JP6331004B2 - 水洗大便器 - Google Patents

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本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水をジェットポンプ作用を用いて便器本体に供給して洗浄する水洗大便器に関する。
従来から、便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器として、特許文献1に記載されているように、清掃性を高めるために、水洗大便器のボウル部の上縁に形成されたリム部の内周をオーバーハング形状に形成し、貯水タンクに貯められた洗浄水をリム吐水口から水平方向に吐水して旋回流を形成するものが知られている。
一方、特許文献2に記載されているように、大流量且つ比較的勢いの強い洗浄水をボウル部に継続的に長時間にわたって供給するために、洗浄水をリム吐水口から大流量を継続的に吐水する(約80L/minの流量を約4秒間にわたって吐水する)ジェットポンプ機構を備えた水洗大便器が知られている。
特許3817734号公報 特開2004−156382号公報
このような、特許文献1に記載されているようなオーバーハング形状のリム部を有する便器において、特許文献2のジェットポンプ機構を適用しようとする場合、ジェットポンプ機構は、勢いの強い水を継続的に長時間便器に供給するために、リム吐水口から吐水された洗浄水が継続的に大流量でリム部の内周面を旋回することになる。
しかしながら、上述した特許文献2に記載されているような水洗大便器においては、ジェットポンプ機構が、水道管と直結したジェットノズルからスロート内に洗浄水を供給し、ジェットノズルからの洗浄水の噴射とともに、周りの貯水タンク内の水を巻き込むことで増幅した洗浄水量を便器に供給するものであるため、水道水圧の変動により、ジェットノズルから噴射される洗浄水の水量がバラつくとそのバラつき分が増幅されるために、便器への供給量が顕著にバラついてしまうといった課題が生じている。
このように、水道水圧がバラつき、ジェットポンプ機構による便器への洗浄水の供給流量が規定の流量から大幅に増大するとき、洗浄の後半等において、旋回する洗浄水の流量が増大し、オーバーハング形状のリム部の曲率半径が小さい前方側から便器外に洗浄水が溢れ出してしまうといった課題が発生する。特に、リム吐水を100%にするタイプの水洗大便器においては、リム吐水口から吐水される洗浄水量が増加するため、リム部から便器外への水の飛び出しは顕著に生じ、解決すべく必須の課題となっている。
本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、ジェットポンプ機構から大流量の洗浄水が供給される場合にも、リム部を旋回する洗浄水の流量を一定とすることができ、ボウル部のリム部からの水溢れの発生を防止することができる水洗大便器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、洗浄水をジェットポンプ作用を用いて便器本体に供給して洗浄する水洗大便器であって、ボウル形状の汚物受け面と、上縁部でありその内周面が内方に向かってオーバーハングしたリム部と、を備えたボウル部と、リム部の内周面に沿って洗浄水を吐水し旋回する流れを形成するリム吐水部と、洗浄水を貯水する貯水タンクと、少なくともその一部が貯水タンク内で水没した状態で配置され、ジェットポンプ作用により大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体へ供給するジェットポンプユニットと、ジェットポンプユニットからリム吐水部まで延びる通水路であって、ボウル部の後方から側方側に延びるリム部内に形成されたリム部通水路を備えた通水路と、リム部通水路に設けられ、洗浄開始後に、リム部通水路内の水圧が所定値以上となる場合において、リム吐水部から吐水され内周面を旋回する洗浄水の流量を一定とする流量調節手段と、を有し、流量調節手段は、リム部通水路をリム吐水部よりも上流側においてリム吐水部に向かう方向とは異なるボウル部の内側向きに分岐させ且つ上記リム部通水路内の水圧が所定値以上となる場合に洗浄水をボウル部に排水可能な分岐口と、リム部通水路における分岐口とリム吐水部との間に設けられた抵抗部とを備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、洗浄開始後に、ジェットポンプユニットからジェットポンプ作用により供給される大流量の洗浄水の水圧がばらつき、リム吐水部から吐水される洗浄水が大流量になる場合、リム部通水路において分岐口より下流側に設けられた抵抗部が洗浄水の流れの抵抗となり、リム部通水路内が満水状態となり、リム部通水路内の水圧が所定値以上となる。このとき、流量調節手段により、一部の洗浄水がリム部通水路に設けられた分岐口からボウル部に排水されることができ、リム吐水部から吐水されリム部の内周面を旋回する洗浄水の流量を一定とすることができる。よって、洗浄水をジェットポンプ作用を用いて便器本体に供給して洗浄する場合において、安定したボウル洗浄を行うことができ、ボウル部のリム部から便器本体の外へ洗浄水が溢れることを防止することができる。この結果、本発明によれば、リム部のオーバーハング形状による清掃性を維持すると共に、ジェットポンプユニットにより節水化とボウル部の洗浄性を両立させることができる。
本発明において、好ましくは、流量調節手段において上記ボウル部の内側向きに分岐される分岐口は、リム部通水路とボウル部との間を連通する開口を形成する。
このように構成された本発明においては、流量調節手段において上記ボウル部の内側向きに分岐される分岐口は、リム部通水路とボウル部との間を連通する開口を形成するので、洗浄水の排水のための特別な流路をさらに設けることなく、比較的簡単に、一部の洗浄水がリム部通水路に設けられた分岐口からボウル部に排水されることができ、リム吐水部から吐水されリム部の内周面を旋回する洗浄水の流量を一定とすることができる。
本発明の水洗大便器によれば、ジェットポンプ機構から大流量の洗浄水が供給される場合にも、リム部を旋回する洗浄水の流量を一定とすることができ、ボウル部のリム部からの水溢れの発生を防止することができる。
本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す平面図である。 図1のII−II線に沿って見た断面図である。 本発明の実施形態による水洗大便器の給水装置を示す平面図である。 図3の正面図である。 図3の給水装置を示す概略正面図である。 図3の給水装置により供給される洗浄水の瞬間流量と時間との関係を示す線図である。 図1のVII−VII線に沿って見た部分断面図である。 図1のVIII−VIII線に沿って見た部分断面図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器を示す平面図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器において第1通水路の絞り部を洗浄水が流れる様子を示す概念図である。 図10のXI−XI線に沿って見た部分断面図である。 図10のXII−XII線に沿って見た部分断面図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器を説明する。先ず、図1及び図2により、本発明の実施形態による水洗大便器の基本構造を説明する。図1は本発明の実施形態による水洗大便器を示す平面図であり、図2は図1のII−II線に沿って見た断面図である。
本発明の実施形態による水洗大便器1は、床に設置された排水管(図示せず)に後述する排水管路が接続される床排水タイプの洗落し式水洗大便器である。
図1及び図2に示すように、水洗大便器1は、陶器又は樹脂で形成された便器本体2と、この便器本体2に洗浄水を供給する給水装置4(供給装置)を備えている。便器本体2は、下部にスカート部7が形成され、上半分のうち前方にボウル部8が形成され、後方上部にはその上流端が給水装置4に連通する共通通水路10が形成され、さらに、後方下部に汚物を排出するための排水管路12が形成されている。
上述した給水装置4は、貯水タンク5及び後述するジェットポンプユニット6を備えている。なお。本発明は、貯水タンクを持たず水道から直接洗浄水が供給される直圧式水洗大便器や、フラッシュバルブにより洗浄水が供給されるタイプの水洗大便器等にも適用できる。
ボウル部8は、ボウル形状の汚物受け面16と、上縁に位置するリム部18と、汚物受け面16の下方に形成された凹部20と、を備えている。ここで、リム部18の内周面22は、図2等に示すように、ボウル部8の内側空間に露出し且つ内側空間に向かって上方に延びる形状、具体的に言えば、内側に露出するオーバーハングした形状に形成されている。
ボウル部8のリム部18の内周面22の前方から見て左側の中央部の少し後方側に、洗浄水を吐水する第1リム吐水口24が形成され、前方から見て右側後方側に、第2リム吐水口26が形成されている。これらの第1リム吐水口24及び第2リム吐水口26は、それぞれ、洗浄水を同一方向(図1では反時計回りの方向)に吐水し、旋回流を形成するようになっている。
また、上述した水洗大便器1の後方上部に形成された共通通水路10は、便器前方に向かって、第1通水路28及び第2通水路30に分岐している。第1通水路28は、第1リム吐水口24に洗浄水を供給するためのものであり、第2通水路30は、第2リム吐水口26に洗浄水を供給するためのものである。ここで、本発明において、第1リム吐水口24は第1通水路28の一部であり、第1通水路28の出口部分を構成し、同様に、第2リム吐水口26は第2通水路30の一部であり、第2通水路30の出口部分を構成するようになっている。
上述した水洗大便器1においては、第1リム吐水口24、第1通水路28及び第2リム吐水口26、第2通水路30は、陶器製の便器本体2と一体に形成されているが、本実施形態による水洗大便器は、この形態に限られず、第1リム吐水口、第1通水路及び第2リム吐水口、第2通水路を便器本体とは別体のディストリビユータ等により形成するようにしても良い。
さらに、排水管路12は、凹部20の底面と接続しほぼ同一径(ほぼ同一断面形状)を有し且つ後方下方へ延びる導入管路32と、この導入管路32と接続し上方へ延びる排水トラップ管路34と、を備えている。この導入管路32は、入口32aを除く部分で、ほぼ同一径(ほぼ同一断面形状)を有し、管路内が同じ断面積となっている。また、排水トラップ管路34は、上昇路34aと下降路34bとから形成されている。
この導入管路32は、凹部20の底面と滑らかな連続湾曲面として繋がっており、凹部20から導入管路32に流入した洗浄水が導入管路32内をスムーズに流れるようになっている。
次に、図3乃至図6により、本発明の実施形態による水洗大便器1の給水装置4について説明する。図3は本発明の実施形態による水洗大便器の給水装置を示す平面図であり、図4は図3の正面図であり、図5は図3の給水装置を示す概略正面図であり、図6は図3の給水装置により供給される洗浄水の瞬間流量と時間との関係を示す線図である。なお、図5において、便宜上、ジェットノズル及びスロート管の配置が図3及び図4に示されたものと異なる配置に描かれている。
水洗大便器1の給水装置4は、貯水タンク5と、この貯水タンク5に洗浄水を供給する給水管路36と、この給水管路36に設けられた給水弁装置38と、この給水管路36の下流端に設けられ便器本体2に洗浄水を供給するためのジェットポンプユニット6と、使用者が手動操作により洗浄水の給水を行うための手動レバー40を備えている。
給水管路36の上流端には、外部の給水源から供給される洗浄水を止水するための止水栓41が設けられている。この止水栓41は、通常使用時は開状態に保持されている。
ジェットポンプユニット6は、逆V字形状のスロート管42と、ジェットノズル44とを備えている。具体的には、スロート管42の下流端が便器本体2の共通通水路10に連通する排水口45(図2参照)に接続され、その上流端には吸引口42aが形成され、この吸引口42aが貯水タンク5内の下部に位置するようになっている。さらに、スロート管42の吸引口42aに対向するように、ジェットノズル44が配置され、スロート管42の吸引口42aとジェットノズル44は、常時、貯水タンク5内で水没した状態となっている。
ジェットポンプ6は、ジェットノズル44からスロート管42の吸引口42aに向けて高速の洗浄水を噴射し、このとき、ジェットノズル44に近いスロート管42内の吸引口42a近傍の空間が負圧となり、この負圧によりジェットポンプ作用(エジェクタ効果)を誘発させることにより、貯水タンク5内の近傍の洗浄水を吸引し、この洗浄水とジェットノズル44から噴出される洗浄水とが一緒になり、スロート管42内を流れ、排水口45を経て、便器本体2の共通通水路10に供給されるようになっている。
給水管路36には、上述した給水弁装置38以外に、給水弁装置38の上流側に定流量弁46が、下流側に真空破壊弁48が設けられている。この定流量弁46は、給水弁装置38に供給される洗浄水を定流量とするためのものであり、真空破壊弁48は、外部から空気を吸入して真空破壊弁48からジェットノズル44までの管路内が負圧にならないようにするためのものである。
給水弁装置38は、パイロット式ダイアフラム弁であり、主弁座50と、この主弁座50に着座して止水する止水状態と主弁座50から離間して給水する給水状態とを切り換えるダイアフラム弁である主弁体52と、その内部の圧力により主弁体52を主弁座50に対して移動させる圧力室54とを備えている。圧力室54には、圧力室54の圧力を開放する第一穴56及び第二穴58と、上述した手動レバー40における使用者の手動操作と連動して第一穴56を開閉する第一パイロット弁60と、貯水タンク5内の洗浄水の水位に伴い上下動するフロート62と、このフロート62の上下動により第二穴58を開閉する第二パイロット弁64が設けられている。
また、主弁体52には、ブリード穴(図示せず)が設けられており、止水状態のとき、ブリード穴により給水管路36の一次側流路Aと圧力室54の内部とが連通するようになっている。ここで、第一穴56は、その開口面積が第二穴58の開口面積よりも大きく形成されている。また、第一穴56は、第二穴58よりも、図5に示すように、上方位置に形成されている。
第一パイロット弁60は、駆動軸65により手動レバー40に接続され、使用者の手動レバー40の手動操作により、第一穴56を開閉するようになっている。ここで、手動レバー40は、図4において、手前側(一方向)に回動操作させた場合には大洗浄がなされ、奥側(他方向)に回動操作させた場合には小洗浄がなされるようになっている。
この給水弁装置38は、通常は止水状態であり、止水状態では、第一穴56及び第二穴58は共に塞がれており、且つ、給水管路36の一次側流路Aは圧力室54とブリード穴を通じて連通しているため、一次側流路Aと圧力室54の水圧は同じ水圧(=一次側流路圧力)、また二次側流路Bは大気開放となり、主弁体52に水圧が作用する面積の方が一次側流路Aの面積よりも大であるので、主弁体52は主弁座52に押付けられ閉じられている。
給水弁装置38において、第一穴56及び/又は第二穴58が第一パイロット弁60及び/又は第二パイロット弁64により開放されると、圧力室54から洗浄水が流出し、圧力室54内の圧力が低下し、主弁体52が主弁座50から離れるように移動し、開弁し、吐水状態となる。
給水弁装置38において、第一穴56及び第二穴58が第一パイロット弁60及び第二パイロット弁64により閉じられると、再度圧力室54の圧力が一次側流路圧力となり、主弁体52が主弁座50に向けて移動し、最終的に閉弁された状態(止水状態)となる。なお、このとき、一次側流路Aの洗浄水が、圧力室54内へブリード穴から少しずつ注入されるため、第一穴56及び第二穴58を塞いでから、所定時間遅れて、主弁体52が閉弁状態(止水状態)となるようになっている。
次に、図5に示すように、スロート管42の下端近傍には、ジェット吐水とタンク貯水とを切換えるための切換弁66と、この切換弁66に取り付けられたフロート68が設けられている。このフロート68は、貯水タンク5内の水位により上下動するため、水位が低くなったときは、フロート68も下降し、それにより、切換弁66がスロート管42内の流路を塞ぐようになっている。スロート管42内の流路が塞がれた状態では、ジェットノズル44から噴射された洗浄水は、切換弁66に衝突し、スロート管42内を流れることなく、貯水タンク5内に流れ、貯水タンク5内に貯水される。また、所定水位に達して貯水が完了すると、フロート68も上昇し、それにより、切換弁66がスロート管42内の流路を開放するようになっている。スロート管42内の流路を開放された状態では、ジェットノズル44から噴射された洗浄水は、スロート管42内を流れ、便器本体2に供給されるようになっている。
さらに、貯水タンク5内には、大洗浄及び小洗浄に必要な洗浄水量を切り換えるための大小洗浄切換機構70が設けられている。この大小洗浄切換機構70は、貯水タンク5内をジェットノズル44及びスロート管42の吸引口42aを取り囲む空間と他の空間とを仕切りその上方が開放されている仕切壁72と、この仕切壁72に形成された開口74と、この開口74を開閉するために仕切壁72に取り付けられた開閉弁76と、を備えている。
大小洗浄切換機構70の開閉弁76は、鎖78により駆動軸65に接続され、小洗浄のために、使用者により手動レバー40が他方向に回動操作された場合に、鎖78により開閉弁76が引き上げされ、開閉弁76により開口74を閉じるようになっている。
次に、貯水タンク5内には、便器本体2を洗浄後に便器本体2に補給水を供給するため補給水供給パイプ82が設けられている。この補給水供給パイプ82の下方端82aはスロート管42の下流側端に連通し、上方端82bには補給水供給口84が形成されている。
図5に示すように、貯水タンク5内の水位WLは、以下の位置となる。水位WL1は仕切壁72の開口74の下端位置であり大洗浄が終了したときの水位を示し、水位WL2は仕切壁72の上端位置であり小洗浄が終了したときの水位を示し、水位WL3は水洗大便器1の使用前又は使用後の通常の水位を示し、水位WL4は大洗浄又は小洗浄後に給水弁装置38により貯水タンク5内に洗浄水が給水されその後給水が停止した直後(且つ洗浄水補給前)の止水状態を示す水位である。
図6に示されているように、ジェットポンプユニット6を備えた給水装置4は、一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体2へ供給することができる。具体的に言えば、給水装置4は、例えば、瞬間流量85L/分の洗浄水を4秒間継続して便器本体2へ供給するようになっている。なお、給水装置4による瞬間流量は、約65L/分〜約85L/分の範囲の大流量が好ましくは、また、約3秒〜約7秒継続して供給することが好ましい。
次に、図1、図2、図7及び図8により、本発明の第1実施形態による水洗大便器1の便器本体2の第1通水路28の構造を詳細に説明する。
図7は図1のVII−VII線に沿って見た部分断面図であり、図8は図1のVIII−VIII線に沿って見た部分断面図である。
第1通水路28には、洗浄開始後に、第1通水路28内の洗浄水の流量が増大して、第1通水路28内の水圧が所定値以上となる場合において、第1リム吐水口24から吐水され内周面を旋回する洗浄水の流量を一定に調節する流量調節手段86が設けられている。流量調節手段86は、給水装置4の下流側で便器本体2のボウル部8に供給される流量を水溢れが生じることを防ぐ流量に調整することができる。
流量調節手段86は、第1通水路28において第1リム吐水口24より所定距離上流側に設けられた分岐口88と、第1通水路28においてこの分岐口88より下流側に設けられた抵抗部90とを備えている。
流量調節手段86の分岐口88は、第1通水路28と第1通水路28の裏側のボウル部8との間の開口を形成している。この分岐口88は、第1通水路28から流線に対して横方向に開口している。第1通水路28に流入する洗浄水の流量が多く、抵抗部90の上流側に洗浄水が溜まり抵抗部近傍が局所的に満水となるような場合に、第1通水路28内の水圧が所定値以上に上昇し、洗浄水がこの分岐口88からボウル部8に流出されるようになっている。
抵抗部90は、第1通水路28の第1リム吐水口24において流路断面積28aを小さくするように形成され、例えば、図7に示すように、天井部28bの高さを、図8に示す上流側の天井部28bの高さよりも下げて流路を狭くするように形成されている。抵抗部90は、他の形状により形成されてもよく、例えば、底部28cの高さを上げて流路を狭くするように形成されてもよく、天井部28bの高さを下げ且つ底部28cの高さを上げて流路を狭くするように形成されてもよく、第1通水路28の左右の側壁の間隔を狭めることにより流路を狭く形成してもよく、さらに、第1通水路28内に流路抵抗を生じる流路内へと突出する突起等の他の形状部分を付加することにより形成されてもよい。
抵抗部90の設けられた部分の第1通水路28の流路断面積28aは、第1通水路28の流路断面積の中で最も小さく形成されている。この抵抗部90は、通過する洗浄水の流量を規定の流量に抑制するように、通過する洗浄水の流量が増大するときに流れの抵抗を生じるようになっている。抵抗部90により決定される流路断面積28aの大きさは、第1リム吐水口24より吐水しようとする洗浄水を規定の流量にできるような大きさに形成されている。
なお、本発明の第1実施形態による水洗大便器においては、抵抗部90は、第1リム吐水口24の位置に形成されているが、第1リム吐水口24より上流側の第1通水路28の途中に形成されていてもよい。
次に、図1、図2等においては省略されているが、本発明の第1実施形態による水洗大便器1の便器本体2の第2通水路30において流量調節手段86が設けられてもよいことを説明する。第2通水路30に設けられる流量調節手段86は、第1通水路28に設けられる流量調節手段86と基本的に同様の形状及び機能を有するので、同じ参照符号を用いて説明している。第2通水路30における流量調節手段86は、第1通水路28における流量調節手段86とともに設けられてもよいし、単独で設けられてもよい。
第2通水路30には、洗浄開始後に、第2通水路30内の洗浄水の流量が増大して、第2通水路30内の水圧が所定値以上に上昇する場合において、第2リム吐水口26から吐水され内周面を旋回する洗浄水の流量を一定に調節する流量調節手段86が設けられることができる。
流量調節手段86は、第2通水路30において第2リム吐水口26より所定距離上流側に設けられた分岐口88(図示せず)と、第2通水路30においてこの分岐口88より下流側に設けられた抵抗部90(図示せず)とを備えている。
流量調節手段86の分岐口88は、第2通水路30の屈曲部30dの下流側において、第2通水路30と第2通水路30の裏側のボウル部8との間の開口を形成している。この分岐口88は、第2通水路30から流線に対して横方向に開口している。第2通水路30に流入する洗浄水の流量が多く、抵抗部90の上流側に洗浄水が溜まり局所的に満水となるような場合に、第2通水路30内の水圧が所定値以上に上昇し、洗浄水がこの分岐口88からボウル部8に流出できるようになっている。
抵抗部90は、第2通水路30の第2リム吐水口26において流路断面積30aを小さくするように形成され、例えば、天井部30bの高さを従来よりも下げて流路を狭くするように形成されている。抵抗部90は、他の形状により形成されてもよく、例えば、底部30cの高さを上げて流路を狭くするように形成されてもよく、天井部30bの高さを下げ且つ底部30cの高さを上げて流路を狭くするように形成されてもよく、第2通水路30の左右の側壁の間隔を狭めることにより流路を狭く形成してもよく、さらに、第2通水路30内に流路抵抗を生じる他の形状部分を付加することにより形成されてもよい。
抵抗部90の設けられた部分の第2通水路30の流路断面積は、第2通水路30の流路断面積の中で最も小さく形成されている。この抵抗部90は、通過する洗浄水の流量が増大するときに流れの抵抗を生じるようになっている。抵抗部90により決定される流路断面積の大きさは、第2リム吐水口26より吐水しようとする洗浄水を規定の流量にできるような大きさに形成されている。
ジェットポンプユニット6から供給される洗浄水の流量が正常な規定の供給流量である場合等、第2通水路30内を通過する洗浄水の流量が規定の流量に達するまでは、洗浄水は、抵抗部90により狭められた第2通水路30内をスムーズに流れることができる。従って、第2リム吐水口26から吐水される洗浄水の流量は、ほぼ一定の規定の流量となる。
これに対し、洗浄開始後に、第2通水路30内を通過する洗浄水の流量が規定の流量よりも増大される場合には、洗浄水は、抵抗部90により狭められた第2通水路30において抵抗を受けて、第2リム吐水口26を通過しにくくなり、局所的に第2通水路30内に貯留した状態となる。このとき、洗浄水は、第2通水路30内で水圧が所定値以上に高まった状態となり、第2リム吐水口26から吐水される流れと、分岐口88から分岐してボウル部8に流れる流れとに分かれて流れる。第2リム吐水口26から吐水される洗浄水の流量は、抵抗部90により狭められた第2通水路30の流路断面積により調整されるので、ほぼ一定の規定の流量となる。
なお、本発明の第1実施形態による水洗大便器においては、抵抗部90は、第2リム吐水口26の位置に形成されているが、第2リム吐水口26より上流側の第2通水路30の途中に形成されていてもよい。
次に、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1による作用効果を説明する。
先ず、使用者が給水装置4の手動レバー40を操作すると、給水弁装置38により外部の給水源から供給される洗浄水がジェットノズル44に到達し、ジェットノズル44から洗浄水がスロート管42の吸引口42aに向けて噴射される。このとき、スロート管42の吸引口42a付近は負圧となるので、貯水タンク5内に貯水された洗浄水もスロート管42内に吸引され、給水装置4により外部から供給される洗浄水と貯水タンク5内に洗浄水が一緒になってスロート管42内を流れ、便器本体2に供給され、ボウル部8の洗浄が開始される。このとき、給水装置4からは、図6に示すように、一定の大流量の洗浄水が所定時間継続して便器本体2へ供給される。
給水装置4から供給された洗浄水は、共通通水路10を通過し、第1通水路28と、第2通水路30とに分岐して流れる。洗浄開始直後、第1通水路28に流入した洗浄水は、分岐口88の側方を通過して、第1リム吐水口24に至り、前方に向けてほぼ水平方向に吐水される。このとき、ジェットポンプユニット6から供給される洗浄水の流量が正常な規定の供給流量である場合等、第1通水路28内を通過する洗浄水の流量が規定の流量に達するまでは、洗浄水は、破線矢印F1に示すように、抵抗部90により狭められた第1通水路28内をスムーズに流れることができる。従って、第1リム吐水口24から吐水される洗浄水の流量は、ほぼ一定の規定の流量となる。
これに対し、洗浄開始後に、第1通水路28内を通過する洗浄水の流量が規定の流量よりも増大される場合には、洗浄水は、矢印F2に示すように、第1通水路28の第1リム吐水口24を狭めるように設けられた抵抗部90により抵抗を受けて、第1リム吐水口24を通過しにくくなり、局所的に第1通水路28内を満水にするように貯留される状態となる。このとき、洗浄水は、第1通水路28内で水圧が所定値以上に高まった状態となり、第1リム吐水口24から吐水される流れF3と、分岐口88から分岐してボウル部8に流れる流れF4とに分かれて流れる。矢印F3で示すような、第1リム吐水口24から吐水される洗浄水の流量は、抵抗部90により狭められた第1通水路28の流路断面積28aにより調整されるので、ほぼ一定の規定の流量となる。矢印F4で示す分岐口88からボウル部8に流れる洗浄水の流量は、矢印F2で流入する洗浄水の流量のうち、矢印F3で吐水できるほぼ一定の規定の流量を超える部分となる。
このように、第1通水路28に流入した洗浄水の流量が増大しても、第1リム吐水口24から吐水される洗浄水の流量を、ほぼ一定の規定の流量に保つことができる。
また、前述のように、第2リム吐水口26から吐水される洗浄水の流量も、抵抗部90により狭められた第2通水路30の流路断面積により調整されるので、ほぼ一定の規定の流量となる。従って、第2通水路30に流入した洗浄水の流量が増大しても、第2リム吐水口26から吐水される洗浄水の流量を、ほぼ一定の規定の流量に保つことができる。
第1リム吐水口24から前方に吐水された洗浄水は、リム部18の内周面22の通水路に沿って流れ、ボウル部8の前端を通過して、反対側にある第2リム吐水口26まで、到達する。一方、第2リム吐水口26から吐水された洗浄水は、同様に、リム部18の内周面22の通水路に沿って流れ、同一方向に旋回する旋回流となる。第1通水路28の分岐口88からボウル部8の内側向きに流出した洗浄水は、ボウル部8を流下して凹部20に到達する。同様に、第2通水路30の分岐口88からボウル部8の内側向きに流出した洗浄水も、ボウル部8を流下して凹部20に到達する。このように分岐口88から流出される洗浄水(各吐水口から吐水される規定の流量を超える洗浄水)が、ボウル部8のリム部18からの洗浄水溢れに影響を及ぼさないように流すことができる。
したがって、第1リム吐水口24から吐水される洗浄水の流量はほぼ一定の規定の流量に保たれ、第2リム吐水口26から吐水される洗浄水の流量も、ほぼ一定の規定の流量に保たれるので、リム部18の内周面22を旋回する洗浄水の流量をほぼ一定の規定の流量とすることができる。よって、安定したボウル洗浄を行うことができ、さらに、洗浄水の流量が増大することにより、ボウル部8のリム部18から便器本体2の外へ洗浄水が溢れることを防止することができる。
上述した本発明の実施形態による水洗大便器1においては、洗浄開始後に、ジェットポンプユニット6からジェットポンプ作用により供給される大流量の洗浄水の水圧がばらつき、第1通水路28及び第2通水路30内の水圧が所定値以上となる場合において、流量調節手段86により、第1リム吐水口24及び第2リム吐水口26から吐水されリム部18の内周面22を旋回する洗浄水の流量を一定とすることができる。よって、洗浄水をジェットポンプ作用を用いて便器本体2に供給して洗浄する場合において、安定したボウル洗浄を行うことができ、ボウル部8のリム部18から便器本体2の外へ洗浄水が溢れることを防止することができる。この結果、本発明によれば、リム部18のオーバーハング形状による清掃性を維持すると共に、ジェットポンプユニット6により節水化とボウル部8の洗浄性を両立させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1においては、洗浄開始後に、ジェットポンプユニット6からジェットポンプ作用により供給される大流量の洗浄水の水圧がばらつき、第1リム吐水口24及び第2リム吐水口26から吐水される洗浄水が大流量になる場合、第1通水路28及び第2通水路30において分岐口88より下流側に設けられた抵抗部90が洗浄水の流れの抵抗となり、第1通水路28及び第2通水路30内が満水状態となり、第1通水路28及び第2通水路30内の水圧が所定値以上となる。このとき、流量調節手段86により、一部の洗浄水が第1通水路28及び第2通水路30に設けられた分岐口88からボウル部8に排水されることができ、第1リム吐水口24及び第2リム吐水口26から吐水されリム部18の内周面22を旋回する洗浄水の流量を一定とすることができる。よって、洗浄水をジェットポンプ作用を用いて便器本体2に供給して洗浄する場合において、安定したボウル洗浄を行うことができ、ボウル部8のリム部18から便器本体2の外へ洗浄水が溢れることを防止することができる。この結果、本発明によれば、リム部18のオーバーハング形状による清掃性を維持すると共に、ジェットポンプユニット6により節水化とボウル部8の洗浄性を両立させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1においては、流量調節手段86の分岐口88は、第1通水路28及び第2通水路30と各通水路の裏側のボウル部8との間の開口を形成するので、洗浄水の排水のための特別な流路をさらに設けることなく、比較的簡単に、第1リム吐水口24及び第2リム吐水口26から吐水されリム部18の内周面を旋回する洗浄水の流量を一定とすることができる。よって、洗浄水をジェットポンプ作用を用いて便器本体2に供給して洗浄する場合において、安定したボウル洗浄を行うことができ、ボウル部8のリム部18から便器本体2の外へ洗浄水が溢れることを防止することができる。この結果、本発明によれば、リム部18のオーバーハング形状による清掃性を維持すると共に、ジェットポンプユニット6により節水化とボウル部8の洗浄性を両立させることができる。
次に、図9乃至図12により、本発明の第2実施形態による水洗大便器を説明する。図9は本発明の第2実施形態による水洗大便器を示す平面図であり、図10は本発明の第2実施形態による水洗大便器において第1通水路の絞り部を洗浄水が流れる様子を示す概念図であり、図11は図10のXI−XI線に沿って見た部分断面図であり、図12は図10のXII−XII線に沿って見た部分断面図である。第2実施形態による水洗大便器の基本構造は、上述した第1実施形態と同じであるため、ここでは、第2実施形態の第1実施形態とは異なる部分の構造のみを説明する。
図9に示すように、第2実施形態の水洗大便器101は、第1通水路128の構造が第1実施形態とは異なっている。
第1通水路128には、洗浄開始後に、第1通水路128内の洗浄水の流量が増大して、第1通水路128内の水圧が所定値以上となる場合において、第1リム吐水口124から吐水され内周面22を旋回する洗浄水の流量を一定に調節する流量調節手段186が設けられている。流量調節手段186は、給水装置4の下流側で便器本体2のボウル部8に供給される流量を水溢れが生じることを防ぐ流量に調整することができる。
流量調節手段186は、第1通水路128において設けられた絞り部190を備えている。絞り部190は、第1通水路128の第1リム吐水口124より上方側の所定部分において、流路断面積128aを小さくするように形成され、例えば、図10、図12に示すように、流路断面積128aを縮小するように流路を絞って形成されている。
絞り部190は、流路を絞ることができる他の形状により形成されてもよく、例えば、天井部128bの高さを下げて流路を狭くするように形成されてもよく、底部128cの高さを上げて流路を狭くするように形成されてもよく、天井部128bの高さを下げ且つ底部28cの高さを上げて流路を狭くするように形成されてもよく、第1通水路128の左右の側壁の間隔を狭めることにより流路を狭く形成してもよく、さらに、第1通水路128内に流路抵抗を生じる流路内へと突出する突起等の他の形状部分を付加することにより流路が絞られて形成されてもよい。
絞り部190の設けられた部分の第1通水路128の流路断面積128aは、第1リム吐水口124の流路断面積よりも小さく、第1通水路128の流路断面積の中で最も小さく形成されている。この絞り部190は、第1通水路128の第1リム吐水口124を含むいずれの部分に配置されていてもよく、通過する洗浄水の流量を規定の流量に抑制するように、通過する洗浄水の流量が増大するときに流れの抵抗を生じるようになっている。絞り部190により決定される流路断面積128aの大きさは、第1リム吐水口124より吐水しようとする洗浄水を規定の流量にできるような大きさに形成されている。
次に、図9等においては省略されているが、本発明の第2実施形態による水洗大便器101の便器本体2の第2通水路130において流量調節手段186が設けられてもよいことを説明する。第2通水路130に設けられる流量調節手段186は、第1通水路128に設けられる流量調節手段186と基本的に同様の形状及び機能を有するので、同じ参照符号を用いて説明している。第2通水路130における流量調節手段186は、第1通水路128における流量調節手段186とともに設けられてもよいし、単独で設けられてもよい。
第2通水路130には、洗浄開始後に、第2通水路130内の洗浄水の流量が増大して、第2通水路130内の水圧が所定値以上となる場合において、第2リム吐水口126から吐水され内周面を旋回する洗浄水の流量を一定に調節する流量調節手段186が設けられることができる。
流量調節手段186は、第2通水路130において設けられた絞り部190を備えている。絞り部190は、第2通水路130の第2リム吐水口126より上方側の所定部分において、流路断面積を小さくするように形成され、例えば、流路断面積を縮小するように流路を絞って形成されている。
絞り部190は、上述のように、他の形状により形成されてもよい。
絞り部190の設けられた部分の第2通水路130の流路断面積は、第2通水路130の流路断面積の中で最も小さく形成されている。この絞り部190は、第1通水路128の第1リム吐水口124を含むいずれの部分に配置されていてもよく、通過する洗浄水の流量を規定の流量に抑制するように、通過する洗浄水の流量が増大するときに流れの抵抗を生じるようになっている。絞り部190により決定される流路断面積128aの大きさは、第1リム吐水口124より吐水しようとする洗浄水を規定の流量にできるような大きさに形成されている。
ジェットポンプユニット6から供給される洗浄水の流量が正常な規定の供給流量である場合等、第2通水路130内を通過する洗浄水の流量が規定の流量に達するまでは、洗浄水は、絞り部190により狭められた第2通水路130内をスムーズに流れることができる。従って、第2リム吐水口126から吐水される洗浄水の流量は、ほぼ一定の規定の流量となる。
これに対し、洗浄開始後に、第2通水路130内を通過する洗浄水の流量が規定の流量よりも増大される場合には、洗浄水は、絞り部190により狭められた第2通水路130において抵抗を受けて、第2リム吐水口126を通過しにくくなり、局所的に第2通水路130内に貯留した状態となる。このとき、洗浄水は、第2通水路130内で水圧が所定値以上に高まった状態となり、絞り部190を通過できた洗浄水のみが第2リム吐水口126から吐水される。第2リム吐水口126から吐水される洗浄水の流量は、絞り部190により狭められた第2通水路130の流路断面積により調整されるので、ほぼ一定の規定の流量となる。
次に、上述した本発明の第2実施形態による水洗大便器1による作用効果を説明する。
このように構成された第2実施形態においても、第1通水路128には、同様な、流量調節手段186が形成され、上述した第1実施形態と基本的に同様な作用効果が奏されるので、ここでは、第2実施形態の第1実施形態とは異なる部分を説明する。
給水装置4から供給された洗浄水は、共通通水路10を通過し、第1通水路128と、第2通水路130とに分岐して流れる。洗浄開始直後、第1通水路128に流入した洗浄水は、絞り部190を通過して、第1リム吐水口124に至り、前方に向けてほぼ水平方向に吐水される。このとき、ジェットポンプユニット6から供給される洗浄水の流量が正常な規定の供給流量である場合等、第1通水路128内を通過する洗浄水の流量が規定の流量に達するまでは、洗浄水は、矢印F5に示すように、絞り部190により狭められた第1通水路128内をスムーズに流れることができる。従って、第1リム吐水口124から吐水される洗浄水の流量は、ほぼ一定の規定の流量となる。
これに対し、洗浄開始後に、第1通水路128内を通過する洗浄水の流量が規定の流量よりも増大される場合には、洗浄水は、矢印F6に示すように、狭められた第1通水路128の絞り部190において抵抗を受けて、絞り部190を通過しにくくなり、局所的に第1通水路128内の絞り部190の上流側の空間に貯留するような状態となる。このとき、洗浄水は、第1通水路128内で水圧が所定値以上に高まった状態となり、絞り部190を通過できた洗浄水のみがF7として第1リム吐水口124から吐水される。矢印F7で示す、第1リム吐水口124から吐水される洗浄水の流量は、絞り部190により狭められた第1通水路128の流路断面積128aにより調整されるので、ほぼ一定の規定の流量となる。
このように、第1通水路128に流入した洗浄水の流量が増大しても、第1リム吐水口124から吐水される洗浄水の流量を、比較的簡単な構造により、ほぼ一定の規定の流量に保つことができる。
また、前述のように、第2リム吐水口126から吐水される洗浄水の流量も、絞り部190により狭められた第2通水路130の流路断面積により調整されるので、ほぼ一定の規定の流量となる。従って、第2通水路130に流入した洗浄水の流量が増大しても、第2リム吐水口126から吐水される洗浄水の流量を、ほぼ一定の規定の流量に保つことができる。
第1リム吐水口124から前方に吐水された洗浄水は、リム部18の内周面22の通水路に沿って流れ、ボウル部8の前端を通過して、反対側にある第2リム吐水口126まで、到達する。一方、第2リム吐水口126から吐水された洗浄水は、同様に、リム部18の内周面22の通水路に沿って流れ、同一方向に旋回する旋回流となる。
したがって、第1リム吐水口124から吐水される洗浄水の流量はほぼ一定の規定の流量に保たれ、第2リム吐水口126から吐水される洗浄水の流量も、ほぼ一定の規定の流量に保たれるので、リム部18の内周面22を旋回する洗浄水の流量をほぼ一定の規定の流量とすることができる。よって、安定したボウル洗浄を行うことができ、さらに、洗浄水の流量が増大することによりボウル部8のリム部18から便器本体2の外へ洗浄水が溢れることを防止することができる。
上述した本発明の第2実施形態による水洗大便器101においては、洗浄開始後に、ジェットポンプユニット6からジェットポンプ作用により供給される大流量の洗浄水の水圧がばらつき、第1通水路128及び第2通水路130内の水圧が所定値以上となる場合において、流量調節手段186の絞り部190により、第1リム吐水口124及び第2リム吐水口126から吐水されリム部18の内周面22を旋回する洗浄水の流量を一定とすることができる。よって、洗浄水をジェットポンプ作用を用いて便器本体2に供給して洗浄する場合において、安定したボウル洗浄を行うことができ、ボウル部8のリム部18から便器本体2の外へ洗浄水が溢れることを防止することができる。この結果、本発明によれば、リム部18のオーバーハング形状による清掃性を維持すると共に、ジェットポンプユニット6により節水化とボウル部8の洗浄性を両立させることができる。
1、101 水洗大便器
2 便器本体
4 給水装置
5 貯水タンク
6 ジェットポンプユニット
8 ボウル部
18 リム部
22 内周面
24、124 第1リム吐水口
26、126 第2リム吐水口
28、128 第1通水路
30、130 第2通水路
86、186 流量調節手段
88 分岐口
90 抵抗部
190 絞り部

Claims (2)

  1. 洗浄水をジェットポンプ作用を用いて便器本体に供給して洗浄する水洗大便器であって、
    ボウル形状の汚物受け面と、上縁部でありその内周面が内方に向かってオーバーハングしたリム部と、を備えたボウル部と、
    上記リム部の内周面に沿って洗浄水を吐水し旋回する流れを形成するリム吐水部と、
    洗浄水を貯水する貯水タンクと、
    少なくともその一部が上記貯水タンク内で水没した状態で配置され、ジェットポンプ作用により大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体へ供給するジェットポンプユニットと、
    上記ジェットポンプユニットから上記リム吐水部まで延びる通水路であって、上記ボウル部の後方から側方側に延びる上記リム部内に形成されたリム部通水路を備えた上記通水路と、
    上記リム部通水路に設けられ、洗浄開始後に、上記リム部通水路内の水圧が所定値以上となる場合において、上記リム吐水部から吐水され上記内周面を旋回する洗浄水の流量を一定とする流量調節手段と、を有し
    上記流量調節手段は、上記リム部通水路を上記リム吐水部よりも上流側において上記リム吐水部に向かう方向とは異なる上記ボウル部の内側向きに分岐させ且つ上記リム部通水路内の水圧が所定値以上となる場合に洗浄水を上記ボウル部に排水可能な分岐口と、上記リム部通水路における上記分岐口と上記リム吐水部との間に設けられた抵抗部とを備えていることを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記流量調節手段において上記ボウル部の内側向きに分岐される上記分岐口は、上記リム部通水路と上記ボウル部との間を連通する開口を形成する請求項記載の水洗大便器。
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