JP2001275677A - 核酸断片プライマーまたはプローブ、およびこれを用いたポリヒドロキシアルカノエート合成微生物の検出方法 - Google Patents

核酸断片プライマーまたはプローブ、およびこれを用いたポリヒドロキシアルカノエート合成微生物の検出方法

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JP2001275677A JP2000095008A JP2000095008A JP2001275677A JP 2001275677 A JP2001275677 A JP 2001275677A JP 2000095008 A JP2000095008 A JP 2000095008A JP 2000095008 A JP2000095008 A JP 2000095008A JP 2001275677 A JP2001275677 A JP 2001275677A
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哲哉 矢野
Takeshi Imamura
剛士 今村
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Sakae Suda
栄 須田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速、簡易かつ特異的に、しかも感度よくポ
リヒドロキシアルカノエート(PHA)合成微生物の存
在および優先度を検出する手段の提供。 【解決手段】 PHA合成酵素遺伝子検出用のプローブ
またはプライマーとして、配列表:1〜9に示す塩基配
列またはその相補的配列に基づき、少なくともその部分
配列を含む核酸断片を用いることで、目的とするPHA
合成酵素遺伝子を有するPHA合成微生物を検出する方
法、それに用いるプローブまたはプライマーを提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物由来のポリ
ヒドロキシアルカノエート(PHA)合成酵素遺伝子D
NAとハイブリダイズ可能な核酸断片、この核酸断片を
プライマーまたはプローブとして利用して、微生物由来
のPHA合成酵素遺伝子DNAを検出する方法、あるい
は、PHA合成酵素遺伝子DNAの塩基配列を決定する
方法、ならびに、前記微生物由来のPHA合成酵素遺伝
子DNAの検出により、PHA合成能を有する微生物の
検出またはスクリーニングを行う方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】これまで、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸
(PHB)あるいはその他のPHAを生産し、菌体内に
蓄積するPHA合成能を有する微生物に関して、多くの
報告がなされている(「生分解性プラスチックハンドブ
ック」,生分解性プラスチック研究会編,(株)エヌ・
ティー・エス,P178−197)。これらPHAなど
の微生物産生ポリマーは、従来の化学合成によるプラス
チックと同様に、溶融加工等により各種製品の生産に利
用することができる。さらに、PHAなどの微生物産生
ポリマーは、本来、生分解性であるがゆえに、自然界で
微生物により完全分解されるという利点を有している。
従って、従来用いられてきた、多くの合成高分子化合物
のように、廃棄した際、自然環境に残留して、環境汚染
を引き起こす懸念がない。また、微生物産生PHAの多
くは、生体適合性にも優れており、医療用軟質部材等と
しての応用も期待されている。
【0003】このような微生物産生PHAは、その生産
を行う微生物の種類、また、微生物の培養に用いる培地
組成、培養条件等により、その組成や構造が様々に変化
することも報告されている。これまで、主にPHAの物
性の改良を図るという目的で、前記する手段を利用し
て、産生されるPHAの組成や構造を制御する方法の研
究がなされてきた。
【0004】例えば、アルカリゲネス・ユウトロファス
・H16株(Alcaligenes eutropusH16, ATCC No.1769
9)ならびにその変異株は、その培養時の炭素源を変化
させることによって、3−ヒドロキシ酪酸(3HB)と
3−ヒドロキシ吉草酸(3HV)との共重合体を様々な
組成比で生産することが報告されている(特表平6−1
5604号公報、特表平7−14352号公報、特表平
8−19227号公報等)。
【0005】また、特許公報第2642937号では、
シュードモナス・オレオボランス・ATCC29347
株(Pseudomonas oleovorans ATCC29347)に、炭素源と
して非環状脂肪族炭化水素を与えることにより、炭素数
が6から12までの3−ヒドロキシアルカノエートをモ
ノマーユニットとするPHAを生産することが開示され
ている。
【0006】特開平5−74492号公報では、メチロ
バクテリウム属(Methylobacteriumsp.)、パラコッカ
ス属(Paracoccus sp.)、アルカリゲネス属(Alcalige
nessp.)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)の微
生物を、炭素数3から7の第一級アルコールに接触させ
ることにより、3HBと3HVとの共重合体を生産させ
る方法が開示されている。
【0007】特開平5−93049号公報および特開平
7−265065号公報では、アエロモナス・キャビエ
(Aeromonas caviae)を、オレイン酸やオリーブ油を炭
素源として培養することにより、3HBと3−ヒドロキ
シヘキサン酸(3HHx)の2成分共重合体を生産する
ことが開示されている。
【0008】特開平9−191893号公報では、コマ
モナス・アシドボランス・IFO13852株(Comamo
nas acidovorans IFO13852)が、炭素源としてグルコン
酸および1,4−ブタンジオールを用いた培養により、
3HBと4−ヒドロキシ酪酸とをモノマーユニットに持
つポリエステルを生産することが開示されている。
【0009】さらに、ある種の微生物では、様々な置換
基、例えば、不飽和炭化水素、エステル基、アリール基
(芳香環基)、シアノ基、ハロゲン化炭化水素、エポキ
シド等が導入されたPHAを生産することが報告されて
おり、このような手法によって微生物産生PHAの物性
改良を目指す試みもなされ始めている。例えば、Mak
romol.Chem.,191,1957−196
5,1990、Macromolecules,24,
5256−5260,1991、Chirality,
3,492−494,1991等では、シュードモナス
・オレオボランスが3−ヒドロキシ−5−フェニル吉草
酸(3HPV)をモノマーユニットとして含むPHAを
生産することが報告されており、3HPVが含まれるこ
とに起因すると思われる、ポリマー物性の変化が認めら
れている。
【0010】上述するように、多くの微生物がポリ−3
−ヒドロキシ酪酸(PHB)あるいはその他のPHAを
生産し、菌体内に蓄積することが報告されいるが、微生
物が産生するPHAの特性は、PHA合成微生物の多様
性に依るところが大きい。従って、PHA合成能の多様
性を示す、種々のPHA合成微生物を検出し、さらにこ
れらの検出されたPHA合成微生物多数から、目的とす
るPHA合成能を示す菌株を効率良くスクリーニングす
ることが必要となる。
【0011】その際、PHA合成微生物の検出あるいは
スクリーニングを行う手段として、従来から幾つかの方
法を利用されている。PHA合成能を直接的に検証する
手段としては、種々の分離培養法が用いられている。一
般的には、特別な培地、例えば、特定の基質のみを添加
した培地による選択培養を行うことが多い。この選択培
養の方法は、簡便であるため広く用いられるが、目的と
するPHA合成能を有する菌株のみが必ずしも選択され
るとは限らない。すなわち、分離培養法における、PH
A合成の有無を調べる方法としては、例えば、スダンブ
ラックBにより染色する方法(Archives of Biotechnol
ogy,71巻,283頁,1970年)、位相差顕微鏡
によりPHAの蓄積を調べる方法などが用いられてい
る。しかしながら、PHA合成能を示す菌以外にも、ス
ダンブラックBにより染色される他の菌が存在する可能
性もあり、厳密にはこの染色のみをその指標とすること
はできない。
【0012】そのため、スダンブラックB染色法で選別
した菌株個々について、さらに、詳細な形態学的、ある
いは生化学的な性状を検査する必要がある。形態学的、
あるいは生化学的な性状に基づき、目的とする菌を検
出、選抜するには、熟練と経験を要し、しかも、その手
法自体、手順が煩雑であり、また時間がかかる。このよ
うに、スダンブラックB染色法を基礎とする菌の選択
は、種々の実用面での問題を含むものである。また同様
に、位相差顕微鏡によりPHAの蓄積を調べる方法も、
PHA蓄積の判定には熟練と経験を要し、その確度に問
題があり、加えて、手法が煩雑であることも、実用上の
大きな課題である。
【0013】これらPHA合成自体を判定して、PHA
合成能の有無を検出する方法に代わる手法として、PH
A合成に係わるPHA合成酵素遺伝子の有無を検出する
方法が考えらる。すなわち、PHA合成酵素遺伝子に特
異的な核酸の塩基配列を、それに相補的な塩基配列を持
つオリゴヌクレオチドプライマーあるいはプローブを利
用して検出し、PHA合成酵素遺伝子を持つ菌株のみを
選別する方法が考えられる。
【0014】PHA合成酵素遺伝子については、既にい
くつかの菌株でその塩基配列が解明され、報告されてい
る(Peoples, O. P. and Sinskey,A. J., J. Biol. Che
m.,264, 15293 (1989);Huisman, G. W. et al., J. Bi
ol. Chem., 266, 2191 (1991);Pieper,U. et al., FEM
S Microbiol. Lett., 96, 73 (1992);Timm, A. andSte
inbuchel, A., Eur. J. Biochem., 209, 15 (1992);Ma
tsusaki, H. et al., J. Bacteriol., 180, 6459 (199
8))。また、これら既知の塩基配列を参照して、保存度
の高い領域を選択し、オリゴヌクレオチドを設計した例
としては、Timm, A. and Steinbuchel, A., Eur. J. Bi
ochem., 209, 15 (1992)により報告された配列が挙げら
れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述するように、PH
A合成微生物を効率よく検出し、さらに目的とするPH
A合成能を有する菌株をスクリーニングするためには、
その微生物の土壌中での存在および優占度や生育状況を
知る必要がある。その際、微生物を特異的に検出、計測
できる方法が必要であるが、従来の検出手段である、ス
ダンブラックB染色を利用する選択培地による培養や、
位相差顕微鏡を利用するPHA合成の判定は、その特異
性、感度、簡便さ、検出およびスクリーニングに要する
時間などの点で実用面で問題が多い。特に、十分な確度
で判定を下すには、熟練と経験を要するため、PHA合
成微生物を効率よく検出およびスクリーニングする手段
としては、必ずしも適するものではなかった。
【0016】それに代えて、PHA合成酵素遺伝子の有
無を検出する方法は、高い確度を持つ有力な手段と考え
られる。PHA合成酵素遺伝子検出用のプローブまたは
プライマーの提案はなされているものの、目的とするP
HA合成微生物の検出およびスクリーニング手段として
用いるため、PHA合成微生物に選択的かつPHA合成
微生物に幅広く共通なプローブまたはプライマーの選択
は、現在においても最も困難な課題として存在してい
る。
【0017】本発明は、前記の課題を解決するもので、
本発明の目的は、迅速、簡易かつ特異的に、しかも感度
よくPHA合成微生物の存在および優占度を検出する手
段、すなわち、PHA合成酵素遺伝子検出用のプローブ
またはプライマーとして利用可能であり、PHA合成微
生物に対して高い選択性を持ち、また、PHA合成微生
物の間では、幅広く共通的に用いることができる核酸断
片の提供、ならびに前記の核酸断片をプローブまたはプ
ライマーとして利用するPHA合成酵素遺伝子の検出、
ならびにスクリーニングを行う方法の提供を行うことに
ある。加えて、本発明は、前記のPHA合成酵素遺伝子
の検出に続き、前記の核酸断片をプライマーとして用い
る、PHA合成酵素遺伝子の塩基配列を決定する方法の
提供をも、その目的に含むものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、従来提案されている塩基配列と比較し
て、PHA合成酵素遺伝子検出用のプローブまたはプラ
イマーにより適する塩基配列の選択を進めた。また、本
発明者らは、このPHA合成酵素遺伝子検出は、土壌中
からPHA合成能を有する新規な微生物を分離する際、
より広い範囲のPHA合成微生物に対して、そのPHA
合成酵素遺伝子の存在を検出可能となるように、新たに
プローブまたはプライマーとして利用できる塩基配列の
選択を進めた。その結果、数種の塩基配列を選択し、こ
れらの塩基配列、あるいは、その相補的な塩基配列から
なるDNA断片は、PHA合成能を示す新規な微生物に
対して、その染色体DNA中に存在するPHA合成酵素
遺伝子と高い選択性でハイブリダイズでき、各種のハイ
ブリダイゼーション法に用いるプローブ、あるいは、ポ
リメラーゼ連鎖反応(PCR:Polymerase Chain Reactio
n)によるPCR増幅産物の採取に用いるプライマーと
なることを見出した。このいずれかの手法を用いること
より、PHA合成酵素遺伝子の存在を極めて高い確度で
検出でき、有効なPHA合成微生物の検出手段となるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0019】すなわち、本発明の核酸断片は、PHA合
成能を有する新規な微生物、その微生物が有するPHA
合成酵素遺伝子を検出するために、プローブまたはプラ
イマーとして利用できる塩基配列を有する人為的に調製
される核酸断片である。より具体的には、本発明の核酸
断片は、配列番号:1〜9に示す塩基配列、またはその
相補的な塩基配列、あるいは、これらの塩基配列に基づ
き変異が施された改変配列の何れかから選ばれる核酸断
片である。また、プローブまたはプライマーとする際に
は、本発明の核酸断片は、前記の特定の塩基配列を有す
る核酸断片、あるいはその塩基配列中の部分配列からな
る核酸断片からなるプライマーまたはプローブとして利
用可能な核酸断片の形態とされる。
【0020】加えて、本発明の核酸断片は、そのハイブ
リダイゼーション特性を維持する範囲で、塩基配列の実
質的な相同性を保ちつつ、若干の変異を有してもよく、
例えば、その非本質的な変異として、配列番号:1〜9
に示す塩基配列、またはその相補的な塩基配列に基づき
施される変異が、塩基配列の一部欠失、余剰な塩基また
は塩基配列の付加、または塩基配列中の塩基または部分
配列を他の塩基あるいは塩基配列により置換、もしく
は、これらの変異を複合して施したものである改変配列
の核酸断片とすることができる。
【0021】本発明のプライマーは、上記する塩基配列
からなるプライマーとして利用可能な核酸断片を含むプ
ライマーであって、付加的な修飾として、前記核酸断片
の分子上に結合する標識物、または/および固相担体と
結合可能な部位が導入されていてもよい。同じく、本発
明のプローブは、上記する塩基配列からなるプローブと
して利用可能な核酸断片を含むプローブであって、付加
的な修飾として、前記核酸断片の分子上に結合する標識
物、または/および固相担体と結合可能な部位が導入さ
れていてもよい。
【0022】本発明のプライマーは、例えば、PCR増
幅におけるプライマー対に利用でき、その場合には、塩
基配列に実質的な差異のある二種の核酸断片の組み合わ
せからなるプライマーであって、前記二種の核酸断片の
少なくとも一つは上に記載される本発明のプライマー用
核酸断片であり、二種の核酸断片はそれぞれ、その分子
上に標識物、または/および固相担体と結合可能な部位
が導入されていてもよいプライマーとする。
【0023】本発明のプライマーは、前記のPCR増幅
におけるプライマー対のみでなく、例えば、mRNAに
対するcDNA調製用のプライマーにも利用できるが、
いずれの用途においても、上記する改変塩基配列のプラ
イマー用核酸断片を利用することもできる。改変塩基配
列のプライマー用核酸断片を利用する場合、用いる上述
する本発明のプライマー用核酸断片の塩基配列は、配列
番号:1〜9に示す塩基配列またはその相補的な塩基配
列に基づき、塩基配列の一部欠失、余剰な塩基または塩
基配列の付加、または塩基配列中の塩基または部分配列
を他の塩基あるいは塩基配列により置換、もしくは、こ
れらの変異を複合して施した改変塩基配列であることを
特徴とするプライマーとすることができる。
【0024】本発明のプライマーまたはプローブは、上
述するように付加的な修飾を施すことができる。従っ
て、その際、付加的な修飾が施された核酸断片を少なく
とも一種含み、前記の核酸断片の一種における付加的な
修飾は、標識物または固相担体と結合可能な部位の、核
酸断片の5' 末端側への導入であることを特徴とするプ
ライマーまたはプローブとすることができる。
【0025】例えば、このような付加的な修飾として、
分子上に導入される標識物または固相担体と結合可能な
部位が、ビオチン残基、2,4 - ジニトロフェニル基、ジ
ゴキシゲニン残基のいずれかであることを特徴とするプ
ライマーまたはプローブとすると好ましい。
【0026】さらに、本発明のPHA合成微生物の検出
方法は、上で述べた塩基配列の本発明の核酸断片、プラ
イマーまたはプローブとして利用可能な核酸断片の形
態、ないしは、配列の変異が、塩基配列の一部欠失、余
剰な塩基または塩基配列の付加、または塩基配列中の塩
基または部分配列を他の塩基あるいは塩基配列により置
換、もしくは、これらの変異を複合して施したものであ
る改変配列の核酸断片、これらのいずれかである本発明
による核酸断片の少なくとも一種をプローブとして用い
ることを特徴とするPHA合成微生物の検出方法とでき
る。あるいは、上で述べた塩基配列の本発明の核酸断
片、プライマーまたはプローブとして利用可能な核酸断
片の形態、ないしは、配列の変異が、塩基配列の一部欠
失、余剰な塩基または塩基配列の付加、または塩基配列
中の塩基または部分配列を他の塩基あるいは塩基配列に
より置換、もしくは、これらの変異を複合して施したも
のである改変配列の核酸断片、これらのいずれかである
本発明による核酸断片の少なくとも一種をプライマーと
して用いることを特徴とするPHA合成微生物の検出方
法とすることもできる。
【0027】例えば、本発明のPHA合成微生物の検出
方法は、先に記載する本発明のプライマーを用い、下記
(1)〜(4)に記載する4工程: (1)PHA合成微生物の有無を検出したい試料を準備
する工程 (2)必要に応じて、試料中の菌体の破砕処理を行う工
程 (3)試料中に前記プライマーを加え、プライマーの伸
張反応を行う工程 (4)工程(3)で得られた伸張反応物について検出操
作を行う工程 前記工程(1)、工程(3)、工程(4)と必要に応じ
て工程(2)を含むことを特徴とするPHA合成微生物
の検出方法とすると好ましい。特に、上に記載する二種
の核酸断片の組み合わせからなるプライマーを用いるこ
とを特徴とするPHA合成微生物の検出方法として実施
するより好ましい。すなわち、工程(3)のプライマー
の伸張反応がポリメラーゼ連鎖反応によりなされること
を特徴とするPHA合成微生物の検出方法として実施す
ると一層好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の核酸断片は、配列番号:
1〜9に示す塩基配列、またはその相補的な塩基配列を
実質的に保持し、PHA合成能を示す微生物各種に対し
て、その染色体DNA中に存在するPHA合成酵素遺伝
子と高い選択性でハイブリダイズできる特性を有するも
のである。配列番号:1〜9に示す塩基配列はいずれ
も、その配列長は、23〜27塩基と、おおよそ25塩
基からなるものである。本発明の核酸断片は、この塩基
配列またはその相補的な塩基配列を実質的に保持する一
本鎖のDNA分子として、PHA合成酵素遺伝子二重鎖
DNAのいずれかの鎖に選択的にハイブリダイズする。
【0029】以下に、本発明の核酸断片、そのプローブ
あるいはプライマーとしての利用形態、ならびに、プロ
ーブあるいはプライマーに用いたPHA合成微生物の検
出方法について、より詳しく説明する。
【0030】<核酸断片>本発明の核酸断片は、上述す
るとおり、配列番号:1〜9に示される核酸配列、また
はその相補的な塩基配列を有する核酸、あるいは、これ
らの塩基配列に基づき変異が施された改変配列の何れか
から選ばれる塩基配列を実質的に有する核酸断片であ
る。すなわち、本発明の核酸断片は、プライマーあるい
はプローブとして利用する際、その用途に応じて、その
配列の長さを10〜50塩基の長さとする一本鎖の核酸
断片である。
【0031】従って、プライマーとして利用する際に
は、配列番号:1〜9に示す塩基配列はいずれも、その
配列長は、23〜27塩基と、おおよそ25塩基からな
るものであるが、例えば、その部分塩基配列を選択し、
最小の全長10塩基の核酸断片、または、その相補的な
塩基配列を有する最小の全長10塩基の核酸断片とする
こともできる。一方、プローブとして利用する際には、
例えば、おおよそ25塩基からなる塩基配列に付加的な
塩基配列を連結して、最大全長50塩基の核酸断片、ま
たは、相補的なおおよそ25塩基からなる塩基配列に付
加的な塩基配列を連結して、最大全長50塩基の核酸断
片とすることができる。なお、本発明の核酸断片におい
て、配列番号:1〜9で示す塩基配列またはその相補的
な塩基配列に基づき、その部分塩基配列のみを用いる場
合には、その部分塩基配列のみでも、PHA合成微生物
に特異的であり、他の細菌に相同性の少ない部分を選択
することが好ましい。
【0032】あるいは、配列番号:1〜9で示す塩基配
列またはその相補的な塩基配列に基づき、実質的にPH
A合成酵素遺伝子に対するハイブリダイゼーション能を
残す範囲で、一部塩基配列に置き換え、付加・挿入、欠
失を有してもよい。例えば、本発明の核酸断片を、PC
R反応に用いるプライマーとする際、プライマー相互が
ハイブリダイゼーションを起こさないように、PHA合
成酵素遺伝子に対するハイブリダイゼーション能を保持
する範囲内で、塩基の置き換え、末端配列の除去などの
変異操作を施したものとすることができる。また、PC
R反応などにより二重鎖DNAを形成した際、本発明の
核酸断片に由来する部分に、制限酵素による切断配列を
含むように、塩基配列に置き換え、付加・挿入などの操
作を施したものとすることができる。あるいは、一般
に、ミックスプライマーとしてに用いられる際には、塩
基配列中にコードされるアミノ酸配列が一致する範囲
で、コドン縮退の範囲に応じて塩基の置き換えを行い、
互いに類似する塩基配列を有する複数種の混合物とする
こともできる。
【0033】なお、前記する塩基配列の改変、または付
加・挿入は、その変更に伴い、目的とするPHA合成酵
素遺伝子以外の遺伝子との高いハイブリダイゼーション
能を誘起しないように選択するとよい。例えば、PHA
合成酵素遺伝子を保持する微生物において、アルカン酸
の代謝反応に関与するその他の酵素蛋白質の遺伝子との
高いハイブリダイゼーション能を誘起する塩基配列を導
入するなど、選択性を損なう懸念のある改変とならない
ように選択するとよい。また、PHA合成酵素遺伝子自
体は保持しないが、アルカン酸の代謝能を有する微生物
において、アルカン酸の代謝反応に関与するその他の酵
素蛋白質の遺伝子との高いハイブリダイゼーション能を
誘起する塩基配列を導入するなど、選択性を損なう懸念
のある塩基配列の変異とならないように選択するとよ
い。
【0034】本発明における核酸断片は、上述するよう
に、例えば一部の塩基もしくは塩基配列の欠失、置換、
付加などが施された塩基配列であり、プローブまたはプ
ライマーとしての使用形態・目的に応じて、10〜50
塩基の長さの核酸断片とすることができる。特に、核酸
断片をプライマーとして利用する場合には、PHA合成
酵素遺伝子を鋳型としてプライマーの伸張反応を行う
が、通常、その伸張反応に大きな影響を与えると考えら
れる3'末端付近の変異とならないようにするか、あるい
は、3'末端付近の変異があっても、その変異を施す塩基
数を最小限にとどめることが好ましい。従って、より好
適には、付加的な塩基配列などの、本来のハイブリダイ
ゼーション能を補完・増進する作用を有さない変異を導
入する際には、5'末端付近でその変異があるようにす
る。
【0035】また、本発明の核酸断片を利用したプライ
マーまたはプローブにおいては、上記する10〜50塩
基の長さの核酸断片からなり、そのDNA分子上に標識
物または(および)固相担体と結合可能な部位が導入さ
れ、修飾がなされた核酸断片であってもよい。下で述べ
るように、この標識物または(および)固相担体と結合
可能な部位は、本発明のプライマーまたはプローブを含
む二本鎖DNA断片、または、ハイブリダイゼーション
したDNA複合体を、係る標識物または(および)固相
担体と結合可能な部位を利用して、検出または固定化す
る役割を有する。この付加的な修飾は、本発明の核酸断
片を利用したプライマーまたはプローブのPHA合成酵
素遺伝子に対するハイブリダイゼーション能を損なわな
い限り、その導入部位に特に制限はない。
【0036】このような必要に応じて標識物または固相
担体と結合可能な部位が導入されたプライマーは、例え
ば、このプライマーを利用し、PHA合成酵素遺伝子を
鋳型とした3'末端の伸張反応を行って、PHA合成微
生物の検出を行う。すなわち、標識物または固相担体と
結合可能な部位が導入可能な位置は、プライマーの伸張
反応を妨げない位置ならばどこでもよいが、可能であれ
ば、5'末端に導入することが好ましい。また、プロー
ブを利用した検出を行う場合、一般に、プローブ3'末
端への伸張反応は利用しない。従って、プローブの標識
物または固相担体と結合可能な部位が導入可能な位置
は、3'末端や5'末端の水酸基部分、さらには塩基部分
やりん酸ジエステル部分などを用いることもできる。ま
た、プローブの塩基配列自体やその長さなどを考慮し、
ハイブリダイゼーションの妨げにならない位置に導入す
ることが望ましい。例えば、プローブの塩基配列の全体
中、ハイブリダイゼーションに主に関与する配列番号:
1〜9で示す塩基配列またはその相補的な塩基配列に基
づく部分を除く、付加的な塩基配列部分をその導入位置
に利用することも望ましい。
【0037】本発明の核酸断片は、本来プライマーまた
はプローブとして利用されるので、その使用に際して
は、一本鎖DNAとするが、調製に際しては、互いに相
補的な塩基配列を有する一本鎖DNAが結合した二本鎖
DNAの形状をとってもよい。これら本発明の核酸断
片、あるいはその部分塩基配列は、合目的的な形態に、
任意の方法により調製することができる。核酸断片の塩
基配列に従って、例えば、後述する実施例に記載する方
法に従い、塩基配列全部または一部を化学合成してもよ
い。あるいは、化学合成したプライマーを利用して、PC
R法で増幅し、増幅断片をそのまま、または、増幅断片
から切断した部分断片を、プローブとして用いることも
可能である。さらには、本発明の核酸断片により一旦検
出されたPHA合成微生物の遺伝子から、所定の領域を
制限酵素などを利用して直接切り出して、調製すことも
可能である。また、それらの遺伝子をE.coli などのプ
ラスミドにクローニングし、菌の増殖の後にプラスミド
を回収し、所定の領域を切り出して利用することも可能
である。
【0038】<標識物および固相担体と結合可能な部位
>上記核酸断片をプローブまたはプライマーとして利用
する場合、前記標識物として、放射性物質、非放射性物
質のどちらを用いてもよい。放射性物質を用いる際に
は、例えば、リン酸エステル部に、放射性の同位体を含
むものとするとよい。非放射性の標識物としては、直接
検出可能な標識として、フルオレセイン誘導体、ローダ
ミンおよびその誘導体などの蛍光物質、化学発光物質、
遅延蛍光物質などがあげられる。また、標識物と特異的
に結合する物質を利用し、間接的に標識物を検出するこ
とも可能である。こうした間接的に検出可能な標識物と
しては、ビオチン、ハプテンなどがあげられる。例え
ば、ビオチンの場合には、アビジンあるいはストレプト
アビジンを、ハプテンの場合には、これに特異的に結合
する抗体を検出に利用する。標識に利用するハプテンと
しては、2,4-ジニトロフェニル基を有する化合物やジゴ
キシゲニンなどを使うことができる。これらの標識物
は、いずれも単独あるいは必要に応じ複数種を組み合わ
せて、プローブまたはプライマーに導入することも可能
である。
【0039】固相担体と結合可能な部位は、例えば、サ
ンドイッチハイブリダイゼーションなど核酸の特定断片
を固相担体に特異的に結合する場合に利用する。その
際、該固相担体と選択的に結合可能なものであれば何で
あってもよい。例えば、ビオチンあるいはフルオレセイ
ン、2,4-ジニトロフェニル基を有する化合物やジゴキシ
ゲニンなどのハプテンがあげられる。これらは、固相担
体の種類に応じて、いずれも単独あるいは必要に応じ複
数種を組み合わせて、プローブまたはプライマーに導入
することが可能である。なお、本発明の核酸断片、プラ
イマーまたはプローブに施される、標識物または/およ
び固相担体と結合可能な部位の導入による付加的な修飾
は、上で述べた例示に限られるものではない。
【0040】本発明のPHA合成微生物の検出方法は、
上記する本発明の核酸断片からなるプライマーまたはプ
ローブを利用する方法である。
【0041】<プローブを用いた検出法>プローブを用
いた本発明のPHA合成微生物の検出法は、上記の塩基
配列を有する核酸断片であって、標識物または(およ
び)固相担体と結合可能な部位が導入されてもよい核酸
断片からなる本発明のプローブの少なくとも一種を用い
ることを特徴とする方法である。一般的に、プローブを
用いた検出法としては、ドットハイブリダイゼーショ
ン、サザンハイブリダイゼーション、in situ ハイブリ
ダイゼーションの形態があり、上記標識を施した核酸断
片を使用し、常法どおりハイブリダイゼーションを行う
ことができる。また、in situ ハイブリダイゼーション
においても、本発明の核酸断片を検出に供することが可
能である。
【0042】また、ハイブリダイゼーション操作の簡易
化のためにサンドイッチハイブリダイゼーションを基本
とする手法が開発されており、この手法を応用して、本
発明の核酸断片を固定プローブ等に利用してPHA合成
微生物の検出を行うことができる。
【0043】多くの場合、PHA合成酵素遺伝子とのハ
イブリダイゼーションにより、検出を行うが、PHA合
成酵素遺伝子から転写されたmRNA、あるいは、その
cDNAとのハイブリダイゼーションにより、検出を行
ってもよい。
【0044】<プライマーを用いた検出法>プライマー
を用いた本発明によるPHA合成微生物の検出法は、上
記の塩基配列を有する核酸断片であって、標識物または
(および)固相担体と結合可能な部位が導入されてもよ
い核酸断片からなる本発明のプローブの少なくとも一種
を用いることを特徴とする方法である。より好ましい例
としては、後述するような二種の異なるプライマーを利
用して、遺伝子増幅反応により試料中の微量核酸断片を
増幅するPCR(Polymerase Chain Reaction)法を応用す
る検出法である。ここで、二種のプライマーを用いる
際、プライマーの形態としては、例えば、二種のプライ
マーともになんらの修飾もされていないもの、二種のプ
ライマーのうち少なくとも一方に検出可能な標識または
固相担体と結合可能な部分が導入されたもの、二種のプ
ライマーのうち、一方には標識物が導入され、他方には
固相担体と結合可能な部位が導入されたもの、二種のプ
ライマーともに固相担体と結合可能な部分が導入された
もの、などがあげられる。
【0045】本発明によるPHA合成微生物の検出方法
は、前記したような本発明によるプライマーを少なくと
も一種、好ましくは、二種のプライマー組み合わせから
なるプライマー対を用いて、以下のように実施すること
ができる。 (1)PHA合成微生物の有無を検出したい試料を準備
する工程、(2)必要に応じて、試料中の菌体の破砕処
理を行う工程、(3)試料中に上記プライマーを加え、
プライマーの伸張反応を行う工程、(4)工程(3)で
得られた伸張反応物について検出操作を行う工程、前記
の工程(1)、(3)、(4)、さらに、必要に応じ
て、工程(2)を含む一連の工程により実施される。
【0046】すなわち、試料中に含まれる多種の核酸断
片、遺伝子DNAなどから、本発明のプライマーと相補
的な塩基配列を有するものの有無を、それを鋳型とし
て、プライマーの伸張反応による反応物の生成を検出す
ることにより行う方法である。この時、プライマーの伸
張反応に、PCR法を応用すると、反応生成物の選択的な
増幅が行われるので、より高い検出感度が達成される。
加えて、増幅産物の分子量(塩基長)も所定量となり、
検出がより容易となる。
【0047】工程(4)における、プライマーの伸張反
応により増幅された核酸断片の検出は、電気泳動、ある
いはハイブリダイゼーションなどの通常用いられる方法
を利用してもよい。また、遺伝子の増幅反応において、
それぞれのプライマーに別々の標識を導入しておき、増
幅反応後、反応生成物を固相担体に吸着し、反応生成物
を選択的に検出する方法などを用いることも可能であ
る。
【0048】前記の固相担体としては、ポリスチレンボ
ール、アガロースビーズ、ポリアクリルビーズ、ラテッ
クス、ミクロタイターウェルなどの固相材料に、プライ
マー中に導入された結合部位を捕捉可能であるような、
ストレプトアビジン、抗体などを導入したものがあげら
れる。例えば、ビオチンが導入されたプライマーからの
PCR産物を捕捉するには、ストレプトアビジンを固相に
結合した担体を、フルオレセインなどが導入されたプラ
イマーからの伸張反応物を捕捉するには、フルオレセイ
ンなどに対する抗体を固相に結合した担体を、それぞれ
用いればよい。さらに、固相担体を微粒子とすることに
より、目的とする反応生成物の核酸断片を凝集、あるい
は沈澱形成の有無により、簡便に判定することもでき
る。
【0049】また、二種のプライマーとして、一方のプ
ライマーに固相担体と結合可能な部位を、他方のプライ
マーに標識物を導入したものを用いて、伸張反応を行っ
た反応物を固相担体と接触させた後に、固相担体と結合
しない不純物を適当な溶媒で洗浄除去する手法が考案さ
れている。この手法を利用すると、固相担体と結合可能
な部位を保有する目的とする核酸断片は、さらに標識物
を持つ形で該固相担体に固定され、一層特異的に検出さ
れる。これら固相担体に固定された核酸断片について、
その標識物質の実際の検出は、使用する標識物質に応じ
て一般的な手法を用いればよい。例えば、標識物質がラ
ジオアイソトープであれば、そのまま放射活性を測定す
ればよい。また、例えば、ビオチンであれば、アビジン
−酵素結合体、あるいは、ハプテンであれば、抗体−酵
素結合体を用いて、前記結合体の酵素に対してAMPPDな
どの基質と反応させ、その酵素量(酵素活性)を色的、
蛍光的手段により検出すればよい。
【0050】また、プライマーの伸長反応、例えば、遺
伝子のPCR増幅反応に用いる酵素、反応条件などにつ
いては様々な手法が考案されている。本発明の核酸断片
は、その基となる配列番号:1〜9に示す塩基配列に示
す塩基配列は、それら種々のPCR法のいずれに対して
も、プライマーに利用するのに十分な長さおよび塩基配
列を有している。従って、種々のPCR法のいずれを適用
する場合にも、上述するような付加的な修飾、塩基長の
調整、変異の導入などを必要に応じて施し、本発明の核
酸断片をプライマーに用いることで、PHA合成微生物
の検出を行うことができるものである。
【0051】本発明の核酸断片は、その基となる配列番
号:1〜9に示す塩基配列に示す塩基配列中に一箇所ま
たは複数位置に、複数種の塩基を選択肢とする箇所を有
している。従って、配列番号:1〜9に示す塩基配列
は、前記の選択肢の組み合わせにより、それぞれ互いに
相同性を持つ一群の塩基配列を構成する。本発明の核酸
断片は、前記の互いに相同性を持つ一群の塩基配列から
選択される塩基配列を有するものである。プライマーあ
るいはプローブに用いる際には、配列番号:1〜9に示
す塩基配列で示される、いずれかの相同性を持つ一群か
ら選択される塩基配列を有する1種類の核酸断片を用い
ることもできる。あるいは、個々の相同性を持つ一群か
ら選択される、互いに相同性を持つ複数種の核酸断片を
混合して用いてもよい。さらには、いわゆるミックス・
プライマーと称される混合物、すなわち、相同性を持つ
一群を構成する塩基配列のものを全て含むものを用いる
こともできる。すなわち、本発明においては、配列番
号:1〜9に示す塩基配列を有する核酸断片とは、前記
するように、単一種のもの、互いに相同性を持つ複数種
の混合物、さらには、選択肢の組み合わせにより構成さ
れる互いに相同性を持つ塩基配列を持つ一群全体、これ
らの形態全てを包含する。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、以下に述べる実施例は本発明の最良の
実施形態の一例ではあるものの、本発明の技術的範囲
は、これら実施例に限定されるものではない。
【0053】(実施例1) プライマーの特異性の評価
−1 本発明のプライマーは、PHA合成微生物の検出が可能
な特異性を示すことを検証した。その一例として、本発
明のプライマーを利用して、PCR法により、PHA合成
微生物の遺伝子DNAを鋳型として、目的とするPHA
合成酵素遺伝子の部分塩基配列を検出した例を以下に示
す。
【0054】PHA合成能を持たない既知の二菌株;E.
coli JM109およびJ1(FERM BP-5352)、PHA合成能を
有する四菌株;P.cichorii YN2(FERM P-17411)、P.ci
chorii H45(FERM P-17410)、P.putida P91(FERM P-1
7409)、P.jessenii P161(FERM P-17445)の計6種の
細菌を対象として、PHA合成微生物の検出における特
異性を検証した。すなわち、この6種の細菌それぞれに
ついて、常法により各種細菌よりDNAを調製したものを
試料とし、PCR法によりプライマーの特異性を評価し
た。
【0055】本実施例において、配列番号:1〜9に示
す塩基配列に基づき作製される、配列番号:1〜4、6
〜8に示す塩基配列を有するミックス・プライマー7種
と配列番号:5、9に相補的な塩基配列を有するミック
ス・プライマー2種を用いて、PCR増幅産物を取得し
た。具体的には、合成委託した、下記するフォワード・ プライマー7種(アマシャム・ファルマシア・バイオテ
ク社); (配列番号:1): 5'- GCCTCKGAAAACACCYTGGGSCT -3' (配列番号:2): 5'- TGACCGARGCCWTSGCSCCGACC -3' (配列番号:3): 5'- AGCCTGGCGCGSTTCTGCCTGCGC -3' (配列番号:4): 5'- GGCGARAASAAGGTCAAYGCCYTSACC -3' (配列番号:6): 5'- TGCAGGCCTAYCTGRSCTGGCAGAA -3' (配列番号:7): 5'- CCAGTACRYSCTSAARAAYGGCCTG C -3' (配列番号:8): 5'- CTGGACTTCTTCAAGCWCAACCCG -3' ならびに、下記するリバース・プライマー2種(アマシ
ャム・ファルマシア・バイオテク社); (配列番号:5の相補鎖): 5'- CAGCCACCAGGARTCGGYRTGCTTG -3' (配列番号:9の相補鎖): 5'- ATGCTCTGSAYRTGVCCGCTGTTGG - 3' (但し、K=GまたはT、 Y=CまたはT、 S=Gまたは
C、 R=AまたはG、 W=AまたはT、 B=T、Gまたは
C、 V=A、GまたはC を意味する)を用いた。
【0056】PCR用プライマーの組み合わせとしては、
前記配列番号:1〜4の塩基配列を持つフォワード・プ
ライマー4種に配列番号:5の相補鎖塩基配列を持つリ
バース・プライマーを組み合わせる4種のプライマー組
み合わせ、ならびに、前記配列番号:6〜8の塩基配列
を持つフォワード・プライマー3種に配列番号:9の相
補鎖塩基配列を持つリバース・プライマーを組み合わせ
る3種のプライマー組み合わせ、合計7種類の組み合わ
せとした。
【0057】PCRは、市販の酵素系、AmpliTaq DNA poly
merase(宝酒造)のキットを利用して、以下の反応溶液
組成ならびに条件で行った。
【0058】50pmol/μl濃度の上記二種のプライマーを
それぞれ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝液を5μl、酵
素に添付のdNTP混合溶液を5μl、試料DNAを10ng加え、
さらに水を加えて反応溶液全量を50μlとした。これ
に、AmpliTaq DNA polymerase(宝酒造)を1unit加え
た。
【0059】反応条件は、反応溶液を95℃に加温して5
分間保持した後、95℃・20秒、60℃・30秒、72℃・60秒
を1サイクルとし、この条件で、15サイクルの反応を行
い、さらに、95℃・20秒、55℃・30秒、72℃・60秒を1
サイクルとし、この条件で、20サイクルの反応を行
い、その後、72℃で5分間保温した。反応終了後、反応
溶液50μlより2μlを分取し、アガロースゲル電気泳
動、エチジウムブロマイド染色を行い、増幅産物の核酸
鎖の検出を行った。
【0060】その結果、PHA合成能を持たない既知の
二菌株;E.coli JM109およびJ1(FERM BP-5352)では、
いかなる増幅産物も検出されなかった。一方、PHA合
成微生物においてのみ、上記PCR用プライマーの組み合
わせ7種類のいずれにおいても、それぞれ増幅産物とし
て、明瞭な一本のバンドが確認できた。なお、上記のP
HA合成微生物4種ともに、PCR用プライマーの組み合
わせ7種類それぞれに対して、得られるPCR増幅産物
の断片長は、相互に一致しており、下記表1に示す断片
長であった。すなわち、この合計7種のプライマー組み
合わせは、それぞれ4種のPHA合成微生物に由来する
PHA合成酵素遺伝子から、互いに対応する部分塩基配
列を増幅しているため、PCR増幅産物は、ほぼ同じ塩
基対を有するものであった。以上の結果から、本実施例
に用いた9種のプライマーはいずれも、PHA合成微生
物の検出に適用可能な特異性を示すものであることが確
認された。
【0061】
【表1】
【0062】(実施例2) プライマーの調製 本発明の核酸断片の一例として、標識物あるいは固相担
体と結合可能な部位が導入されているプライマー、なら
びに、標識物あるいは固相担体と結合可能な部位の導入
されていないプライマーについて、それぞれ化学合成法
により調製した。
【0063】先ず、標識物あるいは固相担体と結合可能
な部位がいずれも導入されていない核酸断片は、一本鎖
DNAとして、DNA自動合成機モデル381A(パーキンエ
ルマー)を用いて、ホスホアミダイト法により0.2μmol
スケールで合成を行った。目的の核酸断片は、原料等の
混入物を除去するため、OPCカートリッジ(パーキンエ
ルマー)により精製した。
【0064】また、標識物あるいは固相担体と結合可能
な部位が導入されているプライマーの一例として、その
塩基配列の5'末端に標識物あるいは固相担体と結合可
能な部位が付加されたプライマーを調整した。予め中間
原料として、その5'末端にアミノ基を導入したオリゴヌ
クレオチドを化学合成し、その後に適当な試薬を用いて
標識物あるいは固相担体と結合可能な部位を5'末端の
アミノ基を利用して導入した。以下に、その一例とし
て、ビオチン化した例と2,4−ジニトロフェニル基を
付加した例を述べる。
【0065】5'末端ビオチン化したプライマーの合成 5'末端にアミノ基を導入したオリゴヌクレオチド(配
列番号:10):
【0066】
【化1】
【0067】の合成は、上述のホスホアミダイト法によ
る合成反応により、5'末端に最後の塩基(この場合は
C)を付加した後、アミノリンクII(パーキンエルマ
ー)をさらに付加することにより、5'末端にアミノ基
を持つGを付加した。合成終了後、中間原料の5'末端に
アミノ基を導入したオリゴヌクレオチドは、同様にし
て、OPCカートリッジにより精製した。
【0068】加えて、前記の手順に準じて、下記する6
種類の5'末端にアミノ基を導入したオリゴヌクレオチ
ドを中間原料として作製し、合計7種類の5'末端にア
ミノ基を導入したオリゴヌクレオチド中間原料を得た。
【0069】5'末端にアミノ基を導入したオリゴヌク
レオチド(配列番号:11):
【0070】
【化2】
【0071】5'末端にアミノ基を導入したオリゴヌク
レオチド(配列番号:12):
【0072】
【化3】
【0073】5'末端にアミノ基を導入したオリゴヌク
レオチド(配列番号:13):
【0074】
【化4】
【0075】5'末端にアミノ基を導入したオリゴヌク
レオチド(配列番号:14):
【0076】
【化5】
【0077】5'末端にアミノ基を導入したオリゴヌク
レオチド(配列番号:15):
【0078】
【化6】
【0079】5'末端にアミノ基を導入したオリゴヌク
レオチド(配列番号:16):
【0080】
【化7】
【0081】次いで、5'末端へのビオチン化は、以下
のようにして行った。1 O.D.のアミノ化オリゴヌクレオ
チド水溶液10μlに、1M NaHCO3水溶液 10μl、
水 30μl、および、ビオチン化試薬として、20μg/μl
のビオチニル-N-ヒドロキシサクシニミドエステル(BR
L)のDMF溶液を50μl加え、混和後室温で放置した。4
時間後、セファデックスG-50を担体としたゲルろ過にか
け、50mM TEAB(重炭酸トリエチルアンモニウム)緩衝
液(pH7.5)で溶出し、最初のピークを集めた。この溶
出物を乾固の後、TE緩衝液(pH8.0)に溶解した。下記
する6種類のを、中間原料の5'末端にアミノ基を導入
したオリゴヌクレオチドをビオチン化して調製した。
【0082】5'末端にジニトロフェニル基(DNP)導入
したプライマーの合成 5'末端へのジニトロフェニル基(DNP)の導入も、ビオ
チン標識と同様に、5'末端にアミノ基を導入したオリ
ゴヌクレオチドを中間原料として行った。5'末端にア
ミノ基を導入したオリゴヌクレオチド二種類、すなわち
(配列番号:17の相補鎖):
【0083】
【化8】
【0084】ならびに(配列番号:18の相補鎖):
【0085】
【化9】
【0086】を、それぞれ上記のビオチン標識のときと
同様に合成し、精製を行った。精製した2 O.D.のアミノ
化オリゴヌクレオチド水溶液 180μlに、1M NaHC
3 水溶液 20μlを加え、これに試薬の5%(v/v)ジ
ニトロフルオンベンゼンのエタノール溶液 100μlを加
え、37℃で2時間加温し、反応を行った。ビオチン化オ
リゴヌクレオチドと同様に、反応後の精製は、ゲルろ過
により行い、乾固の後、TE緩衝液(pH8.0)に溶解し
た。
【0087】(実施例3) プローブの調製 本発明の核酸断片の一例として、標識物あるいは固相担
体と結合可能な部位が導入されているプローブを化学合
成法により調製した。
【0088】3'末端にビオチン標識を導入したオリゴヌ
クレオチド(配列番号:13):
【0089】
【化10】
【0090】を次のように調製した。予め3'末端がビオ
チン標識されている、0.5μmolスケールの3'Biotin-ONC
PGカラム(CLONTECH)を用いて、ホスホアミダイト法に
より所定の塩基配列のオリゴヌクレオチドを合成し、カ
ラムから分離した。この3'末端にビオチン標識を有する
オリゴヌクレオチドも、常法によりOPCカートリッジを
用いて精製、乾固の後、TE緩衝液(pH8.0)に溶解し
た。この核酸断片は、3'末端にビオチン標識を導入して
おり、プライマーではなく、プローブに適するものであ
る。
【0091】(実施例4) プライマーの特異性の評価
−2 本発明のプライマーは、PHA合成微生物の検出が可能
な特異性を示すことを検証した。その一例として、本発
明のプライマーを利用して、PCR法により、 PHA合成
微生物の遺伝子DNAを鋳型として、目的とするPHA
合成酵素遺伝子の部分塩基配列を検出した例を以下に示
す。
【0092】PHA合成能を持たない既知の二菌株;E.
coli JM109およびJ1(FERM BP-5352)、PHA合成能を
有する四菌株;P.cichorii YN2(FERM P-17411)、P.ci
chorii H45(FERM P-17410)、P.putida P91(FERM P-1
7409)、P.jessenii P161(FERM P-17445)の計6種の
細菌を対象として、PHA合成微生物の検出における特
異性を検証した。すなわち、この6種の細菌それぞれに
ついて、常法により各種細菌よりDNAを調製したものを
試料とし、PCR法によりプライマーの特異性を評価し
た。
【0093】本実施例において、プライマーは実施例2
で調製した9種のプライマー、具体的には、下記する
5'末端をビオチン化したフォワード・プライマー7
種; 5'末端をビオチン化したオリゴヌクレオチド(配列番
号:10):
【0094】
【化11】
【0095】5'末端をビオチン化したオリゴヌクレオ
チド(配列番号:11):
【0096】
【化12】
【0097】5'末端をビオチン化したオリゴヌクレオ
チド(配列番号:12):
【0098】
【化13】
【0099】5'末端をビオチン化したオリゴヌクレオ
チド(配列番号:13):
【0100】
【化14】
【0101】5'末端をビオチン化したオリゴヌクレオ
チド(配列番号:14):
【0102】
【化15】
【0103】5'末端をビオチン化したオリゴヌクレオ
チド(配列番号:15):
【0104】
【化16】
【0105】5'末端をビオチン化したオリゴヌクレオ
チド(配列番号:16):
【0106】
【化17】
【0107】ならびに、下記する5'末端にジニトロフ
ェニル基(DNP)を導入したリバース・プライマー2
種; 5'末端にDNPを導入したオリゴヌクレオチド(配列番
号:17の相補鎖):
【0108】
【化18】
【0109】5'末端にDNPを導入したオリゴヌクレオチ
ド(配列番号:18の相補鎖):
【0110】
【化19】
【0111】を用いた。
【0112】PCR用プライマーの組み合わせとしては、
前記配列番号:10〜13の塩基配列を持つフォワード
・プライマー4種に配列番号:17の相補鎖塩基配列を
持つリバース・プライマーを組み合わせる4種のプライ
マー組み合わせ、ならびに、前記配列番号:14〜16
の塩基配列を持つフォワード・プライマー3種に配列番
号:18の相補鎖塩基配列を持つリバース・プライマー
を組み合わせる3種のプライマー組み合わせ、合計7種
類の組み合わせとした。
【0113】PCRは、市販の酵素系、AmpliTaq DNA poly
merase(宝酒造)のキットを利用して、以下の反応溶液
組成ならびに条件で行った。
【0114】50pmol/μl濃度の上記二種のプライマーを
それぞれ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝液を5μl、酵
素に添付のdNTP混合溶液を5μl、試料DNAを10ng加え、
さらに水を加えて反応溶液全量を50μlとした。これ
に、AmpliTaq DNA polymerase(宝酒造)を1unit加え
た。
【0115】反応条件は、反応溶液を95℃に加温して5
分間保持した後、95℃・20秒、55℃・30秒、72℃・60秒
を1サイクルとした。前記の条件で、30サイクルの反応
を行い、その後、さらに72℃で5分間保温した。反応終
了後、反応溶液50μlより2μlを分取し、アガロースゲ
ル電気泳動、エチジウムブロマイド染色を行い、増幅産
物の核酸鎖の検出を行った。
【0116】その結果、PHA合成能を持たない既知の
二菌株;E.coli JM109およびJ1(FERM BP-5352)では、
いかなる増幅産物も検出されなかった。一方、PHA合
成微生物においてのみ、上記PCR用プライマーの組み合
わせ7種類のいずれにおいても、それぞれ増幅産物とし
て、明瞭な一本のバンドが確認できた。なお、上記のP
HA合成微生物4種ともに、PCR用プライマーの組み合
わせ7種類それぞれに対して、得られるPCR増幅産物
の断片長は、相互に一致しており、下記表2に示す断片
長であった。すなわち、この合計7種のプライマー組み
合わせは、それぞれ4種のPHA合成微生物に由来する
PHA合成酵素遺伝子から、互いに対応する部分塩基配
列を増幅しているため、PCR増幅産物は、ほぼ同じ増
幅断片長を有するものであった。以上の結果から、本実
施例に用いた9種のプライマーはいずれも、PHA合成
微生物の検出に適用可能な特異性を示すものであること
が確認された。
【0117】
【表2】
【0118】(実施例5) PHA合成微生物のプライ
マーを用いた検出(1) 実施例4に示す通り、本発明のプライマーを利用してPC
R法により、PHA合成微生物の染色体遺伝子から、目
的とするPHA合成酵素遺伝子の部分塩基配列を選択的
に増幅することができ、PHA合成微生物の検出が可能
であることが示された。本実施例では、PHA合成微生
物の検出に際して、本発明の付加的な修飾を施したプラ
イマーを用いることで、その標識物ならびに固相担体と
結合可能な部位を利用し、目的のPCR増幅産物のみを
選択することで、高い検出感度を達成した一例を以下に
示す。
【0119】実施例4と同様にして、6種類の各種細菌
よりDNAを調製した。この試料DNAを、市販の酵素
系、AmpliTaq DNA polymerase(宝酒造)を用いて、以
下の反応溶液組成、反応条件でPCRに供した。
【0120】実施例2で調製した二種のプライマー: (配列番号:10)のビオチン化フォワード・プライマ
【0121】
【化20】
【0122】(配列番号:17の相補鎖)のDNP修飾
リバース・プライマー
【0123】
【化21】
【0124】の20pmol/μl濃度プライマー液をそれぞ
れ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝液を5μl、酵素に
添付のdNTP混合溶液を2μl、試料DNAとしてYN2、H45、
P91、P161株については10pgを、他の2種の細菌につい
ては10ngを加え、さらに水を加えて、それぞれ反応溶液
全量を50μlとした。これらの反応溶液に、AmpliTaq D
NApolymerase (宝酒造)を1unit加えた。
【0125】反応溶液を、95℃に加温して5分間保持し
た後、95℃・20秒、55℃・30秒、72℃・60秒を1サイク
ルとした。前記の条件で、35サイクルの反応を行い、そ
の後さらに72℃で5分間保温した。反応終了後、この反
応混合液をスピンカラムにかけ、未反応プライマーを除
去した。
【0126】ストレプトアビジン固定化マイクロプレー
トに、0.15M NaCl、0.05% Tween20を含むTris-Cl緩衝
液(pH7.5)を100μl加えておき、これに未反応プライ
マーを除去した上記混合液を10μl加えた。そのまま、
室温30分間放置の後、マイクロプレートを上記Tris-Cl
緩衝液500μlで3回洗浄した。この操作により、マイク
ロプレート表面に固定化されているストレプトアビジン
とプライマーに由来するビオチンにより、マイクロプレ
ート上にPCR増幅産物の固定化がなされる。
【0127】洗浄後のマイクロプレートに、アルカリ性
フォスフォターゼ標識抗DNP抗体を上述のTris-Cl緩衝液
で2000倍に希釈したものを100μl加えた。このまま、
室温30分間放置の後、上記Tris-Cl緩衝液500μlで3回
洗浄した。この操作により、マイクロプレート上に固定
化されているPCR増幅産物のプライマーに由来するジ
ニトロフェニル基(DNP)に対して、アルカリ性フォス
フォターゼ標識抗DNP抗体が反応(結合)する。
【0128】次いで、マイクロプレート上に、4mg/mlの
濃度で1M ジエタノールアミン緩衝液に溶解したp-ニト
ロフェニルリン酸溶液を100μl加える。標識酵素のア
ルカリ性フォスフォターゼを前記基質p-ニトロフェニル
リン酸に作用させるため、室温30分間放置の後、マイク
ロプレートリーダーを用いて、酵素反応生成物量を405n
mの吸光度を測定して、評価した。
【0129】その結果、YN2、H45、P91、P161の4株の
試料DNAを用いた場合にのみ、バックグラウンドに比
較し有意な吸収を確認することができた。すなわち、プ
ライマーに由来するビオチンとプライマーに由来するジ
ニトロフェニル基(DNP)をともに有する目的のPCR
増幅産物が、マイクロプレート上に固着されていること
を、標識酵素のアルカリ性フォスフォターゼに起因する
酵素活性により検出できた。
【0130】一方、PHA合成能を示さない、他の2種
の菌株においては、バックグラウンド程度の吸収を示す
に留まっていた。従って、実施例4においても確認され
た通り、目的のPCR増幅産物は得られていないもので
あった。
【0131】本実施例の結果から、実施例4と比較し、
プライマー濃度を20pmol/μlに減じ、加えて、試料D
NAの量も10ngから10pgへと大幅に減らした条
件においても、反応サイクルを増すことで、十分に検出
可能なPCR増幅産物が得られていることが判る。さら
には、付加的な修飾を施したプライマーを用いて、その
標識物ならびに固相担体と結合可能な部位を利用するこ
とで、より選択性を高くした結果、十分に高い検出感度
が達成されていることが確認された。
【0132】(実施例6) PHA合成微生物のプライ
マーを用いた検出(2) 実施例5に示すとおり、PHA合成微生物の検出に際し
て、付加的な修飾を施した本発明にかかるプライマーを
用いることで、その標識物ならびに固相担体と結合可能
な部位を利用し、目的のPCR増幅産物のみを選択し、
高い検出感度を達成できる。本実施例では、その高い検
出感度の結果、本発明のPHA合成微生物の検出方法
は、極めて微量な試料についても、高い確度で検出が可
能であることを検証した一例を示す。
【0133】実施例4と同様にして、PHA合成微生物
であるYN2、H45、P91、P161株よりDNAを調製した。この
試料DNAを、市販の酵素系、AmpliTaq DNA polymeras
e(宝酒造)を用いて、以下の反応溶液組成、反応条件
でPCRに供した。
【0134】実施例2で調製した二種のプライマー: (配列番号:10)のビオチン化フォワード・プライマ
【0135】
【化22】
【0136】(配列番号:17の相補鎖)のDNP修飾
リバース・プライマー
【0137】
【化23】
【0138】の20pmol/μl濃度プライマー液をそれぞ
れ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝液を5μl、酵素に
添付のdNTP混合溶液を2μl、YN2、H45、P91、P161につ
いて、それぞれ試料DNAを10pg、1pg、100fg、10fgを加
え、さらに水を加えて、それぞれ反応溶液全量を50μl
とした。この各菌株について、試料DNAの量を前記の4
水準に選択した各4種の反応溶液に、AmpliTaq DNA pol
ymerase(宝酒造)を1 unit加えた。
【0139】反応条件は、95℃に加温して5分間保持し
た後、95℃・20秒、55℃・30秒、72℃・60秒を1サイク
ルとした。前記の条件で、40サイクルの反応を行い、そ
の後さらに72℃で5分間保温した。反応終了後、この反
応混合液をスピンカラムにかけ、未反応プライマーを除
去した。
【0140】ストレプトアビジン固定化マイクロプレー
トに、0.15M NaCl、0.05% Tween20を含むTris-Cl緩衝液
(pH7.5)を100μl加えておき、これに未反応プライマ
ーを除去した上記混合液を10μl加えた。そのまま、室
温30分間放置の後、マイクロプレートを上記Tris-Cl緩
衝液500μlで3回洗浄した。この操作により、マイクロ
プレート上にPCR増幅産物の固定化がなされる。
【0141】洗浄後のマイクロプレートに、アルカリ性
フォスフォターゼ標識抗DNP抗体を上述のTris-Cl緩衝液
で2000倍に希釈したものを100μl加えた。このまま、室
温30分間放置の後、上記Tris-Cl緩衝液500μlで3回洗浄
した。この操作により、マイクロプレート上に固定化さ
れているPCR増幅産物に対して、アルカリ性フォスフ
ォターゼ標識抗DNP抗体が反応(結合)する。
【0142】次いで、マイクロプレート上に、4mg/mlの
濃度で1M ジエタノールアミン緩衝液に溶解したp-ニト
ロフェニルリン酸溶液を100μl加える。標識酵素のアル
カリ性フォスフォターゼを基質p-ニトロフェニルリン酸
に作用させるため、室温30分間放置の後、マイクロプレ
ートリーダーを用いて、酵素反応生成物量を405nmの吸
光度を測定した。
【0143】その結果、試料DNA量が10pg、1pg、100fg
の3水準では、バックグラウンドに比較し有意な吸収を
確認することができた。一方、試料DNA量が10fgのもの
については、その吸収は、バックグラウンドの吸収と比
較して、有意とは判断されない程度に留まった。また、
前記の結果は、PHA合成微生物であるYN2、H45、P9
1、P161株のいずれにおいても、同じものであった。
【0144】この例にも示されるように、本発明のPH
A合成微生物の検出方法は、極めて試料量が僅かな場合
においても、高い確度でPHA合成微生物の検出が行え
ることが検証された。
【0145】(実施例7) PHA合成微生物のプロー
ブを用いた検出(1) 本発明のプローブは、PHA合成微生物の検出に適用可
能な特異性を示すことを検証した。その一例として、本
発明のプローブを利用して、ドットプロット法により、
PHA合成微生物の遺伝子DNA中に含まれる、目的と
するPHA合成酵素遺伝子の存在を検出した例を以下に
示す。
【0146】実施例4と同様にして、PHA合成能を持
たない既知の二菌株;E.coli JM109およびJ1(FERM BP-
5352)、PHA合成能を有する四菌株;P.cichorii YN2
(FERM P-17411)、P.cichorii H45(FERM P-17410)、
P.putida P91(FERM P-17409)、P.jessenii P161(FER
M P-17445)の計6種の細菌よりDNAを調製した。それぞ
れの試料DNAをアルカリ変性の後、ドットブロット装置
(BRL)を用いて1μgずつナイロン膜(Tropilon-45、Tr
opix社)にブロットした。80℃で2時間乾燥した後、ナ
イロン膜をビニールバッグに入れ、プレハイブリダイゼ
ーション溶液(6×SSC、5×デンハルト溶液、0.5% SD
S、100μg/ml 変性サケ精子DNA)を3 ml加え、60℃でプ
レハイブリダイゼーションを1時間行った。
【0147】このナイロン膜に対して、ハイブリダイゼ
ーション溶液として、前記プレハイブリダイゼーション
溶液3 ml当たり、実施例3で調製したビオチン標識オリ
ゴヌクレオチドプローブ:
【0148】
【化24】
【0149】を熱変性の後に100ng加えた液3 mlを用い
て、60℃で2時間ハイブリダイゼーションを行った。そ
の後、ナイロン膜をビニールバッグから取り出し、6×S
SC、0.5% SDS溶液を用いて60℃で5分間ずつ3回洗浄し
た。
【0150】前記ビオチン標識プローブのハイブリダイ
ゼーションしたDNAの検出は、サザンライト(Tropix
社)を用いて、添付のプロトコルに従い、プローブのビ
オチンと結合させたアルカリ性フォスフォターゼ標識ス
トレプトアビジンを標識酵素アルカリ性フォスフォター
ゼとAMPPDによる化学発光法を利用して行った。
【0151】その結果、PHA合成微生物であるYN2、H
45、P91、P161株由来のDNAをブロットしたものについて
は、きわめて強い陽性の反応を確認できた。一方、PH
A合成能を持たない他の二種の菌株においては、陽性の
反応を検出することはできなかった。従って、本実施例
に用いた本発明のプローブは、PHA合成微生物の検出
に適用可能な特異性を示すものであることが確認され
た。
【0152】(実施例8) PHA合成微生物のプロー
ブを用いた検出(2) 実施例7に示す通り、本発明のプローブは、YN2、H45、
P91、P161株のようなPHA合成微生物の検出に適用可
能な特異性を示すものであるが、本実施例は、種々のハ
イブリダイゼーション法に適用できることを検証した一
例を示す。
【0153】PHA合成能を持たない既知の二菌株;E.
coli JM109およびJ1(FERM BP-5352)、PHA合成能を
有する四菌株;P.cichorii YN2(FERM P-17411)、P.ci
chorii H45(FERM P-17410)、P.putida P91(FERM P-1
7409)、P.jessenii P161(FERM P-17445)の計6種の
細菌を、それぞれ常法により培養した。培養した菌を集
菌し、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)で洗浄の
後、前記緩衝液を用いて、それぞれの菌数が2×107c
ells/mlになるよう菌懸濁液を調製した。
【0154】調製した菌懸濁液50μlに、6%のホルム
アルデヒド溶液を50μl加え、菌体を固定した。次い
で、0.1% ゼラチン、0.01% クロムミョウバンでコー
トしたスライドグラスに、固定菌体の懸濁液30μlを滴
下し、風乾した。この菌体試料を固定したスライドグラ
スを、90% メタノール、3% ホルムアルデヒド溶液に1
0分間浸けて菌体の再固定を行った後、純水で洗浄し
た。
【0155】上記処理を行った固定菌体試料を固定した
スライドグラスを、50mM NaBH4を含む10mM Tris-Cl
緩衝液(pH8.0)に室温で30分間、遮光状態で浸した。
その後、純水で洗浄し、風乾した。
【0156】プローブには、実施例3で調製したビオチ
ン標識オリゴヌクレオチドプローブ:
【0157】
【化25】
【0158】に対して、FITC(Fluorescein isothiocya
nate)標識されたストレプトアビジンを前記ビオチンに
対して予め結合させたものを用いた。このFITC標識プロ
ーブを、ハイブリダイゼーション溶液(0.1M Tris-Cl緩
衝液(pH8.0)、0.75M NaCl、5mM EDTA、10%硫酸デキ
ストラン、0.2% BSA(Bovine Serum Albumin)、0.01
%ポリアデニル酸)に濃度5ng/μl添加した液30μl
を、スライドグラス上に滴下した。スライドグラスを気
密性の容器に入れて、45℃、1時間の反応を遮光状態で
行った。
【0159】反応後、SET緩衝液(Tris-Cl(pH8.0)、
0.2mM EDTA、30mM NaCl)でスライドグラスを洗浄し、
遮光状態で風乾した。FITC標識プローブのハイブリダイ
ゼーションした菌を検出するため、オリンパスの落射型
蛍光顕微鏡で検鏡を行い蛍光の有無を調べた。励起光源
は水銀ランプを使用し、B励起により観察を行った。検
鏡の結果、PHA合成微生物であるYN2、H45、P91、P16
1株については、いずれも菌体に蛍光が認められた。一
方、PHA合成能を持たない、他の二種の細菌では蛍光
を観察することはできなかった。
【0160】本実施例に示すように、本発明のプローブ
は、微生物から調製したDNA試料を用いる場合は勿論
のこと、その他、固定菌体を試料とする手法において
も、十分に目的とするPHA合成微生物の検出に適用可
能な特異性を有することが確認された。
【0161】
【発明の効果】本発明の核酸断片は、配列番号:1〜9
に示す塩基配列またはその相補的な塩基配列、あるい
は、これらに基づき、その部分塩基配列を含むもので、
この特定の塩基配列を有する核酸断片をプライマーまた
はプローブとして利用すれば、PHA合成微生物の検出
を特異的に行うことができる。従って、前記の通り、本
発明のプライマーまたはプローブを用いるPHA合成微
生物の検出方法は、その検出感度、特異性、また、手順
の簡便さ、迅速性の点で優れた検出方法となる。このよ
うに、PHA合成微生物の検出が効率化されると、PH
A合成微生物を利用して生産されるPHAの開発、例え
ば、生分解性プラスチックなどの分野における研究・開
発に多大な貢献をなすものである。
【0162】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> CANON INC. <120> DNA Fragments Specific to Genes of Enzymes for Preparation of Poly -hidroxyalkanoic Acid and Methods Using those for Probing and/or Screeni ng Micro-oraganisms producing the PHA <130> 4052014 <160> 9 <170> Microsoft Word <210> 1 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 1 gcctc kgaaa acacc ytggg sct 23 <210> 2 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 2 tgacc gargc cwtsg csccg acc 23 <210> 3 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 3 agcct ggcgc gsttc tgcct gcgc 24 <210> 4 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 4 ggcga raasa aggtc aaygc cytsa cc 27 <210> 5 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 5 caagc ayrcc gaytc ctggt ggctg 25 <210> 6 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 6 tgcar gccta yctgr sctgg cagaa 25 <210> 7 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 7 ccagt acrys ctsaa raayg gcctg c 26 <210> 8 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 8 ctgga cttct tcaag cwcaa cccg 24 <210> 9 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 9 ccaac agcgg bcayr tscag agcat 25 <210> 10 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 10 gcctc ggaaa acacc ttggg gct 23 <210> 11 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 11 tgacc gaagc catgg cgccg acc 23 <210> 12 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 12 agcct ggcgc ggttc tgcct gcgc 24 <210> 13 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 13 ggcga aaaca aggtc aacgc cctga cc 27 <210> 14 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 14 tgcag gccta cctga gctgg cagaa 25 <210> 15 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 15 ccagt acgcg ctgaa gaacg gcctg c 26 <210> 16 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 16 ctgga cttct tcaag cacaa cccg 24 <210> 17 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 17 caagc acgcc gactc ctggt ggctg 25 <210> 18 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer for PCR multiplication <400> 18 ccaac agcgg gcatg tccag agcat 25
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 務 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 須田 栄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 CA03 CA09 GA30 4B063 QA01 QA13 QQ05 QQ42 QR08 QR55 QR62 QS25 QS34

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1〜9に示す塩基配列、また
    はその相補的な塩基配列、あるいは、これらの塩基配列
    に基づき変異が施された改変配列の何れかから選ばれる
    核酸断片。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される核酸断片、あるい
    はその塩基配列中の部分配列からなる核酸断片からなる
    プライマーまたはプローブとして利用可能な核酸断片。
  3. 【請求項3】 配列番号:1〜9に示す塩基配列、また
    はその相補的な塩基配列に基づき施される変異が、塩基
    配列の一部欠失、余剰な塩基または塩基配列の付加、ま
    たは塩基配列中の塩基または部分配列を他の塩基あるい
    は塩基配列により置換、もしくは、これらの変異を複合
    して施したものであることを特徴とする請求項1または
    2のいずれかに記載の核酸断片。
  4. 【請求項4】 請求項2または3のいずれか1項に記載
    のプライマーとして利用可能な核酸断片を含むプライマ
    ーであって、付加的な修飾として、前記核酸断片の分子
    上に結合する標識物、または/および固相担体と結合可
    能な部位が導入されていてもよいプライマー。
  5. 【請求項5】 請求項2または3のいずれか1項に記載
    のプローブとして利用可能な核酸断片を含むプローブで
    あって、付加的な修飾として、前記核酸断片の分子上に
    結合する標識物、または/および固相担体と結合可能な
    部位が導入されていてもよいプローブ。
  6. 【請求項6】 塩基配列に実質的な差異のある二種の核
    酸断片の組み合わせからなるプライマーであって、前記
    二種の核酸断片の少なくとも一つは請求項4に記載され
    るプライマー用核酸断片であり、二種の核酸断片はそれ
    ぞれ、その分子上に標識物、または/および固相担体と
    結合可能な部位が導入されていてもよいプライマー。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載されるプライマー用核酸
    断片の塩基配列は、配列番号:1〜9に示す塩基配列ま
    たはその相補的な塩基配列に基づき、塩基配列の一部欠
    失、余剰な塩基または塩基配列の付加、または塩基配列
    中の塩基または部分配列を他の塩基あるいは塩基配列に
    より置換、もしくは、これらの変異を複合して施した改
    変塩基配列であることを特徴とする請求項4または請求
    項6のいずれかに記載のプライマー。
  8. 【請求項8】 付加的な修飾が施された核酸断片を少な
    くとも一種含み、前記の核酸断片の一種における付加的
    な修飾は、標識物または固相担体と結合可能な部位の、
    核酸断片の5' 末端側への導入であることを特徴とする
    請求項4〜7のいずれか1項に記載のプライマーまたは
    プローブ。
  9. 【請求項9】 付加的な修飾として、分子上に導入され
    る標識物または固相担体と結合可能な部位が、ビオチン
    残基、2,4 - ジニトロフェニル基、ジゴキシゲニン残基
    のいずれかであることを特徴とする請求項4〜8のいず
    れか1項に記載のプライマーまたはプローブ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3のいずれか1項に記載す
    る核酸断片の少なくとも一種をプローブとして用いるこ
    とを特徴とするPHA合成微生物の検出方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3のいずれか1項に記載す
    る核酸断片の少なくとも一種をプライマーとして用いる
    ことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート合成微
    生物の検出方法。
  12. 【請求項12】 請求項4または6に記載するプライマ
    ーを用い、下記(1)〜(4)に記載する4工程: (1)ポリヒドロキシアルカノエート合成微生物の有無
    を検出したい試料を準備する工程 (2)必要に応じて、試料中の菌体の破砕処理を行う工
    程 (3)試料中に前記プライマーを加え、プライマーの伸
    張反応を行う工程 (4)工程(3)で得られた伸張反応物について検出操
    作を行う工程 前記工程(1)、工程(3)、工程(4)と必要に応じ
    て工程(2)を含むことを特徴とするポリヒドロキシア
    ルカノエート合成微生物の検出方法。
  13. 【請求項13】 請求項6に記載する二種の核酸断片の
    組み合わせからなるプライマーを用いることを特徴とす
    る請求項12に記載のポリヒドロキシアルカノエート合
    成微生物の検出方法。
  14. 【請求項14】 工程(3)のプライマーの伸張反応が
    ポリメラーゼ連鎖反応によりなされることを特徴とする
    請求項12または13に記載のポリヒドロキシアルカノ
    エート合成微生物の検出方法。
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