JP2001279271A - 燃料電池用燃料油及び燃料電池用水素の製造方法 - Google Patents

燃料電池用燃料油及び燃料電池用水素の製造方法

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Hiroto Matsumoto
寛人 松本
Mitsuru Osawa
満 大澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改質触媒や燃料電池電極に対して悪影響を及
ぼすことなく水素を効率よく製造できる燃料電池用燃料
油、及び燃料電池用水素の製造方法を提供すること。 【解決手段】 沸点140〜270℃の留分90容量%
以上を含む炭化水素化合物の混合物からなり、芳香族化
合物を実質上含まず、かつ該混合物を構成する炭素と水
素のモル比(C/Hモル比)が多くとも0.5である燃料
電池用燃料油、並びに、この燃料油を気化し、水蒸気と
混合して改質触媒に接触させる燃料電池用水素の製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用燃料油
及び燃料電池用水素の製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、改質触媒や燃料電池電極に対して悪影響
を及ぼすことなく、水素を効率よく製造できる燃料電池
用燃料油、及びこのものを水蒸気改質処理して燃料電池
用水素を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題から新エネルギー技術が
脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして
燃料電池が注目されている。この燃料電池は、水素と酸
素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギ
ーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギ
ーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用,
産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極
的になされている。この燃料電池には、使用する電解質
の種類に応じて、リン酸型,溶融炭酸塩型,固体酸化物
型,固体高分子型などのタイプが知られている。一方、
水素源としては、メタノール,メタンを主体とする液化
天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然
ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のLP
G、ナフサ,ガソリン,灯油などの炭化水素の使用が研
究されている。燃料電池を民生用や自動車用などに利用
する場合、上記石油系炭化水素は、保管及び取扱いが容
易である上、ガソリンスタンドや販売点など、供給シス
テムが整備されていることから、水素源として有利であ
る。石油系炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般
に、該炭化水素を、改質触媒の存在下に水蒸気改質や部
分酸化改質触媒する方法などが用いられる。このような
改質処理においては、上記改質触媒の劣化を抑制し、長
寿命化を図ることは、実用面で極めて重要である。該改
質触媒の劣化の要因としては、石油系炭化水素中に含ま
れている硫黄による被毒と、触媒上への炭素析出(コー
ク被毒)を挙げることができる。
【0003】硫黄による被毒については、該炭化水素を
低硫黄濃度まで脱硫処理するために、様々な脱硫剤、例
えばニッケル系やニッケル−銅系吸着剤などが開発さ
れ、石油系炭化水素中の硫黄分濃度を、好ましくは0.5
重量ppm以下、より好ましくは0.2重量ppm以下、
特に好ましくは0.1重量ppm以下に脱硫することが行
われている。一方、コーク被毒については、石油系炭化
水素に含まれるコーク源として、例えば芳香族化合物及
び二環以上の環状飽和炭化水素化合物が知られている。
しかしながら、燃料電池用水素の原料として、灯油など
の石油系炭化水素油を用いる技術が数多く開示されてい
るが、改質触媒の寿命まで考慮した燃料電池用水素の製
造に好適な石油系炭化水素油の性状については、これま
で規定されていないのが実状である。また、燃料電池用
水素の原料油としては、発生する水素ガス中の一酸化炭
素濃度が少なくなるようなものが好ましい。水素ガス中
の一酸化炭素濃度が高すぎると、この改質処理工程の下
流で実施される一酸化炭素の変性工程や選択酸化除去工
程において、一酸化炭素を充分に低減できない場合があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、改質触媒や燃料電池電極に対して悪影響
を及ぼすことなく、一酸化炭素含有量の少ない水素を効
率よく製造できる燃料電池用燃料油、及びこの燃料油を
用い、燃料電池用水素を製造する方法を提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の沸点範
囲を有する留分を主とし、芳香族化合物を実質上含まず
かつC/Hモル比がある値以下の炭化水素油が、燃料電
池用燃料油として、その目的に適合し得ることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、沸点140〜270℃の留分
90容量%以上を含む炭化水素化合物の混合物からな
り、芳香族化合物を実質上含まず、かつ該混合物を構成
する炭素と水素のモル比(C/Hモル比)が多くとも0.
5であることを特徴とする燃料電池用燃料油を提供する
ものである。本発明はまた、上記燃料油を気化し、水蒸
気と混合して改質触媒に接触させることを特徴とする燃
料電池用水素の製造方法をも提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の燃料油は、沸点140〜
270℃の留分90容量%以上の割合で含む炭化水素油
混合物からなり、かつ芳香族化合物を実質上含まないも
のである。ここで、芳香族化合物を実質上含まないとい
うことは、その量が石油学会規定(JPI−5S−4
9)の燃料油の組成分析法にて分析下限値より少ないこ
とを意味する。芳香族化合物が含まれると、改質処理に
より水素を製造する際に、改質触媒上への炭素の析出が
促進され、触媒寿命が短くなる。また、燃料油中のC/
Hモル比は0.5以下である。このC/Hモル比が0.5を
超えると生成する水素ガス中の一酸化炭素の含有量が多
くなり、下流で実施される一酸化炭素変性工程や一酸化
炭素選択酸化工程において、一酸化炭素含有量を充分低
減できなくなり、特に固体高分子型燃料電池の場合、燃
料電池の性能低下や寿命低下の原因となる。本発明の燃
料油においては、ノルマルパラフィンとイソパラフィン
との合計含有量が55容量%以上であるのが好ましい。
この含有量が55容量%未満では改質触媒のでの反応性
が低下したり、該触媒上への炭素析出を促進したりする
おそれがある。その結果、使用する触媒を増やす必要が
出たり、あるいは過酷な条件(例えば低水蒸気/炭素モ
ル比、高い改質温度など)での運転ができなくなる場合
がある。このような理由から、ノルパラフィンとイソパ
ラフィンとの合計含有量は60容量%以上がより好まし
い。
【0007】本発明の燃料油においては、硫黄分濃度
は、0.5重量ppm以下が好ましい。この濃度が0.5重
量ppmを超えると改質触媒の劣化の原因となる。その
ため、脱流装置を設置することにしても、煩雑な脱硫プ
ロセスを採用する必要が出てくる。この硫黄分濃度は0.
1重量ppm以下が好ましく、この場合、脱硫装置が不
用となる。本発明の燃料油においては、アミン系やフェ
ノール系化合物を含有するのが好ましい。硫黄分濃度が
上記のように0.5重量ppm以下、特に0.1重量ppm
以下の場合、燃料油の酸化安定性が低下する場合があ
る。したがって、このような場合には、酸化防止剤とし
ての効果のあるアミン系化合物やフェノール系化合物を
含有させるのが有利である。上記酸化防止剤としての効
果のあるアミン系化合物やフェノール系化合物としては
特に制限はなく、従来、燃料油添加剤として知られてい
る公知の化合物の中から、任意のものを適宜一種又は二
種以上選択して用いることができる。燃料油中の上記ア
ミン系やフェノール系化合物の含有量は、通常5〜10
0重量ppmの範囲で選定される。
【0008】酸化防止剤としての効果のあるアミン系化
合物やフェノール系化合物の例としては、N,N' −ジ
イソプロピル−p−フェニレンジアミン,N,N’−ジ
−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン,2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール,2,4
−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール,2,6
−ジ−tert−ブチルフェノール,75重量%以上の
2,6−ジ−tert−ブチルフェノールと25重量%
以下のモノ−tert−及びトリ−tert−ブチルフ
ェノールとの混合物などを挙げることができる。本発明
の燃料油においては、原料油として、硫黄分含有量が8
0重量ppm以下のJIS1号灯油又はその相当品が好
ましく用いられる。このJIS1号灯油又はその相当品
は、原油を常圧蒸留して得た粗灯油を脱硫することによ
り得られる。該粗灯油は、通常硫黄分が多く、そのまま
ではJIS1号灯油又はその相当品とはならず、硫黄分
を低減させる必要がある。この硫黄分を低減させる方法
としては、一般に工業的に実施されている水素化精製法
で脱硫処理するのが好ましい。この場合、脱硫触媒とし
て、通常ニッケル,コバルト,モリブデン,タングテン
などの遷移金属を適当な割合で混合したものを金属,酸
化物,硫化物などの形態でアルミナを主成分とする担体
に担持させたものが用いられる。反応条件は、例えば反
応温度250〜400℃、圧力2〜10MPa・G、水
素/油モル比2〜10、液時空間速度(LHSV)1〜
5h-1などの条件が用いられる。
【0009】本発明の燃料油は、例えば上記JIS1号
灯油又はその相当品を、圧力10〜25MPa、温度2
00〜400℃の条件で、触媒の存在下に高圧水添処理
することにより、製造することができる。この水添処理
において、圧力が10MPa未満では芳香族化合物が硫
黄分の含有量を充分に低減させることができにくく、一
方25MPaを超えると設備費や動力費が高くつき経済
的でない。芳香族化合物及び硫黄分の含有量低減効果や
経済性などを考慮すると、好ましい圧力は15〜25M
Paの範囲である。また、反応温度が200℃未満では
芳香族化合物及び硫黄分の含有量を充分に低減させるこ
とができにくく、一方、400℃を超えると触媒上での
熱劣化や触媒上への炭素析出量が多くなり、好ましくな
い。芳香族化合物及び硫黄分の含有量低減効果、熱劣化
や炭素析出量などを考慮すると、この反応温度は250
〜350℃の範囲が好ましい。
【0010】さらに、原料油のWHSV(重量基準の空
間速度:単位時間当たりの通油量/触媒重量)は、通常
0.01〜10h-1、好ましくは0.1〜1h-1の範囲で選
定される。また、水素/原料油比は、100〜1000
0Nm3 /klの範囲が好ましい。この水素/原料油比
が100Nm3 /kl未満では充分な水添効果が得られ
ないおそれがあり、一方、10000Nm3 /klを超
えると水素量が多すぎて経済的でない。水添効果対経済
性などを考慮すると、この水素/原料油比は、500〜
3000Nm3 /klの範囲が好ましい。この水添処理
においては、触媒として、耐熱性多孔質担体に、ニッケ
ル,コバルト,鉄などの金属、ルテニウム,ロジウム,
白金などの貴金属の中から選ばれる少なくとも一種を担
持してなる、いわゆる水素化活性を有する触媒を用いる
ことができる。特に、アルミナ,シリカ−アルミナ,シ
リカなどの耐熱性多孔質担体にニッケル及びタングテン
を担持してなる触媒が好適である。この場合、ニッケル
及びタングステンの担持量は、それぞれ酸化物換算で、
触媒重量に基づき、1〜50重量%の範囲が好ましい。
【0011】このようにして、原料油を水添処理したの
ち、必要があれば、精密蒸留などの方法によって、所望
の沸点範囲の留分を取り出してもよい。本発明の燃料電
池用水素の製造方法においては、このようにして得られ
た前述の性状を有する本発明の燃料油を気化し、水蒸気
と混合した後、脱硫処理を行うことなく改質触媒に接触
させることにより、水素を製造する。具体的には、上記
燃料油が収容されているタンクから、ポンプなどの供給
手段により、該燃料油を気化器に導入して気化させたの
ち、別途水を気化させて得られた水蒸気と混ぜて、その
まま改質器の改質触媒部に導入し、水蒸気改質を行い、
水素を製造する。
【0012】この水蒸気改質に用いる触媒としては特に
制限はなく、従来炭化水素油の水蒸気改質触媒として知
られている公知のものの中から、任意のものを適宜選択
して用いることができる。このような水蒸気改質触媒と
しては、例えば適当な担体に、ニッケルやジルコニウ
ム、あるいはルテニウム,ロジウム,白金などの基金属
を担持したものを挙げることができる。上記担持金属は
一種担持させてもよく、二種以上を組み合わせて担持さ
せてもよい。これらの触媒の中で、ルテニウムを担持さ
せたもの(以下、ルテニウム系触媒と称す。)が好まし
い。このルテニウム系触媒の場合、ルテニウムの担持量
は、担体基準で0.05〜20重量%の範囲が好ましく、
より好ましくは0.05〜15重量%、特に好ましくは0.
1〜2重量%の範囲である。このルテニウムを担持する
場合、所望により、他の金属と組み合わせて担持するこ
とができる。該他の金属としては、例えばジルコニウ
ム,コバルト,マグネシウムなどが挙げられる。
【0013】一方、担体としては、無機酸化物が好まし
く、具体的にはアルミナ,シリカ,ジルコニア,マグネ
シア及びこれらの混合物などが挙げられる。これらの中
で、特にアルミナ及びジルコニアが好適である。水蒸気
改質処理における反応条件としては、水蒸気と燃料油組
成物に由来する炭素との比S/C(モル比)は、通常2
〜5、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3の範囲
で選定される。また、水蒸気改質触媒層の入口温度を6
30℃以下、さらには600℃以下に保って水蒸気改質
を行うのが好ましい。なお、触媒層出口温度は特に制限
はないが、650〜800℃の範囲が好ましい。反応圧
力は、通常常圧〜3MPa、好ましくは常圧〜1MPa
の範囲であり、また、液時空間速度(LHSV)は、通
常0.1〜100h-1、好ましくは0.2〜50h-1の範囲
である。このようにして、燃料電池用水素を効率よく製
造することができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 硫黄分40重量ppmのJIS1号灯油を、市販のNi
−W/アルミナ触媒を用いて、20MPa、300℃W
HSV0.3h-1の条件で高圧水素添加処理を行い、第1
表に示す性状の燃料油を得た。なお、第1表に市販のJ
IS1号灯油及び分解系灯油の性状も併記した。
【0015】
【表1】
【0016】実施例2及び比較例1,2 第1表に示す性状を有する実施例1で得られた燃料油
(実施例2)、市販のJIS1号灯油(比較例1)及び
分解系灯油(比較例2)を、それぞれニッケル系吸着脱
硫剤を用いて、常圧,180℃,LHSV0.3h-1の条
件で脱硫処理した。各油の硫黄分濃度は、いずれも0.1
重量ppm未満となった。これらの脱硫油の性状は、硫
黄分濃度以外は、第1表と同じである。次に、上記各脱
硫油について、ルテニウム系触媒を用い、大気圧,水蒸
気/炭素モル比2.0,LHSV1.3h-1,触媒層出口温
度700℃の条件で、水蒸気改質処理を行った。この際
各脱硫油の下記転化率はいずれも100%であった。
【0017】<転化率> 転化率(%)=100×B/A 〔ただし、Aは時間当たりの供給被処理油中の全炭素量
(モル流量)、Bは時間当たりの改質器出口ガス中の全
炭素量(モル流量)でB=CO+CO2 +CH4であ
る。〕によって算出した値である。なお、分析はガスク
ロマトグラフィー法による。 また、〔(炭素析出量の
長さ)/(全触媒層の長さ)〕×100で算出される炭
素析出率(%)は、実施例2:0.5%、比較例1:30
%、比較例2:5%であった。これにより、実施例1で
得られた燃料油を用いた実施例2は、炭素析出が極めて
抑制されていることが分かる。
【0018】実施例3及び比較例3,4 第1表に示す性状を有する実施例1で得られた燃料油
(実施例3)、市販のJIS1号灯油(比較例3)及び
分解系灯油(比較例4)を、それぞれ実施例2及び比較
例1,2と同様にして脱硫処理した。次に、上記各脱硫
油について、ルテニウム系触媒を用い、大気圧,水蒸気
/炭素モル比2.0,LHSV5.0h-1の条件で、かつ各
脱硫油の転化率を100%とするために、反応管の加熱
温度を変えて水蒸気改質処理を行い、その時の一酸化炭
素濃度(乾きガス組成、容量%)を求めた。その結果を
第2表に示す。
【0019】
【表2】
【0020】第2表から分かるように、実施例3では低
温で100%転化するが、比較例3及び比較例4は高温
が必要であり、反応性が低い。一酸化炭素濃度は20容
量%を超えると、下流の一酸化炭素変性工程、一酸化炭
素選択酸化工程を施しても、固体高分子型燃料電池に悪
影響を与えないレベルである10ppm以下に下げるこ
とは困難であるといわれている。転化率100%で、一
酸化炭素濃度が20容量%を超えないのは、実施例3の
みであった。 実施例4及び比較例5 第1表に示す性状を有する実施例1で得られた燃料油
(実施例4)及び分解系灯油(比較例5)を、それぞれ
脱硫処理することなしに、ルテニウム系触媒を用い、大
気圧,水蒸気/炭素モル比3,LHSV2.5h-1及び触
媒層出口温度750℃で水蒸気改質処理を行った。
【0021】その結果、実施例4は1500時間まで反
応したが、100%転化率を保持していた。一方、比較
例5は、400時間で転化率が100%以下になった。
この場合、触媒劣化は硫黄に起因するものである。この
ように、実施例1で得られた燃料油は、硫黄分濃度が低
く、脱硫処理しなくても1000時間を超える(実用に
耐える時間)性能を発揮し得ることが分かる。
【0022】
【発明の効果】本発明の燃料電池用燃料油は、改質触媒
や燃料電池電極に対して悪影響を及ぼすことなく、一酸
化炭素含有量の少ない水素を効率よく製造することがで
きる。また、この燃料油を改質処理して得られた水素ガ
スは、一酸化炭素含有量が少ないので、固体高分子型燃
料電池に適用するのが有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10G 45/44 C10G 45/44 45/50 45/50 C10L 1/16 C10L 1/16 1/18 1/18 B 1/22 1/22 B H01M 8/06 H01M 8/06 G Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EA07 EC03 4G069 AA15 BC60A BC60B BC68A BC68B BC70A BC70B CC07 CC32 4H013 CB02 4H029 CA00 DA00 5H027 AA02 AA06 BA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沸点140〜270℃の留分90容量%
    以上を含む炭化水素化合物の混合物からなり、芳香族化
    合物を実質上含まず、かつ該混合物を構成する炭素と水
    素のモル比(C/Hモル比)が多くとも0.5であること
    を特徴とする燃料電池用燃料油。
  2. 【請求項2】 ノルマルパラフィンとイソパラフィンと
    の合計含有量が55容量%以上である請求項1記載の燃
    料電池用燃料油。
  3. 【請求項3】 硫黄分濃度が0.5重量ppm以下である
    請求項1又は2に記載の燃料電池用燃料油。
  4. 【請求項4】 硫黄分濃度が0.1重量ppm以下である
    請求項3記載の燃料電池用燃料油。
  5. 【請求項5】 アミン系化合物及び/又はフェノール系
    化合物5〜100重量ppmを含有する請求項1〜4の
    いずれかに記載の燃料電池用燃料油。
  6. 【請求項6】 JIS1号灯油又はその相当品を、圧力
    10〜25MPa、温度200〜400℃の条件で、触
    媒の存在下に高圧水添処理して請求項1〜3のいずれか
    に記載の燃料油を製造する燃料電池用燃料油の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 触媒が、担体にニッケル及びタングステ
    ンを担持してなるものである請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれかに記載の燃
    料油を気化し、水蒸気と混合した後、脱硫処理を行うこ
    となく改質触媒に接触させることを特徴とする燃料電池
    用水素の製造方法。
  9. 【請求項9】 改質触媒がルテニウム系触媒である請求
    項8記載の燃料電池用水素の製造方法。
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