JP2001248028A - 生分解性紐 - Google Patents
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Abstract
分解性が抑制され、しかも、生分解性を有し、かつ、防
カビ性、耐候性を兼ね備えた紐を提供する。 【解決手段】 滑剤を含有し、かつ、構成成分の75質
量%以上がポリ乳酸からなる土壌分解性を有する1軸延
伸フィルムからなる紐であって、該紐の相対粘度が1.
8以上、複屈折が0.035以下、および、50℃、9
5%RHにおける加水分解係数が0.5以下である生分
解性紐。
Description
とする生分解性を有するポリマーを原料として製造した
紐に関するものであり、優れた強力を保持し、使用中は
カビや病害虫の発生がなく、しかも、廃棄した後も自然
環境下に蓄積することがない紐に関するものである。
ムが多用されており、例えば施設園芸用ハウスの外張り
用や内張り用、トンネルハウス用、マルチ栽培用フィル
ムなどとして使用されている。これらのフィルムの原料
としては、主にポリ塩化ビニル系樹脂やポリオレフィン
系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂が用いられている。中で
もポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの生産量は、年間10
万トンにのぼっている。しかし、ポリ塩化ビニル系樹脂
フィルムやポリエチレン系樹脂フィルムなどのポリオレ
フィン系樹脂フィルムは、自然環境下では分解しない
か、または分解速度が極めて遅いため、使用後放置され
たり、土中に埋設処理された場合、半永久的に地上や地
中に残存することになる。また、海洋投棄された場合
は、景観を損なったり、海洋生物の生活環境を破壊した
りする。さらに、ポリ塩化ビニル系樹脂を焼却処理した
場合には、塩化水素ガスなどの有害ガスが発生し、大気
を汚染するだけでなく、焼却炉の劣化を促進するなど、
消費の拡大とともにその廃棄処理が社会問題となってい
る。
農業用資材として生分解性ポリマーを用いるための研究
開発が以前より行われている。特に、ポリ乳酸は強度が
優れているため、これまでに種々の利用が検討されてき
た(特開平6−256481号公報など)。たとえば、
ポリ乳酸に、やしがら、デンプンなどを混合して、マル
チ栽培フィルムや植木ポットに用いることにより、使用
済みのものを土中に埋設したままで分解されるため大幅
に労力が削減される例が示されている(特開平9−27
5820号公報)。
ロン、トマト、ミニトマト、スイトピー、キュウリ、ナ
スなどの蔓性作物を栽培する場合、ハウスの天井から垂
らして蔓を巻き付かせて使用する吊り紐としては、茎や
果実の重量を支えるために、従来、ポリエチレン(P
E)、ポリプロピレン(PP)製のフィルムを軽く折っ
た紐が使用されており、一本の苗に長さ数mの紐が複数
本使用されている。作物を収穫した後は、PEやPP製
の吊り紐は、作物から取り外して廃棄する必要がある
が、蔓が強固に吊り紐に巻き付いているため、この取り
外し作業は大変な労力を必要とするといった問題があ
る。また、近年、特に農村部においては、ゴミの一部を
コンポストで処理することが推進されており、収穫後の
作物をコンポストで処理し、肥料として再利用すること
が進められている。このコンポスト化を推進するために
は、吊り紐として生分解性ポリマーを用いることが必要
であるが、従来市販されているデンプン系、石化系の生
分解性フィルムは、カビが生えやすく農業用途には適し
ていない。したがって、特に上記のような農業用途にお
いては、生分解性を有し、かつ、機械的性能に優れ、防
カビ性、耐候性を兼ね備えた紐が求められているのが実
状である。
性に優れたPP製の紐が現在使用されている。これら用
途に使用されたPP製紐も上記蔓性作物の農業用紐と同
様、使用後の廃棄物処理の問題が近年取りだたされてき
ている。特に、牧草用の結束紐は、牛が牧草と間違えて
食し、窒息死など種々の問題を引き起こす原因の一つに
もなっており、これら紐を動物が食しても安全な生分解
性ポリマーからなる紐に代替する要望が起こっている。
特性を有し、高温多湿下での加水分解性が抑制され、し
かも、生分解性を有し、かつ、防カビ性、耐候性を兼ね
備えた紐を提供しようとするものである。
を解決するために鋭意研究の結果、ポリ乳酸系フィルム
からなる紐が優れた機械特性と防カビ性、生分解性を有
し、前記用途に最適の材料であることを見出し、本発明
に到達した。すなわち、本発明は、滑剤を含有し、か
つ、構成成分の75質量%以上がポリ乳酸からなる土壌
分解性を有する1軸延伸フィルムからなる紐であって、
該紐の相対粘度が1.8以上、複屈折が0.035以
下、および、50℃、95%RHにおける加水分解係数
が0.5以下であることを特徴とする生分解性紐であ
る。
する。本発明の紐は、滑剤を含有し、かつ、構成成分の
75質量%以上がポリ乳酸成分であることが必要であ
る。ポリ乳酸成分が75質量%未満では、生分解性を有
したまま紐に実質的に必要な強度を保持することができ
ない。ポリ乳酸は、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポ
リL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、
さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL
−乳酸、またはこれらの混合体であり、数平均分子量は
9万〜11万である。また、本発明の目的から外れない
範囲でポリ乳酸に少量の共重合成分を含有していてもよ
く、共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、アジピン酸、セバシ
ン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAの
アルキレンオキシド付加物、ビスフェノールSのアルキ
レンオキシド付加物等のグリコール成分、4−ヒドロキ
シ安息香酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボ
ン酸成分が挙げられる。
ィルムは、そのままでは滑り性に劣ると共に、縦割れ
(フィブリル化)が激しく、製膜時の延伸・巻き取り工
程時および撚り工程時にフィルム(紐)の送りがスムー
ズにいかず、各工程の操業性を悪化させる場合があるた
め、フィルムの滑り性向上とフィブリル化防止は不可欠
である。滑り性を向上させるためには、滑剤を添加する
ことが必要である。滑剤としては、特に限定されない
が、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの無
機物系滑剤、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワ
ックス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリエチレ
ンなどの脂肪族炭化水素系滑剤、ステアリン酸、ラウリ
ル酸、ヒドロキシステアリン酸、硬化ひまし油などの脂
肪酸系滑剤、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、
エルカ酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステ
アリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチ
レンビスラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉛、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの炭素
数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤、グ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルな
どの多価アルコールの脂肪酸(部分)エステル系滑剤、
ステアリン酸ブチルエステル、モンタンワックスなどの
長鎖エステルワックスなどの脂肪酸エステル系滑剤、ま
たはこれらを複合した複合滑剤などが挙げられ、特に無
機滑剤と有機滑剤の併用は好ましく、具体的には、シリ
カとエルカ酸アミドとの組み合せあるいはシリカとエル
カ酸アミドとステアリン酸アルミニウムなどとの組み合
せが好ましい。滑剤の添加方法は、マスターバッチによ
る添加や直接添加、あるいは、予めポリ乳酸と実質的に
非相溶な生分解性脂肪族ポリエステル中に0.5〜20
質量%分散させてポリ乳酸に添加する方法、あるいは、
これらの方法を併用することができる。特に、この両方
法を併用して滑剤を添加する場合、マトリックスである
ポリ乳酸中に分散した滑剤が与える滑り効果に加え、ポ
リ乳酸中にミクロ分散した非相溶の樹脂中の滑剤がさら
に滑り性を向上させるため好ましい。また、ポリ乳酸に
マスターバッチや直接添加される滑剤とポリ乳酸と実質
的に非相溶な生分解性脂肪族ポリエステル中に分散させ
る滑剤とは、同種であっても異なっていてもどちらでも
よい。滑剤の添加量は、構成成分の0.5〜5質量%が
好ましい。滑剤添加量が0.5質量%未満では、実質的
に効果がなく、5質量%を超えるとフィルム製膜時にパ
ック圧が上昇するといった製造トラブルを招くため好ま
しくない。
相溶である生分解性脂肪族ポリエステルを、ポリ乳酸に
配合することができる。ポリ乳酸と実質的に非相溶であ
る生分解性脂肪族ポリエステルの具体例としては、脂肪
族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂
肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪
族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステルなどが挙げ
られる。この配合により、フィブリル化を防止したり、
フィルムおよび紐に、柔軟化にともなう粘りを付与する
といったいわゆる高分子可塑剤的効果が得られる。脂肪
族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂
肪族ポリエステルは、脂肪族ジオールとしてエチレング
リコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シク
ロヘキサンジメタノールなど、脂肪族ジカルボン酸とし
てコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およ
びドデカン二酸などの中から、それぞれ1種類以上選ん
で縮合重合して得られる。必要に応じてイソシアネート
化合物などでジャンプアップして所望のポリマーを得る
ことができる。環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポ
リエステルとしては、環状モノマーであるε−カプロラ
クトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロ
ラクトンなどが代表的に挙げられ、これらから1種類以
上選ばれて重合される。合成系脂肪族ポリエステルとし
ては、環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハ
ク酸とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど
との共重合体などが挙げられる。生分解性脂肪族ポリエ
ステルとして特に好ましく用いられるのは、脂肪族ジオ
ールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポ
リエステルであり、その具体例としては、ポリエチレン
アジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレン
アジペート、ポリヘキシルアジペート、ポリブチレンサ
クシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートなど
が挙げられる。生分解性脂肪族ポリエステルの配合量
は、構成成分の1〜20質量%であることが好ましい。
生分解性脂肪族ポリエステルの配合量が1質量%未満で
あると、得られるフィルムや紐にしっとり感と収束性を
付与できず、フィブリル化が激しくなる。また20質量
%を超えると、ポリ乳酸の良好な機械的特性が損なわれ
る。
解性紐には、本発明の目的を損なわない範囲において、
滑剤の他にアンチブロッキング剤、および制電、難燃、
耐光、防汚、紫外線防止、可塑剤等の機能性の付与を目
的とした添加剤、艶消剤、顔料等を配合しても差し支え
ない。
8以上、好ましくは1.95以上であることが必要であ
る。ここでいう相対粘度とは、溶媒としてフェノール/
1,1,2,2−テトラクロロエタン(質量比1/1)
の混合溶媒を用い、温度20℃、濃度0.5g/dlの条件
で測定した溶液粘度をいう。紐の相対粘度が1.8に満
たない場合は、ハウス内で高温多湿の状況下に晒すと、
ポリ乳酸が加水分解されて、短期間で強度が低下し、メ
ロンやトマトが十分成長する前に紐が切断したりするた
め好ましくない。
であるフィルムの複屈折である。複屈折は0.035以
下、好ましくは0.033以下であることが必要であ
る。ここでいう複屈折は、偏光顕微鏡を用いたレターデ
ーション法で測定する。複屈折が0.035を超える
と、配向が進んでいるためにトラバースによる紙管での
巻き取り時にフラットヤーンがこすれて縦割れ(フィブ
リル化)を起こし、製膜時の延伸・巻き取り工程におい
てフィブリル化が原因で切断し、操業性が著しく悪化す
るため好ましくない。
るポリ乳酸系樹脂の50℃、95%RHにおける加水分
解係数が0.05以下であることが必要である。加水分
解係数は、50℃、95%RHの条件で6日間処理した
ときの相対粘度を縦軸に、処理日数を横軸にとり、プロ
ットした直線の傾きをいう。加水分解係数が0.05よ
り大きいと、高温下で水や肥料に毎日晒されるハウス内
などにおいて、紐の強度が低下して切れてしまい、作物
が落下して傷つき、作物の商品価値がなくなってしま
う。すなわち、ハウス内は、通常40℃以下に保たれて
おり、気象条件の変化でハウス内の温度が高くなった
り、湿度が高くなったりすると作物が枯れてしまうため
に、ハウスの窓を開けて温度と湿度が調整されている。
しかし、台風などにより温湿度が上がる場合は、窓を開
けることができないため、温度が50℃近くまで上昇
し、湿度も100%RH近くになる。したがって、紐に
は、このようなハウス内の環境が変化しても強度を保持
することが必要であり、特に台風シーズンに大きな実を
つけるメロンや生育期間の長いトマトなどを栽培する場
合には、ポリ乳酸の加水分解係数は0.02以下である
ことが好ましい。
5000dtexであり、かつ、引張強度が1.5cN
/dtex以上あることが好ましい。繊度が8500d
texよりも小さいと、絶対強力が不足し、延伸工程中
にフィルムが引きちぎれてしまうとともに、仮に紐がで
きたとしても紐としての強力が低く、農作業中に切断し
てしまう恐れがあるため好ましくない。一方、2500
0dtexを超えると、撚り機の規格に合わず撚り加工
できないことがある。引張強度が1.5cN/dtex
よりも小さいと、成長過程の作物を支えきれないため、
実用上好ましくない。フィルムの厚さや幅は上記繊度の
範囲に入るよう設計すれば特に限定されないが、厚みは
20〜60μm、幅は30〜80mmが好ましい。
るポリ乳酸系フィルムを製膜する方法としては、例え
ば、溶融キャスト法、溶融押出法、カレンダー法などの
方法を用いることができるが、工業的には溶融押出法が
一般的である。溶融押出法としては、公知のTダイ法、
インフレーション法などを適用することができる。押出
温度は、好ましくは170〜250℃、より好ましく
は、190〜230℃の範囲である。成形温度が低すぎ
ると、製膜成形が不安定となり、高すぎるとポリ乳酸が
分解して、得られる紐の強度が低下したり、着色するな
どの問題が発生し好ましくない。本発明に関わるポリ乳
酸系フィルムは、1軸延伸することが必要である。2軸
延伸フィルムから得られる紐では、分子が縦横に配向し
ているため、横方向に亀裂が少しでも存在すると、容易
に切断し、製膜や撚り工程時の切断多発に通ずるため好
ましくない。1軸延伸する際の延伸倍率は、縦方向に4
〜10倍であることが好ましい。延伸倍率が低すぎる
と、延伸斑を生じるだけでなく、十分に満足しうる強度
を有する紐が得難く、また、高すぎると分子配向して複
屈折が高くなり、トラバースによる縦割れ(フィブリル
化)が多発するため好ましくない。延伸温度は、用いる
ポリ乳酸のガラス転移温度(Tg)〜(Tg+65)℃
の範囲が好ましい。延伸温度がTg未満では延伸が困難
であり、(Tg+65)℃を超えると延伸による強度向
上が認められないことがある。また、耐熱性および寸法
安定性を増すために延伸後、緊張下で70℃以上、融点
未満の温度で熱処理を行ってもよい。
ルムをスリットしてそのまま使用してもよいが、より強
度保持性に優れた紐を得るために、スリットした後に撚
りをかけて表面積を小さくすることが好ましい。撚り工
程は、PP製などの紐と同様の公知の方法で行えばよ
く、芯糸に鞘糸を巻き付ける方法などが用いられる。本
発明の生分解性紐の形状は、特に限定されないが、細長
いフィルムを撚り数20〜100T/Mで撚ったものが
1本以上合糸された紐が好ましい。撚り数が20T/M
より少ないと、作業性が悪く、また紐の表面積が大きく
なり空気中の水分に触れて加水分解速度が速くなり、高
温、高湿のハウス内で劣化が促進する場合があり、撚り
数100T/Mを超えると、撚り工程でフィルムが擦過
し、紐の強度が低くなるだけでなく、紐が結びにくいな
ど、作業性が低下するので好ましくない。撚り紐は1本
のフィルムで作ることもできるが、使用する作物によっ
て、より強度が必要なときは合糸して使用すればよい。
本発明の生分解性紐は、特にハウス用の農業用吊り紐に
好適であるが、用途はこれに限定されるものではなく、
牧草や藁用の結束紐などの結束用、あるいは梱包用紐な
ど農業分野以外にも使用できる。
明する。なお、実施例および比較例における紐の強度
は、オートグラフAGS−500(島津製作所社製)を
用い、チャック間距離500mm、引張りスピード30
0mm/minで紐を引張、切断するまでの最大荷重で
ある強力を紐の繊度(デシテックス)で除した値であ
る。
ーギル・ダウ・ポリマーズ社製、ECOPLA)90質
量%に対し、シリカとエルカ酸アミドを各々5%含有し
たポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子社
製、ビオノーレ)を10質量%(以下、滑剤を含有した
ビオノーレをビオノーレマスターと略称する)をチップ
混合して、200℃においてTダイが装着された押出機
を用いて、溶融混練して押し出し、未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムをスリットした後、120℃に
加熱し、長さ方向にロール法にて7倍に1軸延伸し、繊
度が13000dtexの紐を得た。この紐の各種物性
値を表1に示す。
かけ、繊度が13500dtexの撚り紐を得た。この
紐の各種物性値を表1に示す。
ーギル・ダウ・ポリマーズ社製、ECOPLA)80質
量%に対し、エルカ酸アミドを10%含有したポリ乳酸
製(使用したポリ乳酸の数平均分子量10万、D%が1
モル%)のマスターバッチ(エルカ酸アミドマスターと
略称する)を20質量%をチップ混合した以外は、実施
例2と同様にして繊度が13500dtexの紐を得
た。この紐の各種物性値を表1に示す。
ーギル・ダウ・ポリマーズ社製、ECOPLA)85質
量%に対し、ビオノーレマスターを10質量%、エルカ
酸アミドマスターを5質量%をチップ混合した以外は、
実施例2と同様にして繊度が13500dtexの紐を
得た。この紐の各種物性値を表1に示す。
いて丸ダイが装着された押出機を用いて、インフレーシ
ョン法により溶融混練して押し出し、未延伸フィルムを
得た。この未延伸フィルムをスリットした後、120℃
に加熱し、長さ方向にロール法にて7倍に1軸延伸し、
19000dtexの紐を得、続いて40T/MでS撚
りにて撚りをかけて20000dtexの撚り紐を得
た。この紐の各種物性値を表1に示す。
て繊度が13500dtexの紐を得た。この紐の各種
物性値を表1に示す。
ギル・ダウ・ポリマーズ社製、ECOPLA)のみ使用
し、延伸倍率を3.5倍にした以外は、実施例2と同様
にして繊度が13500dtexの紐を作製した。この
紐の各種物性値を表1に示す。
ル・ダウ・ポリマーズ社製、ECOPLA)を使用した
以外は実施例2と同様にして繊度が13500dtex
の紐を得た。この紐の各種物性値を表1に示す。
して繊度が13500dtexの紐を得た。この紐の各
種物性値を表1に示す。
社製、ビオノーレ#1903)にし、延伸倍率を7倍に
した以外は、実施例2と同様にして繊度が13500d
texの紐を得た。この紐の各種物性値を表1に示す。
リル化も全くない紐であった。比較例1は、滑剤が配合
されていないポリ乳酸であったため、スベリ性が悪く、
ロールへの巻き付きや白化などにより延伸倍率が3.5
倍までしか設定できなかった。そのため得られた紐の引
張強度は低いものであった。比較例2は、使用したポリ
乳酸の分子量が低かったために、得られた紐の相対粘度
も低く、そのため引張強度の低いものであった。比較例
3は、延伸倍率が15倍であったため、得られた紐の複
屈折が高く、フィブリル化が激しく、そのため引張強度
も低いものであった。比較例4は、使用樹脂が生分解性
脂肪族ポリエステルであるポリブチレンサクシネートの
みであったため、実施例1と同様の7倍延伸すると白化
が激しく、4倍までの延伸しかできなかった。このた
め、引張強度の低いものであった。
分の75質量%以上がポリ乳酸からなる1軸延伸フィル
ムをスリットし、相対粘度が1.8以上、複屈折が0.
035以下となるようにして得られる紐は、機械特性に
優れ、滑り性が格段に向上するため加工が安定し操業性
にも優れる。また、高温多湿下での加水分解性が抑制さ
れ、しかも生分解性を有す。この紐をメロン、トマト、
ミニトマト、スイトピーなどの蔓性作物をハウス栽培す
る場合のハウス内の吊り紐として、ナスやキュウリなど
蔓性作物を露地栽培する場合にも結束紐や蔓を這わせる
紐として、また、牧草や藁の結束用として用いることに
より、作物を収穫した後も作物から取り外す必要がな
く、そのまま廃棄すれば地中で分解するので作業性が大
幅に改善される。
Claims (5)
- 【請求項1】 滑剤を含有し、かつ、構成成分の75質
量%以上がポリ乳酸からなる土壌分解性を有する1軸延
伸フィルムからなる紐であって、該紐の相対粘度が1.
8以上、複屈折が0.035以下、および、50℃、9
5%RHにおける加水分解係数が0.5以下であること
を特徴とする生分解性紐。 - 【請求項2】 構成成分の1〜20質量%がポリ乳酸と
実質的に非相溶である生分解性脂肪族ポリエステルであ
ることを特徴とする請求項1記載の生分解性紐。 - 【請求項3】 ポリ乳酸と実質的に非相溶である生分解
性脂肪族ポリエステルが、滑剤を0.5〜20質量%含
有していることを特徴とする請求項2記載の生分解性
紐。 - 【請求項4】 1軸延伸フィルムの延伸倍率が4〜10
倍であり、かつ、該フィルムをスリットした紐の繊度が
8500〜25000dtexであり、かつ、引張強度
が1.5cN/dtex以上であることを特徴とする請
求項1〜3記載の生分解性紐。 - 【請求項5】 1軸延伸フィルムからなる紐が、該フィ
ルムをスリットし、撚り数20〜100T/Mで撚る
か、またはこれを合糸した紐であることを特徴とする請
求項1〜4記載の生分解性紐。
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---|---|---|---|
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