JP5158455B2 - 水洗大便器 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明においては、貯水タンクの底面が便器本体の上面から上方へ所定距離だけ離間して便器本体に設けられているので、貯水タンク内の洗浄水量が節水化により減少しても、洗浄水には十分なヘッド圧が与えられ、便器本体へ洗浄水を供給することができる。さらに、本発明においては、貯水タンクの排水口と分流室との間に洗浄水を一時的に滞留させて洗浄水にヘッド圧を与える洗浄水滞留部が設けられているので、洗浄水が洗浄水滞留部及び分流室に滞留し、この滞留した洗浄水が、分流室からリム導水路及びゼット導水路を経てリム吐水部及びゼット吐水部へ供給される。この結果、本発明によれば、節水化により洗浄水量が減少しても、洗浄性能を確保することができる。
このように構成された本発明においては、ゼット導水路の入口の面積が、貯水タンクの排水口と便器本体の上面との間に配置された筒体部材の断面積よりも小さくなっているので、筒体部材から分流室を経てゼット導水路に流入する洗浄水に対してゼット導水路の入口が抵抗となる。このため、洗浄水が筒体部材内で一時的に滞留し易くなり、滞留した洗浄水にヘッド圧が与えられるので、洗浄水を、勢い良く、分流室からリム導水路及びゼット導水路を経てリム吐水部及びゼット吐水部へ供給することができる。この結果、本発明によれば、節水化により洗浄水量が減少しても、洗浄性能を確保することができる。
このように構成された本発明においては、貯水タンクの排水口が、ゼット導水路の入口のほぼ真上に設けられているので、洗浄水を、勢い良く、分流室からゼット導水路を経てゼット吐水部へ供給することができる。これにより、より強いサイホン作用を発生させることができ、洗浄性能を向上させることができる。さらに、ゼット導水路に残存している空気を貯水タンク側へ効果的に排出することができる。
このように構成された本発明においては、洗浄水滞留部で滞留した洗浄水が、便器洗浄の後半部分で、リム導水路よりゼット導水路により多くの洗浄水が流入するので、より強く且つより長くサイホン作用を発生させることができ、洗浄性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、ゼット導水路に残存している空気を貯水タンク側へ効果的に排出することができる。
先ず、図1及び図2により、本実施形態による水洗大便器の基本構造を説明する。図1は本発明の実施形態による水洗大便器を示す平面図であり、図2は図1のII−II線に沿って見た側面断面図である。
また、ゼット吐水口22からは、排水路12の入口12aに向けて洗浄水が吐水され、これにより、サイホン作用が発生するようになっている。さらに、ゼット吐水口22から吐水される洗浄水により、リフィール(封水)がされるようになっている。
図3に示すように、貯水タンク2は、外部タンク2aと、この外部タンク2a内に配置された内部タンク28と、この内部タンク28内に取り付けられた排水弁30とを備え、さらに、この排水弁30の下流側には、必要なヘッド圧を得るため且つ洗浄水を滞留させるための筒体部材32が設けられている。この筒体部材32は、洗浄水滞留部として機能し、その詳細構造は、後述する。なお、筒体部材32は外部タンク2aと一体形成しても良く、別部材として形成しても良い。
先ず、図2に示すように、筒体部材32は、所定の高さH1及び直径D1を備えており、この筒体部材32の高さH1により、洗浄水を貯水する内部タンク28の便器本体4の上面からの高さ自体が高くなり、それにより、洗浄水のヘッド圧が大きくなる。さらに、詳細は後述するが、筒体部材32内には、洗浄水が滞留するが、このとき、滞留する洗浄水にもヘッド圧が作用するようになっている。
なお、上述した分流室10の洗浄水流入口10aも、筒体部材32の直径D1と同じ大きさとなっている。
さらに、ゼット導水路26は、図1に示すように、平面視で、リム導水路24及び分流室10と共に、ほぼ同一直線上になるように、形成されている。
また、サイホン作用終了後に、外部の給水管から供給された洗浄水が、貯水タンク2を経由して、便器本体4内にリフィールされ、この洗浄水のリフィール量は、1.3リットルである。
このように、本実施形態による水洗大便器の便器本体を洗浄するために必要な洗浄水量(総吐水量)は、このリフィール量を含め、3.8リットル(又は、3.6リットル〜4.2リットルが好ましい)である。
なお、本実施形態による水洗大便器においては、貯水タンクが、リフィール量も含めた洗浄水量(総吐水量)を貯水するようにしても良い。この場合には、貯水タンクには、3.8リットル(又は、3.6リットル〜4.2リットルが好ましい)の洗浄水量が貯水される。
図6に示すように、本実施形態においては、貯水タンク2に2.5リットルの洗浄水量が貯水されており、この2.5リットルの洗浄水のうち、ボウル部8を洗浄するために必要なリム吐水口20から吐水される洗浄水量は0.7リットル、サイホン作用を発生させるために必要な洗浄水量は1.8リットルである。さらに、上述したように、サイホン作用終了後には、リフィールを行なうために必要な洗浄水量1.3リットルが、給水管(図示せず)から貯水タンク2を経由して、ゼット吐水口22から吐水される。
また、本実施形態においては、リム吐水口20からの吐水は、サイホン作用の終了時又は終了前に終了するようになっている。
排水弁34が開くと、内部タンク28に貯水された洗浄水は、排水口34から排出され、筒体部材32内を落下し、真下にある便器本体4の分流室10に流入する。このとき、貯水タンク2(内部タンク28)の底面が便器本体4の上面から上方へ筒体部材32の高さH1に相当する距離だけ離間して設けられているので、貯水タンク2内の洗浄水量が節水化により減少しても、洗浄水には十分なヘッド圧が与えられ、便器本体4へ洗浄水を供給することができる。これにより、本実施形態による水洗大便器1によれば、節水化により洗浄水量が減少しても、洗浄性能を確保することができる。
2 貯水タンク
4 便器本体
8 スカート部
10 分流室
12 排水路
14 汚物受け面
16 リム部
18 棚部
20 リム吐水口
22 ゼット吐水口
24 リム導水路
26 ゼット導水路
26a ゼット導水路の入口
28 内部タンク
30 排水弁
32 筒体部材(洗浄水滞留部)
34 排水口
Claims (6)
- 洗浄水により便器本体を洗浄する水洗大便器において、
便器本体へ供給する洗浄水を貯水し、洗浄水を排出する排水口を備えた貯水タンクと、
ボウル形状の汚物受け面と上縁部にあるリム部を備えたボウル部と、
このボウル部の下方にその入口が接続され汚物をサイホン作用により排出する排水路と、
上記ボウル部の側方に対応する上記リム部の位置に設けられ、洗浄水がリム部に沿って旋回して上記ボウル部を洗浄するように洗浄水を吐水するリム吐水部と、
上記排水路の入口に向かって洗浄水を吐水するゼット吐水部と、
上記リム吐水部へ洗浄水を導くリム導水路と、
上記ゼット吐水部へ洗浄水を導くゼット導水路と、
上記貯水タンクの排水口から洗浄水が流入すると共に洗浄水を上記リム導水路と上記ゼット導水路に分流する分流室と、を有し、
上記貯水タンクは、その底面が上記便器本体の上面から上方へ所定距離だけ離間して上記便器本体に設けられ、
更に、上記貯水タンクの排水口と上記分流室との間に設けられ、洗浄水を一時的に滞留させて洗浄水にヘッド圧を与える洗浄水滞留部を有し、
洗浄水が上記洗浄水滞留部及び上記分流室に滞留し、この滞留した洗浄水が、上記分流室から上記リム導水路及びゼット導水路を経て上記リム吐水部及びゼット吐水部に供給されることを特徴とする水洗大便器。 - 上記洗浄水滞留部は、上記貯水タンクの排水口と上記便器本体の上面との間に配置された筒体部材であり、上記ゼット導水路の入口の面積が上記筒体部材の断面積よりも小さくなっている請求項1に記載の水洗大便器。
- 上記貯水タンクの排水口は、上記ゼット導水路の入口のほぼ真上に設けられている請求項1又は2に記載の水洗大便器。
- 上記ゼット導水路は、上記洗浄水滞留部で滞留した洗浄水が、便器洗浄の後半部分で、上記リム導水路より上記ゼット導水路により多くの洗浄水が流入するように形成されている請求項3に記載の水洗大便器。
- 上記ゼット導水路の上流部分は、水平線に対して下方側へ55度〜65度傾いて形成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記便器本体は、3.6〜4.2リットルの洗浄水量により洗浄される請求項1乃至5の何れか1項に記載の水洗大便器。
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