JPH1132596A - 簡易被覆材 - Google Patents

簡易被覆材

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JPH1132596A
JPH1132596A JP9195621A JP19562197A JPH1132596A JP H1132596 A JPH1132596 A JP H1132596A JP 9195621 A JP9195621 A JP 9195621A JP 19562197 A JP19562197 A JP 19562197A JP H1132596 A JPH1132596 A JP H1132596A
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polylactic acid
spun
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light
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Yoshikazu Kondo
義和 近藤
Hiroshi Kajiyama
宏史 梶山
Hideki Hinako
秀樹 日名子
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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  • Greenhouses (AREA)
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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】保温性に優れ、しかも自然環境下やコンポスト
中での分解性に優れ、環境保護に頁献する農業用新規簡
易被覆材を提供する。 【解決手段】触点が150℃以上であり、且つ0.2〜
0.9μmの光透過率が少なくとも90%であり、1.
5〜25μmの光透過率が高々80%である、乳酸を主
成分としたポリ乳酸成分(A成分)を少なくとも80%
と生分解性を有するポリマー(B成分)を高々20%混
合したポリマー組成物より製造されたスパンボンドより
なる農業用簡易被覆材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な生分解性を
有するポリ乳酸を主成分とするスパンポンドよりなる農
業用簡易被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】農業用簡易被覆材は、寒冷地の保温や防
霜、及び防虫、遮熱、防乾、等に著しい効果を示し、野
菜の収穫量のアップや品質向上、農薬の使用量削減、等
に効果があり、広く使用されている。
【0003】従来の簡易被覆材としては、主にポリエチ
レンやポリプロピレン、等のポリオレフィンやポリエス
テルのスパンボンドが使用されている。しかし、ポリオ
レフィンよりなる簡易被覆材は、紫外線から可視光線の
透過率はそこそこであるが、赤外線の透過率も大きく、
寒冷地の保温等には余り効果がない。又、ポリエステル
のスパンボンドよりなる簡易被覆材では、紫外線から可
視光線の透過率が低く、同様に保温効果が少ない。
【0004】保温効果は、昼間の光(紫外線や可視光
線)はよく通し、且つ、夜間の光(赤外線や遠赤外線)
はなるべく通さない素材が優れていると言える。この観
点からすると、ポリオレフィンやポリエステルや或いは
ポリ塩化ビニルよりなるスパンポンド製の被覆材は余り
保温効果がないと言える。
【0005】又、ポリオレフィンやポリエステル或いは
ポリ塩化ビニル等の従来のプラスチックよりなる簡易被
覆材は、使用後の廃棄にも問題がある。つまり、焼却す
るに際しても、各農家での焼却は困難であり、又、回収
して焼却するにも、回収費用が過大になるばかりか、ポ
リオレフィン製の簡易被覆材では燃焼熱が10000か
ら12000Cal/gと極めて大きく、焼却炉を傷め
たり、燃焼ガス中にNOxやSOx等のガスや発癌性が
懸念されるダイオキシン等を発生させる等、問題が多
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な生分
解性を有し、使用後の廃棄に問題が少なく、且つ大きな
紫外線から可視光線の透過率と赤外線の遮蔽率を持つ事
による良好な保温性を有する農業用簡易被覆材を提案す
る事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、融点が150
℃以上であり、且つ0.2〜0.9μmの光透過率が少
なくとも90%であり、1.5〜25μmの光透過率が
高々80%である、乳酸を主成分としたポリ乳酸成分
(A成分)を少なくとも80%と生分解性を有するポリ
マー(B成分)を高々20%混合したポリマー組成物よ
り製造されたスパンボンドよりなる農業用簡易被覆材で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】ポリ乳酸成分(以下、A成分と省
略称号する)は、融点が少なくとも150℃、好ましく
は160℃以上である。このポリ乳酸繊維は例えば、L
−乳酸/D−乳酸の共重合物、或いはL−乳酸(或いは
D−乳酸)と他の共重合可能なモノマー、オリゴマー、
ポリマーとのランダム共重合、ブロック共重合物が使用
出来る。
【0009】融点が少なくとも150℃であるポリ乳酸
は、例えばL−乳酸/D−乳酸の共重合物では、共重合
されるD−乳酸の比率が、高々7%、好ましくは高々5
%、更に好ましくは0.2〜2.0%である。又、他の
共重合物を使用する場合は、使用するモノマー、オリゴ
マー、ポリマーの種類、分子量、重合形態により比率が
異なり、それぞれの特性に合った比率で行う。
【0010】例えば、ポリエチレングリコールをポリ乳
酸と共重合する場合は、ポリエチレングリコールの両末
端の水酸基に乳酸が付加的に重合していく為に、ポリ乳
酸−ポリエチレングリコール−ポリ乳酸型のABA’ブ
ロック共重合体を主に形成する。従って、ポリエチレン
グリコールの分子量が短い程ABA’ブロック共重合体
分子の数は増大し、一分子当たりの重合度は少なくな
る。例えば、分子量1000のポリエチレングリコール
を使用した場合、ポリエチレングリコールの共重合比率
が1〜3%で、分子量が8万〜15万、融点が約150
℃以上となる。又、分子量20000のポリエチレング
リコールを使用した場合は、共重合比率が10〜15%
で、分子量が8〜10万、融点が150℃となる。
【0011】又、他のポリエーテル、ポリエステル、ポ
リエーテル・エステル等、末端に水酸基やカルボキシル
基を有するマクロマー、オリゴマー、ポリマーを利用す
る事が出来る。例えば、マクロマーとしては、炭素数1
2〜18の天然に存在する飽和或いは不飽和の脂肪酸、
脂肪族アルコール、或いはそれらの2量体成分等が利用
できる。又、ポリエステルとしては、脂肪族ジオールと
脂肪族ジカルボン酸との共重合ポリマー、又、ポリエー
テル・エステルとしては、ポリエーテルと脂肪族ジかレ
ボン酸との共重合ポリマー等が利用出来る。しかし、い
ずれも原料においても生分解性を有する事が必要であ
る。
【0012】又、極少量であれば、比較的低分子のジオ
ール、トリオール、等の多価アルコールを分子量調節剤
や結晶化度調節剤として使周する事が出来る。又、スル
ホン酸基やアミノ基等にて修飾した上述の化合物を使用
すると酸性染料や塩基性染料で染色出来、更に付加価値
を付ける事が出来る。
【0013】B成分としては、生分解性を有するもので
あれば特に限定はしない。例えば、天然のでんぷん微粒
子やセルローズ微粉末、ゼラチン、等や上述したA成分
への共重合成分であるポリエーテル、ポリエステル、ポ
リエーテル・エステル等、末端に水酸基やカルボキシル
基を有するマクロマー、オリゴマー、ポリマーを利用す
る事が出来る。
【0014】B成分の要件としては、生分解性を有する
事や成型中に分解しないこと、成型性が良好な事、等が
必要である。
【0015】又、ポリエーテル、ポリエステル、ポリエ
ーテル・エステル等、末端に水酸基やカルボキシル基を
有するマクロマー、オリゴマー、ポリマーでは、A成分
との混和性が良好である事が必要である。混和性が良好
であるとは、A成分とB成分の融点、或いは軟化点が近
い事、溶融混合時にゲル化しない事、混合物の曳糸性に
優れる事を示す。
【0016】B成分のA成分への混合比率は、高々20
%好ましくは高々15%、更に好ましくは高々10%で
ある。混合率が20%を超えるとスパンボンドの強度や
伸度といった物性の低下や可視光〜紫外線の透過率の低
下等、性能の低下が生じる。
【0017】スパンボンドは、通常の製法で作られるス
パンボンドであるが、スパンボンドを形成する繊維の太
さ(織度)は、通常高々20d以下、好ましくは1〜1
5d、更に好ましくは、1.5〜10dである。目付け
は少なくとも10g/m2 、好ましくは15〜150g
/m2 程度であるが、用途によりこの範囲の外であって
も適宜選択する事が出来る。上述したスパンボンドの性
状(目付け、繊維の太さ、目空き、厚み、等)は製造条
件で任意に調整が可能である。
【0018】目付けが10g/m2 よりも少ないと、保
温性の低下ばかりか、設置時の耐久性にも影響する。詰
まり、設置していても強風のためにめくれたり、破損し
たりし易く、薄地の被覆材では、スパンボンドの耳部を
強化する必要がある。
【0019】スパンボンドの製造は、通常の方法でよ
く、以下にその一例を示して本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定される物ではない。L−体9
9.5%、D−体0.5%よりなるポリ乳酸と数平均分
子量(Mn)9万のポリカプロラクトンを210℃にて
スクリュー径30mm、バレル長600mmの二軸混練
機にて、フイード量10Kg/hrにて処理後水中に押
し出しガット化した。ガットを長さ3mmにカットし、
脱水し、次いで80℃の真空乾燥機にて2日間乾燥し、
ポリマーの水分率を50ppmとした。このチップを用
いて、スパンポンド機にて、スパンポンドを製造した。
押し出し口金は0.35mmのノズルを900個有し、
220℃の温度に加熱し、空中に押し出して、25℃の
空気にて冷却しながら、3500mm/分の速度でエア
ーエジェクターにて吸引し、ネットコンベア上に吹きつ
け、ウェブ化する。ウェブは、130℃に加熱したエン
ボスローラーにて、加熱圧着し、目付け30g/m2
スパンボンドを得た。
【0020】本発明のスパンボンドは、土中やコンポス
ト中にて良好な生分解性を有する。即ち、使用中は分解
はしないが、使用後、畑の片隅に埋めたり、好ましくは
家畜の糞やEM菌に代表されるような醗酵菌と混合する
事により、容易に分解したり、コンポスト化する事が出
来る。従来の、プラスチックよりなるスパンボンドでは
廃棄するのに、焼却したり、業者に引き取ってもらうし
か方法がなかったが、本発明のスパンボンドを使用する
事により、農家独自に処理する事が出来たり、コンポス
トとして、有機肥料として再利用できる等、自己完結的
に処理でき、廃棄物を出す事がない等、多重のメリット
がある。
【0021】本発明に用いられるポリ乳酸は、分解過程
で乳酸のオリゴマー(オリゴ乳酸)を生じるが、これ
が、植物の成長に極めて有用であるとの知見もあり、こ
の意味でも大きなメリットがある。
【0022】本発明のポリ乳酸の0.2〜0.9μmの
光透過率は、厚さ20μmの1軸延伸フィルムを用いて
紫外・可視分光光度計により、又1.5〜25μmの光
透過率は赤外分光光度計により光透過率を測定し、対象
とする波長域での積分値により表す。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中「部」とあるのはことわりのない限り「重
量部」を意味し、「%」とあるのはことわりのない限り
「重量%」を意味する。相対粘度:ηrel.は、フェ
ノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=6/4
(重量比)の混合溶剤中20℃で常法により求めた。融
点(Tm)は理学電気社製示差走査熱量計(以下DSC
と記す)の吸熱ピークのピーク値より求めた。
【0024】実施例1 D−体を0・5%含有し、ηrel.が3.38で融点
が167℃のポリL乳酸(A成分)と数平均分子量1
2.1万のポリブチレンサクシネート(PBS、融点1
15℃、B成分)とを表1に示す割合に、35mmのス
クリュー径を有する2軸混練機に定量的に投入しつつ2
35℃の加熱溶融温度で8分間の滞留時間を持って混合
・反応させ、A成分/B成分の混合ポリマーを得た。該
ポリマーを定法により1軸延伸後、厚さ20μmのフィ
ルムを得、各々の光透過率を択捉した。又、該チップを
使用して225℃の温度に加熱後、直径0.35mmの
ノズルを900個有するスパンボンド紡糸機にて空中に
押し出して、25℃の空気にて冷却しながら、3500
m/分の速度でエアーエジェクターにて吸引しつつ、ネ
ットコンベア上に吹きつけ、ウェブ化する。ウェブは、
120℃に加熱したエンボスローラーにて、加熱圧着
し、目付け20g/m2 の薄いスパンポンドを得た。ス
パンボンドは、いずれも良好に製造することが出来た。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2 実施例1のNo.1,2,6のスパンポンドを巾2m長
さ5mに切断し、10月の初旬に路地に播いたほうれん
草にべた掛けの被覆材(保温、成長促進材)として用い
た。又、比較のために、被覆材を用いない物(No.
7)や日付20g/m2 に合せた従来のポリエステル製
のスパンポンドを用いたもの(No・8)も評価した。
12月の中旬迄栽培し、それぞれ素材での生育の状態と
収量を観察した。結果を表2に示すが、本発明の物で
は、生育が早く、収量も上がっていることが判明した。
【0027】
【表2】
【0028】実施例3 実施例2にて使用したスパンポンドと野菜屑、じゃがい
もの屑(細片)およびおがくずを1/1/30の比率で
小型コンポスト試験機(ステンレス回転タンク)に投入
した。その上からEM発酵菌(EM発酵ぼかし:宮崎ク
リーン・ファーム製)1Kgを振りまき、十分にかき混
ぜた。初めは内部温度を35〜40℃に保つよう加熱
し、3日日より発酵による発熱で温度が45〜55℃に
上昇したがそのまま運転した。25日日ごろから、また
温度が40℃前後に低下した、35日間後に運転を停止
し、内部の様子を観察した。その結果、従来のポリプロ
ピレン製やポリエステル製スパンボンドでは、処理前の
形が殆ど変わらずに残っていたが、本発明の物では全く
形がなくなるまでに分解しており、良好な生分解性を示
した。
【0029】
【発明の効果】本発明の簡易被覆材は保温性に優れ寒冷
地や秋〜春にかけての農件物の生育に大きな効果を持つ
ばかりでなく、廃棄に際しても容易にコンポスト中で分
解し、肥料として再利用が出来る等、環境的にも又、農
業の生産性向上の点でも、又、農業に拘わる卜ータルコ
ストの点でも大いにメリットがある。さらに本発明品の
主要な原料は空気中の炭酸ガスを固定し、得たでんぷん
が粗原料である為に、廃棄時に焼却したとしても、現行
の石油系原料からなるポリオレフィン、ポリエステル製
のゴミ袋の焼却と異なり、空気中の炭酸ガスを増加させ
ることが少なく、地球の温暖化防止にも責献することが
期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // D01F 6/92 307 D01F 6/92 307A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が150℃以上であり、且つ0.2
    〜0.9μmの光透過率が少なくとも90%であり、
    1.5〜25μmの光透過率が高々80%である、乳酸
    を主成分としたポリ乳酸成分(A成分)を少なくとも8
    0%と生分解性を有するポリマー(B成分)を高々20
    %混合したポリマー組成物より製造されたスパンボンド
    よりなる農業用簡易被覆材。
  2. 【請求項2】 A成分が、L−体を95%以上含むポリ
    乳酸よりなる請求項1の被覆材。
  3. 【請求項3】 B成分が、融点或いは軟化点が高々12
    0℃である脂肪族ポリエステルであり、数平均分子量が
    高々10万である請求項1の被覆材。
  4. 【請求項4】 スパンボンドを構成する繊維が高々20
    デニールである請求項1記載の被覆材。
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