JP2001250539A - アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極 - Google Patents
アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題解決手段】活物質粉末が複合体粒子からなり、前
記複合体粒子が、水酸化ニッケルを含有する基体粒子
と、当該基体粒子の表面に形成され、コバルト又はコバ
ルト化合物からなる内層と、当該内層の上に形成され、
水酸化アルミニウムからなる外層とからなる。 【効果】活物質利用率が高く、しかも放電容量が大きい
アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極が提供される。
記複合体粒子が、水酸化ニッケルを含有する基体粒子
と、当該基体粒子の表面に形成され、コバルト又はコバ
ルト化合物からなる内層と、当該内層の上に形成され、
水酸化アルミニウムからなる外層とからなる。 【効果】活物質利用率が高く、しかも放電容量が大きい
アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極が提供される。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池用
非焼結式ニッケル極に係わり、詳しくは、活物質利用率
が高く、しかも放電容量が大きいアルカリ蓄電池用非焼
結式ニッケル極を提供することを目的とした、活物質の
改良に関する。
非焼結式ニッケル極に係わり、詳しくは、活物質利用率
が高く、しかも放電容量が大きいアルカリ蓄電池用非焼
結式ニッケル極を提供することを目的とした、活物質の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池な
どの正極として、ニッケル粉末を穿孔鋼板等に焼結させ
て得た焼結基板に活物質(水酸化ニッケル)を含浸させ
てなる焼結式ニッケル極がよく知られている。
ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池な
どの正極として、ニッケル粉末を穿孔鋼板等に焼結させ
て得た焼結基板に活物質(水酸化ニッケル)を含浸させ
てなる焼結式ニッケル極がよく知られている。
【0003】焼結式ニッケル極において活物質の充填量
を多くするためには、多孔度の大きい焼結基板を用いる
必要がある。しかし、焼結によるニッケル粒子間の結合
は弱いので、焼結基板の多孔度を80%より大きくする
ことができず、それゆえ焼結式ニッケル極には、活物質
の充填量が少ないという問題がある。また、一般に、ニ
ッケル粉末の焼結体の孔径は10μm以下と小さいた
め、活物質の焼結基板への充填を、煩雑な含浸工程を数
回繰り返し行う必要がある溶液含浸法により行わなけら
ばならないという問題もある。
を多くするためには、多孔度の大きい焼結基板を用いる
必要がある。しかし、焼結によるニッケル粒子間の結合
は弱いので、焼結基板の多孔度を80%より大きくする
ことができず、それゆえ焼結式ニッケル極には、活物質
の充填量が少ないという問題がある。また、一般に、ニ
ッケル粉末の焼結体の孔径は10μm以下と小さいた
め、活物質の焼結基板への充填を、煩雑な含浸工程を数
回繰り返し行う必要がある溶液含浸法により行わなけら
ばならないという問題もある。
【0004】このようなことから、最近、非焼結式ニッ
ケル極が提案されている。非焼結式ニッケル極は、活物
質(水酸化ニッケル)と結着剤(メチルセルロース水溶
液など)との混練物(ペースト)を多孔度の大きい基板
に充填することにより作製される。非焼結式ニッケル極
では、多孔度の大きい基板を用いることができるので
(多孔度95%以上の基板を用いることができる)、活
物質の充填量を多くすることができるとともに、活物質
の基板への充填が容易である。
ケル極が提案されている。非焼結式ニッケル極は、活物
質(水酸化ニッケル)と結着剤(メチルセルロース水溶
液など)との混練物(ペースト)を多孔度の大きい基板
に充填することにより作製される。非焼結式ニッケル極
では、多孔度の大きい基板を用いることができるので
(多孔度95%以上の基板を用いることができる)、活
物質の充填量を多くすることができるとともに、活物質
の基板への充填が容易である。
【0005】しかし、非焼結式ニッケル極において活物
質の充填量を多くするべく多孔度の大きい基板を用いる
と、基板の集電性が悪くなり、活物質利用率が低下す
る。
質の充填量を多くするべく多孔度の大きい基板を用いる
と、基板の集電性が悪くなり、活物質利用率が低下す
る。
【0006】そこで、非焼結式ニッケル極の活物質利用
率を高めるべく、水酸化ニッケルを含有する基体粒子の
表面に組成式Co1-x Ax (OH)2 By 〔式中、Aは
アルミニウムなど、Bは硫酸イオンなど、xは0.05
〜0.5、y={(元素Aの価数)−2}×x÷(イオ
ンBの価数)〕で表されるコバルト水酸化物からなる層
を形成した活物質粒子が提案されている(特開平10−
21901号公報)。
率を高めるべく、水酸化ニッケルを含有する基体粒子の
表面に組成式Co1-x Ax (OH)2 By 〔式中、Aは
アルミニウムなど、Bは硫酸イオンなど、xは0.05
〜0.5、y={(元素Aの価数)−2}×x÷(イオ
ンBの価数)〕で表されるコバルト水酸化物からなる層
を形成した活物質粒子が提案されている(特開平10−
21901号公報)。
【0007】しかし、上記の活物質粒子を使用しても活
物質利用率を有効に高めることは困難である。上記のコ
バルト水酸化物にAが固溶しているためにコバルトが充
電時に酸化されにくくなり、充分な量の導電性ネットワ
ークが形成されないからである。
物質利用率を有効に高めることは困難である。上記のコ
バルト水酸化物にAが固溶しているためにコバルトが充
電時に酸化されにくくなり、充分な量の導電性ネットワ
ークが形成されないからである。
【0008】したがって、本発明は、活物質利用率が高
く、しかも放電容量が大きいアルカリ蓄電池用非焼結式
ニッケル極を提供することを目的とする。
く、しかも放電容量が大きいアルカリ蓄電池用非焼結式
ニッケル極を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルカリ蓄
電池用非焼結式ニッケル極(本発明電極)は、活物質粉
末が複合体粒子からなり、前記複合体粒子が、水酸化ニ
ッケルを含有する基体粒子と、当該基体粒子の表面に形
成され、コバルト又はコバルト化合物からなる内層と、
当該内層の上に形成され、水酸化アルミニウムからなる
外層とからなる。
電池用非焼結式ニッケル極(本発明電極)は、活物質粉
末が複合体粒子からなり、前記複合体粒子が、水酸化ニ
ッケルを含有する基体粒子と、当該基体粒子の表面に形
成され、コバルト又はコバルト化合物からなる内層と、
当該内層の上に形成され、水酸化アルミニウムからなる
外層とからなる。
【0010】本発明電極の活物質粉末は、水酸化ニッケ
ルを含有する基体粒子の表面に、コバルト又はコバルト
化合物からなる内層と水酸化アルミニウム(Al(O
H)3)からなる外層との二層が形成された複合体粒子
からなる。内層は、活物質の導電性を向上させる。ま
た、外層は、酸素過電圧を増大させて、充電受入れ性を
向上させる。その結果、活物質利用率が有効に高められ
るとともに、放電容量が増大する。本発明において基体
粒子の表面に上記の各層を別々に形成することとしたの
は、特開平10−21901号公報に開示の発明の如く
一層にして固溶体の形で形成すると、コバルトが充電時
に酸化されにくくなり、充分な量の導電性ネットワーク
を形成できなくなるからである。
ルを含有する基体粒子の表面に、コバルト又はコバルト
化合物からなる内層と水酸化アルミニウム(Al(O
H)3)からなる外層との二層が形成された複合体粒子
からなる。内層は、活物質の導電性を向上させる。ま
た、外層は、酸素過電圧を増大させて、充電受入れ性を
向上させる。その結果、活物質利用率が有効に高められ
るとともに、放電容量が増大する。本発明において基体
粒子の表面に上記の各層を別々に形成することとしたの
は、特開平10−21901号公報に開示の発明の如く
一層にして固溶体の形で形成すると、コバルトが充電時
に酸化されにくくなり、充分な量の導電性ネットワーク
を形成できなくなるからである。
【0011】水酸化ニッケルを含有する基体粒子として
は、水酸化ニッケルのみからなる単一成分粒子の外、水
酸化ニッケルに、コバルト、亜鉛、カルシウム、マグネ
シウム、アルミニウム、イットリウム及びイッテルビウ
ムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素Mを固
溶させた固溶体粒子が挙げられる。水酸化ニッケルに、
上記の元素を固溶させることにより、非焼結式ニッケル
極の充電時の膨化が抑制され、活物質利用率が向上す
る。水酸化ニッケル中の元素Mの固溶量は、ニッケルと
元素Mの総量に基づいて、0.5〜5重量%が好まし
い。同固溶量が0.5重量%未満の場合は膨化を有効に
抑制できず、一方同固溶量が5重量%を越えた場合は水
酸化ニッケル量が減少するため放電容量が減少する。
は、水酸化ニッケルのみからなる単一成分粒子の外、水
酸化ニッケルに、コバルト、亜鉛、カルシウム、マグネ
シウム、アルミニウム、イットリウム及びイッテルビウ
ムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素Mを固
溶させた固溶体粒子が挙げられる。水酸化ニッケルに、
上記の元素を固溶させることにより、非焼結式ニッケル
極の充電時の膨化が抑制され、活物質利用率が向上す
る。水酸化ニッケル中の元素Mの固溶量は、ニッケルと
元素Mの総量に基づいて、0.5〜5重量%が好まし
い。同固溶量が0.5重量%未満の場合は膨化を有効に
抑制できず、一方同固溶量が5重量%を越えた場合は水
酸化ニッケル量が減少するため放電容量が減少する。
【0012】内層は、コバルト又はコバルト化合物から
なる。コバルト化合物としては、一酸化コバルト、水酸
化コバルト、オキシ水酸化コバルト又はナトリウム含有
コバルト化合物が例示される。ナトリウム含有コバルト
化合物の具体例としては、ナトリウム含有水酸化コバル
ト、ナトリウム含有オキシ水酸化コバルト及びこれらの
混合物が挙げられる。
なる。コバルト化合物としては、一酸化コバルト、水酸
化コバルト、オキシ水酸化コバルト又はナトリウム含有
コバルト化合物が例示される。ナトリウム含有コバルト
化合物の具体例としては、ナトリウム含有水酸化コバル
ト、ナトリウム含有オキシ水酸化コバルト及びこれらの
混合物が挙げられる。
【0013】水酸化コバルトからなる内層は、例えば、
コバルト塩の水溶液(硫酸コバルト水溶液など)に、水
酸化ニッケル粉末を添加し、攪拌しながらアルカリ水溶
液(水酸化ナトリウム水溶液など)を滴下してpHを9
〜12(通常11程度)に調整した後、上記アルカリ水
溶液を適宜滴下することによりpHをほぼ一定に保持し
つつ所定時間攪拌して、水酸化ニッケル粒子の表面に水
酸化コバルトを析出させることにより形成することがで
きる。
コバルト塩の水溶液(硫酸コバルト水溶液など)に、水
酸化ニッケル粉末を添加し、攪拌しながらアルカリ水溶
液(水酸化ナトリウム水溶液など)を滴下してpHを9
〜12(通常11程度)に調整した後、上記アルカリ水
溶液を適宜滴下することによりpHをほぼ一定に保持し
つつ所定時間攪拌して、水酸化ニッケル粒子の表面に水
酸化コバルトを析出させることにより形成することがで
きる。
【0014】この外、水酸化コバルトからなる内層は、
水酸化ニッケル粉末と水酸化コバルト粉末とを不活性ガ
ス中にて圧縮摩砕粉砕機を用いて乾式混合するメカニカ
ルチャージ法によっても形成することができる。このメ
カニカルチャージ法において、水酸化コバルト粉末に代
えて、一酸化コバルト粉末又はコバルト粉末を用いれ
ば、それぞれ一酸化コバルトからなる内層及びコバルト
からなる内層を形成することができる。
水酸化ニッケル粉末と水酸化コバルト粉末とを不活性ガ
ス中にて圧縮摩砕粉砕機を用いて乾式混合するメカニカ
ルチャージ法によっても形成することができる。このメ
カニカルチャージ法において、水酸化コバルト粉末に代
えて、一酸化コバルト粉末又はコバルト粉末を用いれ
ば、それぞれ一酸化コバルトからなる内層及びコバルト
からなる内層を形成することができる。
【0015】オキシ水酸化コバルトからなる内層は、例
えば、上記のいずれかの方法により水酸化コバルトから
なる内層を形成した後、この内層を40°C程度に加熱
した過酸化水素水で酸化することにより形成することが
できる。
えば、上記のいずれかの方法により水酸化コバルトから
なる内層を形成した後、この内層を40°C程度に加熱
した過酸化水素水で酸化することにより形成することが
できる。
【0016】ナトリウム含有コバルト化合物からなる内
層は、例えば、水酸化ニッケル粒子の表面に、コバルト
層、水酸化コバルト層、一酸化コバルト層、オキシ水酸
化コバルト層等のコバルト化合物層を形成した複合体粒
子粉末に、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、酸素存在
下にて加熱処理することにより形成することができる。
水酸化ナトリウム水溶液を添加するだけではナトリウム
含有コバルト化合物からなる内層は形成されず、酸素存
在下にて加熱処理することが必要である。加熱処理温度
は、50〜200°Cが好ましい。加熱温度が50°C
未満の場合は、導電率が低いCoHO2 が多く析出し、
一方、加熱温度が200°Cを越えた場合は、導電率が
低い四酸化三コバルト(Co3 O4 )が多く析出する。
なお、コバルト化合物層がオキシ水酸化コバルトの場合
は、50°C未満で加熱処理してもCoHO2 が析出す
ることはないが、ナトリウムが挿入されにくくなる。加
熱処理時間は、使用する水酸化ナトリウム水溶液の量、
濃度、加熱処理温度等によって異なる。一般的には、
0.5〜10時間である。
層は、例えば、水酸化ニッケル粒子の表面に、コバルト
層、水酸化コバルト層、一酸化コバルト層、オキシ水酸
化コバルト層等のコバルト化合物層を形成した複合体粒
子粉末に、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、酸素存在
下にて加熱処理することにより形成することができる。
水酸化ナトリウム水溶液を添加するだけではナトリウム
含有コバルト化合物からなる内層は形成されず、酸素存
在下にて加熱処理することが必要である。加熱処理温度
は、50〜200°Cが好ましい。加熱温度が50°C
未満の場合は、導電率が低いCoHO2 が多く析出し、
一方、加熱温度が200°Cを越えた場合は、導電率が
低い四酸化三コバルト(Co3 O4 )が多く析出する。
なお、コバルト化合物層がオキシ水酸化コバルトの場合
は、50°C未満で加熱処理してもCoHO2 が析出す
ることはないが、ナトリウムが挿入されにくくなる。加
熱処理時間は、使用する水酸化ナトリウム水溶液の量、
濃度、加熱処理温度等によって異なる。一般的には、
0.5〜10時間である。
【0017】基体粒子と内層の総量に対する内層の比率
は、3〜15重量%が好ましく、5〜10重量%がより
好ましい。同比率が3重量%未満の場合は、活物質粒子
の表面の導電性(電子伝導性)が不十分となり、活物質
利用率を有効に高めることが困難になる。一方、同比率
が15重量%を越えた場合は、活物質(水酸化ニッケ
ル)の充填密度が小さくなり、電極の比容量が減少す
る。
は、3〜15重量%が好ましく、5〜10重量%がより
好ましい。同比率が3重量%未満の場合は、活物質粒子
の表面の導電性(電子伝導性)が不十分となり、活物質
利用率を有効に高めることが困難になる。一方、同比率
が15重量%を越えた場合は、活物質(水酸化ニッケ
ル)の充填密度が小さくなり、電極の比容量が減少す
る。
【0018】外層は、例えば、アルミニウム塩の水溶液
(硫酸アルミニウム水溶液など)に、粒子表面に内層を
形成した水酸化ニッケル粉末(基体粒子粉末)を添加
し、攪拌しながらアルカリ水溶液(水酸化ナトリウム水
溶液など)を滴下してpHを9〜12(通常11程度)
に調整した後、上記アルカリ水溶液を適宜滴下すること
によりpHをほぼ一定に保持しつつ所定時間攪拌して、
内層の上に水酸化アルミニウムを析出させることにより
形成することができる。
(硫酸アルミニウム水溶液など)に、粒子表面に内層を
形成した水酸化ニッケル粉末(基体粒子粉末)を添加
し、攪拌しながらアルカリ水溶液(水酸化ナトリウム水
溶液など)を滴下してpHを9〜12(通常11程度)
に調整した後、上記アルカリ水溶液を適宜滴下すること
によりpHをほぼ一定に保持しつつ所定時間攪拌して、
内層の上に水酸化アルミニウムを析出させることにより
形成することができる。
【0019】基体粒子中の水酸化ニッケルに対する外層
中のアルミニウムの比率は、0.05〜5重量%が好ま
しく、0.1〜3重量%がより好ましい。同比率が0.
05重量%未満の場合は、酸素過電圧を充分に高めるこ
とができないために活物質利用率を有効に高めることが
困難になる。一方、同比率が5重量%を越えた場合は、
導電性が低下するため、活物質利用率を有効に高めるこ
とが上記と同様困難になる。
中のアルミニウムの比率は、0.05〜5重量%が好ま
しく、0.1〜3重量%がより好ましい。同比率が0.
05重量%未満の場合は、酸素過電圧を充分に高めるこ
とができないために活物質利用率を有効に高めることが
困難になる。一方、同比率が5重量%を越えた場合は、
導電性が低下するため、活物質利用率を有効に高めるこ
とが上記と同様困難になる。
【0020】本発明を適用して好適な非焼結式ニッケル
極としては、導電性芯体に、活物質を含有するペースト
を塗布し、乾燥してなるペースト式ニッケル極が挙げら
れる。上記導電性芯体の具体例としては、ニッケル発泡
体、フェルト状金属繊維多孔体及びパンチングメタルが
挙げられる。この外、本発明は、チューブ状の金属製導
電体の中に活物質を充填するチューブ式ニッケル極、活
物質を網目状の金属製導電体とともに加圧成形するボタ
ン型電池用ニッケル極などに適用しても好適である。
極としては、導電性芯体に、活物質を含有するペースト
を塗布し、乾燥してなるペースト式ニッケル極が挙げら
れる。上記導電性芯体の具体例としては、ニッケル発泡
体、フェルト状金属繊維多孔体及びパンチングメタルが
挙げられる。この外、本発明は、チューブ状の金属製導
電体の中に活物質を充填するチューブ式ニッケル極、活
物質を網目状の金属製導電体とともに加圧成形するボタ
ン型電池用ニッケル極などに適用しても好適である。
【0021】本発明電極を正極として用いて好適なアル
カリ蓄電池の具体例としては、ニッケル−水素蓄電池
(負極:水素吸蔵合金電極)、ニッケル−カドミウム蓄
電池(負極:カドミウム電極)及びニッケル−亜鉛蓄電
池(負極:亜鉛電極)が挙げられる。
カリ蓄電池の具体例としては、ニッケル−水素蓄電池
(負極:水素吸蔵合金電極)、ニッケル−カドミウム蓄
電池(負極:カドミウム電極)及びニッケル−亜鉛蓄電
池(負極:亜鉛電極)が挙げられる。
【0022】本発明電極は、活物質粉末が、活物質とし
ての水酸化ニッケルを含有する基体粒子と、導電性(電
子伝導性)を高める、コバルト又はコバルト化合物から
なる内層と、酸素過電圧を高めて充電受け入れ性を向上
させる、水酸化アルミニウムからなる外層とからなる複
合体粒子からなるので、活物質利用率が高く、しかも放
電容量が大きい。
ての水酸化ニッケルを含有する基体粒子と、導電性(電
子伝導性)を高める、コバルト又はコバルト化合物から
なる内層と、酸素過電圧を高めて充電受け入れ性を向上
させる、水酸化アルミニウムからなる外層とからなる複
合体粒子からなるので、活物質利用率が高く、しかも放
電容量が大きい。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変
更して実施することが可能なものである。
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変
更して実施することが可能なものである。
【0024】(実験1)本発明電極及び比較電極を作製
し、次いで各電極を正極に用いてアルカリ蓄電池を作製
し、充放電試験を行って活物質利用率及び放電容量を求
めた。
し、次いで各電極を正極に用いてアルカリ蓄電池を作製
し、充放電試験を行って活物質利用率及び放電容量を求
めた。
【0025】(実施例1)下記のステップ1〜6の操作
により、本発明電極及びアルカリ蓄電池を作製した。
により、本発明電極及びアルカリ蓄電池を作製した。
【0026】ステップ1:硫酸ニッケル167gを水に
溶かした水溶液5リットルに、攪拌しながら1M水酸化
ナトリウム水溶液と10重量%アンモニア水溶液との重
量比1:1の混液を加えて液のpHを11に調整した
後、1時間攪拌を続けて反応させた。反応中、液のpH
が若干低下した時点で上記混液を適宜滴下して液のpH
をほぼ11に保持した。pHの監視は、自動温度補償付
きガラス電極(pHメータ)にて行った。次いで、沈殿
物を、ろ別し、水洗し、真空乾燥し、粉砕して、平均粒
径10μmの水酸化ニッケル粉末(基体粒子粉末)を作
製した。
溶かした水溶液5リットルに、攪拌しながら1M水酸化
ナトリウム水溶液と10重量%アンモニア水溶液との重
量比1:1の混液を加えて液のpHを11に調整した
後、1時間攪拌を続けて反応させた。反応中、液のpH
が若干低下した時点で上記混液を適宜滴下して液のpH
をほぼ11に保持した。pHの監視は、自動温度補償付
きガラス電極(pHメータ)にて行った。次いで、沈殿
物を、ろ別し、水洗し、真空乾燥し、粉砕して、平均粒
径10μmの水酸化ニッケル粉末(基体粒子粉末)を作
製した。
【0027】ステップ2:硫酸コバルト13.1gを水
に溶かした水溶液1リットルに、ステップ1で作製した
水酸化ニッケル粉末100gを入れ、攪拌しながら1M
水酸化ナトリウム水溶液を加えて液のpHを11に調整
した後、1時間攪拌を続けて反応させた。反応中、液の
pHが若干低下した時点で1M水酸化ナトリウム水溶液
を適宜滴下して液のpHを11に保持した。
に溶かした水溶液1リットルに、ステップ1で作製した
水酸化ニッケル粉末100gを入れ、攪拌しながら1M
水酸化ナトリウム水溶液を加えて液のpHを11に調整
した後、1時間攪拌を続けて反応させた。反応中、液の
pHが若干低下した時点で1M水酸化ナトリウム水溶液
を適宜滴下して液のpHを11に保持した。
【0028】次いで、沈殿物を、ろ別し、水洗し、真空
乾燥して、ステップ1で得た水酸化ニッケル粉末の粒子
表面に水酸化コバルトからなる内層が形成された複合体
粒子粉末を得た。基体粒子(水酸化ニッケル)と内層
(水酸化コバルト)の総量に対する内層の比率を原子吸
光分析によりコバルト量を測定して求めたところ、5重
量%であった。
乾燥して、ステップ1で得た水酸化ニッケル粉末の粒子
表面に水酸化コバルトからなる内層が形成された複合体
粒子粉末を得た。基体粒子(水酸化ニッケル)と内層
(水酸化コバルト)の総量に対する内層の比率を原子吸
光分析によりコバルト量を測定して求めたところ、5重
量%であった。
【0029】ステップ3:ステップ2で得た複合体粒子
粉末と、25重量%水酸化ナトリウム水溶液とを、重量
比1:10で混合し、85°Cで8時間加熱処理した
後、水洗し、65°Cで乾燥して、水酸化ニッケル粒子
の表面に、ナトリウム含有コバルト化合物からなる内層
が形成された複合体粒子粉末を作製した。基体粒子(水
酸化ニッケル)と内層(ナトリウム含有コバルト化合
物)の総量に対する内層の比率を原子吸光分析によりコ
バルト量を測定して求めたところ、5重量%であった。
粉末と、25重量%水酸化ナトリウム水溶液とを、重量
比1:10で混合し、85°Cで8時間加熱処理した
後、水洗し、65°Cで乾燥して、水酸化ニッケル粒子
の表面に、ナトリウム含有コバルト化合物からなる内層
が形成された複合体粒子粉末を作製した。基体粒子(水
酸化ニッケル)と内層(ナトリウム含有コバルト化合
物)の総量に対する内層の比率を原子吸光分析によりコ
バルト量を測定して求めたところ、5重量%であった。
【0030】ステップ4:硫酸アルミニウム5.93g
を水に溶かした水溶液1リットルに、ステップ3で作製
した複合体粒子粉末100gを入れ、攪拌しながら1M
水酸化ナトリウム水溶液を加えて液のpHを11に調整
した後、1時間攪拌を続けて反応させた。反応中、液の
pHが若干低下した時点で1M水酸化ナトリウム水溶液
を適宜滴下して液のpHを11に保持した。
を水に溶かした水溶液1リットルに、ステップ3で作製
した複合体粒子粉末100gを入れ、攪拌しながら1M
水酸化ナトリウム水溶液を加えて液のpHを11に調整
した後、1時間攪拌を続けて反応させた。反応中、液の
pHが若干低下した時点で1M水酸化ナトリウム水溶液
を適宜滴下して液のpHを11に保持した。
【0031】次いで、沈殿物を、ろ別し、水洗し、真空
乾燥して、ステップ3で作製した複合体粒子粉末の内層
の上に水酸化アルミニウムからなる外層が形成された、
活物質粉末としての複合粒子粉末を得た。基体粒子中の
水酸化ニッケルに対する外層中のアルミニウムの比率を
原子吸光分析によりアルミニウム量を測定して求めたと
ころ、1重量%であった。
乾燥して、ステップ3で作製した複合体粒子粉末の内層
の上に水酸化アルミニウムからなる外層が形成された、
活物質粉末としての複合粒子粉末を得た。基体粒子中の
水酸化ニッケルに対する外層中のアルミニウムの比率を
原子吸光分析によりアルミニウム量を測定して求めたと
ころ、1重量%であった。
【0032】ステップ5:ステップ4で得た、活物質粉
末としての複合体粒子粉末100重量部と、結着剤とし
ての1重量%メチルセルロース水溶液20重量部とを混
練してペーストを調製し、このペーストをニッケル発泡
体(多孔度95%、平均孔径200μm)からなる多孔
性基板に充填し、乾燥し、加圧成形して、縦70mm、
横40mm、厚み0.70mmの非焼結式ニッケル極a
(本発明電極)を作製した。以下の実施例及び比較例で
作製した非焼結式ニッケル極の寸法も、全てこれと同じ
である。
末としての複合体粒子粉末100重量部と、結着剤とし
ての1重量%メチルセルロース水溶液20重量部とを混
練してペーストを調製し、このペーストをニッケル発泡
体(多孔度95%、平均孔径200μm)からなる多孔
性基板に充填し、乾燥し、加圧成形して、縦70mm、
横40mm、厚み0.70mmの非焼結式ニッケル極a
(本発明電極)を作製した。以下の実施例及び比較例で
作製した非焼結式ニッケル極の寸法も、全てこれと同じ
である。
【0033】ステップ6:ステップ5で得た本発明電極
a(正極)、この正極の約1.5倍の容量を有する、縦
85mm、横40mm、厚み0.35mmの従来公知の
ペースト式カドミウム極(負極)、ポリアミド不織布
(セパレータ)、30重量%水酸化カリウム水溶液(ア
ルカリ電解液)、金属製の電池缶、金属製の電池蓋など
を用いて、AAサイズのアルカリ蓄電池A(電池容量:
約1000mAh)を作製した。以下の実施例及び比較
例で作製したアルカリ蓄電池も、負極の容量を正極のそ
れの約1.5倍とした。
a(正極)、この正極の約1.5倍の容量を有する、縦
85mm、横40mm、厚み0.35mmの従来公知の
ペースト式カドミウム極(負極)、ポリアミド不織布
(セパレータ)、30重量%水酸化カリウム水溶液(ア
ルカリ電解液)、金属製の電池缶、金属製の電池蓋など
を用いて、AAサイズのアルカリ蓄電池A(電池容量:
約1000mAh)を作製した。以下の実施例及び比較
例で作製したアルカリ蓄電池も、負極の容量を正極のそ
れの約1.5倍とした。
【0034】(比較例1)ステップ1〜6の操作のうち
ステップ4の操作を実施しなかったこと以外は実施例1
と同様にして、比較電極b及びアルカリ蓄電池Bを作製
した。この比較例で用いた活物質粉末は、基体粒子(水
酸化ニッケル粒子)の表面にナトリウム含有コバルト化
合物からなる層のみを形成した複合体粒子粉末である。
ステップ4の操作を実施しなかったこと以外は実施例1
と同様にして、比較電極b及びアルカリ蓄電池Bを作製
した。この比較例で用いた活物質粉末は、基体粒子(水
酸化ニッケル粒子)の表面にナトリウム含有コバルト化
合物からなる層のみを形成した複合体粒子粉末である。
【0035】(比較例2)硫酸アンモニウムと水酸化ナ
トリウム水溶液とでpHを10に調整した水溶液1リッ
トルに水酸化ニッケル粉末100gを投入した。
トリウム水溶液とでpHを10に調整した水溶液1リッ
トルに水酸化ニッケル粉末100gを投入した。
【0036】この水溶液に、硫酸コバルト13.1g及
び硫酸アルミニウム3.61gを水に溶かした水溶液5
00mlを加え、30重量%水酸化ナトリウム水溶液を
滴下してpHを8〜13に保ちつつ、1時間攪拌を続け
て反応させた後、沈殿物をろ別し、水洗し、真空乾燥
し、粉砕して、水酸化ニッケル粉末の粒子表面をCo0.
8 Al0.2 (OH)2 (SO4)0.1 で被覆した複合体粒
子粉末を作製した。
び硫酸アルミニウム3.61gを水に溶かした水溶液5
00mlを加え、30重量%水酸化ナトリウム水溶液を
滴下してpHを8〜13に保ちつつ、1時間攪拌を続け
て反応させた後、沈殿物をろ別し、水洗し、真空乾燥
し、粉砕して、水酸化ニッケル粉末の粒子表面をCo0.
8 Al0.2 (OH)2 (SO4)0.1 で被覆した複合体粒
子粉末を作製した。
【0037】次いで、この複合体粒子粉末を次亜塩素酸
水溶液にて化学酸化して、Co0.8Al0.2 (OH)2
(SO4)0.1 をCo0.8 Al0.2 (OOH)に変化させ
て、複合体粒子粉末を作製した。
水溶液にて化学酸化して、Co0.8Al0.2 (OH)2
(SO4)0.1 をCo0.8 Al0.2 (OOH)に変化させ
て、複合体粒子粉末を作製した。
【0038】活物質粉末として、水酸化ニッケル粉末の
粒子表面をCo0.8 Al0.2 (OOH)で被覆した上記
複合体粒子粉末を使用したこと以外は実施例1のステッ
プ5及び6と同様にして比較電極c及びアルカリ蓄電池
Cを作製した。
粒子表面をCo0.8 Al0.2 (OOH)で被覆した上記
複合体粒子粉末を使用したこと以外は実施例1のステッ
プ5及び6と同様にして比較電極c及びアルカリ蓄電池
Cを作製した。
【0039】〈活物質利用率〉各電池について、25°
Cにて100mA(0.1Cに相当)で160%充電し
た後、25°Cにて1A(1Cに相当)で1.0Vまで
放電する充放電を5サイクル行い、各電池に使用した非
焼結式ニッケル極の5サイクル目の、活物質利用率及び
放電容量を求めた。活物質利用率は、下式に基づき算出
した。
Cにて100mA(0.1Cに相当)で160%充電し
た後、25°Cにて1A(1Cに相当)で1.0Vまで
放電する充放電を5サイクル行い、各電池に使用した非
焼結式ニッケル極の5サイクル目の、活物質利用率及び
放電容量を求めた。活物質利用率は、下式に基づき算出
した。
【0040】活物質利用率(%)={放電容量(mA
h)/〔水酸化ニッケル量(g)×288(mAh/
g)〕}×100
h)/〔水酸化ニッケル量(g)×288(mAh/
g)〕}×100
【0041】結果を表1に示す。表1中の活物質利用率
及び放電容量は、それぞれ本発明電極aの活物質利用率
及び放電容量を100としたときの相対指数である。
及び放電容量は、それぞれ本発明電極aの活物質利用率
及び放電容量を100としたときの相対指数である。
【0042】
【表1】
【0043】比較電極bの活物質利用率が低いのは、水
酸化アルミニウムからなる外層を内層の上に形成しなか
ったために、酸素過電圧が小さく、そのため充電受入れ
性が悪かったためと考えられる。また、比較電極cの活
物質利用率が低いのは、コバルト酸化物をアルミニウム
との固溶体の形で使用したために、本来発現されるべき
コバルト酸化物による導電性付与効果が低減したためと
考えられる。
酸化アルミニウムからなる外層を内層の上に形成しなか
ったために、酸素過電圧が小さく、そのため充電受入れ
性が悪かったためと考えられる。また、比較電極cの活
物質利用率が低いのは、コバルト酸化物をアルミニウム
との固溶体の形で使用したために、本来発現されるべき
コバルト酸化物による導電性付与効果が低減したためと
考えられる。
【0044】(実験2)基体粒子と内層の総量に対する
内層の比率と活物質利用率及び放電容量の関係を調べ
た。
内層の比率と活物質利用率及び放電容量の関係を調べ
た。
【0045】ステップ2において、硫酸コバルト13.
1gを水に溶かした水溶液1リットルに代えて、硫酸コ
バルト1.32g、5.37g、8.13g、22.9
g、29.2g、39.3g、46.4g、53.9g
又は65.7gを水に溶かした水溶液1リットルを用い
たこと以外は実施例1と同様にして、非焼結式ニッケル
極d1〜d9及びアルカリ蓄電池D1〜D9を作製し
た。非焼結式ニッケル極d1〜d9について、基体粒子
と内層の総量に対する内層の比率を原子吸光分析により
コバルト量を測定し求めたところ、順に、0.5重量
%、2重量%、3重量%、8重量%、10重量%、13
重量%、15重量%、17重量%、20重量%であっ
た。
1gを水に溶かした水溶液1リットルに代えて、硫酸コ
バルト1.32g、5.37g、8.13g、22.9
g、29.2g、39.3g、46.4g、53.9g
又は65.7gを水に溶かした水溶液1リットルを用い
たこと以外は実施例1と同様にして、非焼結式ニッケル
極d1〜d9及びアルカリ蓄電池D1〜D9を作製し
た。非焼結式ニッケル極d1〜d9について、基体粒子
と内層の総量に対する内層の比率を原子吸光分析により
コバルト量を測定し求めたところ、順に、0.5重量
%、2重量%、3重量%、8重量%、10重量%、13
重量%、15重量%、17重量%、20重量%であっ
た。
【0046】次いで、実験1で行ったものと同じ条件の
充放電試験を行い、各非焼結式ニッケル極の5サイクル
目の、活物質利用率及び放電容量を求めた。
充放電試験を行い、各非焼結式ニッケル極の5サイクル
目の、活物質利用率及び放電容量を求めた。
【0047】結果を表2に示す。表2中の活物質利用率
及び放電容量は、それぞれ基体粒子と内層の総量に対す
る内層の比率が5重量%の非焼結式ニッケル極aの活物
質利用率及び放電容量を100とした相対指数である。
及び放電容量は、それぞれ基体粒子と内層の総量に対す
る内層の比率が5重量%の非焼結式ニッケル極aの活物
質利用率及び放電容量を100とした相対指数である。
【0048】
【表2】
【0049】表2より、基体粒子と内層の総量に対する
内層の比率は、3〜15重量%が好ましく、5〜10重
量%がより好ましいことが分かる。同比率がそれぞれ
0.5重量%及び2重量%である非焼結式ニッケル極d
1、d2の活物質利用率及び放電容量が低いのは、活物
質粒子の表面の導電性が十分に高められなかったためと
考えられる。一方、同比率がそれぞれ17重量%及び2
0重量%である非焼結式ニッケル極d8、d9の放電容
量が低いのは、活物質(水酸化ニッケル)の充填密度が
小さくなったためと考えられる。
内層の比率は、3〜15重量%が好ましく、5〜10重
量%がより好ましいことが分かる。同比率がそれぞれ
0.5重量%及び2重量%である非焼結式ニッケル極d
1、d2の活物質利用率及び放電容量が低いのは、活物
質粒子の表面の導電性が十分に高められなかったためと
考えられる。一方、同比率がそれぞれ17重量%及び2
0重量%である非焼結式ニッケル極d8、d9の放電容
量が低いのは、活物質(水酸化ニッケル)の充填密度が
小さくなったためと考えられる。
【0050】(実験3)基体粒子中の水酸化ニッケルに
対する外層中のアルミニウムの比率と活物質利用率及び
放電容量の関係を調べた。
対する外層中のアルミニウムの比率と活物質利用率及び
放電容量の関係を調べた。
【0051】ステップ4において、硫酸アルミニウム
5.93gを水に溶かした水溶液1リットルに代えて、
硫酸アルミニウム0.18g、0.29g、0.47
g、0.59g、1.77g、2.95g、4.74
g、18.2g、30.9g、37.5g又は51.1
gを水に溶かした水溶液1リットルを用いたこと以外は
実施例1と同様にして非焼結式ニッケル極e1〜e11
及びアルカリ蓄電池E1〜E11を作製した。非焼結式
ニッケル極e1〜e11について、基体粒子中の水酸化
ニッケルに対する外層中のアルミニウムの比率を原子吸
光分析によりアルミニウム量を測定して求めたところ、
順に、0.03重量%、0.05重量%、0.08重量
%、0.1重量%、0.3重量%、0.5重量%、0.
8重量%、3重量%、5重量%、6重量%及び8重量%
であった。
5.93gを水に溶かした水溶液1リットルに代えて、
硫酸アルミニウム0.18g、0.29g、0.47
g、0.59g、1.77g、2.95g、4.74
g、18.2g、30.9g、37.5g又は51.1
gを水に溶かした水溶液1リットルを用いたこと以外は
実施例1と同様にして非焼結式ニッケル極e1〜e11
及びアルカリ蓄電池E1〜E11を作製した。非焼結式
ニッケル極e1〜e11について、基体粒子中の水酸化
ニッケルに対する外層中のアルミニウムの比率を原子吸
光分析によりアルミニウム量を測定して求めたところ、
順に、0.03重量%、0.05重量%、0.08重量
%、0.1重量%、0.3重量%、0.5重量%、0.
8重量%、3重量%、5重量%、6重量%及び8重量%
であった。
【0052】次いで、実験1で行ったものと同じ条件の
充放電試験を行い、各非焼結式ニッケル極の5サイクル
目の、活物質利用率及び放電容量を求めた。
充放電試験を行い、各非焼結式ニッケル極の5サイクル
目の、活物質利用率及び放電容量を求めた。
【0053】結果を表3に示す。表3中の活物質利用率
及び放電容量は、それぞれ基体粒子中の水酸化ニッケル
に対する外層中のアルミニウムの比率が1重量%の非焼
結式ニッケル極aの活物質利用率及び放電容量を100
とした相対指数である。
及び放電容量は、それぞれ基体粒子中の水酸化ニッケル
に対する外層中のアルミニウムの比率が1重量%の非焼
結式ニッケル極aの活物質利用率及び放電容量を100
とした相対指数である。
【0054】
【表3】
【0055】表3より、基体粒子中の水酸化ニッケルに
対する外層中のアルミニウムの比率は、0.05〜5重
量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましいこと
が分かる。同比率が0.03重量%である非焼結式ニッ
ケル極e1の活物質利用率及び放電容量が低いのは、外
層中のアルミニウム量が少ないために、酸素過電圧が小
さいためと考えられる。一方、同比率がそれぞれ6重量
%及び8重量%である非焼結式ニッケル極e10、e1
1の活物質利用率が低いのは、外層中のアルミニウム量
が多過ぎたために導電性が低下したためと考えられる。
対する外層中のアルミニウムの比率は、0.05〜5重
量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましいこと
が分かる。同比率が0.03重量%である非焼結式ニッ
ケル極e1の活物質利用率及び放電容量が低いのは、外
層中のアルミニウム量が少ないために、酸素過電圧が小
さいためと考えられる。一方、同比率がそれぞれ6重量
%及び8重量%である非焼結式ニッケル極e10、e1
1の活物質利用率が低いのは、外層中のアルミニウム量
が多過ぎたために導電性が低下したためと考えられる。
【0056】(実験4)水酸化ニッケルに特定の元素M
を固溶せしめる場合の元素Mについて調べた。
を固溶せしめる場合の元素Mについて調べた。
【0057】ステップ1において、硫酸ニッケル167
gを水に溶かした水溶液5リットルに代えて、硫酸ニッ
ケル167g並びに表4に示す種類及び量の金属塩を水
に溶かした水溶液5リットルを用いたこと以外は実施例
1と同様にして、非焼結式ニッケル極f1〜f8及びア
ルカリ蓄電池F1〜F8を作製した。各非焼結式ニッケ
ル極についての下式で定義される元素Mの固溶量を表4
に示す。イットリウム及びイッテルビウムの固溶量は発
光分析(ICP)により、これら以外の元素の固溶量は
原子吸光分析により、それぞれ求めた。
gを水に溶かした水溶液5リットルに代えて、硫酸ニッ
ケル167g並びに表4に示す種類及び量の金属塩を水
に溶かした水溶液5リットルを用いたこと以外は実施例
1と同様にして、非焼結式ニッケル極f1〜f8及びア
ルカリ蓄電池F1〜F8を作製した。各非焼結式ニッケ
ル極についての下式で定義される元素Mの固溶量を表4
に示す。イットリウム及びイッテルビウムの固溶量は発
光分析(ICP)により、これら以外の元素の固溶量は
原子吸光分析により、それぞれ求めた。
【0058】固溶量(重量%)={元素Mの量÷(元素
Mの量+ニッケルの量)}×100
Mの量+ニッケルの量)}×100
【0059】
【表4】
【0060】次いで、実験1で行ったものと同じ条件の
充放電試験を行い、各非焼結式ニッケル極の5サイクル
目の活物質利用率及び放電容量を求めた。
充放電試験を行い、各非焼結式ニッケル極の5サイクル
目の活物質利用率及び放電容量を求めた。
【0061】結果を表5に示す。表5中の活物質利用率
は、元素Mが固溶していない水酸化ニッケルを基体粒子
として用いた非焼結式ニッケル極aの活物質利用率及び
放電容量を100とした相対指数である。
は、元素Mが固溶していない水酸化ニッケルを基体粒子
として用いた非焼結式ニッケル極aの活物質利用率及び
放電容量を100とした相対指数である。
【0062】
【表5】
【0063】表5より、水酸化ニッケルに、コバルト、
亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、イッ
トリウム及びイッテルビウムよりなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素を固溶させることにより、より高い
活物質利用率及びより大きな放電容量が得られることが
分かる。
亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、イッ
トリウム及びイッテルビウムよりなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素を固溶させることにより、より高い
活物質利用率及びより大きな放電容量が得られることが
分かる。
【0064】
【発明の効果】活物質利用率が高く、しかも放電容量が
大きいアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極が提供され
る。
大きいアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東山 信幸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 矢野 睦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 伊藤 靖彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H050 AA08 BA11 BA13 BA14 CA03 CA04 CB14 DA02 EA02 EA12 FA17 FA18 HA01
Claims (6)
- 【請求項1】活物質粉末が複合体粒子からなるアルカリ
蓄電池用非焼結式ニッケル極であって、前記複合体粒子
が、水酸化ニッケルを含有する基体粒子と、当該基体粒
子の表面に形成され、コバルト又はコバルト化合物から
なる内層と、当該内層の上に形成され、水酸化アルミニ
ウムからなる外層とからなることを特徴とするアルカリ
蓄電池用非焼結式ニッケル極。 - 【請求項2】前記基体粒子と前記内層の総量に対する前
記内層の比率が、3〜15重量%である請求項1記載の
アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極。 - 【請求項3】前記基体粒子と前記内層の総量に対する前
記内層の比率が、5〜10重量%である請求項1記載の
アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極。 - 【請求項4】前記基体粒子中の水酸化ニッケルに対する
前記外層中のアルミニウムの比率が、0.05〜5重量
%である請求項1記載のアルカリ蓄電池用非焼結式ニッ
ケル極。 - 【請求項5】前記基体粒子中の水酸化ニッケルに対する
前記外層中のアルミニウムの比率が、0.1〜3重量%
である請求項1記載のアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケ
ル極。 - 【請求項6】前記基体粒子が、水酸化ニッケルに、コバ
ルト、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウ
ム、イットリウム及びイッテルビウムよりなる群から選
ばれた少なくとも1種の元素Mが、ニッケルと前記元素
Mの総量に基づいて、0.5〜5重量%固溶した固溶体
粒子である請求項1記載のアルカリ蓄電池用非焼結式ニ
ッケル極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000057748A JP2001250539A (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000057748A JP2001250539A (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001250539A true JP2001250539A (ja) | 2001-09-14 |
Family
ID=18578468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000057748A Pending JP2001250539A (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001250539A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114162880A (zh) * | 2021-11-22 | 2022-03-11 | 宁夏中色金辉新能源有限公司 | 锂离子固态电池正极活性材料前驱体及其制备方法和应用 |
CN116139941A (zh) * | 2022-12-22 | 2023-05-23 | 宁波九胜创新医药科技有限公司 | 一种用于提高次氯酸根氧化性能的镍基催化剂及其制备方法和应用 |
-
2000
- 2000-03-02 JP JP2000057748A patent/JP2001250539A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114162880A (zh) * | 2021-11-22 | 2022-03-11 | 宁夏中色金辉新能源有限公司 | 锂离子固态电池正极活性材料前驱体及其制备方法和应用 |
CN116139941A (zh) * | 2022-12-22 | 2023-05-23 | 宁波九胜创新医药科技有限公司 | 一种用于提高次氯酸根氧化性能的镍基催化剂及其制备方法和应用 |
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