JP2001267174A - リード端子付きセラミック電子部品 - Google Patents

リード端子付きセラミック電子部品

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JP2001267174A
JP2001267174A JP2000070002A JP2000070002A JP2001267174A JP 2001267174 A JP2001267174 A JP 2001267174A JP 2000070002 A JP2000070002 A JP 2000070002A JP 2000070002 A JP2000070002 A JP 2000070002A JP 2001267174 A JP2001267174 A JP 2001267174A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極に対してリード端子を容易かつ確実には
んだ付けすることが可能で、リード端子の接続信頼性が
高く、しかも、高温下での使用による特性劣化の少ない
リード端子付きセラミック電子部品を提供する。 【解決手段】 電極5a,5bを、セラミック素子10
を構成するセラミックの表面と密着するように形成され
た、Ni−Ti合金からなる第1電極層1a,1bと、
第1電極層1a,1bの上に形成された、Cu、Ag、
及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種からな
る第2電極層2a,2bと、第2電極層2a,2b上に
形成された、Ni−Ti合金からなる第3電極層3a,
3bと、第3電極層3a,3b上に形成された、Cu、
Ag、及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種
からなる第4電極層4a,4bとを具備する4層構造と
し、この4層構造の電極5a,5b上に、リード端子7
a,7bをはんだ6a,6bにより接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック電子部
品に関し、詳しくは、セラミック素子に形成された電極
に、はんだによりリード端子を接合した構造を有するリ
ード端子付きセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、誘電体セラミックからなる単板
(板状セラミック素体)に電極を配設してなる単板型セ
ラミックコンデンサ(いわゆる板物セラミックコンデン
サ)は、通常、板状セラミック素体の表裏両面に電極が
設けられ、かつ、電極にリード端子がはんだにより接合
された構造を有している。
【0003】そして、従来は、上記電極として、はんだ
付けが容易な金属であるAgやCuなどを導電成分とす
る電極ペーストを塗布、焼き付けすることにより形成さ
れた焼付け電極や、湿式めっき法などの方法により形成
されるメッキ電極などが採用されている。また、近年
は、はんだに含まれているSnの拡散が生じにくい金属
であるNiやZnなどを導電成分とする電極ペーストを
塗布、焼付け、あるいは湿式めっきすることにより形成
されるNi電極やZn電極などの採用が検討されるに至
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、AgやCuな
どからなる焼付け電極や湿式めっき電極にリード端子を
はんだにより接合した構造を有するセラミックコンデン
サは、高温下(例えば150℃程度の温度)で使用した
場合、リード端子の接合に用いられているはんだに含ま
れているSnが電極内に拡散し、セラミック素子を構成
するセラミックと電極の密着力が低下し、場合によって
は、セラミックコンデンサの誘電損失が増加したり、電
極とセラミックの間に発生した空隙でコロナ放電が生じ
てセラミック素子が破壊したりするというような問題点
がある。
【0005】また、NiやZnなどからなる焼付け電極
や湿式めっき電極は、リード端子を電極に接合する際の
はんだ接合が必ずしも容易ではないため、信頼性の見地
などからは問題があるとされている塩素系フラックスを
用いたり、接合用の電極を別に設けたりすることが必要
になる場合がある。
【0006】そこで、これらの問題を解決するために、
セラミックに密着させるべき電極層をスパッタリング法
により形成した後、その上に、はんだ付け性に優れた電
極材料からなるはんだ接合層を形成する方法(多層構造
法)が提案されているが、この方法で電極を形成するこ
とによって得られる製品においても、高温下で使用した
場合に特性が劣化する場合があり、高温下での使用によ
る特性劣化の問題を十分に解決することができていない
のが実情である。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、電極に対してリード端子を容易かつ確実にはんだ付
けすることが可能で、リード端子の接続信頼性が高く、
しかも、高温下での使用による特性劣化の少ないリード
端子付きセラミック電子部品を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明(請求項1)のリード端子付きセラミック電
子部品は、セラミック素子の表面に配設された電極にリ
ード端子が取り付けられた構造を有するリード端子付き
セラミック電子部品であって、前記電極が、(a)セラミ
ック素子を構成するセラミックの表面と密着するように
形成された、Ni−Ti合金からなる第1電極層と、
(b)前記第1電極層の上に形成された、Cu、Ag、及
びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる
第2電極層と、(c)前記第2電極層上に形成された、N
i−Ti合金からなる第3電極層と、(d)前記第3電極
層上に形成された、Cu、Ag、及びAuからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種からなる第4電極層とを備え
た4層構造を有しており、かつ、前記リード端子が、前
記4層構造を有する電極に、はんだにより接合されてい
ることを特徴としている。
【0009】電極を、セラミック素子を構成するセラミ
ックの表面と密着するように形成されたNi−Ti合金
からなる第1電極層と、第1電極層の上に形成されたC
u、Ag、及びAuからなる群より選ばれる少なくとも
1種からなる第2電極層と、第2電極層上に形成された
Ni−Ti合金からなる第3電極層と、第3電極層上に
形成されたCu、Ag、及びAuからなる群より選ばれ
る少なくとも1種からなる第4電極層とを備えた4層構
造とし、この4層構造の電極上に、リード端子をはんだ
付けすることにより、リード端子を電極に確実に接合す
ることが可能になるとともに、製品の高温環境下での使
用における特性劣化を抑制、防止することが可能にな
る。
【0010】本発明においては、第1電極層の構成材料
として、セラミックと適度な結合力が得ることが可能な
Ni−Ti合金を用いている。なお、セラミックとの結
合力はセラミック中の酸素と金属(合金)の結合により
得られるものと考えられ、金属と酸素の結合力が弱い場
合には密着不足が生じ、強すぎる場合はセラミックの還
元による特性劣化が生じるが、Ni−Ti合金を用いた
場合、他の特性の劣化を招くことなく十分な結合力を得
ることができる。
【0011】また、第2電極層は、高温環境下での導電
性を確保し、特性劣化を防止する機能を果たす電極層で
あり、本発明では、この第2電極層の構成材料として、
Cu、Ag、及びAuからなる群より選ばれる少なくと
も1種を用いるようにしている。
【0012】また、第3電極層は、はんだ成分の拡散が
第2電極層にまで進行しないようにする機能を果たす電
極層であり、本発明では、第3電極層の構成材料とし
て、はんだ成分が拡散しにくいNi−Ti合金を用いて
いる。
【0013】また、第4電極層は、リード端子がはんだ
付けされる電極層であり、本発明においては、はんだ濡
れ性の良好な金属として、Cu、Ag、及びAuからな
る群より選ばれる少なくとも1種を用いるようにしてい
る。
【0014】すなわち、本発明では、リード端子付きセ
ラミック電子部品において、リード端子と電極との接続
信頼性を高く維持するとともに、高温条件下での使用に
おける特性劣化を抑制することができるように、 第1電極層には、セラミックとの適度な結合性を確保
する機能 第2電極層には、高温下での導電性を確保する機能 第3電極層には、はんだ成分の拡散を防止する機能 第4電極層には、良好なはんだ濡れ性を確保する機能 を持たせるようにしている。
【0015】また、請求項2のリード端子付きセラミッ
ク電子部品は、前記電極を構成する、第1電極層、第2
電極層、第3電極層及び第4電極層が、それぞれスパッ
タリング法により形成されたものであることを特徴とし
ている。
【0016】電極を構成する、第1電極層、第2電極
層、第3電極層及び第4電極層を、それぞれスパッタリ
ング法により形成することにより、セラミック素子を構
成するセラミックへの密着性及びはんだ付け性に優れた
電極を、容易かつ確実に形成することが可能になる。
【0017】また、請求項3のリード端子付きセラミッ
ク電子部品は、前記第1電極層及び第3電極層を構成す
るNi−Ti合金のTi含有率(Ti比率)が、5〜2
0重量%の範囲にあることを特徴としている。
【0018】第1電極層及び第3電極層を構成するNi
−Ti合金のTi含有率(Ti比率)を5〜20重量%
とすることにより、セラミック素子への密着性及びはん
だ付け性に優れた電極を、容易かつ確実に形成すること
が可能になり、本発明を実効あらしめることができる。
なお、Ni−Ti合金のTi含有率(Ti比率)を5〜
20重量%の範囲としたのは、Ti含有率が5重量%以
下になると、セラミック素子を構成するセラミックへの
密着性が確保できなくなりばかりでなく、Niの割合が
多くなりすぎて、Ni−Ti合金が磁性を持つに至り、
マグネトロンスパッタリング法を適用することができな
くなり、また、Ti含有率が20重量%を越えると、セ
ラミックとの反応により、電極とセラミックの間に異相
が生じ、誘電損失を増加させることになることによる。
【0019】また、請求項4のリード端子付きセラミッ
ク電子部品は、前記第1電極層及び第3電極層を構成す
るNi−Ti合金のTi含有率(Ti比率)が、5〜1
0重量%の範囲にあることを特徴としている。
【0020】Ni−Ti合金のTi含有率(Ti比率)
を5〜10重量%としたのは、Ti含有率を5〜10重
量%とすることにより、セラミック素子を構成するセラ
ミックへの密着性に優れ、かつ、電極とセラミックの間
に異相が生じることによる誘電損失の増加をより確実に
抑制することが可能になることによる。
【0021】また、請求項5のリード端子付きセラミッ
ク電子部品は、前記セラミック素子が、誘電体セラミッ
クからなる単板型セラミックコンデンサ用の板状セラミ
ック素体であって、前記セラミック電子部品が単板型セ
ラミックコンデンサであることを特徴としている。
【0022】本発明を、セラミック素子が誘電体セラミ
ックからなる単板型セラミックコンデンサ用の板状セラ
ミック素体であるリード端子付き単板型セラミックコン
デンサに適用することにより、電極のセラミック素子へ
の密着性に優れ、かつ、リード端子の電極へのはんだ付
け強度が大きく、しかも、高温下で使用した場合の特性
の安定性に優れたリード端子付きセラミックコンデンサ
を得ることが可能になり、特に有意義である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示し
てその特徴とするところをさらに詳しく説明する。な
お、この実施形態では、板状セラミック素体(単板型セ
ラミックコンデンサ用のセラミック素子)の表裏の両面
に配設された電極にリード端子が接合された構造を有す
るリード端子付き単板型セラミックコンデンサを例にと
って説明する。
【0024】図1に示すように、この実施形態のリード
端子付き単板型セラミックコンデンサ(以下、単に「コ
ンデンサ」ともいう)は、誘電体セラミックからなる板
状セラミック素体10と、セラミック素体10の表裏の
両面に形成された電極5a,5bと、電極5a,5bに
はんだ6a,6bにより接合されたリード端子7a,7
bとを具備している。
【0025】なお、セラミック素体10は、具体的に
は、例えば、BaTiO3系、SrTiO3系、TiO
2系などの誘電体セラミックから形成されている。ま
た、電極5a,5bは、セラミック素体10を加熱し
て、所定の温度に昇温した後、マグネトロンスパッタリ
ング法によりセラミック素体10の両面に形成されてい
る。なお、スパッタリングを行う際の、セラミック素体
10の加熱温度は任意であるが、セラミック素体10内
の残留熱応力を小さくする見地からは、150℃以下に
設定することが好ましい。
【0026】そして、この実施形態のコンデンサにおい
ては、電極5a,5bは、それぞれ第1電極層1a,1
b,第2電極層2a,2b,第3電極層3a,3b,第
4電極層4a,4bからなる4層構造を有している。電
極5a,5bを構成する第1電極層1a,1bは、それ
ぞれNi−Ti合金から形成され、セラミック素体10
の両面(表面)に密着するように形成されている。この
Ni−Ti合金は、セラミック素体10を構成するセラ
ミックとの間で適度な結合力を得ることが可能で、しか
も、セラミックの還元による特性劣化の生じにくい電極
材料である。なお、Ni−Ti合金としては、Ti含有
率(Ti比率)が5〜20重量%の範囲の組成のものが
用いられる。これは、Ni−Ti合金中のTi含有率が
5重量%以下になるとセラミックの結合力が不十分にな
って所望の結合強度が選られず、また、Ti含有率が2
0重量%以上になると、セラミックの還元による特性劣
化が生じることによる。
【0027】また、電極5a,5bを構成する第2電極
層2a,2bは、それぞれ第1電極層1a,1bの表面
に設けられ、Cu、Ag、及びAuから選ばれる少なく
とも1種から形成されている。この第2電極層2a,2
bは、導電性を確保するために設けられた電極層であ
る。
【0028】また、電極5a,5bを構成する第3電極
層3a,3bは、第2電極層2a,2bが酸化されるこ
とにより、あるいは、リード端子7a,7bを接合する
ために用いられたはんだ6a,6bからのはんだ成分が
拡散されることにより、導電性が劣化すること防止する
ための電極層であり、Ni−Ti合金から形成されてい
る。すなわち、Ni−Ti合金からなる第3電極層は、
耐腐食性が高く、かつ、はんだ成分であるSn、Pbの
拡散を防止して、第2電極層2a,2bを保護する機能
を果たす。
【0029】また、電極5a,5bを構成する第4電極
層5a,5bは、はんだ6a,6bに対する濡れ性の良
好な電極層であって、リード端子のはんだ付け性を確保
する機能を果たす。
【0030】次に、本発明の一実施形態にかかるコンデ
ンサの電気特性について説明する。 [コンデンサ(試料)の作成]まず、特性の測定に供す
るコンデンサ(試料)として、以下の方法によりリード
端子付き単板型セラミックコンデンサを作成した。 直径が13mm、厚さが0.5mmの円板状のBaTi0
3系の誘電体セラミックからなるセラミック素体10
を、10−2Paの真空中で100℃に加熱した後、マ
グネトロンスパッタリング法により、セラミック素体1
0の上下両面に、Ni−Ti合金(Ti含有率7.5重
量%のNi−Ti合金)からなる第1電極層1a,1b
を200nmの厚みで形成する。 次に、第1電極層1a,1b上に、マグネトロンスパ
ッタリング法により、Cuからなる第2電極層2a,2
bを200nmの厚みで形成する。 それから、第2電極層2a,2b上に、マグネトロン
スパッタリング法により、Ni−Ti合金(Ti含有率
7.5重量%の合金)からなる第3電極層3a,3b
を、100nmの厚みで形成する。 さらに、第3電極層3a,3b上に、マグネトロンス
パッタリング法により、Cuからなる第4電極層4a,
4bを100nmの厚みで形成する。 それから、セラミック素体10の両面に形成された4
層構造の電極5a,5bに、はんだ引き軟銅線からなる
直径0.6mmのリード端子7a,7bを、それぞれは
んだ6a,6bにて接合させることにより、特性測定用
の試料となるリード端子付き単板型セラミックコンデン
サを得る。
【0031】[特性の測定]上述のようにして作成した
コンデンサ(実施例1)を、125℃の温度に保持した
状態で1000hr放置し、これを試料として、電気特
性(誘電率、誘電損失及び絶縁抵抗)を測定した。その
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】なお、表1には、電極のはんだ濡れ性、セ
ラミック素体への電極の密着力についてのデータを併せ
て示す。また、表1には、上記実施形態の試料について
の電気特性とともに、下記の比較例1,2,3について
測定した電気特性を併せて示す。 電極としてCu厚膜電極を設けたコンデンサ(比較例
1) それぞれ、スパッタリング法により形成された、 (a)Cuからなる第1電極層(下層電極):厚み300n
m (b)Tiからなる第2電極層(中間電極層):厚み10
0nm (c)Ni−Cuからなる第3電極層(上層電極):厚み
300nm を備えた三層構造の電極を有するコンデンサ(比較例
2) それぞれ、スパッタリング法により形成された、 (a)Cuからなる第1電極層(下層電極):厚み300n
m (b)Ni−Cuからなる第2電極層(上層電極):厚み
300nm を備えた二層構造の電極を有するコンデンサ(比較例
3)
【0034】表1より、実施形態のコンデンサは、高温
下に長時間放置した後においても、誘電率、誘電損失及
び絶縁抵抗の諸電気特性、及び電極のはんだ濡れ性、セ
ラミック素体への電極の密着力のいずれもが、少なくと
も各比較例と同等か、あるいはそれ以上に優れているこ
とがわかる。
【0035】また、前記実施例1のコンデンサにおい
て、第1電極層と、第3電極層の構成材料であるNi−
Ti合金のTi含有率(Ti比率)を変化させた場合に
おける、Ti含有率と誘電損失及びセラミック素体への
電極の密着力の関係を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2より、Ti含有率が5〜20重量%の
範囲にある場合に、誘電損失及び電極の密着力の両方の
特性について、実用上問題のない好ましい結果が得られ
ることがわかる。
【0038】なお、上記実施形態では、リード端子付き
単板型セラミックコンデンサを例にとって説明したが、
本発明は、これに限られるものではなく、セラミック素
子に形成された電極に、はんだによりリード端子を接合
した構造を有する種々のセラミック電子部品に適用する
ことが可能である。
【0039】また、上記実施形態では、第2電極層及び
第4電極層として、Cuからなる電極層を形成するよう
にしているが、第2電極層及び第4電極層の構成材料と
しては、Cuに限らず、Cu、Ag、及びAuの少なく
とも1種からなる種々の組成のものを用いることが可能
である。
【0040】本発明は、さらにその他の点においても上
記実施形態に限定されるものではなく、セラミック素子
やリード端子の具体的な形状、電極の配設パターンなど
に関し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変
形を加えることが可能である。
【0041】
【発明の効果】上述のように、本発明(請求項1)のリ
ード端子付きセラミック電子部品は、電極を、セラミッ
ク素子を構成するセラミックの表面と密着するように形
成されたNi−Ti合金からなる第1電極層と、第1電
極層の上に形成されたCu、Ag、及びAuからなる群
より選ばれる少なくとも1種からなる第2電極層と、第
2電極層上に形成されたNi−Ti合金からなる第3電
極層と、第3電極層上に形成されたCu、Ag、及びA
uからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる第4
電極層とを備えた4層構造とし、この4層構造の電極上
に、リード端子をはんだ付けすることにより、リード端
子を電極に確実に接合することが可能になるとともに、
製品の高温環境下での使用における特性劣化を抑制、防
止することができるようになる。
【0042】すなわち、本発明では、 第1電極層(下地電極層)として、セラミックとの密
着性の高いNi−Ti合金を用い、その上に、導電性
を確保するためのCuなどからなる第2電極層を形成
し、さらにその上に、はんだ成分の拡散を抑えるため
のNi−Ti合金からなる第3電極層を形成し、表層
として、はんだ付け性に優れたCuなどからなる第4電
極層を形成することにより4層構造の電極を形成し、各
電極層のそれぞれに、上述のような機能を果たさせるよ
うにしているので、リード端子の接合強度を向上させ、
かつ、高温環境下での使用における特性の劣化を効率よ
く防止して、信頼性を向上させことが可能になる。
【0043】また、請求項2のリード端子付きセラミッ
ク電子部品のように、電極を構成する、第1電極層、第
2電極層、第3電極層及び第4電極層を、それぞれスパ
ッタリング法により形成することにより、セラミック素
子を構成するセラミックへの密着性及びはんだ付け性に
優れた電極を、容易かつ、確実に形成することが可能に
なり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
【0044】また、請求項3のリード端子付きセラミッ
ク電子部品のように、第1電極層及び第3電極層を構成
するNi−Ti合金のTi含有率(Ti比率)を5〜2
0重量%とすることにより、セラミック素子への密着性
及びはんだ付け性に優れた電極を、確実に形成すること
が可能になり、本発明を実効あらしめることができる。
【0045】また、請求項4のリード端子付きセラミッ
ク電子部品のように、Ni−Ti合金のTi含有率(T
i比率)を5〜10重量%とした場合、セラミック素子
を構成するセラミックへの密着性に優れ、かつ、セラミ
ック間に異相が生じることによる誘電損失を増加の少な
いリード端子付きセラミック電子部品をより確実に得る
ことが可能になる。
【0046】また、請求項5のように、本発明を、セラ
ミック素子が誘電体セラミックからなる単板型セラミッ
クコンデンサ用の板状セラミック素体であるリード端子
付き単板型セラミックコンデンサに適用することによ
り、電極のセラミック素子への密着性に優れ、かつ、リ
ード端子の電極へのはんだ付け強度が大きく、しかも、
高温下で使用した場合の特性の安定性に優れたリード端
子付きセラミックコンデンサを得ることが可能になり、
特に有意義である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるリード端子付きセ
ラミック電子部品(リード端子付き単板型セラミックコ
ンデンサ)の断面図である。
【符号の説明】
1a,1b 第1電極層 2a,2b 第2電極層 3a,3b 第3電極層 4a,4b 第4電極層 5a,5b 電極 6a,6b はんだ 7a,7b リード端子 10 セラミック素体
フロントページの続き (72)発明者 山岡 修 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5E001 AB01 AC04 AC09 AF04 AH03 AJ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック素子の表面に配設された電極に
    リード端子が取り付けられた構造を有するリード端子付
    きセラミック電子部品であって、 前記電極が、(a)セラミック素子を構成するセラミック
    の表面と密着するように形成された、Ni−Ti合金か
    らなる第1電極層と、(b)前記第1電極層の上に形成さ
    れた、Cu、Ag、及びAuからなる群より選ばれる少
    なくとも1種からなる第2電極層と、(c)前記第2電極
    層上に形成された、Ni−Ti合金からなる第3電極層
    と、(d)前記第3電極層上に形成された、Cu、Ag、
    及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種からな
    る第4電極層とを備えた4層構造を有しており、かつ、 前記リード端子が、前記4層構造を有する電極に、はん
    だにより接合されていることを特徴とするリード端子付
    きセラミック電子部品。
  2. 【請求項2】前記電極を構成する、第1電極層、第2電
    極層、第3電極層及び第4電極層が、それぞれスパッタ
    リング法により形成されたものであることを特徴とする
    請求項1記載のリード端子付きセラミック電子部品。
  3. 【請求項3】前記第1電極層及び第3電極層を構成する
    Ni−Ti合金のTi含有率(Ti比率)が、5〜20
    重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記
    載のリード端子付きセラミック電子部品。
  4. 【請求項4】前記第1電極層及び第3電極層を構成する
    Ni−Ti合金のTi含有率(Ti比率)が、5〜10
    重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記
    載のリード端子付きセラミック電子部品。
  5. 【請求項5】前記セラミック素子が、誘電体セラミック
    からなる単板型セラミックコンデンサ用の板状セラミッ
    ク素体であって、前記セラミック電子部品が単板型セラ
    ミックコンデンサであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のリード端子付きセラミック電子部
    品。
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