JP4309528B2 - 連続結束性に優れた生分解性紐の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性を有する乳酸系ポリマーを主成分とした熱可塑性ポリマーからなり、現行の結束機で連続結束可能であり、優れた強力を保持し、使用中はカビや病害虫の発生がなく、かつ、廃棄後自然環境下に蓄積することのない機械結束可能な紐に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、農業用の用途として、プラスチックフィルムが多用されている。例えば、施設園芸ハウスの外張り用、内張り用等またはトンネルハウス用、マルチ栽培用等として使用されている。これらの用途には、主として塩化ビニル系樹脂やオレフィン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂フィルムが用いられている。中でも塩化ビニル系樹脂フィルムは、年間約10万トンの生産量にのぼっている。しかし、消費の拡大と共に廃棄物処理が社会的問題となっている。
すなわち、塩化ビニル系樹脂フィルムやエチレン系樹脂を含むオレフィン系樹脂フィルムは、自然環境下で分解しないか、または分解速度が極めて遅いため、使用後放置されたり、土中に埋設処理された場合、半永久的に地上や地中に残存することになる。また、海洋投棄された場合は、景観を損なったり、海洋生物の生活環境を破壊したりする。特に都市部においては、自然保護の観点からゴミの埋め立て地の確保が難しくなっている。
さらに、塩化ビニル系樹脂等を焼却処理した場合、塩化水素ガス等の有害ガスが発生し、大気を汚染するだけでなく、焼却炉の劣化を促進する。不完全焼却時に発生するダイオキシンは大きな問題となっており、これを改善して焼却処理するには高額な設備の設置が必要である。
【0003】
近年、特に農村部においては、ゴミの一部をコンポストで処理することが推進されている。すなわち、収穫後の作物のうち、不要物をコンポストで処理し、肥料として再利用しようとするものである。しかし、従来多用されているオレフィン製の資材が農業残さに混入し、これがコンポスト中で分解しないという問題があった。
例えば、菊に代表される切り花は、現在約10本づつポリエチレンやポリプロピレンのフラット状の紐で結束機によって結束されて出荷されている。出荷後の花は、結束紐で結束された茎の部分を裁断して使用されるため、紐が付いたままの茎がゴミとして発生する。従って、コンポスト処理するためには、結束紐を取り除く必要があり、生分解性を有する結束紐が要望されている。
生分解性ポリマーを農業用資材として用いるための研究開発は、以前から多数行われてきた。生分解性ポリマーは、デンプン系、脂肪族ポリエステル系が広く知られているが、デンプン系の樹脂は、水に溶解するため、切り花を結束するには不向きであり、従来の脂肪族ポリエステル系の樹脂は強度が低く、結束機での結束が難しいという問題があった。
【0004】
ポリ乳酸は、延伸することにより強度が高くなるため、良好な機械特性を示す(特開平6−256481号公報等)。しかし、現行の自動結束機は、ポリエチレンやポリプロピレンといった高伸度で高い滑り性を有した紐用に設計されているため、伸度が低く、滑り性に劣るポリ乳酸の紐は、結束時に頻繁に切断する。したがって、いまだ生分解性、機械的特性を満足し、かつ、結束機で連続結束可能な紐は上市されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、生分解性を有し、現行の結束機で連続結束可能な紐を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究の結果、主成分の乳酸系重合体に乳酸系重合体以外の脂肪族ポリエステルと滑剤を特定の方法で特定量配合して得られる特有の複屈折を有した1軸延伸フィルムの撚り紐は、現行の結束機で安定して結束可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、乳酸系重合体を主成分とする1軸延伸フィルムを撚り状にした紐であって、この紐の相対粘度が1.8以上であり、複屈折が0.035以下であり、かつ、紐の撚り数が20〜100T/Mである生分解性紐の製造方法であって、
前記1軸延伸フィルムが、
(A)乳酸系重合体を100重量部、
(B)乳酸系重合体と実質的に非相溶の、乳酸系重合体以外の生分解性脂肪族ポリエステルを5〜20重量部、
(C)滑剤を0.75〜5重量部含有してなるものであり、
(C)成分を添加するにあたり、(B)成分に(C)成分を分散させた組成物と、(A)成分に(C)成分を添加した組成物を混合する方法、あるいは、(B)成分に(C)成分を分散させた組成物と、(A)成分と、(C)成分とを混合する方法のいずれかの混合方法を用いることを特徴とする生分解性紐の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられる(A)成分の乳酸系重合体は、構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL−乳酸、またはこれらの混合体であり、その数平均分子量は9万〜11万である。
また、本発明の目的から外れない範囲でポリ乳酸に少量の共重合成分を含有していてもよく、共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールSのアルキレンオキシド付加物等のグリコール成分、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸成分が挙げられる。
【0008】
本発明における(B)成分は、乳酸系重合体以外の生分解性脂肪族ポリエステルであり、乳酸系重合体と実質的に非相溶であることが必要である。
このような生分解性脂肪族ポリエステルとしては、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステルなどが挙げられる。
【0009】
脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジオールであるエチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールなどと、脂肪族ジカルボン酸であるコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸などの中から、それぞれ1種類以上選んで縮合重合して得られる。必要に応じてイソシアネート化合物などでジャンプアップして所望のポリマーを得ることができる。
環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステルとしては、環状モノマーであるε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどが代表的に挙げられ、これらから1種類以上選ばれて重合される。
合成系脂肪族ポリエステルとしては、環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどとの共重合体などが挙げられる。
(B)成分の生分解性脂肪族ポリエステルとして特に好ましく用いられるのは、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステルであり、その具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキシルアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートなどが挙げられる。
【0010】
また、(B)成分の配合量は、(A)成分の乳酸系重合体100重量部に対し、5〜20重量部である。(B)成分の配合量が5重量部未満であると、得られる紐にしっとり感と収束性を付与できず、滑り性が劣ると共に、縦割れ(フィブリル化)が起き、結束機における紐の送りがスムーズにいかず、自動結束時の操業性を悪化させる場合がある。また20重量部を超えると、ポリ乳酸の良好な機械的特性が損なわれる。
【0011】
本発明の(C)成分の滑剤としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの無機物系滑剤、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリエチレンなどの脂肪族炭化水素系滑剤、ステアリン酸、ラウリル酸、ヒドロキシステアリン酸、硬化ひまし油などの脂肪酸系滑剤、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸(部分)エステル系滑剤、ステアリン酸ブチルエステル、モンタンワックスなどの長鎖エステルワックスなどの脂肪酸エステル系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤などが挙げられ、特に無機滑剤と有機滑剤の併用が好ましい。
【0012】
(C)成分の滑剤の添加方法としては、(B)成分に滑剤を分散させたものと、(A)成分に滑剤を添加したものとを混合する方法、あるいは、(B)成分に滑剤を分散させたものと、(A)成分と、さらに滑剤とを混合する方法が挙げられる。
これらの方法を用いて滑剤を添加することにより、マトリックスである(A)成分中に分散した滑剤が与える滑り効果に加え、乳酸系重合体中にミクロ分散した非相溶の樹脂中の滑剤がさらに滑り性を向上させる。
滑剤の量は、(B)成分に含有する滑剤量を含め、(A)成分の乳酸系重合体100重量部に対し0.75〜5重量部である。
滑剤添加量が0.75重量部未満では、実質的に効果がなく、5重量部を超えるとフィルム製膜時にパック圧が上昇するといった製造トラブルを招くため好ましくない。
【0013】
本発明のポリ乳酸系紐には、本発明の目的を損なわない範囲において、滑剤の他にアンチブロッキング剤、および制電、難燃、耐光、防汚、紫外線防止、可塑剤等の機能性の付与を目的とした添加剤、艶消剤、顔料等を配合しても差し支えない。
【0014】
本発明の紐の相対粘度は、少なくとも1.8以上、好ましくは1.95以上であることが必要である。ここでいう相対粘度とは、溶媒としてフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用い、温度20℃、濃度0.5g/dlの条件で測定した溶液粘度をいう。紐の相対粘度が1.8に満たない場合は紐の破断強力が低く、結束時に切断して好ましくない。
【0015】
本発明の紐で重要な特性は、フィルムの複屈折である。複屈折は0.035以下、好ましくは0.033以下である必要がある。ここでいう複屈折は、偏光顕微鏡を用いたレターデーション法で測定する。複屈折が0.035を超えると、配向が進んでいるために切断時に紐が縦割れ(フィブリル化)を起こし、紐押さえに紐かすが堆積して結束の操業性が著しく悪化するため好ましくない。
【0016】
複屈折や滑剤が本発明の要件を満たしても紐がフラット状では結束紐としては使用できない。フィルムに撚りを加えることにより、初めて結束可能となる。すなわち、フィルムに撚りを加えることにより、摩擦抵抗が低下し、かつ見かけの伸度が向上するため、安定した結束作業が実現する。撚り数は、20〜100T/Mとすることが必要である。20T/Mより少ないと、機械結束時に切断して作業性が悪くなる。撚り数が100T/Mを超えると、撚り工程でフィルムが擦過し、かえって強力が低くなり好ましくない。この撚り紐は、一本のまま使用してもよいが、より強力が必要なときは合糸して使用する。撚り工程は、通常、ポリプロピレン等の紐と同様の公知の方法で行えばよい。
【0017】
また、本発明の撚り紐は、5000〜12000デニール、引張破断強力が15kgf以上とすることが好ましい。紐のデニールが5000デニールよりも小さいと、十分な強力が得られず、結束機における結束工程中に紐が引きちぎれてしまうことがある。一方、12000デニールを超えると、結束機の紐押さえ部での摩擦抵抗が大きくなり、紐送りがスムーズにできないばかりか、紐が太くなりすぎて機械結束できないことがある。
【0018】
フィルムの厚さや幅は特に限定されないが、作物によって必要強力が異なるため、撚り紐にするときの作業性や、必要強力を考えて上記デニールの範囲に入るよう設計すればよいが、通常、厚さは10〜50μm、幅は10〜120mmである。
【0019】
本発明の生分解性紐の材料として用いられるポリ乳酸系フィルムを製膜する方法としては、例えば、溶融キャスト法、溶融押し出し法、カレンダー法などの方法を用いることができるが、工業的には溶融押し出し法が一般的である。
溶融押し出し法としては、公知のTダイ法、インフレーション法などを適用することができる。押し出し温度は、好ましくは170〜250℃、より好ましくは、190〜230℃の範囲である。成形温度が低すぎると、製膜成形が不安定となり、高すぎるとポリ乳酸が分解して、得られるフィルムの強力が低下したり、着色するなどの問題が発生し好ましくない。
【0020】
本発明におけるポリ乳酸系フィルムは、1軸延伸することが必要である。2軸延伸フィルムから得られる紐では、分子が縦横に配向しているため、横方向に亀裂が少しでも存在すると、容易に切断し、紐としての役割を果たさない。1軸延伸する場合には、縦方向に4〜8倍延伸する。延伸倍率が低すぎると、延伸斑を生じるだけでなく、十分に満足しうる強力を有するフィルムが得難く、また、高すぎると分子配向して複屈折が高くなり、結束時に紐が縦割れしてフィブリル化が多発するため好ましくない。
延伸温度は、用いる乳酸系ポリマーのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+65)℃の範囲が好ましい。延伸温度がTg未満では延伸が困難であり、(Tg+65)℃を超えると延伸による強力向上が認められないことがある。また、耐熱性を増すために延伸後、緊張下で70℃以上、融点未満の温度で熱処理を行ってもよい。
【0021】
本発明の紐は、現行の結束機で結束可能であるが、紐を押さえるくちばし部分のバネ押さえを緩めることによって、外観や操業性を向上できる。
本発明の紐は、特に切り花の結束紐に好適であるが、用途はこれに限定するものでなく、稲、わら、木、野菜、花の結束紐はもちろん農業分野以外の結束用紐、梱包用紐など種々の用途に使用できる。
【0022】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例及び比較例における紐の強力は、オートグラフAGS−500(島津製作所社製)を用い、チャック間距離500mm、引張スピード300mm/minで紐を引張り、切断するまでの最大荷重を強力とした。
【0023】
実施例1
▲1▼D%が1モル%のポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマーズ社製、ECOPLA)100重量部、▲2▼ポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子社製、ビオノーレ、#3001)10重量部にコロイダルシリカとエルカ酸アミドとを各々0.5重量部予め添加したもの(以下、滑剤を添加したビオノーレをビオノーレマスターと略称する)、および、▲3▼エルカ酸アミド0.5重量部を混合し、210℃においてTダイが装着された押出機を用いて、溶融混練して押し出し、厚み90μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを幅150mmにスリットした後、120℃に加熱し、長さ方向にロール法にて7倍延伸し、9000デニールの1軸延伸フィルム(厚み30μm、幅50mm)を得た。得られたフィルムの複屈折は、0.033であった。このフィルムを撚り数40T/Mで撚り、紐を作製した。
得られた紐の結束操業性を山田機械製の小型結束機YS−10を用いて試験した。菊10本を一束に結束する作業を500回連続的に行い、紐が切断する回数から切断率を求め、結束安定性を評価したところ、紐の切断などのトラブルはなく、操業性は良好であった。また、結束部分の外観も良好であった。
【0024】
実施例2、3、比較例1、2
ビオノーレマスターの混合割合を変えた以外は実施例1と同様にして、組成の異なる撚り紐を作製した。得られた紐の特性を表1に示す。
比較例1では、ビオノーレマスターの含有量が少ないために、紐のフィブリル化が多く、自動結束時に紐かすによる切断が多発した。
比較例2では、ビオノーレマスターの含有量が多いために、フィルムの強力が低くなった。そのため、撚り工程での切断が多発し、操業性が悪かった。結束テストにおける切断率も高かった。
【0025】
実施例4、比較例3、4
滑剤の混合割合を変更した以外は、実施例1または2と同様にして、組成の異なる撚り紐を作製した。得られた紐の特性を表1に示す。
比較例3では、滑剤の含有量が少ないため、撚り工程および連続結束試験の際、紐の送りがスムーズにいかずに切断が多発し、操業性に劣るものであった。
比較例4では、滑剤の含有量が多いため、フィルム製膜時にパック圧が上昇して押出しが不可能となり、フィルムを得ることが出来なかった。
【0026】
実施例5、比較例5
撚り数を変えた以外は、実施例1と同様にして、撚り数の異なる撚り紐を作製した。得られた紐の特性を表1に示す。
比較例5は、撚りを加えなかったために、紐の摩擦抵抗が高く紐の送りがスムーズにいかないというトラブルが発生した。紐送り部分の押さえを緩めて試験したが、結束時に紐が切断し、結束できなかった。
【0027】
実施例6、比較例6
延伸倍率を各々4.5倍および10倍に変更した以外は、実施例1と同様にして、複屈折の異なるフィルムを得た。得られたフィルムを9000デニールとなる幅にスリットし、表1に記載した撚り数で各々撚り、紐を作製した。得られた紐の特性を表1に示す。
比較例6は、複屈折が高く、配向が進んでいるために切断時に紐が縦割れ(フィブリル化)を起こし、紐押さえに紐かすが堆積して結束の操業性が悪かった。
【0028】
実施例7、比較例7
ポリ乳酸の分子量を変えた以外は、実施例1と同様にして、相対粘度の異なるフィルムを得た。得られたフィルムを9000デニールとなる幅にスリットし、表1に記載した撚り数で各々撚り、紐を作製した。得られた紐の特性を表1に示す。
比較例7は、ポリ乳酸の相対粘度が低いために、フィルムの強力が低くなった。そのため、撚り工程での切断が多発し、操業性が悪かった。結束テストにおける切断率も高かった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、乳酸系重合体に、乳酸系重合体と実質的に非相溶の乳酸系重合体以外の生分解性脂肪族ポリエステルと滑剤の両成分を特定方法により添加して得られる未延伸フィルムをスリット、1軸延伸、そしてその後撚りを加えて作製した紐は、従来の紐と比べ、紐のフィブリル化を減少させると同時に、滑り性が格段に向上するため、自動結束機における連続結束性に優れた紐である。
そして、このような紐は、特に切り花の結束紐に好適であるが、用途はこれに限定するものでなく、木、野菜、花の結束紐はもちろん農業分野以外の結束用紐、梱包用紐など種々の用途に使用できる。
Claims (2)
- 乳酸系重合体を主成分とする1軸延伸フィルムを撚り状にした紐であって、この紐の相対粘度が1.8以上であり、複屈折が0.035以下であり、かつ、紐の撚り数が20〜100T/Mである生分解性紐の製造方法であって、
前記1軸延伸フィルムが、
(A)乳酸系重合体を100重量部、
(B)乳酸系重合体と実質的に非相溶の、乳酸系重合体以外の生分解性脂肪族ポリエステルを5〜20重量部、
(C)滑剤を0.75〜5重量部含有してなるものであり、
(C)成分を添加するにあたり、(B)成分に(C)成分を分散させた組成物と、(A)成分に(C)成分を添加した組成物を混合する方法、あるいは、(B)成分に(C)成分を分散させた組成物と、(A)成分と、(C)成分とを混合する方法のいずれかの混合方法を用いることを特徴とする生分解性紐の製造方法。 - 前記生分解性紐において、1軸延伸の延伸倍率が4〜8倍であり、紐のデニールが5000〜12000であり、かつ、引張強力が15kgf以上であることを特徴とする請求項1記載の生分解性紐の製造方法。
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