JP2001023438A - 導電性ペーストおよびセラミック電子部品 - Google Patents

導電性ペーストおよびセラミック電子部品

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JP2001023438A
JP2001023438A JP11193867A JP19386799A JP2001023438A JP 2001023438 A JP2001023438 A JP 2001023438A JP 11193867 A JP11193867 A JP 11193867A JP 19386799 A JP19386799 A JP 19386799A JP 2001023438 A JP2001023438 A JP 2001023438A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属粉末とガラスフリットと有機ビヒクルと
を含有し、中温焼成される、導電性ペーストであって、
絶縁性セラミック部材上にこの導電性ペーストを付与し
焼成することによって形成された導電膜が優れた導電性
を示すとともに、絶縁性セラミック部材に対して十分な
接着強度を確保できるようにする。 【解決手段】 金属粉末を構成する金属の溶解度が、焼
成温度において、5重量%以上となるガラスフリットを
含有させた導電性ペーストとする。この導電性ペースト
をセラミック基板2上に付与し焼成して得られた導電膜
3は、優れた導電性を有するとともに、セラミック基板
2に対して十分な接着強度を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、導電性ペースト
およびセラミック電子部品に関するもので、特に、中温
焼成タイプの導電性ペースト、およびこの導電性ペース
トを用いて形成された導電膜を備えるセラミック電子部
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】導電性ペーストは、一般に、厚膜形成技
術を適用して導電膜を形成するために用いられる。たと
えば、導電性ペーストをスクリーン印刷法や直接描画法
によってセラミックまたはガラス−セラミック等からな
る絶縁性基板上に付与した後、これを焼成して、電極ま
たは配線パターン等の所望のパターンを有する導電膜を
形成することが行なわれている。
【0003】このような用途に向けられる導電性ペース
トは、焼成温度によって、800℃から950℃近傍で
焼成する高温焼成タイプのものと、750℃以下で60
0℃近傍で焼成する中温焼成タイプのものとに分類する
ことができる。
【0004】高温焼成タイプの導電性ペーストは、優れ
た導体特性、特に導電性、および基板との密着性を与え
ることができるものの、基板側に印刷抵抗体が形成され
ている場合や基板が誘電体で構成されている場合には、
これら印刷抵抗体や誘電体に熱的ダメージを与えてしま
うという欠点がある。
【0005】これに対して、中温焼成タイプの導電性ペ
ーストは、上述した高温焼成タイプの導電性ペーストと
長短逆であって、印刷抵抗体および誘電体に熱的ダメー
ジを与えることなく導電膜の形成が可能であるという長
所を有する反面、導体特性が高温焼成タイプのものに比
べて劣るという短所を有している。
【0006】一般に、中温焼成タイプの導電性ペースト
は、金属粉末とガラスフリットとを有機ビヒクル中に分
散させてなるものである。このような導電性ペースト
は、焼成時に金属粉末が焼結することによって厚膜導体
を形成する。ガラスフリットは、この厚膜を基板に接着
させる作用を有している。また、有機ビヒクルは、金属
粉末およびガラスフリットを印刷可能にするための有機
液体媒体として作用している。
【0007】ガラスフリットによる基板への接着作用
は、ガラスボンド作用と呼ばれ、導電性ペーストの焼成
時には、ガラスフリットは、溶融して基板との界面に移
動し、焼成膜と基板とを密着させる。したがって、焼成
後は、厚膜の上層部に金属成分が多く、下層部になるほ
ど、ガラス成分が多くなるような分布状態を示すことに
なる。すなわち、厚膜と基板とは、あたかもガラスが基
板表面上から金属粒子の間に手を伸ばしたような形にな
って、互いに機械的な結合をなしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、回路基板の技術
分野では、基板に対する高密度配線化および多機能化の
要求が高まっており、また、導電性ペーストの焼成にあ
たっては、印刷抵抗体や誘電体に対する熱的ダメージを
極力小さくするため、中温焼成を採用できることが望ま
れている。
【0009】しかしながら、ガラスフリットを含有させ
た従来の導電性ペーストにあっては、基板との濡れ性お
よび反応性を重要視しているため、溶融したガラスフリ
ットの部分と焼結した金属粒子との界面での接合強度が
比較的低く、また、ガラスフリットがかえって金属粒子
相互間の焼結の妨げとなり、焼結した導電膜自体の強度
および導電性を低下させるという問題を引き起こすこと
がある。
【0010】そこで、この発明の目的は、焼成されるこ
とによって、優れた導電性を与えることができるととも
に、基板等の絶縁性セラミック部材に対して十分な接着
強度を確保できる、中温焼成タイプの導電性ペースト、
およびこの導電性ペーストによる導電膜が形成されたセ
ラミック電子部品を提供しようとすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、まず、金属
粉末とガラスフリットと有機ビヒクルとを含有し、焼成
されることが予定されている導電性ペーストに向けられ
るものであって、上述した技術的課題を解決するため、
金属粉末を構成する金属の、ガラスフリットに対する溶
解度が、焼成温度において、5重量%以上であることを
特徴としている。
【0012】上述した溶解度は、より高い方が好まし
く、そのため、好ましくは、20重量%以上とされる。
【0013】また、金属粉末の平均粒径は、0.5〜1
0μmの範囲内にあることが好ましい。
【0014】また、ガラスフリットの含有量について
は、この導電性ペースト全体に対して、2〜15重量%
の範囲内にあることが好ましい。
【0015】また、金属粉末としては、好ましくは、
銅、銀、金、白金もしくはパラジウムまたはこれら金属
の少なくとも1種を含む合金からなる粉末、あるいは、
これらの金属粉末から選ばれた少なくとも2種類の金属
粉末を混合したものが用いられる。
【0016】この発明は、また、基板のような絶縁性セ
ラミック部材とこの絶縁性セラミック部材上に形成され
る導電膜とを備える、セラミック電子部品にも向けられ
る。この発明に係るセラミック電子部品は、その導電膜
が、上述したような導電性ペーストを絶縁性セラミック
部材上に付与し、焼成することによって形成されたもの
であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】図1には、この発明の一実施形態
によるセラミック電子部品1が斜視図で示されている。
【0018】このセラミック電子部品1は、回路基板を
構成するもので、絶縁性セラミック部材としてのセラミ
ック基板2を備え、このセラミック基板2上には、導電
膜3が所定のパターンをもって形成されている。なお、
図示されたセラミック電子部品すなわち回路基板1にお
いては、セラミック基板2上に極めて単純なパターンを
もって単に1つの導電膜3が形成されているにすぎない
が、これは、この発明のより容易な理解を可能とするた
めのものであると理解すべきであり、実際には、さらに
多数の導電膜がより複雑なパターンをもって形成された
り、また、印刷抵抗体等の他の電気的要素が形成された
りすることが多い。
【0019】導電膜3は、導電性ペーストをたとえば印
刷によりセラミック基板2上に付与し、焼成することに
よって形成されたものである。この導電性ペーストとし
て、前述したように、金属粉末とガラスフリットと有機
ビヒクルとを含有し、金属粉末を構成する金属の、ガラ
スフリットに対する溶解度が、焼成温度において、5重
量%以上のものが用いられる。
【0020】このように、金属に対して5重量%以上の
溶解度を与えるガラスフリットを導電性ペースト中に含
有させることにより、金属粉末を構成する金属の溶解−
再析出による液相焼結が促進され、したがって、緻密な
導電膜3が得られ、この導電膜3自体の導電性および強
度が向上する。
【0021】また、溶融したガラスフリットの部分と金
属粉末によってもたらされる焼結金属粒子との界面での
接合強度が向上するため、導電膜3とセラミック基板2
との間での接合強度が向上する。
【0022】上述した効果は、導電性ペースト中の金属
粉末を構成する金属の、ガラスフリットに対する溶解度
がより高くなるほど、一層顕著なものとなり、好ましく
は、溶解度が20重量%以上となるようにガラスフリッ
トの組成が選ばれる。
【0023】また、金属粉末の平均粒径は、0.5〜1
0μmの範囲内に選ばれるのが好ましい。金属粉末の平
均粒径が0.5μm未満であると、かさ密度が過度に低
くなり、そのため、ペースト化のために多量の有機ビヒ
クルを必要とするのであまり好ましくない。他方、金属
粉末の平均粒径が10μmを超える場合には、通常の焼
成条件では導電膜3において十分な焼結状態を得ること
が困難となり、また、印刷性の点について言えば、微細
配線の形成に難がある。
【0024】また、ガラスフリットの含有量は、導電性
ペースト全体に対して、2〜15重量%の範囲内に選ば
れることが好ましい。ガラスフリットの含有量が2重量
%未満では、前述したような金属粉末を構成する金属の
溶解による効果が少なく、他方、含有量が15重量%を
超える場合には、導電膜3の半田付け性や導電性が低下
する。
【0025】また、導電性ペーストに含有される金属粉
末としては、銅、銀、金、白金もしくはパラジウムから
なる粉末、またはこれら金属の少なくとも1種を含む合
金からなる粉末、あるいは、これら金属粉末を混合した
ものを用いることが好ましい。これらに金属または合金
は、いずれも、優れた導電性を示し、したがって、導電
膜3において優れた導電性を得るのに効果的である。
【0026】図2および図3をそれぞれ参照して、この
発明の他の実施形態によるセラミック電子部品11およ
び21について説明する。
【0027】まず、図2に示すセラミック電子部品11
は、チップ積層コンデンサである。このセラミック電子
部品すなわちチップ積層コンデンサ11は、複数の誘電
体セラミック層12をもって構成される積層体13を備
える。誘電体セラミック層12の複数の界面に沿って複
数の内部電極14が形成され、さらに、積層体13の対
向する側面部には外部電極15がそれぞれ形成されてい
る。
【0028】このチップ積層コンデンサ11は、誘電体
セラミック層12となるべきセラミックグリーンシート
上に、この発明に係る導電性ペーストを印刷して内部電
極14となるべき導電性ペースト膜を形成し、次いで、
これら複数のセラミックグリーンシートを積層し、圧着
し、所定の条件下で焼成することによって、マザー積層
体を得、その後、これをカッティングして、各チップ積
層コンデンサ11のための積層体13とし、さらに、こ
の積層体13を、この発明に係る導電性ペースト中に浸
漬して外部電極15となるべき導電性ペースト膜を付与
した後、これを焼き付けることによって、外部電極15
を形成する、各工程を経て製造されることができる。
【0029】上述のチップ積層コンデンサ11によれ
ば、内部電極14および外部電極15がこの発明に係る
導電性ペーストによって形成されているので、電極14
および15の各々と誘電体セラミック層12との接合強
度が向上して、信頼性を高めることができる。また、電
極14および15の各々中の金属粉末の液相焼結が促進
されるので、得られた焼結体が緻密になり、したがっ
て、電極14および15自体の導電性が向上して、チッ
プ積層コンデンサ11を高周波特性に優れたものとする
ことができる。
【0030】また、この発明は、図3に示すようなセラ
ミック電子部品21に適用することも可能である。
【0031】図3に示すセラミック電子部品21は、厚
膜回路基板である。このセラミック電子部品すなわち厚
膜回路基板21においては、セラミック基板22上に厚
膜抵抗体23が形成されており、この厚膜抵抗体23
は、この発明に係る導電性ペーストによって形成される
厚膜導体24によって、ビアホールや内部電極、他の受
動部品や実装部品等に接続される。また、厚膜抵抗体2
3および厚膜導体24上には、これらを湿気等から保護
するための保護用ガラス膜25が形成されている。
【0032】この厚膜回路基板21によれば、厚膜導体
24を形成するために、この発明に係る導電性ペースト
が用いられているので、厚膜導体24とセラミック基板
22との接合強度、さらには、厚膜導体24と厚膜抵抗
体23との接着強度が向上して、厚膜回路基板21の信
頼性を高めることができる。また、上述したのと同様
に、厚膜導体24中の金属粉末の液相焼結が促進される
ので、得られた焼結体が緻密になり、したがって、厚膜
導体24自体の導電性が向上して、厚膜回路基板21を
高周波特性に優れたものとすることができる。
【0033】なお、この発明が適用されるのは、上述し
かつ図示したような回路基板や厚膜回路基板あるいはチ
ップ積層コンデンサのようなセラミック電子部品に限定
されるものではない。たとえば、チップLCフィルタ、
チップコイル、チップアンテナ等のチップ部品、さらに
は、ハイブリッドIC用基板やセラミックパッケージ等
の種々のセラミック基板に適用可能である。すなわち、
この発明に係る導電性ペーストは、たとえば、チップL
Cフィルタにおけるコンデンサパターン、コイルパター
ン、内層配線等の内部電極形成や接続端子用の外部電極
形成、さらには、ワイヤボンディング用電極パッドや半
田付け用電極パッド、表層配線等の種々の導体パターン
の形成に用いることができる。
【0034】
【実施例】以下に、この発明に係る導電性ペーストの実
施例について説明する。
【0035】銅に対して異なる溶解度を与える3種類の
ガラスフリットを用意した。より具体的には、第1のガ
ラスフリットは、実施例に相当するもので、PbO:8
8.5モル%、Al2 3 :1.5モル%、SiO2
1モル%、B2 3 :6モル%、およびZnO:3モル
%を含む組成を有するものを用いた。第2のガラスフリ
ットは、比較例1に相当するもので、SiO2 :40モ
ル%、B2 3 :50モル%、およびK2 O:10モル
%を含む組成を有するものを用いた。第3のガラスフリ
ットは、比較例2に相当するもので、SiO2 :60モ
ル%、B2 3 :10モル%、LiO2 :15モル%、
およびNa2 O:15モル%を含む組成を有するものを
用いた。
【0036】これら実施例ならびに比較例1および2の
各々に係るガラスフリットに対する、600℃における
銅の溶解性が、表1に示されている。
【0037】
【表1】
【0038】次に、上述した各ガラスフリットと、金属
粉末としての銅粉末と、酸化銅粉末と、有機ビヒクルと
を、以下の比率で混錬することによって、各試料に係る
導電性ペーストを作製した。 銅粉末:76重量部 ガラスフリット:7重量部 酸化銅粉末:3重量部 有機ビヒクル:14重量部 なお、有機ビヒクルとしては、たとえば、エチルセルロ
ース系樹脂、アルキッド系樹脂またはアクリル系樹脂等
を、テルピネオール系溶剤またはアルコール系溶剤等で
溶解したものを用いることができるが、ここでは、エチ
ルセルロース系樹脂をテルピネオール系溶剤で溶解した
ものを用いた。
【0039】次に、各試料に係る導電性ペーストを、ア
ルミナ基板上にスクリーン印刷法によって塗布し、15
0℃で10分間乾燥させた。次いで、N2 雰囲気下で最
高600℃で1時間にわたって焼成処理することによっ
て、導電性ペーストを焼き付け、厚膜からなる導電膜を
形成した。
【0040】このようにして得られた導電膜の配線抵
抗、初期接着強度および熱エージングの接着強度をそれ
ぞれ測定した。これらの結果も表1に示されている。
【0041】表1に示した配線抵抗(mΩ/□)は、長
さ(L)および幅(W)が100:1の寸法関係(L/
W=100/1)を有するパターンとされた導電膜上の
2点間の抵抗値を周知の4端子法によって測定した上
で、これを膜厚換算して求めたシート抵抗値の意味であ
る。
【0042】また、表1における接着強度(Kgf)
は、導電膜に対してリード線を半田付けによって接続し
た後、このリード線を引っ張ることによって求められた
数値である。より詳細には、235±5℃に温度調整さ
れた銀(Ag)2%含有の共晶半田中に、2mm×2m
mの大きさを有する導電膜を5±1秒だけ浸漬しなが
ら、この導電膜に対して、直径0.8mmの錫めっき銅
線からなるリード線を半田付けによって接続した後、こ
のリード線を引っ張り試験機によって20cm/分の速
度で引っ張ることによって測定された接着強度を示して
いる。
【0043】さらに、表1では、上述の接着強度に関し
て、初期接着強度および熱エージング後の接着強度の双
方を示しているが、初期接着強度は、上述のリード線の
半田付け直後の接着強度を示し、他方、熱エージング後
の接着強度は、150℃の温度下で1000時間にわた
るエージング処理を施した後の接着強度を示している。
【0044】表1に示すように、配線抵抗については、
用いられたガラスフリットに対する銅の溶解度が高いほ
ど、低くなり、実施例のように、溶解度が5重量%以上
である20.0重量%であるとき、3.0mΩ/□とい
った低い配線抵抗を示している。
【0045】これに対して、比較例1および2では、そ
れぞれ、ガラスフリットに対する銅の溶解度が3.0重
量%および1.0重量%というように5重量%未満であ
るので、4.0mΩ/□および6.0mΩ/□というよ
うに、3.0mΩ/□を超える配線抵抗を示している。
【0046】これらの結果から、実施例は、比較例1お
よび2に比べて、導電膜における焼結性が向上している
ことがわかる。
【0047】また、表1に示すように、初期接着強度に
ついては、用いられたガラスフリットに対する銅の溶解
性が大きくなるほど、高くなる傾向が見られるものの、
実施例および比較例1の双方について、3.0Kgf以
上の接着強度が達成されている。
【0048】これに対して、熱エージング後の接着強度
を比較すれば、実施例と比較例1および2との差が顕著
に現れる。すなわち、比較例1および2の熱エージング
後の接着強度は、それぞれ、0.7Kgfおよび0.2
Kgfにまで低下しているにもかかわらず、実施例1で
は、1.0Kgf以上の1.5Kgfの接着強度が確保
されている。
【0049】なお、以上の実施例では、厚膜からなる導
電膜をアルミナ基板上に形成したが、その他の絶縁性セ
ラミック基板、たとえば低温焼結ガラスセラミック基板
上に形成した場合でも、実質的に同様の結果が得られる
ことが確認されている。
【0050】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る導電性ペ
ーストによれば、焼成温度において、金属粉末を構成す
る金属の溶解度を5重量%以上とすることができるガラ
スフリットを含有させているので、中温焼成であって
も、導電性が良好で、基板等の絶縁性セラミック部材に
対する十分な接着強度、特に、熱エージング後において
十分な接着強度を示す導電膜を得ることができる。
【0051】上述の溶解度が20重量%以上とされたと
きには、得られた導電膜の導電性および接着強度をさら
に向上させることができる。
【0052】この発明に係る導電性ペーストにおいて、
金属粉末の平均粒径を0.5μm以上に選ぶと、ペース
ト化のために多量の有機ビヒクルを必要とせず、他方、
金属粉末の平均粒径を10μm以下に選ぶと、通常の焼
成条件によって、得られた導電膜における焼結性を十分
なものとすることができるとともに、微細配線の形成を
容易にする良好な印刷性を与えることができる。
【0053】また、この発明において、ガラスフリット
の含有量を、導電性ペースト全体に対して、2重量%以
上に選ぶと、前述したようなこの発明による効果をより
確実に達成でき、また、この含有量を15重量%以下に
選ぶことにより、導電膜におけるガラスフリットの影響
による半田付け性や導電性の低下を防止することができ
る。
【0054】また、この発明の目的の1つは、導電性ペ
ーストを焼成して得られた導電膜の導電性を高めること
であるので、金属粉末として、銅、銀、金、白金および
パラジウムから選ばれた少なくとも1種を含む粉末を用
いるようにすれば、金属粉末自体において高い導電性を
与えることができ、その結果、このような高導電性の金
属粉末自体を、得られた導電膜の導電性のさらなる向上
に寄与させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態によるセラミック電子部
品としての回路基板1を示す斜視図である。
【図2】この発明の他の実施形態によるセラミック電子
部品としてのチップ積層コンデンサ11を示す概略断面
図である。
【図3】この発明のさらに他の実施形態によるセラミッ
ク電子部品としての厚膜回路基板21の一部を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1 回路基板(セラミック電子部品) 2,22 セラミック基板 3 導電膜 11 チップ積層コンデンサ(セラミック電子部品) 12 誘電体セラミック層 14 内部電極(導電膜) 15 外部電極(導電膜) 21 厚膜回路基板(セラミック電子部品) 24 厚膜導体(導電膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA07 BB01 BB03 BB05 BB24 BB27 BB31 CC12 CC22 DD04 DD05 DD06 DD20 DD21 DD52 EE02 EE03 EE10 EE11 GG04 GG07 GG09 5G301 DA03 DA05 DA06 DA11 DA12 DA34 DA42 DD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末とガラスフリットと有機ビヒク
    ルとを含有し、焼成されることが予定されている導電性
    ペーストであって、 前記金属粉末を構成する金属の、前記ガラスフリットに
    対する溶解度が、焼成温度において、5重量%以上であ
    ることを特徴とする、導電性ペースト。
  2. 【請求項2】 前記溶解度が、20重量%以上である、
    請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 前記金属粉末の平均粒径が、0.5〜1
    0μmの範囲内にある、請求項1または2に記載の導電
    性ペースト。
  4. 【請求項4】 前記ガラスフリットの含有量が、当該導
    電性ペースト全体に対して、2〜15重量%の範囲内に
    ある、請求項1ないし3のいずれかに記載の導電性ペー
    スト。
  5. 【請求項5】 前記金属粉末が、銅、銀、金、白金およ
    びパラジウムから選ばれた少なくとも1種を含む、請求
    項1ないし4のいずれかに記載の導電性ペースト。
  6. 【請求項6】 絶縁性セラミック部材と前記絶縁性セラ
    ミック部材上に形成される導電膜とを備える、セラミッ
    ク電子部品であって、 前記導電膜は、請求項1ないし5のいずれかに記載の導
    電性ペーストを前記絶縁性セラミック部材上に付与し、
    焼成することによって形成されたものである、セラミッ
    ク電子部品。
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JP2020088353A (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 昭栄化学工業株式会社 積層セラミック電子部品の端子電極用導電性ペースト

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