JP6425186B2 - 水洗大便器 - Google Patents

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本発明は、水洗大便器に係り、特に、一定の大流量の洗浄水が所定時間継続して便器本体へ供給される水洗大便器に関する。
従来から、便器の清掃性を向上させるために、便器のボウル部において、リム部を上方に向かってボウル部の内側空間へ張り出したオーバーハング形状により形成し、洗浄水をリム吐水口から水平方向へ吐水し、その洗浄水がリム部の内周面を旋回して、ボウル部のボウル面に流下させて洗浄するようにした水洗大便器が知られている。
このような構造の水洗大便器においては、ボウル部のリム部がオーバーハング形状により形成されているので、「遠心力による水の飛び出し」が問題となっている。この「遠心力による水の飛び出し」とは、便器本体のボウル部がその前方側の曲率半径が最も小さい卵型の形状となっているために、リム部の内周面に沿って旋回する洗浄水が、前方側のリム部の内周面を通過する際に、遠心力の影響を受け、内周面に沿ってボウル部の外側へ飛び出る現象を言う。このような「遠心力による水の飛び出し」を抑制するために、例えば、特許文献1に記載されているように、ボウル部の前方側のリム部のオーバーハングの度合いを大きくしているものが知られている。
また、リム部がオーバーハング形状の水洗大便器において、最近、節水化の要請に対応するため、勢いの強い水を便器のボウル面に継続的に供給することができるジェットポンプ機構(例えば、特許文献2参照)を適用して、節水化とボウル部の洗浄性の確保を両立させることが検討されている。
特開2013−44182号公報 特開2004−156382号公報
しかしながら、例えば、上述したジェットポンプ機構により、便器本体に洗浄水を供給した場合、勢いの強い水が継続的に長時間便器本体に供給され、それにより、リム吐水口から吐水された大流量の洗浄水が継続的にリム部の内周面を旋回することになる。それにより、洗浄の後半においては、ボウル部の曲率半径が小さい前方側で洗浄水が便器本体外に溢れ出してしまうといった新たな課題が発生する。この現象は、上述した洗浄水の遠心力により生じる「遠心力による水の飛び出し」の現象とは異なるものである。
本発明の発明者らは、鋭意研究することにより、勢いの強い水を継続的に長時間便器本体に供給した場合に生じる「水溢れ現象」を見出した。
この「水溢れ現象」を図12及び図13により説明する。図12はボウル部の内側空間から見たボウル部のリム部の前端の領域を展開して示した部分正面展開図であり、図13はボウル部のリム部の前端を示す部分平面図である。
図12及び図13に示すように、リム部100の前端100aにおいて、リム部100の内周面102はオーバーハング形状に形成され、その下端102aから上端102bまで通水路が形成され、リム吐水口から継続的にほぼ一定の大流量の洗浄水が吐水される。この継続的に吐水される洗浄水を、一定の経過時間毎に区切って説明すると、リム吐水口から吐水された洗浄水M1は、ボウル部の前方側を旋回する際に、前方側の小さな曲率半径のボウル形状により圧力損失を受け、その流速が減速する。この減速した洗浄水M1に、後から吐水された洗浄水M2が追いついて、ボウル前方側に洗浄水M1,M2が滞留していく。そして、この滞留水M1,M2は、時間の経過と共(洗浄の後半)に、滞溜水M1,M2,M3,M4と増え続け、その体積が大きくなる。この体積が大きい滞留水M1,M2,M3,M4に、後から吐水された体積の小さい旋回する洗浄水M5が衝突して、滞留水の上に乗り上げて又は滞溜水の一部を押し出して遠心力の影響で上方外側へと飛び出し溢れていく。
特に、洗浄水をリム吐水口のみから吐水する(ゼット吐水口無し等)と、リム吐水口からの洗浄水量が大流量となるため、このリム部から便器本体外への「水溢れ現象」は顕著になる。この「水溢れ現象」は、勢いの強い水を便器本体のボウル部に継続的に供給して節水化を達成するために、解決しなければならない重要な課題である。
そこで、本発明の発明者らは、鋭意研究することにより、自らが見出したこの「水溢れ現象」を解決し、本発明による水洗大便器を完成させたのである。
このように、本発明は、節水化とボウル部の洗浄性を両立させることができる水洗大便器を提供することを目的としている。
本発明の態様の1つは、ボウル部に対して旋回流を形成するリム吐水口のみから洗浄水を便器本体に供給して洗浄する水洗大便器であって、この便器本体と接続され、一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体へ供給する給水装置と、ボウル形状の汚物受け面と、上縁に位置し内周面を有するリム部と、を備えた上記ボウル部と、上記ボウル部の下方側に形成され汚物を排出する排水管路と、上記給水装置から供給された洗浄水を上記リム部の内周面に沿ってほぼ水平方向に吐水し旋回流を形成する1つのリム吐水口と、を有し、上記給水装置は、洗浄水を貯水する貯水タンクと、少なくともその一部が上記貯水タンク内で水没した状態で配置されたジェットポンプユニットを備え、上記ジェットポンプユニットは、その一端が上記便器本体の導水路の入口に接続され、その他端には吸引口が形成され、この吸引口が上記貯水タンク内の下部に位置するように配置されたスロート管と、このスロート管の吸引口に向けて洗浄水を噴射してジェットポンプ作用を誘発させるジェットノズルと、を有し上記リム部は、その内周面が上記ボウル部の内側空間に露出し且つ内部空間に向かって上方に延びるオーバーハング形状に形成され、この内周面のオーバーハング形状により洗浄水の通水路が形成され、上記1つのリム吐水口は、上記リム部の前後方向における中心軸から前方に位置し、洗浄水を上記ボウル部の後方側に吐水することを特徴とする水洗大便器である。
このように構成された発明においては、1つのリム吐水口を、リム部の前後方向における中心軸から前方に位置し、洗浄水をボウル部の後方側に吐水することで、洗浄水はボウル部の後方を旋回し、その後最小の曲率半径の領域である前方側を旋回するので、洗浄水の勢いが弱まり、洗浄水が最小の曲率半径の領域において滞留し、後ろから吐水された洗浄水が衝突しても、洗浄水に便器本体外へ飛び出す勢いはない。この結果、本発明によれば、リム部から便器本体外へ水溢れが発生することを確実に防止することができる。さらに、リム部においてオーバーハング形状による清掃性を維持しつつ、節水化とボウル部の洗浄性を両立させることができる。またジェットポンプユニットにより、一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体へ供給する場合であっても、リム吐水部から吐水され、洗浄水が最小の曲率半径の領域において滞留し、後ろから吐水された洗浄水が衝突しても、洗浄水に便器本体外へ飛び出す勢いはない。
本発明の選択的な態様においては、上記1つのリム吐水口は、上記ボウル部の平面視で最小の曲率半径の領域に位置することを特徴とする水洗大便器である。
このように構成された発明においては、1つのリム吐水口を、最小の曲率半径の領域に位置させることで、吐水される洗浄水は最小の曲率半径の領域直後から吐水され、洗浄水の旋回が開始される。まず洗浄水はボウル部の後方を旋回し、その後最小の曲率半径の領域である前方側を旋回するので、洗浄水の勢いが弱まり、洗浄水が最小の曲率半径の領域において滞留し、後ろから吐水された洗浄水が衝突しても、洗浄水に便器本体外へ飛び出す勢いはない。この結果、本発明によれば、リム部から便器本体外へ水溢れが発生することを確実に防止することができる。さらに、リム部においてオーバーハング形状による清掃性を維持しつつ、節水化とボウル部の洗浄性を両立させることができる。
本発明の選択的な態様においては、上記汚物受け面の下方に凹部が形成され、上記凹部に向かう上記汚物受け面の傾斜が前記リム部の前後方向における中心軸から前方よりも後方において大きいことを特徴とする水洗大便器である。
このように構成された発明においては、ボウル部の前方より後方において傾斜を大きくしたことで、ボウル部の後方側にて1つのリム吐水口から吐水された洗浄水を下方に誘導できるので、洗浄水の勢いが弱まり、洗浄水が最小の曲率半径の領域において滞留し、後ろから吐水された洗浄水が衝突しても、洗浄水に便器本体外へ飛び出す勢いはない。
本発明の水洗大便器によれば、節水化とボウル部の洗浄性を両立させることができる。
本発明の実施形態による水洗大便器を示す平面図である。 図1のII−II線に沿って見た断面図である。 図1のIII−III線に沿って見た断面図である。 図1のIV−IV線に沿って見た断面図である。 本発明の実施形態による水洗大便器の給水装置を示す平面図である。 図5の正面図である。 図5の給水装置を示す概略正面図である。 図5の給水装置により供給される洗浄水の瞬間流量と時間との関係を示す線図である。 本発明の実施形態による水洗大便器の便器本体を示す平面図である。 本発明の実施形態による水洗大便器のボウル部の前端の領域を示す部分断面図である。 本発明の実施形態の変形例による水洗大便器の便器本体を示す平面図である。 水溢れ現象を説明するための、ボウル部の内側空間から見たボウル部のリム部の前端の領域を展開して示した部分正面展開図である。 水溢れ現象を説明するための、ボウル部のリム部の前端を示す部分平面図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器を説明する。先ず、図1乃至図4により、本発明の実施形態による水洗大便器の基本構造を説明する。図1は本発明の実施形態による水洗大便器を示す平面図であり、図2は図1のII−II線に沿って見た断面図であり、図3は図1のIII−III線に沿って見た断面図であり、図4は図1のIV−IV線に沿って見た断面図である。本明細書においては、水洗大便器1の前端8a側を前方、反対側を後方とし、水洗大便器1の前に立った使用者からみて左側方、右側方、鉛直方向に沿って上方、下方として説明する。
本発明の実施形態による水洗大便器1は、床に設置された排水管(図示せず)に後述する排水トラップ管路が接続される床排水タイプの洗落し式水洗大便器である。
図1及び図2に示すように、水洗大便器1は、便器本体2と、この便器本体2に洗浄水を供給する給水装置4を備えている。便器本体2は、表面に釉薬層が形成された陶器製であり、下部にスカート部7が形成され、上半分のうち前方にボウル部8が形成され、後方上部にはその上流端が給水装置4に連通する共通通水路10が形成され、さらに、後方下部に汚物を排出するための排水管路12が形成されている。
上述した給水装置4は、貯水タンク5及び後述するジェットポンプユニット6を備えている。なお。本発明は、貯水タンクを持たず水道から直接洗浄水が供給される直圧式水洗大便器や、フラッシュバルブにより洗浄水が供給されるタイプの水洗大便器等にも適用できる。
ボウル部8は、ボウル形状の汚物受け面16と、上縁に位置するリム部18と、汚物受け面16の下方に形成された凹部20と、を備えている。凹部20は、汚物受け面16から垂直に繋がっており、更に水平に底面が形成されている。凹部20からボウル部8の前端までの距離より凹部20からボウル部8の後端までの距離の方が長い。汚物受け面16のリム部18端までの距離が、ここで、リム部18の内周面22は、図2等に示すように、ボウル部8の内側空間に露出し且つ内側空間に向かって上方に延びる形状、具体的に言えば、内側に向かってオーバーハングした形状に形成されている。また、凹部20に向かう汚物受け面16の傾斜がリム部18の前後方向における後述する中心軸から前方よりも後方において大きく形成されている。
ボウル部8の前端8aに洗浄水を吐水する第1リム吐水口24が形成されている。第1リム吐水口24は、所定の方向(図1では反時計回りの方向)に旋回し、旋回流を形成するようになっている。なお、第1リム吐水口24は、前端8aに限らずリム部18の前後方向における後述する中心軸より前方側のリム部18に位置し、洗浄水をボウル部8の後方側に吐水するように形成されればよい。ボウル部8の後方側に吐水される状態は、第1リム吐水口24から吐水される洗浄水の向きがリム部18の内周面に沿って、まずボウル部8の後方側に向かっている状態である。
また、上述した水洗大便器1の後方上部に形成された通水路10は、便器前方に向かって、第1通水路28を備えている。第1通水路28は、第1リム吐水口24に洗浄水を供給するためのものである。
上述した水洗大便器1においては、第1リム吐水口24及び第1通水路28は、陶器製の便器本体2と一体に形成されているが、本実施形態による水洗大便器は、この形態に限られず、第1リム吐水口及び第1通水路を便器本体とは別体の樹脂・金属の通水路、つまりディストリビユータ等により形成するようにしても良い。
ここで、図3、図4に示すように、リム部18の第1リム吐水口24からリム部18の後方側までの領域は、その内周面22に沿って洗浄水が流れる通水路となるように、上述したように、内側に向かってオーバーハングした形状に形成されている。
さらに、排水管路12は、凹部20の底面と接続しほぼ同一径(ほぼ同一断面形状)を有し且つ後方下方へ延びる導入管路32と、この導水管路32と接続し上方へ延びる排水トラップ管路34と、を備えている。この導水管路32は、入口32aを除く部分で、ほぼ同一径(ほぼ同一断面形状)を有し、管路内が同じ断面積となっている。また、排水トラップ管路34は、上昇路34aと下降路34bとから構成されている。
この導水管路32は、凹部20の底面と滑らかな連続湾曲面として繋がっており、凹部20から導入管路32に流入した洗浄水が導入管路32内をスムーズに流れるようになっている。
次に、図5乃至図8により、本発明の実施形態による水洗大便器1の給水装置4について説明する。図5は本発明の実施形態による水洗大便器の給水装置を示す平面図であり、図6は図5の正面図であり、図7は図5の給水装置を示す概略正面図であり、図8は図5の給水装置により供給される洗浄水の瞬間流量と時間との関係を示す線図である。なお、図7において、便宜上、ジェットノズル及びスロート管の配置が図5及び図6に示されたものと異なる配置に描かれている。
水洗大便器1の給水装置4は、貯水タンク5と、この貯水タンク5に洗浄水を供給する
給水管路36と、この給水管路36に設けられた給水弁装置38と、この給水管路36の
下流端に設けられ便器本体2に洗浄水を供給するためのジェットポンプユニット6と、使
用者が手動操作により洗浄水の給水を行うための手動レバー40を備えている。
給水管路36の上流端には、外部の給水源から供給される洗浄水を止水するための止水
栓41が設けられている。この止水栓41は、通常使用時は開状態に保持されている。
ジェットポンプユニット6は、逆V字形状のスロート管42と、ジェットノズル44とを備えている。具体的には、スロート管42の下流端が便器本体2の共通通水路10に連通する排水口45に接続され、その上流端には吸引口42aが形成され、この吸引口42aが貯水タンク5内の下部に位置するようになっている。さらに、スロート管42の吸引口42aに対向するように、ジェットノズル44が配置され、スロート管42の吸引口42aとジェットノズル44は、常時、貯水タンク5内で水没した状態となっている。
ジェットポンプ6は、ジェットノズル44からスロート管42の吸引口42aに向けて高速の洗浄水を噴射し、このとき、ジェットノズル44に近いスロート管42内の吸引口42a近傍の空間が負圧となり、この負圧によりジェットポンプ作用(エジェクタ効果)を誘発させることにより、貯水タンク5内の近傍の洗浄水を吸引し、この洗浄水とジェットノズル44から噴出される洗浄水とが一緒になり、スロート管42内を流れ、排水口45を経て、便器本体2の共通通水路10に供給されるようになっている。
給水管路36には、上述した給水弁装置38以外に、給水弁装置38の上流側に定流量弁46が、下流側に真空破壊弁48が設けられている。この定流量弁46は、給水弁装置38に供給される洗浄水を定流量とするためのものであり、真空破壊弁48は、外部から空気を吸入して真空破壊弁48からジェットノズル44までの管路内が負圧にならないようにするためのものである。
給水弁装置38は、パイロット式ダイアフラム弁であり、主弁座50と、この主弁座50に着座して止水する止水状態と主弁座50から離間して給水する給水状態とを切り換えるダイアフラム弁である主弁体52と、その内部の圧力により主弁体52を主弁座50に対して移動させる圧力室54とを備えている。圧力室54には、圧力室54の圧力を開放する第1穴56及び第2穴58と、上述した手動レバー40における使用者の手動操作と連動して第1穴56を開閉する第1パイロット弁60と、貯水タンク5内の洗浄水の水位に伴い上下動するフロート62と、このフロート62の上下動により第2穴58を開閉する第2パイロット弁64が設けられている。
また、主弁体52には、ブリード穴(図示せず)が設けられており、止水状態のとき、ブリード穴により給水管路32の一次側流路Aと圧力室54の内部とが連通するようになっている。ここで、第1穴56は、その開口面積が第2穴58の開口面積よりも大きく形成されている。また、第1穴56は、第2穴58よりも、図7に示すように、上方位置に形成されている。
第1パイロット弁60は、駆動軸65により手動レバー40に接続され、使用者の手動レバー40の手動操作により、第1穴56を開閉するようになっている。ここで、手動レバー40は、図6において、手前側(一方向)に回動操作させた場合には大洗浄がなされ、奥側(他方向)に回動操作させた場合には小洗浄がなされるようになっている。
この給水弁装置38は、通常は止水状態であり、止水状態では、第1穴56及び第2穴58は共に塞がれており、且つ、給水管路36の一次側流路Aは圧力室54とブリード穴を通じて連通しているため、一次側流路Aと圧力室54の水圧は同じ水圧(=一次側流路圧力α)、また二次側流路Bは大気開放となり、主弁体52に水圧が作用する面積の方が一次側流路Aの面積よりも大であるので、主弁体52は主弁座50に押付けられ閉じられている。
給水弁装置38において、第1穴56及び/又は第2穴58が第1パイロット弁60及び/又は第2パイロット弁64により開放されると、圧力室54から洗浄水が流出し、圧力室54内の圧力が低下し、主弁体52が主弁座50から離れるように移動し、開弁し、吐水状態となる。
給水弁装置38において、第1穴56及び第2穴58が第1パイロット弁60及び第2パイロット弁64により閉じられると、再度圧力室54の圧力が一次側流路圧力となり、主弁体52が主弁座50に向けて移動し、最終的に閉弁された状態(止水状態)となる。なお、このとき、一次側流路Aの洗浄水が、圧力室54内へブリード穴から少しずつ注入されるため、第1穴56及び第2穴58を塞いでから、所定時間遅れて、主弁体52が閉弁状態(止水状態)となるようになっている。
次に、図7に示すように、スロート管42の下端近傍には、ジェット吐水とタンク貯水とを切換えるための切換弁66と、この切換弁66に取り付けられたフロート68が設けられている。このフロート68は、貯水タンク5内の水位により上下動するため、水位が低くなったときは、フロート68も下降し、それにより、切換弁66がスロート管42内の流路を塞ぐようになっている。スロート管42内の流路が塞がれた状態では、ジェットノズル44から噴射された洗浄水は、切換弁66に衝突し、スロート管42内を流れることなく、貯水タンク5内に流れ、貯水タンク5内に貯水される。また、所定水位に達して貯水が完了すると、フロート68も上昇し、それにより、切換弁66がスロート管42内の流路を開放するようになっている。スロート管42内の流路を開放された状態では、ジェットノズル44から噴射された洗浄水は、スロート管42内を流れ、便器本体2に供給されるようになっている。
さらに、貯水タンク5内には、大洗浄及び小洗浄に必要な洗浄水量を切り換えるための大小洗浄切換機構70が設けられている。この大小洗浄切換機構70は、貯水タンク5内をジェットノズル44及びスロート管42の吸引口42aを取り囲む空間と他の空間とを仕切りその上方が開放されている仕切壁72と、この仕切壁72に形成された開口74と、この開口74を開閉するために仕切壁72に取り付けられた開閉弁76と、を備えている。
大小洗浄切換機構70の開閉弁76は、鎖78により駆動軸65に接続され、小洗浄のために、使用者により手動レバー40が他方向に回動操作された場合に、鎖78により開閉弁76が引き上げされ、開閉弁76により開口74を閉じるようになっている。
次に、貯水タンク5内には、便器本体2を洗浄後に便器本体2に補給水を供給するため補給水供給パイプ82が設けられている。この補給水供給パイプ82の下方端82aはスロート管42の下流側端に連通し、上方端82bには補給水供給口84が形成されている。
図7に示すように、貯水タンク5内の水位WLは、以下の位置となる。水位WL1は仕切壁72の開口74の下端位置であり大洗浄が終了したときの水位を示し、水位WL2は仕切壁72の上端位置であり小洗浄が終了したときの水位を示し、水位WL3は水洗大便器1の使用前又は使用後の通常の水位を示し、水位WL4は大洗浄又は小洗浄後に給水弁装置38により貯水タンク30内に洗浄水が給水されその後給水が停止した直後(且つ洗浄水補給前)の止水状態を示す水位である。
図8に示されているように、ジェットポンプユニット6を備えた給水装置4は、一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体2へ供給することができる。具体的に言えば、給水装置4は、例えば、瞬間流量85L/分の洗浄水を4秒間継続して便器本体2へ供給するようになっている。なお、給水装置4による瞬間流量は、約65L/分〜約85L/分の範囲の大流量が好ましくは、また、約3秒〜約7秒継続して供給することが好ましい。
次に、図2、図9、図10により、本実施形態による水洗大便器1のボウル部8のリム部18の構造について詳細に説明する。図9は本発明の実施形態による水洗大便器の便器本体を示す平面図であり、図10は本発明の実施形態による水洗大便器のリム部付近を示す部分断面図である。
次に、図9に示すように、便器本体2のボウル部8においては、その前端8aが平面視で最小の曲率半径R1により形成されている。
このボウル部8の前端8aにおけるリム部18において、リム部18の内周面22は、その最内周端付近がほぼ水平となるように形成されている。また、ボウル部8の底面(汚物受け面16の外周面)は、排水トラップ管路34の入口つまりボウル部8の中央に向かって下方に傾斜するように形成されている。
本実施形態による水洗大便器1においては、リム部18の最内周端から鉛直方向に下ろした直線L1と、この直線L1より外側に位置するボウル部8の底面8b及びリム部18の内周面22とにより取り囲まれる断面が、洗浄水の通水路80として機能するようになっている。
次に、図9に示すように、ボウル部8の前方部分、つまり位置P1から左右方向へP2及びP3の領域は、最小の曲率半径R1で形成され、この曲率半径R1の後方側の位置P2から位置P4及び位置P3から位置P5の領域が曲率半径R1より大きな曲率半径R2(>R1)で形成され、この曲率半径R2のさらに後方側の位置P4からリム部18左側の中央部C1及び位置P5からリム部18右側の中央部C2の領域が最大の曲率半径R3(>R2)により形成されている。なお、左側の中央部C1と右側の中央部C2とを結ぶ線(図示なし)が、リム部18の前後方向における中心軸であり、位置P1から前後方向に延びる線(図示なし)が、リム部18の左右方向における中心軸である。
本実施形態による水洗大便器1においては、第1リム吐水口24は、水洗大便器1の前方から見て、ボウル部8の前端8aに形成されている。なお、第1リム吐水口24が形成される位置は、前端8aの位置に限らず位置P1から右側の中央部C2の領域にあればよい。
また、本実施形態による水洗大便器1においては、変形例として、図11に示すように、リム部18に第1リム吐水口24の吐水方向と同一方向に吐水する第2リム吐水口26が形成されている。第2リム吐水口26は、リム部18の前後方向における中心軸から後方に位置し、且つ、左右方向の中心軸に対して第1リム吐水口24の位置する側と反対側に位置する。水洗大便器1の後方上部に形成された共通通水路10は、便器前方に向かって、第1通水路28及び第2通水路30に分岐している。図11は、本発明の実施形態の変形例による水洗大便器の便器本体を示す平面図である。水洗大便器1の前方から見て左側の中央部C1の後方側に、洗浄水を吐水する第2リム吐水口26が形成されている。第2リム吐水口26は、第1リム吐水口24と同一方向(図11では反時計回りの方向)に旋回し、旋回流を形成するようになっている。第1リム吐水口24と第2リム吐水口26の二つから、洗浄水が吐水される構成としたことで、第1リム吐水口24のみで洗浄水を吐水する場合に比べて洗浄水の勢いが弱まるので、洗浄水が最小の曲率半径の領域において滞留し、後ろから吐水された洗浄水が衝突しても、洗浄水に便器本体外へ飛び出す勢いはない。また、第1吐水口24と第2吐水口26との距離が離れているため洗浄水の勢いが弱まって合流する。その結果、便器本体外への水溢れが発生することを確実に防止することができる。
次に、上述した本発明の実施形態による水洗大便器1による作用効果を説明する。先ず、使用者が給水装置4の手動レバー40を操作すると、給水弁装置38により外部の給水源から供給される洗浄水がジェットノズル44に到達し、ジェットノズル44から洗浄水がスロート管42の吸引口42aに向けて噴射される。このとき、スロート管412の吸引口42a付近は負圧となるので、貯水タンク5内に貯水された洗浄水もスロート管42内に吸引され、給水装置4により外部から供給される洗浄水と貯水タンク5内に洗浄水が一緒になってスロート管42内を流れ、便器本体1に供給され、ボウル部8の洗浄が開始される。このとき、給水装置4からは、図8に示すように、一定の大流量の洗浄水が所定時間継続して便器本体2へ供給される。
便器本体1においては、第1リム吐水口24は、洗浄水を後方に向けてほぼ水平方向に吐水する。なお、変形例の第2リム吐水口26は、洗浄水を前方に向けてほぼ水平方向に吐水し、同一方向(反時計回り)に旋回する旋回流を形成するようになっている。
第1リム吐水口24から後方に吐水された洗浄水はボウル部の後方を旋回し、その後最小の曲率半径の領域であるボウル部8の前方側を旋回するので、洗浄水の勢いが弱まり、洗浄水が最小の曲率半径R1の領域において滞留し、後ろから吐水された洗浄水が衝突しても、洗浄水に便器本体外へ飛び出す勢いはない。この結果、本発明によれば、リム部から便器本体外へ水溢れが発生することを確実に防止することができる。さらに、リム部においてオーバーハング形状による清掃性を維持しつつ、節水化とボウル部の洗浄性を両立させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1においては、排水管路12の入口へ向かうボウル部8の前端部の傾斜よりも後端部の傾斜が大きく形成されているので、ボウル部8の後方領域にて、洗浄水は、自重によりボウル部8へ落下する。そのため、洗浄水の勢いが弱まるので、洗浄水が最小の曲率半径の領域において滞留し、後ろから吐水された洗浄水が衝突しても、洗浄水に便器本体外へ飛び出す勢いはない。この結果、本発明によれば、リム部から便器本体外へ水溢れが発生することを確実に防止することができる。さらに、リム部においてオーバーハング形状による清掃性を維持しつつ、節水化とボウル部の洗浄性を両立させることができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 水洗大便器
2 便器本体
4 給水装置
5 貯水タンク
6 ジェットポンプユニット
7 スカート部
8 ボウル部
10 通水路
12 排水管路
16 汚物受け面
18 リム部
20 凹部
22 内周面
24 第1リム吐水口
26 第2リム吐水口
28 第1通水路
32 導水管路
32a 入口
34 トラップ管路
34a 上昇路
34b 下降路
45 排水口
80 通水路

Claims (3)

  1. ボウル部に対して旋回流を形成するリム吐水口のみから洗浄水を便器本体に供給して洗浄する水洗大便器であって、
    この便器本体と接続され、一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体へ供給する給水装置と、
    ボウル形状の汚物受け面と、上縁に位置し内周面を有するリム部と、を備えた上記ボウル部と、
    上記ボウル部の下方側に形成され汚物を排出する排水管路と、
    上記給水装置から供給された洗浄水を上記リム部の内周面に沿ってほぼ水平方向に吐水し旋回流を形成する1つのリム吐水口と、を有し、
    上記給水装置は、洗浄水を貯水する貯水タンクと、少なくともその一部が上記貯水タンク内で水没した状態で配置されたジェットポンプユニットを備え、
    上記ジェットポンプユニットは、その一端が上記便器本体の導水路の入口に接続され、その他端には吸引口が形成され、この吸引口が上記貯水タンク内の下部に位置するように配置されたスロート管と、このスロート管の吸引口に向けて洗浄水を噴射してジェットポンプ作用を誘発させるジェットノズルと、を有し
    上記リム部は、その内周面が上記ボウル部の内側空間に露出し且つ内部空間に向かって上方に延びるオーバーハング形状に形成され、この内周面のオーバーハング形状により洗浄水の通水路が形成され、
    上記1つのリム吐水口は、上記リム部の前後方向における中心軸から前方に位置し、洗浄水を上記ボウル部の後方側に吐水することを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記1つのリム吐水口は、上記ボウル部の平面視で最小の曲率半径の領域に位置することを特徴とする請求項1記載の水洗大便器。
  3. 上記汚物受け面の下方に凹部が形成され、上記凹部に向かう上記汚物受け面の傾斜が前記リム部の前後方向における中心軸から前方よりも後方において大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の水洗大便器。
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