JP2001269532A - 圧力変動吸着式空気分離方法 - Google Patents

圧力変動吸着式空気分離方法

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JP2001269532A
JP2001269532A JP2000087429A JP2000087429A JP2001269532A JP 2001269532 A JP2001269532 A JP 2001269532A JP 2000087429 A JP2000087429 A JP 2000087429A JP 2000087429 A JP2000087429 A JP 2000087429A JP 2001269532 A JP2001269532 A JP 2001269532A
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adsorption
gas
oxygen
unit
flow rate
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Kazuhiro Aoyama
和弘 青山
Kazuhiro Hishinuma
一弘 菱沼
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PSA法による窒素製造装置から排出される
脱着ガスを酸素富化ガスとして有効利用することができ
る圧力変動吸着式空気分離方法を提供する。 【解決手段】 分子ふるい炭素を充填した吸着筒を吸着
工程と再生工程とに切換えて空気中の窒素と酸素とを分
離し、前記吸着工程で吸着筒から流出するガスを製品窒
素ガスとして採取する圧力変動吸着式空気分離ユニット
を複数ユニット設け、各圧力変動吸着式空気分離ユニッ
トの運転サイクルを相互にずらして運転するとともに、
前記再生工程で吸着筒から流出するガスの少なくとも一
部を合流させ、製品酸素富化ガスとして採取する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力変動吸着式空
気分離方法に関し、詳しくは、吸着剤として分子ふるい
炭素を使用した圧力変動吸着式空気分離装置を使用して
空気中の窒素と酸素とを分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、圧力変動吸着(PSA)法によ
る窒素製造装置の基本的な形態例を示す系統図である。
この窒素製造装置は、吸着剤として分子ふるい炭素を充
填した2個の吸着筒11a,11bを、相対的に高い圧
力で分子ふるい炭素に酸素を吸着させて窒素を流出させ
る吸着工程と、相対的に低い圧力で分子ふるい炭素に吸
着した酸素を脱着させる再生工程とに交互に切換えて空
気中の窒素と酸素とを分離し、吸着工程で吸着筒から流
出する窒素に富んだガスを製品窒素として採取するもの
である。
【0003】第1吸着筒11aが吸着工程を行う場合、
原料空気は、空気圧縮機12で所定の圧力に加圧され、
入口弁13aを通って第1吸着筒11aの下部に導入さ
れる。第1吸着筒11aに導入された空気は、加圧下で
酸素が分子ふるい炭素に優先的に吸着されて窒素に富ん
だ製品ガスが該吸着筒11aの上部から出口弁14aを
経て製品槽15に取出される(吸着工程)。
【0004】吸着工程終了後の第1吸着筒11a内に
は、窒素が相当量残留しているので、吸着工程が終了し
た第1吸着筒11aと、再生工程が終了した第2吸着筒
11bとを、均圧弁16,17の双方又はいずれか一方
を介して連結し、第1吸着筒11a内のガスを第2吸着
筒11b内に回収する(均圧工程)。なお、この均圧工
程で、一方の吸着筒の出口部と他方の吸着筒の入口部と
を連結した上下部均圧を行う場合もある。
【0005】その後、吸着工程が終了した第1吸着筒1
1a内のガス(脱着ガス)を排気弁18aから排出し、
筒内圧力を大気圧まで、あるいは、真空ポンプによって
真空まで減圧し、さらに必要に応じて、これと同時に第
2吸着筒11b内のガス又は製品槽15から製品窒素ガ
スの一部を第1吸着筒11aの製品出口部分から供給し
てパージ再生を行い、吸着剤に吸着された酸素を脱着し
て再生する(再生工程)。すなわち、各吸着筒11a,
11bについて、均圧操作を挟んで吸着工程と再生工程
とを交互に繰り返すことにより、空気から窒素に富むガ
スを連続的に分離回収する。なお、吸着筒11b側の入
口弁13b、出口弁14b、排気弁18bも、吸着筒1
1a側の各弁と同様に、吸着筒11bの工程の進行に伴
って開閉作動する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、空気を
分離して窒素を製品とする従来のPSA法では、再生工
程時に排出される脱着ガスが空気に比べて酸素濃度が高
いものとなるため、その有効利用が望まれていたが、酸
素濃度、排気ガス流量共に、再生工程の経過時間に伴っ
て大きく変動するため、有効利用には至らず、そのほと
んどが廃棄されていた。
【0007】そこで本発明は、PSA法による窒素製造
装置から排出される脱着ガスの酸素濃度や流量の変動を
小さく抑えながら平均酸素濃度を高くし、脱着ガスを酸
素富化ガスとして有効利用することができる圧力変動吸
着式空気分離方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の圧力変動吸着式空気分離方法は、分子ふる
い炭素を充填した吸着筒を、相対的に高い圧力で行われ
る吸着工程と相対的に低い圧力で行われる再生工程とに
切換えて空気中の窒素と酸素とを分離し、前記吸着工程
で吸着筒から流出するガスを製品窒素ガスとして採取す
る圧力変動吸着式空気分離ユニットを複数ユニット設
け、各圧力変動吸着式空気分離ユニットの運転サイクル
を相互にずらして運転するとともに、前記再生工程で吸
着筒から流出するガスの少なくとも一部を合流させ、製
品酸素富化ガスとして採取することを特徴としている。
【0009】特に、前記複数の圧力変動吸着式空気分離
ユニットの設置数をN(2以上の自然数)、各ユニット
中の吸着筒の設置数をM(1以上の自然数)、定数Lを
1から(N×M−1)までの自然数としたとき、(N−
1)番目のユニットと、N番目のユニットとにおける運
転サイクルを、L/(N×M)サイクル(但し、L/
(N×M)=1/Mとなる場合を除く)ずらして運転す
ることを特徴とし、さらに、前記再生工程の時間θに対
して、再生工程で吸着筒から流出するガスのうち、再生
工程開始後、0.01θ〜0.9θの間に流出したガス
を前記製品酸素富化ガスとして採取することを特徴とし
ている。
【0010】
【発明の実施の形態】図2は本発明の圧力変動吸着式空
気分離方法を実施するための圧力変動吸着式空気分離装
置(PSA装置)の一形態例を示す系統図である。この
PSA装置は、図1に示した2筒式の窒素製造装置を一
つの吸着ユニットとし、この吸着ユニットを3ユニット
設置して連結し、空気圧縮機51,製品窒素貯槽52,
真空ポンプ53,製品酸素貯槽54,酸素ブロワ55を
共通使用する機器として付設したものである。なお、主
たる製品である窒素ガスの発生量を同一量とする場合
は、図2の装置における各吸着筒の大きさは、図1の装
置における吸着塔の1/3の大きさとなる。つまり、吸
着ユニットの設置数をN(2以上の自然数)とすれば、
各吸着筒の大きさを1/Nとすればよい。
【0011】すなわち、吸着筒11a,11bを備えた
第1吸着ユニット10と、吸着筒21a,21bを備え
た第2吸着ユニット20と、吸着筒31a,31bを備
えた第3吸着ユニット30と、前記空気圧縮機51等の
機器とを、所定の配管で接続するとともに、各配管の所
定位置に所定の弁を設けたものである。なお、以下の説
明において、前記図1に示した窒素製造装置の構成要素
と同一の構成要素には、第1吸着ユニット10では同一
の符号を、第2吸着ユニットでは各構成要素の符号に1
0をプラスした20番台の符号を、第3吸着ユニットで
は各構成要素の符号に20をプラスした30番台の符号
を、それぞれ付してあり、これらについての詳細な説明
は省略する。
【0012】各排気弁18a,18b,28a,28
b,38a,38bの下流側には、再生工程時に各吸着
筒から排出される脱着ガスの流路を、前記真空ポンプ5
3方向と前記製品酸素貯槽54方向とに切換えるための
切換弁19,29,39がそれぞれ設けられている。ま
た、真空ポンプ53の上流部には、脱着ガスを大気に放
出する際に開弁する放出弁56と、脱着ガスを真空排気
する際に開弁する真空排気弁57とが設けられている。
【0013】各吸着ユニット10,20,30は、基本
的に、図1に示した窒素製造装置と同様に、各吸着筒を
吸着工程と再生工程とに切換えてそれぞれ運転すること
により、分子ふるい炭素に対して難吸着成分である窒素
と易吸着成分である酸素とを分離する。そして、吸着工
程で各吸着筒から流出するガスを製品窒素として採取
し、再生工程で各吸着筒から流出するガスの一部を製品
酸素富化ガスとして採取する。
【0014】このようなPSA装置においては、製品と
して採取する窒素や酸素富化ガスの濃度や流量を均一化
することが好ましいため、全ての吸着ユニットにおいて
同一のタイミングで各工程を切換えることは望ましくな
い。また、ランダムに各工程を切換えることは、運転管
理の点等から望ましいものではない。
【0015】特に、再生工程において吸着筒から排出さ
れる排気ガスは、再生工程の進行に伴って流量、酸素濃
度、共に大きく変動する。例えば、後述の実施例、比較
例における測定結果を示す図3に示すように、再生工程
開始直後は、吸着筒の圧力が高い(圧力差が大きい)た
めに流量が多く、一方、吸着剤からの酸素の脱着が十分
に進行していないために酸素濃度は低くなっている。再
生工程が進んで吸着筒の圧力が低下していくのに伴って
排気ガスの流量は次第に減少していくが、酸素濃度は、
吸着剤からの脱着ガス、すなわち、吸着剤に吸着してい
た酸素が脱着したガスが排出される状態になるので、再
生工程がある程度進行した段階でピークとなり、その後
次第に減少していく。
【0016】このような流量変動及び酸素濃度変動を有
する排気ガスから、ある程度の酸素濃度を有する酸素富
化ガスを効果的に採取するためには、再生工程初期及び
再生工程末期の酸素濃度が低い排気ガスは採取せずに、
放出してしまうことが好ましい。
【0017】具体的には、再生工程の時間をθ秒とする
とき、始めの0.01θ秒と終わりの0.1θ秒とを除
いた、中間の0.01θ〜0.9θ秒の間の排気ガスを
酸素富化ガスとして採取することにより、吸着剤から脱
着した酸素を多く含むガス、すなわち、酸素濃度が比較
的高い排気ガスのみを効果的に採取することができ、酸
素富化ガスにおける平均酸素濃度を高くすることができ
る。排気ガスを採取する時間帯を0.04θ〜0.7θ
秒とすれば、酸素濃度変動幅をより一層少なくすること
ができ、平均酸素濃度をより高くすることができる。さ
らに、時間帯を0.04θ〜0.6θ秒に狭めることに
より、平均酸素濃度を更に高くできるだけでなく、流量
変動も小さく抑えることが可能となる。
【0018】すなわち、再生工程開始後0.01θ秒に
達する前及び0.9θ秒を過ぎた後は、排気ガス中の酸
素濃度が非常に低いため、これを採取すると濃度変動幅
が大きくなり、平均酸素濃度が低くなってしまう結果と
なる。また、0.01θ秒に達する前は、排気ガス量が
非常に多いので、流動の変動幅も大きくなってしまう。
【0019】また、再生工程で各吸着筒から排出される
排気ガスの一部を合流させ、これを製品酸素富化ガスと
して採取するにあたって、各吸着筒が同時に再生工程を
行うと、各排気ガスの流量及び酸素濃度の変動パターン
が同じになるので、これらを合流させても流量や酸素濃
度の変動を緩和することはできない。すなわち、排気ガ
スを合流させて流量や酸素濃度を均一化させるために
は、各吸着筒における再生工程の開始タイミングを相互
にずらすことが必要になる。
【0020】これらのことから、図2に示したように、
2筒式の吸着ユニットを3ユニット設けた場合は、各吸
着ユニットの運転サイクルを、1運転サイクル時間の1
/6,2/6,4/6あるいは5/6時間ずつ相互にず
らして運転することにより、製品ガスの濃度や流量を均
一化できるとともに、運転管理も容易に行うことが可能
となる。
【0021】これを一般式で表すと、吸着ユニットの設
置数をN(2以上の自然数)、各ユニット中の吸着筒の
設置数をM(1以上の自然数)、定数Lを1から(N×
M−1)までの自然数としたとき、(N−1)番目のユ
ニットと、N番目のユニットとにおける運転サイクル
を、L/(N×M)サイクルずらして、但し、L/(N
×M)=1/Mとなる場合は除いて運転することとな
る。
【0022】例えば、2筒式の吸着ユニットを2ユニッ
ト設けた場合は、N=2,M=2であるから、Lは1,
2又は3となり、このうち、L/(N×M)=1/Mと
なる場合、すなわち、L/(2×2)=1/2となるL
=2を除いた1又は3がLの値となる。そして、(N−
1)番目のユニットと、N番目のユニットとにおける運
転サイクルのずれは、N=2であるから、1番目のユニ
ットと2番目のユニットとにおける運転サイクルを1/
4又は3/4サイクルずらして運転することとなる。
【0023】図4乃至図6は、2筒式の吸着ユニットを
2ユニット設けた場合(N=2,M=2,L=1,2又
は3)のプロセスパターン例をそれぞれ示すものであっ
て、第1吸着ユニット10と第2吸着ユニット20とに
おける運転サイクルをL/(N×M)サイクルずらした
プロセスパターンにおける各吸着筒11a,11b,2
1a,21bの状態を表している。
【0024】なお、以下のプロセスパターンの説明にお
いて、吸着工程は、吸着筒を所定圧力に加圧する段階、
すなわち、製品窒素を採取しない段階と、製品窒素を採
取する段階とを含んでいるが、この吸着工程では吸着筒
から排気ガスは排出されない。また、再生工程は、吸着
剤から脱着したガス(脱着ガス)を吸着筒から排気ガス
として排出する工程であって、大気圧までの降圧、パー
ジ、大気圧以下までの減圧排気等の操作を含んでいる。
均圧工程(図中のバツ印)は、各吸着筒についてみれば
ガスの流出はあるが、各吸着ユニット内でガスの移動で
あり、ユニット外への排気ガスは排出されていない。し
たがって、排気ガスは再生工程でのみ排出されることに
なる。また、ここでは各吸着筒が、吸着、均圧、脱着、
均圧の順で各工程を行うことで1サイクルとしている
が、均圧工程は必須工程ではなく、省略することができ
る。
【0025】まず、図4は、L=1の場合、すなわち、
1/(2×2)=1/4であるから、第1吸着ユニット
10と第2吸着ユニット20とにおける運転サイクルを
1/4サイクルずらした運転状態である。図4から明ら
かなように、排気ガスは、均圧工程の時間を除いて両吸
着ユニット10,20からそれぞれ排出され、しかも、
各吸着筒における再生工程の開始タイミングがずれてい
ることから、両吸着ユニットからの排気ガスの流量及び
酸素濃度が相互に異なるパターンとなっているので、両
排気ガスを合流させることにより、流量及び酸素濃度の
変動が緩和される。しかも、各吸着ユニットからの排気
ガスのうち、酸素濃度の低い部分を廃棄して残る部分を
合流させることにより、合流後のガスの平均酸素濃度を
高めることができるので、酸素富化ガスとしての用途が
十分に期待できる。
【0026】図5は、L=2の場合であって両吸着ユニ
ット10,20における運転サイクルを2/4サイクル
ずらした運転状態である。すなわち、L/(N×M)=
1/Mとなる場合である。この場合は、両吸着ユニット
の第1吸着筒と第2吸着筒とにおける再生工程が同じタ
イミングで始まっているので、各吸着ユニットからの排
気ガスの流量及び酸素濃度のパターンが同じになるの
で、排気ガスを合流しても流量及び酸素濃度の変動を緩
和することができない。
【0027】図6は、L=3の場合であって両吸着ユニ
ット10,20における運転サイクルを3/4サイクル
ずらした運転状態である。この場合は、図4に示したL
=1の場合と同様に、各吸着筒の再生工程の開始タイミ
ングがずれているので、排気ガスを合流させることによ
って流量及び酸素濃度の変動を緩和することができる。
【0028】図7乃至図12は、図2に示したように、
2筒式の吸着ユニットを3ユニット設けた場合(N=
3,M=2,L=1〜5)のプロセスパターン例をそれ
ぞれ示すものであって、第1乃至第3吸着ユニット1
0,20,30における運転サイクルをL/(N×M)
サイクルずらしたプロセスパターンにおける各吸着筒1
1a,11b,21a,21b,31a,31bの状態
を表している。
【0029】まず、図7はL=1の場合、すなわち、1
/(3×2)=1/6であるから、第1吸着ユニット1
0と第2吸着ユニット20とにおける運転サイクルを1
/6サイクル、第2吸着ユニット20と第3吸着ユニッ
ト30とにおける運転サイクルを1/6サイクル、それ
ぞれずらした運転状態である。このプロセスパターンで
は、均圧工程の時間を除いて、各吸着ユニット10,2
0,30から排気ガスがそれぞれ排出されており、しか
も、各吸着筒における再生工程の開始タイミングがずれ
ているので、各吸着ユニットからの排気ガスを合流させ
ることにより、流量及び酸素濃度の変動を緩和すること
ができる。
【0030】図8はL=2の場合、すなわち、2/(3
×2)=2/6であるから、第1吸着ユニット10と第
2吸着ユニット20とにおける運転サイクルを2/6サ
イクル、第2吸着ユニット20と第3吸着ユニット30
とにおける運転サイクルを2/6サイクル、それぞれず
らした運転状態である。この場合も、図7のパターンと
同様に、再生工程の開始タイミングがずれているので、
各吸着ユニットからの排気ガスを合流させることによ
り、流量及び酸素濃度の変動を緩和することができる。
【0031】図9はL=3の場合、すなわち、3/(3
×2)=3/6であるから、第1吸着ユニット10と第
2吸着ユニット20とにおける運転サイクルを3/6サ
イクル、第2吸着ユニット20と第3吸着ユニット30
とにおける運転サイクルを3/6サイクル、それぞれず
らした運転状態である。このパターンは、L/(N×
M)=1/Mとなる場合であり、各吸着ユニットにおけ
る各吸着筒の再生工程が同じタイミングで始まっている
ので、排気ガスの流量及び酸素濃度のパターンが各吸着
筒で同じになるので、排気ガスを合流しても流量及び酸
素濃度の変動を緩和することができない。
【0032】図10はL=4の場合、すなわち、4/
(3×2)=4/6であるから、第1吸着ユニット10
と第2吸着ユニット20とにおける運転サイクルを4/
6サイクル、第2吸着ユニット20と第3吸着ユニット
30とにおける運転サイクルを4/6サイクル、それぞ
れずらした運転状態である。この場合も、図7のパター
ンと同様に、再生工程の開始タイミングがずれているの
で、各吸着ユニットからの排気ガスを合流させることに
より、流量及び酸素濃度の変動を緩和することができ
る。
【0033】図11はL=5の場合、すなわち、5/
(3×2)=5/6であるから、第1吸着ユニット10
と第2吸着ユニット20とにおける運転サイクルを5/
6サイクル、第2吸着ユニット20と第3吸着ユニット
30とにおける運転サイクルを5/6サイクル、それぞ
れずらした運転状態である。この場合も、図7のパター
ンと同様に、再生工程の開始タイミングがずれているの
で、各吸着ユニットからの排気ガスを合流させることに
より、流量及び酸素濃度の変動を緩和することができ
る。
【0034】図12は、均圧工程時間を相対的に長く設
定した場合であって、第1吸着ユニット10の第1吸着
筒11aの再生工程が終了したときに第2吸着ユニット
20の第1吸着筒21aの再生工程が始まり、第2吸着
ユニット20の第1吸着筒21aの再生工程が終了した
ときに第3吸着ユニット30の第1吸着筒31aの再生
工程が始まり、第3吸着ユニット30の第1吸着筒31
aの再生工程が終了したときに第1吸着ユニット10の
第1吸着筒11aの再生工程が始まるようにしている。
第2吸着筒11b,21b,31bも同様のパターンで
再生工程を行うようにしており、運転サイクルとしては
2/6サイクル分ずれていることになる。
【0035】この場合も、PSA装置全体でみれば、常
に二つの吸着ユニットにおいて再生工程が行われてお
り、かつ、再生工程の位相がずれているので、排気ガス
を合流させることによって流量変動や酸素濃度変動が緩
和された酸素富化ガスを得ることができる。
【0036】図13乃至図16は、2筒式の吸着ユニッ
トを4ユニット設けた場合(N=4,M=2,L=1〜
7)のプロセスパターン例をそれぞれ示すものであっ
て、第1乃至第4吸着ユニット10,20,30,40
における運転サイクルを1/8、2/8、3/8、 4
/8サイクルずらしたプロセスパターンにおける各吸着
筒11a,11b,21a,21b,31a,31b,
41a,41bの状態を表している。
【0037】まず、図13はL=1の場合、すなわち、
1/(4×2)=1/8であるから、第1吸着ユニット
10と第2吸着ユニット20とにおける運転サイクルを
1/8サイクル、第2吸着ユニット20と第3吸着ユニ
ット30とにおける運転サイクルを1/8サイクル、第
3吸着ユニット30と第4吸着ユニット40とにおける
運転サイクルを1/8サイクル、それぞれずらした運転
状態である。この状態では、各ユニットの運転位相が全
てずれており、均圧工程の時間を除いて、各吸着ユニッ
ト10,20,30,40から排気ガスがそれぞれ排出
されており、しかも、各吸着筒における再生工程の開始
タイミングがずれているので、各吸着ユニットからの排
気ガスを合流させることにより、流量及び酸素濃度の変
動を緩和することができる。
【0038】図14はL=2の場合で、各ユニット相互
における位相のずれが2/8=1/4となっている。こ
の場合は、第1吸着ユニット10と第3吸着ユニット3
0、第2吸着ユニット20と第4吸着ユニット40、と
における再生工程が同一のタイミングで行われているの
で、第1、第3吸着ユニット同士、第2、第4吸着ユニ
ット同士の間では、排気ガスを合流させる意味がない
が、全ての吸着ユニットからの排気ガスを合流すれば、
前記同様にして流量及び酸素濃度の変動を緩和すること
ができる。
【0039】図15はL=3の場合で、各ユニット相互
における位相のずれが3/8となっている。この場合
は、図13のL=1の場合と同様に、各ユニットの運転
位相が全てずれているので、排気ガスの合流によって流
量及び酸素濃度の変動が緩和される。
【0040】図16は、L=4の場合であって、L/
(N×M)=1/Mとなってしまう場合である。この場
合は、各吸着ユニットの再生工程が同じタイミングで行
われてしまうので、排気ガスを合流しても流量及び酸素
濃度の変動を緩和することができない。
【0041】以下、L=5又はL=7の場合は、図13
又は図15と同じようなパターンとなり、L=6の場合
は、図14と同じようなパターンとなる。したがって、
これらの場合も、各吸着ユニットからの排気ガスを合流
させることにより、流量及び酸素濃度の変動を緩和する
ことができる。
【0042】なお、上記各例では、各吸着ユニットにお
ける吸着筒の設置数を2としているが、1又は3以上に
することもでき、吸着ユニットの数を5以上とすること
もできる。
【0043】次に、図2に示したPSA装置を図7に示
すプロセスパターンで運転する場合を簡単に説明する。
まず、第1吸着ユニット10の第1吸着筒11aが吸着
工程を開始した時点では、第1吸着ユニット10の第2
吸着筒11bは再生工程に切り替わった時点であり、第
2吸着ユニット20の第1吸着筒21aは再生工程の後
半段階、第2吸着ユニット20の第2吸着筒21bは吸
着工程の後半段階、第3吸着ユニット30の第1吸着筒
31aは再生工程の前半段階、第3吸着ユニット30の
第2吸着筒31bは吸着工程の前半段階をそれぞれ行っ
ている。
【0044】このとき、開いている弁は、入口弁13
a,23b,33b、出口弁24b,34b(出口弁1
4aは吸着筒11aの圧力が上昇してから開く)、排気
弁18b,28a,38a及び放出弁56であり、第1
吸着ユニット10の切換弁19は排気ライン側に、第
2、第3吸着ユニットの切換弁29,39は酸素回収側
に、それぞれ切換えられている。したがって、吸着筒2
1b,31bから製品窒素が採取されるとともに、吸着
筒21a,31aから製品酸素富化ガスが採取されてい
る状態となっている。
【0045】切換弁19は、極めて短時間で流路が酸素
回収側に切換えられ、吸着筒11bからも製品酸素富化
ガスが採取される。これは、図3に示したように、再生
工程初期の酸素濃度が低い排気ガスを放出するためであ
る。
【0046】時間の経過に伴い、出口弁14aが開いて
吸着筒11aからの製品窒素の採取が始まり、切換弁2
9が排気ライン側に切換えられて吸着筒21bからの酸
素濃度の低い排気ガスの放出が始まる。
【0047】そして、第2吸着ユニットの両筒における
再生工程及び吸着工程が終了すると、入口弁23b、出
口弁24b、排気弁28aが閉じられ、均圧弁26,2
7が開いて均圧工程が始まり、吸着筒21b内のガスが
吸着筒21a内に送り込まれる。この均圧工程が終了す
ると、吸着筒21aの入口弁23aが開いて吸着筒21
aが吸着工程(加圧段階)となり、排気弁28bが開い
て吸着筒21bが再生工程を開始する。
【0048】この時点で、第2吸着ユニット20は最初
の第1吸着ユニット10と同じ段階になり、第3吸着ユ
ニット30は最初の第2ユニット20と同じ段階にな
る。第1吸着ユニット10は、第1、第2吸着筒が入れ
替わった状態で最初の第3ユニット30と同じ段階にな
る。
【0049】以下、上述のようにして各弁が開閉し、あ
るいは流路が切換えられて工程が進行し、吸着工程の各
吸着筒から製品窒素が所定の圧力で製品窒素貯槽52に
採取され、再生工程の各吸着筒から排出される排気ガス
の一部が製品酸素富化ガスとして製品酸素貯槽54に合
流採取される。この製品酸素貯槽54の圧力は、通常大
気圧程度であり、それほど高くないため、製品酸素富化
ガスは、酸素ブロワ55によって需要先に供給される。
【0050】なお、再生工程の後半で減圧再生を行う場
合は、切換弁19,29,39が排気ライン側に切換え
られるとともに放出弁56が閉じ、真空排気弁57が開
いて真空ポンプ53による真空排気が行われる。減圧再
生を行わない場合は、真空ポンプ53は省略できる。パ
ージ再生を行う場合は、同一ユニット内の吸着工程にあ
る吸着筒から、あるいは、製品窒素貯槽52から所定流
量の窒素ガスが再生工程にある吸着筒に出口側から導入
される。均圧工程は、上部均圧、下部均圧、上下部同時
均圧等の適宜な均圧方法を単独で又は適宜組合わせて採
用することができる。
【0051】このように、1又は複数の吸着筒を備えた
吸着ユニットを複数備えたPSA装置を使用し、各吸着
ユニットのプロセス開始時刻(位相)をずらして運転
し、各吸着ユニットからの排気ガスを合流させることに
より、各ユニット単独の排気ガスに比べて流量変動及び
酸素濃度変動を緩和することができる。しかも、再生工
程の時間θに対して、再生工程で吸着筒から流出するガ
スのうち、再生工程開始後、0.01θ〜0.9θの間
に流出したガスを採取することにより、平均酸素濃度を
高くすることができる。
【0052】特に、複数の圧力変動吸着式空気分離ユニ
ットの設置数をN(2以上の自然数)、各ユニット中の
吸着筒の設置数をM(1以上の自然数)、定数Lを1か
ら(N×M−1)までの自然数としたとき、(N−1)
番目のユニットと、N番目のユニットとにおける運転サ
イクルを、L/(N×M)サイクル(但し、L/(N×
M)=1/Mとなる場合を除く)ずらして運転して排気
ガスを合流採取することにより、運転操作が簡便とな
り、合流後の酸素富化ガスの流量、濃度をより安定化さ
せることができる。さらに、合流させた排気ガス(酸素
富化ガス)を、適当な容量のバルーンやタンクからなる
製品酸素貯槽54に一旦貯留してから需要先に送り出す
ことにより、ガス流量や酸素濃度を略均一にすることが
できる。
【0053】また、各吸着ユニットの位相をずらして運
転するため、原料空気の消費量が一定ではなくなるた
め、空気圧縮機51の後段に適当な容量の空気貯槽を設
けることにより、空気圧縮機51における処理空気量の
変動を緩和することができ、空気圧縮機51の小型化や
消費電力に平準化及び節減を図ることができる。
【0054】なお、このようにして得られる酸素富化ガ
スは、様々な分野の用途に供することができ、例えば、
ゴミ焼却を始めとする各種燃焼システムにおいて、窒素
ガスを防爆・保安ガスとして用い、酸素富化ガスを支燃
ガスとして用いることにより、PSA装置を有効に利用
することができ極めて有益なものとなる。
【0055】
【実施例】比較例 図1に示した2筒式PSA装置を使用し、図4に示した
第一吸着ユニットのプロセスで運転して空気を分離し、
製品窒素と排気ガス(酸素富化ガス)とに分離した。1
サイクルの時間は、吸着工程120秒、均圧工程5秒、
再生工程120秒、均圧工程5秒の合計250秒とし
た。原料空気量は7.70Nm/h、製品窒素量は
3.30Nm/hとした。また、再生工程では、筒内
ガスを放出する操作を10秒間行った後、出口側からパ
ージガスを0.47Nm/hで導入してパージ再生を
110秒間行うようにした。
【0056】排気ガスの流量及び酸素濃度は、図3に示
すように変動した。横軸は時間であり,縦軸は排気ガス
流出量と排気ガス中の酸素濃度とを表している。なお、
図3では、2筒式PSAの場合、1サイクル中の排気ガ
スは、両吸着筒から交互に同じようにして流出するの
で、一つの吸着筒から排気ガスが流出する125秒から
250秒までの半サイクル分のみを記載している(以
下、同様)。
【0057】このときの排気ガスの流量は、平均流量が
4.30Nm/hであり、最小流量は2Nm/h、
最大流量は23.4Nm/h、流量変動幅は21.4
Nm /hとなった。また、排気ガスの酸素濃度(容積
%、以下同様)は、平均濃度が35.6%であり、最小
濃度は20.3%、最大濃度は47.9%、濃度変動幅
は27.6%となった。
【0058】実施例1 2筒式PSAを3ユニット設置した図2に示す系統のP
SA装置を使用し、図7に示すパターンのプロセスで運
転を行った。各吸着筒の大きさを比較例1の1/3と
し、原料空気量及び製品窒素量を同一とした(原料空気
量7.70Nm/h、製品窒素量3.30Nm
h)。また、各吸着ユニットにおける1サイクルの時間
も、、吸着工程120秒、均圧工程5秒、再生工程12
0秒(降圧10秒、パージ110秒)、均圧工程5秒の
合計250秒として比較例と同じにした。但し、パージ
ガスの流量は、吸着筒の大きさに合わせて約1/3の
0.16Nm/hとした。
【0059】切換弁19,29,39を酸素回収側に固
定し、各吸着ユニットから排出される全ての排気ガスを
全部合流させて製品酸素富化ガスとした。製品酸素貯槽
54の入口部における酸素富化ガスの流量変動状態を図
17に、酸素濃度の変動状態を図18にそれぞれ示す。
このときの酸素富化ガスの流量は、平均流量が比較例と
同じ4.30Nm/hであり、最小流量は2.11N
/h、最大流量は9.92Nm/h、流量変動幅
は7.81Nm/hとなった。また、酸素濃度は、平
均濃度が比較例と同じ35.6%であったが、最小濃度
は28.7%、最大濃度は39.7%、濃度変動幅は1
1.0%に緩和された。
【0060】実施例2 各吸着筒の再生工程の際に、切換弁19,29,39を
それぞれ操作し、再生工程開始後2秒間の排気ガスを排
気ライン側に排出し、以降の排気ガスを製品酸素富化ガ
スとして採取するようにした。この他は、実施例1と同
様とした。
【0061】実施例3 再生工程開始後5秒間の排気ガスを排気ライン側に排出
し、以降の排気ガスを製品酸素富化ガスとして採取する
ようにした。この他は、実施例2と同様とした。このと
きの製品酸素貯槽54の入口部における酸素富化ガスの
流量の変動状態を図19に、酸素濃度の変動状態を図2
0にそれぞれ示す。酸素富化ガスの流量は、平均流量
3.54Nm/h、最小流量2.00Nm/h、最
大流量6.57Nm/h、流量変動幅4.57Nm
/hとなった。また、酸素濃度は、平均濃度36.5
%、最小濃度は32.0%、最大濃度は39.7%、濃
度変動幅は7.7%となった。
【0062】実施例4 再生工程開始後7秒間の排気ガスを排気ライン側に排出
し、以降の排気ガスを製品酸素富化ガスとして採取する
ようにした。この他は、実施例2と同様とした。
【0063】実施例5 各吸着筒の再生工程の際に、切換弁19,29,39を
それぞれ操作し、再生工程開始後100秒以後の排気ガ
スを排気ライン側に排出し、これ以前の排気ガスを製品
酸素富化ガスとして採取するようにした。この他は、実
施例1と同様とした。
【0064】実施例6 再生工程開始後80秒以後の排気ガスを排気ライン側に
排出し、これ以前の排気ガスを製品酸素富化ガスとして
採取するようにした。この他は、実施例5と同様とし
た。
【0065】実施例7 各吸着筒の再生工程の際に、切換弁19,29,39を
それぞれ操作し、再生工程開始後5秒以前、100秒以
降の排気ガスを排出し、5〜100秒の間に流出した排
気ガスを製品酸素富化ガスとして採取するようにした。
この他は、実施例1と同様とした。
【0066】実施例8 再生工程開始後5秒以前、80秒以降の排気ガスを排出
し、5〜80秒の間に流出した排気ガスを製品酸素富化
ガスとして採取するようにした。この他は、実施例7と
同様とした。
【0067】実施例9 再生工程開始後5秒以前、70秒以降の排気ガスを排出
し、5〜70秒の間に流出した排気ガスを製品酸素富化
ガスとして採取するようにした。この他は、実施例7と
同様とした。このときの製品酸素貯槽54の入口部にお
ける酸素富化ガスの流量の変動状態を図21に、酸素濃
度の変動状態を図22にそれぞれ示す。酸素富化ガスの
流量は、平均流量2.60Nm/h、最小流量1.1
9Nm/h、最大流量5.77Nm/h、流量変動
幅4.58Nm/hとなった。また、酸素濃度は、平
均濃度41.0%、最小濃度は36.7%、最大濃度は
44.7%、濃度変動幅は8.0%となった。
【0068】比較例及び各実施例における酸素富化ガス
の流量変動幅、平均流量、酸素濃度変動幅及び平均酸素
濃度をまとめて表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】これらの結果から、比較例に比べて各実施
例では、酸素富化ガスの流量変動幅及び酸素濃度変動幅
がいずれも緩和されていることがわかる。また、再生工
程開始直後の排気ガスは廃棄し、それ以降の排気ガスを
全て製品酸素富化ガスとする場合、再生開始後の廃棄時
間を長くすると、実施例1に比べて酸素富化ガスの流量
変動幅は小さくなるが、平均酸素濃度はそれほど変動し
ないことことがわかる(実施例2〜4)。また、再生工
程終了前の排気ガスを排気する場合、排気開始時間を早
くすると、実施例1に比べて酸素富化ガスの平均酸素濃
度は上昇するが、流量変動幅はほとんど変動しないこと
がわかる(実施例5,6)。そして、再生工程時間θ=
120秒において、再生工程開始から5秒後(約0.0
4θ)から100秒(約0.83θ)、80秒(約0.
67θ)、70秒(約0.58θ)間での間の排気ガス
を合流させて製品酸素富化ガスとすることにより、平均
流量はやや小さくなるものの、流量変動幅が小さく、酸
素濃度変動幅も小さい製品酸素富化ガスが得られること
がわかる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧力変動
吸着式空気分離方法によれば、窒素を主たる製品とする
PSAガス分離法において、排気ガスの流量変動幅を小
さくし、排気ガス中の酸素濃度の変動幅を小さくするこ
とができるとともに、排気ガスの平均酸素濃度を高くす
ることができるので、従来は廃棄されていた排気ガス
を、製品酸素富化ガスとして有効に利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 圧力変動吸着法による窒素製造装置の基本的
な形態例を示す系統図である。
【図2】 本発明の圧力変動吸着式空気分離方法を実施
するための圧力変動吸着式空気分離装置の一形態例を示
す系統図である。
【図3】 吸着筒から排出される排気ガスの流量及び酸
素濃度の変動状態を示す図である。
【図4】 2筒式の吸着ユニットを2ユニット設けた場
合のプロセスパターンの第1例を示す図である。
【図5】 2筒式の吸着ユニットを2ユニット設けた場
合のプロセスパターンの第2例を示す図である。
【図6】 2筒式の吸着ユニットを2ユニット設けた場
合のプロセスパターンの第3例を示す図である。
【図7】 2筒式の吸着ユニットを3ユニット設けた場
合のプロセスパターンの第1例を示す図である。
【図8】 2筒式の吸着ユニットを3ユニット設けた場
合のプロセスパターンの第2例を示す図である。
【図9】 2筒式の吸着ユニットを3ユニット設けた場
合のプロセスパターンの第3例を示す図である。
【図10】 2筒式の吸着ユニットを3ユニット設けた
場合のプロセスパターンの第4例を示す図である。
【図11】 2筒式の吸着ユニットを3ユニット設けた
場合のプロセスパターンの第5例を示す図である。
【図12】 2筒式の吸着ユニットを3ユニット設けた
場合のプロセスパターンの第6例を示す図である。
【図13】 2筒式の吸着ユニットを4ユニット設けた
場合のプロセスパターンの第1例を示す図である。
【図14】 2筒式の吸着ユニットを4ユニット設けた
場合のプロセスパターンの第2例を示す図である。
【図15】 2筒式の吸着ユニットを4ユニット設けた
場合のプロセスパターンの第3例を示す図である。
【図16】 2筒式の吸着ユニットを4ユニット設けた
場合のプロセスパターンの第4例を示す図である。
【図17】 実施例1における酸素富化ガスの流量変動
状態を示す図である。
【図18】 実施例1における酸素富化ガスの酸素濃度
変動状態を示す図である。
【図19】 実施例3における酸素富化ガスの流量変動
状態を示す図である。
【図20】 実施例3における酸素富化ガスの酸素濃度
変動状態を示す図である。
【図21】 実施例9における酸素富化ガスの流量変動
状態を示す図である。
【図22】 実施例9における酸素富化ガスの酸素濃度
変動状態を示す図である。
【符号の説明】
10…第1吸着ユニット、20…第2吸着ユニット、3
0…第3吸着ユニット、11a,11b,21a,21
b、31a,31b…吸着筒、18a,18b,28
a,28b,38a,38b…排気弁、19,29,3
9…切換弁、54…製品酸素貯槽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子ふるい炭素を充填した吸着筒を、相
    対的に高い圧力で行われる吸着工程と相対的に低い圧力
    で行われる再生工程とに切換えて空気中の窒素と酸素と
    を分離し、前記吸着工程で吸着筒から流出するガスを製
    品窒素ガスとして採取する圧力変動吸着式空気分離ユニ
    ットを複数ユニット設け、各圧力変動吸着式空気分離ユ
    ニットの運転サイクルを相互にずらして運転するととも
    に、前記再生工程で吸着筒から流出するガスの少なくと
    も一部を合流させ、製品酸素富化ガスとして採取するこ
    とを特徴とする圧力変動吸着式空気分離方法。
  2. 【請求項2】 前記圧力変動吸着式空気分離ユニットの
    設置数をN(2以上の自然数)、各ユニット中の吸着筒
    の設置数をM(1以上の自然数)、定数Lを1から(N
    ×M−1)までの自然数としたとき、(N−1)番目の
    ユニットと、N番目のユニットとにおける運転サイクル
    を、L/(N×M)サイクル(但し、L/(N×M)=
    1/Mとなる場合を除く)ずらして運転することを特徴
    とする請求項1記載の圧力変動吸着式空気分離方法。
  3. 【請求項3】 前記再生工程の時間θに対して、再生工
    程で吸着筒から流出するガスのうち、再生工程開始後、
    0.01θ〜0.9θの間に流出したガスを前記製品酸
    素富化ガスとして採取することを特徴とする請求項1記
    載の圧力変動吸着式空気分離方法。
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