JP2000230128A - 生分解性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

生分解性樹脂組成物および成形品

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JP2000230128A
JP2000230128A JP11033401A JP3340199A JP2000230128A JP 2000230128 A JP2000230128 A JP 2000230128A JP 11033401 A JP11033401 A JP 11033401A JP 3340199 A JP3340199 A JP 3340199A JP 2000230128 A JP2000230128 A JP 2000230128A
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JP
Japan
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diatomaceous earth
biodegradable resin
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resin composition
biodegradable
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JP11033401A
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Nobuyoshi Tanaka
信義 田中
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JAPAN CONSULTING ENGINEERS ASSOCIATION
SUZU CITY
Original Assignee
JAPAN CONSULTING ENGINEERS ASS
JAPAN CONSULTING ENGINEERS ASSOCIATION
SUZU CITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、しかも生分解性および強度に優
れ、環境への負荷を軽減することのできる生分解性樹脂
組成物およびそれからなる成形品を得る。 【解決手段】 脂肪族ポリエステルのような生分解性樹
脂50〜95重量%および焼成ケイソウ土5〜50重量
%を含む生分解性樹脂組成物およびその成形品を用いる
ことにより使用後の生分解性を促進し、環境への負荷を
軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性に優れた樹
脂組成物およびそれからなる成形品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチックスは成形材料として広く利
用されているが、自然分解が行われないため、環境問題
が提起されている。このような点を改善するために、脂
肪族ポリエステルを中心とする生分解性樹脂が提案され
ている(特開平6−246767号、特開平9−224
488号、特開平10−53698号)。
【0003】生分解性樹脂はプラスチックスの持つ柔軟
な利便性を備え、かつ廃棄後自然界の微生物により水と
二酸化炭素に分解するため、環境に与える負荷が小さ
い。つまり利便性と最終処分量の低減ができる環境適合
性が両立しており、既存の合成樹脂と比べて多くの価値
を持った素材である。このような生分性樹脂は苗鉢、ご
み袋、釣具、包装材など多様な用途に商品化されている
が、汎用のポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオ
レフィン類に比べるとコスト高であり、また殆ど生物分
解しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は低コス
トで、しかも生分解性および強度に優れ、環境への負荷
を軽減することのできる生分解性樹脂組成物およびそれ
からなる成形品を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は次の生分解性樹
脂組成物および成形品である。 (1) 生分解性樹脂と焼成ケイソウ土とを含む生分解
性樹脂組成物。 (2) 生分解性樹脂50〜95重量%、および焼成ケ
イソウ土5〜50重量%を含む上記(1)記載の生分解
性樹脂組成物。 (3) 生分解性樹脂が脂肪族ポリエステルである上記
(1)または(2)記載の生分解性樹脂組成物。 (4) 焼成ケイソウ土が500〜1200℃で焼成さ
れたケイソウ土粉末である上記(1)ないし(3)のい
ずれかに記載の生分解性樹脂組成物。 (5) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の樹
脂組成物からなる成形品。 (6) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の樹
脂組成物からなる農林業または土木用成形品。
【0006】本発明において使用する生分解性樹脂は生
分解性を有する樹脂であれば制限なく使用できるが、特
に環境中において生分解性を有する樹脂が好ましい。生
分解は生物学的に分解されるという意味と、生体内にお
いて分解されるという意味の両方を有し、本発明におい
ても同様であるが、特に環境中において生物学的に分解
を受けるものが好ましい。また分解には実質的に完全に
消失する狭義の分解と、形が崩れる崩壊の両方が含まれ
る。
【0007】このような生分解性樹脂としては、従来公
知のものおよび今後開発されるものを含め、天然および
合成の任意の樹脂を用いることができる。このような生
分解性樹脂としては、ポリブチレンサクシネート、ポリ
エチレンサクシネート、ポリβプロピオラクトン、ポリ
カプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル類、ポリ乳
酸、ポリグリコール酸などの天然系ポリエステル、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの
ポリグリコール類、変性ポリビニルアルコール、ポリウ
レタン、ポリ−L−リジンなどのポリアミド類などが例
示できるが、特に窒素、イオウ等の酸素以外のヘテロ原
子を含まない脂肪族炭化水素系の樹脂が好ましい。これ
らの中では脂肪族ポリエステルが生産性および生分解性
の点から特に好ましい。
【0008】脂肪族ポリエステルとしては、ポリグリコ
ール酸、ポリ乳酸のような脂肪族ヒドロキシカルボン酸
の縮合物のほか、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸
との縮合物などがあげられる。ポリ乳酸としては、例え
ば特開平9−224488号、特開平10−53698
号に示されたものなどが知られており、市販品として
は、(株)島津製作所製ラクティ(商標)、三井化学
(株)製レイシア(商標)、ユニチカ(株)製ユニチカ
ポリ乳酸繊維・ポリ乳酸不織布などがあげられる。
【0009】脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸の縮
合物としては、例えば特開平6−246767号、特開
平7−119098号に示されたものが知られており、
市販品としては昭和高分子(株)製ビオノーレ(商標)
があげられる。
【0010】好ましい生分解性脂肪族ポリエステル樹脂
としては主として脂肪族ジオールと脂肪族二塩基酸また
はその誘導体とから合成されるポリエステルを主成分と
するもの、あるいは両端にヒドロキシル基を有する比較
的高分子量のこのポリエステル(プレポリマー)を合成
した後カップリング剤によりこれらプレポリマーをカッ
プリングさせ分子量を高くしたものなどがある。
【0011】用いられる脂肪族ジオールとしては、例え
ばエチレングリコール、ブタンジオール−1,4、ヘキ
サンジオール−1,6、デカメチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等があげられる。エチレンオキシドも利用すること
ができる。これらのグリコールは併用してもよい。
【0012】脂肪族ジオールと反応して脂肪族ポリエス
テルを形成する脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体と
しては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸、無水コハク酸、無水アジピン酸ある
いはジメチルエステル等の低級アルコールエステルなど
があり、これらは市販されているので本発明に利用する
ことができる。脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体は
併用してもよい。これらの脂肪族ジオールと脂肪族ジカ
ルボン酸またはその誘導体とはあらかじめ低分子のエス
テルとしておいて脱グリコール反応により高分子化して
もよい。
【0013】これら脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカル
ボン酸またはその誘導体は脂肪族系が主成分であるが、
少量の他成分、例えば3官能または4官能の多価アルコ
ール、オキシカルボン酸および多価カルボン酸またはそ
の酸無水物等の多官能成分を併用することが好ましい。
【0014】カップリング剤としては、ジイソシアナー
ト、オキサゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等があ
げられ、特にジイソシアナートが好適である。
【0015】このような脂肪族系ポリエステルの数平均
分子量は20,000以上が好ましく、これによりポリ
エステル樹脂として、またポリエステル樹脂組成物とし
ても機械的性質が充分なものとなる。このようにして得
られた脂肪族ポリエステル系樹脂は温度190℃のメル
トフローレート(MFR)が0.01〜60g/10m
inが好ましく、0.5〜50g/10minがさらに
好ましい。
【0016】これらの生分解性樹脂は鎖状のものでもよ
く、また架橋したものでもよい。そしてこれらの樹脂は
その構造単位の種類、分子量、架橋度等に応じて分解
性、加工性等が異なるので目的とする用途に応じて適し
た樹脂を選択する。一般的には樹脂としての機能を要求
される期間は生分解せず、使用後は速やかに分解ないし
崩壊が起こるものが好ましいが、このような使用期間の
長短は構造単位の種類による生分解速度の大小により選
択することができる。
【0017】例えば前記ビオノーレのうち、低速生分解
型ビオノーレ#1000は、1,4−ブタンジオールと
コハク酸が縮合したものでポリブチレンサクシネートと
呼ばれ、下記式(1)の基本構造からなる。
【化1】 高速生分解型ビオノーレ#3000は、1,4−ブタン
ジオールにアジピン酸とコハク酸が共縮合したもので、
ポリブチレンサクシネート・アジペートと呼ばれ、下記
式(2)の基本構造からなる。
【化2】
【0018】一方、本発明で使用するケイソウ土は、植
物性プランクトンの珪酸質殻を主成分とする多孔質の物
質であり、スポンジ状の微細構造が容積の70%を占
め、1mm2当たり2万個の細孔を有する。ケイソウ土
は日本では能登半島、北海道などから産出し、軽く、微
生物、水分、肥料等を細孔に蓄える性質がある。そして
ケイソウ土質セラミックス多孔体は優れた保水性、透水
性、断熱性、軽量性、化学的安定性を利用して植栽用、
ゴルフ場、農園芸用土壌改良材として多く使用されてい
る。
【0019】本発明ではこのようなケイソウ土を焼成し
た焼成体を上記生分解性樹脂と複合して使用する。焼成
温度は500〜1200℃、好ましくは800〜110
0℃である。焼成によりケイソウ土は強度が大きくな
る。焼成したケイソウ土はかさ比重0.4〜0.8、好
ましくは0.5〜0.6、真比重2.0〜3.5、好ま
しくは2.2〜3.0、含水率15重量%以下、好まし
くは8重量%以下のものが使用される。
【0020】本発明の焼成したケイソウ土は多孔質であ
るため、保水性、通気性、断熱性などに優れ、水分や肥
料をよく吸着するため、本発明の生分解性樹脂組成物お
よび成形品は、土壌改良にも寄与する。
【0021】本発明の生分解性樹脂組成物は、生分解性
樹脂50〜95重量%、好ましくは65〜90重量%、
焼成ケイソウ土5〜50重量%、好ましくは10〜35
重量%を含む。生分解性樹脂および焼成ケイソウ土を上
記の範囲で配合することにより、生分解性樹脂単独の場
合より生分解性および強度例えば耐衝撃性、耐圧縮性を
高め、かつ樹脂使用量を少なくして低コスト化すること
ができる。また非発泡性、発泡性ともに使用でき、発泡
化して断熱性、軽量性を高め、かつ樹脂使用量を少なく
して低コスト化することもできる。
【0022】本発明の生分解性樹脂組成物には必要に応
じて可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、離型剤、ワックス類、着色剤、結晶化促進剤、水素
イオン濃度調節剤、補強繊維のような充填材等の添加剤
を配合してもよい。これらの添加剤も生分解性のもの、
あるいは生分解性を阻害しないものが好ましい。これら
の添加剤の配合量は0.01〜40重量%、好ましくは
0.03〜30重量%が適当である。
【0023】本発明の生分解性樹脂組成物はこれらの各
成分を混合することにより得られる。混合の方法はドラ
イブレンド、例えばニーダールーダーによる混練等公知
の方法によることができる。生分解性樹脂組成物はバル
ク、ペレット等の状態で得られ、そのままで使用できる
ほか成形品として各種の用途に使用することができる。
成形方法としては射出成形、押出成形、ブロー成形、真
空成形、圧縮成形、インフレーション成形、Tダイ成
形、カレンダー成形など目的とする成形品に応じて任意
の方法が用いられる。
【0024】本発明の生分解性樹脂組成物の混合に際し
ては、生分解性樹脂とケイソウ土の合計量100重量部
に対して5〜25重量部の可塑剤を併用してもよく、ク
エン酸アセチルトリブチル、ジブチルフマレート、ジ−
2−エチルヘキシルマレートなどがあげられ、これらの
中ではクエン酸アセチルトリブチルが好適であり、焼成
ケイソウ土が30重量%を越えるような場合は、可塑剤
による添着作用、生分解性樹脂の流動化のため、生分解
性樹脂および焼成ケイソウ土がより均一に分散する。
【0025】本発明の生分解性樹脂組成物および成形品
の用途は従来より樹脂が用いられているすべての用途に
用いられる。例えばトレー、ごみ袋などの日用品、農園
芸用品等の本体、容器、包装材など使用期間の短いもの
に適している。特に容器、包装材のように短期間の使用
後に廃棄されるようなものは、廃棄された場合でも短時
間で生分解するため、環境への負荷を軽減することがで
きる。なかでもこみ袋については大量の生分解性樹脂の
コスト高を改善すべく、本発明は好適に使用できる。
【0026】このほか農林業または土木用成形品として
環境中で用いられ、使用期間経過後は放置されるような
成形品に適している。例えば花卉苗鉢はそのまま土壌中
に埋設して植物育成後は放置すると生分解する。また道
路肩、家屋造成斜面などの種苗ネットや種子マット等
や、土止め杭のような固定用杭等も植物体が成長した後
は不要になるが、そのまま放置することにより生分解す
ることにより環境への負荷を軽減することができる。こ
れらのことは農園芸用の人工土壌として樹脂組成物のバ
ルクやペレットを用いる場合にもあてはまる。
【0027】本発明の生分解性樹脂組成物および成形品
は、使用後環境中に廃棄または放置される場合、必要な
使用期間経過後に迅速に生分解して無害化し、環境への
負荷が軽減される。生分解が崩壊にとどまる場合も、土
壌と類似の形態になることにより環境の美化に寄与し、
その後さらに時間が経過することにより完全に分解し、
無害化する。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、生分解性
樹脂と焼成ケイソウ土を含むことにより、低コストで、
しかも生分解性および強度に優れ、環境への負荷を軽減
することのできる生分解性樹脂組成物およびそれからな
る成形品を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について説
明する。
【0030】実施例1 合成系生分解性樹脂として脂肪族系ポリエステルを、ケ
イソウ土はその焼成粉末を用いて、園芸用苗鉢を成形加
工し、生分解試験を行った。 1)原 料 生分解性樹脂は、昭和高分子(株)製ビオノーレ2種類
を用いた。すなわち低速生分解型の脂肪族ポリエステル
縮合体#1030(数平均分子量MN=50000、重
量平均分子量Mw=150000、結晶化度25〜30
%、融点116℃、メルトフローレート30g/10m
in)および高速生分解型の脂肪族ポリエステル共縮合
体#3040(数平均分子量MN=50000、重量平
均分子量Mw=150000、結晶化度15%、融点9
6℃、メルトフローレート40g/10min)であ
る。ケイソウ土は(株)鍵主工業製焼成粉末を熱乾燥し
て用いた。このケイソウ土はかさ比重0.5、真比重
2.2、焼成温度1000℃、焼成時間8時間である。
【0031】2)原料の混練および成形 ケイソウ土50重量%と生分解性樹脂50重量%を石臼
型混練機を用いて、マスターコンパウンドを混練作成し
た。これに生分解性樹脂ペレットを射出成形機内で融解
混合して、ケイソウ土濃度を所定の試験濃度に希釈し射
出成形した。ケイソウ土濃度は10重量%から25重量
%の範囲とした。成形品は苗鉢とし、その大きさは、高
さ80mm、口経90mm、底径60mm、厚み0.5
mm、ハブ厚み3.0mmである。射出成形は1軸押出
し、80トン成形機によった。比較のために生分解性樹
脂のみの苗鉢も成形した。
【0032】3)生分解試験 黒土、腐葉土、バーク堆肥、バーミキュライトからなる
市販の園芸用培養土に約5重量%の鶏糞を加えた試験用
土を市販のプランターに入れ、苗鉢を埋めて汲みおきの
水道水を散布した。比較のために生分解性樹脂のみの苗
鉢も同様に埋めた。プランターは温室内に置き、用土の
乾燥に応じて散水した。苗鉢は一定日数ごとに掘り出し
て、水洗、風乾の後、用土を払い、外観や形状の変化の
観察と重量測定を行った。苗鉢は再び埋め戻した。
【0033】4)生分解の結果 埋め込み後、約2週間で苗鉢の表面が変色を始めた。生
分解試験開始後17日目で、低速分解型樹脂単独の苗鉢
は白濁斑点を数個生じ、高速分解型樹脂単独の苗鉢は鼠
色濁点、白濁斑点、桃色斑点などを生じた。ケイソウ土
を10重量%混練した高速分解型樹脂単独の苗鉢は鼠色
濁点、白濁斑点を全体に生じた。37日目で、低速分解
型樹脂単独の苗鉢はやや斑点が広がった。高速分解型樹
脂単独の苗鉢は前記の変色がさらに広がり、培養土が付
着して汚れた。ケイソウ土を10重量%混練した低速分
解型樹脂の苗鉢は鼠色と黒色の斑点が一面に広がり、鉢
が変形した。ケイソウ土を10重量%混練した高速分解
型樹脂の苗鉢は黒色の斑点が一面に広がって粗面にな
り、小孔を数個生じた。111日目で、低速分解型樹脂
単独の苗鉢は鼠色濁点を広く生じ桃色斑点が広がった。
その他の苗鉢も生分解が進行し、特に高速分解型樹脂に
ケイソウ土を25重量%含む苗鉢は、形状を留めていな
かった。埋め込み後166日を経過すると、低速分解型
樹脂単独の苗鉢は前記の斑点がさらに広がった。低速分
解型樹脂にケイソウ土を10重量%含む苗鉢は、形状を
留めているものの培養土が付着し破れを生じた。高速分
解型樹脂にケイソウ土を10重量%含む苗鉢は形状を留
めず数個の破片になった。
【0034】これらの重量変化の過程を表1に示す。苗
鉢は水洗した後、常温で乾燥後秤量するが、培養土から
の吸水と土壌粒子付着のために、初期の重量は実際より
大きく現れる傾向がある。
【0035】
【表1】
【0036】生分解の速さは気温によるところが大きい
が、苗鉢の重量が1/2になるまでの日数は、大略次の
ようである。 低速分解型樹脂単独 245日 低速分解型樹脂+ケイソウ土10% 240日 高速分解型樹脂単独 135日 高速分解型樹脂+ケイソウ土10% 125日 高速分解型樹脂+ケイソウ土25% 100日
【0037】表1の重量変化が示すように、ケイソウ土
を混練して加工した生分解性苗鉢は、生分解性樹脂単独
の苗鉢に比べて、生分解が促進され、ケイソウ土濃度は
増加するに従い生分解は速くなる。樹脂成分が分解する
に従い、ケイソウ土は培養土に混合し外観は苗鉢を識別
できなくなる。
【0038】実施例2 土止め杭はケイソウ土混練ペレットを射出成形機により
巾7.5mm、厚み8.5mmに押し出し成形し、長さ
110mmに切断して生分解試験試料を作成した。原料
は実施例1の#3040に代えて、ビオノーレ高速分解
型の脂肪族ポリエステル共縮合体#3020(数平均分
子量MN=50000、重量平均分子量Mw15000
0、結晶化度15%、融点95℃、メルトフローレート
21g/10min)および同ポリエステルで不飽和結
合を有する三元共縮合体#3000F融点85℃、メル
トフローレート50g/10min)を用いた他は実施
例1と同様である。ケイソウ土濃度は、25重量%、5
0重量%とし、比較のためにケイソウ土を加えない試料
も作成した。生分解は、試験杭を芝生に打ち込み、所定
の日数経過ごとに引き抜いて重量を測定した。低速分解
型樹脂単独の場合が分解は最も遅く、ケイソウ土濃度が
増すと、生分解は加速される。高速分解型樹脂にケイソ
ウ土を50重量%混練した試料は291日目には3個の
断片になり、ケイソウ土を25重量%混練した試料は同
日目に先端を失い、辛うじて形状を保った。折損した地
中の破片は土塊状になって土壌と識別できなくなり、杭
が地表にある場合にはその部分のみが残存する。生分解
性樹脂単独の試料は繰り返し打ち込みのために91日目
には折損した。これは耐衝撃性の低下によるものと認め
られ、これに対してケイソウ土を混練した試料は耐衝撃
性が改善されて折れにくくなる。重量変化の過程を表2
に示す。一定の日数を経過すると急速に重量が減少す
る。
【0039】
【表2】
【0040】実施例3 天然樹脂系の生分解性樹脂としてポリ乳酸を用いて実施
例1と同様に生分解試験を行なった。 1)原料 生分解性樹脂のポリ乳酸は(株)島津製作所製ラクティ
#2012(結晶化度25〜30%、数平均分子量MN
=50000、重量平均分子量Mw=150000、融
点175℃、メルトフローレート16g/10min)
である。ケイソウ土は実施例1の(株)鍵主工業製の焼
成粉末を同様に用いた。
【0041】2)原料の混練および成形 ケイソウ土50重量%、生分解性樹脂50重量%の合計
量100重量部に可塑剤としてクエン酸アセチルトリブ
チル10重量部を加え、石臼型混練機を用いてマスター
コンパウンドを混練作成した。マスターコンパウンドペ
レットにラクティ単独ペレットを加えて、射出成形機内
で融解混合し、ケイソウ土濃度を所定の試験濃度に希釈
し苗鉢を射出成形した。苗鉢の形状、大きさ、射出成形
機ともに実施例1と同様である。比較のためにケイソウ
土を混練しないラクティのみの苗鉢も成形した。ケイソ
ウ土濃度は5重量%から25重量%の範囲とした。
【0042】3)生分解試験 市販の園芸用培養土をプランターに入れ、これら苗鉢を
埋めて汲みおきの水道水を散布した。プランターは温室
内に置き、用土の乾燥に応じて散水した。苗鉢は一定日
数ごとに掘り出して水洗、風乾の後、形状の変化観察と
重量を測定した。苗鉢は再び埋め戻した。
【0043】4)生分解の結果 ケイソウ土を20重量%混練した苗鉢は91日後に表面
が複数の白化した斑点を生じた。203日後に表面の白
化した斑点は広がった。さらに259日後、苗鉢がいび
つに変形し、白化した斑点の部分は粗面になった。一
方、ケイソウ土を混練しない苗鉢は259日後も初期の
光沢を保ったままであった。330日後この光沢はやや
失われ、透明であるが全体にわずかに着色した。重量変
化の過程を表3、表4に示す。表3と表4に見られるよ
うに日数とともに重量が増加する。その率はケイソウ土
を混練した苗鉢の方が大きい。これは、ポリ乳酸系樹脂
は生分解が遅く、ケイソウ土が園芸用培養土中の肥料成
分を吸着し、吸水したものと考えられる。生分解が遅い
このような樹脂は、繰り返して長期間使用する苗鉢など
に適している。
【0044】
【表3】 表3 ポリ乳酸/ケイソウ土混練の苗鉢の生分解(ケイソウ土20重量%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 生分解性 ケイソウ土 経 過 気 温 地 温 重 量 変化率 樹脂 (wt%) 日 数 (℃) (℃) (g) (%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ラクティ 20 0 15 13 26.0 100 #2012 63 19 6.5 26.6 102 91 13 9.0 26.4 101 203 31 28 27.0 104 259 28 27 27.6 106 330 18 17 27.8 107 ラクティ 20 0 15 13 26.0 100 #2012 63 19 6.5 26.6 102 91 13 9.0 26.4 102 203 31 28 27.2 105 259 28 27 28.0 107 330 18 17 28.2 108 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0045】
【表4】 表4 ポリ乳酸の苗鉢の生分解(ケイソウ土0重量%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 生分解性 ケイソウ土 経 過 気 温 地 温 重 量 変化率 樹脂 (wt%) 日 数 (℃) (℃) (g) (%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ラクティ 0 0 15 13 23.6 100 #2012 63 19 6.5 23.8 101 91 13 9.0 23.8 101 203 31 28 23.8 101 259 28 27 24.0 102 330 18 17 24.0 102 ラクティ 0 0 15 13 23.6 100 #2012 63 19 6.5 23.7 100 91 13 9.0 23.4 99 203 31 28 23.6 100 259 28 27 23.8 101 330 18 17 23.8 101 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA001 CF031 CF181 CF191 CL001 DJ006 GA00 GL00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性樹脂と焼成ケイソウ土とを含む
    生分解性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 生分解性樹脂50〜95重量%、および
    焼成ケイソウ土5〜50重量%を含む請求項1記載の生
    分解性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 生分解性樹脂が脂肪族ポリエステルであ
    る請求項1または2記載の生分解性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 焼成ケイソウ土が500〜1200℃で
    焼成されたケイソウ土粉末である請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の生分解性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の樹
    脂組成物からなる成形品。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の樹
    脂組成物からなる農林業または土木用成形品。
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