JPH09294482A - 生分解性育苗用ポット - Google Patents

生分解性育苗用ポット

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JPH09294482A
JPH09294482A JP8112337A JP11233796A JPH09294482A JP H09294482 A JPH09294482 A JP H09294482A JP 8112337 A JP8112337 A JP 8112337A JP 11233796 A JP11233796 A JP 11233796A JP H09294482 A JPH09294482 A JP H09294482A
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Japan
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starch
pot
biodegradable
seedling
biodegradable resin
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JP8112337A
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Tetsuya Shimooozono
哲哉 下大薗
Jiro Hino
治郎 日野
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Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
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Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 澱粉と生分解性樹脂とを含む生分解性組成
物を用いた育苗用ポットであって、生分解性樹脂が本来
有する耐水性及び機械的性質をほぼ維持し、かつ加熱溶
融時の発泡やフィルム用途での厚さの制限などの欠点を
改善でき、さらに、比較的短期間の内にポットの外側の
土壌との連絡が可能となって水分や養分の流通ができる
ようになり、根がポットの外側に張り出すことも可能な
生分解性の育苗用ポットの提供。 【解決手段】 脂肪族ポリエステル、ポリビニールアル
コール、セルロース類等の生分解性樹脂を連続相とし、
澱粉を可塑剤とともに加熱混練して得られる可塑化澱粉
を非連続相として含有する生分解性組成物からなる育苗
用ポット。可塑化澱粉と生分解性樹脂とを含む組成物を
射出成形、ブロー成形またはシート真空成形する育苗用
ポットの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性育苗用ポ
ットに関し、特に、樹木等の植物を取り出すことなく土
中にそのまま移植でき、移植後は土中で生分解し得るポ
ットに関する。さらに詳しくは、可塑化した澱粉と生分
解性樹脂とを含む生分解性組成物からなる生分解性育苗
用ポットに関する。可塑化した澱粉を生分解性樹脂内に
分散させた組成物からなる育苗用ポットは、澱粉の欠点
である耐水性、機械的性質の低下等を防ぎつつ、改善さ
れた生分解性を有する。
【0002】
【従来の技術】近年、農業技術の進歩に伴って、種蒔き
から苗を育成するまではビニールハウス等の管理された
設備において行い、優秀な苗を得た後、実際のフィール
ドに移植する方法が取られるようになっている。このよ
うな方法においては、育苗後の移植の容易さから育苗用
ポットが用いられるのが一般的である。そして、従来用
いられている育苗用ポットは、主に、塩化ビニルやポリ
エチレン等の樹脂製のものであり、移植に際して苗をポ
ットから取り出す必要があり、また使用済ポットは廃棄
されいる。ところが、苗をポットから取り出す作業は煩
雑であり、かつ根を傷める場合もある。また、使用済ポ
ットの焼却等による廃棄は、環境上好ましくない。
【0003】そこで、このような状況下、育苗用ポット
を生分解性を有する材料により形成して、上記作業の煩
雑さやポットの廃棄により生じる問題を解決する試みや
提案がなされている。例えば、特開平2−286013
号には、植物性繊維からなる苗木ポット本体にポリヒド
ロキシ酪酸・ポリヒドロキシ吉草酸共重合体をコートし
た生分解性移植用ポットが開示されている。また、特開
平5−199818号には、生分解性の脂肪族ポリエス
テルからなり、所定の厚み及び形状とした育苗用ポット
が開示されている。さらに特開平7−322771号に
は、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性生分解性繊維と非
溶融性生分解性繊維とらかなる育苗用容器が開示されて
いる。
【0004】ところで、生分解性樹脂を実用する上で問
題となるのが価格と生分解性(分解速度)である。ま
た、機械的強度や加工性等も問題となる。上記育苗用ポ
ットにおいても、作業の簡略化が可能であるにも係わら
ず、生分解性樹脂が高価であるために生分解性育苗用ポ
ットは実用化には至っていない。また、育苗用ポット
は、育苗中は一定の強度と形状を維持でき、土中に移植
後、根の成長に応じて適当な期間の内に生分解する必要
がある。しかし、これまでに知られている生分解性樹脂
の生分解には数カ月から数年必要であり、一方、根の成
長はそれよりも速く、根の成長に合った生分解性を有す
る育苗用ポットを提供できるには至っていない。
【0005】一般に、生分解性樹脂は、ポリカプロラク
トン、ポリ乳酸、ポリビニールアルコールなどの化学合
成系、ポリヒドロキシブチレート・バリレート共重合体
などの微生物系、アセチルセルロースなどの天然物利用
系等に分けられている。さらに、生分解性材料のコスト
ダウンや生分解性の改善を目的として、上記の樹脂に澱
粉を配合することも提案されている。本発明者らは、生
分解性樹脂に可塑化澱粉を併用することで、より低価格
の育苗用ポットを提供できる可能性があること、さら
に、可塑化澱粉の併用により短期間に生分解可能な育苗
用ポットを提供できる可能性があることに着目して検討
を行った。
【0006】生分解性樹脂に澱粉を配合する場合、生澱
粉をその粉体のまま生分解性樹脂の加熱溶融時に練込ん
で複合体を得る場合と、水存在下で澱粉と生分解性樹脂
とを加熱溶融して複合体を得る場合とがある。澱粉粉体
を生分解性樹脂に練込んだ複合体としては、特開平4−
146953号公報に「プラスチックの生分解性制御方
法」として記載されている、生分解性樹である脂肪族ポ
リエステルに澱粉等の有機フィラーを配合したものが知
られている。さらに、特開平5−39381号公報に
「生分解性ポリマー組成物」として記載のポリ乳酸に澱
粉粉体を配合した複合体なども知られている。
【0007】これら複合体では、澱粉を添加することに
より生分解性は改善される。しかし、強度や伸長率等の
機械的性質が大幅に低下して脆くなるという問題があ
る。さらに、これらの複合体をフィルムに応用しようと
しても、配合した澱粉粉体の粒度が相当に粗いため、厚
さが100μm程度より薄いフィルムを得ることはでき
ないという欠点もある。育苗用ポットは一定の機械的強
度を必要とし、かつ、厚みを100μm以下とすること
もあるため、これらの複合体から実用可能な育苗用ポッ
トを形成することはできなかった。
【0008】一方、水存在下で澱粉と生分解性樹脂を加
熱溶融して得られる複合体は、例えば、特開平2−14
228号公報に「分解澱粉及び少なくとも1種の合成熱
可塑性ポリマー材料から製造されるポリマー材料」とし
て記載のものがある。この公報に記載の方法では、5〜
30重量%の含水率を有する澱粉及び生分解性樹脂を含
む水不溶性熱可塑性樹脂を加熱溶融して複合体を得てい
る。しかし、ここに開示されている複合体は水を含んで
いるため、加熱溶融時に発泡するという問題がある。さ
らに、特に生分解性樹脂が脂肪族ポリエステルである場
合、水の存在下での加熱により、樹脂が加水分解して強
度が低下するという欠点もある。従ってこのような材料
を用いて実用化可能な育苗用ポットを得ることはできな
い。
【0009】また、澱粉を含む生分解性の複合体では、
澱粉の欠点である耐水性及び機械的性質が劣るという欠
点もあり、育苗用ポットにおいては改善する必要があ
る。さらに、本発明者らの検討によれば、植物を生分解
性育苗用ポットと共にそのまま土中に移植すると、一般
に生分解性樹脂の分解には数カ月から数年の期間が必要
であることから、ある種の植物ではポットがある程度分
解するまでは、根はポットの外側の土壌中に成長するこ
とはできず、かつポットの外側の土壌との連絡も不十分
となる。その結果、水や養分の供給が不良となったり、
根がポット内で廻ってしまい発達が十分にできなくなっ
てしまう。また、従来の澱粉を配合した生分解性樹脂で
は、澱粉は比較的短時間に分解するが、澱粉の配合によ
り強度が低下したり、生分解性樹脂の分解速度を向上さ
せることはできず、上記問題を解決できるには至ってい
ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、澱粉と生分解性樹脂とを含む生分解性組成物を用い
た育苗用ポットであって、生分解性樹脂が本来有する耐
水性及び機械的性質をほぼ維持し、かつ加熱溶融時の発
泡やフィルム用途での厚さの制限などの欠点を改善で
き、さらに、比較的短期間の内にポットの外側の土壌と
の連絡が可能となって水分や養分の流通ができるように
なり、根がポットの外側に張り出すことも可能な生分解
性の育苗用ポットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、生分解性樹脂
を連続相とし、可塑化澱粉を非連続相として含有する生
分解性組成物からなることを特徴とする育苗用ポットに
関する。以下に、本発明について詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明の育苗用ポットでは、可塑
化澱粉を用いる。可塑化澱粉とは、澱粉を可塑剤ととも
に加熱混練して得られたものである。可塑化澱粉の原料
となる澱粉は、未加工澱粉、加工澱粉または澱粉誘導体
のいずれでも良い。
【0013】未加工澱粉は、従来から公知の澱粉であ
る。未加工澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、甘薯澱
粉、タピオカ澱粉等の地下澱粉及び小麦澱粉、コーンス
ターチ、サゴ澱粉、米澱粉等の地上澱粉、ワキシースタ
ーチ、ハイアミローススターチ等の特種澱粉を挙げるこ
とができる。
【0014】また、加工澱粉としては白色デキストリ
ン、黄色デキストリン、ブリテイシュガムなどの焙焼デ
キストリン、酸化澱粉、低粘性変性澱粉等の分解産物と
アルファー澱粉を挙げることができる。さらに、澱粉誘
導体としては酢酸エステル、リン酸エステル等の澱粉エ
ステル、カルボキシエチルエーテル、ヒドロキシエチル
エーテル、ヒドロキシプロピルエーテル、陽性澱粉等の
澱粉エーテルを挙げることができる。
【0015】可塑化澱粉の製造に際して、澱粉の含水量
は、澱粉乾物基準で5%以下、好ましくは2%以下であ
ることが適当である。澱粉の水分は少なければ少ないほ
ど加熱発泡時の発泡を抑制でき、かつ脂肪族ポリエステ
ル加水分解による強度低下も抑制できる。但し、澱粉を
乾燥して行くにつれ水分が飛びにくくなり、乾燥コスト
も上昇するので、経済的に見て5%以下、好ましくは2
%以下が適当である。
【0016】澱粉の可塑化に用いる可塑剤は、澱粉に可
塑性を付与出来る、水以外のものであれば、特に制限は
ない。例えば、生分解性を有する高沸点可塑剤を挙げる
ことが出来る。そのような可塑剤の例としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソ
ルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、イソデシルアル
コール、n−デシルアルコール、ジエチレングリコー
ル、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジプロピレングリ
コール、n−オクチルアルコール等を挙げることができ
る。
【0017】澱粉に対する可塑剤の配合比は、澱粉(乾
物基準)100重量部に対し10〜70重量部、好まし
くは20〜50重量部とすることが適当である。これら
の配合比率は澱粉に可塑性を付与し成形物の形成に於け
る流動性確保のために適している。
【0018】澱粉の可塑化のための加熱条件は、澱粉/
可塑剤及び澱粉/可塑剤/生分解性樹脂、可塑剤の種類
及び配合量により、適宜選択することができる。例え
ば、60〜220℃で10〜60分間加熱混練すること
で、可塑化澱粉を得ることができる。加熱混練は、例え
ば加圧ニーダーや押出し機等を用いて行うことが出来
る。加熱混練により得られる可塑化澱粉は、例えばペレ
ット化し、得られたペレットを後で生分解性樹脂と混練
し再度加熱溶融することが出来る。
【0019】本発明の組成物において用いられる生分解
性樹脂には特に制限はない。それ自身生分解性を有する
樹脂であれば良く、成形性を考慮すると熱可塑性である
ことが適当である。化学合成系樹脂、微生物系樹脂、天
然物利用系樹脂等のいずれに属する樹脂でもよい。例え
ば、脂肪族ポリエステル、ポリビニールアルコール、セ
ルロース誘導体等を挙げることができる。
【0020】より具体的には、生分解性樹脂を考慮する
と、脂肪族ポリエステルとしてはポリヒドロキシブチレ
ート(PHB)及びその誘導体、ポリカプロラクトン
(PCL)、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリ
テトラメチレンアジペート、ポリグリコール酸(PG
A)、ポリ乳酸(PLA)及びその誘導体、ジオールと
ジカルボン酸を原料とする脂肪族ポリエステル等、セル
ロース類としてはアセチルセルロース、メチルセルロー
ス、エチルセルロース等を挙げることが出来る。これら
以外にも生分解性のポリビニールアルコール及びポリウ
レタン等が含まれる。
【0021】本発明の可塑化澱粉と生分解性樹脂との割
合は、澱粉と生分解性樹脂との乾物基準での重量比が1
0:90〜70:30、好ましくは30:70〜50:
50の範囲であることが適当である。澱粉の配合比率が
10重量%以上になると可塑化澱粉の添加による生分解
改善効果が現れ始める。特に、澱粉の配合比率が30重
量%以上になると、可塑化澱粉による分解性の促進効果
が顕著になる。また澱粉の配合比率が70%以下であれ
ば成形性等に大きな支障なく、特に50重量%以下では
通常の樹脂のみの場合とほぼ同様の成形性を示す。
【0022】本発明の育苗用ポットは、上記成分に加え
て、必要により各種添加剤を適宜加えることが出来る。
添加剤としては、例えば、植物性タンパク質、パルプ、
紫外線安定剤、殺菌剤、除草剤、肥料、酸化防止剤、界
面活性剤、顔料等を挙げることが出来る。
【0023】本発明の育苗用ポットを形成する生分解性
組成物は、例えば、前記可塑化澱粉のペレットと生分解
性樹脂とを、加熱混練することにより得られる。加熱混
練の条件は、澱粉の可塑化のための加熱条件とほぼ同様
にすることができる。但し、可塑化澱粉および生分解性
樹脂の種類や配合量により、適宜選択することができ
る。例えば、60〜220℃で10〜60分間加熱混練
することで、生分解性樹脂を連続相とし、可塑化澱粉を
非連続相として含有する生分解性組成物を得ることがで
きる。加熱混練は、例えば加圧ニーダーや押出し機等を
用いて行うことが出来る。また、澱粉の可塑化と生分解
性樹脂との混練を同時に並行して行うこともできる。
【0024】本発明の育苗用ポットを形成する生分解性
組成物は、生分解性樹脂を連続相とし、可塑化澱粉を非
連続相として含有する、所謂海島構造(生分解性樹脂が
海、可塑化澱粉が島)を有する。そのため、生分解性組
成物の表面は、生分解性樹脂で覆われ、可塑化澱粉は生
分解性樹脂内部に止まる。そのため、生分解性樹脂の有
する機械的性質(成形性)や耐水性は維持され、かつ生
分解性は向上した組成物が得られる。
【0025】さらに、本発明の育苗用ポットでは、低水
分下で可塑化した澱粉を用いることで、加熱溶融時の発
泡を防ぎつつ生分解性を向上させた生分解性複合体を得
ることもできる。上記組成物にこれら海島構造体を取ら
せるためには澱粉と樹脂の比率、可塑剤の配合量、加熱
溶融条件等が重要である。
【0026】本発明の育苗用ポットは、シート状、フィ
ルム状、またはペレット状の上記生分解性組成物を常法
により成形加工することにより製造することができる。
成形加工法としては、射出成形、ブロー成形、シート真
空成形等を例示することができる。また、本発明の育苗
用ポットの寸法及び形状には特に制限はない。但し、ポ
ットの強度と分解速度(分解消失期間)等を考慮する
と、例えば、ポットを構成する膜の厚みは50μm〜1
mmの範囲とすることができる。また、その他の寸法及
び形状は、育苗対象とする植物の種類等を考慮して適宜
決定できる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、可塑化澱粉と生分解性
樹脂を併用することによって、安価で機械的性質及び成
形性の優れた生分解性樹脂組成物からなる育苗用ポット
を提供することが出来る。従来の生分解性樹脂は汎用の
熱可塑性樹脂に比べて高価であり、将来的にも汎用樹脂
並みの価格になることは難しい。本発明により安価な澱
粉を添加して複合化させることで生分解性育苗用ポット
の価格を低減することができる。さらに本発明の生分解
性育苗用ポットは、比較的生分解性の遅い生分解性樹脂
を連続相とし、比較的生分解性の速い可塑化澱粉を非連
続相としていることから、土に移植後、比較的短時間の
内に可塑化澱粉は分解消失して、その部分に微細な孔が
形成される。その結果、生分解性樹脂の分解が十分に進
行していない段階においても、この微細な孔を通して、
ポットの外側の土壌からの養分や水分がポット内に供給
されるようにばかりか、成長した根が微細なから外部に
伸長することもでき、植物の生育を促進することができ
るという利点も有る。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 低水分コーンスターチ(水分2%以下)100重量部に
対し、エチレングリコール30重量部を加え、ヘンシル
ミキサー(三井三池化工機製)で1000r.p.m.3分間
混練し、試験用押出機(東洋精機製)にて150℃で加
熱溶融しペレット化した。この可塑化澱粉ペレット30
重量部と脂肪族ポリエステル(昭和高分子製ビオノール
#3010)70重量部を試験押出機(東洋精機製)に
て150℃で加熱溶融し複合体ペレットを得た。得られ
たペレットを中部化学機械製のブロー成形機で成形し
て、肉厚150μmの本発明の育苗用ポットを試作し
た。
【0029】比較例1 澱粉及び可塑剤を使用しないで、ビオノーレ#3010
のペレットのみから実施例1と同様にして育苗用ポット
を試作した。
【0030】実施例2 低水分コーンスターチ(水分2%以下)40重量部、グ
リセリン20重量部、ポリカプロラクトン(ダイセル化
学工業製プラクセルH−7)40重量部をヘンシルミキ
サーで1000r.p.m.3分間混練し、試験用押出し機
(東洋精機製)にて100℃に加熱溶融しペレット化し
た。得られたペレットを用いて、肉厚を100μmにし
た以外は実施例1と同様の条件で育苗用ポットを試作し
た。
【0031】比較例2 澱粉及び可塑剤を使用しないで、ポリカプロラクトン
(プラクセルH−7)のペレットのみから実施例2と同
様にして育苗用ポットを試作した。
【0032】実施例3 コーンスターチ100重量部にアマニ油を1重量部添加
してブレーンミキサー(宝工機製)を用いて均一に混練
した後100℃に加温された箱型乾燥機を用いて製品水
分が0.3%以下になるように乾燥しアマニ油加工コー
ンスターチを得た。このアマニ油加工コーンスターチ
(水分1.0%)40重量部、ポリエチレングリコール
20重量部、ポリ乳酸(島津製作所製ラクテイ)40重
量部をヘンシルミキサーで1000r.p.m.3分間混練
し、試験用押出し機(東洋精機製)にて180℃に加熱
溶融しペレット化した。得られたペレットを用いて、日
精樹脂工業製2軸射出成形械を用いて本発明の肉厚0.
5mmの育苗用ポットを試作した。射出成形の条件は以
下のとおりである。 金型 ピンゲート、肉厚 0.5mm、直径9cm育苗
用ポット 成形条件 120℃(後部)150℃(中部)160℃
(前部)155℃(ノズル)
【0033】比較例3 澱粉及び可塑剤を使用しないで、ポリ乳酸のペレットの
みから実施例3と同様にして育苗用ポットを試作した。
【0034】試験例 実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた育苗用ポット
各3個を土中に埋設し、重量減少率を求めた。結果を表
1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1〜3では比較例1〜3に比べて、
生分解による重量減少が速いことが分かる。また、実施
例1〜3の育苗用ポットでは、約2ヵ月後には、ポット
に多数の孔が形成されていることが観察された。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性樹脂を連続相とし、可塑化澱粉
    を非連続相として含有する生分解性組成物からなること
    を特徴とする育苗用ポット。
  2. 【請求項2】 可塑化澱粉が澱粉を可塑剤とともに加熱
    混練して得られたものである請求項1記載の育苗用ポッ
    ト。
  3. 【請求項3】 可塑化澱粉が含水量が5%以下の澱粉を
    可塑剤とともに加熱混練して得られたものである請求項
    1記載の育苗用ポット。
  4. 【請求項4】 澱粉が、未加工澱粉、加工澱粉または澱
    粉誘導体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の育
    苗用ポット。
  5. 【請求項5】 可塑化澱粉と生分解性樹脂との割合が、
    澱粉と生分解性樹脂との乾物基準での重量比が10:9
    0〜70:30の範囲である請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の育苗用ポット。
  6. 【請求項6】 可塑剤が生分解性を有する高沸点可塑剤
    である請求項1〜5のいずれか1項に記載の育苗用ポッ
    ト。
  7. 【請求項7】 生分解性樹脂が脂肪族ポリエステル、ポ
    リビニールアルコール及びセルロース類からなる群から
    選ばれる少なくとも1種の生分解性樹脂である請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の育苗用ポット。
  8. 【請求項8】 脂肪族ポリエステルがポリヒドロキシブ
    チレート、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレ
    ンアジペート(PEA)、ポリテトラメチレンアジペー
    ト、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)
    及びその誘導体、並びにジオールとジカルボン酸を原料
    とする脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる少な
    くとも1種である請求項7記載の育苗用ポット。
  9. 【請求項9】 可塑化澱粉と生分解性樹脂とを含む組成
    物を射出成形、ブロー成形またはシート真空成形するこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の育
    苗用ポットの製造方法。
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