。
【0067】例えば、上記実施例では、洗浄水タンクと
して、便器に連結されるロータンク型タンクを用いた
が、ロータンク型タンク以外のタンク、例えば、便器と
洗浄管を介して接続されてトイレの壁等に設置される隅
付き型や平付き型のタンクを用いてもよい。この場合
に、洗浄水タンクを高い位置に設置してハイタンクとす
ることも可能である。また、便器10,110,210
への給水装置として、洗浄水タンク以外の他の給水装置
を用いても差し支えない。例えば、所定量の洗浄水を供
給可能なフラッシュバルブを洗浄水給水孔40,14
0,240に接続する構成や、フラッシュバルブと同等
の水道直結式の給水装置を便器10,110,210に
内蔵する構成などを考えることができる。
【0068】また、本発明は、サイホンゼット式便器1
0,110,210のみならず、これ以外の便器、例え
ば、ゼット噴出口を備えないサイホン式便器や洗い落と
し便器等にも適用することができる。また、これらの便
器と他の装置や部材との組み合わせを発明として把握す
ることもできる。例えば、局部洗浄や暖房等の諸機能を
実現する機能便座と組み合わせた衛生洗浄装置、収納用
キャビネットや手洗装置と組み合わせたトイレキット装
置、トイレ室内の構造体としての壁材,床材および天井
材等を組み合わせたシステムトイレ装置等に適用するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるサイホン式便器10
の斜視形状を、その採用する洗浄水噴出の様子と共に示
す説明図である。
【図2】便器10におけるリム噴出ノズル144の周辺
を示す説明図である。
【図3】便器10を、図1におけるX−X線に沿って破
断した概略縦断面を示す説明図である。
【図4】便器10を、図1におけるY−Y線に沿って破
断した縦断面の一部を示す説明図である。
【図5】便器10を、図3におけるZ−Z線に沿って破
断した概略横断面を示す説明図である。
【図6】便器10を、図5におけるA−A線、B−B
線、C−C線の各部で破断したときののリム部21周辺
の概略断面を示す説明図である。
【図7】便器10の焼成前素地であるリム部素地10a
の型成型に用いる型構成を便器縦断面方向で示す説明図
である。
【図8】リム部素地10aが成形される型の縦断面を、
図6と同じ断面位置において示す説明図である。
【図9】脱型後のリム部素地10aの上面を、図3にお
けるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を示す説明図
である。
【図10】第一の変形例としてのリム部素地210aの
構成を示す説明図である。
【図11】第二の変形例としてのリム部素地310aの
構成を示す説明図である。
【図12】第三の変形例としてのリム部素地410aの
構成を示す説明図である。
【図13】第四,第五の変形例としてのリム部素地51
0a,610aの構成を示す説明図である。
【図14】第六の変形例としてのリム部素地710aの
構成を示す説明図である。
【図15】第七の変形例としてのリム部素地810aの
構成を示す説明図である。
【図16】第八の変形例としてのリム部素地1010a
の構成を示す説明図である。
【図17】リムショット式の水洗便器910の構成例を
斜視図にて示す説明図である。
【図18】リム部の側面壁が二重構造で成形されたリム
部素地910aを示す説明図である。
【符号の説明】
10…便器 10a…リム部素地 10b…ボール部素地 10c…給水路遮蔽素地 12…収納部 12a…底部開口 12b…隆起壁 17…蓋 20…ボール部 20a…貫通孔 21…リム部 21a…上面壁 21b…側面壁 21c…周囲壁 21d…底壁 21j…コーナー部 21k…内面壁 21m,21n…長壁 23…覆水面 24…露出面 25…吸引口 26…凹部 31…トラップ 35…便座取付用孔 36…ボール部用開口部 41a…空気孔 50…棚部 52…オーバーハング部 60…接合壁 61a,61b,61c,61d…排泥孔 69…載置部上壁部 70…洗浄水タンク 80…連通孔 90…上型 91…下型 91a…埋没材 92a,92b,92c…埋没材 115…バルブユニット 116…一次側給水管 117…蓋 118…洗浄ボタン 130…側面中空部 131…側面中空部 133…第一中空部 135…第二中空部 137…第二中空部 143…リム給水管 144…リム噴出ノズル 155…中空部 910…水洗便器 910a…リム部素地 910b…ボール部素地 912…収納部 920…ボール部 921…リム部 921a…上面壁 921b…側面壁 935…便座取付用孔 944…リム噴出ノズル 990…上型 991…下型 RW…溜水 RS…リムショット洗浄水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 敏文 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D039 AA02 AC03 AC04 AD01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溜水を溜め置くボール部と、該ボール部
    の上縁を取り囲むリム部とを有し、前記ボール部に洗浄
    水を吐出して便器の洗浄を行う水洗便器であって、 所定の開弁指示に基づいて、外部の給水源から給水され
    た所定圧の水を直接にボール面上端部まで導き、該ボー
    ル面上端部から前記ボール部に洗浄水として吐出する吐
    出手段と、 該吐出手段により吐出された洗浄水を前記リム部の内周
    壁に沿って周回させながら、前記ボール面を洗浄する洗
    浄手段とを備え、 前記リム部は、便座が設置される設置面および該設置面
    と連続する側面を有しており、 該設置面と該側面とが連続するコーナー部の裏側に、該
    リム部の側面に沿った所定の範囲に亘って中空とされた
    側面中空部を設けた水洗便器。
  2. 【請求項2】 前記側面中空部を、前記リム部の側面の
    全範囲に亘って設けた請求項1に記載の水洗便器。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水洗便器であ
    って、 前記リム部は、前記ボール部の後端部よりも後方に、前
    記設置面と連続して形成され、該設置面よりも隆起した
    形状の収納部を有し、 該収納部の隆起された壁が位置するリム部に、該壁の幅
    方向に沿って中空とされ、前記側面中空部と連通される
    第二中空部を設けた水洗便器。
  4. 【請求項4】 前記コーナー部の形状を鋭角とした請求
    項1ないし3のいずれかに記載の水洗便器。
  5. 【請求項5】 所定の開弁指示に基づいて、外部の給水
    源から給水された所定圧の水を直接にボール面上端部ま
    で導いて、該ボール面上端部から洗浄水としてボール部
    に吐出し、該吐出された洗浄水を前記リム部の内周壁に
    沿って周回させながら、ボール面を洗浄する水洗便器に
    関し、該水洗便器の下部形状を形取ったボール部素地の
    上縁に接合される素地であり、便座が設置される設置面
    および該設置面と連続する側面を備えたリム部素地を製
    造する方法であって、 前記リム部素地の主形状が形取られた型に泥漿を流し込
    み、該流し込まれた泥漿の型への着肉により前記リム部
    素地を成形する工程であるリム部素地成形工程と、 該リム部素地が成形された後に、前記型に着肉しなかっ
    た泥漿を排出する泥漿排出工程と、 該泥漿が排出された後に、前記成形されたリム部素地を
    前記型から取り外す脱型工程とを備え、 前記リム部素地成形工程では、前記設置面から隆起した
    形状の収納部素地を、前記リム部素地と一体として成形
    する工程を含み、 該リム部素地成形工程は、前記リム部素地の、前記設置
    面と前記側面とが連続するコーナー部の裏側に、該側面
    に沿った所定の範囲に亘って中空とされた側面中空部を
    成形する工程を含むリム部素地の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記リム部素地成形工程は、前記側面中
    空部を、前記側面の全範囲に亘って成形する工程である
    請求項5に記載のリム部素地の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のリム部素地の製造方法
    であって、 前記リム部素地成形工程では、前記側面中空部ととも
    に、前記ボール部の後端部よりも前方に位置する側面中
    空部から該ボール部の後端部の後側に向かって分岐され
    た中空部である第一中空部を成形し、 前記成形される側面中空部が、泥漿排出用の排泥孔を有
    し、 前記成形される第一中空部が、前記排泥孔および泥漿排
    出用の空気供給孔を有するリム部素地の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載のリム部素地の
    製造方法であって、 前記リム部素地成形工程では、 前記側面中空部を、少なくとも前記収納部素地が前記設
    置面から隆起する部位の近傍まで延出された形状に成形
    し、 該側面中空部の延出終端と連通された第二中空部を、前
    記収納部素地の略幅方向に沿って成形するリム部素地の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のリム部素地の製造方法
    であって、 前記リム部素地成形工程では、 前記側面中空部および前記第一中空部を、前記収納部素
    地方向に延出された形状に成形するとともに、該側面中
    空部の延出終端と該第一中空部の延出終端とを、前記ボ
    ール部の後端部における水平位置から異なる距離の位置
    に成形し、 該側面中空部および該第一中空部ととともに、該側面中
    空部および前記第一中空部のそれぞれの延出終端と連通
    された第三中空部を、前記収納部素地が前記設置面から
    隆起する部位の近傍に成形し、 前記側面中空部の延出終端または前記第一中空部の延出
    終端のいずれかに前記排泥孔を備えるリム部素地の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記リム部素地成形工程では、前記第
    二中空部または前記第三中空部を、略鉛直方向側への傾
    斜を付与して成形する請求項8または9に記載のリム部
    素地の製造方法。
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