JPH07255486A - 新規核酸断片およびこれらを用いたPseudomonas cepacia KK01株の検出法 - Google Patents

新規核酸断片およびこれらを用いたPseudomonas cepacia KK01株の検出法

Info

Publication number
JPH07255486A
JPH07255486A JP6051739A JP5173994A JPH07255486A JP H07255486 A JPH07255486 A JP H07255486A JP 6051739 A JP6051739 A JP 6051739A JP 5173994 A JP5173994 A JP 5173994A JP H07255486 A JPH07255486 A JP H07255486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
primer
strain
acid fragment
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6051739A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Yano
哲哉 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP6051739A priority Critical patent/JPH07255486A/ja
Publication of JPH07255486A publication Critical patent/JPH07255486A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Pseudomonas cepacia
KK01株の正確な検出。 【構成】 Pseudomonas cepacia
KK01株の16S rRNA遺伝子から抽出した特異
配列をプライマーまたはプローブとして用いて検出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規核酸断片およびその
用途に関する。詳しくは、Pseudomonas c
epacia KK01株を検出するためのプライマー
またはプローブとして利用可能な核酸断片、およびそれ
を構成している塩基配列の部分配列、およびこれらを用
いたP.cepacia KK01株の検出法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】Pseudomonas属細菌は、グラ
ム陰性の偏性好気性桿菌で、きわめて多彩な有機化合物
を代謝する能力を持ち、特に各種芳香族化合物の分解能
に優れていることが知られている。
【0003】近年、芳香族化合物、パラフィン、ナフテ
ンなどの脂肪族炭化水素、あるいはトリクロロエチレン
などの有機塩素系化合物などによる環境汚染が問題とな
っており、すでに汚染されてしまった環境を浄化し、も
との状態に修復していく技術の確立が強く求められてい
る。この環境修復技術としては種々の物理化学的な手法
が行われているが、コスト、操作性、投下エネルギー
量、処理範囲などに係る難点、汚染物質の単なる抽出、
回収に留まり無害な化学物に変換するものではないなど
の観点より、必ずしも実用的に満足できる技術であると
はいえない。
【0004】そこで、上記の物理化学的手法に対して、
微生物を利用した処理が実用的な汚染環境の修復方法を
提供できるものとして期待されている。ここで、汚染物
質の多くは化学工業などで使用される合成物質であり、
自然界に生息する微生物によっては普遍的には分解され
ないためその処理が容易でないものが多い。しかし、P
seudomonas属細菌は先に述べたようにきわめ
て多彩な有機化合物を代謝する能力を持っており、土壌
汚染問題を引き起こしている芳香族炭化水素や有機塩素
系化合物などの難分解性化合物と言われるものでも分解
することができる菌株が数多く分離されてきている。と
りわけトリクロロエチレン分解菌の開発は盛んに進めら
れており、その分解活性を向上させたり、あるいはトリ
クロロエチレン分解酵素の誘導物質を不要化したりした
遺伝子組み換え菌の土壌への散布なども検討されはじめ
てきている。
【0005】ここで、発明者らはP.cepacia
KK01株(寄託番号:P−12869号)がトリクロ
ロエチレンを分解することを明らかにしており、このよ
うなPseudomonas属細菌を利用した環境浄化
技術を普及させ、さらにこの技術を実用的かつ社会的に
有効な技術として定着させていくために、分解能力など
にすぐれた菌の開発とともに、それらを導入した土壌に
おける菌の活動、増殖、伝搬、生残、つまりは土壌中で
の菌の優占度、生育状況などを十分に把握していくこと
を研究している。これらの課題を解決していくために
は、目的とする菌を選択的に検出することができる手法
の確立がまず必要不可欠である。
【0006】Pseudomonas属細菌の検出方法
としては種々の分離培養法が知られており、一般的には
特別な培地による選択培養を行うことが多い。この方法
は簡便であるため広く用いられるが、目的とする菌のみ
が必ずしも選択的に培養されるとは限らない。たとえ
ば、フェノールを分解する菌であるP.cepacia
KK01株の場合には、カテコールのカテコール2,3
オキシゲナーゼによる分解産物である2−ヒドロキシム
コン酸セミアルデヒドの黄色の着色を簡便な指標とする
ことができる。しかしながら、カテコールをメタ開裂に
より代謝できる他の菌が存在する可能性もあり、厳密に
は黄色の着色のみをその指標とすることはできず、更に
詳細な形態学的、あるいは生化学的な性状をも検査する
必要がある。
【0007】しかしここで必要となる形態学的、あるい
は生化学的な性状から目的とする菌を検出するには数多
の熟練と経験を要し、しかもその手法は煩雑であり時間
がかかるなど、実用面では種々の問題があった。
【0008】また、目的とする菌に特異的な抗体を用意
し放射性同位元素または蛍光色素でラベルし検出に用い
る方法も知られているが、この方法はまず抗体を得るの
に非常に手間がかかる点と、更に抗体の特異性がロット
により大きくばらつく点が大きな難点であった。
【0009】これらの方法に代るものとして、生物種に
特異的な核酸の塩基配列に着目し、それに相補的な配列
を持つオリゴヌクレオチドプライマーあるいはプローブ
を利用することによりその生物種を検出する方法が発表
されている。特に、リボゾーマルRNA(rRNA)は
生物において必須の細胞構成成分であり、その構造は生
物の進化の過程において比較的よく保存されている。r
RNAの中でも16SrRNAについては比較的よく研
究が行われており、多くの生物種についてその塩基配列
が同定されている。
【0010】16S rRNAには種々の生物で共通に
保存されている領域と、生物種により配列の異なる可変
領域のあることが知られており、この可変領域に対応す
るDNAプライマーあるいはプローブを利用した菌の検
出、同定法が近年開発されてきた。たとえば、rRNA
は細胞中に104 個以上存在し、ハイブリダイゼーシ
ョン法のターゲットとしては感度の面からも非常に有利
に利用できるものであるが、ここでは、目的とする菌を
検出するためのプローブまたはプライマーをいかに選択
するかの点こそが最も重要かつ困難な課題となってお
り、この方法を利用するためには目的とする細菌の16
S rRNA、あるいはその遺伝子の塩基配列を正しく
知る必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、特定の
微生物を利用して土壌中の汚染物質の浄化処理を行う場
合、処理の条件や微生物の生育条件を最適にするために
は、まづその微生物の土壌中での優占度や生育状況を知
る必要がある。そのためには微生物を特異的に検出、計
測できる方法が必要であるが、いままでのPseudo
monas属細菌の検出はフェノールを唯一の炭素源と
する選択培地による培養や、抗体法などによるもので、
その特異性、感度、簡便さ、検出に要する時間などの点
で問題が多く、土壌中での菌の挙動をリアルタイムでモ
ニタリングすることは不可能であった。
【0012】本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなさ
れたものであり、その目的は迅速、簡易かつ特異的に、
しかも感度よくP.cepacia KK01株を検
出、計数する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、後記の配列番
号1で表されるP.cepacia KK01株の16
S rRNA遺伝子を提供するものである。本発明はま
た、上記遺伝子配列で示される核酸、ならびに、その相
補的な塩基配列を有する核酸、および、これらの変異配
列で示される核酸から選ばれる核酸断片に関するもので
ある。
【0014】本発明は、また、上記のいずれかの核酸中
の部分配列であってプライマーまたはプローブとして利
用可能な核酸からなる核酸断片に関する。具体的には、
プライマーとして利用可能な核酸が10〜50塩基の長
さであり、プローブとして利用可能な核酸が10塩基か
ら上限は各核酸の全塩基数以下の長さの核酸断片であ
る。
【0015】また、本発明は上記核酸断片を利用したプ
ライマーまたはプローブに関する。すなわち本発明によ
るプライマーまたはプローブは、上記したような核酸断
片であって、標識物または(および)固相担体と結合可
能な部位が導入されている場合もある核酸断片からなる
プライマーまたはプローブである。
【0016】本発明は、また、上記のプライマー、ある
いはプローブを利用したP.cepacia KK01
株の検出方法に関する。すなわち、プライマーを利用し
た本発明によるP.cepacia KK01株の検出
方法は、上記したような本発明によるプライマー、好ま
しくは2種の組み合わせからなるプライマーを用いて、
下記(1)〜(4)の工程を実施することを特徴とする
ものである。 (1)P.cepacia KK01株の有無を検出し
たい試料を準備し、(2)必要に応じて、試料中の菌体
の破砕処理を行い、(3)試料に上記プライマーを加え
プライマーの伸張反応を行い、(4)工程(3)で得ら
れた伸張反応物について検出操作を行う。
【0017】また、プローブを利用した本発明による
P.cepacia KK01株の検出方法は、前記し
たようなプローブの少なくとも1種を用いることを特徴
とするものである。
【0018】以下、本発明を詳細に説明するが、ここで
いうP.cepacia KK01株は、この発明の目
的に適う限りにおいて遺伝子工学の常識に従って同等の
作用を奏するその突然変異株も包含するものである。
【0019】P.cepacia KK01株16S
rRNA遺伝子のクローニング、全塩基配列の決定 既知の種々のグラム陰性細菌のrRNA塩基配列を比較
し、共通配列領域の推定を行った。次に、この領域より
プライマーDNAを合成し、PCR法によりP.cep
acia KK01株DNA中の16S rRNA遺伝
子領域内の約1100塩基の断片を増幅し、プラスミド
pUC119のHincII切断部位にクローニングし
た。得られた遺伝子の塩基配列を決定し、既知の16S
rRNA塩基配列との比較により、この断片が16S
rRNA遺伝子であることを確認した。
【0020】この遺伝子断片を用いて、完全長の、PC
Rを経由しない16S rRNA遺伝子のクローニング
を行った。まず、P.cepacia KK01株DN
AをSau3AIで切断し、λファージベクターDAS
HIIのBamHI部位に挿入し、ライブラリーを調製
した。これを上記16S rRNA遺伝子部分断片をプ
ローブとしたプラークハイブリダイゼーション法により
スクリーニングし、完全長の16S rRNA遺伝子を
含むクローンを選択した。
【0021】塩基配列の決定は欠失法と適当な制限酵素
切断部位を利用したサブクローニングにより行った。欠
失は、プラスミドpUC119のHincII切断部位
に完全長の16SrRNA遺伝子をリクローニングの
後、ExonucleaseIII とMung Be
an Nucleaseにより段階的に導入した。これ
らの段階欠失クローンおよび制限酵素を利用したサブク
ローンを用いて、ダイデオキシ法により塩基配列の決定
を行った。
【0022】P.cepacia VKK01株16S
rRNA遺伝子の特異領域の決定 上記のようにして決定した塩基配列を、既知の他種細菌
16S rRNA遺伝子塩基配列と比較し、特異領域を
決定した。この場合EMBL核酸配列データライブラリ
などを利用しパーソナル・コンピュータを利用して解析
を行った。
【0023】決定した特異領域は、新規な塩基配列であ
り本発明の目的に利用可能性を備えているから特許請求
の範囲請求項3に列記して特許請求するものである。
【0024】核酸断片 本発明による核酸断片は、配列番号1で示す核酸、なら
びに、その相補的な塩基配列を有する核酸、および、こ
れらの変異配列で示される核酸から選ばれる核酸断片、
また、上記のいずれかの核酸中の部分配列であってプラ
イマーまたはプローブとして利用可能な核酸からなるも
のであることは前記したとおりである。
【0025】これらの核酸断片は、特にプローブとし
て、また、部分塩基配列はプライマーまたはプローブと
して使用することができる。プライマーまたはプローブ
として利用可能な核酸は、P.cepacia KK0
1株を検出するためのプライマー、あるいはプローブと
して機能するものであればよい。ここで、部分塩基配列
を用いる場合には、P.cepacia KK01株に
特異的で、他の細菌、たとえばP.putida、P.
aeruginosaなどの他種Pseudomona
s属細菌、土壌よりよく分離される、Alcalige
nes属細菌、Xanthomonas属細菌、Agr
obacterium属細菌、Enterobacte
riaceae属細菌などに相同性の少ない部分を選択
することが好ましい。部分塩基配列は具体的には、プラ
イマーの場合、10〜50塩基の長さであり、プローブ
の場合は10塩基の長さから各核酸の全塩基数以下の長
さのものである。
【0026】これらの核酸断片あるいはその部分塩基配
列は、合目的的な任意の方法により調製することがで
き、たとえば後述実施例に記載の方法に従い、配列全部
または一部を化学合成してもよい。あるいは、P.ce
pacia KK01株の遺伝子から制限酵素などを利
用して直接切り出すことも可能であり、また、それらの
遺伝子をE.coliなどのプラスミドにクローニング
し、菌の増殖の後にプラスミドを回収し、切り出して利
用することも可能である。
【0027】本発明における上記核酸断片における変異
としては、たとえば一部の塩基もしくは塩基配列の欠
失、置換、付加などがあげられる。ここで核酸断片をプ
ライマーとして利用する場合は、プライマーの伸張反応
に大きな影響を与えると考えられる3′末端付近は変異
のないようにするか、あるいはあっても最小限にとどめ
ることが好ましく、より好適には5′末端付近で変異が
あるようにすることが本発明の目的に適う。
【0028】ここで好適に利用できる核酸断片の塩基配
列としては、勿論前記の特異領域にそのすべてないしは
大部分が由来し僅かの隣接部分を有するもので目的遂行
に便利な程度の塩基長のものとして発明者は特許請求の
範囲の請求項6で示しているものを提出する。なお理解
の便宜の為に次にこれらの塩基配列を配列表1に示した
塩基番号を併記し再掲しておく。
【0029】
【表13】
【0030】
【表14】
【0031】
【表15】
【0032】
【表16】
【0033】
【表17】
【0034】
【表18】
【0035】
【表19】
【0036】
【表20】
【0037】
【表21】
【0038】
【表22】
【0039】
【表23】 標識物および固相担体と結合可能な部位 このような、プライマーまたはプローブとして利用可能
な核酸断片または部分塩基配列は、必要なら標識物また
は固相担体と結合可能な部位が導入されていてもよい。
ここで、プライマーを利用した検出を行う場合、標識物
または固相担体と結合可能な部位を導入してよい位置は
プライマーの伸張反応を妨げない位置ならばどこでもよ
いが、可能であれば5′末端は最も好ましい。またプロ
ーブを利用した検出を行う場合なら、標識物または固相
担体と結合可能な部位を導入してよい位置は3′末端や
5′末端の水酸基部分さらには塩基部分やりん酸ジエス
テル部分などが考えられるが、プローブの塩基配列や長
さなどを考慮し、ハイブリダイゼーションの妨げになら
ないようにすることが望ましい。
【0040】上記核酸をプローブまたはプライマーとし
て利用する場合、標識物として、放射性物質、非放射性
物質のどちらを用いてもよい。非放射性の標識物として
は、直接標識可能なものとしてフルオレセイン誘導体、
ローダミンおよびその誘導体などの蛍光物質、化学発光
物質、遅延蛍光物質などがあげられる。
【0041】また、標識物と特異的に結合する物質を利
用し間接的に標識物を検出することも可能である。こう
した標識物としてはビオチン、ハプテンなどがあげら
れ、ビオチンの場合アビジンあるいはストレプトアビジ
ンを、ハプテンの場合はこれに特異的に結合する抗体を
利用する。ハプテンとしては2,4−ジニトロフェニル
基を有する化合物やジゴキシゲニンなどを使うことがで
きる。これらの標識物はいずれも単独あるいは必要に応
じ複数種を組み合わせて、プローブまたはプライマーに
導入可能である。
【0042】サンドイッチハイブリダイゼーションなど
核酸の特定断片を固相担体に特異的に結合する必要があ
る場合は、固相担体と結合可能な部位は、該担体と選択
的に結合可能なものであれば何であってもよい。たとえ
ば、ビオチンあるいはフルオレセイン、2,4−ジニト
ロフェニル基を有する化合物やジゴキシゲニンなどのハ
プテンがあげられ、これらはいずれも単独あるいは必要
に応じ複数種を組み合わせて、プローブまたはプライマ
ーに導入可能である。
【0043】プローブを用いた検出法 プローブを用いた本発明によるP.cepacia K
K01株の検出法は、前記核酸断片の塩基配列を有する
核酸断片であって、標識物または(および)固相担体と
結合可能な部位が導入されている場合もある核酸断片よ
りなるプローブの少なくとも1種を用いることを特徴と
するものである。
【0044】一般的にプローブを用いた検出法として
は、ドットハイブリダイゼーション、サザンハイブリダ
イゼーション、in situ ハイブリダイゼーショ
ンがあり、これらのいずれでも上記標識核酸断片を使用
し、常法どおりハイブリダイゼーションを行うことがで
きる。
【0045】近年、ハイブリダイゼーションの感度をあ
げるために1細胞あたり多数のコピーが存在するrRN
Aを検出ターゲットとする方法が開発されているが、本
発明における核酸断片は16S rRNAをコードする
領域を含む核酸断片であり、同様の手法でrRNAの検
出に供することができる。
【0046】また、in situハイブリダイゼーシ
ョンにおいても、一般にrRNAを検出ターゲットとす
ることでS/N比のよい検出が可能であるが、上記同様
に本発明における核酸断片を検出に供することが可能で
ある。
【0047】また、操作の簡易化のためにサンドイッチ
ハイブリダイゼーションを基本とする方法が開発されて
おり、これらの方法によっても本発明における核酸断片
を利用してP.cepacia KK01株の検出を行
うことができる。
【0048】プライマーを用いた検出法 プライマーを用いた本発明によるP.cepacia
KK01株の検出法は、前記核酸断片の塩基配列を有す
る核酸断片であって、標識物または(および)固相担体
と結合可能な部位が導入されている場合もある核酸断片
よりなるプライマーの少なくとも1種を用いることを特
徴とするものであり、より好ましい例としては、後述す
るような2種の異なるプライマーによる遺伝子増幅反応
により試料中の微量核酸断片を増幅するPCR(Pol
ymerase Chain Reaction)法を
用いた検出法である。
【0049】ここで2種のプライマーの基本的な形態と
しては、たとえば、2種のプライマーともに何の修飾も
されていないもの、2種のプライマーのうち少なくとも
一方に検出可能な標識または固相担体と結合可能な部分
が導入されたもの、2種のプライマーのうち一方に標識
物が導入され、他方に固相担体と結合可能な部位が導入
されたもの、2種のプライマーともに固相担体と結合可
能な部分が導入されたもの、などがあげられる。
【0050】本発明によるP.cepacia KK0
1株の検出方法は前記したような本発明によるプライマ
ー、好ましくは2種の組み合わせからなるプライマーを
用いて以下のように実施することができる。 (1)P.cepacia KK01株の有無を検出し
たい試料を準備し、(2)必要に応じて、試料中の菌体
の破砕処理を行い、(3)試料に上記プライマーを加え
プライマーの伸張反応を行い、(4)工程(3)で得ら
れた伸張反応物について検出操作を行う。
【0051】ここで、プライマー伸張反応により増幅さ
れた核酸断片の検出は、電気泳動、あるいはハイブリダ
イゼーションなどの通常用いられる方法を利用してもよ
いし、遺伝子の増幅反応においてそれぞれのプライマー
に別々の標識を導入しておき、増幅反応後生成物を固相
担体に吸着し、生成物を選択的に検出する方法などを用
いることも可能である。
【0052】ここで固相担体としてはポリスチレンボー
ル、アガロースビーズ、ポリアクリルビーズ、ラテック
ス、ミクロタイターウェルなどの固相材料に、プライマ
ー中に導入された結合部位を捕捉できるようなもの例え
ば、ストレプトアビジン、抗体などを導入したものがあ
げられる。たとえば、ビオチンが導入されたプライマー
からのPCR産物を捕捉するには、ストレプトアビジン
を固相に結合した担体が、フルオレセインなどが導入さ
れたプライマーからの伸張反応物を捕捉するには、それ
ぞれに対する抗体を固相に結合した担体が用いられる。
【0053】さらに、固相担体を微粒子とすることによ
り、目的とする核酸を凝集、あるいは沈殿の有無により
簡便に判定することもできる。また、一方のプライマー
には固相担体と結合可能な部位を、他方のプライマーに
は標識物を導入したものをそれぞれ用いて、伸張反応を
行った反応物を固相担体と接触させた後に不純物を適当
な溶媒で洗浄除去する方法もあり、目的核酸は標識物を
持つ形で該固相担体に固定され特異的に検出される。
【0054】これら標識物質の実際の検出には、使用す
る標識物質に応じて一般的な手法を用いればよい。たと
えば、標識物質がラジオアイソトープであれば、そのま
ま活性を測定すればよいし、たとえばビオチンであれば
アビジン−酵素結合体、また、ハプテンであれば抗体−
酵素結合体などを用いてAMPPDなどの基質と反応さ
せ、光学的、蛍光的手段により検出を行えばよい。
【0055】また、遺伝子の増幅反応に用いる酵素、反
応条件などについてはさまざまな方法が考案されている
が、本発明における核酸断片は、種々のPCR法に利用
するのに十分な長さおよび塩基配列を持ち、これを用い
ることでP.cepaciaKK01株の検出を確実簡
便に行うことができるものである。
【0056】
【実施例】
[実施例1] P.cepacia KK01株の16
S rRNA遺伝子のクローニングと塩基配列の決定 既知のグラム陰性好気性菌(Pseudomonas
testosteroni,Acinetobacte
r calcoaceticus,Alcaligen
es xylosoxidansおよびAlcalig
enes faecalis)からの16S rRNA
を得て、以下の2つの共通塩基配列を選び出した。
【0057】配列1:5′AGAGTTTGATCCT
GGCTCAG3′ 配列2:5′GTGTCGTGAGATGTTGGGT
T3′ 上記配列について、配列1については主鎖を、配列2に
ついてはその相補鎖を合成した。これらの合成したDN
Aをプライマーとして、P.cepaciaKK01株
のDNAを用いてPCRを行った。生成した約1100
塩基対のDNA断片を、プラスミドpUC119のHi
ncII切断部位に挿入し、大腸菌JM109を形質転
換した。
【0058】形質転換株を、アンピシリン、IPTG、
X−galを含む寒天培地上で選択し、生じた白色コロ
ニーよりプラスミドを調製し、挿入断片の有無を調べ
た。約1100塩基対のDNA断片が挿入されている組
み換えプラスミドを選択し、上記PCR断片の末端の塩
基配列をダイデオキシ法により決定した。これを既知の
各種細菌の16S rRNAの塩基配列と比較したとこ
ろ、非常に相同性が高く、この挿入断片はP.cepa
cia KK01株の16S rRNA部分配列である
と推定した。
【0059】PCRを経由しない、完全長の16S r
RNA遺伝子のクローニングを以下のように行った。
P.cepacia KK01株のDNAを制限酵素S
au3AIで部分分解し、アガロースゲル電気泳動によ
り9〜23キロ塩基対断片を分離、精製し、これらのD
NA断片をλDASHII(STRATAGENE)の
BamHI消化物に挿入した。GigapackII
Gold extract(STRATAGENE)を
用いて、インビトロパッケージング法によりファージ粒
子の調製を行い、DNAライブラリーを作製した。ここ
で、上記16SrRNA遺伝子部分断片をプローブとし
て、該DNAライブラリーからプラークハイブリダイゼ
ーション法により陽性ファージのスクリーニングを行っ
た。陽性ファージは500個に1個程度の割合で取得で
きた。常法により陽性ファージを培養の後、塩化セシウ
ム密度勾配法によりファージDNAを精製した。
【0060】塩基配列の決定は段階欠失クローンと、1
6S rRNA遺伝子内の制限酵素切断部位を利用して
得たサブクローンを用いて行った。欠失は、プラスミド
pUC119のHincII切断部位に完全長の16S
rRNA遺伝子をリクローニングの後、Exonucl
easeIII とMung Bean Nuclea
seにより段階的に導入した。これらの段階欠失クロー
ンおよび制限酵素を利用したサブクローンを用いて、ダ
イデオキシ法により塩基配列の決定を行った。こうして
決定されたP.cepacia KK01株の16S
rRNAの塩基配列は、配列番号1の塩基配列である。
【0061】[実施例2] プライマーの調製 本発明において、標識物あるいは固相担体と結合可能な
部位が導入されているプライマー、あるいは導入されて
いないプライマーは、以下に示す化学合成法により調製
した。
【0062】まず、標識物あるいは固相担体と結合可能
な部位がいずれも導入されていないものは、DNA自動
合成機(Applied Biosystems In
c.モデル381A)を用いて、ホスホアミダイト法に
より0.2μmolスケールで合成を行い、OPCカー
トリッジ(Applied BiosystemsIn
c.)により精製した。
【0063】また、標識物あるいは固相担体と結合可能
な部位が導入されているプライマーは、まずその5′末
端にアミノ基を導入したオリゴヌクレオチドとして合成
し、その後に適当な試薬を用いて標識物あるいは固相担
体と結合可能な部位を導入した。以下にその例を示す。
【0064】5′末端にアミノ基を導入したオリゴヌク
レオチド(5′−AAATCCTTGGCTCTAAT
ACAGTCG−3′)の合成は、上述したような合成
反応により5′末端に最後の塩基(この場合はA)を付
加した後、アミノリンクII TM(Applied B
iosystems Inc.)をさらに付加すること
により行い、合成終了後、OPCカートリッジにより精
製した。
【0065】ビオチン化は、以下のようにして行った。
1O.D.のアミノ化オリゴヌクレオチド水溶液10μ
lに、1MNaHCO水溶液10μl、水30μ
l、および20μg/μlのビオチニル−N−ヒドロキ
シサクシニミドエステル(BRL)のDMF溶液を50
μl加え、混和後室温で放置した。4時間後、セファデ
ックスG−50を担体としたゲルろ過にかけ、50mM
TEAB(重炭酸トリエチルアンモニウム)緩衝液
(pH7.5)で溶出し、最初のピークを集め乾固の
後、TE緩衝液(pH8.0)に溶解した。
【0066】5′末端にジニトロフェニル基(DNP)
を導入したオリゴヌクレオチド(5′−AGCACTC
CCACCTCTCAGCAG−3′)は、ビオチン標
識のときと同様に、まずその5′末端にアミノ基を導入
したオリゴヌクレオチドとして合成および精製を行っ
た。このようにして得た2O.D.のアミノ化オリゴヌ
クレオチド水溶液180μlに、1MNaHCO
溶液20μlを加え、これに5%(v/v)ジニトロフ
ルオロベンゼンのエタノール溶液100μlを加え37
℃で2時間加温し、反応を行った。精製は、ビオチン化
オリゴヌクレオチドと同様にゲルろ過により行い、乾固
の後、TE緩衝液(pH8.0)に溶解した。
【0067】[実施例3] プローブの調製 3′末端にビオチン標識を導入したオリゴヌクレオチド
(5′−ACTGTATTAGAGCCAAGGATT
TCTTTCCGGACAA−3′)を調製した。あら
かじめ3′末端がビオチン標識されている、0.5μm
olスケールの3′Biotin−ON CPGカラム
(CLONTECH)を用いて、ホスホアミダイト法に
よりオリゴヌクレオチドを合成し、常法によりOPCカ
ートリッジを用いて精製、乾固の後、TE緩衝液(pH
8.0)に溶解した。
【0068】[実施例4] プライマーの特異性の評価 P.cepacia KK01株、P.putida
BH株、P.aeruginosa(IFO 308
0)、P.fluorescens(IFO 1416
0)、Alcaligenes faecalis(I
FO 14479)、Xanthomonas mal
tophilia(IFO 14161)、Enter
obacter cloacae(IFO 1353
5)、E.coli JM109株の8種の細菌を用い
て、常法により各種細菌よりDNAを調製したものを試
料とし、PCR法によりプライマーの特異性を評価し
た。
【0069】プライマーは実施例2で調製した2種のプ
ライマー(5′−Biotin−AAATCCTTGG
CTCTAATACAGTCG−3′、5′−DNP−
AGCACTCCCACCTCTCAGCAG−3′)
を用いた。PCRは、以下の反応溶液組成ならびに条件
で行った。
【0070】50pmol/μl濃度の上記プライマー
をそれぞれ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝液を5μ
l、酵素に添付のdNTP混合溶液を5μl、試料DN
Aを10ng加え、さらに水を加えて反応溶液全量を5
0μlとした。これに、AmpliTaq DNA p
olymerase(宝酒造)を1unit加え、90
℃に加温して5分間保持した後、90℃・60秒、55
℃・45秒、72℃・90秒を1サイクルとした30サ
イクルの反応を行い、反応後さらに72℃で5分間保温
した。反応後、50μlより10μlを分取し、アガロ
ースゲル電気泳動、エチジウムブロマイド染色を行い、
増幅核酸鎖の検出を行った。その結果、P.cepac
ia KK01株においてのみ、期待される約580塩
基対の長さに、明瞭な一本のバンドが確認できた。ここ
で、他の7種の菌株においては、いかなる増幅核酸鎖も
まったく検出することはできなかった。
【0071】[実施例5] P.cepacia KK
01株のプライマーを用いた検出(1) 実施例4と同様にして、8種類の各種細菌よりDNAを
調製した。これを以下の反応溶液組成、反応条件でPC
Rに供した。
【0072】実施例2で調製した、20pmol/μl
濃度のプライマー(5′−Biotin−AAATCC
TTGGCTCTAATACAGTCG−3′、5′−
DNP−AGCACTCCCACCTCTCAGCAG
−3′)をそれぞれ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝
液を5μl、酵素に添付のdNTP混合溶液を2μl、
試料DNAをP.cepacia KK01株は10p
gを、他の細菌については10ngを加え、さらに水を
加えて反応溶液全量を50μlとした。これに、Amp
liTaq DNA polymerase(宝酒造)
を1unit加え、90℃に加温して5分間保持した
後、90℃・60秒、55℃・45秒、72℃・90秒
を1サイクルとした35サイクルの反応を行い、反応後
さらに72℃で5分間保温した。
【0073】ストレプトアビジン固定化マイクロプレー
トに、0.15M NaCl、0.05%Tween2
0を含むTris−Cl緩衝液(pH7.5)を100
μl加えておき、これに反応後の上記混合液を10μl
加え、室温30分間放置の後、上記緩衝液500μlで
3回洗浄した。これにアルカリ性フォスフォターゼ標識
抗DNP抗体を上述の緩衝液で2000倍に希釈したも
のを100μl加え、室温30分間放置の後、上記緩衝
液500μlで3回洗浄した。これに、4mg/mlの
濃度で1Mジエタノールアミン緩衝液に溶解した、p−
ニトロフェニルリン酸溶液を100μl加え、室温30
分間放置の後、マイクロプレートリーダーを用いて40
5nmの吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0074】
【表24】 [実施例6] P.cepacia KK01株のプラ
イマーを用いた検出(2) 実施例4と同様にして、P.cepacia KK01
株よりDNAを調製した。これを以下の反応溶液組成、
反応条件でPCRに供した。
【0075】実施例2で調製した、20pmol/μl
濃度のプライマー(5′−Biotin−AAATCC
TTGGCTCTAATACAGTCG−3′、5′−
DNP−AGCACTCCCACCTCTCAGCAG
−3′)をそれぞれ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝
液を5μl、酵素に添付のdNTP混合溶液を2μl、
試料としてP.cepacia KK01株より調製し
たDNAを、10pg、1pg、100fg、10fg
加え、さらに水を加えて反応溶液全量を50μlとし
た。これに、AmpliTaq DNA polyme
rase(宝酒造)を1unit加え、90℃に加温し
て5分間保持した後、90℃・60秒、55℃・45
秒、72℃・90秒を1サイクルとした40サイクルの
反応を行い、反応後さらに72℃で5分間保温した。
【0076】ストレプトアビジン固定化マイクロプレー
トに、0.15M NaCl、0.05%Tween2
0を含むTris−Cl緩衝液(pH7.5)を100
μl加えておき、これに反応後の上記混合液を10μl
加え、室温30分間放置の後、上記緩衝液500μlで
3回洗浄した。これにアルカリ性フォスフォターゼ標識
抗DNP抗体を上述の緩衝液で2000倍に希釈したも
のを100μl加え、室温30分間放置の後、上記緩衝
液500μlで3回洗浄した。これに、4mg/mlの
濃度で1Mジエタノールアミン緩衝液に溶解した、p−
ニトロフェニルリン酸溶液を100μl加え、室温30
分間放置の後、マイクロプレートリーダーを用いて40
5nmの吸光度を測定した。結果を表2に示す。
【0077】
【表25】 [実施例7] P.cepacia KK01株のプロ
ーブを用いた検出(1) 実施例4と同様にして、8種類の各種細菌よりDNAを
調製した。それぞれのDNAをアルカリ変性の後、ドッ
トブロット装置(BRL)を用いて1μgずつナイロン
膜(Tropilon−45、Tropix社)にドッ
トした。80℃で2時間乾燥の後、ナイロン膜をビニー
ルバッグに入れ、プレハイブリダイゼーション溶液(6
×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、10
0μg/ml変性サケ精子DNA)を3ml加え、60
℃でプレハイブリダイゼーションを1時間行った。これ
に、ハイブリダイゼーション溶液(プレハイブリダイゼ
ーション溶液に実施例3で調製したビオチン標識オリゴ
ヌクレオチドプローブ(5′−ACTGTATTAGA
GCCAAGGATTTCTTTCCGGACAA−B
iotin−3′)を熱変性の後に100ng加えたも
の)を3ml加え、60℃で2時間ハイブリダイゼーシ
ョンを行った。ナイロン膜をビニールバッグより取り出
し、6×SSC、0.5%SDS溶液を用いて60℃で
5分間ずつ3回洗浄した。検出はサザンライト(Tro
pix社)を用いて、アルカリ性フォスファターゼ標識
ストレプトアビジンとAMPPDTMによる化学発光法を
利用して、添付のプロトコルに従い行った。
【0078】その結果、P.cepacia KK01
株DNAをドットしたものについてのみ、きわめて強い
陽性の反応を確認できた。ここで、他の7種の菌株にお
いては、陽性の反応を検出することはできなかった。
【0079】[実施例8] P.cepacia KK
01株のプローブを用いた検出(2) 実施例4に記載の8種類の各種細菌を常法により培養し
た。0.1Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)で
洗浄の後、前記緩衝液を用いてそれぞれの菌数が2×1
7 cells/mlになるよう調製した。このように
して調製した菌懸濁液50μlに6%のホルムアルデヒ
ド溶液を50μl加え菌体を固定し、0.1%ゼラチ
ン、0.01%クロムミョウバンでコートしたスライド
グラスに30μlを滴下し、風乾した。試料を固定した
スライドグラスを、90%メタノール、3%ホルムアル
デヒド溶液に10分間浸けて菌体を再固定した後、純水
で洗浄した。
【0080】上記処理を行ったスライドグラスを、50
mM NaBH4 を含む10mMTris−Cl緩衝液
(pH8.0)に室温で30分間、遮光状態で浸した
後、純水で洗浄、風乾した。プローブは実施例3で調製
したビオチン標識オリゴヌクレオチドプローブ(5−A
CTGTATTAGAGCCAAGGATTTCTTT
CCGGACAA−Biotin−3′)に、FITC
(Fluorescein isothiocyana
te)標識されたストレプトアビジンをあらかじめ結合
させたものを用いた。この標識プローブを、ハイブリダ
イゼーション溶液(0.1M Tris−Cl緩衝液
(pH8.0)、0.75M NaCl、5mM ED
TA、10%硫酸デキストラン、0.2%BSA(Bo
vineSerum Albumin)、0.01%ポ
リアデニル酸)で5ng/μl濃度とし、30μlを滴
下した。スライドグラスを気密性の容器に入れて、45
℃、1時間の反応を遮光状態で行った。
【0081】反応後、SET緩衝液(Tris−Cl
(pH8.0)、0.2mM EDTA、30mM N
ACl)でスライドグラスを洗浄し、遮光状態で風乾の
後、オリンパスの落射型蛍光顕微鏡で検鏡を行い蛍光の
有無を調べた。励起光源は水銀ランプを使用し、B励起
により観察を行った。検鏡の結果、P.cepacia
KK01株については菌体に蛍光が認められたが、他の
細菌では蛍光を観察することはできなかった。
【0082】
【発明の効果】本発明の核酸断片は、P.cepaci
a KK01株の16S rRNAをコードする遺伝子
であり、これらの構成塩基またはその一部分の塩基配列
をプライマーまたはプローブとして利用すれば、P.c
epacia KK01株の検出を特異的に行うことが
できる。
【0083】また、本発明によるP.cepacia
KK01株の検出方法は、上記の核酸断片あるいはこれ
らの一部をプライマーまたはプローブとして用いるもの
であり、感度、特異性、簡便さ、迅速性の点で優れたも
のであり、環境浄化などの分野で多大な貢献をなすもの
である。
【0084】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1526 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:rRNA遺伝子DNA 起源 生物名:Pseudomonas cepacia 株名:KK01 配列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 15/09 ZNA C12R 1:38) (C12Q 1/68 C12R 1:38) C12R 1:38)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1の塩基配列で示されるPse
    udomonascepacia KK01株の16S
    rRNA遺伝子。
  2. 【請求項2】 請求項1の配列で示される核酸、ならび
    に、その相補的な塩基配列を有する核酸、および、これ
    らの変異配列で示される核酸から選ばれる新規な核酸断
    片。
  3. 【請求項3】 次に列記する特異配列番号1から8まで
    のいずれかの配列またはそれら配列のいずれかを一部と
    して含むことを特徴とする請求項2に記載の新規な核酸
    断片。 【表1】
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のいずれかの核酸中の部
    分配列であってプライマー、またはプローブとして利用
    可能な核酸よりなる新規な核酸断片。
  5. 【請求項5】 プライマーとして利用可能な核酸が10
    〜50塩基の長さであり、プローブとして利用可能な核
    酸が10塩基から請求項2に記載の核酸の全塩基数以下
    の長さである請求項4に記載の新規な核酸断片。
  6. 【請求項6】 部分配列が次に配列する部分配列番号1
    から437までのいずれかである請求項4に記載の新規
    な核酸断片。 【表2】 【表3】 【表4】 【表5】 【表6】 【表7】 【表8】 【表9】 【表10】 【表11】 【表12】
  7. 【請求項7】 変異配列が、核酸の塩基配列の一部を欠
    失するか、または他の塩基もしくは塩基配列で置換もし
    くは付加されたものである請求項2〜6のいずれか1項
    に記載の新規な核酸断片。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7のいずれか1項に記載の核
    酸断片であって、標識物または(および)固相担体と結
    合可能な部位が導入されている場合もある核酸断片より
    なるプライマー。
  9. 【請求項9】 請求項2〜7のいずれか1項に記載の核
    酸断片であって、標識物または(および)固相担体と結
    合可能な部位が導入されている場合もある核酸断片より
    なるプローブ。
  10. 【請求項10】 2種の核酸断片の組み合わせからなる
    プライマーであって、少なくとも一方の核酸断片が請求
    項8に記載の核酸断片より選ばれたものであり、それぞ
    れの核酸断片に標識物または(および)固相担体と結合
    可能な部位が導入されている場合もあるプライマー。
  11. 【請求項11】 変異配列が核酸断片の塩基配列の一部
    を欠失するか、または他の塩基もしくは塩基配列で置換
    もしくは付加されたものである請求項8および10のい
    ずれか1項に記載のプライマー。
  12. 【請求項12】 標識物または固相担体と結合可能な部
    位が、核酸断片の5′末端側に導入されている請求項8
    〜11のいずれか1項に記載のプライマーまたはプロー
    ブ。
  13. 【請求項13】 標識物または固相担体と結合可能な部
    位が、ビオチン残基、2,4−ジニトロフェニル基、ジ
    ゴキシゲニン残基のいずれかである請求項8〜12のい
    ずれか1項に記載のプライマーまたはプローブ。
  14. 【請求項14】 請求項2〜7,9,12または13の
    いずれかに記載の核酸の塩基配列を有する核酸断片の少
    なくとも1種をプローブとして用いることを特徴とする
    P.cepacia KK01株の検出方法。
  15. 【請求項15】 請求項2〜8,10〜13のいずれか
    に記載の核酸の塩基配列を有する核酸断片の少なくとも
    1種をプライマーとして用いることを特徴とするP.c
    epacia KK01株の検出方法。
  16. 【請求項16】 請求項8,10〜13または15のい
    ずれかに記載のプライマーを用い、下記(1)〜(4)
    の工程を実施することを特徴とするP.cepacia
    KK01株の検出方法。(1)P.cepacia
    KK01株の有無を検出したい試料を準備し、(2)必
    要に応じて、試料中の菌体の破砕処理を行い、(3)試
    料に上記プライマーを加えプライマーの伸張反応を行
    い、(4)工程(3)で得られた伸張反応物について検
    出操作を行う。
  17. 【請求項17】 請求項10に記載のプライマーを用い
    る請求項16記載のP.cepacia KK01株の
    検出方法。
  18. 【請求項18】 該プライマーの伸張反応がPCR(P
    olymeraseChain Reaction)で
    ある請求項16、あるいは17のいずれか1項に記載の
    P.cepacia KK01株の検出方法。
JP6051739A 1994-03-23 1994-03-23 新規核酸断片およびこれらを用いたPseudomonas cepacia KK01株の検出法 Pending JPH07255486A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6051739A JPH07255486A (ja) 1994-03-23 1994-03-23 新規核酸断片およびこれらを用いたPseudomonas cepacia KK01株の検出法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6051739A JPH07255486A (ja) 1994-03-23 1994-03-23 新規核酸断片およびこれらを用いたPseudomonas cepacia KK01株の検出法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07255486A true JPH07255486A (ja) 1995-10-09

Family

ID=12895283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6051739A Pending JPH07255486A (ja) 1994-03-23 1994-03-23 新規核酸断片およびこれらを用いたPseudomonas cepacia KK01株の検出法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07255486A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998048276A1 (en) * 1997-04-23 1998-10-29 The Penn State Research Foundation Non-obligate predator bacterium burkholderia casidae and uses thereof
WO2000066788A2 (en) * 1999-05-03 2000-11-09 Gen-Probe Incorporated Polynucleotide probes for detection and quantitation of staphylococcus
US6821770B1 (en) 1999-05-03 2004-11-23 Gen-Probe Incorporated Polynucleotide matrix-based method of identifying microorganisms

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998048276A1 (en) * 1997-04-23 1998-10-29 The Penn State Research Foundation Non-obligate predator bacterium burkholderia casidae and uses thereof
US6319497B1 (en) 1997-04-23 2001-11-20 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. Non-obligate predatory bacterium burkholderia casidaeand uses thereof
US6689357B2 (en) 1997-04-23 2004-02-10 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. Non-obligate predatory bacterium Burkholderia casidae and uses thereof
WO2000066788A2 (en) * 1999-05-03 2000-11-09 Gen-Probe Incorporated Polynucleotide probes for detection and quantitation of staphylococcus
WO2000066788A3 (en) * 1999-05-03 2001-04-05 Gen Probe Inc Polynucleotide probes for detection and quantitation of staphylococcus
US6376186B1 (en) 1999-05-03 2002-04-23 Gen-Probe Incorporated Polynucleotide probes for detection and quantitation of staphylococcus
US6821770B1 (en) 1999-05-03 2004-11-23 Gen-Probe Incorporated Polynucleotide matrix-based method of identifying microorganisms
US7449328B2 (en) 1999-05-03 2008-11-11 Gen-Probe Incorporated Probe matrix-based device for identifying microorganisms

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU753273B2 (en) Mismatch detection techniques
KR19990067080A (ko) 특정 뉴클레오티드 서열의 검출방법 및 조성물
Oser et al. Sensitive non-radioactive dot-blot hybridization using DNA probes labelled with chelate group substituted psoralen and quantitative detection by europium ion fluorescence
AU675080B2 (en) Probes to mycobacterium avium mycobacterium intracellulare and mycobacterium paratuberculosis
KR20000029543A (ko) 바이오센서
EP0785941B1 (en) Porphyrin labeling of polynucleotides
Walker et al. Detection of Mycobacterium tuberculosis DNA with thermophilic strand displacement amplification and fluorescence polarization
WO2005083114A1 (en) Method, kit and system for enhanced nested pcr
JP2002508653A (ja) オキサロバクターを検出する材料および方法
WO1994006817A1 (en) Isolated nucleotide sequences for identifying neisseria gonorrhoeae
JPH07255486A (ja) 新規核酸断片およびこれらを用いたPseudomonas cepacia KK01株の検出法
CA2433473A1 (en) Fluorescent hybridization probes with reduced background
EP0484385A1 (en) Quantification of bacteria using a nucleic acid hybridization assay
JP2000135085A (ja) 16S rRNA遺伝子及び該遺伝子中のDNA配列を用いたPs.alcaligenes KB2株の検出法
KR19990022595A (ko) 나이세리아 종에 대한 핵산 프로브 및 증폭 올리고뉴클레오티드
JPH0870896A (ja) 新規核酸断片およびこれらを用いたCorynebacterium sp. J1株の検出法
JP2000060570A (ja) 新規核酸断片及びこれを用いた微生物の検出方法
WO1990001560A1 (en) Bacterial dna probe
JPH10210980A (ja) 乳酸菌検出用オリゴヌクレオチド及び該菌の検出方法
Zwadyk et al. Nucleic acid probes in clinical microbiology
JP2000135086A (ja) 16S rRNA遺伝子及び該遺伝子中のDNA配列を用いたKB1株の検出法
JP3489102B2 (ja) 標的核酸の検出方法およびそのためのキット
JP2010536343A (ja) 薬剤耐性菌検出方法
JP2001275677A (ja) 核酸断片プライマーまたはプローブ、およびこれを用いたポリヒドロキシアルカノエート合成微生物の検出方法
Tak et al. Green fluorescent protein (GFP) as a direct biosensor for mutation detection: Elimination of false-negative errors in target gene expression